JPH0915884A - 電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真ユニットならびに電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真ユニットならびに電子写真装置

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JPH0915884A
JPH0915884A JP16369195A JP16369195A JPH0915884A JP H0915884 A JPH0915884 A JP H0915884A JP 16369195 A JP16369195 A JP 16369195A JP 16369195 A JP16369195 A JP 16369195A JP H0915884 A JPH0915884 A JP H0915884A
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resin
polysilane
electrophotographic
grain
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JP16369195A
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Hisami Tanaka
久巳 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で高耐久性があり、高耐久下でも、安
定な画質を維持し、接触帯電装置において高速化、省電
力化が可能な電子写真装置を提供する。 【構成】 支持体上に、ポリシランを含有する感光層
と、フッ素系樹脂粒子を含有する表面樹脂層とが設けら
れている電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関す
る。さらに、電子写真感光体を利用したユニット、装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】OPC積層型電子写真感光体は、複写
機、レーザービームプリンター、LEDプリンターに用
いられている。しかし、高速化、省電力のためにより高
感度、高耐久性の感光体が求められている。
【0003】このような要求から、モビリティーの早い
電荷輸送材料として、特開昭61−170747号に
は、ポリシランを使用することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリシラン
は、従来のコロナ帯電で発生するオゾンで分解されるた
めに、初期の感度が維持できず、また残留電位の増加を
起こすという欠陥を有していることが知られている。
【0005】また通常の電子写真装置に最も一般的に適
用されている、ゴムブレードによるクリーニングプロセ
スは、接触の摩擦が強く、機械強度の弱いポリシランを
表面層とする感光体では、すぐに削れてしまうという問
題点があった。
【0006】本発明は、前述のような欠陥のない電子写
真感光体を提供しようとするものである。
【0007】即ち、本発明の目的は第一に、高感度で高
耐久性の電子写真感光体を提供することである。
【0008】第二に、高耐久下でも、安定な画質を提供
することである。
【0009】第三に、接触帯電装置において高速化、省
電力の電子写真装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に設
けられた感光層と、この感光層上に設けられた表面層と
を備えた電子写真感光体において、前記感光層がポリシ
ランを含有し、かつ前記表面樹脂層がフッ素系樹脂粒子
を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0011】さらに、表面樹脂層は、フッ素系樹脂粒子
とともに、導電粒子を含有することが好ましい。
【0012】表面樹脂層がフッ素系樹脂粒子を含有する
本発明の電子写真感光体は、接触帯電部材で帯電を行な
う電子写真ユニット及び電子写真装置に用いることがで
きる。
【0013】表面樹脂層がフッ素系樹脂粒子及び導電粒
子を含有する本発明の電子写真感光体は、接触帯電部材
で注入帯電を行なう電子写真ユニット及び電子写真装置
に用いることができる。
【0014】本発明においては、表面樹脂層にフッ素系
樹脂粒子を分散させることにより、ポリシラン感光層の
オゾン分解や機械的脆さを保護している。さらに、導電
粒子も含有する表面層に接触帯電することで、注入帯電
を起こしてオゾンの発生を抑え、ポリシランの分解を抑
制できるので、大幅に耐久性が向上する。
【0015】本発明による電子写真感光体の具体的な構
成を図1〜図3に示す。図において、符号1は表面樹脂
層、2はフッ素系樹脂粒子、3はポリシラン層、4は電
荷発生層、5は感光層、6は導電性支持体をそれぞれ示
す。
【0016】本発明においては、フッ素系樹脂粒子や導
電粒子を樹脂溶液中で凝集させず分散するために、フッ
素系樹脂粒子や導電粒子の表面をシランカップリング剤
やチタネートカップリング剤や界面活性剤やシリコン系
撥水剤などで処理したり、これらの化合物を表面層に添
加して用いることが好ましい。その中でも導電粒子をシ
ランカップリング剤で表面処理した場合や表面層にシラ
ンカップリング剤を添加した場合は特に分散安定性はも
とより、電子写真の帯電特性、残留電位の安定性でも向
上した。
【0017】本発明に用いるフッ素系樹脂粒子として
は、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化エチレン樹脂、六
フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フ
ッ化ビニリデン樹脂、二フッ化ビニリデン樹脂、二フッ
化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体のなかから
1種あるいは2種以上を適宜選択することが好ましい
が、特に、四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン
樹脂が好ましい。樹脂の分子量や粒子の粒径は、適宜選
択することができ、特に制限されるものではない。
【0018】本発明に用いるフッ素系樹脂粒子の分散剤
としては、フッ素系界面活性剤、フッ素系ブロックポリ
マー、フッ素系クシ型グラフトポリマー等が挙げられ
る。
【0019】本発明に用いる導電粒子としては、金属、
金属酸化物、及びカーボンブラック等が挙げられる。金
属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケ
ル、ステンレス及び銀等、またはこれらの金属をプラス
チックの粒子の表面に蒸着したもの等が挙げられる。金
属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、
酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズ
をドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした
酸化スズ及び酸化ジルコニウム等が挙げられる。これら
は単独で用いることも、2種類以上を組み合わせて用い
ることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合
は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしても良い。
【0020】本発明に用いられる導電粒子の平均粒径は
感度低下を起こさないために0.3μm以下であること
が好ましく、特に0.1μm以下であることが好まし
い。また、本発明においては上述したような導電粒子の
中でも透明性や帯電性から金属酸化物を用いることが特
に好ましい。
【0021】本発明において表面層中に添加あるいは導
電粒子を表面処理する際特に効果があったシランカップ
リング剤として、以下に代表的な化合物を例示するが、
それらの化合物に限定されるものではない。ビニルクロ
ルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドオキシプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン等。
【0022】導電粒子の表面処理方法は、以下の通りで
ある。まず導電粒子と表面処理剤を適当な溶剤中で混
合、分散し、表面処理剤を導電粒子表面に付着させる。
分散の手段としてはボールミル、サンドミル等の通常の
分散手段を用いることができる。次にこの分散溶液から
溶剤を除去し、導電粒子表面に表面処理剤を固着させれ
ばよい。
【0023】本発明の表面層に用いることのできる結着
樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロー
ス樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いる
ことも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0024】上記樹脂の中でも、表面層の表面硬度、耐
摩耗性、さらに粒子の分散性、分散後の安定性の点から
硬化性樹脂を用いることが望ましい。即ち、熱、または
光によって硬化するモノマーまたはオリゴマーを含有す
る溶液にフッ素系樹脂粒子を分散させて表面層用の塗工
液とし、この溶液を感光層の上に塗工、硬化させて形成
した表面層は硬度、耐摩耗性等の点でより好ましい。
【0025】熱または光によって硬化するモノマーまた
はオリゴマーとは、例えば、分子の末端に熱または光の
エネルギーによって重合反応をおこす官能基を有するも
ので、このうち分子の構造単位の繰返しが2〜20程度
の比較的大きな分子がオリゴマー、それより小さいもの
がモノマーである。該重合反応を起こす官能基としては
アクリロイル基、メタクロイル基、シラノール基、更に
環状エーテル基などの開環重合を起こすもの、またはフ
ェノールとホルムアルデヒドのように二種類以上の分子
が反応して縮合を起こすもの等が挙げられる。
【0026】前記表面層中のフッ素系樹脂粒子の割合
は、表面層全重量に対し5〜70重量%が好ましく、よ
り好ましくは10〜60重量%である。
【0027】前記導電粒子の割合は、直接的に表面層の
抵抗を決定する要因の一つであり、表面層の抵抗は10
10〜1015Ωcmの範囲であることが好ましい。
【0028】表面層の電気抵抗は、例えば図4に示すよ
うな装置を用いて測定することができる。図4におい
て、符号11は主電極、12は上部電極、13は絶縁
物、14は電流計、15は電圧計、16は定電圧計、1
7はキャリア、18はガイドリングをそれぞれ示す。
【0029】本発明においては、安定性を向上させるた
め表面層中にラジカル補足剤や酸化防止剤等の添加物を
加えてもよい。本発明の表面層の膜厚は0.2〜10μ
mの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜6μmの
範囲である。
【0030】本発明には、ポリシランとして(I)式の
構造のものが利用できる。
【0031】
【化2】 〔但し、式中、R1は炭素数1又は2のアルキル基、R2
は炭素数3乃至8のアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基又はアラルキル基、R3は炭素数1乃至4のア
ルキル基、R4は炭素数1乃至4のアルキル基をそれぞ
れ示す。
【0032】nとmは、ポリマー中の総モノマーに対す
るそれぞれのモノマー数の割合を示すモル比であり、n
+m=1となり、0<n≦1、0≦m<1である。〕 本発明において用いるポリシラン化合物は、ザ・ジャー
ナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー 19
8pp C27(1980)又はザ・ジャーナル・オブ
ポリマー・サイエンス、ポリマー・ケミストリー・エデ
ィション Vol.22 159−170pp(198
4)に記載された方法により合成できる。
【0033】本発明において使用できるポリシラン化合
物としては以下のものを挙げることができる。
【0034】本発明において使用されるポリシラン化合
物の例
【0035】
【表1】 注):上記構造式中のXとYはいずれも単量体重合単位
を示す。そしてnはX/(X+Y),またmは、Y/
(X+Y)の計算式によりそれぞれ求められる。
【0036】好ましく使用できるポリシラン化合物とし
ては、下記の一般式(II)で表されるポリシラン化合物
である。
【0037】
【化3】 〔但し、式中、R1は炭素数1又は2のアルキル基、R2
は炭素数3乃至8のアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基又はアラルキル基、R3は炭素数1乃至4のア
ルキル基、R4は炭素数1乃至4のアルキル基をそれぞ
れ示す。A,A′は、それぞれ炭素数4乃至12のアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル
基であり、両者は同じであっても或いは異なってもよ
い。nとmは、ポリマー中の総モノマーに対するそれぞ
れのモノマー数の割合を示すモル比であり、n+m=1
となり、0<n≦1、0≦m<1である。〕 上記一般式(II)で表されるポリシラン化合物は、具体
的には、つぎのようにして合成することができる。即
ち、酸素及び水分を無くした高純度不活性雰囲気下で、
ジクロロシランモノマーをアルカリ金属からなる縮合触
媒に接触させてハロゲン脱離と縮重合を行い中間体ポリ
マーを合成し、得られた該中間体ポリマーを未反応のモ
ノマーと分離し、該中間体ポリマーに所定のハロゲン化
有機試薬をアルカリ金属からなる縮合触媒の存在下で反
応せしめて該中間体ポリマーの末端に有機基を縮合せし
めることにより合成される。
【0038】上記合成操作にあっては、出発物質たるジ
クロロシランモノマー、前記中間体ポリマー、ハロゲン
化有機試薬及びアルカリ金属縮合触媒は、いずれも酸素
や水分との反応性が高いので、これら酸素や水分が存在
する雰囲気の下では目的とする上述のポリシラン化合物
は得られない。
【0039】したがって一般式(II)のポリシラン化合
物を得る上述の操作は、酸素及び水分のいずれもが存在
しない雰囲気下で実施することが必要である。このた
め、反応系に酸素及び水分のいずれもが存在するところ
とならないように反応容器及び使用する試薬の全てにつ
いて留意が必要である。例えば反応容器については、ブ
ローボックス中で真空吸引とアルゴンガス置換を行って
水分や酸素の系内への吸着がないようにする。使用する
アルゴンガスは、いずれの場合にあっても予めシリカゲ
ルカラムに通し脱水して、ついで銅粉末を100℃に加
熱したカラムに通して脱酸素処理して使用する。
【0040】出発原料たるジクロロシランモノマーにつ
いては、反応系内への導入直前で脱酸素処理した上述の
アルゴンガスを使用して減圧蒸留を行った後に反応系内
に導入する。特定の有機基を導入するための上記ハロゲ
ン化有機試薬及び使用する上記溶剤についても、ジクロ
ロシランモノマーと同様に脱酸素処理した後に反応系内
に導入する。なお、溶剤の脱酸素処理は、上述の脱酸素
処理したアルゴンガスを使用して減圧蒸留した後、金属
ナトリウムで更に脱水処理する。
【0041】上記縮合触媒については、ワイヤー化或い
はチップ化して使用するところ、前記ワイヤー化又はチ
ップ化は無酸素のパラフィン系溶剤中で行い、酸化が起
こらないようにして使用する。
【0042】上記の一般式(I)及び一般式(II)で表
されるポリシラン化合物を製造するに際して使用する出
発原料のジクロロシランモノマーは、後述する一般式:
12SiCl2で表されるシラン化合物か又はこれと
一般式:R34SiCl2で表されるシラン化合物が選
択的に使用される。
【0043】上述の縮合触媒は、ハロゲン脱離して縮合
反応をもたらしめるアルカリ金属が望ましく使用され、
該アルカリ金属の具体例としてリチウム、ナトリウム、
カリウムが挙げられ、中でもリチウム及びナトリウムが
好適である。
【0044】上述のハロゲン化有機試薬は、A及びA′
で表される置換基を導入するためのものであって、ハロ
ゲン化アルキル化合物、ハロゲン化シクロアルキル化合
物、ハロゲン化アリール化合物及びハロゲン化アラルキ
ル化合物からなる群から選択される適当な化合物、即
ち、一般式:A−X及び/又は一般式:A′−X(但
し、XはCl又はBr)で表され、後述する具体例の中
の適当な化合物が選択的に使用される。
【0045】上述の中間体ポリマーを合成するに際して
使用する一般式:R12SiCl2又はこれと一般式:
34SiCl2で表されるジクロロシランモノマー
は、所定の溶剤に溶解して反応系に導入されるところ、
該溶剤としては、パラフィン系の無極性炭化水素溶剤が
望ましく使用される。該溶剤の好ましい例としては、n
−ヘキサン、n−オクタン、n−ノナン、n−ドデカ
ン、シクロヘキサン及びシクロオクタンが挙げられる。
【0046】そして生成する中間体ポリマーはこれらの
溶剤に不溶であることから、該中間体ポリマーを未反応
のジクロロシランモノマーから分離するについて好都合
である。分離した中間体ポリマーは、ついで上述のハロ
ゲン化有機試薬と反応せしめるわけであるが、その際両
者は同じ溶剤に溶解せしめて反応に供される。この場合
の溶剤としてはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族溶剤が好適に使用される。
【0047】上述のジクロロシランモノマーを上述のア
ルカリ金属触媒を使用して縮合せしめて所望の中間体を
得るについては、反応温度と反応時間を調節することに
より得られる中間体ポリマーの重合度を適宜制御でき
る。しかしながらその際の反応温度は60〜130℃の
間に設定するのが望ましい。
【0048】以上説明の一般式(II)で表される上述の
ポリシラン化合物の製造方法の望ましい一態様を以下に
述べる。
【0049】即ち、上述の一般式(II)のポリシラン化
合物の製造方法は、(a)中間体ポリマーを製造する工
程と(b)該中間体ポリマーの末端に置換基A及びA′
を導入する工程とからなる。
【0050】上記(a)の工程はつぎのようにして行わ
れる。
【0051】即ち、反応容器の反応系内を酸素及び水分
を完全に除いてアルゴンで支配され所定の内圧に維持し
た状態にし、無酸素のパラフィン系溶剤と無酸素の縮合
触媒を入れ、ついで無酸素のジクロロシランモノマーを
入れ、全体を撹拌しながら所定温度に加熱して該モノマ
ーの縮合を行う。この際前記ジクロロシランモノマーの
縮合度合は、反応温度と反応時間を調節し、所望の重合
度の中間体ポリマーが生成されるようにする。
【0052】この際の反応は、下記の反応式(i)で表
されるようにジクロロシランモノマーのクロル基と触媒
が脱塩反応を起こしてSi基同志が縮合を繰り返してポ
リマー化して中間体ポリマーを生成する。
【0053】
【化4】 なお、このところの具体的反応操作手順は、パラフィン
系溶剤中に縮合触媒(アルカリ金属)を仕込んでおき、
加熱下で撹拌しながらジクロロシランモノマーを滴下し
て添加する。ポリマー化の度合は、反応液をサンプリン
グして確認する。
【0054】ポリマー化の簡単な確認はサンプリング液
を揮発させフィルム化が形成できるか否かで判断でき
る。縮合が進み、ポリマーが形成されると白色固体とな
って反応系から析出してくる。ここで冷却し、反応系か
らモノマーを含む溶媒をデカンテーションで分離し、中
間体ポリマーを得る。
【0055】ついで前記(b)の工程を行う。即ち、得
られた中間体ポリマーの末端基のクロル基をハロゲン化
有機剤と縮合触媒(アルカリ金属)を用いて脱塩縮合を
行いポリマー末端基を所定の有機基で置換する。この際
の反応は下記の反応式(ii)で表される。
【0056】
【化5】 このところ具体的には、ジクロロシランモノマーの縮合
で得られた中間体ポリマーに芳香族系溶剤を加え溶解す
る。次に縮合触媒(アルカリ金属)を加え、室温でハロ
ゲン化有機剤を滴下する。この時ポリマー末端基同士の
縮合反応と競合するためハロゲン化有機剤を出発モノマ
ーに対して0.01〜0.1倍の過剰量添加する。徐々
に加熱し、80〜100℃で1時間加熱撹拌し、目的の
反応を行う。
【0057】反応終了後冷却し、触媒のアルカリ金属を
除去するため、メタノールを加える。次に生成したポリ
シラン化合物をシルエンで抽出し、シリカゲルカラムで
精製する。かくして所望のポリシラン化合物が得られ
る。
【0058】12SiCl2及びR34SiCl2の具
体例 注):下記の化合物の中、b−2〜16,18,20,
21,23,24がR 12SiCl2に用いられ、b−
1,2,11,17,19,22,23,25がR34
SiCl2に用いられる。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】 触媒としてはアルカリ金属が好ましい。
【0063】アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウ
ム、カリウムが使用される。形状はワイヤー状またはチ
ップ状にして表面積を大きくすることが好ましい。
【0064】本発明において使用する好ましいポリシラ
ン化合物の例
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】 注):上記構造式中のXとYは、いずれも単量体重合単
位を示す。そしてnは、X/(X+Y)、またmは、Y
/(X+Y)の計算式によりそれぞれ求められる。
【0073】次に本発明の感光層について説明する。本
発明の感光層は、電荷発生物質とポリシランの双方を同
一の層に含有する単層型、あるいは電荷発生層とポリシ
ラン層を積層した積層型のいずれかである。
【0074】積層型の感光層の構成としては、導電性支
持体上に電荷発生層、ポリシラン層をこの順に積層した
ものと、逆にポリシラン層、電荷発生層の順に積層した
ものがある。
【0075】本発明で用いる導電性支持体は導電性を有
するものであれば、いずれのものでもよく、例えば、ア
ルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレス
等の金属をドラムまたはシート上に成型したもの、アル
ミニウムや銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミ
ネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化
スズ等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性
物質を単独またはバインダー樹脂とともに塗布して導電
層を設けた金属、プラスチックフィルム、紙等が挙げら
れる。
【0076】積層型のポリシラン層はポリシランを溶剤
に溶解し、塗布して形成される。なお、ポリシラン層に
スチリル化合物やトリアリールアミン化合物等の低分子
電荷輸送物質を添加してもよい。
【0077】ポリシランを溶解する溶剤として、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、モノクロルベ
ンゼン、ジクロルベンゼン等の塩素化芳香族溶剤を使用
することができる。
【0078】また、ポリシラン層は単独でフィルム形成
能を持つが、補強効果のため、バインダー樹脂を添加し
てもよい。バインダー樹脂としてはポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリスチレン及びポリメタクリル酸エス
テルなどが挙げられる。ポリシラン層の膜厚は5〜40
μm、好ましくは10〜30μmである。
【0079】電荷発生物質はスーダンレッド、ダイアン
ブルーなどのアゾ顔料:ピレンキノン及びアントアント
ロン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔
料、インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ顔料、及び
銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、スズフタ
ロシアニン、ガリウムフタロシアニン等が用いられる。
この中で、フタロシアニン顔料、特にチタニルフタロシ
アニンが好ましい。
【0080】積層型の感光体の電荷発生層はこれらの電
荷発生物質をポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポ
リ酢酸ビニル及びアクリル樹脂等のバインダー樹脂に分
散させて、この分散液を塗工するか、前記顔料を真空蒸
着することによって形成する。このような電荷発生層の
膜厚は5μm以下、好ましくは0.05〜3μmであ
る。
【0081】単層型の感光層では、ポリシランを溶解
し、電荷発生物質を溶液に分散、塗工して感光層を形成
する。このような単層型感光層の膜厚は5〜40μm、
好ましくは10〜30μmである。
【0082】また、本発明においては、導電性支持体と
感光層の間にバイアー機能をもつ下引き層を設けること
もできる。下引き層はカゼイン、ポリビニルアルコー
ル、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマ
ー、ポリアミド共重合体、アルコキシメチル化ポリアミ
ド、ポリウレタン及びゼラチン等によって形成できる。
下引き層の膜厚は0.1〜3μmが好ましい。
【0083】以上に示した本発明のポリシラン層及びフ
ッ素系樹脂粒子を含有する表面層を持つ電子写真感光体
は、高温高湿下でも高画質を維持できる。
【0084】さらに、ポリシラン層とフッ素系樹脂粒子
と導電粒子を含有する表面層を持つ電子写真感光体は、
高い帯電性を示し、かつ耐久時に高感度を安定に維持で
きる。
【0085】次に、本発明に用いる接触帯電部材を説明
する。本発明の接触帯電部材は、ローラー、ベルト、ブ
ラシの形状のものが用いられる。ローラー、ベルトの場
合、導電性弾性層の上に抵抗層を設けたものが用いられ
る。導電性弾性層としては、カーボン分散ゴム、カーボ
ン分散スポンジ等が用いられる。弾性層の上に導電層を
設けた機能分離構造としてもよい。抵抗層には、体積抵
抗で106〜1012Ωcmの範囲の抵抗体が用いられ
る。
【0086】抵抗体としては、ポリアミド、セルロー
ス、ポリウレタンのような樹脂、カーボン、酸化スズ、
導電処理酸化チタン等を分散した樹脂が用いられる。
【0087】ブラシにおいては、磁気ブラシ、ファーブ
ラシが用いられる。磁気ブラシは、鉄粉、フェライト、
マグネタイトなどの酸化鉄などの磁性導電粒子からな
り、マグネットにより保持される。磁性導電粒子の粒径
は5〜200μmが好ましい。なお、磁性導電粒子は必
要に応じ、抵抗調整、疎水化、帯電調整等の目的で表面
コート層、表面処理を施しても良い。
【0088】ファーブラシはカーボン分散レーヨン樹脂
等を繊維状とし、導電性の支持体上に植毛したもので、
板状またはローラー状が用いられる。
【0089】これらの帯電部材の内で、感光体への摩擦
から磁気ブラシ、ファーブラシが好ましい。該接触帯電
部材は前記電子写真感光体と接触するように当接し、接
触帯電部材の周速は電子写真感光体の周速と等速になら
ないことが好ましい。つまり、図5のように同方向移動
の場合は、電子写真感光体より接触帯電部材の周速が1
10%以上速いことが好ましい。図6のように逆方向移
動の場合は周速は限定されない。図5および図6におい
て、符号21は感光体、22は接触帯電部材、23は露
光手段、24は現像手段、25は転写ローラー、26は
転写材、27はクリーニングブレード、28は熱定着ロ
ーラーをそれぞれ示す。
【0090】本発明の体積抵抗値の測定方法は、表面に
導電膜を蒸着したポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム上に本発明の感光体の表面層のみを形成
し、これを体積抵抗測定装置(ヒューレッドパッカード
社製4140B pAMETER)にて23℃、65%
の環境で100Vの電圧を印加させて測定したときの値
である。
【0091】〔使用するポリシラン化合物の製造例〕ポリシラン製造例1 真空吸引とアルゴン置換を行ったブローボックスの中に
三ッ口フラスコを用意し、これにリフラックスコンデン
サーと温度計と滴下ロートを取り付けて、滴下ロートの
バイパス管からアルコンガスを通した。
【0092】この三ッ口フラスコ中に脱水ドデカン10
0グラムとワイヤー状金属ナトリウム0.3モルを仕込
み、撹拌しながら100℃に加熱した。次にジクロロメ
チルフェニルシランモノマー(チッソ(株)製)0.1
モルを脱水ドデカン30グラムに溶解させて、用意した
溶液を反応系にゆっくり滴下した。
【0093】滴下後、100℃で1時間縮合させること
により、白色固体を析出させた。この後冷却し、ドデカ
ンをデカンテーションして、さらに脱水トルエン100
グラムを加えることにより、白色固体を溶解させ、金属
ナトリウム0.01モルを加えた。
【0094】次に、n−ヘキシルクロライド(東京化成
製)0.01モルをトルエン10mlに溶解させて用意
した溶液を反応系に撹拌しながらゆっくり滴下して添加
し、100℃で1時間加熱した。この後冷却し、過剰の
金属ナトリウムを処理するため、メタノール50mlを
ゆっくり滴下した。これにより懸濁層とトルエン層とが
生成した。
【0095】次に、トルエン層を分離し、減圧濃縮した
後シリカゲルカラム、クロマトグラフィーで展開して精
製し、ポリシラン化合物No.1(d−1)を得た。収
率は65%であった。
【0096】このポリシラン化合物の重量平均分子量は
GPC法によりTHF展開し測定した結果75,000
であった(ポリスチレンを標準とした)。
【0097】ポリシラン製造例2 真空吸引とアルゴン置換を行ったブローボックスの中に
三ッ口フラスコを用意し、これにリフラックスコンデン
サーと温度計と滴下ロートを取り付けて、滴下ロートの
バイパス管からアルゴンガスを通した。
【0098】この三ッ口フラスコ中に脱水n−ヘキサン
100グラムと1mm角の金属ナトリウム0.3モルを
仕込み、撹拌しながら80℃に加熱した。次にジクロロ
メチルシクロヘキシルシランモノマー(チッソ(株)
製)0.1モルを脱水n−ヘキサンに溶解させて用意し
た溶液を反応系にゆっくりと滴下した。滴下後80℃で
3時間縮合重合させることにより、白色固体を析出させ
た。この後冷却しn−ヘキサンをデカンテーションし
て、さらに脱水トルエン100グラムを加えることによ
り白色固体を溶解させ、金属ナトリウム0.01モルを
加えた。次に、n−ヘキシルクロライド(東京化成製)
0.01モルをトルエン10mlに溶解させて用意した
溶液を反応系に撹拌しながらゆっくり滴下して添加し、
80℃で1時間加熱した。この後冷却し、過剰の金属ナ
トリウムを処理するため、メタノール50mlをゆっく
り滴下した。これにより懸濁層とトルエン層とが生成し
た。
【0099】次に、トルエン層を分離し、減圧濃縮した
後、シリカゲルカラム、クロマトグラフィーで展開して
精製し、ポリシラン化合物No.2(d−10)を得
た。収率は58%であり、重量平均分子量は120,0
00であった。
【0100】製造例2と同様にしてポリシランNo.3
を製造した。製造例1と同様にしてポリシランNo.4
を製造した。
【0101】
【表14】 〔帯電部材製造例1〕帯電部材製造例として、磁性体粒
子の表面を導電性保護膜でコートした被覆磁性体粒子か
らなる帯電部材の例を述べる。なお、これは本発明を何
ら限定するものではない。
【0102】まず被覆磁性体粒子を作成した。ポリカー
ボネート1部およびエポキシ変性シリコーン樹脂1部と
導電材として導電化処理を施した酸化チタン4部、粒径
0.25μmの4フッ化エチレン樹脂粒子0.2部をキ
シレン溶液14部に混合し、これをガラスビーズを入れ
たペイントシェイカーで2時間分散させ、コート層溶液
を作成した。このコート層溶液から作られるコート層の
抵抗を前述の方法で測定したところ体積抵抗値が8×1
6Ωcmであった。次にこの溶液を流動床型の塗布機
(スピタコータ、岡田精工社製)を用いて平均粒径34
μm、体積抵抗値が5×106Ωcmである水素還元Z
n−Cuフェライト粒子200部に塗布した。フェライ
ト粒子の体積抵抗値の測定は、図3に示すセルを用いて
測定した。すなわち、セルAに磁性体粒子を充填し、該
充填磁性体粒子に接するように電極1及び2を配し、該
電極間に電圧を印加し、その時流れる電流を測定するこ
とにより求めた。その測定条件は、充填磁性体粒子のセ
ルとの接触面積S=2cm 2、厚みd=1mm、上部電
極の荷重2kg、印加電圧100Vである。乾燥工程を
経て得られた被覆磁性体粒子の体積抵抗値は3×106
Ωcmであり、その表面を日立製作所製走査型電子顕微
鏡S800(以下SEMという)で観察したところ、全
体にわたってコート層の存在が確認された。なお被覆磁
性体粒子の体積抵抗値の測定も上記と同様に行った。
【0103】表面層に導電粒子を含有する感光体と、接
触帯電部材を用いて帯電を行なう際の原理について述べ
る。中抵抗の接触帯電部材で、中抵抗の表面抵抗を持つ
感光体表面に電荷注入を行なうものであるが、本実施例
は感光体表面材質のもつトラップ電位に電荷を注入する
ものではなく、表面層の導電粒子に電荷を充電して帯電
を行なう原理である。
【0104】具体的には、感光層を誘電体、アルミ基板
と表面層内の導電粒子を両電極板とする微小なコンデン
サーに、接触帯電部材で電荷を充電する理論に基づくも
のである。この際、導電粒子は互いに電気的には独立で
あり、一種の微小なフロート電極を形成している。この
ため、マクロ的には感光体表面均一電位に充電、帯電さ
れているように見えるが、実際には微小な無数の充電さ
れた導電粒子の感光体表面を覆っているような状況とな
っている。このため、レーザによって画像露光を行なっ
てもそれぞれの導電粒子は電気的に独立なため、静電潜
像を保持することが可能になる。
【0105】以下、実施例および比較例により、本発明
を更に詳細に説明する。
【0106】
【実施例】
(実施例1)アルミニウムシリンダー上に、アルコール
可溶性ポリアミド樹脂(アミランCM−8000、東レ
(株)社製)10部(重量部、以下同様)、メトキシメ
チル化6ナイロン樹脂(トレジンEF−30T、帝国科
学(株)社製)30部をメタノール150部、ブタノー
ル150部の混合溶媒中に溶解した調合液を浸漬塗工
し、90℃で10分間乾燥させ、膜厚1μmの下引層を
形成した。
【0107】次に、下記構造式
【0108】
【化6】 で示されるジスアゾ顔料4部、ブチラール樹脂(エスレ
ックBL−S、積水化学(株)社製)2部およびシクロ
ヘキサノン100部をサンドミル装置にて48時間分散
した後、テトラヒドロフラン(THF)100部を加え
て電荷発生層用の分散液を調合した。この分散液を前記
下引層上に浸漬塗工し、80℃で15分間乾燥させて、
膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0109】次に、ポリシランNo.10部をモノクロ
ルベンゼン90部に溶解し、この溶液を前記電荷発生層
の上に浸せき塗布し、120℃で60分間乾燥させ、膜
厚10μmの電荷輸送層を形成した。
【0110】次に、保護層用の調合液を下記の手順によ
り作成した。
【0111】結着樹脂としてポリカーボネートZ(Z−
400,三菱ガス化学製)10部、下記構造式の電荷輸
送材8部、
【0112】
【化7】 四フッ化エチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン
工業製)5部をトルエン200部を混合してサンドミル
装置でさらに4時間分散し、保護層用の調合液を作成し
た。
【0113】この調合液を用いて前記ポリシラン層上に
スプレー塗工にて成膜し、120℃1時間加熱乾燥し
て、膜厚4μmの保護層を形成し、感光体No.1を得
た。
【0114】(実施例2)実施例1で用いた保護層用の
調合液のポリカーボネートの代わりにアクリル樹脂を用
いた。
【0115】 ポリメチルメタアクリレート−スチリン共重合体 (MS−200 新日本製鉄化学製) 10部 下記構造式の電輸送材 50部
【0116】
【化8】 四フッ化エチレン樹脂粒子 (ルブロンL−2、ダイキン工業製) 5部 上記組成にトルエン200部を加え、調合液を作製し
た。この調合液を用いて、実施例1と同様に作製した下
引き層、電荷発生層、ポリシラン層からなる感光層の上
に保護層をスプレー塗工し、120度で1時間加熱乾燥
し、感光体No.2を作製した。
【0117】(実施例3)実施例1で用いた四フッ化エ
チレン化樹脂微粒子をフッ化ビニリデン樹脂微粒子(カ
イナ、エルフ・アトケム・ジャパン製)に変えて保護層
を形成したほかは、実施例1と同様にし、感光体No.
3を作製した。
【0118】(実施例4)実施例2で用いた四フッ化エ
チレン化樹脂微粒子をフッ化ビニリデン樹脂微粒子(カ
イナ、エルフ・アトケム・ジャパン製)に変えて保護層
を形成したほかは、実施例2と同様にし、感光体No.
4を作製した。
【0119】(比較例1)実施例1と同様にして感光層
を形成した。四フッ化エチレン微粒子を用いないほか
は、実施例1と同様に保護層を形成し、感光体No.5
を作製し。
【0120】(比較例2)実施例1と同様にして感光層
を形成した。四フッ化エチレン微粒子を用いないほか
は、実施例2と同様に保護層を形成し、感光体No.6
を作製し。
【0121】上記のように作製した実施例1〜4と比較
例1〜2の感光体を直接帯電、露光、現像、転写、クリ
ーニングのプロセスを繰り返す複写機(NP−603
0、キャノン製)に取り付け、20℃、湿度50%の常
温常湿下での画像評価を行なった。更に常温常湿下で3
000の繰り返し画像出し耐久試験を行なった。その結
果、実施例1〜4の感光体では比較例1〜2の感光体に
比較して、ボソ抜け等によるムラや黒ポチのない画像を
得ることができた。しかも、3000枚の繰り返し画像
出し耐久試験においても融着やフィルミングのない安定
して良好な画像を保つことができ、表面の摩耗や傷に対
する耐久性も格段に向上した。その結果を表1に示す。
暗部電位は直接電圧−1.2kVで印加した時の感光体
の表面電位であり、その絶対値が大きいほど帯電能が良
いことを示す。また、感度は、表面電位が絶対値で70
0Vから200Vまで減衰させるのに必要な露光量を示
す。
【0122】
【表15】 (実施例5)50μ厚のアルミシート支持体上に、アル
コキシメチル化ポリアミド5部をメタノール70部とブ
タノール25部の混合溶剤に溶解した溶液を塗布乾燥し
て1μ厚の下引き層を設けた。
【0123】次に、A型チタニルフタロシアニン5部を
トルエン5部に分散し、ポリシランNo.3を30部、
トルエン300部のポリシラン溶液と混合し、塗布、乾
燥して、10μ厚の感光層を設けた。
【0124】 次に、四フッ化エチレン樹脂粒子 (ルブロンL−2、ダイキン工業製) 30部 下記構造式のアクリルモノマー60部、
【0125】
【化9】 分散前の平均粒径が500Åの導電性酸化亜鉛30部、
光開始剤として2−メチルチオキサントン2部、トルエ
ン100部及びメチルセロソルブ200部をサンドミル
にて48時間分散した。この調合液を用いて、先の感光
層の上にビームコーティング法により、塗布、乾燥した
後、高圧水銀灯にて8mW/cmの光強度で、20秒間
光硬化を行い、表面層を得た。このようして、感光体N
o.7を作製した。
【0126】表面層の体積抵抗率は、別途前述の方法で
測定し、5.0×1012Ωcmであった。
【0127】(実施例6)実施例5で用いたポリシラン
No.3の代わりにポリシランNo.4を用いたほか
は、実施例5と同様にし、電子写真感光体No.8を作
製した。
【0128】(実施例7)実施例5の保護層を四フッ化
エチレン樹脂粒子の代わりにフッ化ビニリデン樹脂粒子
(カイナ、エルフ・アトケム・ジャパン製)を用いた以
外は実施例5と同様にして感光体No.9を作製した。
表面層の体積抵抗率は、8.0×1012Ωcmであっ
た。
【0129】(実施例8)実施例6の保護層を四フッ化
エチレン樹脂粒子の代わりにフッ化ビニリデン樹脂粒子
(カイナ、エルフ・アトケム・ジャパン製)を用いた以
外は実施例6と同様にして感光体No.10を作製し
た。
【0130】(比較例3)実施例5の保護層を四フッ化
エチレン樹脂粒子と導電性酸化亜鉛を用いない以外は実
施例5と同様にして感光体No.11を作製した。
【0131】(比較例4)実施例6の保護層を四フッ化
エチレン樹脂粒子と導電性酸化亜鉛を用いない以外は実
施例6と同様にして感光体No.12を作製した。
【0132】実施例5から実施例8、比較例3と比較例
4について、これらの感光体について一次帯電以外は実
施例1と同様に評価した。一次帯電には製造例の磁気ブ
ラシを用い、−700Vを印加した。
【0133】実施例5から実施例8では非常に良好な注
入帯電性を示し、ほぼ印加電圧と同等の暗部電位を示し
た。初期、耐久後ともに良好な画像が得られた。
【0134】比較例3と比較例4では帯電が充分でな
く、暗部電位が低かった。画像も得られなかった。初期
画像も得られないため、耐久画像出し試験はできなかっ
た。
【0135】
【表16】
【0136】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ポ
リシラン感光層とフッ素系樹脂粒子を含有する保護層を
持つ電子写真感光体において、高感度かつ高耐久で環境
安定性の良い感光体が得られる。さらに、この感光体に
対し、接触帯電部材で帯電することにより、オゾンを発
生することなく帯電でき、電子写真装置の高速化、省電
力を実現できる。
【0137】さらに、本発明によれば、ポリシラン感光
層とフッ素系樹脂粒子及び導電粒子を含有する保護層を
持つ電子写真感光体において、帯電能が非常に高く、か
つ高感度で高耐久で画質安定性の良い感光体が得られ
る。この感光体に、接触帯電部材で帯電することによ
り、印加電位と同等の暗部電位が得られ、帯電効率を1
00%に近い値まで向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電子写真感光体の部分断面図。
【図2】本発明における他の電子写真感光体の部分断面
図。
【図3】本発明におけるさらに他の電子写真感光体の部
分断面図。
【図4】電気抵抗測定装置を模式的に示した概略断面
図。
【図5】本発明に基づく電子写真式プリンターの構成を
表す概略側面図。
【符号の説明】
1 表面樹脂層 2 フッ素系樹脂粒子 3 ポリシラン層 4 電荷発生層 5 感光層 6 導電性支持体 11 主電極 12 上部電極 13 絶縁物 14 電流計 15 電圧計 16 定電圧計 17 キャリア 18 ガイドリング 21 感光体 22 接触帯電部材 23 露光手段 24 現像手段 25 転写ローラー 26 転写材 27 クリーニングブレード 28 熱定着ローラー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に設けられた感光層と、この感
    光層上に設けられた表面層とを備えた電子写真感光体に
    おいて、前記感光層がポリシランを含有し、かつ前記表
    面樹脂層がフッ素系樹脂粒子を含有することを特徴とす
    る電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記感光層が、下記の式(I)で表され
    るポリシランを含有する請求項1に記載の電子写真感光
    体。 【化1】 〔但し、式中、R1は炭素数1又は2のアルキル基、R2
    は炭素数3乃至8のアルキル基、シクロアルキル基、ア
    リール基又はアラルキル基、R3は炭素数1乃至4のア
    ルキル基、R4は炭素数1乃至4のアルキル基をそれぞ
    れ示す。nとmは、ポリマー中の総モノマーに対するそ
    れぞれのモノマー数の割合を示すモル比であり、n+m
    =1となり、0<n≦1、0≦m<1である。〕
  3. 【請求項3】 前記表面樹脂層が導電粒子を含有する請
    求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体と、この電子写真感光体に対して帯電を行
    なう接触帯電部材とを備えた電子写真ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体と、この電子写真感光体に対して帯電を行
    なう接触帯電部材とを備えた電子写真装置。
JP16369195A 1995-06-29 1995-06-29 電子写真感光体、およびそれを用いた電子写真ユニットならびに電子写真装置 Pending JPH0915884A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014059411A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 Konica Minolta Inc 電子写真感光体ならびにこれを用いた画像形成装置および画像形成方法

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