JPH09159888A - 外面識別可能な線材およびこれを用いたケーブル - Google Patents

外面識別可能な線材およびこれを用いたケーブル

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JPH09159888A
JPH09159888A JP7322978A JP32297895A JPH09159888A JP H09159888 A JPH09159888 A JP H09159888A JP 7322978 A JP7322978 A JP 7322978A JP 32297895 A JP32297895 A JP 32297895A JP H09159888 A JPH09159888 A JP H09159888A
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wire
filamentous
colored
self
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JP7322978A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Sano
裕昭 佐野
Hiroki Ishikawa
弘樹 石川
Shigeru Tanaka
茂 田中
Shinichi Furukawa
眞一 古川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色によって明確に識別できる外面識別可能な
線材を提供する。 【解決手段】 着色された糸状体5を被覆3の支持線部
の頭頂部分に埋め込んでなる外面識別可能な小型の自己
支持型光ケーブルであり、例えば、光屋外線として使用
される。この自己支持型光ケーブルが多数本集合した状
態にあるとき、この糸状体5の色の相違によって自己支
持型光ケーブルを識別できる。支持線1を有する支持線
部を光ファイバ心線2を有する光ファイバ収容部に沿わ
せ、両者を首部を有するシース3で一体化したダルマ型
構造であり、光ファイバ心線2の周囲に抗張力体4が配
される。糸状体5の材料は、被覆3の被覆材よりも低い
温度で軟化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信線や通信ケー
ブル用チューブなどの線材が一体に集合されてケーブル
とされるような場合に、集合された線材のそれぞれを識
別する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ケーブル等の線材を識別するために、
この外被に識別記号を印刷することが行なわれている。
光ケーブルの外被材料としては、種々の熱可塑性樹脂が
使用されている。一般に、最も安価で多量に使用されて
いるのはポリエチレンである。ところが、ポリエチレン
は他の樹脂との相溶性が悪いため、ポリエチレンで外被
を製作した線材は、表面へのインクの接着力が悪く、イ
ンク面のはがれが生じやすいという問題があった。特
に、外径が数mm以下の小径の線材では、インクで印字
しにくく、文字などの識別記号を付着させるのに適した
平坦面が存在しないという問題もあった。また、外被の
材質と異なるインクを使用した場合、実際の使用期間中
に温度変動等によって、界面がはがれたり紫外線によっ
てインクが退色するという問題があった。
【0003】また、押出し設備に変更を加えて、外被の
押出し成型時に異なる色相の材料を同時に送り込み、外
被にストライプを入れる成型も行なわれていたが、設備
コストがかかるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、色によって明確に識別する
ことができる外面識別可能な線材およびこれを用いたケ
ーブル、および、外面識別可能な線材の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、外面識別可能な線材において、着色された糸
状体と被覆を有し、前記糸状体は、前記被覆の外面部分
に埋め込まれていることを特徴とするものである。
【0006】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の外面識別可能な線材において、前記糸状体
は、前記被覆よりも軟化温度が低く、被覆の外面部分と
一体化されていることを特徴とするものである。
【0007】請求項3に記載の発明においては、請求項
1に記載の外面識別可能な線材において、前記糸状体
は、前記被覆が軟らかい状態にある温度においてもほぼ
形状を維持するものであり、前記糸状体の一部は、前記
被覆の外面に露出していることを特徴とするものであ
る。
【0008】請求項4に記載の発明においては、ケーブ
ルにおいて、複数本の線材を内部に収容し、少なくとも
2本の前記線材は、請求項1ないし3のいずれか1項に
記載の線材であり、前記少なくとも2本の線材の糸状体
は、異なる着色を有することを特徴とするものである。
【0009】請求項5に記載の発明においては、外面識
別可能な線材の製造方法において、線材の被覆であって
軟化温度以上に加熱された状態の被覆に対し、着色され
前記被覆よりも低い軟化温度を有する糸状体を、前記被
覆の側面より押し当て、前記糸状体を軟化させて被覆の
外面部分と一体化することを特徴とするものである。
【0010】請求項6に記載の発明においては、外面識
別可能な線材の製造方法において、線材の被覆であって
軟らかくなる温度以上に加熱された状態の被覆に対し、
着色され加熱温度においてほぼ形状を維持する糸状体
を、前記被覆の側面より押し当てて押し込み、前記糸状
体の一部を前記被覆の外面に露出させることを特徴とす
るものである。
【0011】請求項7に記載の発明においては、外面識
別可能な線材の製造方法において、着色され成型温度に
おいてほぼ形状を維持する糸状体を、線材の被覆の材料
と共に被覆の押出しダイに供給し、前記糸状体の一部が
前記被覆の外面に露出するように押出し成型することを
特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の外面識別可能な
線材の第1の実施の形態の断面図である。図1(B)
は、図1(A)の要部拡大断面図である。図中、1は支
持線、2は光ファイバ心線、3は被覆、4は抗張力体、
5は糸状体である。この実施の形態は、着色された糸状
体5を被覆3の支持線部の頭頂部分に埋め込んでなる外
面識別可能な小型の自己支持型光ケーブルであり、例え
ば、光屋外線として使用されるものである。この自己支
持型光ケーブルが多数本集合した状態にあるとき、この
糸状体5の色の相違によって自己支持型光ケーブルを識
別することができる。
【0013】糸状体5を除いた基本的な部分の構造につ
いては、久木田ほか3名「光屋外・屋内線の設計と特
性」、研究実用化報告33[3](1984)、P.1
02〜115等で知られている。支持線1を有する支持
線部を光ファイバ心線2を有する光ファイバ収容部に沿
わせ、両者を首部を有するシース3で一体化したダルマ
型構造である。外力に対して光ファイバ心線2が破断し
ないように、必要に応じて、光ファイバ心線2の周囲に
芳香族ポリアミド繊維(商品名「ケブラー」)等の抗張
力体4が配される。
【0014】この実施の形態において、この糸状体5
は、被覆3よりも低い温度で軟化する。例えば、糸状体
5の材料は、軟化点温度が被覆3の被覆材よりも低い。
被覆3の外面において、赤色等に着色された糸状体5
は、その一部が被覆3に入り込むと同時に軟化した材料
が被覆材料と溶け合い非常に強い接着力を生じる。被覆
3の被覆材料は黒色の高密度ポリエチレン(以下、HD
PEという)であるのに対し、糸状体5の材料は低密度
ポリエチレン(以下、LDPEという)である。HDP
Eの軟化点温度は160゜C、LDPEの軟化点温度は
120゜Cであり、LDPEは、軟化点温度がHDPE
より40゜C程度低い。糸状体5が被覆3に埋め込まれ
ても、支持線1や光ファイバ心線2が依然として被覆3
により覆われているから耐候性も良好である。
【0015】構造を具体的に説明すると、支持線部の直
径は3mmφであり、支持線1は1mmφの鋼心であ
る。光ファイバ収容部は4mmφであり、抗張力体4の
部分の外径は1.5mmφであり、光ファイバ心線2は
0.9mmφである。首部の長さは1.5mmであり、
糸状体5の直径は0.7mmφであり、被覆3の表面か
ら中に0.2mm程度入り込んでいる。
【0016】この自己支持型光ケーブルの製造方法につ
いて説明する。糸状体5以外の部分の自己支持型光ケー
ブルが押出成型用ダイスから押し出された後、水冷され
る前において、被覆3は、成型温度に近くまだ軟化点以
上の温度であり軟らかい状態にある。着色されたLDP
Eの糸状体5を、押し出された自己支持型光ケーブルの
側面から被覆3に押し付ける。この押し付けにより糸状
体5は、被覆3の表面から中に若干入り込むと同時に溶
解する。このとき、糸状体5の断面は、真円から楕円形
に変形し、被覆材の中に溶解され、糸状体は、被覆5と
非常に強い接着力を生じた状態で被覆5の外面に埋め込
まれる。この結果、自己支持型ケーブルの上部に明確な
色帯が形成され、この色によって自己支持型ケーブルの
識別が可能となる。
【0017】なお、製造方法の変形例として、糸状体5
以外の部分の自己支持型光ケーブルをあらかじめ製造し
た後において、追加加工の方式で、被覆3の表面がこの
軟化点以上の温度になるように被覆3の一部表面を加熱
するなどして、ここに糸状体5を押し付けてもよい。
【0018】図2は、本発明の外面識別可能な線材の第
2の実施の形態の断面図である。図2(B)は、図2
(A)の要部拡大断面図である。図中、図1と同様な部
分には同じ符号を用いて説明を省略する。11は糸状体
である。この実施の形態は、基本的には、図1の自己支
持型光ケーブルと同様であるが、この糸状体11の材料
は、被覆3の被覆材が軟らかい状態にある高い温度にお
いても変形しにくく、ほぼ形状を維持するものである。
例えば、この糸状体11の材料は、軟化点温度が被覆3
の被覆材よりも高い。
【0019】この実施の形態では、青色等に着色された
糸状体11は、被覆3の外面において被覆材料中に取り
込まれ、一部分が露出した状態で埋め込まれている。被
覆3の材質は黒色のHDPEであるのに対し、糸状体1
1はナイロンであり、ナイロンの軟化点温度は、200
゜Cで、HDPEの軟化点温度160゜Cより40゜C
程度高く、HDPEの成型温度180゜Cよりも高い。
なお、糸状体11の直径は、0.6mmφである。
【0020】この実施の形態の自己支持型光ケーブルを
製造するには、糸状体11以外の部分の自己支持型光ケ
ーブルが押し出された後、水冷前において、成型温度に
近い高温の状態にある被覆3に、着色されたナイロン糸
の糸状体11を側面から被覆3に押し付ける。被覆3が
軟らかい状態にあるため、糸状体11は、被覆3の表面
から中に取り込まれる。糸状体11は、被覆2の切れ目
から部分的に外面に露出する程度に埋め込まれるように
する。被覆3の温度降下による収縮により、糸状体11
が被覆3に締め付けられた状態て固定され、脱落が生じ
難くなる。
【0021】糸状体11以外の部分の自己支持型光ケー
ブルをあらかじめ製造した後において、追加加工の方式
で、被覆3の表面が軟らかい状態になるように被覆3の
一部表面を加熱して、ここに糸状体11を側面から押し
付けてもよい。
【0022】図3は、本発明の外面識別可能な線材の第
3の実施の形態の断面図である。図3(B)は、図3
(A)の要部拡大断面図である。図中、図1と同様な部
分には同じ符号を用いて説明を省略する。21,22
は、糸状体である。この実施の形態も基本的な構造につ
いては、図1の自己支持型光ケーブルと同様であり、こ
の糸状体21,22の材料は、被覆3の被覆材が軟らか
い状態にある成型温度においても変形しにくく、ほぼ形
状を維持するものである。
【0023】この実施の形態では、2本の糸状体21,
22が、それぞれ被覆3の首部の下部左右において、一
部分が外面に露出した状態で埋め込まれているため、脱
落が生じ難い。被覆3の被覆材は黒色のHDPEである
のに対し、糸状体21,22の材料は、ポリエステル系
の着色された糸であり、より具体的には、ポリエチレン
テレフタレート(PET)であり、軟化点温度は250
゜Cであり、HDPEの成型温度180゜Cよりも高
い。糸状体21,22の直径は、0.6mmφである。
糸状体21,22の色を個別に定めることにより、色の
組合せで自己支持型光ケーブルを識別することができ
る。
【0024】また、糸状体21,22を引き抜くことに
より、首下部にくびれができる。したがって、電柱や屋
外に取り付けられた引留め部や接続器などにおいて、糸
状体21,22を首部から引き抜くことによって、ここ
から自己支持型光ケーブルを容易に引き裂くことがで
き、支持線部と光ファイバ収容部とを分離することがで
きる。
【0025】この実施の形態の自己支持型光ケーブルの
製造方法について説明する。自己支持型光ケーブルの押
出成型時において、2本の糸状体21,22を、押出ダ
イに沿わせて、支持線1,光ファイバ2,抗張力体4と
一緒に押出ダイに供給して成型する。また、図2を参照
して説明した、第2の実施の形態の自己支持型光ケーブ
ルと同様な方法で製造することもできるが、上述した製
造方法の方が、糸状体と被覆との接着性がよい。
【0026】図4は、本発明の外面識別可能な線材の第
4の実施の形態の説明図であり、図4(A)は線材の断
面図、図4(B)は図4(A)の線材が収納された集合
型チューブケーブルの断面図である。図中、31はチュ
ーブ、32は糸状体、33は中心抗張力体、34は外被
である。
【0027】図4(A)に示すように、この実施の形態
は、着色された糸状体32をチューブ31の外面に埋め
込んでなる外面識別可能な気流圧送工法用チューブであ
る。この糸状体32は、図2を参照して説明した第2の
実施の形態における糸状体11と同様に、被覆31の被
覆材が軟らかい状態にある高い温度においても変形しに
くくほぼ形状を維持するものである。
【0028】この気流圧送工法用チューブは、図示しな
い光ファイバを気流にのせてチューブ31の中を挿通さ
せて使用される。本発明でいう線材とは、チューブ31
のような小径のチューブも含むものである。この場合、
被覆とはチューブそのものを意味するが、さらにチュー
ブを覆う被覆がある場合には、この外層の被覆である。
【0029】図4(B)に示すように、このようなチュ
ーブ31が中心抗張力体33の周囲に多数本集合し、外
被34に覆われて集合型チューブケーブルとなる。図4
(B)では、外被34の端部を除去した説明図を示す。
この糸状体32は、着色された木綿糸であり、2色で交
互に、例えば、5cmおきに色が変化するものである。
例えば、青/緑、青/赤、青/白、青/黒、黄/緑、黄
/赤、黄/白、黄/黒といった色の組合せでチューブ3
1を明確に識別することができる。
【0030】この集合型チューブケーブルのように全線
材の配列が固定的に決まっている場合には、着色された
糸状体32を、2本のチューブにのみ埋め込み、配列方
向と配列順序をあらかじめ決めておけば、必ずしも全チ
ューブに糸状体32を埋め込む必要はない。
【0031】構造を具体的に説明すると、チューブ31
は、外径4.0mmφ、内径2.5mmφのLDPEま
たはHDPEであり、11.5mmφの中心抗張力体3
3の周囲に8本のチューブ31が収容された集合型チュ
ーブケーブルである。糸状体32の直径は0.5mmφ
である。
【0032】この実施の形態の線材は、上述した各実施
の形態の自己支持型光ケーブルと同様な方法で製造する
ことができる。チューブ31を押出成型する際に、軟か
い状態のチューブ31の側面に糸状体32を押し付けて
埋め込んだり、押出成型ダイにチューブ材料樹脂と共に
糸状体32を供給して押し出すこともできる。なお、チ
ューブ31が透明か半透明である場合には、糸状体32
の一部が外面に露出するように留意する必要はなく、完
全に埋め込まれてしまっても外部から糸状体32の色が
見える。
【0033】図5は、外面識別可能な線材を収容した自
己支持型光ケーブルの断面図である。図中、41は支持
線部、41aは抗張力体、42は長尺部材部、42aは
内部空間、43は外被、44は外面識別可能な線材であ
る。ここで、外面識別可能な線材44とは、例えば、図
1ないし図3を参照して説明した小型の自己支持型光屋
外線と同様のものである。
【0034】この自己支持型光ケーブルは、支持線部4
1と長尺部材部42からなり、両者は、共通の外被43
を有し、外被43の首部を介して一体化されている。支
持線部41は、長尺部材部42を架空に懸架するための
もので、鋼撚り線等からなる抗張力体41aが外被43
に覆われている。長尺部材部42は、外被43が略円筒
形状を形成する管路部分であり、内部空間42aが外被
43に囲まれて密閉され、防水構造になっている。
【0035】内部空間42aには、複数本、例えば10
本の外面識別可能な線材44がルースに収容されてい
る。外面識別可能な線材44同士、および、外面識別可
能な線材44と長尺部材部42の内壁面との間には適度
な隙間があるため、外面識別可能な線材44は、動きが
自由な状態で収納されている。内部空間42aは、複数
本の外面識別可能な線材44に対し十分な空きスペース
を有している。外面識別可能な線材44は、弛みをもっ
て収納されているため、懸架された状態において、抗張
力体41aや外被43に張力がかかっても、外面識別可
能な線材44には張力がかからない。
【0036】外面識別可能な線材44には、それぞれ異
なる色の糸状体が埋め込まれているため、この外面識別
可能な線材44を切断して加入者宅に引き落としをする
際に、線材を識別することができる。0から9までの数
字を色で表わすカラーコードを用いると10本の線材を
識別できる。
【0037】構造を具体的に説明すると、支持線部41
の外径は8mmφ、抗張力体41aは1.2mmφの鋼
心が7本束ねられたものであり、長尺部材部42の外径
は26mmφ、内部空間42aの内径は20mmφであ
る。
【0038】図6は、外面識別可能な線材を収容した別
の光ケーブルの断面図である。図中、51は光ケーブル
コア、51aは中心抗張力体、51bはスロット、52
は外被である。44は図5の外面識別可能な線材44と
同様に、例えば、図1ないし図3を参照して説明した小
型の自己支持型光屋外線と同様のものである。
【0039】この光ケーブルは、光ケーブルコア51の
外周面に設けられた複数のスロット51bの少なくとも
一部のスロット内にそれぞれ1本の外面識別可能な線材
44が収納されて、外被52に覆われたものである。光
ケーブルコア51の内部には中心抗張力体51aを有す
る。図5と同様に、外面識別可能な線材44には、それ
ぞれ異なる色の糸状体が埋め込まれているため、線材を
識別することができる。図4(B)を参照して説明した
集合型チューブケーブルと同様に、着色された糸状体を
2本の線材にだけ埋め込んで、配列方向と配列順序をあ
らかじめ決めておくこともできる。構造を具体的に説明
すると、光ケーブルコア51の外径は30mmφ、スロ
ット51aの幅および深さは6mm、外被52の外径は
36mmφである。
【0040】この光ケーブルは、複数のスロット51a
を有するものであるが、1本の大きなスロットのみを有
し、この1本のスロット内に複数本の外面識別可能な線
材44を収納した光ケーブルでもよい。また、外被52
に図5の支持線部41のような支持線部を設けてもよ
い。この光ケーブルは、架空に懸架することもできる
が、地下設備に配置したり、ビルの床下に配置してロー
カルエリアネットワークの通信線路を構築することもで
きる。
【0041】本発明において、線材とは、図4を参照し
て説明したようにチューブを含むものである。また、線
材が厚みのある複数層の被覆を有する場合があるが、こ
の場合、被覆とは、糸状体が埋め込まれる最外層の被覆
を意味する。本発明において、糸状体とは、単心のもの
でも、複数心のものでもよく、繊維体、偏平な紐状体で
あってもよい。また、光ケーブルを実施の形態として説
明したが、被覆を有する線材、例えば、銅線を用いた通
信ケーブル、電力供給用の電線であってもよい。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、着色された糸状体と被覆を有
し、糸状体が被覆の外面部分に埋め込まれていることか
ら、識別性の良い線材が得られるという効果がある。糸
状体自身が着色されており、インクのように薄い着色層
でないため下地である被覆の色の影響を受けないという
効果もある。糸状体の着色は、単色に限らず、色の組合
せを用い、2色以上が長手方向に繰り返すようにしても
よい。例えば、赤と青に一定周期ごとに着色された糸状
体と、赤と黄に一定周期ごとに着色された糸状体とは容
易に識別できる。また、1本の線材に複数本の糸状体を
用いて識別することもできる。
【0043】請求項2に記載の発明によれば、糸状体
は、被覆よりも軟化温度が低く、被覆の外面部分と一体
化されていることから、糸状体と被覆との間には非常に
強い接着力を有し識別用の糸状体がはがれないという効
果がある。
【0044】請求項3に記載の発明によれば、糸状体
は、被覆が軟らかい状態にある温度においてもほぼ形状
を維持するものであり、糸状体の一部が被覆の外面に露
出していることから、脱落が生じ難いが糸状体を引き抜
くこともできるという効果がある。したがって、例え
ば、自己支持型光ケーブルの首下部に糸状体を埋め込む
場合においては、引き抜いた後の凹部から線材を引き裂
いて支持線部と光ファイバ収容部とを分離することがで
き、電柱や屋外に取り付けられた引留め部や接続器など
における分離作業が容易になる。
【0045】請求項4に記載の発明によれば、複数本の
線材を内部に収容し、少なくとも2本の線材は、請求項
1ないし3のいずれか1項に記載の線材であり、少なく
とも2本の線材の糸状体は、異なる着色を有することか
ら、ケーブル内の少なくとも2本の線材を糸状体の色の
違いによって識別することができるという効果があり、
所望の線材を選択するのに有用である。
【0046】例えば、1つの円筒状外被の内部、また
は、1本のスロット溝に、複数本の自己支持型光ケーブ
ルを収納する光ケーブルにおいては、複数本の線材の少
なくとも2本を相互に識別することができる。
【0047】また、複数の小径部材の配列方向と順序を
決めておくことができる場合には、すべての線材を識別
することができる。例えば、複数本のスロット溝の少な
くとも一部のスロット溝にそれぞれ1本の自己支持型光
ケーブルを収納する光ケーブルにおいては、すべての線
材を識別できる。チューブ状の線材が中心抗張力体の周
囲に層になって複数本収納された集合型チューブケーブ
ルにおいても、同様である。
【0048】請求項5に記載の発明によれば、線材の被
覆であって軟化温度以上に加熱された状態の被覆に対
し、着色され被覆よりも低い軟化温度を有する糸状体
を、被覆の側面より押し当て、糸状体を軟化させて被覆
の外面部分と一体化することから、糸状体と被覆との間
に非常に強い接着力を有し着色された糸状体がはがれな
い外面識別可能な線材を得ることができるという効果が
ある。また、この製造方法は、線材を成型加工する際
に、あるいは、線材をあらかじめ製造した上で追加加工
の方式により行なうこともできる。
【0049】請求項6に記載の発明によれば、線材の被
覆であって軟らかくなる温度以上に加熱された状態の被
覆に対し、着色され加熱温度においてほぼ形状を維持す
る糸状体を、被覆の側面より押し当てて押し込み、糸状
体の一部を被覆の外面に露出させることから、脱落が生
じ難いが糸状体を引き抜くこともできる外面識別可能な
線材を製造することができるという効果がある。また、
この製造方法も、線材を成型加工する際に、あるいは、
線材をあらかじめ製造した上で追加加工の方式により行
なうこともできる。
【0050】請求項7に記載の発明によれば、着色され
成型温度においてほぼ形状を維持する糸状体を、線材の
被覆の材料と共に被覆の押出しダイに供給し、糸状体の
一部が被覆の外面に露出するように押出し成型すること
から、脱落が生じ難いが糸状体を引き抜くこともできる
外面識別可能な線材を製造することができるという効果
がある。さらに、糸状体の埋め込みを被覆の押出成型と
同時に行なえるため製造工程数が少なくてすむという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外面識別可能な線材の第1の実施の形
態の断面図である。
【図2】本発明の外面識別可能な線材の第2の実施の形
態の断面図である。
【図3】本発明の外面識別可能な線材の第3の実施の形
態の断面図である。
【図4】本発明の外面識別可能な線材の第4の実施の形
態の説明図であり、図4(A)は線材の断面図、図4
(B)は図4(A)の線材が収納された集合型チューブ
ケーブルの断面図である。
【図5】外面識別可能な線材を収容した自己支持型光ケ
ーブルの断面図である。
【図6】外面識別可能な線材を収容した別の光ケーブル
の断面図である。
【符号の説明】
1…支持線、2…光ファイバ心線、3…被覆、4…抗張
力体、5,11,21,22,32…糸状体、31…チ
ューブ、33…中心抗張力体、34,43…外被、41
…支持線部、42…長尺部材部、44…外面識別可能な
線材、51…光ケーブルコア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 茂 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 古川 眞一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色された糸状体と被覆を有し、前記糸
    状体は、前記被覆の外面部分に埋め込まれていることを
    特徴とする外面識別可能な線材。
  2. 【請求項2】 前記糸状体は、前記被覆よりも軟化温度
    が低く、被覆の外面部分と一体化されていることを特徴
    とする請求項1に記載の外面識別可能な線材。
  3. 【請求項3】 前記糸状体は、前記被覆が軟らかい状態
    にある温度においてもほぼ形状を維持するものであり、
    前記糸状体の一部は、前記被覆の外面に露出しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の外面識別可能な線材。
  4. 【請求項4】 複数本の線材を内部に収容し、少なくと
    も2本の前記線材は、請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載の線材であり、前記少なくとも2本の線材の糸状
    体は、異なる着色を有することを特徴とするケーブル。
  5. 【請求項5】 線材の被覆であって軟化温度以上に加熱
    された状態の被覆に対し、着色され前記被覆よりも低い
    軟化温度を有する糸状体を、前記被覆の側面より押し当
    て、前記糸状体を軟化させて被覆の外面部分と一体化す
    ることを特徴とする外面識別可能な線材の製造方法。
  6. 【請求項6】 線材の被覆であって軟らかくなる温度以
    上に加熱された状態の被覆に対し、着色され加熱温度に
    おいてほぼ形状を維持する糸状体を、前記被覆の側面よ
    り押し当てて押し込み、前記糸状体の一部を前記被覆の
    外面に露出させることを特徴とする外面識別可能な線材
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 着色され成型温度においてほぼ形状を維
    持する糸状体を、線材の被覆の材料と共に被覆の押出し
    ダイに供給し、前記糸状体の一部が前記被覆の外面に露
    出するように押出し成型することを特徴とする外面識別
    可能な線材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007011159A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイバケーブル、及び集合架空ケーブル
JP2016110960A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 日立金属株式会社 シールドケーブル及び多対ケーブル

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