JPH09164601A - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents

光学素子およびその製造方法

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JPH09164601A
JPH09164601A JP26723196A JP26723196A JPH09164601A JP H09164601 A JPH09164601 A JP H09164601A JP 26723196 A JP26723196 A JP 26723196A JP 26723196 A JP26723196 A JP 26723196A JP H09164601 A JPH09164601 A JP H09164601A
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平八 佐藤
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誠一郎 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】、軽量で、100μm以下のサイズのレン
ズ成形でも可能であり、凹状凸状レンズとも成形可能
で、選択できる光学性能の幅が広く、かつ制御しやす
く、生産性に優れ、光透過率が高いマイクロレンズア
レイ、グレーティングレンズ等の光学素子を提供する。 【解決手段】 光硬化性モノマー組成物をマスクを介し
た露光及び全面露光の2段階露光を行うことで製造され
る微小レンズ部を有する光学素子およびその製造方法で
あって、微小レンズ部の可視光領域における光透過率が
80%以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学素子およびその
製造方法に関する。更に詳しくは、光通信、光回路ある
いはディスプレイ、複写機等に使用されるマイクロレン
ズアレイ、グレーティングレンズ等の光学素子およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりマイクロレンズアレイ、グレー
ティングレンズの製造方法に関して、ガラス製、プラス
チック製、共に多くの提案がなされている。ガラス製レ
ンズに関しては、 金型による成形 感光性ガラスに光照射を行ない、収縮現象を利用して
凸レンズを形成 Ag,Pd,Li等を選択的にイオン拡散することに
より屈折率分布型レンズを作製する方法等が提案されて
いるが、生産性の低さや高コストに加え、プラスチック
の約2〜3倍の比重を有するため、軽量を求められる分
野には使用できない問題がある。
【0003】プラスチック製レンズに関しては以下の報
告があるが、いずれもそれぞれの欠点を有している。 1.金型による成形:サイズが1mm以下のレンズは成
形難 2.熱可塑性樹脂の膜を公知のフォトリソグラフィー法
により、パターン形成し、その後、該樹脂の軟化点以上
に加熱して、該パターンのエッジ部分のダレを起こさせ
て凸レンズを形成:凹状レンズ成形不可 3.感光性樹脂の膜にプロキシミティー露光を行ない、
形成されるパターンのエッジのボケに応じて光反応物の
量に分布を持たせることにより、凸レンズを形成:光学
性能制御難 4.感光性樹脂の膜に強度分布を持った光を照射し、光
の強度に応じた屈折率分布を形成することにより、レン
ズ効果を持たせる方法:開口率小 5.選択的イオン拡散により屈折率分布型レンズを得る
方法:光学性能制御難 また、重合体を溶解した光硬化性モノマー組成物を用い
て、マスク露光と全面露光の2段階露光を行うことによ
り、半透明部を有するポリメチルメタクリレート系プラ
スチックマイクロレンズアレイを製造する方法が提案さ
れている(特開平6−160608、特開平6−208
008)が、この方法では透過率が50〜60%と低い
レンズしか得られず、更に、重合硬化のための照射光と
して平行光線が必要であるといった問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決し、軽量で、100μm以下のサイズのレンズ
成形でも可能であり、凹状凸状レンズとも成形可能
で、選択できる光学性能の幅が広く、かつ制御しやす
く、生産性に優れ、光透過率が高いマイクロレンズア
レイ、グレーティングレンズ等の光学素子を提供するこ
とを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するために鋭意検討を行なった結果、実質的に重
合体を含まない光硬化性モノマー組成物の硬化体積収縮
を利用して、表面に凹状あるいは凸状のレンズ部を精度
よく形成できることを見い出した。光硬化性モノマーは
大別して次の3種類に分類される。 1.ラジカル重合型:(メタ)アクリレート系化合物 2.付加重合型:ポリエン−ポリチオール系 3.カチオン重合型:エポキシ系、ビニルエーテル系、
環状エーテル系化合物 これらのうちカチオン重合型に属する化合物で、重合硬
化の際開環による体積膨張を伴うものを除き、他はいず
れも数%〜数十%の硬化収縮を有するモノマーである。
【0006】一般に硬化収縮はポリマー成形品を得る
際、型からの剥離、表面精度の低下、光学歪の増大等の
不都合をもたらすものである。しかしながら本発明者ら
は逆に、この硬化収縮をスムーズにおこなわせることに
より、ポリマー表面に精度良く凹凸を形成できることを
見い出した。また硬化収縮を無理に緩和せず、半ば自然
に行なわせれば光学歪も発生しないことを確認した。
【0007】本発明は、かかる知見によってなされたも
ので重合体を実質的に含まない光硬化性モノマー組成物
を、型に注入し、マスクを用いて部分的に光照射を行な
うことにより部分的に硬化させた後、全体に光照射を行
なって全体を硬化することにより微小レンズ部を形成す
ることで製造される光学素子であって、微小レンズ部の
光透過率が80%以上である光学素子に関するものであ
る。また、本発明の光学素子は、ともに樹脂からなる微
小レンズ部と非微小レンズ部を有する光学素子として
は、該微小レンズ部の可視光領域における80%以上の
光透過率を初めて実現したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる光硬化性モノ
マーは、光照射によって重合硬化し、透明な重合体を形
成するものであればよく、特に限定されず、例えば前述
の3種のモノマーが挙げられるが、(メタ)アクリレー
ト化合物(メタクリレートまたはアクリレート化合物を
示す。以下同様)が適している。その中でも、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(メ
タ)アクリロイルオキシフェニル〕プロパン、2,2−
ビス〔4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキ
シ)フェニルプロパン、p−ビス〔β−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルチオ〕キシリレン、4,4′−ビス
〔β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ〕ジフェ
ニルスルホン、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート等の多官能(メタ)アクリレート化合物((メタ)
アクリロイル基を複数含む化合物)、およびこれらのモ
ノマーと共重合可能な単官能モノマーとの混合物、また
これらの多官能(メタ)アクリレート化合物と付加重合
可能なポリチオールとの混合物が好ましい。特に好まし
いのは含イオウ多官能(メタ)アクリレートである。単
官能モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリチオールと
しては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(β−
チオプロピオネート)、トリス〔2−(β−チオプロピ
オニルオキシ)エチル〕イソシアヌレートなどが挙げら
れる。
【0009】特に屈折率(対空気)が1.50以上、好
ましくは1.55以上、特に好ましくは1.58以上の
重合体を生成するモノマーが好ましい。これらの光硬化
性モノマーを硬化させる際、使用される光重合開始剤と
しては公知のものが挙げられ、これらを2種以上併用し
てもよい。例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキシド、トリメチルベンゾイル
フェニルフォスフィン酸メチルエステル、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、ジ
フェノキシベンゾフェノンなどである。
【0010】硬化をすみやかに完結させる目的で、光硬
化と熱硬化を併用する場合には、ベンゾイルパーオキシ
ド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチ
ルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等公知の熱
重合開始剤を添加することができる。また必要に応じ、
光硬化性モノマーに酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤
等を添加して硬化させることもできる。特に蛍光色素を
添加することで、レンズに光増幅機能を持たせることが
可能となるため、特に好ましい。本発明の光学素子に使
用可能な有機蛍光色素としては下記の化合物が例示され
る。
【0011】 発振波長λmax(nm) 1.ポリフェニル系 PTP 450 BMT 334 TMQ 350 DMQ 360 BBQ 382 ポリフェニル 1 382 BPA 430 2.スチルベン系 DPH DPS 408 スチルベン 1 445 スチルベン 3 435 (Bis)MsB 420 3.オキサゾール、オキサジアゾール系 PBBO 395 PBD ブチルPBD POPOP 420 ジメチルPOPOP 430 BBO 410 PPO α−NPO α−NOPON BBOT 4.クマリン系 クマリン 4 456 クマリン 311 461 クマリン 1 クマリン 470 460 DAMC クマリン 120 440 クマリン 175 457 クマリン 151 490 クマリン 152 485 クマリン 500 クマリン 35 481 クマリン 2 450 クマリン 307 503 クマリン 102 480 クマリン 3147 クマリン 153 540 クマリン 138 468 クマリン 106 478 クマリン 339 450 クマリン 340 513 クマリン 355 522 クマリン 343 519 クマリン 314 504 クマリン 338 495 クマリン 334 521 クマリン 337 523 クマリン 7 523 クマリン 30 515 クマリン 6 540 カルボスチリル 124 422 カルボスチリル 165 425 5.キサンテン系 ローダミン 110 560 ローダミン 116 580 テトラメチル ローダミン ローダミン B 610 ローダミン 123 575 ローダミン 19 585 ローダミン 6G 590 スルフォローダミン B 620 ローダミン 101 640 スルフォローダミン 101 640 アクリジン レッド 580 アクリジン オレンジ サフラニン T ピロニン G 600 ピロニン B 605 ローダミン 6G テトラフルオロボレート ローダミン 6G パークロレート ローダミン 19 パークロレート フルオレセイン 2′,7′−ジクロロフルオレセイン エオシン Y エリトロシン B フロキシン B ローズ ベンガル ナフタロフルオレセイン カルバジン 122 720 ビクトリア ブルー R 814 6.オキサジン、チアジン系 オキサジン 1 715 オキサジン 725 715 オキサジン 4 694 クレシル バイオレット 650 ナイル ブルー A 690 ナイル ブルー A パークロレート オキサジン 170 710 オキサジン 720 710 チオニン ナイル レッド オキサジン 4 パークロレート オキサジン 170 パークロレート オキサジン 1 パークロレイト 7.ポリメチン系(シアニン系) DEOPC 660 DEOTC 780 D(M)OTC Iodide DTDC Iodide 760 DTTC Iodide 860 DTTC パークロレート HIDC Iodide 740 HITC Iodide 850 HITC パークロレート HDITC パークロレート クリプトシアニン IR−125 940 IR−144 945 IR−140 950 IR−132 972 DNTPC 1100 DNXTPC 1107−1285 DNDTPC 1080−1200 DCM 656 スチリル 6 730 スチリル 9 820 NDU−102 8.その他 ピリジン系化合物 ジチオールNi錯体 ナフタル酸イミド系化合物 フタロシアニン系化合物 アゾ系色素(メチルオレンジ、メチルレッド等)
【0012】これらの中ではモノマーへの溶解性、耐熱
性に優れるキサンテン系化合物およびクマリン系化合物
が好ましく、その中でも特にローダミン化合物が好まし
い。ドープする蛍光色素量は光吸収と、光増幅や波長変
換の効率をふまえ、各色素ごとに設定されるが、モノマ
ー量に対し重量で0.01ppm〜10000ppm、
好ましくは0.1ppm〜1000ppm、特に好まし
くは1ppm〜1000ppmである。ドープ量が少な
すぎると十分な効率が得られないし、多すぎると光吸収
の比率が高くなりすぎると同時に、熱失活等による副作
用によりやはり十分な効率が得られない。
【0013】光照射による硬化は、光硬化性モノマー組
成物を例えば、板状に賦形し、該板状体に光を部分的に
照射した後、全体に光照射をすることによって行なうこ
とができる。例えば、図1に示すようにレンズ部のみ光
が透過するネガ型マスクパターン1aを用いて光硬化性
モノマー組成物2aのレンズ形成部分のみに光を当てれ
ば、光照射部3aが凸状のマイクロレンズとなり、マイ
クロレンズアレイが形成される。また、図2に示すよう
にポジ型のマスクパターン1bを用いれば、光硬化性モ
ノマー組成物の2bの光照射を受けない部分3bが凹状
のマイクロレンズとなる。更に、図3に示すように所定
のピッチを持つ線状のマスクパターン1cを用いれば、
グレーティングレンズ2cを得ることができる。
【0014】部分的光照射を行なう際、使用されるマス
クは、写真撮影法、蒸着法、印刷等の適宜な方式で得る
ことができる。マスクパターンをのせる基材としてはガ
ラス板が好ましいが、ポリマーフィルムや紙製のものを
用いてもよいし、それらをガラス等の固い透明材に貼り
合わせてもよい。パターンが描かれたマスク面は、注液
型の内面に配置されても、外側の面に配置されてもよい
が、パターンの良好な転写性を得るためには、内部側す
なわちモノマーと接する面に配置されるのが好ましく、
またモノマーに浸されることのないようマスク型のリサ
イクルを考慮してガラス製のクロム蒸着マスクを使用す
ることが好ましい。
【0015】光照射の光源としては、光硬化性モノマー
組成物や光重合開始剤の特性波長に応じて適宜選択する
ことができる。一般には、高圧水銀灯、メタルハライド
ランプ、ショートアークランプ等の紫外線光源を用い
て、平行光、散乱光の形で使用されるが、光増感剤との
併用でレーザー等の可視、赤外光源の使用も可能であ
る。 硬化収縮は、光照射による重合度の増加に比例し
て進行する。従って、例えばネガ型マスクパターンを用
いて凸状のマイクロレンズアレイを形成する場合、マス
クを通して部分的に光照射を行うと、光の照射量は、マ
スクされていない部分の中央部から周辺部へ、さらに回
折により光がわずかに回り込むマスク部分へと小さくな
るので、マスクされていない部分は凸部を形成しながら
硬化収縮して落ち込んでいく。しかし、マスクされてい
る部分から未硬化のモノマーが流れ込むので一段目の光
照射が終わった時点では、見た目上表面は平坦となる。
次いで、マスクをはずして全面に光照射を行なうことに
より、一段目の光照射で未硬化であった部分が硬化収縮
して表面が下降するので、既に硬化していた凸部が相対
的に上昇して最終的なレンズが得られる。すなわちマス
クされていない部分が凸状の突起部を形成する。ポジ型
マスクパターンや線状のマスクパターンを用いる場合
も、マスクされる部分の形状が異なるだけであり、同様
のメカニズムにより凹状のマイクロレンズアレイ又はグ
レーティングレンズが形成される。一段目の光照射条件
の選択により、非マスク部分の中央部から周辺部への光
照射量の変化及びマスク部分への光の回折量を調節し、
凸状あるいは凹状のレンズ部の形状を、球面あるいは非
球面状等適宜設計することができる。また、上記回折現
象を抑える照射条件を選択することで、グレーティング
レンズに好適な矩形の形状とすることもできる。
【0016】形成されるレンズの形状はマスクパターン
によっても設計できるが、光硬化性モノマーを選定およ
び/または配合することにより、硬化収縮や屈折率を調
節し所望の凹凸形状すなわちレンズ径や焦点距離を有す
るレンズが作製できる。更には光照射の方向をマスク面
と垂直ではなく、斜めから入射させるとポリマー中に種
々の方向を向いたレンズが形成される。
【0017】モノマーを介してマスクと反対面の型に光
を透過するガラス等の材質を用いれば、この面より全面
に光照射して硬化を完了することができるし、片面の凹
凸形成と全体の硬化を同時に行なうこともできる。更に
は両面にマスクを用いて光照射−硬化を行なうことによ
り両面に凹および/または凸を形成することも可能であ
る。
【0018】本発明においては、部分的光照射、即ち、
マスクを介した部分露光開始から全体に対する光照射終
了、即ち、全面露光を可及的速かに行なうのがよく、一
般に部分的光照射開始から全体照射終了までを20分以
内、好ましくは10分以内、更に好ましくは3分以内で
ある。光照射に長時間をかけると光照射を受けない部分
にまで硬化が伝播し、これが良い結果を与える場合もあ
るが、意図した形状のレンズが形成され難い。光照射の
際硬化をすみやかに完了させる目的で、注液された型全
体を加熱してもよく、更に熱重合開始剤を添加して硬化
を促進することも可能である。ただし、光硬化モノマー
組成物又は重合が進行中の材料が150℃を越えないよ
うにすることが好ましい。更に好ましくは100℃以
下、特に好ましくは70℃以下の範囲が選択される。高
温で重合するときは光学素子に歪が入り易くなる。ま
た、蛍光色素を添加した場合には蛍光色素が重合中に失
活する可能性があるため、可能な限り低温で行うことが
好ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明により得られた光学素子は、光学
歪を更に低減させるために、硬化後若干の加熱によるア
ニール等の処理を行なってもよい。またハードコート、
反射防止コート等の光学コーティング、染色あるいはレ
ンズ部に選択的なイオン、低分子拡散等の表面処理を行
なうことも可能である。このようにして得られた本発明
の光学素子は、重合が均一に行われているため、光線透
過率が高く、可視光領域における光線透過率、即ち少な
くとも650nmで測定した光線透過率、好ましくは4
50nm、550nm、650nmの3点で測定した光
線透過率が微小レンズ部において、80%以上、好まし
くは、85%以上である。従って、例えば、本発明の光
学素子からなるマイクロレンズアレイを、液晶パネルや
固体撮像素子用のカラーフィルターと張り合わせて用い
ると、赤緑青の各画素間を遮光するブラックマトリック
スにより吸収されていた光を各画素に集中させることが
でき、かつマイクロレンズアレイ自体の光の吸収による
ロスも最小限にとどめることができ、出射効率を大幅に
向上させることができ、好ましい。
【0020】
【実施例】以下の実施例は本発明をより具体的に説明す
るためのものである。なお例中の部は重量部を示す。ま
た実施例に記載のマイクロレンズの焦点距離は、波長6
30nmで、径1mmのレーザービームを用いて室温で
測定したものである。マイクロレンズが集光型の場合に
は焦点距離は正の値を、拡散型の場合には負の値をと
る。光線透過率は分光光度計を用い、1mm径の光線で
測定した、波長450、550、650nmにおける光
線透過率である。
【0021】〔実施例1〕p−ビス(β−メタクリロイ
ルオキシエチルチオ)キシリレン100部に、光重合開
始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキシド0.1部、ベンゾフェノン0.0
2部を均一に撹拌混合した。この組成物を、図1の1a
に示されるような径1mmの光透過部を2mmピッチで
有するネガ型マスクをクロム蒸着により内側に形成した
1mm厚のガラス板と、2mm厚のシリコンスペーサー
を介して配置された透明なガラス板よりなる型(図4)
に注入した。出力30w/cmの高圧水銀灯を用いて、
上方より、マスクを通して、照射強度8mW/cm2
紫外線を散乱光として10秒間照射し、次いで上下よ
り、照射強度16mW/cm2の紫外線散乱光を3分間
照射して硬化を行った。脱型して、硬化物を100℃で
1時間アニール処理を行ない、目的とする図1に示され
るような片面に凸状レンズが並んだマイクロレンズアレ
イを得た。各凸状レンズ部は径1mm、突起高さ21μ
mで、焦点距離は+10cmであった。光線透過率を表
1に示す。
【0022】〔実施例2〕マスクとして、図2の1bに
示されるような径1mmの光透過部を2mmピッチで有
するポジ型マスクを用いる以外は、実施例1と同様にし
て、目的とする片面に凹状レンズが並んだマイクロレン
ズアレイを得た。各凹状レンズ部は径1mm、深さ35
μmで焦点距離は−5cmであった。光線透過率を表1
に示す。 〔実施例3〕1mm厚のシリコンスペーサーを用いる以
外は実施例2と同様にして凹状マイクロレンズアレイを
得た。各凹状レンズ部は径1mm、深さ21μmで、焦
点距離は−10cmであった。光線透過率を表1に示
す。 〔比較例1〕ポリメチルメタクリレート25部、メチル
メタクリレート75部に、光重合開始剤として、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25部から
なる混合物を、70℃で加熱溶解させた。この樹脂組成
物を実施例1で用いた型に注入した。30W/cm高圧
水銀灯を用いて、マスクを介して照射強度8mW/cm
2の紫外線散乱光を12分間照射した。次いで30W/
cm高圧水銀灯を用い、コリメートレンズを通した紫外
線平行光を、マスクのない裏面側から照射強度8mW/
cm2で24分間照射して硬化を行った。脱型して得ら
れた硬化物は、散乱光を照射した部分即ちレンズ部分
も、平行光のみにより重合した非レンズ部分も半透明で
あった。光線透過率を表1に示した。 〔比較例2〕ポリメチルメタクリレート25部、メチル
メタクリレート75部に、光重合開始剤として、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.25部から
なる混合物を、70℃で加熱溶解させた。この樹脂組成
物を実施例2で用いた型に注入した。30W/cm高圧
水銀灯を用いて、マスクを介して照射強度8mW/cm
2の紫外線散乱光を12分間照射した。次いで30W/
cm高圧水銀灯を用い、コリメートレンズを通した紫外
線平行光を、マスクのない裏面側から照射強度8mW/
cm2で24分間照射して硬化を行った。脱型して得ら
れた硬化物は、レンズ部分も、非レンズ部分も半透明で
あった。光線透過率を表1に示した。 〔実施例4〕実施例1の光硬化性モノマー組成物にロー
ダミンB 0.1部を加えた以外は実施例1と同様にし
て図5にその斜視図を示すマイクロレンズアレイを製造
した。各凸状レンズ部は径1mm、突起高さ21μm
で、焦点距離は+10cmであった。このマイクロレン
ズアレイの光線透過率は、650nmでレンズ部、非レ
ンズ部ともに95%であった。該レンズアレイを用いて
光増幅機能を確認した。即ち、591nmの入射光を、
530nmの励起光とともにレンズ部に入射させた。励
起光の出力を0〜8kWまで挙げていき591nmの出
射光強度を測定した。測定結果を図6に示す。
【0023】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】凸状レンズのレンズアレイを形成する実施例を
示す斜視図である。
【図2】凹状レンズのレンズアレイを形成する実施例を
示す斜視図である。
【図3】グレーティングレンズを形成する実施例を示す
斜視図である。
【図4】実施例で使用した型の断面図を示す。
【図5】実施例4で得られたレンズ素子の斜視図であ
る。
【図6】実施例4で得られたレンズ素子の機能を評価し
た結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1a,1b,1c マスクパターン 2a,2b,2c 光硬化性モノマー組成物 3a,3b レンズ部 1 マスクパターン 2 光硬化性モノマー組成物 4 ガラス板 5 スペーサー 6 励起光

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化性モノマー組成物をマスクを介し
    た露光及び全面露光の2段階露光を行うことで製造され
    る微小レンズ部を有する光学素子であって、 微小レンズ部の可視光領域における光透過率が80%以
    上であることを特徴とする光学素子。
  2. 【請求項2】 光硬化性モノマー組成物が、光照射によ
    り硬化収縮するモノマーであることを特徴とする請求項
    1記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 光硬化性モノマー組成物が、多官能(メ
    タ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする請
    求項1または2記載の光学素子。
  4. 【請求項4】 多官能(メタ)アクリレート化合物が、
    含イオウ多官能(メタ)アクリレート化合物であること
    を特徴とする請求項3記載の光学素子。
  5. 【請求項5】 光学素子がマイクロレンズアレイである
    ことを特徴とする請求項1〜4記載の光学素子。
  6. 【請求項6】 マイクロレンズアレイが凸型マイクロレ
    ンズアレイであることを特徴とする請求項5記載の光学
    素子。
  7. 【請求項7】 光硬化性モノマー組成物が、蛍光色素を
    含有することを特徴とする請求項1〜6記載の光学素
    子。
  8. 【請求項8】 カラーフィルター用であることを特徴と
    する請求項1〜7記載の光学素子。
  9. 【請求項9】 ともに樹脂からなる微小レンズ部と非微
    小レンズ部を有する光学素子であって、該微小レンズ部
    の可視光領域における光透過率が80%以上であること
    を特徴とする光学素子。
  10. 【請求項10】 該非微小レンズ部の可視光領域におけ
    る光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項
    9記載の光学素子。
  11. 【請求項11】 光学素子がマイクロレンズアレイであ
    る請求項9または10記載の光学素子。
  12. 【請求項12】 微小レンズ部を有する光学素子の製造
    方法において、光硬化性モノマー組成物を、型に注入
    し、マスクを介した露光及び全面露光の2段階露光を行
    うことにより、該微小レンズ部の可視光領域における光
    透過率が80%以上とすることを特徴とする光学素子の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 光硬化性モノマー組成物が、光照射に
    より硬化収縮するモノマーであることを特徴とする請求
    項12記載の光学素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 光硬化性モノマー組成物が、多官能
    (メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とす
    る請求項13記載の光学素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 多官能(メタ)アクリレート化合物
    が、含イオウ多官能(メタ)アクリレート化合物である
    ことを特徴とする請求項14記載の光学素子の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 光学素子がマイクロレンズアレイであ
    ることを特徴とする請求項12〜15記載の光学素子の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 マイクロレンズアレイが凸型マイクロ
    レンズアレイであることを特徴とする請求項16記載の
    光学素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 マスクを介した露光開始から、全面露
    光終了までを20分以内で行うことを特徴とする請求項
    12〜17記載光学素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 光硬化性モノマー組成物が、蛍光色素
    を含有することを特徴とする請求項12〜18記載の光
    学素子の製造方法。
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