JPH09159936A - 光スイッチおよび該光スイッチの製造方法 - Google Patents

光スイッチおよび該光スイッチの製造方法

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JPH09159936A
JPH09159936A JP31870495A JP31870495A JPH09159936A JP H09159936 A JPH09159936 A JP H09159936A JP 31870495 A JP31870495 A JP 31870495A JP 31870495 A JP31870495 A JP 31870495A JP H09159936 A JPH09159936 A JP H09159936A
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JP
Japan
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movable member
optical waveguide
optical
optical switch
substrate
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Application number
JP31870495A
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English (en)
Inventor
Kazuyasu Satou
和恭 佐藤
Masaya Horino
正也 堀野
Takeshi Harada
武 原田
Teruhisa Akashi
照久 明石
Masaru Muranishi
勝 村西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 5ボルト以下の低電圧で光路の切り換えが可
能な光スイッチを実現する。 【解決手段】 本発明の光スイッチは、片持ち梁状に支
持された可動部材101上に光導波路201を形成し、
この可動部材101を電磁アクチュエ−タ回路により駆
動させることにより、第1の光導波路201を第2の光
導波路202または第3の光導波路203に光学的に結
合させる構造になっている。電磁アクチュエ−タ回路
は、永久磁石401,402、コイル411,412、
およびヨ−ク4211,4212,4221,4222
から構成されている。このように構成すれば、5ボルト
以下の低電圧で駆動でき、マトリックス化しても損失が
小さい光スイッチを、半導体製造技術や光集積回路製造
技術を用いて製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信装置や光伝
送装置などで用いられる光スイッチ、およびその光スイ
ッチの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光路を切り換えるための光スイッチとし
ては、電気的に光路の屈折率や位相を変化させて光の進
行方向を切り換える方式のものや、機械的に光路を移動
させて光の進行方向を切り換える方式のものなどが開発
されている。この中で、機械式の光スイッチは、光の結
合損失が小さく、伝搬する光の波長依存性がほとんど無
く、さらに電源を切断した後でも光の結合状態を切断前
の状態に保持できるという優れた特性を持っていること
から、光通信装置や光伝送装置等でよく用いられてい
る。
【0003】このような機械式の光スイッチの従来例と
しては、例えば特開平6−148536号公報がある。
図23は、上記公報で示された機械式の光スイッチの上
面図である。この光スイッチは、基板1に片持ち梁状に
支持された可動部材101に第1の光導波路201が形
成されており、この可動部材101を静電力により移動
させることで、第1の光導波路201を第2の光導波路
202または第3の光導波路203に光学的に結合させ
る構造になっている。可動部材101は導電性のある材
料で形成されているので、可動部材101を中心にして
両側に配置されている電極301,302と可動部材1
01との間に電位差を与えることにより、可動部材10
1を動かすことができる。そして、このような機械式の
光スイッチは、シリコンの基板1上に光集積回路製造技
術を用いて容易に作製することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
機械式の光スイッチは、片持ち梁上に支持された可動部
材を移動させる手段として静電力を用いている。静電力
は、電磁力と比較して発生する力が小さいため、可動部
材を動かすためには数10ボルトの電圧を、可動部材と
電極との間に印加する必要がある。
【0005】しかし、光通信装置や光伝送装置に用いら
れる他の電子部品は、ほとんどのものが5ボルトで動作
するため、この光スイッチを光通信装置や光伝送装置に
用いるためには、光スイッチ駆動用として特別に数10
ボルトの電源を用意しなければならないという問題点が
ある。
【0006】また、上記従来の光スイッチは、同一シリ
コン基板上に複数個の光スイッチを相互に接続された形
で同時に形成することができるので、1入力2出力の光
スイッチをツリー構造に多段に接続した構成の1入力N
出力(Nは2以上の整数)型の光スイッチは容易に形成
することができる。
【0007】しかし、上記した1入力2出力の光スイッ
チを用いてN入力M出力(N,Mは2以上の整数)型の
光スイッチを形成しようとすると、入力端から出力端に
至るまでの間に通過する光スイッチの数が増加し、光ス
イッチ1個あたりの光の損失が小さい場合も、スイッチ
全体としての光の損失が大きくなってしまうという問題
点がある。例えばNを2とすると、1入力N出力の光ス
イッチでは、入出力端間で通過する光スイッチの数は1
個であるが、N入力M出力の光スイッチでは入出力端間
で通過する光スイッチの数が2個となり、光の損失が2
倍に増加してしまうことになる。
【0008】本発明の目的は、特別な電源を用意するこ
となく、5ボルト以下の低電圧で光路の切り換え可能な
光スイッチ、およびその製造方法を提供するである。ま
た、本発明の他の目的は、光の損失の小さいN入力M出
力型の光スイッチを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光スイッチは、基板に片持ち梁状に支持さ
れ、全体が支持端側を中心にして前記基板に平行な面内
で軸の左右両方向に弾性変形自在な可動部材と、前記可
動部材に形成され光を伝搬する第1の光導波路と、前記
基板上に幅方向に並べて形成され光を伝搬する第2の光
導波路および第3の光導波路と、前記可動部材の自由端
側に設けられた軟磁性部材と、前記可動部材両側の前記
基板上に設けられ、電流の供給により電磁力を発生する
電磁力発生手段とを備え、前記電磁力発生手段で発生す
る電磁力で前記軟磁性部材を吸引し、前記可動部材を弾
性変形させることにより、前記第1の光導波路を前記第
2の光導波路または前記第3の光導波路に光学的に結合
させることを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、電磁力発生手段に電流
を供給することにより電磁力が発生し、この電磁力によ
って軟磁性部材が吸引されて可動部材が弾性変形する。
そして、可動部材の弾性変形によって第1の光導波路の
先端が変位して、例えば第2の光導波路に光学的に結合
する。次に、電磁力発生手段は可動部材の両側に設けら
れているので、もう一方の電磁力発生手段に電流を供給
すると、軟磁性部材が反対側に吸引されて可動部材が逆
の向きに弾性変形する。このときは、可動部材の弾性変
形によって第1の光導波路の先端は、第3の光導波路に
光学的に結合する。
【0011】また、本発明の光スイッチは、基板に片持
ち梁状に支持され、全体が支持端側を中心にして前記基
板に平行な面内で軸の片方向に弾性変形自在な可動部材
と、前記可動部材に形成され光を伝搬する第1の光導波
路と、前記基板上に幅方向に並べて形成され光を伝搬す
る第2の光導波路および第3の光導波路と、前記可動部
材の自由端側に設けられた軟磁性部材と、前記可動部材
片側の前記基板上に設けられ、電流の供給により電磁力
を発生する電磁力発生手段とを備え、前記電磁力発生手
段で発生する電磁力で前記軟磁性部材を吸引し、前記可
動部材を弾性変形させることにより、前記第1の光導波
路を前記第2の光導波路または前記第3の光導波路に光
学的に結合させることを特徴としている。
【0012】上記構成では、可動部材は軸の片方向にだ
け弾性変形自在で、また電磁力発生手段は可動部材の片
側にだけ設けられている。このように構成すると、電磁
力発生手段に電流を供給したときに可動部材が弾性変形
し、第1の光導波路は第2の光導波路に光学的に結合す
る。また、電磁力発生手段への電流供給を停止すると、
可動部材は自分自身の弾性力で元の位置に戻り、第1の
光導波路の先端は第3の光導波路に光学的に結合する。
【0013】前記電磁力発生手段は、可動部材に平行に
配置された永久磁石と、この永久磁石と可動部材の間に
配置されたコイルと、一側が永久磁石に接触し他側が軟
磁性部材に対向配置され、かつコイルを囲むように設け
られた2つのヨークと、を備えたものである。
【0014】電磁力発生手段を上記のように構成すれ
ば、電磁力発生手段が可動部材の両側に設けられた構成
の光スイッチでは次のように機能する。すなわち、永久
磁石による磁束とコイルによる磁束が軟磁性部材のとこ
ろで強め合うようにコイルに電流を流すと、軟磁性部材
が永久磁石の方に引き寄せられ、可動部材が一方の電磁
力発生手段の方へ移動する(ここで、可動部材が一方の
電磁力発生手段の方へ移動し、ストッパに当たって停止
した位置を第1の位置とする)。この状態で、コイルに
流す電流を切断しても、永久磁石による磁力は残るの
で、可動部材は永久磁石に引き寄せられた形でこの位置
に静止し続ける。
【0015】この状態の時に、今度は、永久磁石による
磁束とコイルによる磁束が軟磁性部材のところで弱め合
うようにコイルに電流を流すととともに、他方の電磁力
発生手段のコイルに電流を流す。他方の電磁力発生手段
には、永久磁石による磁束とコイルによる磁束が軟磁性
部材のところで強め合うようにコイルに電流を流す。そ
うすると、軟磁性部材は前とは逆の方向に引き寄せら
れ、可動部材が他方の電磁力発生手段の方へ移動し、さ
らに永久磁石に引き寄せられた形で静止し続ける(ここ
で、可動部材が他方の電磁力発生手段の方へ移動し、ス
トッパに当たって停止した位置を第2の位置とする)。
【0016】なお、このときヨークは、永久磁石とコイ
ルと可動部材上の軟磁性部材をつなぐ磁路として働いて
いる。可動部材は片持ち梁状に形成されているので、弾
性係数を小さくでき、しかも電磁力は静電力と比較して
発生する力が大きいため、5ボルト以下の低い電圧をコ
イルに印加するだけで、可動部材を容易に移動させるこ
とができる。
【0017】また、電磁力発生手段が可動部材の片側だ
けに設けられた構成の光スイッチにおいては、コイルに
電流を流したときに、軟磁性部材が永久磁石の方に引き
寄せられて、可動部材が電磁力発生手段の方へ移動して
第1の位置に静止する点は前述の場合と同じであるが、
可動部材を逆向きに移動させる点が異なる。すなわち、
この場合は、電磁力発生手段が片方にしかないので、永
久磁石による磁束とコイルによる磁束が可動部材上の軟
磁性部材のところで弱めあうようにコイルに電流を流す
ようにする。そうすると、可動部材を前記位置に保持す
る力が失われるため、可動部材は可動部材自身の弾性力
によって初期の位置に戻り、その場所で静止し続ける
(この位置も第2の位置である)。
【0018】電磁力発生手段を可動部材の両側に設けた
場合は、2つある電磁力発生手段のコイルに流す電流値
を相互に変えることによって、可動部材に働く電磁力を
制御することが可能になるため、可動部材を第1の位置
と第2の位置との間を往復移動させるだけでなく、この
間の任意の位置に可動部材を高精度に停止させることが
できる。このために、可動部材の高精度な位置決め機構
を有する電子部品(例えば電磁アクチュエータ)を非常
に簡単にかつ小型に作成することができる。また、可動
部材の弾性力を利用せずにスイッチを切り換えることが
できるので、弾性係数の適正化など可動部材の構造に対
する設計上の制約を小さくすることができる。また、可
動部材からみて、近い側にコイルを配置し、遠い側に永
久磁石を配置しているため、永久磁石に保持された状態
の可動部材を、より小さい電圧で解放しスイッチを切り
換えることができる。
【0019】永久磁石、コイル、及びヨークは、第2の
光導波路や第3の光導波路と同一の基板上に配置して、
シリコン半導体製造技術と光集積回路製造技術を用いて
作成する。このようにすると、光スイッチを大量に安く
作製することができる。
【0020】前記コイルは中心にコアを有し、このコア
の両端と前記ヨークとの間にはすき間が形成されてい
る。このようなすき間を設けることによって、永久磁石
の磁束がコイルのコアの方に漏れる量を減らすことがで
きるので、電源が切断された後でも強い力で効率的に可
動部材を永久磁石側に保持することができる。
【0021】電磁力発生手段における永久磁石とヨーク
との接触部の構成はいろいろな種類が考えられる。第1
の構成として、永久磁石は、一方のヨークの一側と他方
のヨークの一側との間に架設されて両ヨークよりも上方
位置に配置されている構成とする。第2の構成として、
永久磁石の主要部は、一方のヨークの一側と他方のヨー
クの一側との間に配置されて両ヨークと同一面内にあ
り、かつ永久磁石の両端部が両ヨークの上に迫り出して
いる構成する。第3の構成として、永久磁石は、一方の
ヨークの一側と他方のヨークの一側との間に配置されて
両ヨークと同一面内にあり、かつ両ヨークの一側端部が
永久磁石の上に迫り出している構成する。第4の構成と
して、永久磁石は一方のヨークの一側の上に配置され、
さらに永久磁石の上に他方のヨークの一側端部が迫り出
している構成とする。
【0022】上記第1の構成のようにすれば、ヨークを
基板上に配置した後で、バルクの永久磁石をこのヨーク
の上に乗せるだけで永久磁石の組立が終了するので、光
スイッチの組立工程を簡略化することができる。また、
永久磁石として、スパッタリング法で形成した薄膜永久
磁石を用いると、光スイッチの組立工程をさらに簡略化
することができるが、そのためには、上記第2〜4の構
成にすれば良い。スパッタリング法で形成した薄膜永久
磁石は、成膜の条件によって、膜面に水平方向に配向し
この方向に着磁できる場合と、膜面に垂直方向に配向し
この方向に着磁できる場合とがある。第2・3の構成の
ようにすることにより、膜面に水平方向に着磁された薄
膜永久磁石を用いた光スイッチを作製することができ
る。また、第4の構成のようにすることにより、膜面に
垂直方向に着磁された薄膜永久磁石を用いた光スイッチ
を作製することができる。いずれの場合も、シリコン半
導体製造技術を用いて永久磁石を形成できるので、光ス
イッチの組立工程を一層簡略化できる。
【0023】前記永久磁石は、スパッタリング法を用い
て基板上に形成したネオジウム、鉄及びボロンを含む化
合物、またはサマリウム及びコバルトを含む化合物から
なるものである。これらの材料は保磁力が非常に大きい
ので、可動部材を保持するための力を小さな薄膜永久磁
石で得ることができる。このために、薄膜永久磁石の膜
厚を減少させて、薄膜永久磁石の形成時間の短縮化を図
ることや、薄膜永久磁石の上部面積を縮小させて光スイ
ッチの小型化を図ることができる。
【0024】前記コイルは、金属からなる第1の電極、
絶縁物からなる第1の層間絶縁膜、軟磁性材料からなる
コア、絶縁物からなる第2の層間絶縁膜、金属からなる
第2の電極が同一の基板上に順次積層され、前記第1の
電極と第2の電極は接続されて前記コア周りに巻かれて
いるものである。このように構成すれば、コイルを、組
立工程のいらないシリコン半導体製造技術を用いて作製
することができ、光スイッチの組立工程を一層簡略化で
きる。
【0025】前記ヨークは、スパッタリング法、蒸着法
またはメッキ法を用いて形成された鉄及びニッケルを含
む化合物からなるものである。このように構成すれば、
ヨークを、組立工程のいらないシリコン半導体製造技術
を用いて作製することができ、光スイッチの組立工程を
一層簡略化できる。
【0026】また前記ヨークは、鉄及びニッケルを含む
箔からなるものである。このように構成すれば、組立工
程は少し増加するが、ヨーク用に軟磁性薄膜を形成する
必要がないので、光スイッチ製作時間の短縮化を図るこ
とができる。
【0027】本発明の光スイッチは一入力多出力型光ス
イッチに適用できる。すなわち、上述の光スイッチを同
一基板上にツリー構造をなして複数段に配置し、かつ光
信号入力側に近い段に配置された光スイッチの光導波路
と、その次の段に配置された光スイッチの光導波路とを
基板上で接続した構成とする。これにより、5ボルト以
下の電圧で駆動できる一入力多出力の光スイッチを、シ
リコン半導体製造技術や光集積回路製造技術を用いて簡
単に作製できるようになる。
【0028】また、本発明の光スイッチは多入力多出力
型光スイッチに適用できる。すなわち、上述の光スイッ
チを同一基板上に並列して複数個配置し、かつその光ス
イッチの各々が有する第2の光導波路を基板上で第4の
光導波路に、第3の光導波路を基板上で第5の光導波路
にそれぞれ接続した構成とする。
【0029】上記構成においては、複数個の光スイッチ
が有する第2の光導波路が第4の光導波路に接続され、
第3の光導波路が第5の光導波路に接続されるので、各
光導波路を光学的に問題なく結合させる必要がある。具
体的には、第2の光導波路の各々と第4の光導波路とは
滑らかにつながり、第3の光導波路の各々と第5の光導
波路とも滑らかにつながっている。そして、2つの光導
波路が直交する場合は、交差させるか又は立体交差とす
る。このような構成の光スイッチは、多入力多出力の光
スイッチを作製する場合に、光導波路の分岐点に配置す
る光スイッチを一部、前記した光導波路の交差もしくは
立体交差で代用することができるため、入出力端間で通
過する光スイッチの数を低減することができる。そのた
めに、光の損失が小さく、5ボルト以下の低電圧駆動が
可能な多入力多出力の光スイッチを、シリコン半導体製
造技術や光集積回路製造技術を用いて簡単に作製するこ
とができる。
【0030】また、本発明の光スイッチは、基板に片持
ち梁状に支持され、全体が支持端側を中心にして前記基
板に平行な面内で軸直角方向に弾性変形自在な可動部材
と、前記可動部材に形成され光を伝搬する第1の光導波
路と、前記基板上に幅方向に並べて形成され光を伝搬す
る第2の光導波路および第3の光導波路と、前記可動部
材の自由端側に設けられた永久磁石と、前記永久磁石近
傍の前記基板上に設けられ、電流の供給により電磁力を
発生する電磁力発生手段とを備え、前記電磁力発生手段
で発生する電磁力によって前記永久磁石を吸引し、当該
永久磁石の位置が変位して前記可動部材を弾性変形させ
ることにより、前記第1の光導波路を前記第2の光導波
路または前記第3の光導波路に光学的に結合させること
を特徴としている。そして、電磁力発生手段は、両端部
が永久磁石に対向配置され、ほぼU字型をなすヨーク
と、そのヨークの巻き付けられたコイルとから構成され
ている。
【0031】上記構成によれば、可動部材の自由端側に
設けられた永久磁石と、ヨークの巻き付けられたコイル
とによって、可動部材を第1の位置と第2の位置との間
で往復させることができる。例えば、可動部材が自分自
身の弾性力により安定に静止できる位置を第1の位置と
し、コイル及びヨークが第2の位置の近傍に配置されて
いる場合を考える。コイルによる磁束が、可動部材上の
永久磁石による磁束と引き合うようにコイルに電流を流
すと、可動部材上の永久磁石がコイルの方に引き寄せら
れ、可動部材が第2の位置に移動する。この状態で、コ
イルに流す電流を切断しても、永久磁石による磁力は残
るので、可動部材は永久磁石に引き寄せられた形で第2
の位置に静止し続ける。この状態の時に、今度は、コイ
ルによる磁束が可動部材上の永久磁石の磁束と反発する
ようにコイルに電流を流すと、可動部材を第2の位置に
保持する力が失われるため、可動部材は可動部材自身の
弾性力によって第1の位置に戻り、その場所で静止す
る。なお、この時ヨークは、コイルと可動部材上の永久
磁石をつなぐ磁路として働いている。このような構造の
光スイッチでも、5ボルト以下の低電圧で駆動可能であ
る。
【0032】さらに、本発明の光スイッチは、基板に片
持ち梁状に支持され、熱膨張係数の異なる少なくとも2
種類の材料で構成され、かつ全体が支持端側を中心にし
て前記基板に垂直な面内で軸直角方向に弾性変形自在な
可動部材と、前記可動部材を加熱するための発熱抵抗体
と、前記可動部材に形成され光を伝搬する第1の光導波
路と、前記基板に深さ方向に並べて形成され光を伝搬す
る第2の光導波路および第3の光導波路と、前記可動部
材の自由端側に設けられた軟磁性部材と、前記軟磁性部
材近傍の前記基板上に設けられ、電流の供給により電磁
力を発生する電磁力発生手段とを備え、前記発熱抵抗体
で前記可動部材を加熱することによりバイメタル効果で
当該可動部材を弾性変形させるとともに、前記電磁力発
生手段で発生する電磁力によって前記軟磁性部材を吸引
して前記可動部材を変形位置に拘束することにより、前
記第1の光導波路を前記第2の光導波路または前記第3
の光導波路に光学的に結合させることを特徴としてい
る。
【0033】上記構成によれば、発熱抵抗体で前記可動
部材を加熱することにより、可動部材はバイメタル効果
で第1の位置と第2の位置との間で往復させることがで
きる。例えば、可動部材が自身の弾性力により安定に静
止できる位置を第1の位置とし、バイメタル効果で可動
部材が移動する方に第2の位置を考える。発熱抵抗体に
電流を流すと可動部材が加熱され、バイメタル効果で変
形して第2の位置に到達する。この状態で、加熱を終え
ても、可動部材上の軟磁性部材が、軟磁性部材近傍に配
置された電磁力発生手段から引力を受けるため、可動部
材は第2の位置に静止し続ける。この状態の時に、今度
は、可動部材上の軟磁性部材のところの磁束を打ち消す
ようにコイルに電流を流すと、可動部材を第2の位置に
保持する力が失われるため、可動部材は自分自身の弾性
力によって第1の位置に戻り、その場所で静止する。こ
のような構造の光スイッチは、可動部材を基板に垂直な
方向に移動させることが容易にできるので、前述した立
体交差のある光導波路間の切り換えに有利で、そのため
多入力多出力光スイッチの光の損失を著しく低減するこ
とができる。
【0034】以上の述べてきた光スイッチは、光通信装
置、光伝送装置、光交換機または光路切り換え装置に適
用できる。これによって、光スイッチ用の高電圧電源が
不要で且つ光損失の小さい光通信装置、光伝送装置、光
交換機もしくは光路切り換え装置を実現することができ
る。また上述の光スイッチを光ファイバー通信網に用い
ることによって、光損失の小さい光ファイバーの線路切
り換えが、5ボルト電源で可能となる。
【0035】また、上述した光スイッチの構成が電磁ア
クチュエータに応用できる。すなわち、本発明の電磁ア
クチュエータは、基板に片持ち梁状に支持され、全体が
支持端側を中心にして前記基板に平行な面内で軸直角方
向に弾性変形自在な可動部材と、前記可動部材の自由端
側に設けられた軟磁性部材と、前記軟磁性部材近傍の前
記基板上に設けられ、電流の供給により電磁力を発生す
る電磁力発生手段とを備え、前記電磁力発生手段で発生
する電磁力によって、前記軟磁性部材の位置が変位して
前記可動部材を弾性変形させることにより、前記可動部
材に取付けられた被駆動物の位置を微調整するよう構成
されている。
【0036】このような構成の電磁アクチュエータは、
スパッタリング法で永久磁石を形成し、スパッタリング
法もしくは蒸着法もしくはメッキ法を用い、シリコン半
導体製造技術によって簡単に作製することができる。
【0037】さらにまた、本発明の光スイッチの製造方
法は、基板に下部クラッドとなるガラス層を形成する工
程と、前記ガラス層の上に光導波路を形成する工程と、
前記光導波路を包み込み上部クラッドとなるガラス層を
形成する工程と、エッチングを行うことにより、片持ち
梁状に支持され全体が前記基板に平行な面内で軸直角方
向に弾性変形自在な可動部材を前記基板上に形成する工
程と、前記可動部材の自由端側に軟磁性部材を形成また
は固定する工程と、前記軟磁性部材近傍の前記基板上に
前記可動部材に平行に永久磁石を形成または固定する工
程と、前記永久磁石と前記軟磁性部材との間の前記基板
上にコイル用の第1の電極を形成する工程と、前記永久
磁石と前記軟磁性部材との間の前記基板上にコイル用の
第2の電極を形成する工程と、コイル用の絶縁性材料か
らなる層間絶縁膜を形成する工程と、一側が前記永久磁
石に接触しかつ他側が前記軟磁性部材に対向配置され、
前記コイルを囲むように2つのヨークを形成または固定
する工程と、を含むことを特徴としている。
【0038】上記の製造方法によれば、基本的には光ス
イッチをシリコン半導体製造技術と光集積回路製造技術
で作製することができるので、複雑な組立工程はほとん
ど必要がなく、光スイッチを安価に大量に製造すること
ができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳細に説明する。 (第1の実施の形態)まず、本発明の第1の実施の形態
による光スイッチの構造を図1〜図4を用いて説明す
る。図1は本発明に係る光スイッチの上面図を、図2は
図1のA−A線に沿った断面図を、図3は図1のB−B
線に沿った断面図を、図4は図1のC−C線に沿った断
面図をそれぞれ示している。
【0040】シリコンのウエハからなる基板1の上に、
まず下部クラッド211が形成され、その上に第1の光
導波路201、第2の光導波路202、及び第3の光導
波路203が光集積回路製造技術を用いて形成され、最
後に上部クラッド212が形成されている。図4に示し
たように、第1の光導波路201は、第2の光導波路と
第3の光導波路のちょうど真ん中に位置するように配置
されている。
【0041】第1の光導波路201はその一部が可動部
材101上に形成されている。可動部材101は、上部
クラッド212と下部クラッド211をドライエッチン
グで表面から加工した後、その部分のシリコンを基板の
裏側から異方性エッチングで除去することにより作製さ
れる。このとき、機械的な強度を上げるために、下部ク
ラッド211下方の空間(図2参照)にシリコンを少し
残しておいてもよいが、シリコンと下部クラッド211
の熱膨張係数の差による反りが発生することがあるの
で、シリコンは完全に除去してしまった方がよい。
【0042】このようにして作製された可動部材101
は、シリコン基板1に片持ち梁状に支持されており、基
板1の表面に水平な方向に弾性変形自在である。この可
動部材101は、ちょうど第1の光導波路201を支え
るような位置に形成されており、可動部材の弾性変形に
よって、第1の光導波路201の位置を自由に変えるこ
とができるようになっている。また、この可動部材10
1上の上部クラッド212表面には、スパッタリング法
で形成された鉄とニッケルの合金からなる軟磁性部材4
30が設けられている。
【0043】また、上部クラッド212上には、電磁力
により可動部材101を駆動するために用いる永久磁石
401,402、コイル411,412、及びヨーク4
211,4212,4221,4222が設けられてい
る。永久磁石401,402は、ネオジウム、鉄、及び
ボロンの化合物からなる薄膜で、スパッタリング法で形
成したものである。コイル411は、図3に示したよう
に、メッキで形成した銅からなる第1の電極4111、
スピンコートで形成したポリイミドからなる第1の層間
絶縁膜4114、スパッタリング法で形成した鉄とニッ
ケルの合金からなるコア4113、同じくスピンコート
で形成したポリイミドからなる第2の層間絶縁膜411
5、同じくメッキで形成した銅からなる第2の電極41
12を積層した形になっている。また、第1の電極41
11と第2の電極4112は連結されて1本の線状の電
極を形成し、コア4113周りに巻かれている。
【0044】コイル412も同様に銅からなる第1の電
極4121、ポリイミドからなる第1の層間絶縁膜41
24、鉄とニッケルの合金からなるコア4123、ポリ
イミドからなる第2の層間絶縁膜4125、銅からなる
第2の電極4122を積層した形になっている。そし
て、第1の電極4121と第2の電極4122は連結さ
れて1本の線状の電極を形成し、コア4123周りに巻
かれている。ヨーク4211,4212,4221,4
222は、鉄とニッケルの合金からなる薄膜で、スパッ
タリング法で形成したものである。
【0045】図1で示したように、永久磁石401、コ
イル411、ヨーク4211,4212が一組の電磁ア
クチュエータ回路を形成しており、可動部材101の先
端に固定された軟磁性部材430から離れる方向に順
次、コイル411及び永久磁石401が配置されてい
る。ヨーク4211と4212は、永久磁石401とコ
イル411を含む磁気回路を形成するためのもので、永
久磁石401とは接触しているが、コイル411の中に
あるコア4113とは接触しないように配置されてい
る。すなわち、ヨーク4211とコア4113との間及
びヨーク4212とコア4113との間にはすき間が形
成されている。また、永久磁石402、コイル412、
ヨーク4221,4222がもう一組の電磁アクチュエ
ータ回路を形成しており、軟磁性部材430から離れる
方向に順次、コイル412及び永久磁石402が配置さ
れている。また同様に、ヨーク4221と4222は、
永久磁石402とは接触しているが、コア4123との
間にはそれぞれすき間が形成されている。
【0046】本実施の形態における光スイッチでは、コ
イル411とコイル412に流す電流の向きを変えるこ
とによって、可動部材101上の軟磁性部材430を電
磁アクチュエータの方に引き寄せたり引き離したりする
ことができ、その力で、可動部材101を弾性変形させ
ることができる。そして、例えば、可動部材101を第
2の光導波路202の方に弾性変形させると、可動部材
101は、最終的に停止部材501にぶつかってその位
置に静止する。ここでは、可動部材101が停止部材5
01にぶつかって静止している位置を第1の位置と呼ぶ
ことにする。逆に、可動部材101を第3の光導波路2
03の方に弾性変形させると、可動部材101は、最終
的に停止部材502にぶつかってその位置に静止する。
可動部材101が停止部材502にぶつかって静止して
いる位置を、同じように第2の位置と呼ぶことにする。
【0047】本実施の形態の光スイッチにおいては、可
動部材101が第1の位置にあるとき、可動部材101
に支えられた第1の光導波路201が第2の光導波路2
02と光学的に結合し、可動部材101が第2の位置に
あるとき、第1の光導波路201が第3の光導波路20
3と光学的に結合するように全体の構成要素がレイアウ
トされている。なお、停止部材501及び502は、可
動部材101を形成するときに行う上部クラッド212
と下部クラッド211のドライエッチングで生まれた端
面を、そのまま利用している。このために、停止部材5
01,502の位置精度を機械加工に比べてはるかに高
くすることができ、光導波路同士の高精度な位置合わせ
を実現することができる。
【0048】次に、本実施の形態における光スイッチの
動作原理を、図5〜図9を用いて説明する。図5は、本
実施の形態における光スイッチの可動部材及び電磁アク
チュエータ回路の部分の詳細上面図である。図1で示し
たように、この光スイッチには、永久磁石、コイル、及
びヨークからなる電磁アクチュエータ回路が、可動部材
101上の軟磁性部材430の両側に1つずつ形成され
た形になっており、可動部材101は、始め2つの電磁
アクチュエータ回路の真ん中である初期位置にある。永
久磁石401及び402は両方とも、図5の左側にS
極、右側にN極がくるように配置されている。コイル4
11とコイル412は同じ向きに巻かれており、図5で
示したように、コイル411を構成する第1の電極41
11の右上を位置X、左下を位置Yとし、同様にコイル
412を構成する第1の電極4121の右上を位置X、
左下を位置Yとしておく。また、コイルの中にあるコア
と隣接するヨークとの間のすき間の長さをLとする。
【0049】図6は、永久磁石401、コイル411、
及びヨーク4211,4212からなる電磁アクチュエ
ータ回路に着目し、この回路のコイルを構成する電極
に、位置Yから位置Xに電流が流れるように電圧を印加
したときの磁束の様子を示している。なお、磁束の様子
が良くわかるように、以下の図ではコイルを構成する電
極を省略して示してある。図5で示したコイルの巻き方
と電流の流れ方から、コイルの中にあるコア4113に
発生する磁束は、図6で左側から右側に流れるようにな
る。この向きは、永久磁石401が作る磁束と同じ向き
になるため、ヨーク4211と4212の中でコイルに
よる磁束と永久磁石401による磁束が互いに強め合う
ことになり、大きな磁束が可動部材101上の軟磁性部
材430に入ることになる。その結果、軟磁性部材43
0が電磁アクチュエータ回路から受ける力をFとする
と、Fは、電磁アクチュエータ回路の方を向いた非常に
大きい力になり、この力によって、可動部材101を図
に示した初期位置から停止部材501側の第1の位置ま
で移動させることができる。
【0050】図7は、上述した図6の状態でコイルに流
す電流を止めたときの磁束の様子を示している。コイル
が作る磁束は消滅し、永久磁石401が作る磁束は、ヨ
ーク4211と4212を通って、可動部材101上の
軟磁性部材430とコイル411の中にあるコア411
3に入る。ただ、すでに述べたようにヨーク4211と
コア4113との間及びヨーク4212とコア4113
との間にはすき間Lがあるため、磁束の大半は、軟磁性
部材430の方に流れることになる。このため、Fは、
図6の状態よりもやや小さくはなるものの、依然として
電磁アクチュエータ回路の方を向いた大きい力になり、
可動部材101を第1の位置に保持することができる。
【0051】図8は、上述した図7の状態で、コイル4
11を構成する電極に、位置Xから位置Yに電流が流れ
るように電圧を印加したときの磁束の様子を示してい
る。流れる電流の向きを図6の場合の逆にしていること
から、コイルの中のコア4113に発生する磁束は、図
8で右から左へ流れるようになる。この向きは、永久磁
石401が作る磁束と反対向きになっているため、ヨー
ク4211と4212の中で、永久磁石による磁束とコ
イルによる磁束が反発し合うことになり、可動部材10
1上の軟磁性部材430にはほとんど磁束が入らないよ
うになる。その結果、Fの値はほとんどゼロになり、可
動部材101は自分自身の弾性力によって初期位置に戻
る。
【0052】図5で示したように、可動部材101の両
側に一つずつ電磁アクチュエータ回路が配置されている
場合、これまで述べてきた光スイッチの動作をまとめる
と図9のようになる。まずステップ1では、可動部材は
2つの電磁アクチュエータ回路の真ん中である初期位置
にあり、第1の位置側の電磁アクチュエータ回路のコイ
ルにも、第2の位置側の電磁アクチュエータ回路のコイ
ルにも電流は流していない。このとき、可動部材に働く
力はゼロであり、可動部材は初期位置に静止したままで
あり、したがって、可動部材上にある第1の光導波路
は、第2の光導波路にも第3の光導波路にも光学的には
結合していない。
【0053】ステップ2では、第1の位置側の電磁アク
チュエータ回路のコイルに、図6で示したように位置Y
から位置Xに電流が流れるように電源を接続する。そう
すると、可動部材101には、第1の位置の向きに強い
力が働き、可動部材は第1の位置に移動する。このと
き、可動部材上の第1の光導波路は、第2の光導波路と
光学的に結合し、光は第1の光導波路から第2の光導波
路に伝搬する。
【0054】ステップ3では、ステップ2で電磁アクチ
ュエータ回路のコイルに流していた電流を切断する。こ
のときは、図7で示したように、コイルが作る磁束は消
滅するが、永久磁石が作る磁束が可動部材を引き寄せる
力を生むため、可動部材にはステップ2のときよりは弱
いながらも第1の位置の向きに力が働く。したがって、
可動部材は、電源を切断した後でも第1の位置に保持さ
れ、第1の光導波路は、第2の光導波路と光学的な結合
を続けることになる。すなわちスイッチとして、電源を
切断してもその状態を保つ自己保持性を有することにな
る。この特性は、光スイッチには非常に重要なものであ
る。
【0055】ステップ4では、第1の位置側の電磁アク
チュエータ回路のコイルに、図8に示したように位置X
から位置Yに電流が流れるように電源を接続し、第2の
位置側の電磁アクチュエータ回路のコイルに、図6で示
したように位置Yから位置Xに電流が流れるように電源
を接続する。そうすると、第1の位置側にある電磁アク
チュエータ回路が可動部材を第1の位置に保持しようと
する力は、図8で説明したようにほとんどゼロになり、
可動部材は、自分自身の弾性力で初期位置に戻ろうと
し、更に図6で示したように可動部材は、第2の位置側
にある電磁アクチュエータ回路から強い力で引き寄せら
れるため、最終的に可動部材は、第2の位置に移動する
ことになる。このときは、可動部材上の第1の光導波路
は第3の光導波路と光学的に結合し、光は第1の光導波
路から第3の光導波路に伝搬する。この時点で光が伝搬
する経路の切り換えが完了することになる。
【0056】ステップ5では、ステップ4で電磁アクチ
ュエータ回路のコイルに流していた電流を切断する。こ
のときはステップ3の時と同様に、力の大きさは弱くな
るものの、可動部材には第2の位置向きに力が働き、可
動部材は電源を切断した後も第2の位置に保持される。
【0057】ステップ6では、第2の位置側の電磁アク
チュエータ回路のコイルに、図8で示したように位置X
から位置Yに電流が流れるように電源を接続する。そう
すると、第2の位置側にある電磁アクチュエータ回路が
可動部材を保持しようとする力はすでに述べたようにほ
とんどゼロになり、可動部材は自身の弾性力で初期位置
に戻る。もちろん、この時点で可動部材上にある第1の
光導波路は、第2の光導波路にも第3の光導波路にも光
学的には結合しなくなる。以上のようなステップを通し
て、本実施の形態での光スイッチは動作するものであ
る。
【0058】図10と図11は、すでに述べたコイルの
中にあるコアと隣接するヨークとの間にあるすき間Lの
効果について説明するための図である。図10は、永久
磁石401、コイル411、及びヨーク4211,42
12からなる電磁アクチュエータ回路に着目し、Lがゼ
ロの時に図9で説明したステップ3段階での磁束がどう
なるかを示した図で、ちょうどLがゼロでない場合の図
7に対応している。なお、磁束の様子が良く分かるよう
に、以下の図ではコイルを構成する電極を省略して示し
てある。
【0059】Lがゼロになると、図10のように永久磁
石401が作る磁束は、ヨーク4211及び4212を
通って大半がコイル411のコア4113に流れ込んで
しまい、可動部材101上の軟磁性部材430を通る磁
束はほとんど無くなってしまう。このため、可動部材を
第1の位置に保持しようとする力がほぼゼロになってし
まい、光スイッチに重要な自己保持機能が失われること
になる。すなわち、コイルに流す電流を切断すると、可
動部材は第1の位置に留まることができずに初期位置に
戻ってしまうことになる。
【0060】この様子をもう少し定量的に示したのが図
11である。Lが50μmの場合は、コイルに流す電流
をゼロにしても、可動部材には230μNの電磁アクチ
ュエータ回路側を向いた力が働くが、Lが0μmの場合
は、コイルに流す電流をゼロにすると可動部材にはまっ
たく力が働くなくなってしまうことが分かる。このよう
に、Lをゼロ以外の有限な値にすることによって、光ス
イッチの自己保持機能を達成することができるわけであ
る。
【0061】図12は、本実施の形態の光スイッチに用
いる永久磁石の構造を示したもので、図1のD−D線に
沿った断面図である。本実施の形態における光スイッチ
では、永久磁石401は、ネオジウム、鉄及びボロンか
らなる化合物をスパッタリング法で薄膜化したもので、
図12(1)のように、2つのヨーク4211と421
2の間に形成され、永久磁石401の両端がヨーク42
11,4212の上に迫り出した構造となっている。こ
の場合、永久磁石401の膜は、シリコン基板1に対し
水平方向に配向するように形成され、その方向に着磁さ
れる。すなわち、基板1に対し水平方向にN極とS極が
表れることになる。しかし、薄膜の永久磁石を作る工程
は簡単ではないので、図13(2)のように、バルクの
永久磁石401をヨーク4211と4212を架橋する
ように配置しても良い。この場合も、光スイッチの機能
はなんら損なわれるものではない。
【0062】また、図13(3)のように、シリコン基
板1上に先に薄膜の永久磁石401を形成しておき、後
からヨーク4211と4212を形成しても良い。この
場合は、ヨーク4211,4212の端部が永久磁石4
01の上に迫り出した構造となる。この方法は、永久磁
石401を形成するときにはヨーク4211,4212
がまだできていないので、永久磁石401の形成温度を
高くしたり、高温でのアニールが必要となった場合など
に有利である。
【0063】図13(4)は、永久磁石401の膜の配
向が、シリコン基板1に対し垂直な場合に用いることが
できる構造である。この場合は、シリコン基板1に対し
垂直な方向に着磁も行われ、基板1に対し垂直方向にN
極とS極が表れることになる。この場合も、もちろん、
光スイッチの機能はなんら損なわれるものではない。ま
た、ここではネオジウム、鉄、及びボロンからなる化合
物を磁石の材料にしているが、保持力の高い材料であれ
ばこれに限ったものではなく、例えばサマリウムとコバ
ルトの化合物をはじめ、硬磁性材料であればどんな材料
でも用いることができる。
【0064】図13は、本実施の形態の光スイッチに用
いるコイルの構造を詳細に説明した図であり、図13
(1)は上面図、図13(2)はE−Eに沿った断面図、
図13(3)はF−Fに沿った断面図である。本実施の
形態では、シリコン基板1に形成した上部クラッド21
2の上に、まず、銅からなる櫛歯状の第1の電極411
1をメッキ法で形成する。次に、感光性ポリイミドから
なる第1の層間絶縁膜4114を、電極4111を部分
的に覆うようにスピンコート法で形成する。さらに、鉄
とニッケルの合金からなるコア4113を、第1の層間
絶縁膜4114の上にスパッタリング法で形成する。次
に、感光性ポリイミドからなる第2の層間絶縁膜411
5を、コア4113を覆うようにスピンコート法で形成
する。最後に、銅からなる櫛歯状の第2の電極4112
を、第2の層間絶縁膜4115の上に第1の電極411
1をつなぐようにメッキ法で形成する。このような構造
にすることにより、中心部に鉄とニッケルの合金からな
るコアを有するコイルを、シリコン半導体製造技術を使
って組立工程の一切無いプロセスで形成することができ
る。
【0065】本実施の形態では、第1の電極及び第2の
電極は、膜厚10μm程度の厚い膜でも簡単にでき比抵
抗も小さいことからメッキ法で形成した銅膜を用いてい
るが、金を始めとする他の金属メッキ膜を用いても同様
な構造のコイルを形成することができる。また、メッキ
以外にも、スパッタリング法を用いて形成したアルミニ
ウムやアルミニウムと銅の合金膜等の金属膜を用いても
良い。また、第1の層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜とし
て、本実施の形態では工程が簡単で耐熱性も良い感光性
のポリイミドを用いているが、感光性の無いポリイミド
をエッチングで加工して形成しても良いし、通常のフォ
トレジストを用いても良い。ただし、光スイッチの熱に
対する信頼性を考えるとポリイミドを用いた方が安全で
ある。また、コアとして、本実施の形態ではスパッタリ
ング法で形成した鉄とニッケルの合金薄膜を用いている
が、メッキ法で形成することも可能であるし、場合によ
っては、鉄とニッケルの合金で構成された箔を接着剤で
貼り付け、これをエッチングで加工することも可能であ
る。また、本実施の形態では、第1の電極と第2の電極
を直接接触させてコイルを形成しているが、第1の層間
絶縁膜と第2の層間絶縁膜にスルーホールを形成し、そ
の中に金属を埋め込んでその金属を介して第1の電極と
第2の電極を接触させることも可能である。
【0066】図12で説明した永久磁石と図13で説明
したコイルをつないで磁気回路を形成するヨークは、本
実施の形態ではスパッタリングで形成した鉄とニッケル
の合金からなる薄膜を用いている。しかし、この方法に
限ったものではなく、コイルのコアと同様に同種の材料
をメッキで形成することも可能であるし、箔を接着剤で
貼り付けてエッチングで加工することも可能である。
【0067】本実施の形態で述べてきた光スイッチは、
組立工程の無いシリコン半導体製造技術と光集積回路製
造技術のみで製造することができるので、生産性が非常
に高く、かつ光の切り換えに電磁力を利用する電磁アク
チュエータ回路を用いているので、5ボルト以下の低電
圧で動作させることが可能である。
【0068】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態における光スイッチの構造を図14を用い
て説明する。図14は、第1の実施の形態で説明した光
スイッチを、同一のシリコン基板1上に7個並べて作成
した1入力4出力の光スイッチを示している。光スイッ
チの基本単位10は、すでに第1の実施の形態で述べて
きたように可動部材上の第1の光導波路201、第2の
光導波路202、第3の光導波路203、及び永久磁
石、コイル、及びヨークからなる電磁アクチュエータ回
路41,42を有し、入力側の基本単位光スイッチの第
2の光導波路と第3の光導波路が接続用の光導波路20
4と205を介して、出力側の基本単位光スイッチの第
1の光導波路に接続されている。これらの光導波路は全
て一枚のシリコン基板上の下部クラッドと上部クラッド
に挟まれた形で一括で形成されており、個々の光スイッ
チの基本単位を個別に作成して、それを一枚のシリコン
基板に貼り合わせて作成しているわけではない。
【0069】したがって、本実施の形態で説明した1入
力4出力の光スイッチも、組立工程の無いシリコン半導
体製造技術と光集積回路製造技術のみで製造することが
できるので、生産性が非常に高く、かつ光の切り換えに
電磁力を利用する電磁アクチュエータ回路を用いている
ので、5ボルト以下の低電圧で動作させることができ
る。また、本実施の形態の光スイッチを組み合わせるこ
とにより、任意の1入力N出力光スイッチを作成するこ
とができる。
【0070】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態における光スイッチの構造を図15を用い
て説明する。図15は、第1の実施の形態で説明した光
スイッチを基本単位とし、同一のシリコン基板1上にこ
の基本単位光スイッチを2個並べて作成した2入力2出
力の光スイッチを示している。可動部材101上にある
第1の光導波路201は、第2の光導波路202もしく
は第3の光導波路203のいずれか一方と光学的に結合
するように配置されており、どちらの光導波路と結合す
るかは、電磁アクチュエータ回路41及び42と可動部
材101上にある軟磁性部材430との間に働く電磁力
によって切り換えることができる。
【0071】また、本実施の形態では、第2の光導波路
202の各々と滑らかにつながる第4の光導波路206
と、第3の光導波路203の各々と滑らかにつながる第
5の光導波路207が設けられている。そして、第2の
光導波路202と第5の光導波路207とが直交する場
合は、平面交差か又は立体交差となっている。
【0072】本実施の形態の光スイッチにおいては、例
えば入力1と出力1を結合させる場合、左上の基本単位
光スイッチの第1の光導波路201を第3の光導波路2
03に結合させるだけで良いので、入力端から出力端に
行くまでの間に1個の基本単位光スイッチしか通らない
ことになる。従来の技術のところでも述べたように、1
入力2出力の光スイッチを組み合わせて2入力2出力の
光スイッチを構成する場合は、入力端から出力端に行く
までの間に必ず2個の基本単位光スイッチを通ることに
なるので、光の損失が1つの光スイッチの2倍になる
が、新たに光導波路206,207を設けた本実施の形
態では、上述したように通過する光スイッチの数が1個
になるので、損失を半減することが可能となる。本実施
の形態では2入力2出力の場合を説明しているが、本構
造は、N入力M出力の大規模光スイッチに適用すること
も可能で、1入力2出力の光スイッチを組み合わせただ
けの光スイッチと比較して、はるかに低損失の光スイッ
チを提供することが可能である。
【0073】5ボルト以下の低電圧で駆動できるという
長所や組立工程の無いプロセスで作製できるという長所
は、もちろん本実施の形態でも保存されている。なお、
本実施の形態では、第2の光導波路202と第5の光導
波路207は90度で交差しているが、この角度は90
度に制約されるものではなく、それ以外の角度で交差し
ても良い。また、本実施の形態では、第2の光導波路2
02は第5の光導波路206に接するように、また第3
の光導波路203は第5の光導波路207に接するよう
につながっているが、第2の光導波路202と第5の光
導波路207とが交差する角度よりも相対的に滑らかで
あれば、必ずしも接するようにつなげる必要はない。
【0074】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態における電磁アクチュエータの構造を図1
6を用いて説明する。この電磁アクチュエーは磁気ディ
スクのヘッド支持体に適用されている。シリコン基板1
に、2本の足で片持ち梁状に支持されている弾性変形可
能な可動部材101が、シリコンの異方性エッチングを
用いて形成され、その梁の先端には、スパッタリング法
で形成された鉄とニッケルの合金からなる軟磁性部材4
30が形成されている。シリコン基板1の可動部材10
1以外のところには、軟磁性部材430を中心にして両
側に電磁アクチュエータ回路が形成されている。
【0075】一方の電磁アクチュエータ回路は、永久磁
石401、コイル411、及びヨーク4211,421
2から構成されている。そして、永久磁石401は、ス
パッタリング法で形成したネオジウム、鉄、及びボロン
の化合物薄膜でできている。またコイル411は、メッ
キ法で形成した銅からなる第1の電極4111、スピン
コート法で形成したポリイミドからなる第1の層間絶縁
膜、スパッタリング法で形成された鉄とニッケルの合金
からなるコア4113、スピンコート法で形成したポリ
イミドからなる第2の層間絶縁膜、メッキ法で形成した
銅からなる第2の電極4112を順次積層したものでで
きている。さらにヨークは、スパッタリングで形成され
た鉄とニッケルの合金からできている。もう一方の電磁
アクチュエータ回路は、永久磁石402、コイル41
2、及びヨーク4221,4222から構成されてお
り、構成要素の材料や作製法は前述の電磁アクチュエー
タ回路とまったく同じである。可動部材101の先端の
軟磁性部材430の反対側(図16では裏側)には、磁
気ヘッドを搭載したスライダ11が固定されている。
【0076】磁気ディスクでは、記録密度の増加に対応
して、記録ピッチが非常に狭くなっており、従来のボイ
スコイルモータだけでは正確な位置決めができなくなっ
てきている。本実施の形態における磁気ディスクのヘッ
ド支持体は、可動部材101の両側に、図1に示したも
のとまったく同じ構造をもつ電磁アクチュエータ回路を
有しており、それぞれの電磁アクチュエータ回路の中に
あるコイルに電流を流すことによって、スライダの位置
を微妙に動かすことができる。
【0077】このようなヘッド支持体を用いると、ボイ
スコイルモータだけでは達成できない高精度な位置決め
を、ボイスコイルモータによる粗動と本実施の形態での
ヘッド支持体による微動の組み合わせにより達成するこ
とができ、磁気ディスクの記録密度を大幅に増加させる
ことが可能となる。本実施の形態では、位置検出用のセ
ンサは含まれていないが、そのような位置検出用センサ
を組み合わせると、より高精度な位置決めが可能とな
る。
【0078】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態における光スイッチの構造を図17を用い
て説明する。図17は、第5の実施の形態における光ス
イッチの上面図を示している。第1の実施の形態と同様
にシリコンのウエハからなる基板1の上に、まず下部ク
ラッドが形成され、その上に第1の光導波路201、第
2の光導波路202、及び第3の光導波路203が光集
積回路製造技術を用いて形成され、最後に上部クラッド
が形成されている。本実施の形態での特徴部分は、電磁
アクチュエータ回路が可動部材101の片側のみに設け
られていることと、第1の光導波路201が第3の光導
波路203と対向する位置に配置されており、ここが初
期位置となっていることである。
【0079】可動部材101は、上部クラッドと下部ク
ラッドをドライエッチングで表面から加工した後、その
部分のシリコンを基板の裏側から異方性エッチングで除
去することにより作製される。このようにして作製され
た可動部材101は、シリコン基板1に片持ち梁状に支
持されており、基板表面に水平な方向に弾性変形が可能
である。この可動部材101は、ちょうど第1の光導波
路201を支えるような位置に形成されており、可動部
材1の弾性変形によって、第1の光導波路201の位置
を自由に変えることができるようになっている。また、
この可動部材101上の上部クラッド表面には、スパッ
タリング法で形成された鉄とニッケルの合金からなる軟
磁性部材430が形成されている。上部クラッド上の第
2の光導波路側には、電磁力により可動部材101を駆
動するために用いる永久磁石401、コイル411、及
びヨーク4211,4212が形成されている。これら
の要素は、第1の実施の形態で説明したものとまったく
同一構造のものが用いられている。
【0080】本実施の形態での光スイッチでは、コイル
411に流す電流の向きを変えることによって、可動部
材101上の軟磁性部材430を電磁アクチュエータの
方に引き寄せたり引き離したりすることができ、その力
で、可動部材101を弾性変形させることができる。可
動部材101は、初期的には第1の光導波路201と第
3の光導波路203が対向する位置にあり(この位置
は、第1の実施の形態のところで説明した第2の位置に
対応する)、このときは、当然、可動部材101に支え
られた第1の光導波路201は第3の光導波路203と
光学的に結合している。
【0081】ここで、コイル411の電極に、可動部材
101上の軟磁性部材430を引き寄せる向きの電流を
流すと、可動部材101は、第2の光導波路の方に弾性
変形し、最終的に停止部材501で位置決めされる第1
の位置に移動する。このとき、第1の光導波路は、第2
の光導波路202と光学的に結合する。その後コイルに
流す電流を切断しても、軟磁性部材430が永久磁石4
01から引力を受けるため、可動部材101は第1の位
置に保持され、第1の光導波路201は第2の光導波路
202と光学的な結合を続ける。
【0082】そして次に、コイル411の電極に、軟磁
性部材430を引き離す向きの電流を流すと、今度は可
動部材101は自分自身の弾性力によって初期位置(第
2の位置)に戻り、第1の光導波路201は第3の光導
波路203と光学的に結合する。この状態でコイルに流
す電流を切断しても可動部材101は自分自身の弾性力
によりこの位置にとどまるので、第1の光導波路201
は第3の光導波路203と光学的な結合を続ける。
【0083】なお、停止部材501は、可動部材101
を形成するときに行う上部クラッド212と下部クラッ
ド211のドライエッチングで生まれた端面を、そのま
ま利用している。したがって、停止部材の位置精度を機
械加工に比べてはるかに高くすることができ、光導波路
同士の高精度な位置合わせを容易に実現することができ
る。
【0084】本実施の形態で述べてきた光スイッチは、
第1の実施の形態で述べた光スイッチと同様、組立工程
の無いシリコン半導体製造技術と光集積回路製造技術の
みで製造することができるので、生産性が非常に高く、
かつ光の切り換えに電磁力を利用する電磁アクチュエー
タ回路を用いているので、5ボルト以下の低電圧で動作
させることが可能である。さらに、第1の実施の形態で
の光スイッチと比較して電磁アクチュエータ回路の数が
半分でできるので、スイッチの小型化や高集積化に一層
有利である。
【0085】(第6の実施の形態)次に、本発明の第6
の実施の形態における光スイッチの構造を図18を用い
て説明する。図18は、第6の実施の形態における光ス
イッチの上面図を示している。光導波路や可動部材の構
造は、第1の実施の形態とほぼ同様である。すなわち、
シリコンのウエハからなる基板1の上に、まず下部クラ
ッドが形成され、その上に第1の光導波路201、第2
の光導波路202、及び第3の光導波路203が光集積
回路製造技術を用いて形成され、最後に上部クラッドが
形成されている。第1の光導波路は、第2の光導波路と
第3の光導波路のちょうど真ん中に位置するように配置
されており、ここが初期位置となっている。
【0086】可動部材101は、上部クラッドと下部ク
ラッドをドライエッチングで表面から加工した後、その
部分のシリコンを基板の裏側から異方性エッチングで除
去することにより作製される。このようにして作製され
た可動部材101は、シリコン基板1に片持ち梁状に支
持されており、基板表面に水平な方向に弾性変形が可能
である。この可動部材101は、ちょうど第1の光導波
路201を支えるような位置に形成されており、可動部
材101の弾性変形によって、第1の光導波路の位置を
自由に変えることができるようになっている。但し、こ
の可動部材101上の上部クラッド表面には、第1の実
施の形態と異なりスパッタリング法で形成された、ネオ
ジウム、鉄、及びボロンの合金からなる永久磁石403
が設けられている。
【0087】また、上部クラッド上には、電磁力により
可動部材101を駆動するために用いるコイル411,
412、及びヨーク4211,4212,4221,4
222が形成されている。コイル411及び412は、
第1の実施の形態とまったく同様な構造をしている。ヨ
ーク4211,4212,4221,4222は、スパ
ッタリング法で形成した鉄とニッケルの合金からなる薄
膜で、材料は同じだが、構造は大きく異なっている。す
なわち、本実施の形態では、コイル411、ヨーク42
11及び4212が一組の電磁アクチュエータ回路を形
成しており、コイル411の中にあるコア4113とヨ
ーク4211及び4212は直接接続されていて、第1
の実施の形態のようなすき間は存在しない。また、コイ
ル412、ヨーク4221及び4222も一組の電磁ア
クチュエータ回路を形成しており、コア4123とヨー
クの間にすき間はない。
【0088】本実施の形態の光スイッチでは、コイル4
11とコイル412に流す電流の向きを変えることによ
って、可動部材101上の永久磁石403を電磁アクチ
ュエータの方に引き寄せたり引き離したりすることがで
き、その力で、可動部材101を弾性変形させることが
できる。そして、例えば、可動部材101を第2の光導
波路202の方に弾性変形させると、可動部材101
は、最終的に停止部材501にぶつかって第1の位置に
静止し、第1の光導波路201が第2の光導波路202
と光学的に結合する。逆に、可動部材101を第3の光
導波路203の方に弾性変形させると、可動部材101
は、最終的に停止部材502にぶつかって第2の位置に
静止し、第1の光導波路201が第3の光導波路203
と光学的に結合する。
【0089】本実施の形態では、停止部材501及び5
02として、可動部材101を形成するときに行う上部
クラッドと下部クラッドのドライエッチングで生まれた
端面をそのまま利用しているので、停止部材の位置精度
を機械加工に比べてはるかに高くすることができ、光導
波路同士の高精度な位置合わせを容易に実現することが
できる。
【0090】光導波路の切り換え動作は、第1の実施の
形態と異なり、コイル411が作る磁束が可動部材10
1上の永久磁石403の磁束を強めるように電流がコイ
ルに流れた場合に、永久磁石がコイル411の方に引っ
張られ、可動部材は第1の位置に移動する。逆に、コイ
ル411が作る磁束が可動部材101上の永久磁石40
3の磁束を弱めるように電流がコイルに流れた場合に、
永久磁石403をコイル411の方に引っ張る力が失わ
れ、可動部材101は自分自身の弾性力で初期位置に移
動する。
【0091】図19は、コイルと永久磁石の構造が同じ
時に、コイルに流す電流密度と可動部材に働く力の関係
を第1の実施の形態と本実施の形態(第6の実施の形
態)で比較した結果を示してある。第1の実施の形態に
比べて本実施の形態は、コイルに流す電流密度を大きく
しないと可動部材に働く力が小さくならない。すなわ
ち、本実施の形態の方が光導波路の切り換えに大きな電
流密度が必要となるわけである。このように、本実施の
形態は光導波路の切り換えという点では第1の実施の形
態よりも不利であるが、構造は第1の実施の形態よりも
簡単であり、生産性の一層の向上が達成できる。
【0092】(第7の実施の形態)次に、本発明の第7
の実施の形態における光スイッチの構造を図20及び図
21を用いて説明する。図20は第7の実施の形態にお
ける光スイッチの上面図を、図21は図20のG−G線
に沿った断面図をそれぞれ示している。本実施の形態で
の光スイッチは、シリコンウエハからなる基板1を2枚
張り合わせた構造になっており、下のシリコンウエハ基
板1上には、ガラスからなる絶縁層213が形成され、
更にその上に、第1の実施の形態で説明したものと同じ
構造を有する永久磁石401、コイル411、ヨーク4
211及び4212からなる電磁アクチュエータ回路が
形成されている。コイルの構造やコイルのコアとヨーク
の間にすき間が存在するところも、第1の実施の形態と
同様である。
【0093】上記のシリコンウエハ基板1上には、下部
クラッド211、第1の光導波路201、及び上部クラ
ッド212が積層された構造からなる可動部材101
が、第1の実施の形態とまったく同じ方法で形成されて
いる。ただし、第1の実施の形態においては、この可動
部材は基板に対し水平方向に弾性変形するように作られ
ているが、本実施の形態においては、可動部材101は
基板1に対し垂直方向に弾性変形するように作られてい
る。すなわち、基板の幅方向に薄くなるように作られ
る。なお、可動部材101の下側のシリコンは、異方性
エッチングにより完全に除去しておく。第1の光導波路
と光学的に結合する第2の光導波路と第3の光導波路
は、本実施の形態では基板に対し垂直方向に積層された
構造をしている。すなわち、シリコン基板1上に下部ク
ラッド211、第3の光導波路203、下部クラッド2
11、第2の光導波路202、及び上部クラッド212
が順次積層された構造になっている。初期位置では、第
1の光導波路201が、第2の光導波路202に結合す
るように配置されており、第3の光導波路は第2の光導
波路の下に配置されている。
【0094】可動部材101上の上部クラッド212表
面には、スパッタリング法で形成されたニッケルとクロ
ムの合金からなる発熱用の抵抗膜404及び405と、
抵抗膜に電流を流すためのスパッタリング法で形成され
たアルミニウムからなる電極膜303,304,305
が形成されている。また、可動部材101の抵抗膜が形
成されている面の反対側の面には、スパッタリング法で
形成された鉄とニッケルの合金からなる軟磁性部材43
0が形成されている。
【0095】本実施の形態においては、初期的には、第
1の光導波路201は第2の光導波路202と光学的に
結合している。この状態で、発熱用抵抗膜404と40
5に電流を流すと、抵抗膜はジュール熱により発熱し、
抵抗膜の方がクラッドよりも熱膨張係数が大きいことか
ら、可動部材101は下方にたわむことになる。そし
て、可動部材下面にある軟磁性部材430が、下側のシ
リコン基板上にある電磁アクチュエータ回路のヨーク4
211及び4212に接触すると、電磁アクチュエータ
回路内の永久磁石401からの引力によって、可動部材
は、その位置に静止する。このとき、可動部材上の第1
の光導波路201が、第3の光導波路203に光学的に
結合するように導波路やクラッドを配置しておくと、抵
抗膜に電流を流すことによって、光路を切り換えること
ができることになる。可動部材101をこの状態から初
期位置に戻すためには、電磁アクチュエータ回路内のコ
イル411に電流を流して、永久磁石401の磁束を打
ち消せば良い。このようにすれば、可動部材101が永
久磁石401から受ける引力が消えるため、可動部材1
01は自分自身の弾性力によって初期位置に戻り、第1
の光導波路201は再び第2の光導波路202と光学的
に結合する。
【0096】本実施の形態での光スイッチは、シリコン
基板に対し垂直方向に移動可能な可動部材を用いてスイ
ッチを構成しているため、厚さは厚くなるが、素子の面
積は、第1の実施の形態の光スイッチよりも小さくする
ことができる。また、この構造は、次に説明するN入力
M出力の光スイッチを作る上で、たいへん大きな効果を
もつ。次にその内容について説明する。
【0097】(第8の実施の形態)図22は本発明の第
8の実施の形態を示しており、上述した第7の実施の形
態における光スイッチを複数組み合わせた2入力2出力
の光スイッチの上面図である。本実施の形態における光
スイッチは、第7の実施の形態で説明した光スイッチを
基本単位とし、同一のシリコン基板1上にこの基本単位
光スイッチを2個並べて作成した2入力2出力の光スイ
ッチである。可動部材101上にある第1の光導波路2
01は、第2の光導波路202もしくは第3の光導波路
203のいずれか一方と光学的に結合するように配置さ
れており、どちらの光導波路と結合するかは、電磁アク
チュエータ回路41と可動部材101上にある抵抗膜4
04及び405によって切り換えることができる。
【0098】また、本実施の形態では、第2の光導波路
202は第4の光導波路206に滑らかにつながり、ま
た第3の光導波路203は第5の光導波路207に滑ら
かにつながっている。そして、第2の光導波路202と
第5の光導波路207が直交する箇所では、第2の光導
波路202と第5の光導波路207は平面的に交差して
いるか、または立体交差となっている。また第4の光導
波路206及び第5の光導波路207は、第2の光導波
路202や第3の光導波路203と同一のシリコン基板
1上に形成されている。
【0099】本実施の形態での光スイッチにおいては、
例えば入力1と出力1を結合させる場合、左上の基本単
位光スイッチの第1の光導波路201を第3の光導波路
203に結合させるだけで良いので、入力端から出力端
に行くまでの間に1個の基本単位光スイッチしか通らな
いことになる。こうすることにより、第3の実施の形態
のところでも説明したように、入出力端間での損失を従
来の半分にすることが可能となる。
【0100】第2の光導波路202と第5の光導波路2
07を立体交差にした場合は、両光導波路内を通る光の
相互の干渉がまったく無く、また交差点での光の損失も
まったく無い。したがって、第3の実施の形態で述べた
光スイッチよりもさらに一層損失の低減に効果がある。
【0101】本構造は、もちろんN入力M出力の大規模
光スイッチに適用することも可能で、1入力2出力の光
スイッチを組み合わせただけの光スイッチと比較して、
はるかに低損失の光スイッチを提供することが可能であ
る。第7の実施の形態で説明した基板に対し垂直方向に
移動可能な可動部材が実現できたことによって、このよ
うな低損失の光スイッチが可能になったわけである。
【0102】なお、本実施の形態では、5ボルト以下の
低電圧で駆動できるという長所や組立工程の無いプロセ
スで作製できるという長所は失われている。可動部材の
移動に熱を利用するため、電磁力を利用するよりも高い
電圧が必要である。また、基板に対し垂直方向に可動部
材を移動するため、2枚のシリコン基板の張り合わせる
という組立工程を取り入れている。
【0103】本実施の形態では、第2の光導波路202
と第5の光導波路207は90度でに交差しているが、
この角度は90度に制約されるものではなく、それ以外
の角度で交差しても良い。さらに、本実施の形態では、
第2の光導波路202は第4の光導波路206に接する
ように、また第3の光導波路203は第5の光導波路2
07と接するようにつながっているが、第2の光導波路
202と第5の光導波路207とが交差する角度よりも
相対的に滑らかであれば、必ずしも接するようにつなが
る必要はない。
【0104】
【発明の効果】以上説明したのように本発明によれば、
電磁力もしくはバイメタル効果によって片持ち梁状に支
持された可動部材を動かすことができ、それにより可動
部材上にある第1の光導波路を、第2の光導波路もしく
は第3の光導波路に光学的に結合させて、光信号の伝搬
する経路を切り替る光スイッチを得ることができる。駆
動源として、電磁力やバイメタル効果を用いているの
で、従来の技術のように静電力を利用した光スイッチと
比較して駆動電圧を下げることができ、他の電子部品と
同じ5ボルトでの駆動が可能となる。
【0105】また、本発明の光スイッチは、通過する光
スイッチ要素の数を少なくできるので、N入力M出力の
光スイッチの損失を従来の光スイッチよりもはるかに低
減することが可能である。また、本発明の光スイッチ
は、シリコン半導体製造技術と光集積回路製造技術を用
いて作製することができるので、組立工程が一切不要で
ある。そのため、非常に生産性のよい光スイッチを提供
することが可能である。さらに、本発明の光スイッチに
用いられている電磁アクチュエ−タ回路は、磁気ディス
クのヘッド支持体を始めとする可動部材を有する他の多
くの電子部品の小型化や駆動電圧の低減に用いることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光スイッチの
上面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図である。
【図4】図1のC−C線に沿った断面図である。
【図5】図1に示す光スイッチの切り換え部の詳細上面
図である。
【図6】図5の電磁アクチュエ−タ回路部に電流を流し
たときの磁束を示す図である。
【図7】図5の電磁アクチュエ−タ回路部に流す電流を
切断したときの磁束を示す図である。
【図8】図5の電磁アクチュエ−タ回路部に図6に示し
た向きと反対向きに電流を流したときの磁束を示す図で
ある。
【図9】図1に示す光スイッチの動作を表す説明図であ
る。
【図10】図1に示す光スイッチのコイルとコアが接触
しているときの磁束を示す図である。
【図11】図1に示す光スイッチにおけるコイルに流す
電流と可動部材にはたらく力の関係を表す図である。
【図12】図1に示す光スイッチの永久磁石の構造を示
す図である。
【図13】図1に示す光スイッチのコイルの構造を示す
図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態による光スイッチ
の上面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態による光スイッチ
の上面図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態による磁気ディス
クヘッド支持体の上面図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態による光スイッチ
の上面図である。
【図18】本発明の第6の実施の形態による光スイッチ
の上面図である。
【図19】図1の光スイッチと図19の光スイッチにお
けるコイルに流す電流と可動部材に働く力の関係を表す
図である。
【図20】本発明の第7の実施の形態による光スイッチ
の上面図である。
【図21】図20のG−G線に沿った断面図である。
【図22】本発明の第8の実施の形態による光スイッチ
の上面図である。
【図23】従来の光スイッチの上面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 10 光スイッチの基本単位 101 可動部材 11 磁ディスク用スライダ 201 第1の光導波路 202 第2の光導波路 203 第3の光導波路 204,205 光導波路 206 第4の光導波路 207 第5の光導波路 211 下部クラッド 212 上部クラッド 213 絶縁層 303,304,305 電極 401,402,403 永久磁石 404,405 発熱抵抗膜 411 コイル 4111 第1の電極 4112 第2の電極 4113 コア 4114 第1の層間絶縁膜 4115 第2の層間絶縁膜 412 コイル 4121 第1の電極 4122 第2の電極 4123 コア 4124 第1の層間絶縁膜 4125 第2の層間絶縁膜 4211,4212,4221,4222 ヨ−ク 430 軟磁性部材 501,502 停止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 照久 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 村西 勝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に片持ち梁状に支持され、全体が支
    持端側を中心にして前記基板に平行な面内で軸の左右両
    方向に弾性変形自在な可動部材と、前記可動部材に形成
    され光を伝搬する第1の光導波路と、前記基板上に幅方
    向に並べて形成され光を伝搬する第2の光導波路および
    第3の光導波路と、前記可動部材の自由端側に設けられ
    た軟磁性部材と、前記可動部材両側の前記基板上に設け
    られ、電流の供給により電磁力を発生する電磁力発生手
    段とを備え、前記電磁力発生手段で発生する電磁力で前
    記軟磁性部材を吸引し、前記可動部材を弾性変形させる
    ことにより、前記第1の光導波路を前記第2の光導波路
    または前記第3の光導波路に光学的に結合させることを
    特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】 基板に片持ち梁状に支持され、全体が支
    持端側を中心にして前記基板に平行な面内で軸の片方向
    に弾性変形自在な可動部材と、前記可動部材に形成され
    光を伝搬する第1の光導波路と、前記基板上に幅方向に
    並べて形成され光を伝搬する第2の光導波路および第3
    の光導波路と、前記可動部材の自由端側に設けられた軟
    磁性部材と、前記可動部材片側の前記基板上に設けら
    れ、電流の供給により電磁力を発生する電磁力発生手段
    とを備え、前記電磁力発生手段で発生する電磁力で前記
    軟磁性部材を吸引し、前記可動部材を弾性変形させるこ
    とにより、前記第1の光導波路を前記第2の光導波路ま
    たは前記第3の光導波路に光学的に結合させることを特
    徴とする光スイッチ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の光スイッチにお
    いて、 前記電磁力発生手段は、前記可動部材に平行に配置され
    た永久磁石と、該永久磁石と前記可動部材の間に配置さ
    れたコイルと、一側が前記永久磁石に接触し他側が前記
    軟磁性部材に対向配置され、かつ前記コイルを囲むよう
    に設けられた2つのヨークと、を備えていることを特徴
    とする光スイッチ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光スイッチにおいて、 前記コイルは中心にコアを有し、このコアの両端と前記
    ヨークとの間にはすき間が形成されていることを特徴と
    する光スイッチ。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の光スイッチにおいて、 前記永久磁石の主要部は、一方のヨークの一側と他方の
    ヨークの一側との間に配置されて前記両ヨークと同一面
    内にあり、かつ前記永久磁石の両端部が前記両ヨークの
    上に迫り出していることを特徴とする光スイッチ。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の光スイッチにおいて、 前記永久磁石は、一方のヨークの一側と他方のヨークの
    一側との間に配置されて前記両ヨークと同一面内にあ
    り、かつ前記両ヨークの一側端部が前記永久磁石の上に
    迫り出していることを特徴とする光スイッチ。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の光スイッチにおいて、 前記永久磁石は、一方のヨークの一側と他方のヨークの
    一側との間に架設されて前記両ヨークよりも上方位置に
    配置されていることを特徴とする光スイッチ。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の光スイッチにおいて、 前記永久磁石は一方のヨークの一側の上に配置され、さ
    らに前記永久磁石の上に他方のヨークの一側端部が迫り
    出していることを特徴とする光スイッチ。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の光スイッチにおいて、 前記永久磁石は、スパッタリング法を用いて前記基板上
    に形成したネオジウム、鉄及びボロンを含む化合物、ま
    たはサマリウム及びコバルトを含む化合物からなること
    を特徴とする光スイッチ。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載の光スイッチにおい
    て、 前記コイルは、金属からなる第1の電極、絶縁物からな
    る第1の層間絶縁膜、 軟磁性材料からなるコア、絶縁物からなる第2の層間絶
    縁膜、金属からなる第2の電極が同一の基板上に順次積
    層され、前記第1の電極と第2の電極は接続されて前記
    コア周りに巻き付けられていることを特徴とする光スイ
    ッチ。
  11. 【請求項11】 請求項3に記載の光スイッチにおい
    て、 前記ヨークは、スパッタリング法、蒸着法またはメッキ
    法を用いて形成された鉄及びニッケルを含む化合物から
    なることを特徴とする光スイッチ。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の光スイッチにおい
    て、 前記ヨークは、鉄及びニッケルを含む箔からなることを
    特徴とする光スイッチ。
  13. 【請求項13】 請求項1又は2に記載の光スイッチが
    同一基板上にツリー構造をなして複数段に配置され、か
    つ光信号入力側に近い段に配置された光スイッチの光導
    波路と、その次の段に配置された光スイッチの光導波路
    とが、前記基板上で接続されていることを特徴とする一
    入力多出力型光スイッチ。
  14. 【請求項14】 請求項1又は2に記載の光スイッチが
    同一基板上に並列して複数個配置され、かつ前記光スイ
    ッチの各々が有する第2の光導波路が前記基板上で第4
    の光導波路に、第3の光導波路が前記基板上で第5の光
    導波路にそれぞれ接続された多入力多出力型光スイッ
    チ。
  15. 【請求項15】 基板に片持ち梁状に支持され、全体が
    支持端側を中心にして前記基板に平行な面内で軸直角方
    向に弾性変形自在な可動部材と、前記可動部材に形成さ
    れ光を伝搬する第1の光導波路と、前記基板上に幅方向
    に並べて形成され光を伝搬する第2の光導波路および第
    3の光導波路と、前記可動部材の自由端側に設けられた
    永久磁石と、前記永久磁石近傍の前記基板上に設けら
    れ、電流の供給により電磁力を発生する電磁力発生手段
    とを備え、前記電磁力発生手段で発生する電磁力によっ
    て前記永久磁石を吸引し、当該永久磁石の位置が変位し
    て前記可動部材を弾性変形させることにより、前記第1
    の光導波路を前記第2の光導波路または前記第3の光導
    波路に光学的に結合させることを特徴とする光スイッ
    チ。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の光スイッチにおい
    て、 前記電磁力発生手段は、両端部が前記永久磁石に対向配
    置され略U字状に形成されたヨークと、該ヨークの周囲
    に巻き付けられたコイルとからなることを特徴とする光
    スイッチ。
  17. 【請求項17】 基板に片持ち梁状に支持され、熱膨張
    係数の異なる少なくとも2種類の材料で構成され、かつ
    全体が支持端側を中心にして前記基板に垂直な面内で軸
    直角方向に弾性変形自在な可動部材と、前記可動部材を
    加熱するための発熱抵抗体と、前記可動部材に形成され
    光を伝搬する第1の光導波路と、前記基板に深さ方向に
    並べて形成され光を伝搬する第2の光導波路および第3
    の光導波路と、前記可動部材の自由端側に設けられた軟
    磁性部材と、前記軟磁性部材近傍の前記基板上に設けら
    れ、電流の供給により電磁力を発生する電磁力発生手段
    とを備え、前記発熱抵抗体で前記可動部材を加熱するこ
    とによりバイメタル効果で当該可動部材を弾性変形させ
    るとともに、前記電磁力発生手段で発生する電磁力によ
    って前記軟磁性部材を吸引して前記可動部材を変形位置
    に拘束することにより、前記第1の光導波路を前記第2
    の光導波路または前記第3の光導波路に光学的に結合さ
    せることを特徴とする光スイッチ。
  18. 【請求項18】 請求項1〜12,15〜17に記載の
    光スイッチのいずれか、請求項13に記載の一入力多出
    力型光スイッチ、または請求項14に記載の多入力多出
    力型光スイッチを搭載したことを特徴とする光通信装
    置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜12,15〜17に記載の
    光スイッチのいずれか、請求項13に記載の一入力多出
    力型光スイッチ、または請求項14に記載の多入力多出
    力型光スイッチを搭載したことを特徴とする光伝送装
    置。
  20. 【請求項20】 請求項1〜12,15〜17に記載の
    光スイッチのいずれか、請求項13に記載の一入力多出
    力型光スイッチ、または請求項14に記載の多入力多出
    力型光スイッチを搭載したことを特徴とする光交換機。
  21. 【請求項21】 請求項1〜12,15〜17に記載の
    光スイッチのいずれか、請求項13に記載の一入力多出
    力型光スイッチ、または請求項14に記載の多入力多出
    力型光スイッチを搭載したことを特徴とする光路切り換
    え装置。
  22. 【請求項22】 請求項1〜12,15〜17に記載の
    光スイッチのいずれか、請求項13に記載の一入力多出
    力型光スイッチ、または請求項14に記載の多入力多出
    力型光スイッチを搭載したことを特徴とする光ファイバ
    ー通信網。
  23. 【請求項23】 基板に片持ち梁状に支持され、全体が
    支持端側を中心にして前記基板に平行な面内で軸直角方
    向に弾性変形自在な可動部材と、前記可動部材の自由端
    側に設けられた軟磁性部材と、前記軟磁性部材近傍の前
    記基板上に設けられ、電流の供給により電磁力を発生す
    る電磁力発生手段とを備え、前記電磁力発生手段で発生
    する電磁力によって、前記軟磁性部材の位置が変位して
    前記可動部材を弾性変形させることにより、前記可動部
    材に取付けられた被駆動物の位置を微調整する電磁アク
    チュエータ。
  24. 【請求項24】 基板に下部クラッドとなるガラス層を
    形成する工程と、前記ガラス層の上に光導波路を形成す
    る工程と、前記光導波路を包み込み上部クラッドとなる
    ガラス層を形成する工程と、エッチングを行うことによ
    り、片持ち梁状に支持され全体が前記基板に平行な面内
    で軸直角方向に弾性変形自在な可動部材を前記基板上に
    形成する工程と、前記可動部材の自由端側に軟磁性部材
    を形成または固定する工程と、前記軟磁性部材近傍の前
    記基板上に前記可動部材に平行に永久磁石を形成または
    固定する工程と、前記永久磁石と前記軟磁性部材との間
    の前記基板上にコイル用の第1の電極を形成する工程
    と、前記永久磁石と前記軟磁性部材との間の前記基板上
    にコイル用の第2の電極を形成する工程と、コイル用の
    絶縁性材料からなる層間絶縁膜を形成する工程と、一側
    が前記永久磁石に接触しかつ他側が前記軟磁性部材に対
    向配置され、前記コイルを囲むように2つのヨークを形
    成または固定する工程と、を含むことを特徴とする光ス
    イッチの製造方法。
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EP1360531A2 (en) * 2001-01-12 2003-11-12 Constellation Labs Devices and methods for switching transmission of light from one fiber to another
WO2010082524A1 (ja) * 2009-01-13 2010-07-22 日本電気株式会社 光機能集積デバイス

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