JPH09163874A - 被覆材とその製造方法 - Google Patents

被覆材とその製造方法

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JPH09163874A
JPH09163874A JP7328677A JP32867795A JPH09163874A JP H09163874 A JPH09163874 A JP H09163874A JP 7328677 A JP7328677 A JP 7328677A JP 32867795 A JP32867795 A JP 32867795A JP H09163874 A JPH09163874 A JP H09163874A
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JP
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film
covering material
film layer
shrinkage
mesh
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JP7328677A
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English (en)
Inventor
Hirohiko Otsuka
裕彦 大塚
Toshihiro Hamada
敏裕 浜田
Hisashi Nakahara
寿 中原
Kyuichi Watanabe
久一 渡辺
Keiji Fukuhara
敬二 福原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Taiyo Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Taiyo Kogyo Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】展張作業が容易でかつ展張後の応力緩和が非常
に少ない耐久性に優れた被覆材を提供する。 【解決手段】 フィルム層2の両端に少なくとも1方向
の収縮率が2%以上のメッシュ状織編物3が接合された
被覆材であって、フィルム層2と接合フィルム4の間に
メッシュ状織編物3が挟み込まれた状態で熱融着一体化
されている被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプハウス用被
覆材等として好適な被覆材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農業用ハウス等に使用される被覆
材は、塩化ビニル系フィルムで構成されたものが主体で
あったが、最近、天井部は塩化ビニルなどのフィルム、
裾部分はメッシュ織物とした被覆材が使用されている。
かかる被覆材は、天井部のフィルムにより保温性及び防
雨性を保持しつつ、裾部のメッシュ状織編物により通気
性、通風性、防虫性等を得ようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる被覆材
には、フィルム及びメッシュ織物の両者を強固に固定す
るために多大な時間と労力を要し、さらに広く使用され
ている塩化ビニル系フィルムは、展張後の張力により応
力緩和が起こるため、時間が経過するに伴ってフィルム
が伸長して「弛み」が生じていた。フィルムに生じた
「たるみ」は、風等によりはためき「破れ」の原因とな
る。それを防止するために、パッカ−や押さえテ−プ等
の固定具を用いてフィルムに張力を与えることも行われ
ているが、多くの労力が必要となるのみでなくその効果
は不十分である。さらに、展張当初は被覆材に弛みが生
じていなくても、やはり時間の経過や気温の上昇ととも
に被覆材が伸長し、結果的に弛みが生じて「破れ」の原
因となる。特に、耐摩耗性の低いポリオレフィン系フィ
ルムを用いると、押さえ紐で固定した部分が破損しやす
い問題があった。本発明の目的は、上記の問題を解決
し、作業性に優れかつ保守・管理の容易な被覆材を提供
せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィルム層の
両端に少なくとも1方向の収縮率が2%以上のメッシュ
状織編物が接合された被覆材であって、フィルム層と接
合フィルムの間にメッシュ状織編物が挟み込まれた状態
で熱融着一体化されている被覆材、およびフィルム層と
接合フィルムの間に、少なくとも1方向の収縮率が2%
以上のメッシュ状織編物を挟み、フィルム及び/又は接
合フィルムを加熱圧着後に冷却してフィルム層とメッシ
ュ状織編物を接合する被覆材の製造方法を提供するもの
である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明によれば、多大な労力を要
することなくフィルムとメッシュ状織編物を一体化で
き、しかも少なくとも1方向の収縮率が2%以上のメッ
シュ状織編物を用いているため、実質的にフィルムに
「たるみ」が生じにくい優れた被覆材が得られる。メッ
シュ状織編物の少なくとも1方向の収縮率は2%以上で
あることが必要である。かかる織編物が適度に収縮する
ことにより、被覆材を構成するフィルムの応力緩和が小
さくなり、その結果、フィルムの伸長を抑制することが
できる。収縮率が2%未満のメッシュ状織編物を用いた
場合には、フィルムに「たるみ」が生じやすく、破れや
すい被覆材しか得られない。収縮応力は0.5kgf/
m幅以上、特に特に1.5kgf/m幅以上であるのが
好ましい。
【0006】なお、ここでいう収縮率とは、被覆材の実
使用状態での収縮をモデル化したもので、水浸(20
℃)×16時間→乾燥(40℃)×7時間の操作を5回
繰り返した時の寸法変化を下記式により算出したもので
ある。 収縮率(%)={(初期長さ−繰り返し後の長さ)/初
期長さ}×100
【0007】ハウス展張後に被覆材を収縮させる作業性
の点からは、水の存在下で収縮する被覆材を使用するの
が特に好ましい。この場合、被覆材を展張後水を付与し
て収縮させてもよいが、降雨前等に被覆材を設置してそ
のまま放置するか、ホ−スで水を散布すれば、人力を費
やすことなく弛みなく被覆材を展張できる。また、その
後も長期にわたって被覆材が適度に収縮するため、被覆
材に弛みが生じることなく長期的に展張状態を保つこと
ができる。
【0008】被覆材を構成するメッシュ状織編物は、収
縮能を有するものであれば特に限定されないが、目合
0.5〜20mm、特に1〜10mm程度のものが特に
好ましい。さらに、樹脂等により目止め処理を施した寒
冷紗等は好適に使用でき、具体的にはポリビニルアルコ
−ル系樹脂等を用いてデイップ処理したものが好まし
い。樹脂の種類は株式会社クラレ製 ポバ−ル117等
が好ましく、樹脂の付着率は5〜10重量%程度が好ま
しい。
【0009】布帛を構成する好適な繊維としては、ポリ
ビニルアルコ−ル系繊維、アクリル系繊維、天然セルロ
−ス繊維、再生セルロ−ス繊維、羊毛等の獣毛繊維等が
挙げられる。なかでも、屋外で使用する場合には、耐候
性が高く微生物分解しないポリビニルアルコ−ル系繊維
とアクリル系繊維が好ましく、特に収縮応力及び強力に
優れたポリビニルアルコ−ル系繊維を使用するのが好ま
しい。繊維は収縮率が大きくなるように製造されたもの
が好ましく、繊維収縮率1%以上、特に2%以上のもの
が好ましい。繊維は、紡績糸、マルチフィラメント、モ
ノフィラメントのいずれの形態でもよいが、収縮率及び
フィルムとの接着性等の点からは10〜50番手、特に
20〜30番手程度の紡績糸とするのが好ましい。ポリ
ビニルアルコ−ル繊維等のような高強力な繊維を紡績糸
とする場合には、パ−ロック紡績により製造するのが好
ましい。
【0010】メッシュ状織編物の収縮能は、繊維の種
類、布帛の構成等を適宜選択して調整すればよいが、被
覆材の収縮率に方向性を付与したい場合は被覆材を構成
する布帛に工夫を施すことが好ましい。具体的には、収
縮率を抑制したい方向に、収縮能の小さい繊維又は該繊
維とそれ以外の繊維(又は糸)を混合、混紡する方法が
挙げられる。収縮能の小さな繊維の混合率を高めること
で収縮率を制御できる。メッシュ状織編物の収縮能は、
被覆材を展張した際の高さ方向には大きく、長さ方向に
は小さいものが好ましい(たとえば図1にあるような一
般的な農業用ハウスにおいては、A方向のみ収縮能を有
していれば目的は達成できる)。すなわち、被覆材の高
さ方向(A方向)には常に重力等の張力がはたらいてい
るためフィルムが伸長しやすく、弛みも容易に形成され
ることとなる。従って、被覆材の高さ方向(A方向)に
は収縮能を有することが要求されるが、被覆材の長さ方
向(B方向)にはそれほど張力が加わらないので、高い
収縮能力を有するメッシュ状織編物を使用しなくても比
較的弛みは生じにくい。以上のことから、被覆材の長さ
方向(B方向)にはそれほど大きく収縮する必要がな
く、実質的に収縮しないものであってもよい。
【0011】形態安定性の点からは、長さ方向の収縮率
は3%未満であるのが望ましいが、若干の収縮はハウス
全体の被覆材を緩みなく展張するのに有効であり、収縮
率0.1%以上のものが好ましい。以上のことから、被
覆材の高さ方向(A方向)にポリビニルアルコ−ル系繊
維を用い、長さ方向(B方向)にポリビニルアルコ−ル
系繊維とそれ以外の繊維の混合物を用いたものが好適な
例として挙げられる。特にポリエチレンテレフタレ−ト
系繊維等のポリエステル系繊維が好ましい。ポリビニル
アルコ−ル系繊維とポリエステル系繊維の混合重量割合
は、10:90〜90:10、特に40:60〜60:
40にするのが好ましい。メッシュ状織編物または該布
帛を構成する繊維に、難燃性、防炎性、防汚性、撥水性
等を付与しても良く、被覆材の一部にメッシュ状織編物
以外の布帛を用いても良い。
【0012】収縮応力、通風性等の点では収縮性布帛の
みから被覆材を構成することが好ましいが、布帛単独か
らなる被覆材を用いると形態安定性、太陽光透過性、保
温性等が不十分となる可能性がある。以上のことから、
フィルム層(フィルムまたはフィルムと布帛等の積層
物)と収縮性布帛を接合したものを被覆材とする。本発
明に使用できるフィルムとしては、特に限定されるもの
ではないが、たとえば、従来広く使用されている軟質塩
化ビニルフィルムのように伸度が高いものや、伸度が低
く農業用ポリオレフィンとよばれるポリオレフィン系フ
ィルム、農業用ポリエステルフィルム、フッ素系フィル
ム等が挙げられ、ポリエチレン系フィルムとして、ポリ
エチレンのみでなくエチレン−酢酸ビニル等の共重合体
からなるフィルムも使用できる。
【0013】エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、ポ
リビニルアルコ−ル、ポリアミド、ポリエステル、セル
ロ−ス等は遠赤外線の輻射率が高く、夜間の保温性に優
れており農業用等としては好ましい。かかるポリマ−の
うち1種または複数種をポリエチレンに混合して用いて
もよく、またかかるポリマ−からなるフィルムの片面又
は両面にポリエチレンフィルムを共押し出し、貼り合せ
等により複合化させたフィルムも好適に使用できる。な
かでも3層構造を有する農業用ポリオレフィン系フィル
ムが好適に使用できる。また、被覆材を農業用等として
用いる場合には、フィルム表面に親水性物質を塗布して
無滴加工を施すのが好ましい。この場合、フィルムと布
帛の接着性が低下するので、接着部となるフィルムの両
側の無滴加工を除いて熱接合性を改善するのが好まし
い。目的によっては、フィルムと布帛・他のフィルム等
との積層物や、繊維で補強されたフィルムなどをフィル
ム層として使用することもできる。フィルム層の厚さは
50〜500μm、特に80〜200μmとするのが好
ましい。
【0014】しかしながら、フィルム層と布帛を任意の
方法で接合した場合には、本発明の効果を充分発揮する
ことはできない。たとえばミシン縫製を行うとフィルム
が破損する場合があり、接着剤を用いた場合は接着性が
不十分となる。本発明においては、布帛が収縮して被覆
材には大きな収縮応力が加わることとなるが、このと
き、フィルム層と布帛が充分に接合されていないと剥
離、破断が生じ、張力が被覆材に均一に加わらないため
被覆材の一部分が伸長して弛みが生じやすくなる。
【0015】以上のことから、フィルム層とメッシュ状
布帛の接合を充分に行う必要があり、本発明者等は、フ
ィルム層と接合フィルムの間に布帛を挟み込んで熱融着
する方法が特に優れていることを見だした。かかる方法
によれば、接合シ−トおよびフィルムが溶融してメッシ
ュ状織編物中に入り込むため、織編物を挟んで十分な接
着力を示すことができる。熱融着は、フィルム及び/又
は接合フィルムの融点又は軟化点以上に加熱圧着後、冷
却して行うことが好ましい。加熱温度はフィルムの融点
又は軟化点の10℃以上、特に20℃以上高温が好まし
く、具体的には120℃以上、特に150℃以上とする
のが好ましい。圧力は500g/30mm以上とするのが
好ましい。好適には、加熱板で加熱した後に、ゴムロ−
ル、金属ロ−ル等のロ−ルで圧着して熱融着させ、次い
でフィンの付いた圧着板で空冷する方法が挙げられる。
かかる作業は、図3で示されるような装置で容易に行う
ことができる。接合幅は、10〜50mm,特に20〜
30mmとするのが好ましい。なお、接合部の剥離強力
は1kgf以上、特に3kgf以上が好ましく、剪断強
力は2kgf/3cm以上、特に3kgf/3cm以上
が好ましい。
【0016】本発明でいう接合シ−トとは、熱融着する
ことによりメッシュ状織編物及び農業用フィルムと接着
できるシ−ト状物をいい、フィルム、タ−ポリン等が挙
げられる。補強性等の点からタ−ポリンを用いるのが好
ましい。接合フィルムはフィルム層を構成するフィルム
との接着性の高いものが好ましく、該フィルムと同種の
ものが好ましい。またフィルムの厚さは100 μm以上、
特に150 μm以上が好ましい。かかるフィルムを用いる
ことにより、織編物及びフィルム層との十分な接着力
(剥離強力、剪断強力)を得ることができる。接合フィ
ルムとしてタ−ポリンを用いる場合は、少なくとも片面
(熱融着させる面)は、フィルムの場合と同様にフィル
ム層を構成するポリマ−と類似のポリマ−から構成され
ていることが好ましい。接合フィルムには、接合される
部分以外を含んでいてもよい。たとえば、接着フィルム
を大きくして被覆材の内側にたらし、保温性や防風性を
付与することができる。
【0017】収縮性布帛とフィルム層の接合形態は特に
限定されるものではないが、パイプハウスの天井部や側
面部の一部をフィルム層で構成し、側面部の一部又は全
面を収縮性布帛で構成するのがより好ましい。パイプハ
ウスの全面が被覆材で覆われる必要はなく、隙間等が存
在していてもよい。本発明の被覆材を展張する際には、
被覆材の収縮能が効率的に発揮されるように展張する必
要がある。たとえば、被覆材の端部がパイプ又は地盤に
固定されて被覆材が収縮すると張力が発現し得る方向
(以下、張力発現方向と称する場合がある)に向きを合
わせて展張することが望ましい。パイプハウスの構造及
び被覆材の固定方法によっては、張力発現方向が2方向
以上となる場合や、また、2方向以上に収縮応力が発現
することが望ましい場合もあるため、目的にあわせて被
覆材の収縮率、展張方向を検討すればよい。なお、フィ
ルム層と布帛の接着部分において、各成分の接着部の方
向(図1においてはB方向)の収縮率が大きく異なる場
合には接着性が不十分になり、さらに被覆材に集中応力
が生じて破れやすくなる。以上のことから、接着部方向
の各構成成分の収縮率の差は0.2%以下であるのが好
ましい。
【0018】さらに、通気換気性を高めるために、フィ
ルム及び/または収縮性布帛巻き上げ装置をパイプハウ
スに付属させてもよい。巻き上げ装置は、間口面、側面
などに設置することができる。接合フィルムを長くして
被覆材の内側にたらす場合には、接合フィルムを巻き上
げ可能にするのが通風性等の点で好ましい。パイプハウ
スの形態及び大きさは目的により選択すればよいが、具
体的にはド−ム型、家型、半円型、テント型等が挙げら
れる。
【0019】本発明の被覆材は、従来の被覆材と同様、
パイプハウスに被覆後にパッカ−や押さえテ−プ等の固
定具を用いて支柱に固定して展張することができる。し
かしながら、本発明の被覆材を用いることで弛みの発生
を抑制できるものの、固定作業が繁雑で多大な労力を要
するのみでなく、多くの固定治具や定着杭が必要である
ためコスト的にも効率的でない。特に、耐摩耗性の低い
ポリオレフィン系フィルムを用いると、押さえ紐で固定
した部分が破損しやすい問題が生じる。以上のことか
ら、パイプハウス上等にひろげられた被覆材の両端をパ
イプ又は地盤に固定して被覆材を収縮させる、すなわち
被覆材の収縮応力を活用して弛みなく被覆材を展張し、
その展張状態を維持することが好ましい。この場合、被
覆材の収縮応力により展張状態が保たれるため、固定具
を多数用いて被覆材を固定する必要がない。従って、作
業性及び経済性に優れ、しかも被覆材に弛みが生じにく
いハウスを得ることができる。勿論、所望により固定治
具等の固定具を併用してもよいが、作業負担やコストが
多大にならない程度にすることが望ましい。
【0020】かかる方法を採用する場合、被覆材が収縮
した際に張力が発生するように、少なくとも被覆材の両
端が固定されていればよい。従って、場合によっては被
覆材のあらゆる面を固定してもよく、被覆材及びパイプ
ハウスの構成、目的に応じて適宜選択すればよい。なお
本発明でいう地盤とは、構造体が施設される底面、床を
意味し、その材質、形状、状態等は特に限定されるもの
でない。その固定方法は、被覆材を直接地盤に埋め込ん
でもよく、被覆材を他の物質(バネ状物等)を介して固
定してもよい。具体的には、被覆材の両端をパッカ−な
どの固定治具でパイプに固定し、そのパイプをパイプハ
ウス又は地盤に直接固定する方法があげられるが、耐風
圧性、作業性等の点からは、被覆材が固定されたパイプ
をパイプハウスに固定することなく直接定着杭で地盤に
固定するのが好ましい。
【0021】しかしながら、主として被覆材の収縮応力
により被覆材を展張する場合、支柱はより大きな張力に
耐える能力が要求される場合がある。以上のことから、
従来のものよりも太い径のパイプを用いるのが好まし
い。固定具により固定する従来の方法では、パイプにそ
れほど大きな張力が加わらないため、一般に比較的細い
径のパイプ(直径20mm程度)が使用されている。け
れども、被覆材を弛みなく展張するためには、50cm
程度以下の間隔で支柱を設置し、かかる支柱に被覆材を
固定する必要があった。その結果、多数のパイプが必要
となるためコストがかかり、しかもパイプを地盤に差し
込む多大な労力を要していた。
【0022】一方、収縮応力により被覆材の展張状態を
維持する方法によれば、パイプの径は太くすることが好
ましいものの、実質的に固定治具を用いることなくパイ
プと被覆材を固定一体化できるため、パイプの使用本数
を半分以下にすることができる。従って、結果的にコス
ト及び労力を大幅に削減できるのみでなく、パイプの本
数が少ないために透光性が向上し、しかも従来生じてい
た押さえ紐部分等の汚れを抑制できる。パイプの径は2
5mm以上、特に30mm以上とするのが好ましく、各
パイプ間の間隔は距離は60cm以上、特に1m以上3
m以下とすることが好ましい。パイプを構成する物質と
しては、JIS G3445 STKMあるいはSTK
の炭素鋼綱管等が挙げられる。
【0023】本発明の被覆材は、防雨性、保温性、通風
性、通気性、防虫性等に優れ、かつ「たるみ」が生じに
くく破れにくいという特長を有するものである。しか
も、パイプ本数が削減でき、労力及びコストの点で有利
であるのみでなく、透光性、耐久性に優れたものが得ら
れる。従って、本発明の被覆材はあらゆる用途・目的に
供することができる。たとえば、簡易車庫、土木・建築
用簡易テントとして使用することができるが、特に農業
用被覆材として好適に使用できる。
【0024】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】
[収縮率 %]水浸(20℃)×16時間、乾燥(40
℃)×7時間の操作を5回繰り返した後、(初期長さ−
操作後の長さ)/初期長さ×100%で算出される値を
いい、被覆材の実使用状態をモデル化したものである。 [収縮応力]布帛を5cm×30cmの長さに切り出
し、引張試験器のチャック間(20cm)に取り付け、
応力がかからない状態にセットした後、試料に霧吹きで
十分に水を濡らし、10分間放置後、ドライヤ−で室温
の風を送り、応力が一定になるまで乾燥させて布帛の収
縮応力を測定した。 [剥離強力]繋ぎ合わせ部を全巾で長手方向に剥離した
時の強力を測定した。 [剪断強力]繋ぎ合わせ部を3cm巾で巾方向に引張った
時の強力を測定した。
【0025】[ビニロン寒冷紗]経糸をビニロン繊維と
ポリエステル繊維の50/50の混紡糸、緯糸を30番
手のビニロンパ−ロック紡績糸(株式会社クラレ製 1
005P30/1)とする20本×20本/inchの
平織物(150cm×25m)を用いた。かかる平織物
を、ポリビニルアルコ−ル系樹脂の水溶液にdipし、
乾燥させて目止め加工を行ってビニロン寒冷紗とした。
この寒冷紗の緯方向の収縮率は3%であり、経方向の収
縮率は1%であり、緯方向の収縮応力は2.8kgf/
m幅であり、経方向の収縮応力は1.0kgf/m幅で
ありった。 [農業用フィルム]ポリエチレン系ポリマ−/エチレン
−酢ビ共重合体/ポリエチレン系ポリマ−の2種3層構
造の農業用ポリオレフィンフィルム(厚さ150μm、
6m×25m)のフィルムを使用した。 [ポリエステル寒冷紗]30番手のポリエステル紡績糸
をタテ・ヨコ(20本×20本/インチ)に用いた平織
物に、メラミン樹脂(住友化学製 スミテックスレジン
M−3)水溶液で目止め処理を施し、付着率10重量
%、収縮率はタテ方向およびヨコ方向ともに0.1%の
寒冷紗を用いた。
【0026】[実施例1]上記農業用ポリオレフィン系
フィルムと、1.5m×25mの同種のポリオレフィン
系フィルムの間に、目止め処理済のビニロン寒冷紗を接
合幅20cmとなるように挟み込み、ベルトで把持しな
がら150℃に加熱した熱板スリットの間を通過させ、
フィルムを溶融軟化させた後、金属とゴムのロ−ルで圧
着した後、冷却用のスリット(40℃)を通過させて冷
やし接合させた(図3参照)。このときの、剥離強力及
び剪断強力はそれぞれ3.3kgf、4.7kgf/3
cmであった。該接合部の反対側に相当するフィルム端
部も、同様の方法でビニロン寒冷紗と接合し、天井部が
ポリオレフィン系フィルム、側面部がビニロン寒冷紗の
被覆材を製造した。
【0027】該被覆材を、各パイプ間が1mであるパイ
プ構造体(間口5.4m、長さ50m、高さ2.6m)
全体にかけ、寒冷紗の両裾部分をパイプに巻き込んで1
m間隔でパッカ−で固定した。その被覆材を固定したパ
イプを定着杭で地面に固定し、間口部のフィルムは巻き
上げ器で昇降させて、通風、換気を調整できるようにし
た(図1、図2参照)。被覆材展張後に寒冷紗に水をか
けて放置すると寒冷紗が収縮し、被覆材に弛みが生じる
ことなくパイプハウスに展張することができた。この方
法によれば、パイプの使用本数が従来の半分であるため
作業性及びコストが大幅に削減でき、テンション構造で
あるので風圧にも十分耐え、透光性にも優れたものであ
った。その後も雨等により被覆材が適度に収縮するた
め、6か月放置後に弛み等は生じていなかった。
【0028】[比較例1]ビニロン寒冷紗のかわりにポ
リエステル寒冷紗を用いた以外は、実施例1と同様の方
法で被覆材を得た。該被覆材を各パイプ間が1mである
パイプ構造体(間口5.4m、長さ50m、高さ2.6
m)全体にかけ、寒冷紗の両裾部分をパイプに巻き込ん
で1m間隔でパッカ−で固定した。その被覆材を固定し
たパイプを定着杭で地面に固定し、間口部のフィルムは
巻き上げ器で昇降させて、通風、換気を調整できるよう
にした(図1、図2参照)。ポリエステル寒冷紗は収縮
しないので、被覆材は張力により展張状態を維持するこ
とができず、固定具のパッカ−と押さえ紐で被覆材を固
定した。展張後6か月後には、パッカ−部分に張力が集
中し、しかも押さえ紐部分に摩耗が生じるためフィルム
に破れが発生していた。
【0029】
【発明の効果】本発明により、作業性及び経済性に優
れ、被覆材展張後も被覆材が適度に収縮するため、長期
間経過しても弛み等が生じにくい被覆材が得られる。本
発明の被覆材はあらゆる用途の有用であるが、特に農業
用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆材を展張したパイプハウスの1例
を示す模式図。
【図2】本発明の被覆材を展張した状態の一例を示す図
である。
【図3】フィルム層、布帛、接合フィルムを接合させる
装置の1例を示す模式図。
【符号の説明】
1:パイプ 2:フィルム層 3:布帛 4:接合フィルム 5:接合部 6:巻き上げハンドル 7:巻き上げ用パイプ 8:ラセン杭 9:エンドレスベルト 10:加熱板 11:ゴムロ−ル 12:金属ロ−ル 13:冷却板 14:被覆材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 寿 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社ク ラレ内 (72)発明者 渡辺 久一 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株式 会社クラレ内 (72)発明者 福原 敬二 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株式 会社クラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム層の両端に少なくとも1方向の
    収縮率が2%以上のメッシュ状織編物が接合された被覆
    材であって、フィルム層と接合フィルムの間にメッシュ
    状織編物が挟み込まれた状態で熱融着一体化されている
    ことを特徴とする被覆材。
  2. 【請求項2】 フィルム層と接合フィルムの間に、少な
    くとも1方向の収縮率が2%以上のメッシュ状織編物を
    挟み、フィルム及び/又は接合フィルムを加熱圧着後、
    冷却してフィルム層とメッシュ状織編物を接合すること
    を特徴とする被覆材の製造方法。
JP7328677A 1995-12-18 1995-12-18 被覆材とその製造方法 Pending JPH09163874A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100846660B1 (ko) * 2007-04-30 2008-07-17 김남규 농작물 재배용 원단 및 그 제조장치
KR100970701B1 (ko) * 2008-03-19 2010-07-16 허민 비닐하우스 수막용 천막
JP6975832B1 (ja) * 2020-10-08 2021-12-01 東京インキ株式会社 農業用被覆材

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