JPH09162590A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体

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JPH09162590A
JPH09162590A JP32181695A JP32181695A JPH09162590A JP H09162590 A JPH09162590 A JP H09162590A JP 32181695 A JP32181695 A JP 32181695A JP 32181695 A JP32181695 A JP 32181695A JP H09162590 A JPH09162590 A JP H09162590A
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dielectric layer
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dielectric
loss
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JP32181695A
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English (en)
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Toshio Kudo
敏夫 工藤
Hideaki Tamura
英昭 田村
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、薄型でありながら、広帯域
の電波をより効率良く吸収できる電波吸収体を提供する
ことである。 【解決手段】 焼結フェライトタイル層を含む電波吸収
体を、入射する電波に対して最下層のベース基板Sと
し、このベース基板上に、誘電体層を下層側とし損失誘
電体層を上層側とする2層1組の積層体を1組以上(図
ではA1〜A3の3組)積み重ねる。これら積層体のう
ち最も上層側にある積層体の損失誘電体層3aを、該層
の上層側から下層側へ向かって段階的にまたは連続的に
(図では4段階)誘電損失が増大するように形成するこ
とによって、電波を好ましく取り込み、吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波吸収体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、数10MHz〜10数GHzの広
い周波数帯域にわたり電波を吸収する電波吸収体とし
て、焼結フェライトタイルの前面に厚さ約1m前後のウ
レタン系の電波吸収材を貼付けたもの等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
造の電波吸収体は非常に厚く大型となるため、例えばこ
の電波吸収体を用いて電波暗室を構成した場合、空間利
用率が低くなるという問題があった。また、その厚みと
重量のために、材料費用や施工費用が高くつき、建築コ
ストも高くなるという問題があった。
【0004】本発明の課題は、薄型でありながら、広帯
域の電波をより効率良く吸収できる電波吸収体を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電波吸収体は、
次の特徴を有するものである。 (1)焼結フェライトタイル層を含む電波吸収体を、入
射する電波に対して最下層のベース基板とし、このベー
ス基板上に、誘電体層を下層側とし損失誘電体層を上層
側とする2層1組の積層体が1組以上積み重ねられ、こ
れら積層体のうち最も上層側にある積層体の損失誘電体
層が、該層の上層側から下層側へ向かって段階的にまた
は連続的に誘電損失が増大するように形成されたもので
あることを特徴とする電波吸収体。
【0006】(2)ベース基板が格子型の焼結フェライ
トタイル層からなり、2層1組の積層体の積み重ねられ
る数が1組であり、該積層体のうち、誘電体層がその複
素誘電率の実部の値を1.0〜1.1、虚部の値を0〜
0.1とするものであり、損失誘電体層が、該層の上層
側から下層側へ向かって2段階に誘電損失が増大するよ
うに形成されたものであり、該層の上側の複素誘電率の
実部の値が1.2〜1.45、虚部の値が0.15〜
0.25、該層の下側の複素誘電率の実部の値が1.4
5〜1.60、虚部の値が0.25〜0.50である上
記(1)記載の電波吸収体。ただし、複素誘電率は、5
00MHzの電波に対する値である(以下、同様)。
【0007】(3)2層1組の積層体の積み重ねられる
数が1組であり、該積層体のうち、誘電体層の積層方向
の厚みが50mm以下である上記(1)記載の電波吸収
体。
【0008】(4)損失誘電体層が、表面に導電性塗料
を塗布された繊維が集合してなる繊維集合体によって形
成されたものであり、最も上層側にある積層体の損失誘
電体層における誘電損失の増大が、導電性塗料中の導電
性付与剤の濃度を上昇させて達成されたものである上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の電波吸収体。
【0009】(5)誘電体層が、繊維集合体、または発
泡高分子樹脂によって形成されたものである上記(1)
〜(4)のいずれかに記載の電波吸収体。
【0010】(6)誘電体層が、空気層である上記
(1)〜(4)のいずれかに記載の電波吸収体。
【0011】
【作用】本発明の重要な特徴およびその作用を説明す
る。説明のために、電波が入射する側を「上側」または
「上層側」、ベース基板側を「下側」または「下層側」
と呼ぶ。
【0012】本発明の電波吸収体は、図1に模式的に示
すように、誘電体層1aを下層側とし損失誘電体層1b
を上層側とする積層体A1のような2層1組の積層体を
1組以上(同図の例ではA1、A2、A3の3組)積み
重ねられた構造を有する。このような構造によって、入
射した電波は、2層1組の積層体のうちの損失誘電体層
で一部が吸収され、誘電体層内に到達する。電波はこの
層内において、この層を上下で挟む層との界面において
多重反射を繰り返しながら減衰する。また、電波が誘電
体層内において多重反射を繰り返すとき、電波の一部は
上側の損失誘電体層へ再入射する。再入射した電波はさ
らに吸収されて減衰するが、一部の電波は当該電波吸収
体から上方に出ていく。一方、電波の一部は誘電体層か
ら下層側へも入射し、同様の吸収を繰り返しながらさら
に下層へ進む。
【0013】(b)また、本発明では、図1に模式的に
示す例のように、2層1組の積層体のうち最も上層側の
組の損失誘電体層が、該層の上層側から下層側へ向かっ
て段階的にまたは連続的に誘電損失が増大するように形
成されている。このような構造によって、最上層となる
損失誘電体層は、その入射面においては、低い誘電損失
にて電波をできるだけ反射させることなく当該電波吸収
体内に入射させることができ、その下側に隣接する誘電
体層に対しては、高い誘電損失にて該誘電体層内に入射
した電波を下側へ十分に反射させることができるものと
なる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による電波吸収体の構造例を模式的に示
す図である。同図に示す構造例では、ベース基板S上
に、誘電体層を下層側とし損失誘電体層を上層側とする
2層1組の積層体A1、A2、A3が順に積層されてい
る。これら2層1組の積層体A1、A2、A3は、各
々、誘電体層として1a、2a、3aを有し、損失誘電
体層として1b、2b、3bを有する。損失誘電体層に
は見やすいようにハッチングを施している。さらに、こ
れら積層体のうち、最も上層側にある積層体A3に属す
る損失誘電体層(以下、「最上層の損失誘電体層」)3
aは、その層の上層側から下層側へ向かって誘電損失が
4段階に増大するように4層(b4、b3、b2、b
1)として形成されている。
【0015】上図の構造において、最上層の損失誘電体
層3bのなかでも誘電損失がより低く設定された表層b
4によって、電波Wは表面で反射されることが抑制さ
れ、内部へより多く入射する。入射した電波は、最上層
の損失誘電体層3b内で吸収されながら、誘電体層3a
内に入射し、作用で説明したと全く同様に好ましい多重
反射によって減衰し、さらに下層へと進み、多重反射を
繰り返しながら効果的に吸収される。
【0016】損失誘電体層は、電波に誘電損失を生じさ
せ得るものであればよい。そのような材料としては、表
面に導電性塗料を塗布された繊維が集合してなる繊維集
合体や、導電処理された発泡高分子樹脂などが挙げられ
る。
【0017】表面に導電性塗料を塗布された繊維が集合
してなる繊維集合体としては、公知のものが全て使用可
能である。繊維集合体は、任意の長さの繊維を絡ませて
マット状に形成したものが用いられるが、繊維同士の交
絡点を融着したもの、接着材料により接着したもの、あ
るいは繊維同士が単に絡み合いのみにて安定なマット状
を呈するもの等が使用できる。
【0018】繊維集合体を形成する繊維には、綿、麻等
の天然繊維、有機合成繊維等の有機高分子繊維が使用で
きる。有機合成繊維の種類には特に制限はないが、例え
ば誘電率2.8以上の極性有機高分子が好ましく、ポリ
塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリ
ル等が例示され、特にポリ塩化ビニリデンが難燃性、耐
候性の点から好ましい。繊維の太さは1種類であっても
よいが、互いに太さの異なる繊維を2種類以上混合とし
てもよい。例えば50〜200デニールの細径繊維10
〜90重量%と500〜1200デニールの太径繊維9
0〜10重量%との混合物はその一例である。
【0019】導電性塗料としては、塗布、乾燥すること
により繊維表面に損失誘電体層を形成できる導電性付与
剤を含有する塗料が使用でき、例えば有機高分子ラテッ
クスと水性導電性塗料との混合物が好ましいものとして
例示される。有機高分子ラテックスと水性導電性塗料と
の混合比率は、一般的には水性導電性塗料100重量部
に対して、有機高分子ラテックス5〜500重量部、好
ましくは10〜200重量部程度とすることが適当であ
る。
【0020】有機高分子ラテックスとしては、各種有機
高分子のエマルジョンを用いることができるが、繊維集
合体を構成する有機高分子繊維に対して良好な接着作用
を示すものが好ましい。例えば、有機高分子繊維がポリ
塩化ビニリデン繊維である場合には、ポリ塩化ビニリデ
ンのエマルジョンやポリ塩化ビニリデンとポリ塩化ビニ
ルとの混合物のエマルジョン等が例示される。有機高分
子ラテックスにおける固形分含有量は、10〜80重量
%、特には20〜70重量%程度のものが好ましい。
【0021】水性導電性塗料としては、バインダーと導
電性付与剤とを含有する水性塗料が用いられる。当該バ
インダーとしては、微粉状就中コロイド状のクレー、ベ
ントナイト、マイカ、珪酸塩、珪藻土等の無機バインダ
ー、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂モールド部等
の有機バインダーが例示される。導電性付与剤として
は、たとえばグラファイト、カーボン、導電性金属粉等
が例示される。水性導電性塗料における固形分含有量
は、10〜50重量%程度であり、その乾燥皮膜の室温
における電気抵抗が膜厚25μmにおいて10〜50Ω
/sq(□)程度であるものが好ましい。
【0022】以上の導電性塗料およびそれが塗布されて
なる繊維集合体のより詳しい製造例や特性については、
特開平3−234092号「電波吸収体」に詳しく記載
されている。
【0023】また、導電処理された発泡高分子樹脂とし
ては、カーボン等の導電性付与材を配合した発泡高分子
樹脂成形体、例えば発泡ポリウレタン、発泡ポリスチロ
ール等が挙げられる。
【0024】最上層の損失誘電体層は、その層の上側か
ら下側へ向かって誘電損失が増大するように形成される
ものであればよい。誘電体に誘電損失がある場合、その
誘電率εは、複素誘電率ε′−jε″として表される。
誘電損失が増大するとは、損失係数ε″/ε′(=ta
nδ)が増大することである。
【0025】誘電損失を変化させる方法としては、繊維
集合体に塗布される導電性塗料中の導電性付与剤の濃度
を変化させる方法、繊維集合体や発泡高分子樹脂成形体
のかさ密度を変化させる方法、塗料の塗布厚さを変化さ
せる方法等が挙げられる。最上層の損失誘電体層におけ
る誘電損失を段階的に変化させるには、誘電損失の異な
る複数の層を必要段階分だけ積層する方法などが挙げら
れる。また、誘電損失を段階的に変化させるには、かさ
密度が積層方向に連続的に変化するように形成された繊
維集合体を用いる方法などが挙げられる。
【0026】最上層の損失誘電体層における誘電損失の
増大を段階的に変化させる場合、その段階数は、2段階
〜7段階程度が好ましく、特に2段階〜4段階程度は、
電波吸収特性と製造コストとの兼ね合いの点で好まし
い。また、このとき上層側の層の厚みを下層側の層の厚
み以上として、上層側から下層側へ向かって段階的に層
の厚みを薄くすることによって、等価的にピラミッド構
造と同様な誘電定数分布が実現でき、広い周波数帯にわ
たり良好な吸収特性を得ることができる。
【0027】誘電体層は、損失誘電体層よりも誘電率の
低い材料からなるものであればよいが、空気の誘電率に
近いものがより好ましく、複素誘電率で表すと、その実
部が1.0〜1.1、虚部が0.0〜0.1程度の値が
好ましい。誘電体層に用いられる材料としては、繊維集
合体や、硬質発泡ポリウレタン、発泡ポリスチロールな
どの発泡高分子樹脂などが挙げられる。誘電体層を繊維
集合体によって形成する場合、その要素となる繊維や、
その繊維を集合させるための構成は、上記損失誘電体層
を構成する繊維集合体と全く同様である。
【0028】また、誘電体層は、空気からなる層(空気
層)であってもよい。空気層を、当該電波吸収体の積層
構造中の一層として設けるためには、図3に一例を示す
ように、スペーサーPを設けて空気層(=誘電体層1
a)の空隙を確保する態様が挙げられる。この場合、ス
ペーサーの断面形状を小さくするなどして、スペーサー
を誘電率の点から無視できる様にし、誘電体層を実質的
に空気だけからなる層とすることが好ましい。スペーサ
ーの態様は、図3に一例を示すように、柱状とする態様
が挙げられる。柱状の断面形状は、円形、方形、その他
の異形でもよい。方形の場合は、断面形状の一方の辺と
他方の辺との長さの比は問わない。スペーサーと当該空
気層の上下の各層とを連結させる方法は限定されない
が、例えば、該スペーサーの一端を下側の層(図ではベ
ース基板S)のコーナー部にはめ込んでスペーサーを立
設し、該スペーサーの他端に設けたくさび部を上側の層
(図では損失誘電体層の下側の層b1)のコーナー部に
差し込み、埋入係合させて固定する方法が挙げられる。
【0029】損失誘電体層と誘電体層との接合方法は特
に限定されないが、接着剤を用いた接合が好ましい方法
として挙げられる。接着剤としては、エポキシ系、イソ
シアネート系、シアノアクリレート系、ホットメルト
系、ゴム系等のものが挙げられる。
【0030】2層1組の積層体の積層数や全層の厚みの
上限は特に限定されないが、該積層体の数を増やして
も、電波吸収の効果はある程度の平衡状態に達するもの
であり、また、全体の厚みが増すことによるスペースの
損失が問題となることを考慮すれば、4組程度の積み重
ねを上限としておくことが好ましいと考えられる。な
お、実質的な吸収効果(例えば15〜20dB程度)を
得るには、図2に示すように、2層1組の積層体を積み
重ねる数を、1組としても良い。
【0031】図2に示すように、2層1組の積層体を積
み重ねる数を1組とし、損失誘電体層における誘電損失
の変化を2段階とする場合、誘電体層の好ましい誘電率
は、複素誘電率として表したとき、実部の値が1.0〜
1.1程度、虚部の値が0〜0.1程度が好ましい。ま
た上記のように、誘電体層を空気層(空隙)としても良
い。同様に、損失誘電体層の好ましい誘電率は、複素誘
電率として表したとき、上側の複素誘電率の実部の値が
1.2〜1.45程度、虚部の値が0.15〜0.25
程度、下側の複素誘電率の実部の値が1.45〜1.6
0程度、虚部の値が0.25〜0.50程度が吸収体表
面での反射を少なくできるので好ましい。
【0032】また、図2に示す例の場合、損失誘電体層
の厚みは、上側の層厚を60mm〜120mm、下側の
層厚を30mm〜60mm程度とすることが好ましい。
このとき、誘電体層の厚みは50mm以下が好ましい。
誘電体層の厚みは、無視できるほど薄い層であってもよ
く、損失誘電体層とベース基板との接合に用いられる接
着剤層を誘電体層として利用してもよいが、1000M
Hz±300MHz帯域の吸収特性を改善するためには
10mm以上が好ましい。
【0033】ベース基板は、焼結フェライトタイル層を
含む電波吸収体を用いて形成され、そのような公知の電
波吸収体はすべて使用可能である。また、本発明の電波
吸収体の構造では、2層1組の積層体の部分が、数10
MHz〜10数GHzの周波数域のうちの数GHz程度
から高い方の周波数帯の電波を主として好ましく吸収す
る。従って、ベース基板としては、数GHz程度から低
い方の周波数帯の電波を主として吸収しうる一般的な電
波吸収体を用いることが好ましく、それによって総じて
広い周波数域において効果的な電波吸収が可能となる。
ベース基板の好ましい態様としては、焼結フェライトタ
イルだけであってもよいが、誘電率の低い層と、焼結フ
ェライトタイルを含む磁性損失の高い層との交互の積層
体としてもよい。誘電率の低い層としては、比誘電率が
約1.2の硬質発泡ポリウレタンなどが挙げられる。ま
た、磁性損失の高い層としては、焼結フェライトタイル
の他に、ゴムフェライト等が挙げられる。ベース基板と
して好ましく用いられる他の電波吸収体としては、例え
ば、特開平3−228398号「フェライト電波吸収
体」に記載のものが挙げられる。
【0034】ベース基板の最下層には、金属反射板を設
けることが好ましい。金属反射板の材料としては、鉄、
銅、黄銅、ニッケル、亜鉛めっき鉄板等、電波を反射さ
せる金属が全て使用可能である。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示
す。 実施例1 図2は、本実施例の電波吸収体の構造を模式的に示す図
である。本実施例では、金属反射板S1上に焼結フェラ
イトタイル層S2を積層してベース基板Bとし、このベ
ース基板上に2層1組の積層体A1を1組だけ積み重ね
た構造とした。また、積層体A1の損失誘電体層1b
は、誘電損失が上層側から下層側へ2段階に増大する構
成である。同図に示す各層の仕様は次の通りである。
【0036】損失誘電体層1b 上側の層b2;1000デニールの塩化ビニリデン繊維
を用いてなる繊維集合体(かさ比重40kg/m3 )の
繊維表面に導電性塗料を塗布したもの。導電性塗料中の
導電性付与剤はカーボン、グラファイト。厚み100m
m、複素誘電率1.3−j0.2。 下側の層b1;上側の層b2と同様の繊維集合体の繊維
表面に、導電性付与剤の濃度をより高くした導電性塗料
を塗布したもの。厚み50mm、複素誘電率1.5−j
0.3。 誘電体層1a;1000デニールの塩化ビニリデン繊
維を用いてなる繊維集合体(かさ密度40kg/
3 )。厚み40mm、複素誘電率1.02−j0.0
2。 ベース基板S 焼結フェライトタイル層S2;格子型のNi−Zn系焼
結フェライトタイル、厚み19mm。 金属反射板S1;亜鉛メッキ鉄板、厚み3.2mm。
【0037】この電波吸収体に対する各周波数における
電波の反射減衰量を測定したところ、30MHzから1
8GHzでの全帯域にわたり、15〜20dBの良好な
電波吸収特性が得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明の電波吸収体は、薄型でありなが
ら広い周波数帯域の電波を吸収することが可能である。
また、薄型化を達成したことによって軽量化がなされ、
取扱いが容易となった結果、施工性が良好となり、建築
コストが低減できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電波吸収体の構造例を模式的に示
す図である。
【図2】本発明による電波吸収体の一実施例を模式的に
示す図である。
【図3】本発明による電波吸収体の誘電体層を空気層と
する場合の一態様例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
A1〜A3 2層1組の積層体 1a〜3a 誘電体層 1b〜3b 損失誘電体層 S ベース基板 W 電波

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結フェライトタイル層を含む電波吸収
    体を、入射する電波に対して最下層のベース基板とし、
    このベース基板上に、誘電体層を下層側とし損失誘電体
    層を上層側とする2層1組の積層体が1組以上積み重ね
    られ、これら積層体のうち最も上層側にある積層体の損
    失誘電体層が、該層の上層側から下層側へ向かって段階
    的にまたは連続的に誘電損失が増大するように形成され
    たものであることを特徴とする電波吸収体。
  2. 【請求項2】 ベース基板が格子型の焼結フェライトタ
    イル層からなり、2層1組の積層体の積み重ねられる数
    が1組であり、該積層体のうち、誘電体層がその複素誘
    電率の実部の値を1.0〜1.1、虚部の値を0〜0.
    1とするものであり、損失誘電体層が、該層の上層側か
    ら下層側へ向かって2段階に誘電損失が増大するように
    形成されたものであり、該層の上側の複素誘電率の実部
    の値が1.2〜1.45、虚部の値が0.15〜0.2
    5、該層の下側の複素誘電率の実部の値が1.45〜
    1.60、虚部の値が0.25〜0.50である請求項
    1記載の電波吸収体。ただし、前記複素誘電率は、50
    0MHzの電波に対する値である。
  3. 【請求項3】 2層1組の積層体の積み重ねられる数が
    1組であり、該積層体のうち、誘電体層の積層方向の厚
    みが50mm以下である請求項1記載の電波吸収体。
  4. 【請求項4】 損失誘電体層が、表面に導電性塗料を塗
    布された繊維が集合してなる繊維集合体によって形成さ
    れたものであり、最も上層側にある積層体の損失誘電体
    層における誘電損失の増大が、導電性塗料中の導電性付
    与剤の濃度を上昇させて達成されたものである請求項1
    〜3いずれかに記載の電波吸収体。
  5. 【請求項5】 誘電体層が、繊維集合体、または発泡高
    分子樹脂によって形成されたものである請求項1〜4い
    ずれかに記載の電波吸収体。
  6. 【請求項6】 誘電体層が、空気からなる層である請求
    項1〜4いずれかに記載の電波吸収体。
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