JPH09158894A - クロスフローファンの側面部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立が容易で、かつ回転振動が殆ど生じせし
めないようなクロスフローファン側面部材の提供。 【解決手段】 ボス部の外周に鍔状に留板を一体的に有
してなるゴム製の連結部に、円盤状側板を嵌着するとと
もに、ボス部と連結部と自由回転が防止するように構成
されたクロスフローファン側面部材。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はクロスフローファン
の側面部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】クロスフローファンは図４に示すように
円筒状のファンで、円筒軸方向に平行な多数のフィン１
と、フィン１を取り付けて固定する側面部材２より構成
されている。側面部材２は中心部にボス部３を有し、該
ボス部はモーター軸に外嵌される。

【０００３】クロスフローファンは高速回転させると、
振動が生じるという問題点がある。振動の原因は加工精
度に起因するフィンやモーター軸等の微妙なバランスの
ずれと考えられる。振動は騒音の原因となり、さらには
製品寿命を短くするためその解決が望まれていた。

【０００４】この問題の解決策として、例えば図５に示
すような側面部材が提案されている。図５は側面部材の
断面図であり、ボス部３の周囲にゴム製の弾性体４を一
体的に配設し、該ゴム製弾性体４とフィン１が取り付け
られる環状の側板５を金属製の環状の連結板６で連結し
た側面部材が提案されている。この構造によれば振動は
ゴム製弾性体に吸収されるので、前記のような問題を生
じることが少ないのではないかと考えられる。

【０００５】しかし、このような構造の側面部材はボス
部、側板、弾性体、金属製連結板という少なくとも４つ
の部材を必要とし、これらは別々に製造する必要があ
る。しかも金属製連結板は通常、インサート成形により
ゴム製弾性体または側板に取り付けられるため、複雑な
成形法を要する。従って、成形や組立工程が複雑とな
り、製品コストの増大をもたらす。また、別々の部品を
別々に成形して組み立てる結果、組立精度の問題を生
じ、かえって振動が大きくなる場合がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はクロス
フローファンに回転振動を殆ど生じせしめないような側
面部材を提供することである。本発明の他の目的は組立
が極めて容易なクロスフローファンの側面部材を提供す
ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、円
筒状ボス部の外周に鍔状に留板を一体的に有してなるゴ
ム製の連結部に、中心に円孔を有する円盤状側板を嵌着
してなり、鍔状の留板は放射状に凸状体を有し、側板は
円孔を中心に放射状に切り欠きを有し、該側板の切り欠
きは該留板の凸状体に嵌合することにより連結部と側板
の自由回転が防止されるように構成されたクロスフロー
ファン側面部材により達成される。

【０００８】

【発明を実施するための形態】以下、本発明を図をもっ
て説明する。図１は本発明の側面部材の一態様の正面図
（ａ）および断面図（ｂ）、図２は留板の斜視図、図３
は他の態様の留板の斜視図である。

【０００９】本発明のクロスフローファンの側面部材は
円盤状の側板５と連結部７よりなる。側板５にはその外
縁端部に多数のフィンが１取り付けられる。側板１の中
心にはボス部外周にほぼ等しいかやや小さい径の孔が開
けられており、孔の周囲から放射状に切り欠き９が設け
られている。切り欠き９の数に特に制限はないが、通常
は２から８個である。

【００１０】連結部７は円筒状ボス部３の外周に鍔状の
留板８が一体的に設けられた構造となっており、全体が
ゴムでできている。留板８のモーターが位置する側と反
対側になる面には、側板５における切り欠き９に対応す
るように中心から放射状に凸状体１０が設けられてい
る。

【００１１】側板５と連結部７は、側板を連結部のボス
部の外周にモータが位置する側と反対の側から嵌め込む
ことにより一体となる。このとき、側板の中心から放射
状に設けられた切り欠き９が留板に設けられた放射状の
凸状部１０と嵌合するようになっており、これにより連
結部７と側板５の自由回転が妨げられて、モーターシャ
フトから連結部７に伝えられた回転が側板５に伝えら
れ、クロスフローファン全体が回転する。

【００１２】側板５が連結部７に嵌着されて脱落しない
ようにするために種々の手段を用いることができる。例
えば、図１、２においては、ボス部３の側板を嵌め込む
側の先端付近に凹状溝１１を設け、この凹状溝に側板５
を嵌め込むことにより、側板がボス部から脱落すること
を防止している。この場合は側板の中心の円孔の径はボ
ス部３の外径よりは小さくなるが、ボス部がゴム製で弾
性を有するため凹状溝に押し込むことが可能である。さ
らに、側板と連結部を緊着させるためには、ボス部の留
板が嵌着された側に底栓を内嵌してすることもできる。

【００１３】また、図３は留板の他の態様を表した斜視
図である。図３においては、連結部７の留板８の適宜箇
所に茸状の突起１２を設けるとともに、側板の対応部分
に茸状突起の胴部にほぼ等しい孔を設け、この孔を茸状
突起に押し込む。茸状突起を含めた留板全体はゴム製で
あるので、側板の孔の径が茸状突起の傘の径より多少大
きくても押し込むことは可能であり、一旦押し込まれる
と傘の部分によって脱落が防止される。

【００１４】側板の材質は特に制限がないが、成形の容
易さやコストの面から射出成形可能なプラスチックであ
ることが好ましい。例えば、ポリスチレン、アクリルニ
トリル−ブタジエン−スチレン樹脂（ＡＢＳ樹脂）、ア
クリロニトリル−スチレン樹脂（ＡＳ樹脂）、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合樹
脂、ポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）、ポリエチ
レンテレフタレートの様な汎用熱可塑性プラスチック、
ナイロン、フッ素樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネ
ート、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスル
ホン、ポリエーテエーテルルケトンの様ないわゆるエン
ジアリニングプラスチックが好適に用いられる。

【００１５】連結部の材質はゴムである。ゴムとしては
天然ゴム、合成ゴムのいずれも用いられる。合成ゴムと
しては例えばポリブタジエン、ブタジエン−スチレンゴ
ム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプ
レン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、アクリルゴ
ム、ウレタンゴム、シリコンゴム等いかなるものも用い
ることができる。

【００１６】本発明の側面部材は図４に示すようにクロ
ースフローファンの両側面を構成する。クロスフローフ
ァンは連結部７のボス部３によりモーターシャフトと連
結される。連結方法としては、例えばモーターシャフト
をボス部３に内嵌し、ボス部３の外側より金属製の締め
付けバンドにより締め付けられることにより、回転をク
ロスフローファンに伝えることができる。あるいは、シ
ャフトの先端をＤカットとしておき、該Ｄカット部をボ
ス部からねじで締め付けることにより連結してもよい。

【００１７】本発明の側面部材を用いると、モーターの
回転はゴム弾性を有する連結部を介してクロスフローフ
ァン本体に伝えられる。したがって、回転による振動は
連結部により吸収されるため殆ど振動を生じない。ま
た、側面部材はゴム製の連結部と側板の２つの部品のみ
から成り立っており、且つ側板は連結部に嵌め込むだけ
なので、精度的に優れているにもかかわらず、組立が極
めて容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の側面部材の一態様の正面図および断面
図である。

【図２】留板の一態様の斜視図である。

【図３】留板の他の態様の斜視図である。

【図４】クロスフローファンの斜視図である。

【図５】従来のクロスフローファンの側面部材の一つを
表した断面図である

【符号の説明】

１ フィン ２ 側面部材 ３ ボス部 ５ 側板 ７ 連結部 ８ 留板 ９ 切り欠き １０ 凸状部 １１ 凹状溝 １２ 茸状突起

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状ボス部の外周に鍔状に留板を一体
   的に有してなるゴム製の連結部に、中心に円孔を有する
   円盤状側板を嵌着してなり、鍔状の留板は放射状に凸状
   体を有し、側板は円孔を中心に放射状に切り欠きを有
   し、該側板の切り欠きは該留板の凸状体に嵌合すること
   により連結部と側板の自由回転が防止されるように構成
   されたクロスフローファン側面部材。
2. 【請求項２】 ボス部の側板を嵌着する側の先端付近に
   凹状溝を設け、該凹状溝に側板を嵌め込むことにより、
   側板がボス部から脱落することを防止するようにした請
   求項１のクロスフローファン側面部材。
3. 【請求項３】 留板の適宜箇所に茸状の突起を設けると
   ともに、側板の対応部分に茸状突起の胴部にほぼ等しい
   孔を設け、この孔を茸状突起に嵌め込むことにより、側
   板がボス部から脱落することを防止するようにした請求
   項１のクロスフローファン側面部材。
4. 【請求項４】 請求項１、２または３の側面部材を有す
   るクロスフローファン。