JPH09164744A - 画像形成装置の騒音マスキング装置および騒音マスキング方法 - Google Patents

画像形成装置の騒音マスキング装置および騒音マスキング方法

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JPH09164744A
JPH09164744A JP7347169A JP34716995A JPH09164744A JP H09164744 A JPH09164744 A JP H09164744A JP 7347169 A JP7347169 A JP 7347169A JP 34716995 A JP34716995 A JP 34716995A JP H09164744 A JPH09164744 A JP H09164744A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置の駆動モータの騒音に対して、
その周波数変動による心理的な不快感のない騒音マスキ
ングを行う小型低価格のレーザビームプリンタまたは複
写機などの騒音マスキング装置を提供する。 【解決手段】 動作時に騒音の発生源となる駆動機構を
有する画像形成装置の騒音マスキング装置において、前
記騒音と相関のある相関信号を作成する相関信号作成手
段と、前記騒音をマスキングするマスキング音を発生す
る発音体と、前記発音体を制御し、前記相関信号の変化
に対応して前記マスキング音を変化させるマスキング音
制御手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動作時に騒音源と
なる駆動モータを用いるOA機器や、レーザビームプリ
ンタ、電子写真複写機などの画像形成装置において、騒
音源の駆動モータから発生する騒音に対して、当該騒音
を聴感上で打ち消す騒音マスキング音を発生させ、不快
感を起こす騒音を打ち消す画像形成装置の騒音マスキン
グ装置および騒音マスキング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザビームプリンタ、電子
写真複写機などの画像形成装置には、駆動用モータとし
て複数の機械系駆動モータが多く使用されているが、近
年のデジタル化に伴って、特殊な駆動モータが使用され
ている。
【0003】例えば、デジタル化された画像形成装置に
おいて、画像読み取りは、蛍光管やLEDなどの光源で
画像担体(原稿)を走査して、CCDによってその画像
を読み取る。画像記録を行う場合には、画像記録装置に
よって、画像信号や文字信号で変調されたレーザダイオ
ードなどの光源からの光ビームで記録媒体を走査して画
像の記録(原稿の作成)が行われる。この場合に、上記
光ビームを走査するための光走査装置としては、複数の
反射面を外周に有する回転多面鏡と当該回転多面鏡を回
転させるための駆動モータからなる光偏向器が用いられ
る。次に、このような光偏向器の駆動モータの例を説明
する。
【0004】図12は、光偏向器(光走査装置)の構成
を説明する斜視図である。図12において、11は駆動
モータ、12は回転多面鏡、13はレーザ光源、14は
コリメータレンズ、15は集光光学部品(集光レン
ズ)、16は記録部材(感光体ドラム)である。
【0005】図12を参照して、画像形成装置における
光偏向器の構成と画像記録方法の概略を説明する。画像
記録を行う場合、駆動モータ11により回転多面鏡12
を矢印A方向に回転する。レーザ光源13は、半導体レ
ーザまたはガスレーザなどのレーザで構成されており、
レーザ光源13から発射される光ビームが、図示しない
変調器によって画像信号で変調され、コリメータレンズ
14を通して回転多面鏡12の1つの反射鏡面に入射さ
れる。回転多面鏡12の反射鏡で反射された光ビーム
は、集光光学部品15を通して記録部材16に投影され
る。この場合、反射された光ビームは、回転多面鏡12
の矢印A方向の回転に伴って、矢印B方向に偏向されて
記録部材16を主走査する。この主走査と共に、記録部
材16が矢印C方向に回転されることにより、副走査が
行われて、記録部材16上に2次元の画像の書き込みが
行われる。
【0006】ところで、このような光偏向器に用いる駆
動モータは、例えば、相互に嵌合するスリーブと軸のい
ずれか一方を回転部材とし、他方を固定部材とする動圧
空気軸受けまたは玉軸受けなどの回転軸受けと、この回
転部材に取り付けた永久磁石と、固定部材に設置した環
状鉄心に電磁コイルを巻回して構成される磁気回路によ
り回転トルクを発生する駆動モータであり、軸方向に回
転体を保持する磁気軸受けの機能を兼ね備えた磁気回路
を有するものである。
【0007】このため、上述のような画像記録が行われ
る場合に、駆動モータ11の駆動によって騒音が発生す
る。その場合の駆動モータの回転数の変化に伴い発生す
る騒音ついて説明すると、図13に示すように、光走査
装置の駆動モータの回転数の変化によって騒音が発生し
変化する。図13では、画像形成装置の電源を入れてか
ら一連の画像形成が終了するまでのプロセスを駆動モー
タの回転数(騒音)の変化として示している。
【0008】図13に示すように、電源がオンとされる
と、駆動モータの回転数は、所定回転数まで増加され、
一定の回転数の持続の後、所定の処理が開始されないと
待機モードに入り、回転数を下げて休止状態となる。そ
の後、処理の開始が指示されると、駆動モータの立ち上
がりを開始し、駆動モータの回転数が所定回転数まで立
ち上がると、ここから所定の処理のための駆動モータの
稼働運転を開始する。そして、稼働運転が終了すると、
一部のファンの回転を停止させ、冷却のための一定時間
の回転を継続して、駆動モータの減速を開始し、待機モ
ードの回転数まで減速して、その待機モードの回転数で
持続して待機を続ける。
【0009】つまり、画像形成装置においては、電源を
入れてから暫くの間、処理が行われなかった場合に、数
秒から数十秒後に待機モードに切り替わるが、これは、
待機時の消費電力を抑制するためであり、放熱用のファ
ンなどを除いたほとんどの装置の機構が休止状態とな
る。待機モード時の光偏向器は、次の稼働運転に備え、
駆動モータが立ち上がり始めてから所定の回転数に達す
るまでの立ち上がり時間を短くするため、通常の場合、
所定の回転数の半分程度に減速され運転されている。近
年は、待機モード時の消費電力を更に低減するため、待
機時には、回転数をゼロまで落とす機種もみられる。
【0010】待機状態中に、操作者が画像形成処理を行
うため、コントロールパネルのボタンを押すなどして、
処理開始信号が入力されると、画像形成装置は稼働モー
ドになり、光偏向器の駆動モータが立ち上がり始め、所
定の回転数に達するまで加速される。この時、画像形成
のサイクルなどの観点から、光偏向器の駆動モータは短
時間で高速に回転する必要がある。このため、光偏向器
の駆動モータは、一般のモータより高い回転数で使用さ
れるように構成され、その回転数は五千回転以上、場合
によっては一万回転以上になる。したがって、駆動モー
タには立ち上がり時に大きな電流を流し、回転数を急速
に上昇させるので、この時、非常に大きな騒音が発生す
る。この騒音は、回転数の変動に連動した変動音であ
り、人間の耳には非常に気になり、不快感を与える音と
なっている。
【0011】また、駆動モータが所定の回転数に達して
から、画像形成の処理が開始され、その一連の処理を行
うが、処理が終了すると、装置の各機構は休止状態にな
る。また、一定時間が経過しても次の処理が行われない
場合には、再び画像形成装置は待機モードに切り替わ
り、駆動モータが減速運転となる。
【0012】従来から、この種の周波数変動による不快
感を感じる騒音を押さえようする技術が提案されてい
る。例えば、特開昭63−59797号公報、特開平6
−175443号公報などで提案されているものがあ
る。特開昭63−59797号公報で提案されている
「ステップモータの駆動方式」は、駆動モータの立ち上
がり時の周波数の時間変化が複数の曲線となるように構
成し、急激な変化を緩和する方法である。また、特開平
6−175443号公報に提案されている「画像形成装
置」においては、ポリゴンミラー駆動用モータの立ち上
がり時に、別途に画像形成装置の他の動作を前倒しして
行い、その動作音をかぶせて駆動モータの音を聞こえに
くく(マスキング)する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例による
と、例えば、光偏向器の駆動モータの立ち上がり時に発
生する騒音による心理的な不快感をなくすためには、周
波数の時間変化が複数の曲線となるように構成するの
で、急激な音の変化を緩和する点ではある程度効果的で
あるが、しかし、その周波数変動は、おおよそ認識され
るために不快感をなくすに到っていない。
【0014】また、他方の上記の従来例による動作音を
かぶせて駆動モータを聞こえにくくする方法によると、
音全体では更に騒音(音量)が増大してうるさくなる。
このため、不快感はなくせない。また、電源入力時や画
像形成処理の終了時から待機モードに切り替わるまでの
間に、連続して別に画像形成装置の他の部分を動作させ
る結果、低消費電力化の観点からも好ましくない。
【0015】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、本発明の目的は、周波数変動に
よる心理的な不快感のない騒音マスキングを行う小型低
価格のレーザビームプリンタまたは複写機などの騒音マ
スキング装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明の画像形成装置の騒音マスキング装置
は、第1の特徴として、動作時に騒音の発生源となる駆
動機構を有する画像形成装置の騒音マスキング装置にお
いて、前記騒音と相関のある相関信号を作成する相関信
号作成手段と、前記騒音をマスキングするマスキング音
を発生する発音体と、前記発音体を制御し、前記相関信
号の変化に対応して前記マスキング音を変化させるマス
キング音制御手段とを備えることを特徴とする。
【0017】また、本発明の画像形成装置の騒音マスキ
ング装置においては、第2の特徴として、前記マスキン
グ音制御手段は、前記相関信号の変化に対応して前記マ
スキング音の周波数を変化させることを特徴とする。ま
た、第3の特徴として、前記マスキング音制御手段は、
前記相関信号の変化に対応し前記マスキング音の音圧を
変化させることを特徴とする。
【0018】また、ここでの画像形成装置の騒音マスキ
ング装置においては、第4の特徴として、前記マスキン
グ音が、特定周波数に顕著な音圧のピークを有する純音
系マスキング音であり、第5の特徴として、ここでの前
記純音系マスキング音の周波数分布が、前記特定周波数
を中心とする対称分布であることを特徴とする。
【0019】更に、第6の特徴として、本発明の画像形
成装置の騒音マスキング方法では、動作時に騒音の発生
源となる駆動機構を有する画像形成装置の騒音マスキン
グ方法において、前記騒音と相関のある相関信号を作成
し、この相関信号の変化に対応して前記騒音をマスキン
グするマスキング音を変化させ、この変化後のマスキン
グ音を発音体から発生させることを特徴とする。
【0020】また、本発明の画像形成装置の騒音マスキ
ング方法において、マスキング音の変化は、第7の特徴
として、前記相関信号の変化に対応して前記マスキング
音の周波数を変化させることを特徴とする。また、第8
の特徴として、マスキング音の変化の態様が、前記相関
信号の変化に対応して前記マスキング音の音圧を変化さ
せることを特徴とする。
【0021】また、本発明の画像形成装置の騒音マスキ
ング方法では、第9の特徴として、前記マスキング音が
特定周波数に顕著な音圧のピークを有する純音系マスキ
ング音であることを特徴とする。この場合に、第10の
特徴として、前記純音系マスキング音の周波数分布が、
前記特定周波数を中心とする対称分布であることを特徴
とする。
【0022】このような様々な特徴を有する本発明の画
像形成装置の騒音マスキング装置においては、相関信号
作成手段が、画像形成装置の駆動機構が動作時に発生す
る騒音と相関のある相関信号を作成すると、マスキング
音制御手段が、マスキング音を発生する発音体を制御
し、前記相関信号の変化に対応して前記マスキング音を
変化させる。これにより、画像形成装置の駆動機構が動
作時に発生する騒音に対して、効果的にその騒音に応じ
てマスキングすることができる。
【0023】騒音のマスキングを効果的に行うため、マ
スキング音制御手段は、前記相関信号の変化に対応して
前記マスキング音の周波数を変化させ、または、前記相
関信号の変化に対応し前記マスキング音の音圧を変化さ
せる。このマスキングが効果的に行われる場合は、その
マスキング音が、特定周波数に顕著な音圧のピークを有
する純音系マスキング音であり、その場合に、前記純音
系マスキング音の周波数分布が、前記特定周波数を中心
とする対称分布であるようにする。これにより、また、
効果的にその騒音に応じてマスキングすることができ
る。
【0024】また、本発明の画像形成装置の騒音マスキ
ング方法では、画像形成装置の駆動機構が動作時に発生
する騒音と相関のある相関信号を作成し、この相関信号
の変化に対応して前記騒音をマスキングするマスキング
音を変化させ、この変化後のマスキング音を発音体から
発生させる。これにより、動作時に騒音の発生源となる
駆動機構を有する画像形成装置の騒音が効率的にマスキ
ングされる。
【0025】また、本発明の画像形成装置の騒音マスキ
ング方法においても、騒音のマスキングを効果的に行う
ため、マスキング音の変化は、相関信号の変化に対応し
て前記マスキング音の周波数を変化させる。また、マス
キング音の変化の別の態様として、前記相関信号の変化
に対応して前記マスキング音の音圧を変化させる。その
場合、前記マスキング音が特定周波数に顕著な音圧のピ
ークを有する純音系マスキング音であることが好まし
い。また、その場合に、前記純音系マスキング音の周波
数分布は、前記特定周波数を中心とする対称分布とす
る。
【0026】このようにして、本発明の画像形成装置に
おいて、騒音と相関のある相関信号として、具体的に
は、画像形成装置の駆動機構の中の例えば駆動用モータ
の回転数を用い、その回転数が所定数に立ち上がる時あ
るいは立ち下がる時に発生する騒音の主成分周波数に対
応するものとして、立ち下がりや立ち上がりの回転数を
検出する。この検出した信号をトリガとして、複数の周
波数を騒音の主成分周波数の両側に位置させるように付
加するマスキング音を発生させる。これらのマスキング
音の発生をタイミング制御によって主成分周波数の時間
的変動に同期させて、スピーカから音波として発生させ
る。これにより、主成分周波数よりも聴感的には広帯域
な音となるようにマスキング音が付加され、主成分周波
数による騒音を認識できないようになる。
【0027】また、マスキング音として付加する音を変
化させる場合、オペレータが、複数の周波数の音の振幅
を増加あるいは減少させて、スピーカから音波として発
生させ、主成分周波数よりも聴感的に広帯域な音となる
ようにマスキング音を付加する。その場合、オペレータ
が音の認識される度合に応じて振幅を調整し、オペレー
タやその周囲の人の主成分周波数による音を認識しない
程度に設定する。
【0028】また、騒音と相関のある相関信号を作成す
る場合に、駆動モータの回転数の立ち上がりや立ち下が
りで発生する音を観測するマイクロフォンを設けてお
き、これら音の主成分周波数の振幅に対して、複数の周
波数の振幅の増加あるいは減少させて能動的に振幅制御
されたマスキング音を作成する。そして、主成分周波数
の環境変化や諸条件の変化に対応して振幅を所定の状態
に保つようにする。これにより、主成分周波数による音
を認識させないようにマスキングできる。
【0029】また、騒音に対するマスキング音を作成す
る場合に、マスキング音とする複数の周波数の音を、立
ち上がりや立ち下がりの回転数に対して追従させ、その
周波数の間隔を一定とする。これにより、音の幅広さを
一定に保ちながら主成分周波数による音を認識させない
ようにできる。
【0030】マスキング音として付加される複数の周波
数の音は、その特性の周波数分布が主成分周波数を中心
として対称形になるようにして、三角状分布、台形状分
布、正規分布のいずれかに相当する分布形態とする。こ
れにより、主成分周波数から離れた周波数の感度を押さ
えて、複数の周波数の音の聞こえを和らげ、主成分周波
数による音を認識させないようにできる。
【0031】更に、また、マスキング音として付加され
る複数の周波数の音を、純音系の周波数とし、それを集
合させて聴感的には広帯域の音にして、主成分周波数に
付加するようにする。これにより、純音系で狭帯域でも
ある主成分周波数による音を同種の周波数によって認識
しにくくする。
【0032】また、マスキング音として付加される複数
の周波数の音を、立ち上がり後や立ち下がり前の定常音
に継続させて付加するようにする。これにより、主成分
周波数の変動から定常へ、または定常から変動へ変化す
る音を認識しにくくできる。また、マスキング音として
付加される純音系の複数の周波数の音を、主成分周波数
と相互に干渉させて音圧を制御し、「うるささ」,「不
快感」,「気になる」などの音の聴感上の度合いを低減
する。
【0033】このような様々な特徴を有する本発明の画
像形成装置の騒音マスキング装置によれば、駆動モータ
の回転数の立ち上がりや立ち下がりによる周波数の変動
音が認識しにくくしなり、心理的な不快感が抑制され
る。また。オペレータは音の認識度の度合いに応じてマ
スキング音を調整し、オペレータやその周囲の人に駆動
モータの主成分周波数による音を認識しない程度に設定
して、人の感覚に応じて不快感の抑制を行うことができ
る。
【0034】更に、環境変化や諸条件の変化に対応し
て、マスキング音として付加する複数の周波数の音の振
幅を所定の状態に保つことができ、不快感の抑制を安定
して行うことができる。更にまた、駆動モータの主成分
周波数が変動から定常へ変化するとき、または定常から
変動に変化するときの音を認識しにくくしでき、稼働時
あるいは停止時への音の移行による違和感をなくすこと
ができる。
【0035】また、駆動モータの音の稼働時の動作音あ
るいは稼働時の一部の動作音をかぶせることがないの
で、それらの騒音に対するマスキング音の継続時間を長
くする必要がなく、動作させるための電力も必要としな
い。また、純音系の複数の周波数を主成分周波数と相互
干渉させて音圧を抑制することにより、「うるささ」,
「不快感」,「気になる」などの音の認識の度合いを低
減できる。これらの騒音対策は、複雑な構造での音源対
策や高価な消音装置に対し、簡単で安価な構成により実
現できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施する場合の形
態について、図面を参照して具体的に説明する。ここで
本発明の実施例について説明するが、本発明は、この実
施例に限定されるものでない。なお、ここでの実施例の
説明では、駆動モータの立ち上がり時での音の発生につ
いてのみ説明し、立つ下がり時については時間的に立ち
上がりと反対になるだけなので省略している。
【0037】まず、本発明の第1の実施例を説明する。
図1は、本発明の第1の実施例の画像形成装置の騒音マ
スキング装置の構成を説明するブロック図である。図1
において、1は駆動モータ、2はモータ制御回路、3は
回転数検出回路、4は周波数作成回路、5はタイミング
制御回路、6はスピーカである。
【0038】図1に示す騒音マスキング装置のブロック
図において、モータ制御回路2は、駆動モータ1の回転
数を制御するために回転数に関係のある信号を駆動モー
タ1から獲得する。例えば、駆動モータ1が永久磁石に
よる磁力を駆動源としているものであれば、永久磁石の
周辺の磁束密度を測定することで、磁束密度のゼロ点の
数でN極とS極の切り替え数を検出し、N極−S極の切
り替えを永久磁石の極数で割ったものを、駆動モータ1
の回転数信号として得る。
【0039】モータ制御回路2から得られた信号によ
り、回転数検出回路3が回転数信号を得るので、ここで
得られた回転数信号は回転数検出回路3から、次の1ス
テップの後の回転数信号とともにタイミング制御回路5
に送られる。タイミング制御回路5では、このタイミン
グに合わせて予め記憶されている複数の周波数を周波数
作成回路4から読み込む。そして、タイミング制御回路
5が、予め記憶されている駆動モータ1の動作時の回転
数と、回転数検出回路3で得られた回転数を比較して動
作状態を検知し、更に、1ステップの後の回転数信号と
の差をとることで立ち上がりの状態を知る。
【0040】タイミング制御回路5では、待機時からの
回転数変化に同期させて、複数の周波数の信号をスピー
カ6に送り、スピーカ6から付加音(マスキング音)を
発生させ、駆動モータ1から発生している立ち上がり音
の騒音に対し、当該付加音を付加するようにして、立ち
上がり時の駆動モータからの騒音をマスキングする。こ
のようにして、駆動モータの立ち上がり音の騒音をマス
キングする場合の処理の流れについて、次に説明する。
【0041】図2は、駆動モータの騒音に対する付加音
発生のタイミングを説明する図である。図2において
は、駆動モータの動作タイミングによる騒音の発生に対
応して付加音を発生する時期を、斜線部で示している。
電源がオンとされると、図2に示すように、まず、駆動
モータの回転数が、立ち上がり所定の回転数まで増加さ
れる。この時、周波数変動による不快感を与える騒音が
発生するので、この間に第1の付加音を発生する。そし
て、駆動モータの回転数が立ち上がった後に、一定の回
転数で持続する。その後、処理が開始されない場合に
は、待機モードに入る。このため、回転数を下げて休止
状態となるが、この回転数を下げる間にも、周波数変動
による不快感を与える騒音が発生するので、ここで第2
の付加音を発生する。
【0042】そして、低い一定の回転数での待機モード
の後、画像記録などの処理の開始が指示されると、駆動
モータの立ち上がりを開始し、駆動モータの回転数を所
定回転数まで立ち上げて、ここから処理のための駆動モ
ータの稼働運転を開始する。この回転数が立ち上がる時
にも、大きな周波数変動による不快感を与える騒音が発
生するので、この間では第3の付加音を発生する。そし
て、画像記録などの処理を終了し、駆動モータの稼働運
転が終了すると、一部のファンの回転を停止し、電力低
減のため回転数を下げて一定時間の回転を継続させる。
この時の回転数を下げる間は、その周波数変動が少ない
ので、付加音の発生は行わない。そして、この一定時間
の回転の継続の後、駆動モータの減速を開始し、待機モ
ードの回転数まで減速して待機モードの回転数で持続し
て待期状態を続けるが、この急速に回転数を減速させる
間は、周波数変動による不快感を与える騒音が発生する
ので、この間にも第4の付加音を発生する。
【0043】このようにして、駆動モータの回転数を変
化させる際に、その周波数変動によって不快感を与える
騒音が発生するので、この度ごとに、その駆動モータの
回転数の周波数変動に応じて騒音をマスキングする付加
音(第1〜第4の付加音)を発生させる。
【0044】次に、ここで発生させる付加音の時間変化
と周波数の関係について説明する。駆動モータ1から発
生する音の種類は、一般に、駆動モータに流す電流を切
り替えるときに電磁コイルや鉄心より発生する電磁音,
回転多面鏡と空気との摩擦による風切り音,および軸と
軸受けの機械的な接触による軸受け音の3種類が主なも
のである。ここでの電磁音は、狭い周波数帯域に鋭くピ
ークを持つ純音に近い音であり、風切り音は、広い周波
数帯域になだらかなピークを持つ流体騒音である。ま
た、軸受け音は、玉軸受けを用いている場合に形状や寸
法により多くの鋭いピークを持つ純音に近い音であり、
空気軸受けではみられず、また、これらの音の周波数は
駆動モータの回転数と比例関係にあることが知られてい
る。
【0045】図3は、付加音の時間変化と立ち上がり音
との関係を示す図である。図3において、実線で示した
曲線が、駆動モータ1の立ち上がり時に発生する音の主
成分周波数の変化である。ここでの主成分周波数とは、
駆動モータ1の音を周波数分析したときに音圧レベルが
大きいものの周波数であり、駆動モータの回転数に対応
している。駆動モータ1は、その回転数がゼロから、あ
るいはゼロでないような待機モードから立ち上がる。し
たがって、図3に示すように、その立ち上がり音は、時
間変化と共にその周波数が上昇する。この周波数が変化
する純音が不快感を与える。
【0046】これに対して、同じく図3に示すように、
この立ち上がり音に同期させて、ハッチングで示したよ
うな付加音を発生させて重ね合せて、立ち上がり音の周
波数変動が聴感上で認識させないようにマスキングす
る。つまり、立ち上がり音の純音に対して、その立ち上
がり音の主成分周波数の両側に位置させるようにして複
数の周波数からなる付加音を付加し、主成分周波数より
も聴感的に広帯域な音となるようにする。
【0047】図4は、複数の周波数からなる付加音の周
波数分布を説明する図である。ここでの付加音とする複
数の周波数の音としては、図4に示すように、立ち上が
り音の主成分周波数を中心として、対称あるいはほぼ対
称である周波数分布の複数の周波数を有する音とする。
つまり、その周波数分布は、図4(a)に示すような三
角分布の周波数分布の音であるか、図4(b)に示すよ
うな台形分布の周波数分布の音であるか、または、図4
(c)に示すような正規分布の周波数分布の音であるか
のいずれかに相当する形態とする。
【0048】このような周波数分布を有する複数の周波
数の音を付加音として、駆動モータの立ち上がり音に付
加するようにすると、主成分周波数よりも聴感的に広帯
域な音となってマスキングされるので、主成分周波数が
認識されにくくなる。この場合、モータ制御回路2は、
駆動モータ1の立ち上がり時間を短くするために、立ち
上がりの初期には駆動モータ1に定常状態より大きな電
流を流し、所定の回転数に近づくとオーバシュートを小
さくするために電流を小さく調整する制御を行うので、
特に、この純音(主成分周波数の音)の時間的に変化す
る周波数の変動音が、心理的な不快感を与えることにな
る。これに付加音を付加してマスキングする。
【0049】一方、音がいくつか周波数の合成された複
合音であるである場合、人間が感じる音色は、複合され
る音すなわち付加される周波数成分の音により、聞く人
の感じ方は影響される。このため、立ち上がりに発生し
ている音の主成分周波数に複数の周波数からなる広帯域
の音を付加することにより。主成分周波数を認識しにく
くなる。
【0050】この時、付加音の周波数の分布を、図4に
示すように、主成分周波数を中心にしてそれよりも周波
数が離れるに従ってパワーが下がるようにすると、付加
音の両端の荒削りをなくし、より付加音の主成分周波数
が聴感的に滑らかに混じり合うようにできるため、主成
分周波数をより一層認識しにくくできる。また、この
時、主成分周波数が時間的に変動するにつれ、付加音の
周波数の帯域を一定に保つことにより、聞く人に対する
音の広がりを一定とすることができ、感じ方の変化、す
なわち、違和感をなくしながら、主成分周波数を認識し
にくくできる。
【0051】図5は、定常運転時までの状態を含めた付
加音の時間変化と立ち上がり音との関係を示す図であ
る。純音系の立ち上がり音に対して複数の周波数の付加
音を付加する場合、上述のように主成分周波数が時間的
に変動するにつれ、付加音の周波数の帯域を一定に保つ
ことによって聞く人の音の広がりを一定とすることがで
きるので、感じ方の変化の違和感をなくすため、例え
ば、図5に示すように、ここでは、立ち上がりとその後
の定常音にも、継続させて付加音を付加させることによ
り、更に一層認識しにくくする。
【0052】ところで、本実施例にように、駆動モータ
の立ち上がりの騒音に対して、複数の周波数から成る付
加音を付加して、立ち上がり騒音をマスキングする場
合、そのマスキング結果の効果は、個々の人間の聴感に
よる評価となるので、それぞれの個人の聴感上の好みに
応じて付加音の大きさを調整できるようにする。このよ
うに変形した実施例を第2の実施例として説明する。
【0053】図6は、本発明の第2の実施例の画像形成
装置の騒音マスキング装置の構成を説明するブロック図
である。図6において、1は駆動モータ、2はモータ制
御回路、3は回転数検出回路、4は周波数作成回路、5
はタイミング制御回路、6はスピーカである。これら
は、第1の実施例(図1)のものと同じものである。ま
た、7は操作パネル、8は振幅可変回路である。
【0054】第2の実施例の画像形成装置の騒音マスキ
ング装置を、図6に示す構成図を用いて説明する。この
第2の実施例においては、操作パネル7および振幅可変
回路8が設けられており、周波数作成回路4からタイミ
ング制御回路5に対して供給する複数の周波数の付加音
の振幅を、操作パネル7から指示により振幅可変回路8
を用いて調整する。
【0055】つまり、駆動モータ1の立ち上がりや立ち
下がりの回転数の変化を、回転数検出回路3が、モータ
制御回路2の制御信号の観測により検出し、タイミング
制御回路5に与えるので、タイミング制御回路5では、
検出した信号をトリガとして予め作成しておいた複数の
周波数を複数の周波数作成回路4によって主成分周波数
の両側に位置させるような付加音を発生する。この場
合、タイミング制御回路5では、当該付加音を主成分周
波数の時間的変動に同期させて、スピーカ6を駆動して
音波として出力する。
【0056】このスピーカ6から出力される付加音の大
きさは、オペレータが操作パネル7により、画像形成装
置から発生する騒音の不快感が緩和されるように、ま
た、好みに合うように設定する。この操作パネル7から
適宜の信号は、振幅可変回路8に送らるので、振幅可変
回路8は、この信号によって付加音とする複数の周波数
の音の振幅を変化させ、スピーカ6から音波として発生
させる。この音波により、主成分周波数よりも聴感的に
広帯域な音になる。したがって、オペレータは操作パネ
ル7の操作により、音の認識の度合いを調整し、オペレ
ータやその周囲の人に対して、主成分周波数による音を
認識しない程度に設定することができ、個人のそれぞれ
の好みにあった不快感の抑制を行うことができる。
【0057】また、上述した第2の実施例において、駆
動モータの立ち上がりの騒音に対して、複数の周波数か
ら成る付加音を付加し、立ち上がり騒音をマスキングす
る場合、当該付加音を、それぞれの個人の聴感上の好み
に応じて付加音の大きさを調整できるようにしている
が、それぞれの騒音に対して個別に調整しなければなら
ない煩雑さがある。このように煩雑さを解消するため
に、この調整を自動的に行えるようにも構成できる。こ
れにより、騒音をマスキングするための付加音に対する
振幅の調整を自動的に行い、更に、細部の調整について
は、第2の実施例と同様に、それぞれの個人に好みによ
り調整するようにすれば良い。このような構成の騒音マ
スキング装置について、第3の実施例として説明する。
【0058】図7は、本発明の第3の実施例の画像形成
装置の騒音マスキング装置の構成を説明するブロック図
である。図7において、1は駆動モータ、2はモータ制
御回路、3は回転数検出回路、4は周波数作成回路、5
はタイミング制御回路、6はスピーカである。これらの
ものは、第1の実施例(図1)のものと同じものであ
る。また、9は振幅制御回路、10は立ち上がり音を観
測するセンサーマイクである。
【0058】この第3の実施例の画像形成装置の騒音マ
スキング装置を、図7に示す構成図を用いて説明する
と、第3の実施例においては、第1の実施例の構成に加
えて、更に、振幅制御回路9およびセンサーマイク10
が設けられている。センサーマイク10が立ち上がり音
を観測し、振幅制御回路9が立ち上がり音を観測した信
号によって付加音の振幅を自動調整する。つまり、周波
数作成回路4からタイミング制御回路5に対して供給さ
れる複数の周波数の付加音の振幅が、センサーマイク1
0からの検知出力に応じて、振幅制御回路9により自動
的に調整されるように構成される。
【0059】図7に示す第3の実施例では、図6に示す
第2の実施例の構成を更に発展させて、立ち上がり音を
観測するセンサーマイク10を設け、第2の実施例の振
幅可変回路7に対応する振幅制御回路10を設けてい
る。このような構成によって、立ち上がり音の主成分周
波数の振幅をセンサーマイク10で常に観測し、その観
測した信号を振幅制御回路9に送り、主成分周波数の時
間的変動に対する振幅の増加あるいは減少を、振幅制御
回路9によって能動的に制御する。これにより、主成分
周波数の環境による変化や諸条件の変化に対応して振幅
を所定の状態に保ち、不快感の抑制を安定して行うこと
ができる。
【0060】図8は、付加音とする複数の周波数を純音
系の集合とした場合の付加音の周波数分布を例示する図
である。上述したそれぞれの実施例において、付加音と
する複数の周波数を有する音は、純音系の音が好適であ
る。図8に例示するように、離散的な周波数分布を有す
る付加音については、例えば、純音系である主成分周波
数の近傍両側に新たに複数の純音を付加した音を付加音
としている。
【0061】この時、周波数がf0Hzからt1秒で(f
1+f0)Hzにf1分上昇したとすると、そのときの波
形は、 y=A0sin{2π(f0t+f12/(2t1))} で表すことができる。この純音の両側の±a1Hzに振
幅A1の新たな純音を付加すると、 y=A0sin{2π(f0t+f12/(2t1))}+A1sin[2π{(f 0 ±a1)t+f12/(2t1)}] =2sin{2π(f0t+f12/(2t1))}{A0+A1cos(2πa 1 t)} となり、同様にして、複数の純音を、つまり、±an
zに振幅Anの新たな純音を付加すると、 y=2sin{2π(f0t+f12/(2t1))}{A0+A1cos(2πa 1 t)+A2cos(2πa2t)+…} となる。ここでの『sin{2π(f1t+f02
(2t1))}』の項は元の純音の周波数を表し、『A0
+A1cos(2πa1t)+A2cos(2πa2t)+
…』は振幅が時間で変動する「うなり」の成分を表して
いる。また、同じく、『A0+A1cos(2πa1t)
+A2cos(2πa2t)+…』はフーリエ級数展開と
同様であり、A0,A1,…,a1,a2,…を適当に選ぶ
ことにより、任意の関数に展開することが可能である。
【0062】図9は、純音系の複数の周波数を主成分周
波数と相互干渉させて音圧を制御した場合の騒音低減の
具体例を説明する図である。その例について、説明する
と、例えば、上記のフーリエ級数展開の係数を An=1/2n,an=0.1nHz とすると、図9に示す曲線のような特性となる。このよ
うな曲線の特性によると、t<1.5sec では、元
の音圧より大きくなるが、t>1.5sec の領域で
は元の音圧より小さくすることができる。すなわち、立
ち上がり音で比較的低周波の領域では、音圧は大きくな
るものの、不快感を与える高周波の領域で音圧を押さえ
ることが可能となる。したがって、純音系の複数の周波
数を、主成分周波数と相互干渉させて音圧を制御するこ
とにより「うるささ」,「不快さ」,「気になる」など
の騒音を感じる度合いを低減させることができる。
【0063】(実験例)以上に説明した本発明による騒
音マスキングの効果を確認するため、官能試験による評
価を行った。具体的には、駆動モータ1の立ち上がりに
発生する音の主成分周波数の両側に、0.1Hz,10
Hz,50Hz間隔で複数の純音を付加した音を作成
し、18名の被験者に聞かせて、「うるささ」,「不快
さ」,「かん高さ」のなどの項目について評価した。評
価方法は、図10に示すような評点の評価表を用いてを
行い、「不快さ」21,「かん高さ」22,「やかまし
さ」23の各項目について、5段階の評点20をつける
カテゴリー評価方法を用いた。その評価結果を図11の
グラフに示している。この評価結果のグラフにより理解
されるように、本発明の騒音マスキング装置によると
「不快さ」の評価項目では、原音に比べて最大で31%
の改善効果がみられた。
【0064】また、「かん高さ」の評価項目では、原音
に対して最大で35%の改善効果がみられた。なお、
「やかましさ」の評価項目では、ほとんどの変化がみら
れなかった。以上のことから、本実験では、駆動モータ
1の立ち上がりに発生する音の主成分周波数に対して複
数の純音を付加することにより「やかましさ」を増加さ
せることなしに「かん高さ」および「不快さ」を改善さ
せることができる効果を確認することができた。
【0065】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、駆動用モータを所定の回転数に立ち上げる時、ある
いは立ち下げる時に発生する騒音の主成分周波数に対応
して、駆動用モータの立ち上がりや立ち下がりの回転数
を検出し、主成分周波数の両側の位置する複数の周波数
を作成して、作成された複数の周波数を主成分周波数の
時間的変動に同期させて、騒音をマスクキングする付加
音としてスピーカより発生させるので、周波数変動によ
る心理的な不快感のない小型低価格のレーザビームプリ
ンタおよび複写機などの画像形成装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の画像形成装置の騒音マスキン
グ装置の構成を説明するブロック図、
【図2】 図2は駆動モータの騒音に対する付加音発生
のタイミングを説明する図、
【図3】 図3は付加音の時間変化と立ち上がり音との
関係を示す図、
【図4】 図4は複数の周波数からなる付加音の周波数
分布を説明する図、
【図5】 図5は定常運転時までの状態を含めた付加音
の時間変化と立ち上がり音との関係を示す図、
【図6】 図6は本発明の第2の実施例の画像形成装置
の騒音マスキング装置の構成を説明するブロック図、
【図7】 図7は本発明の第3の実施例の画像形成装置
の騒音マスキング装置の構成を説明するブロック図、
【図8】 図8は付加音とする複数の周波数を純音系の
集合とした場合の付加音の周波数分布を例示する図、
【図9】 図9は純音系の複数の周波数を主成分周波数
と相互干渉させて音圧を制御した場合の騒音低減の具体
例を説明する図、
【図10】 図10はカテゴリー評価方法による評価基
準を与える表の一例を示す図、
【図11】 図11はカテゴリー評価方法による評価結
果を示す図、
【図12】 図12は光偏向器の構成を説明する斜視
図、
【図13】 図13は光走査装置の駆動モータの回転数
の変化による騒音の変化を説明する図である。
【符号の説明】
1…駆動モータ、2…モータ制御回路、3…回転数検出
回路、4…周波数作成回路、5…タイミング制御回路、
6…スピーカ、7…操作パネル、8…振幅可変回路、9
…振幅制御回路、10…センサーマイク、11…駆動モ
ータ、12…回転多面鏡、13…レーザ光源、14…コ
リメータレンズ、15…集光光学部品(集光レンズ)、
16…記録部材(感光体ドラム)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動作時に騒音の発生源となる駆動機構を
    有する画像形成装置の騒音マスキング装置において、 前記騒音と相関のある相関信号を作成する相関信号作成
    手段と、 前記騒音をマスキングするマスキング音を発生する発音
    体と、 前記発音体を制御し、前記相関信号の変化に対応して前
    記マスキング音を変化させるマスキング音制御手段とを
    備えたことを特徴とする画像形成装置の騒音マスキング
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の画像形成装置の騒音マ
    スキング装置において、 前記マスキング音制御手段は、前記相関信号の変化に対
    応して前記マスキング音の周波数を変化させることを特
    徴とする画像形成装置の騒音マスキング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の画像形成装置の騒音マ
    スキング装置において、 前記マスキング音制御手段は、前記相関信号の変化に対
    応し前記マスキング音の音圧を変化させることを特徴と
    する画像形成装置の騒音マスキング装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の画像形成装置の騒音マ
    スキング装置において、 前記マスキング音は、特定周波数に顕著な音圧のピーク
    を有する純音系マスキング音であることを特徴とする画
    像形成装置の騒音マスキング装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の画像形成装置の騒音マ
    スキング装置において、 前記純音系マスキング音の周波数分布が、前記特定周波
    数を中心とする対称分布であることを特徴とする画像形
    成装置の騒音マスキング装置。
  6. 【請求項6】 動作時に騒音の発生源となる駆動機構を
    有する画像形成装置の騒音マスキング方法において、 前記騒音と相関のある相関信号を作成し、 この相関信号の変化に対応して前記騒音をマスキングす
    るマスキング音を変化させ、 この変化後のマスキング音を発音体から発生させること
    を特徴とする画像形成装置の騒音マスキング方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の画像形成装置の騒音マ
    スキング方法において、 前記相関信号の変化に対応して前記マスキング音の周波
    数を変化させることを特徴とする画像形成装置の騒音マ
    スキング方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の画像形成装置の騒音マ
    スキング方法において、 前記相関信号の変化に対応して前記マスキング音の音圧
    を変化させることを特徴とする画像形成装置の騒音マス
    キング方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の画像形成装置の騒音マ
    スキング方法において、 前記マスキング音が特定周波数に顕著な音圧のピークを
    有する純音系マスキング音であることを特徴とする画像
    形成装置の騒音マスキング方法。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の画像形成装置の騒音
    マスキング方法において、 前記純音系マスキング音の周波数分布が、前記特定周波
    数を中心とする対称分布であることを特徴とする画像形
    成装置の騒音マスキング方法。
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