JPH09163974A - 生ゴミ及び有機性廃棄物の醗酵処理に使用する菌床の 材料及び醗酵槽 - Google Patents

生ゴミ及び有機性廃棄物の醗酵処理に使用する菌床の 材料及び醗酵槽

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JPH09163974A
JPH09163974A JP8045397A JP4539796A JPH09163974A JP H09163974 A JPH09163974 A JP H09163974A JP 8045397 A JP8045397 A JP 8045397A JP 4539796 A JP4539796 A JP 4539796A JP H09163974 A JPH09163974 A JP H09163974A
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raw garbage
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Sousuke Kimura
荘助 木村
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EKOROJIKA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空糸膜及び連続気泡の発泡体の廃材を菌床
の材料に再利用して、経済的かつ技術的に安定度の高い
有機性廃棄物の醗酵処理方法を提供する。 【構成】 有機性廃棄物を醗酵処理する菌床に中空糸膜
及び/又は連続気泡の発泡体を用いる。更に、上記菌床
に活性炭又は従来技術の菌床材料を混合して、有機性廃
棄物の多様性に対応することができる。又、菌床に消臭
機能を付与するためにトルマリン鉱石を用いる。醗酵槽
内で菌床6の下に軽石7を配し、フィルター8を保護し
ている。菌床6への給気と菌床6からの排水は軽石7及
びフィルター8を介して行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、 一般家庭から廃棄さ
れる生ゴミ及び/又は外食産業、水産業、農畜産業、食
品工業、食品流通業等の事業所において排出される有機
性廃棄物を微生物の醗酵作用を有効に利用して分解及び
/又は減量して処理する方法において、菌床として廃棄
物の中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体の応用に関す
る。
【0002】又、本発明は、生ゴミ及び/又は有機性廃
棄物を醗酵処理する方法において、菌床の消臭剤とし
て、トルマリン鉱石の応用に関する。
【0003】又、本発明は、生ゴミ及び/又は有機性廃
棄物を醗酵処理する方法において、菌床下部の軽石又は
軽石様のろ材の応用に関する。
【0004】
【従来の技術】従来、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を
処理する手段として、焼却及び埋立等が行われている
が、この処理過程は各種の公害と、大量のエネルギーの
消費を伴い深刻な都市問題に発展している。しかし、生
ゴミ及び/又は有機性廃棄物の処理に微生物学的方法を
用いる技術が研究され、公害を伴うことなく醗酵分解、
又は再資源化する処理方法が実用化又は試行されてい
る。
【0005】上記のように、生ゴミ及び/又は有機性廃
棄物の再資源化を目的として微生物学的処理方法が実用
化又は試行され、現在も多くの研究がされている。一般
的には、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物は由来が多様な
混合物であることが多いから、この混合物を原料として
高付加価値製品に再資源化することは技術として成立し
ても、経済的には非効率で実用化に至らないことが多い
現状において、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を堆肥、
土壌改良剤等の農業資材として再資源化する方法が、経
済的に成立するものとして実用化が模索されている。こ
れら農業資材は有機農法の普及に有効で、国民保健の推
進に役立つものとして期待されているが解決すべき課題
も多く残されている。(例えば特公平4−42355
参照)
【0006】生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を醗酵処理
法により堆肥等の農業資材への再資源化する方法は、技
術としては既に実用化の域にあると認められている。し
かし、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の排出拠点の多く
は農地から離れた都市部にあり、その農地から離れた排
出拠点で堆肥等の農業資材を生産するときは、材料から
製品の流通に至る物流にかかる経費負担が付加価値を超
えて経済的に成立しないことが多く、生ゴミ及び/又は
有機性廃棄物の堆肥生産型醗酵処理法の普及の隘路にな
っている。
【0007】そこで、上記の物流に関係する経費の低減
を可能にする生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の消滅型醗
酵処理法が検討されている。この消滅型醗酵処理法を適
用するときは、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の成分の
大部分は水と2酸化炭素に分解及び/又は、微生物体に
同化して、形のある生成物の排出がないことを特徴とす
るから、醗酵処理工程前後の物流に関連する経費は有意
の削減の可能性があると注目されている。
【0008】上記の消滅型醗酵処理法において、被処理
品として生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の連日投入を可
能にするためには、醗酵槽に投入された被処理品の体積
は、翌日の被処理品の投入までに微生物の作用により分
解して減容し、被処理品の新たな投入を可能にする空間
が用意されるように醗酵処理工程が管理されていること
を特徴としている。
【0009】菌床は、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を
醗酵分解する微生物の必要な量を確保する場所として、
微生物の担体の役割を持っている。生ゴミ及び/又は有
機性廃棄物は菌床と接触して微生物により醗酵分解され
る。従来技術においては、多孔質の植物由来の材料が菌
床として一般的に使用されている。例をあげると、木
粉、木片、籾殻、コーヒー粕、フスマ、油粕、オカラ及
び活性炭等の1種、又は数種の混合物が菌床に使用され
ている。(例えば特開平6−170349 参照)
【0010】上記の従来技術の菌床に用いられている材
料は、処理の対象となる生ゴミ及び/又は有機性廃棄物
に作用する微生物の担体として機能して、菌床は被処理
品と混合、接触して、微生物と被処理品の接触面積を増
大させて、被処理品の醗酵分解を促進すると共にある限
られた期間の範囲で、醗酵の場として必要な通気性、通
水性、保水性、保温等の条件の維持に働く機能を備えて
いると考えられている。これら菌床が備えている機能
は、菌床の材料の多孔質構造に由来すると考えられてい
る。
【0011】従来技術の菌床は、植物体由来の材料で構
成されているから、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗
酵処理の過程で菌床の構成材料も微生物の作用を受け
て、経時的に変化し、菌床の外観及び機能が変化するこ
とは既に判っている。
【0012】市販されている家庭用の生ゴミの醗酵処理
機で、消滅型又は減量型と称されているものは、菌床の
材料として微生物の作用を比較的受けにくいリグニン及
びセルローズを主成分とする木粉又は木粒を採用してい
るが、製造業者は使用者に1ヶ月から6ヶ月に1回の割
合で菌床の更新の実施を指導していることが多い。
【0013】植物体由来の菌床材料の経時変化は、外観
的には粒度が小さい方向へ変化し、菌床の水分率は大き
くなる方向へ変化し、その結果、菌床の通気性は低下し
て好気性醗酵を阻害する傾向を示して、時に異臭を発生
させ、時に水素イオン濃度の低下を示すことがある。こ
の経時的変化は、菌床の醗酵処理能力の低下の原因とな
ることが多い。
【0014】しかし、上記の菌床の経時的変化が示す醗
酵処理工程の異常は、菌床の経時的変化とは別の原因に
よっても類似の異常を観察することがあり、生ゴミ及び
/又は有機性廃棄物の醗酵処理工程の異常に対する対応
に経験及び/又は技術力が要請されて、この消滅型醗酵
処理法の実用化の隘路になっている。
【0015】前述の堆肥生産型醗酵処理法においては、
被処理品が醗酵処理されて堆肥として回収される際に、
同時に菌床の一部も堆肥として回収されるために、菌床
は堆肥生産の所定の周期で更新、又は補充が行われて、
菌床の経時的変化は通常問題にならないとされている。
【0016】一方、消滅型醗酵処理法では、被処理品を
醗酵槽に投入するだけで、生ゴミ及び/又は有機性廃棄
物の処理が可能で通常堆肥等の回収は行わない。しか
し、本処理法においては、醗酵槽に菌床が滞留すること
によって、従来技術の菌床は経時的変化を起こすことは
詳述の通りで、通常数ヶ月の間隔で菌床の更新を実施す
る必要がある。更新の時期の判定は経験的な技術力を要
求することが多く、この菌床の経時的変化に関連する問
題が消滅型醗酵処理法の実用化と普及を妨げている。そ
こで本発明による長期安定性を示す合成高分子を素材と
した菌床材料が提案されている。
【0017】市販されている多くの生ゴミ及び/又は有
機性廃棄物醗酵処理機においては、生ゴミ及び/又は有
機性廃棄物が微生物の作用により分解されて発生する水
を気体で排出しているが、液体の水を気体にすることに
電気エネルギーを消費しているのが実状であり、生ゴミ
及び/又は有機性廃棄物の処理に際して、省エネルギー
型の醗酵処理機の研究が要求されている。又市販の生ゴ
ミ消滅型醗酵処理機の中には醗酵槽の底にフィルターを
つけて菌床の水を分離排出する方法を選んだものもある
が、長期の使用に際してはフィルターの目詰まりが原因
となって、菌床の水分率が上昇して醗酵処理能力が異常
に低下することがあり、菌床の水分率調整方法の新しい
研究が要求されている。
【0018】生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の消滅型醗
酵処理方法において、被処理品の投入を連日実施するた
めに、被処理品を24時間以内で醗酵分解により消滅さ
せる方法として、被処理品を切断又は粉砕して被処理品
の表面積を増加させて、醗酵分解の速度を高めることが
試行されている。しかし、切断及び/又は粉砕の工程を
付属した消滅型醗酵処理機は機構的に複雑化して高価な
装置となり、又騒音等の問題もあり普及の障害になって
いる。(例えば特開平6−170349、実登0301
2670、特開平4−4084、実登3009489
参照)
【0019】上述のように消滅型醗酵処理を被処理品の
投入から24時間以内に被処理品を水と二酸化炭素に分
解する研究がなれさている。しかし、現在市販されてい
る多くの家庭用の生ゴミ醗酵処理機は、24時間を越え
た被処理品の醗酵分解の所用時間を前提とした、生ゴミ
の消滅型醗酵処理方法を採用しているが、多くは1ヶ月
から6ヶ月に1度の菌床の定期交換が使用者の負担にな
っていると言われている。
【0020】又、従来市販されている多くの生ゴミ醗酵
処理機能は、生ゴミの醗酵に際して発生することがある
悪臭を除く目的で、醗酵槽の空気の循環又は排気の回路
に消臭カラムを装備して、生ゴミ醗酵処理機を経済的に
高価なものにしている。又、消臭カラムの定期交換は消
費者に経済的負担を要請している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】生ゴミ及び/又は有機
性廃棄物の廃棄は、その収集、運搬、焼却及び埋立等の
処理工程を通じて労働力の浪費、石油資源の浪費、並び
に生活環境を悪化させる公害を伴うもので、その処理を
その発生拠点で微生物学的方法で実施できれば、上記の
生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の収集・運搬は不要とな
り、焼却及び埋立による公害の発生もなく、その国民経
済的効果は非常に大きい。本発明は、従来廃棄物として
処理されていた中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体の
作業屑を、菌床の材料として再資源化することにより、
生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵処理法の応用範囲
を拡大して家庭と事業所を問わず、発生拠点における醗
酵処理法の実用化を経済的に可能にする方法を提供して
いる。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を醗酵
処理するに際し、合成高分子から成形された中空糸膜及
び/又は連続気泡の発泡体の廃材を菌床の材料として用
いることとしたものである。上記方法において、中空糸
膜及び/又は連続気泡の発泡体を材料とした菌床が、生
ゴミ及び/又は有機性廃棄物の多様性に対応した発酵処
理を可能にするために、従来技術の植物体由来の菌床材
料及び/又は活性炭を更に混合することとしたものであ
る。
【0023】次に本発明は、生ゴミ及び/又は有機性廃
棄物を発酵分解処理する場となる菌床の良好な好気的醗
酵条件を長期に渡って維持するために、空気を円滑に拡
散して菌床に供給し、且つ菌床の余分の水を重力を利用
してフィルターを通じて排水するに際して、フィルター
を目詰まりから保護するために、フィルターと菌床の間
に軽石等の多孔質の鉱物、又は多孔質のセラミックスを
敷くことを特徴とする醗酵槽を提案している。
【0024】中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体は、
一般的には水に不溶で、生物学的に不活性であることが
多く、且つ生ゴミ及び/又は有機性廃棄物及びその分解
産物の作用による化学変化は起こらないと考えられてい
る。上記の通り本発明が提供する菌床の材料は、微生物
学的及び化学的に安定な合成高分子を原料としているか
ら、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵処理に使用し
て、長期安定性を示す菌床を可能にしている。
【0025】中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体の原
料に使用される合成高分子の多くは、生物学的に不活性
を示す物質と称せられ、微生物の活性を阻害しない生物
学的に比較的に安全な物質と考えられるから、微生物の
担体として機能を長期に渡って維持できると考えられ
る。これら合成高分子から成形加工された多孔質構造の
表面は疎水性を示すことが多く、生ゴミ及び/又は有機
性廃棄物を処理する工程で、被処理品及び被処理品の分
解産物による多孔質構造の目詰まり、及び粘着等による
菌床としての機能低下につながる経時的変化は起こり難
い長期安定性を示す菌床の材料として、中空糸膜及び/
又は連続気泡の発泡体が提案されている。
【0026】上記詳述の通り、中空糸膜及び/又は連続
気泡の発泡体を生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵処
理工程において、微生物学的反応の場となる菌床の材料
に応用する場合、合成高分子から成形されたその多孔質
構造は生物学的及び化学的安定性、及び疎水性の表面と
いう性格を示し、期待されている長期安定性を示す菌床
が提供されている。
【0027】従来技術の木粉、籾殻、コーヒー粕、米
糠、フスマ、オカラ等の菌床の材料は粉状、顆粒状、又
は細片で、その大きさは自由にならないのが普通である
が、本発明の菌床の材料は、簡単な切断加工により使用
の目的に応じて長さ、又は粒度を比較的自由に選択でき
ることを特徴としている。例えば、中空糸膜にあって
は、菌床に使用する際には、長さは短い程単位重量当た
りの端面の数が多くなり、多孔質材料としての性能が向
上すると考えられ、通常の菌床に使用するときは中空糸
膜の切片の長さは3センチメートル以下であることが望
ましい。又、連続気泡の発泡体にあっては、その大きさ
は2立方センチメートル以下の切片に加工して菌床に使
用することが望まれる。
【0028】中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体は、
比較的保水能が低く、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を
醗酵処理する菌床に使用したとき、この保水能及び水分
率調節能の低さが、被処理品の種類及び/又は性質によ
っては、菌床の醗酵処理能力を制約することがある。こ
の保水能及び水分率調節能の低さを補う手段として、中
空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体に更に活性炭及び/
又は植物体由来の菌床材料を混合することにより、本発
明の合成高分子を素材とした菌床の醗酵処理能力を向上
させて、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の多様性に対応
する範囲を拡げることができる。
【0029】生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵処理
工程は、臭気の発生を伴うことが普通とされている。本
発明は、トルマリン鉱石の粉末をプラスチック又はゴム
と混練したペレットを菌床に混合して、醗酵槽で発生す
る臭気を緩和して、消臭カラムの無用化を提案してい
る。
【0030】生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を醗酵処理
する方法において、本発明は、長期安定性を示す菌床を
提供して、特にいわゆる消滅型醗酵処理法から菌床の保
守管理を殆ど不要とする可能性の根拠を示した。更に本
発明は、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵分解を通
じて、被処理品の分解産物として間断なく生産される水
を菌床から適度に排出する新しい方法、並びに被処理品
の醗酵に作用する微生物が要求する空気を菌床に供給す
る新しい方法を提供している。本発明が提案している菌
床からの排水は、液体でも行われるもので、従来の方法
において、多くが気体で排水しているのに比較して、醗
酵処理工程を通じてエネルギーの消費を著しく抑制して
いる。又、本発明は菌床からの排水と菌床への給気を同
一のフィルターを共用して、而も、フィルターを長期に
渡って目詰まりをさせない保護機構として、軽石等をろ
材として菌床とフィルターの間に使用することを提案し
ている。
【0031】次に本発明の菌床からの排水と菌床への給
気の機構及び行程を図1の醗酵槽をモデルにして説明す
る。被処理品として生ゴミ又は、有機性廃棄物は投入口
1より投入される。投入口蓋2は、要時開けられる。投
入された被処理品は菌床6と混合して微生物の作用によ
り醗酵分解される。被処理品と菌床の接触を円滑に進め
るために攪拌翼4が回転している。醗酵槽の底部には、
フィルター8があって、醗酵槽と受水皿11の間を仕切
っている。受水皿11は排水口10と給気孔9を備えて
いる。
【0032】菌床6とフィルター8の間にフィルターの
孔より大きい粒状の軽石7が敷かれているが、軽石7は
菌床及び被処理品が直接フィルター8に接触して、フィ
ルター8の目詰りを起こさないための炉材で、水と空気
は軽石7及びフィルター8を介して移動する。菌床6の
余分の水は広いろ面を持つ軽石7で一次ろ過され、更に
フィルター8から受水皿11に流れて排水口10から系
外、又は図に記載されない容器に排水される。
【0033】菌床6に供給する空気は、受水皿11の給
気孔9からフィルター8を経由して、軽石7で菌床の広
い範囲に拡散されて菌床6に供給される。菌床6が広い
範囲に渡って拡散された空気の供給を得て、菌床6の内
部に分散している被処理品が順調な醗酵分解を受ける条
件の長期的な維持を可能にしている。図1に示されてい
ないが、給気孔9は必要に応じて空気ポンプ又は送風機
と接続して、給気を強制することが可能である。但し、
給気の別の経路があるときは給気口9は必要としない。
尚、図に示されていない攪拌機駆動モーター、ヒータ
ー、菌床排出口を醗酵槽は装備していることが多い。
【0034】
【作用】次に本発明の作用効果について説明する。生ゴ
ミ及び/又は有機性廃棄物を醗酵槽へ投入するだけの作
業で、被処理品は元来の形質を失い、成分の大部分を水
と2酸化炭素に分解及び/又は微生物体に同化する消滅
型醗酵処理を可能にする微生物学的及び化学的課題とし
て、菌床の長期安定化が望まれているが、本発明は、合
成高分子を素材とする中空糸膜及び/又は連続気泡の発
泡体の作業屑を菌床の材料に再利用することにより、長
期安定性を示す菌床を提供して、生ゴミ及び/又は有機
性廃棄物の醗酵処理の実用化において、経験と専門技術
を殆ど不要とするもので、生ゴミ及び/又は有機性廃棄
物処理を「誰でも、どこでも出来るプロセス」に標準化
して、消滅型醗酵処理方法の普及の展望を示し、生ゴミ
及び/又は有機性廃棄物処理に伴う収集及び運搬にかか
る経費節減の可能性を提示している。
【0035】中空糸膜は、選択的透過性を備えた中空状
の機能性繊維で、その元来の用途に対応した機能部分の
寸法、数値はおよそ次の通りに分布している。中空糸膜
を菌床の材料とし使用するに際して、下記の数値の分布
が問題になることはないと推定している。この中空糸膜
の切片は膜の構造と端面を組み合わせて、菌床として有
効な多孔質構造を形成している。
【0036】 膜厚 6 〜 150 μm 外径 200 〜 1000 μm ポアサイズ 0.005 〜 0.5 μm 開口率 30 〜 70 %
【0037】中空糸膜の原料に使用される合成高分子の
主たるものは次の通りである。これら合成高分子から成
形された中空糸膜の表面は、生物学的に不活性で、生体
親和性が比較的高く、微生物の担体として利用すること
は通常可能である。これら合成高分子にあって、セルロ
ーズ誘導体は長期的には、微生物の作用で分解すること
がある。又ポリアミドは水の存在下で加水分解が起こる
ことがあると言われているが、いずれも菌床として使用
して、その長期安定性を否定するような現象を示す実験
に遭遇していない。又、下記の個々の合成高分子から成
形された中空糸膜について菌床として使用した実績は存
在しないが、本発明の実施の障害とはならない。
【0038】セルローズ誘導体 ポリアミド ポリスルフォン ポリエーテルスルフォン ポリアミドイミド ポリメチルメタアクリレート ピニルアルコールビニルアセテート共重合体 アクリロニトリル共重合体 ポリオレフォン
【0039】上記の中空糸膜は、逆浸透又は限外ろ過等
の機能性のろ材として成形された中空線維であるが、製
品に加工される工程で発生する作業屑は、廃棄物として
処理されているのが実状である。本発明は、廃棄物とし
て処理されている中空糸膜の作業屑を切片にして、菌床
の材料に再利用することにより、生ゴミ及び/又は有機
性廃棄物の醗酵処理を行うことを提案している。
【0040】連続気泡の発泡体を、本発明による菌床の
材料に使用するに当たっては、疎水性の表面を得ること
が出来る合成高分子から成形された発泡体が望ましい。
疎水性の表面からなる発泡体は水と接触したとき、その
みかけの体積の変化の範囲が比較的小さく、醗酵処理工
程において菌床の容積が比較的安定的に維持されること
を特徴としている。
【0041】生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を醗酵処理
する方法において、菌床の材料として、連続気泡の発泡
体を使用するに当たって、この発泡体の成形原料は、次
に記載する合成高分子が、疎水性、生物学的安定性、化
学的安定性、及び生物学的安全性等の条件を備えている
と考えられる。
【0042】ポリエチレン及びその共重合物 ポリプロピレン及びその共重合物
【0043】又、上記の合成高分子を成形した連続気泡
の発泡体のみかけの密度が比較的大きいものが、緻密な
多孔質構造を形成し、菌床材料として有効であると考え
られる。
【0044】上記の条件を満たす連続気泡の発泡体は、
断熱、吸音、衝撃吸収性等の機能を応用して、建築材
料、包装材料、機械部品として一般的に使用されている
が、加工工程において、切削屑及び打抜き屑等の作業屑
が廃棄物として処理されている。連続気泡の発泡体の作
業屑を細片に切断して、菌床の材料に再利用することに
より、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵処理を行う
ことを提案している。
【0045】中空糸膜、及び/又は連続気泡の発泡体を
それぞれ単独、及び/又は混合した菌床に、従来技術の
植物体由来の菌床材料、及び/又は活性炭を添加混合す
ることにより、菌床の生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を
醗酵分解する能力が向上することが多い。上記の現象
は、本発明による中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体
を使用した菌床を、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の多
様性に対応して、その応用範囲を拡大する可能性を示す
重要な事項であると考えられる。
【0046】上記の従来技術の植物体由来の菌床材料、
及び活性炭は、いづれも親水性の表面からなる多孔質物
質であり、中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体の菌床
に添加混合することにより、(1)菌床のみかけの密度
が高くなる傾向があるから菌床の保水能が高くなり、菌
床の水分調節能力が向上するものと考えられる。
【0047】(2)醗酵処理を行っている菌床の温度が
相対的に上昇する傾向があり、菌床の単位体積当たりの
菌量の増加が考えられる。
【0048】(3)醗酵処理に際して発生する臭気が緩
和される傾向があり、臭気の原因物質が活性炭に吸着さ
れて、更に微生物による分解が行われていると考えられ
る。
【0049】中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体を材
料とする菌床の醗酵処理能力向上を可能にする従来技術
の植物体由来の菌床材料は次の通りである。
【0050】植物体由来の菌床材料 木粉 木片 籾殻 米糠 フスマ オカラ 茶殻 コーヒー粕 油粕
【0051】中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体を材
料とする菌床に混合して醗酵処理能力向上を可能にする
活性炭は粉体及び/又は顆粒を用いる。
【0052】又、活性炭は生物学的にも化学的にも安定
な物質であるから、菌床材料に使用して活性炭自身の経
時変化は殆どないと言われ、活性炭を添加混合した菌床
の長期安定性が問題となることは少ないと考えられる、
但し、活性炭の吸着能は菌床の水分率に依存して不安定
に変動するが、この吸着能の変動は菌床の醗酵処理能力
に変化をもたらす要素とは考えられない。
【0053】中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体を材
料とする菌床並びに、更にこれらの材料に植物体由来の
菌床材料及び/又は活性炭を添加混合した菌床を使用し
て生ゴミ及び/有機性廃棄物を醗酵処理を継続している
と菌床の容量が次方に減少を示すことがある。この菌床
の容量の減少は菌床の生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の
醗酵処理能力を低下させることがある。この能力が低下
した菌床に中空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体を補充
して、菌床の容量を回復させることにより、低下した菌
床の能力は回復するという現象が見られる。
【0054】上記菌床の容量の低下に伴って、菌床のみ
かけの密度が高くなっている。菌床が攪拌等による圧力
によって密度が大きい方へ変化したものと考えられ、中
空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体の成分の化学的変化
とは考えられない。従来技術の菌床の経時的変化は、菌
床の元来の成分の化学的及び/又は生物学的分解による
現象が主要な変化であるから、本発明の菌床が示す容量
の減少とは本質な相違があり、本発明の障害となるもの
ではない。
【0055】トルマリン鉱石は水を分解してイオン化
し、ヒドロニウムイオン及びビトロキシイオン生成する
と称せられている。このヒドロニウムイオン及びヒドロ
キシイオンが臭いの原因物質に作用して消臭効果を示す
るものとされているが、消臭のメカニズムについては科
学的な解明がされていないのが現状である。
【0056】トルマリン鉱石は微小電極の集合体である
とされていて、電極の作用で水のイオン化は長期間継続
するから、上記のトルマリン鉱石が示す消臭作用も長期
間継続すると称せられている。
【0057】トルマリン鉱石の比重は約3モース硬度は
7から7.5であるから、トルマリン鉱石の菌床への応
用は原石のままでは醗酵槽を損耗する。又、菌床との分
離が起こって困難とされている。本発明は、トルマリン
鉱石の消臭作用を菌床に応用することを可能にするため
に、トルマリン鉱石を500ミクロン以下の粉末に粉砕
して、菌床に混合して使用することにより、生ゴミ及び
/又は有機性廃棄物の醗酵処理工程で発生する腐敗臭を
消す。又、緩和することを提案している。
【0058】更に、本発明は、トルマリン鉱石と菌床の
混合を容易にするために、トルマリン鉱石の10ミクロ
ン以下の粉末を、プラスチック、又はゴムに混練して、
比重1.5以下の条件でペレットを、成形加工すること
を提案している。プラスチック、又はゴムにトルマリン
鉱石の粉末を添加する割合は重量比、5から15%の範
囲で、有効に消臭作用を示し、且つ、比較的経済的負担
を少なく加工が容易である。
【0059】本発明は、プラスチック又はゴムに混練し
たペレットを菌床に添加する割合は重量比が5から15
%の範囲で有効な効果が見られ、且つ経済的であると提
案している。但し、該提案は堆肥生産型の菌床への応用
は経済的に成立しないと考えられる。
【0060】本発明に使用される軽石は、連続気泡の多
孔質の鉱物であり、ろ材として図1のフィルター8のプ
レフィルターの役割をしている。軽石7には菌床、被処
理品及び被処理品の分解産物等がろ材の目詰まりを起こ
す原因となる物質として菌床から供給されるが、同時に
微生物も供給されて軽石は微生物の担体としての作用を
示して、上記のろ材の目詰まりを起こす原因となる物質
を醗酵分解して、ろ材としての軽石の目詰まりによる機
能の低下を防いでいると考えられる。
【0061】上記詳述の通り、軽石7は汚染と再生を反
覆しながらろ材として長期間機能するが故に、フィルタ
ー8は長期間目詰まりを起こすことなくフィルターの機
能を維持することを可能にしていると考えられている。
菌床の下に位置する軽石は、菌床と混合して散逸しない
ために、みかけの密度が0.7以上あることが望まし
い。
【0062】上記の通り、軽石はみかけの密度が0.7
以上あり連続気泡の多孔質構造で、粒度はフィルターの
孔より大きいものがよい。この軽石と類似の多孔質構造
を備えた物は下記の通りで、軽石と同様に本発明のろ材
として使用が可能である。但し、微生物の担体として機
能する必要があるから、微生物の活性を阻害する濃度を
もった有害物質を含有するものは適当でないと考えられ
る。ここで有害物質とは、砒素、重金属類等が考えられ
る。
【0063】ゼオライト ペントナイト シリカ 発泡セメント 発泡耐火ボード 連続気泡のセラミックス 焼結金属 発泡金属
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 菌床を構成する材料の組合せの例は下記の通りである。
但し構成の割合は重量比である。
【0065】 菌床の構成 中空糸膜 100%
【0066】 菌床の構成 ポリエチレン発泡体 100%
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】実施例2 タルマリン鉱石10%を混合したポリエチレンペレット
を添加する際、菌床を構成する材料の組合せの例は下記
の通りである。但し構成の割合は重量比である。又、下
記の例に記載のポリエチレンペレットはタルマリン鉱石
10%含有している。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】実施例3 本発明の醗酵槽において軽石、フィルター及び受水皿の
位置関係の実施例を説明する。本実施例は菌床の材料の
種類とは関係しない。
【0081】図1に示される実施例では、フィルター8
は醗酵槽の底の中央付近にあり、軽石7は攪拌機の軸に
平行にフィルター8を覆って敷かれている。受水皿11
はフィルター8の下に取り付けられている。
【0082】図3に示される実施例では、フィルター8
は醗酵槽の底の両端付近に別々に取り付けられ、受水皿
11もフィルター8の下で分離している。本実施例は醗
酵槽が大型化したときに有効である。軽石7は両端のフ
ィルター8を覆って敷かれている。
【0083】図4に示される実施例では、フィルター8
及び受水皿11は醗酵槽の一端に取り付けられている。
軽石7は図1と同様に使用する。
【0084】実施例4 本発明が提案した菌床の有効性を実証するために、従来
技術の菌床材料として杉の木粒を使用した菌床を対象と
して、中空糸膜の切片100%で構成する菌床、及び中
空糸膜の切片87.5%活性炭12.5%で構成する菌
床を用いて、生ゴミの消滅型醗酵処理を実施して、上記
3通りの菌床の径時的変化を比較する実験を行った。実
験に使用した醗酵槽下記の通りであった。
【0085】醗酵槽は図1及び図2に示したもので菌床
容量は40リットルで、1日当たり1kgの生ゴミの消滅
型醗酵処理能力が標準とされている。給気口9に空気ポ
ンプを接続し、排水口10には気密性の容器を接続し
た。醗酵槽の設置は秤の上に行った。実験に使用した微
生物は下記の通りであった。
【0086】生ゴミに作用する微生物は枯草菌を使用し
た。菌床に米糠で培養した枯草菌を接種し、更に水分率
調整後計量して、実験0時間の菌床の重量とした。実験
に使用した菌床の構成及び生ゴミ投入直前の菌床の重量
は下記の通りであった。
【0087】
【0088】上記の菌床1は家庭から排出される生ゴミ
の約1kgを連日投入して、順調な消滅型醗酵処理を5ヶ
月維持した後、次第に能力が低下して6ヶ月で使用不能
となった実績がある。本実験においては生ゴミの4kgを
連日投入することにより、激しい醗酵を継続して、菌床
の経時的変化を促進して、菌床1を対照として、菌床2
及び3の消滅型醗酵処理能力の変化の比較を菌床の重量
の変化を測定して行った。計量は生ゴミ投入直後の重量
を記録した。菌床の計量値は下記の通りで、期間を5日
間で区切って、5日間の平均値で示した。
【0089】 菌床の重量変化 菌床1 菌床2 菌床3 調整後重量 18.0 17.5 18.5 初投入時重量 22.0(100) 21.5(100) 22.5(100) 期間(日) 1〜 5 25.5(116) 25.8(120) 26.4(117) 6〜10 28.6(130) 30.3(141) 29.6(132) 11〜15 29.7(135) 30.8(143) 30.1(134) 16〜20 31.3(142) 31.6(147) 31.2(139) 20〜25 33.9(154) 32.3(150) 32.0(142) 26〜30 40.2(183) 32.6(152) 32.2(143) 31〜35 中止 33.1(154) 32.8(146) 36〜40 中止 33.4(155) 32.9(146) 41〜45 中止 33.4(155) 33.4(148) 46〜50 中止 33.8(157) 33.5(149) 51〜55 中止 34.2(155) 33.9(151) 56〜60 中止 34.3(160) 34.3(152)
【0090】上記の記録の通り、本発明による菌床2、
菌床3は実験開始から60日間は順調な消滅型醗酵処理
能力を維持した。菌床の重量は増加傾向は実験期間中継
続した。菌床の容量は菌床の重量と相関することはなか
った。
【0091】一方、菌床1においては、実験開始から2
0日を経過して菌床の重量の増加率が大きくなり、30
日目に45kg(205%)を記録して実験を中止した。
実験開始から25日頃から菌床は悪臭を発生して、菌床
の嫌気化を示した。
【0092】本実験の結果から、従来技術の例として、
杉の木粒を材料とした菌床を生ゴミの消滅型醗酵処理に
使用して、菌床として順調な好気性醗酵の条件を維持で
きる期間を100とすると、本発明が提供する菌床は、
同様の使用条件の下では、順調な好気性醗酵の条件を維
持できる期間は少なくとも200から300の範囲にあ
ると推定される。
【0093】
【発明の効果】本発明は詳述したように、合成高分子を
素材として成形された中空糸膜及び/又は連続気泡の発
泡体を菌床の材料として応用するとき、長期間に渡って
化学的及び生物学的に安定して使用できる菌床を得るこ
とが可能となり、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の消滅
型醗酵処理の工程管理項目から菌床の更新の周期を従来
の数ヶ月から1年又は1年以上に拡張する可能性を提示
している。
【0094】従来技術の範囲では、生ゴミ及び/又は有
機性廃棄物の醗酵処理工程で異常が認められたとき、生
ゴミ及び/又は有機性廃棄物の多様性に由来する現象
と、菌床の経時的変化が関係する現象が重なり、問題の
解決に経験と技術が要求されてその醗酵処理法の実用化
及び普及の障害になっている。しかし、この中空糸膜及
び/又は連続気泡の発泡体を使用した菌床の発明は、従
来技術と異った視点にもとづいて、異常の発生原因を菌
床から除去する手段を提示することにより、生ゴミ及び
/又は有機性廃棄物の醗酵処理法の実用化及び普及の障
害を技術的に解決する方向を示している。
【0095】従来、作業屑として廃棄処理されていた中
空糸膜及び/又は連続気泡の発泡体に、簡単な加工を施
して菌床材料に使用すると言う、合成高分子系廃棄物の
リサイクルの新しい可能性を示した本発明は、生ゴミ及
び/又は有機性廃棄物の消滅型醗酵処理法が経済的なコ
ストで実施できる可能性を示して、廃棄物処理にまつわ
る都市問題の解決を促す新しい視点と手段を提供するも
のである。
【0096】上記実施例が示すように、中空糸膜及び/
又は連続気泡の発泡体を、生ゴミ及び/又は有機性廃棄
物の醗酵処理の菌床に応用する本発明は、従来技術が、
長年課題としてきた菌床の長期安定化を実現させ、併せ
て、菌床の醗酵処理条件の順調な持続を可能にした機能
を簡単な構造の醗酵槽が実現させて、生ゴミ及び/又は
有機性廃棄物の醗酵処理技術の新しい展開の可能性を示
唆している。
【0097】本発明の効果として、詳述された長期安定
性を示す菌床を使用する醗酵処理法は、生ゴミ及び/又
は有機性廃棄物の発生拠点における処理の可能性を示し
たもので、微生物を応用した生ゴミ及び/又は有機性廃
棄物の醗酵処理法を「誰でも何処でも出来るレベル」に
まで技術的完成度を向上させる根拠を示し、生ゴミ及び
/又は有機性廃棄物処理にまつわる諸課題を解決する手
段を提供するものである。
【0098】生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵処理
に作用する微生物の集団の動的消長のパターンと被処理
品の動的分解のパターンの関係は、従来は経験則でしか
説明できなかった現象であった。しかし、本発明の効果
として、菌床の要素を単純化して、生物科学的手法の導
入の可能性を示して、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の
処理法の研究に新しい展望を開いている。
【0099】生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵処理
に際して、醗酵槽からもれる悪臭をトルマリン鉱石をプ
ラスチック又はゴムに混練したペレット菌床に添加し
て、菌床自身に消臭機能を与えた本発明は、微生物を応
用した生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の処理法の普及を
阻害する悪臭問題を解決して、醗酵処理を実施する場所
の選択の巾を拡大する手段を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 醗酵槽の正面図である。
【図2】 醗酵槽の側面図である。
【図3】 フィルターの取付部の実施例を示す正面図で
ある。
【図4】 フィルターの取付部の実施例を示す正面図で
ある。
【符号の説明】
1.投入口 2.投入口蓋 3.排気口 4.攪拌翼 5.被処理品受入空間 6.菌床 7.軽石 8.フィルター 9.給気口 10.排水石菌床 11.受水皿

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を微生物
    の作用を利用して醗酵分解して処理をする工程におい
    て、中空糸膜の切片を微生物の担体として使用したこと
    を特徴とする菌床。
  2. 【請求項2】 生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を微生物
    の作用を利用して醗酵分解して処理をする工程におい
    て、連続気泡の発泡体の切片を微生物の担体として使用
    したことを特徴とする菌床。
  3. 【請求項3】 上記請求項1の菌床に、請求項2の菌床
    を混合したことを特徴とする菌床。
  4. 【請求項4】 上記請求項1、請求項2、又は請求項3
    に記載の菌床の材料に更に活性炭を混合したことを特徴
    とする菌床。
  5. 【請求項5】 木粉、木片、籾殻、コーヒー粕、フス
    マ、油粕、オカラ等の植物体由来の材料を更に混合した
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は
    請求項4記載の菌床。
  6. 【請求項6】 上記請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項4、又は請求項5の菌床に更に消臭剤としてトルマ
    リン鉱石の粉末をプラスチック又はゴムに混練して成形
    したペレットを混合したことを特徴とする菌床。
  7. 【請求項7】 上記請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項4、又は請求項5、又は請求項6記載の菌床を使用
    した、生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を醗酵分解して処
    理する方法。
  8. 【請求項8】 生ゴミ及び/又は有機性廃棄物の醗酵分
    解により発生する水を分離排出するフィルターを保護す
    るために、菌床とフィルターの間に炉材として軽石、又
    は多孔質の鉱物、又は多孔質の金属、又は多孔質のセラ
    ミックを使用したことを特徴とする醗酵槽。
  9. 【請求項9】 吸気口及び排水口を有する受水皿をフィ
    ルターの下に備えたことを特徴とする請求項7の醗酵
    槽。
  10. 【請求項10】 上記請求項7、及び請求項8に記載の
    醗酵槽を使用した生ゴミ及び/又は有機性廃棄物を醗酵
    分解して処理する方法。
JP8045397A 1995-10-11 1996-02-06 生ゴミ及び有機性廃棄物の醗酵処理に使用する菌床の 材料及び醗酵槽 Pending JPH09163974A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105834193A (zh) * 2016-04-01 2016-08-10 浙江华庆元生物科技有限公司 有机垃圾微生物处理装置
JP2020127370A (ja) * 2019-02-07 2020-08-27 株式会社クイック・ガーデニング 剪定廃材再利用システム

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