JPH09161550A - フラットケーブルとその製造方法、およびその接続方法 - Google Patents

フラットケーブルとその製造方法、およびその接続方法

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JPH09161550A
JPH09161550A JP7321850A JP32185095A JPH09161550A JP H09161550 A JPH09161550 A JP H09161550A JP 7321850 A JP7321850 A JP 7321850A JP 32185095 A JP32185095 A JP 32185095A JP H09161550 A JPH09161550 A JP H09161550A
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flat cable
conductor
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insulating
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幸司 花房
Keiichi Tanaka
啓一 田中
Tatsuo Matsuda
龍男 松田
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    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
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    • H05K3/281Applying non-metallic protective coatings by means of a preformed insulating foil
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
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  • Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 絶縁被覆が十分な耐熱性を有するため、基板
との接続の際にリフロー炉を使用できるフラットケーブ
ルと、上記フラットケーブルを効率よく製造する製造方
法と、上記フラットケーブルの基板への効率的な接続方
法とを提供する。 【解決手段】 フラットケーブルFは、導体パターン1
0を被覆する絶縁被覆2のうち少なくとも接着剤層22
を架橋し、かつ上記絶縁被覆2は 加熱前後の寸法変化率Sp(%)が−5〜5%である。
製造方法は、複数の導体パターンを2本の保持枠部間に
形成した長尺の導体枠と、絶縁被覆の元になる長尺の絶
縁テープとを連続的に熱接着して絶縁被覆を形成した
後、電離放射線を照射して接着剤層を架橋する。接続方
法は、保持枠部によって連結された複数のフラットケー
ブルを、自動実装装置によって1つずつ切断して基板上
の所定の位置に仮止めし、リフロー炉で加熱して基板に
接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば基板同
士の接続等に好適に使用されるフラットケーブルおよび
その製造方法と、上記フラットケーブルの基板への接続
方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえばビデオ機器、カメラ、コンピュ
ータ、液晶機器等の精密電子機器において、能動素子や
受動素子等の素子類が実装された基板同士を接続する際
には、限られたスペースにおいてできるだけ多くの情報
をやりとりするために、多芯平型のフラットケーブルや
フレキシブルプリント配線板(FPC)等が多用されて
いたが、近時、他の素子類の実装と同様に、フラットケ
ーブルの基板への接続を自動化することが検討され、そ
れに対応して、たとえば図3に示すように複数のフラッ
トケーブルFを2本の平行な保持枠部11によって連結
した長尺の状態、いわゆるフープ状で供給することが提
案された。
【0003】上記フープ状に連結されたフラットケーブ
ルFは、たとえば図2(a) に示すように2本の平行な保
持枠部11間に、導体パターン10が複数、連続して配
置された形状の長尺の導体枠1を、金属板等の薄板から
プレス抜き等により一体形成した後、図2(b) および図
4に示すように、上記導体枠1の両面に長尺の絶縁テー
プ2′を積層、接着して、導体枠1のうち各導体パター
ン10の部分の両面に絶縁被覆2を形成することで製造
される。
【0004】そしてこのフープ状に連結されたフラット
ケーブルFを、たとえば素子類の自動実装に使用される
自動実装装置を利用して、保持枠部11に等間隔で形成
した送り穴11aを用いて自動送りしつつ、接続すべき
基板上に自動的に供給し、図3中に一点鎖線で囲んだ範
囲に相当する各フラットケーブルF毎に自動的に切断
し、さらに必要に応じて曲げ加工した上で、基板上の所
定位置に仮止めすることが行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】能動素子や受動素子等
の素子類は、上述した自動実装装置による基板上への仮
止め後、基板全体をリフロー炉で加熱して、各素子の端
子を、当該端子の表面、または基板上の回路の表面にあ
らかじめ被覆したはんだ層のはんだの溶融によって、基
板上の回路の所定位置にはんだ付けすることで、上記回
路と電気的に接続される。
【0006】フラットケーブルについても、上記のごと
くリフロー炉での加熱によって基板上の回路と電気的に
接続できれば、これまでは素子類の実装完了後に、別工
程で行っていたフラットケーブルの接続を素子類の実装
と同時に行えるため、前述した精密電子機器等の機器類
における、組立工程の簡素化が可能となる。しかし前述
したフラットケーブルは、絶縁被覆の耐熱性が十分でな
いために、高温のリフロー炉による加熱ができないとい
う問題があった。
【0007】すなわち絶縁被覆は一般に、たとえばポリ
イミド樹脂やポリエステル樹脂等の絶縁性の樹脂からな
る表面絶縁層と、この表面絶縁層を導体枠に接着するた
めの接着剤層とで構成されており、このうち接着剤層
は、導体枠と表面絶縁層との接着によるフラットケーブ
ル製造の効率化をはかるべく、主として低融点のホット
メルト接着剤により形成されるため、高温のリフロー炉
にて加熱すると、その熱によって接着剤層が溶融して流
れ出し、基板表面の回路との接続部とすべく絶縁被覆か
ら外方へ突出させた導体の端部に付着して、当該端部と
回路との電気的な接続を妨げるおそれがあった。また、
接着剤層の流動や、あるいはさらに加熱された際の発泡
等によって、表面絶縁層が導体からずれたり外れたりす
るおそれもあった。
【0008】また表面絶縁層としては、前述したように
ポリイミド樹脂やポリエステル樹脂等が使用され、この
うちより安価で、かつ接着剤層との接着性にすぐれたポ
リエステル樹脂によって表面絶縁層を形成する場合に
は、当該表面絶縁層の強度や常温での寸法安定性等を考
慮して、たとえば2軸延伸等の延伸処理を施した延伸ポ
リエステルフィルムが好適に使用される。
【0009】しかし、かかる延伸ポリエステルフィルム
を表面絶縁層に使用したフラットケーブルをリフロー炉
で加熱すると、接着剤層を構成するホットメルト接着剤
が加熱により軟化した段階でフィルムの熱収縮が発生
し、それに伴って絶縁被覆が大きく変形してとなり合う
導体間のピッチが狭くなって、基板上の回路間のピッチ
との間に大きなずれを生じるため、とくに前述した自動
実装装置を使用した際に、正しい接続が行えなくなるお
それがあった。また、絶縁被覆の変形量が大きい場合
や、あるいは装置の小型化や情報量の増加のために導体
間のピッチを小さくした場合には、となりあう導体同士
が、絶縁被覆の変形時に接触して短絡しまうおそれもあ
った。
【0010】単純に絶縁被覆の耐熱性を向上させるだけ
なら、たとえば二液硬化型の不飽和ポリエステル樹脂等
の、硬化型の接着剤を使用することも考えられるが、 融点以下に冷却すれば固化するため接着を瞬時に完
了できるホットメルト接着剤と違って、硬化型の接着剤
は、完全硬化させるのに長時間、加熱しなければならな
いため、製造工程の連続化が容易でないことや、あるい
は 融点以上に加熱すれば溶融していつでも使用可能な
状態となるホットメルト接着剤と違って、とくに二液硬
化型の接着剤は、一旦、混合すると使用可能な時間、い
わゆるポットライフが限られてしまい、このポットライ
フが製造工程上、種々の制約となること、等の問題があ
り、フラットケーブルの生産性の低下という新たな問題
をひき起こすおそれがあるため、上記硬化型の接着剤
は、フラットケーブルの絶縁被覆の接着剤には使用でき
なかった。
【0011】この発明の目的は、ホットメルト接着剤等
の熱可塑性樹脂からなる接着剤層を有しているにも拘ら
ず、絶縁被覆が十分な耐熱性を有するため、基板との接
続の際に高温のリフロー炉を使用できるフラットケーブ
ルと、かかるフラットケーブルを効率よく製造するため
の製造方法と、上記フラットケーブルの効率的な接続方
法とを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明のフラットケーブルは、複数本の導体が略
平面状に配列された導体パターンの両面に、熱可塑性樹
脂からなる接着剤層を介して表面絶縁層が積層、接着さ
れて略矩形状の絶縁被覆が形成され、かつ上記絶縁被覆
の少なくとも1辺から、導体パターンを構成する導体の
端部が外方へ突出されたフラットケーブルであって、上
記絶縁被覆を構成する接着剤層および表面絶縁層のうち
少なくとも接着剤層が架橋されているとともに、当該フ
ラットケーブルを250℃で6秒間、加熱した際の、式
(1) :
【0013】
【数2】
【0014】〔式中Loは絶縁被覆のうち、導体の端部
が外方へ突出された辺の、加熱前の寸法を示し、Lsは
同じ辺の、加熱後の寸法を示す。〕で求められる加熱前
後の絶縁被覆の寸法変化率Spが−5≦Sp≦5(%)
の範囲内であることを特徴とするものである。上記この
発明のフラットケーブルにおいては、絶縁被覆のうち少
なくとも接着剤層が架橋されて熱的に安定な三次元網目
状構造となり、リフロー炉で加熱した際に軟化したり流
動したり発泡したりしないため、たとえば導体の端部と
基板上の回路との、はんだ付けによる電気的な接続が妨
げられたり、あるいは表面絶縁層が導体パターンからず
れたり外れたりすることが防止される。
【0015】またこの発明のフラットケーブルは、上記
の架橋や、あるいは絶縁被覆を構成する材料の選択等に
よって、リフロー炉での一般的な加熱条件である250
℃、6秒間の加熱を行った際の、絶縁被覆の寸法変化率
Spが上記の範囲内に規定されているため、リフロー炉
での加熱時に絶縁被覆が変形して、導体間のピッチに大
きなずれが生じたり、あるいは導体同士の接触による短
絡が生じたりすることも防止される。
【0016】よってこの発明のフラットケーブルは、絶
縁被覆の耐熱性が改善されており、高温のリフロー炉を
使用した基板との接続が可能なものとなる。つぎにこの
発明のフラットケーブルの製造方法は、上述したこの発
明のフラットケーブルを製造するための方法であって、
2本の平行な保持枠部間に導体パターンが複数、連続し
て配置された形状の長尺の導体枠を導電性の薄板から一
体形成し、この導体枠のうち各導体パターンの部分の両
面に、表面絶縁層となる絶縁フィルムの片面に、熱可塑
性樹脂からなる接着剤層を形成した長尺の絶縁テープ
を、接着剤層が導体パターンと接触するように連続的に
積層し、熱接着して接着剤層と表面絶縁層とからなる絶
縁被覆を形成するとともに、電離放射線を照射して、上
記接着剤層および表面絶縁層のうち少なくとも接着剤層
を架橋した後、導体枠および絶縁被覆を各フラットケー
ブル毎に切断することを特徴とするものである。
【0017】上記この発明の製造方法においては、2本
の平行な保持枠部間に配置された複数の導体パターンの
両面に重ねた長尺の絶縁テープの接着剤層を、当該接着
剤層を構成する熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して溶融
させ、次いで冷却して固化させることで瞬時に熱接着し
て、上記導体パターンの両面に絶縁被覆を連続的に形成
できるとともに、連続形成された絶縁被覆のうち少なく
とも接着剤層を、電離放射線の照射によってごく短時間
で、十分な架橋度を有するまで、具体的には絶縁被覆
の、前記加熱条件下で加熱した際の寸法変化率Spが前
記範囲内となるまで架橋できる。
【0018】よってこの発明の製造方法によれば、前述
したように絶縁被覆の耐熱性にすぐれたこの発明のフラ
ットケーブルを、効率よく製造できる。さらにこの発明
のフラットケーブルの接続方法は、前述したこの発明の
フラットケーブルを基板に接続する方法であって、上記
この発明の製造方法で製造された、導体枠および絶縁被
覆を切断する前の、保持枠部によって連結された複数の
フラットケーブルを、上記保持枠部に一定間隔で形成し
た送り穴を用いて自動的に基板に供給し、各フラットケ
ーブル毎に切断して基板上の所定位置に仮止めした後、
上記基板をリフロー炉により加熱して、導体パターンを
構成する各導体の、絶縁被覆より外方へ突出した端部
と、基板上の回路とを、当該端部および回路のうち少な
くとも一方の表面にあらかじめ被覆したはんだ層の、は
んだの溶融によってはんだ付けして、電気的に接続する
ことを特徴とするものである。
【0019】上記この発明の接続方法によれば、この発
明のフラットケーブルを、自動実装装置とリフロー炉と
を用いて、効率的に基板に接続できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下にこの発明を、その実施の形
態の一例を示す図面を参照しつつ説明する。まずフラッ
トケーブルについて説明する。図1(a)(b)に示すように
この例のフラットケーブルFは、複数本(図では12
本)の直線状の導体10aが同一平面上に平行に配列さ
れて形成された導体パターン10の両面に、接着剤層2
1を介して表面絶縁層22を積層、接着して矩形状の絶
縁被覆2を形成した後、この絶縁被覆2を構成する接着
剤層21と表面絶縁層22のうち少なくとも接着剤層2
1を架橋したものである。
【0021】上記各部のうち絶縁被覆2は、導体パター
ン10を構成する各導体10aの両端部が、平行する2
辺2a、2aから外方へ突出されるように、各導体10
aの長手方向の中央部に配置されている。また接着剤層
21は、図1(b) 中に破線で示すように、導体パターン
10の表裏両面に配置されたものが、熱接着時の熱によ
って導体10a間で溶融一体化されており、この一体化
した接着剤層21中に、導体パターン10を構成する各
導体10aが埋め込まれている。
【0022】絶縁被覆2のうち少なくとも接着剤層21
を架橋するには種々の方法が考えられるが、とくにごく
短時間の処理で、熱架橋等ではえられない高度の架橋が
可能である、電離放射線の照射による架橋処理が好適に
採用される。照射する電離放射線としては、たとえばα
線、電子線(β線)、γ線、X線等がいずれも採用可能
であるが、電離放射線の透過厚み(接着剤層21の中ま
で十分に透過できるか否か)、電離放射線の照射量と照
射時間との関係(短時間でどれだけ効率よく照射できる
か)、必要とする設備の規模(とくに放射線の漏れを防
止する保安設備の規模)等の工業的見地からすると、電
子線またはγ線が好適に採用される。
【0023】上記のうち電子線の加速電圧や照射量につ
いてはとくに限定されないが、接着剤層21の中まで電
子線を十分に透過させるためには、その加速電圧は20
0kV〜1MV程度であるのが好ましく、また接着剤層
21を電子線によって十分に架橋させるためには、その
照射量は、吸収線量で表わして3〜25Mrad程度で
あるのが好ましい。一方、γ線の照射量についてもとく
に限定されないが、接着剤層21を十分に架橋させるた
めには、γ線の照射量は、吸収線量で表わして1〜20
Mrad程度であるのが好ましい。
【0024】上記電離放射線は、表面絶縁層22を通し
て内部の接着剤層21に照射されるので、表面絶縁層2
2も同時に架橋される場合がある。この発明はこのよう
な場合を排除するものではなく、表面絶縁層22が、と
くに耐熱性の低い樹脂によって形成される場合には、積
極的に架橋させるのが好ましい。ただし、樹脂の種類に
よっては、架橋により表面絶縁層22の柔軟性が低下す
る等の問題を生じる場合もあり、そのような場合には、
たとえば表面絶縁層22を構成する樹脂中に、架橋禁止
剤を配合すればよい。
【0025】この架橋により接着剤層21は、熱的に安
定な三次元網目状構造となり、高温のリフロー炉で加熱
した際に軟化したり流動したり発泡したりしなくなるた
め、上記フラットケーブルFは、リフロー炉を用いて基
板と接続する際に、たとえば導体10aの端部と基板上
の回路との、はんだ付けによる電気的な接続が接着剤層
の溶融物によって妨げられたり、あるいは表面絶縁層2
2が導体パターン10からずれたり外れたりすることが
防止される。
【0026】また上記フラットケーブルFは、リフロー
炉での加熱条件に相当する250℃で6秒間、加熱した
際の、式(1) :
【0027】
【数3】
【0028】で求められる加熱前後の絶縁被覆2の寸法
変化率Spが、前述したように−5≦Sp≦5(%)の
範囲内に限定される。なお上記式(1) 中のLo、Ls
は、図1(a) のフラットケーブルFの場合は、同図中に
示すように、矩形状の絶縁被覆2の4辺のうち、導体1
0aの端部が外方へ突出された、互いに平行な2辺2
a、2aの寸法である。上記両辺2a、2aはともに、
寸法変化率Spが−5〜5(%)の範囲内である必要が
ある。
【0029】式(1) で求められる寸法変化率Spが上記
範囲に限定されるのは、もしこの範囲を外れた場合に
は、リフロー炉での加熱時に絶縁被覆2が大きく変形す
る結果、導体10a間のピッチに大きなずれが生じた
り、あるいは導体10a同士の接触による短絡が生じた
りするからである。なお上記寸法変化率Spは、上記範
囲内でもとくに−3〜3%であるのが好ましく、0%で
あるのが最も好ましい。
【0030】寸法変化率Spを上記範囲内に調整するに
は、前述したように架橋の条件の調整や、絶縁被覆2を
構成する材料の選択等が必要である。たとえば表面絶縁
層22として、前述したように熱収縮しやすい延伸ポリ
エステルフィルム等を使用する場合は、リフロー炉で加
熱した際に、上記フィルムに発生する熱収縮力に抗し
て、絶縁被覆2の寸法変化率Spを前記範囲内に抑えら
れる程度、すなわちリフロー炉で加熱した際に軟化し、
上記フィルムの熱収縮にともなってそれ自体も変形しな
い程度に、接着剤層21が架橋されている必要があり、
そのために、電離放射線の照射量等の架橋の条件が調整
される。また、この架橋処理時に表面絶縁層22をも積
極的に架橋して、当該表面絶縁層22自体の熱収縮を抑
制することも考えられる。
【0031】また表面絶縁層22を、たとえばポリイミ
ド樹脂フィルム等の、それ自体が熱収縮しにくい材料で
形成して、寸法変化率Spを上記範囲内に調整すること
もできる。なおいうまでもないが、この場合でもやはり
接着剤層21は、リフロー炉で加熱した際の溶融等によ
る前記の問題点を生じないために、架橋しておく必要が
ある。
【0032】上記図1(a)(b)のフラットケーブルFを、
この発明の製造方法によって製造する際には、まず図2
(a) に示すように、2本の平行な保持枠部11、11間
に、前述したように12本の直線状の導体10aが同一
平面上に平行に配列された導体パターン10が複数、連
続して配置された形状の、長尺の導体枠1を形成する。
上記導体枠1は、金属等の導電性の薄板を、たとえばプ
レス抜きやエッチング等の方法で加工して一体形成され
る。
【0033】つぎに上記導体枠1の、各導体パターン1
0の部分の両面に、図4に示すように長尺の絶縁テープ
2′を積層しつつ、1対の熱ロールR、R間を通過させ
る。上記絶縁テープ2′は、表面絶縁層22となる絶縁
フィルムの片面に、熱可塑性樹脂からなる接着剤層21
を、溶融押出等によって形成したもので、このうち接着
剤層21が導体パターン10と接触するように連続的に
積層しつつ、前記熱ロールR、R間を通過させると、接
着剤層21を構成する熱可塑性樹脂が溶融するとともに
熱ロールR、Rによって加圧されて、前記図1(b) に示
すように、導体パターン10の表裏両面に配置された接
着剤層21が、導体10a間で溶融一体化し、この一体
化した接着剤層21中に、導体パターン10を構成する
各導体10aが埋め込まれた状態となって、導体枠1
の、各導体パターン10の部分の両面に、接着剤層21
と表面絶縁層22とからなる絶縁被覆2が形成される。
【0034】上記熱ロールR、Rの温度は、接着剤層2
1を構成する熱可塑性樹脂の融点以上であればとくに限
定されないが、熱接着を確実かつ短時間で行うには、1
20〜200℃程度であるのが好ましい。つぎに、上記
のようにして各導体パターン10の部分の両面に絶縁被
覆2が形成された、図2(b) に示す状態の導体枠1を、
電離放射線を照射する装置を通過させて、上記絶縁被覆
2のうち少なくとも接着剤層21を、電離放射線の照射
によって架橋させる。電離放射線の照射量の好ましい範
囲は、前述したとおりである。
【0035】そして図3に一点鎖線で示すように、導体
枠1および絶縁被覆2を切断すると、図1(a) に示すよ
うに、矩形状の絶縁被覆2の平行な2辺2a、2aから
それぞれ外方へ12本の導体10aの端部が突出された
形状のフラットケーブルFが製造される。またこの際、
必要に応じてフラットケーブルFを曲げ加工してもよ
い。
【0036】つぎに、図1(a)(b)のフラットケーブルF
を、この発明の接続方法によって基板に接続するには、
まず図3に示すように、上記の製造方法によって製造さ
れた、導体枠1および絶縁被覆2を切断する前の、複数
個が保持枠部11によってフープ状に連結されたフラッ
トケーブルFを、上記保持枠部11に一定間隔で形成し
た送り穴11aを用いて、自動実装装置により基板に供
給する。
【0037】つぎに上記自動実装装置により、図3に一
点鎖線で示すように、各フラットケーブル毎に、導体枠
1および絶縁被覆2を切断するとともに、さらに必要に
応じて曲げ加工した後、基板上の所定位置に仮止めす
る。そして上記基板をリフロー炉により加熱して、導体
パターン10を構成する各導体10aの、絶縁被覆2よ
り外方へ突出した端部と、基板上の回路とを、当該端部
および回路のうち少なくとも一方の表面にあらかじめ被
覆したはんだ層の、はんだの溶融によってはんだ付けす
ると、フラットケーブルFの基板への接続が完了する。
【0038】以上で説明したこの発明において、フラッ
トケーブルの導体のもとになる長尺帯状の導体枠は、種
々の導電性の材料により形成できるが、上記接続方法に
おいて、自動実装装置を用いて基板に接続されること等
を考慮すると、比較的柔軟で、しかもある程度、腰の強
い材料にて形成するのが好ましい。またいうまでもなく
導体枠には、高い導電性も要求される。
【0039】かかる条件を満たす導体枠の材料として
は、これに限定されないがたとえば軟銅やりん青銅等の
金属の薄板があげられる。上記金属の薄板の厚みはとく
に限定されないが、腰の強さ等を考慮すると、20〜2
00μm程度、とくに50〜200μm程度であるのが
好ましい。またフラットケーブルの導体は、リフロー炉
での短時間の加熱で、基板上の回路と確実にはんだ付け
するために、溶融したはんだの濡れ性にすぐれたものが
好ましく、それゆえに金属の薄板からプレス抜き等によ
って導体のもとになる導体枠を製造する前後いずれかの
段階で、その表面に、はんだとの濡れ性にすぐれたすず
等の薄膜を、めっき処理等によって形成しておくのが好
ましい。
【0040】またこの発明において絶縁被覆を構成する
接着剤層は、種々の熱可塑性樹脂により形成できるが、
とくに前述した製造方法において、長尺帯状の導体枠と
表面絶縁層との熱接着によるフラットケーブル製造の効
率化をはかるためには、熱可塑性樹脂の中でも低融点の
ホットメルト接着剤により形成するのが好ましい。また
上記ホットメルト接着剤には、熱接着後に、たとえば電
離放射線を照射した際に効果的に架橋させるために、架
橋剤を添加しておくのが好ましい。
【0041】かかるホットメルト接着剤は熱可塑性樹脂
をベースとして、上記架橋剤の他に、たとえば粘着性付
与剤、粘度調整剤、酸化防止剤、無機充てん剤、可塑剤
等の各種添加剤を適宜添加して融点を調整したもので、
ベースとなる熱可塑性樹脂としては、これに限定されな
いがたとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート−無水マレイン酸共重合体等のポリオレフィン系
共重合体;飽和ポリエステル樹脂を主体とする共重合
体;ポリアミド系樹脂;アタクチックポリプロピレン;
ブチルゴム、スチレン系ブロック共重合体等の熱可塑性
エラストマーなどがあげられる。
【0042】中でもとくに飽和ポリエステル樹脂を主体
とする共重合体、もしくはシラングラフトしたエチレン
−エチルアクリレート共重合体をベースとするホットメ
ルト接着剤は、たとえば溶融押出法により、膜厚10〜
100μm程度の任意の厚みの接着剤層を、表面絶縁層
となる長尺の絶縁フィルムの表面に連続的に形成できる
ため、この発明に好適に使用される。
【0043】上記のうち飽和ポリエステル樹脂を主体と
する共重合体としては、たとえばポリエチレンテレフタ
レート−セバケート、ポリブチレンテレフタレート−セ
バケート、ポリブチレンテレフタレート−アジペート、
ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート等があげ
られる。またシラングラフトしたエチレン−エチルアク
リレート共重合体としては、たとえばエチレン−エチル
アクリレート共重合体に、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート等のラジカル重合触媒の存在下、単軸もしくは多
軸の混合機中で、たとえばγ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン等のアルコキシシランを熱溶融グラ
フトして製造されたグラフト共重合体等があげられる。
上記のグラフト共重合体におけるシランのグラフト量は
とくに限定されないが、全グラフト共重合体中に占める
シランの重量%で表して、0.01〜0.3重量%程度
が好ましい。また、上記グラフト共重合体の原料である
エチレン−エチルアクリレート共重合体におけるエチル
アクリレートの共重合量についてもとくに限定されない
が、全共重合体中に占めるエチルアクリレートの重量%
で表して1〜30重量%程度が好ましい。
【0044】上記熱可塑性樹脂に添加される架橋剤とし
ては、分子内に複数個の不飽和結合部分を有する多官能
性化合物が使用できる。多官能性化合物としては、たと
えばエチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート等のアクリル系単量体;トリアリルシ
アヌレート、ジエチレンゴルコールジアリルエーテル等
のアリル系単量体;アクリル変性エポキシオリゴマー、
アクリル変性エステルオリゴマー、アクリル変性ウレタ
ンオリゴマー、アクリル変性スピロアセタールオリゴマ
ー、アクリル変性ブタジエンオリゴマー等のアクリル変
性オリゴマー類;ポリエン−チオール型スピロアセター
ルオリゴマー等があげられ、これらはそれぞれ単独で使
用できる他、2種以上を併用することもできる。
【0045】架橋剤の配合量はとくに限定されないが、
熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜10重量部、特
に1〜3重量部であるのが好ましい。架橋剤の配合量が
上記範囲未満では、接着剤層の架橋の度合が不十分にな
るおそれがあり、また逆に上記範囲を超えた場合には、
架橋しすぎて接着剤層の伸びが小さくなるとともに、と
くに熱老化後の伸びの低下が著しくなるおそれがある
他、かかる架橋剤は有機物であるため、接着剤層の難燃
性が低下するおそれもある。
【0046】粘着性付与剤その他の添加剤としては、ホ
ットメルト接着剤において常用される、従来公知の種々
の添加剤がいずれも使用可能である。たとえば粘着性付
与剤としてはロジン誘導体、石油樹脂等があげられ、粘
度調整剤としてはパラフィン等のワックス類があげられ
る。これら添加剤の配合量は、ホットメルト接着剤の融
点等に応じて、適宜調整される。
【0047】上記各成分の混合には、たとえばオープン
ロールミキサーや単軸あるいは多軸の混合機等が使用で
きる。
【0048】上記ホットメルト接着剤等の、熱可塑性樹
脂からなる接着剤層の厚みは導体の寸法形状等に応じて
適宜設定すればよく、その好適な範囲はとくに限定され
ないが、5〜200μm程度、とくに30〜100μm
程度であるのが好ましい。接着剤層の厚みが上記範囲未
満では、たとえば導体枠と表面絶縁層とを連続的に熱接
着する際に、両者を確実に接着できなかったり、あるい
は保持枠部によってフープ状に連結されたフラットケー
ブルを切断、曲げ加工等する際に上記両者がはくり離し
やすくなったりする等、その製造および加工時に問題を
生じるおそれがある他、難燃性が低下するおそれもあ
る。また逆に、接着剤層の厚みが上記範囲を超えた場合
には、当該接着剤層の柔軟性が低下するおそれがある。
【0049】上記ホットメルト接着剤等の熱可塑性樹脂
からなる接着剤層とともに絶縁被覆を構成する表面絶縁
層としては、前述したように、ポリイミド樹脂やポリエ
ステル樹脂等の絶縁性の樹脂からなるフィルム(絶縁フ
ィルム)が好適に使用される。またこのうちポリエステ
ル樹脂のフィルムとしては、前述したように表面絶縁層
の強度や常温での寸法安定性等を考慮して、2軸延伸等
の延伸処理を施した延伸ポリエステルフィルムが好適に
使用される。
【0050】上記絶縁フィルムの厚みはとくに限定され
ないが、5〜100μm程度、とくに10〜50μm程
度であるのが好ましい。絶縁フィルムの厚みが上記範囲
未満では、当該絶縁フィルムからなる表面絶縁層の耐摩
耗性が低下するおそれがあり、逆に上記範囲を超えた場
合には、上記表面絶縁層の柔軟性が低下したり、あるい
はとくにポリエステル樹脂のフィルムの場合は燃えやす
くなるといった問題を生じるおそれがある。
【0051】上記絶縁フィルムの、接着剤層が形成され
る面には、当該接着剤層との密着強度を向上するため
に、あらかじめコロナ放電処理等の表面処理を施しても
よい。
【0052】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。 実施例1 《導体枠の作製》厚み80μm、幅25mmの帯状のす
ずめんきりん青銅箔をプレス抜きして、図2(a) に示す
ように、互いに平行な直線状の導体10a(線幅30μ
m、ピッチ0.8mm)が12本で1組となった導体パ
ターン10を複数、2本の保持枠部11(幅2mm)間
に配列した長尺の導体枠1を作製した。 《ホットメルト接着剤の作製》シラングラフトしたエチ
レン−エチルアクリレート共重合体〔グラフトシラン量
0.06重量%、エチレン−エチルアクリレート共重合
体中のエチルアクリレート量11重量%、メルトフロー
レート25(2160g、190℃)〕100重量部
と、架橋剤としてのトリアリルイソシアヌレート5重量
部とを溶融、混練してホットメルト接着剤Aを作製し
た。 《絶縁テープの作製》厚み25μm、幅9mmの、帯状
のポリイミド樹脂フィルムの片面に、上記ホットメルト
接着剤の作製でえたホットメルト接着剤Aから、溶融押
出法により、厚み50μmの接着剤層を形成して幅9m
mの長尺の絶縁テープを作製した。 《フラットケーブルの製造》図4に示すように、上記導
体枠の作製でえた導体枠1の両面に、絶縁テープの作製
でえた絶縁テープ2′を、接着剤層が導体枠側となるよ
うに積層した状態で、線速1m/分、熱接着温度150
℃の条件で、一対の熱ロールR、R間を通して熱接着し
た後、加速電圧250kVの電子線を、その吸収線量が
15Mradとなるように照射して接着剤層を架橋させ
た。
【0053】そして図3に一点鎖線で示すように導体枠
1および絶縁被覆2を切断して、図1(a) に示すよう
に、矩形状の絶縁被覆2の平行な2辺2a、2aからそ
れぞれ外方へ12本の導体10aの端部が突出された形
状のフラットケーブルFを製造した。なお上記絶縁被覆
2の、上記辺2aの寸法(=Lo)は10mmとし、各
導体10aの端部の、上記辺2aからの突出量は5mm
とした。また辺2aと直交する辺2bの寸法は、前述し
た絶縁テープの幅に相当する9mmであった。 実施例2 電子線に代えてγ線を、その吸収線量が6Mradとな
るように照射したこと以外は実施例1と同様にして、同
形状、同寸法のフラットケーブルFを製造した。 比較例1 電子線もγ線も照射しなかったこと以外は実施例1と同
様にして、同形状、同寸法のフラットケーブルFを製造
した。 実施例3 絶縁テープとして、厚み25μm、幅9mmの、帯状の
ポリイミド樹脂フィルムの片面に、下記ホットメルト接
着剤の作製でえたホットメルト接着剤Bから、溶融押出
法により厚み40μmの接着剤層を形成した、幅9mm
の長尺の絶縁テープを使用するとともに、その導体枠へ
の熱接着温度を170℃とし、かつ電子線の吸収線量を
10Mradとしたこと以外は実施例1と同様にして、
同形状、同寸法のフラットケーブルFを製造した。 《ホットメルト接着剤の作製》飽和ポリエステル樹脂を
主体とする共重合体〔軟化温度120℃、ガラス転移温
度−30℃、200℃での溶融粘度2000ポイズ、東
洋紡績(株)製〕85重量部と、架橋剤としてのアクリ
ル変性スピロアセタールオリゴマー〔室温での粘度2ポ
イズ、昭和高分子(株)製〕15重量部とを溶融、混練
してホットメルト接着剤Bを作製した。 実施例4 電子線に代えてγ線を、その吸収線量が5Mradとな
るように照射したこと以外は実施例3と同様にして、同
形状、同寸法のフラットケーブルFを製造した。 比較例2 電子線もγ線も照射しなかったこと以外は実施例3と同
様にして、同形状、同寸法のフラットケーブルFを製造
した。 実施例5 ポリイミド樹脂フィルムに代えて、厚み30μm、幅9
mmの、帯状の2軸延伸ポリエステルフィルムを使用し
たこと以外は実施例1と同様にして、同形状、同寸法の
フラットケーブルFを製造した。 実施例6 電子線に代えてγ線を、その吸収線量が6Mradとな
るように照射したこと以外は実施例5と同様にして、同
形状、同寸法のフラットケーブルFを製造した。 比較例3 電子線もγ線も照射しなかったこと以外は実施例5と同
様にして、同形状、同寸法のフラットケーブルFを製造
した。 実施例7 ポリイミド樹脂フィルムに代えて、厚み30μm、幅9
mmの、帯状の2軸延伸ポリエステルフィルムを使用し
たこと以外は実施例3と同様にして、同形状、同寸法の
フラットケーブルFを製造した。 実施例8 電子線に代えてγ線を、その吸収線量が5Mradとな
るように照射したこと以外は実施例7と同様にして、同
形状、同寸法のフラットケーブルFを製造した。 比較例4 電子線もγ線も照射しなかったこと以外は実施例7と同
様にして、同形状、同寸法のフラットケーブルFを製造
した。
【0054】上記各実施例、比較例のフラットケーブル
を、リフロー炉を使用して250℃で6秒間、加熱した
後、図1(a) に示す絶縁被覆2の辺2aの寸法Ls(m
m)を測定した。そしてこの測定値と、同じ辺2aの、
前述した加熱前の寸法Lo(=10mm)とから、前記
式(1) により、加熱前後の絶縁被覆の寸法変化率Sp
(%)を求めた。また加熱後のフラットケーブルを目視
にて観察して、接着剤層の流れ出しや発泡の有無を確認
した。
【0055】以上の結果を表1〜表4に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】上記各表のうち表1、2の結果より、絶縁
フィルムとしてポリイミド樹脂フィルムを使用した系で
は、電離放射線の照射により、加熱によるホットメルト
接着剤の流れ出しや発泡を防止できることがわかった。
また表3、4の結果より、絶縁フィルムとして2軸延伸
ポリエステルフィルムを使用した系では、電離放射線の
照射により、加熱によるホットメルト接着剤の流れ出し
や発泡を防止できるとともに、ポリエステルフィルムの
熱収縮による絶縁被覆の変形をも抑制できることがわか
った。
【0061】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、ホットメルト接着剤等の熱可塑性樹脂からなる接着
剤層を有しているにも拘らず、耐熱性にすぐれた絶縁被
覆を有するため、高温のリフロー炉を用いて基板と接続
できるフラットケーブルがえられる。よって上記フラッ
トケーブルを、自動実装装置とリフロー炉とを用いて、
他の素子類の実装と同時に基板に接続できるため、精密
電子機器等の、多数の基板を有する機器類の組立工程を
簡素化できるという、特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a) は、この発明のフラットケーブルの一
例を示す平面図、同図(b) は、上記フラットケーブルの
拡大断面図である。
【図2】同図(a) は、図1のフラットケーブルのもとに
なる導体パターンが複数、連続して配置された導体枠の
平面図、同図(b) は、上記導体枠の導体パターンの部分
に、絶縁テープの熱接着により絶縁被覆を連続的に形成
した状態を示す平面図である。
【図3】導体枠および絶縁被覆を、各フラットケーブル
毎に、図中一点鎖線で示す位置で切断する前の状態を示
す平面図である。
【図4】導体枠と絶縁テープとを熱接着する工程の一例
を示す概略図である。
【符号の説明】
F フラットケーブル 1 導体枠 10 導体パターン 10a 導体 11 保持枠部 11a 送り穴 2 絶縁被覆 21 接着剤層 22 表面絶縁層 2′ 絶縁テープ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数本の導体が略平面状に配列された導体
    パターンの両面に、熱可塑性樹脂からなる接着剤層を介
    して表面絶縁層が積層、接着されて略矩形状の絶縁被覆
    が形成され、かつ上記絶縁被覆の少なくとも1辺から、
    導体パターンを構成する導体の端部が外方へ突出された
    フラットケーブルであって、上記絶縁被覆を構成する接
    着剤層および表面絶縁層のうち少なくとも接着剤層が架
    橋されているとともに、当該フラットケーブルを250
    ℃で6秒間、加熱した際の、式(1) : 【数1】 〔式中Loは絶縁被覆のうち、導体の端部が外方へ突出
    された辺の、加熱前の寸法を示し、Lsは同じ辺の、加
    熱後の寸法を示す。〕で求められる加熱前後の絶縁被覆
    の寸法変化率Spが−5≦Sp≦5(%)の範囲内であ
    ることを特徴とするフラットケーブル。
  2. 【請求項2】絶縁被覆を構成する接着剤層および表面絶
    縁層のうち少なくとも接着剤層が、電離放射線の照射に
    より架橋されている請求項1記載のフラットケーブル。
  3. 【請求項3】表面絶縁層がポリイミド樹脂およびポリエ
    ステル樹脂のうちの少なくとも一方により形成されてい
    るとともに、接着剤層が、架橋剤を添加したホットメル
    ト接着剤により形成され、架橋されている請求項1記載
    のフラットケーブル。
  4. 【請求項4】請求項1記載のフラットケーブルを製造す
    る方法であって、2本の平行な保持枠部間に導体パター
    ンが複数、連続して配置された形状の長尺の導体枠を導
    電性の薄板から一体形成し、この導体枠のうち各導体パ
    ターンの部分の両面に、表面絶縁層となる絶縁フィルム
    の片面に、熱可塑性樹脂からなる接着剤層を形成した長
    尺の絶縁テープを、接着剤層が導体パターンと接触する
    ように連続的に積層し、熱接着して接着剤層と表面絶縁
    層とからなる絶縁被覆を形成するとともに、電離放射線
    を照射して、上記接着剤層および表面絶縁層のうち少な
    くとも接着剤層を架橋した後、導体枠および絶縁被覆を
    各フラットケーブル毎に切断することを特徴とするフラ
    ットケーブルの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の製造方法において製造され
    た、導体枠および絶縁被覆を切断する前の、保持枠部に
    よって連結された複数のフラットケーブルを、上記保持
    枠部に一定間隔で形成した送り穴を用いて自動的に基板
    に供給し、各フラットケーブル毎に切断して基板上の所
    定位置に仮止めした後、上記基板をリフロー炉により加
    熱して、導体パターンを構成する各導体の、絶縁被覆よ
    り外方へ突出した端部と、基板上の回路とを、当該端部
    および回路のうち少なくとも一方の表面にあらかじめ被
    覆したはんだ層の、はんだの溶融によってはんだ付けし
    て、電気的に接続することを特徴とするフラットケーブ
    ルの接続方法。
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