JPH09158048A - 機能性繊維製品 - Google Patents

機能性繊維製品

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JPH09158048A
JPH09158048A JP31391395A JP31391395A JPH09158048A JP H09158048 A JPH09158048 A JP H09158048A JP 31391395 A JP31391395 A JP 31391395A JP 31391395 A JP31391395 A JP 31391395A JP H09158048 A JPH09158048 A JP H09158048A
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yarn
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鍋島  敬太郎
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勲 大藪
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寿昭 中野
Hideyuki Yamada
英幸 山田
Akihiro Nokata
明広 野形
Masakazu Nomura
正和 野村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベトツキ、ザラツキ感の無いサラサラタッチ
をもち、快適性に著しく優れると共に人体に対する安全
性が、高く、しかも耐久性に優れた抗菌性、抗カビ性、
防臭性をもち、一般衣料、寝装材、生活関連資材、医療
材等に使用するに適切な繊維製品を提供する。 【解決方法】 構成単繊維の少なくとも一部が凹部を有
する断面形状をもつフィラメント糸からなるマルチフィ
ラメント糸もしくはそれから得られた紡績糸からなり且
つ少なくとも該凹部に脱アセチル化キチンとセリシンと
からなる複合体を固着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機能性繊維製品及び
その製造法に関し、詳しくは着用中に於ける吸水性や吸
湿性が高く、洗濯耐久性に優れた抗菌性、抗カビ性、防
臭性を有し、且つザラツキ感のないサラサラタッチでド
レープ性を有する極めて良好な風合いの一般衣料、生活
関連資材、寝装材、衣料衛生材料等として好適に使用で
きる快適で安全性に優れた機能性繊維製品及びその製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に身体に着用して使用する下着、肌
着、手袋、ソックス、ワイシャツ、ブラウス、ランジェ
リー等の衣類、シーツ、布団カバー、パジャマ等の寝装
類、包帯、おむつ、ベットシーツ等の医療衛生材料な
ど、通常直接肌に触れて使用される繊維製品は、使用中
に汗等の分泌物が付着すると、これらの付着物が栄養源
となって各種の細菌やカビがはびこり、悪臭を放散する
ようになったり、衛生上好ましくない状態を起こしたり
するという問題がある。この様な問題を解決する為に、
従来から繊維や繊維布帛に対してビグアナイト誘導体、
有機シリコン系第4級アンモニウム塩等の各種合成抗菌
剤を付与する処理加工が行われたり、又ゼオライトに担
持させた抗菌性金属(Ag、Cu、Zn)のイオン的解
離により抗菌性を付与することが提案されている。
【0003】しかしながら、これらの方法で得られた該
繊維布帛は、いずれも用いられている抗菌剤が人体に対
して必ずしも安全でなく、使用する用途によっては、人
体、特に新生児等の皮膚の弱い者に対しかぶれを生じる
などの安全上の問題があったり、一部の薬剤では、焼却
処分時におけるダイオキシンの発生の問題があることか
ら使用禁止となったものもあり、処理剤としては不適当
なものであった。
【0004】それらに対して、最近ではより安全性の高
い抗菌防臭加工を求め、或いは安定性の高い高分子量の
薬剤を求め、天然物質である脱アセチル化キチン(以下
キトサンと称す)を抗菌成分として用いる加工方法が提
案されている(特開平3−51369、特開平4−25
7301、特開平5−339801、特開平6−708
03)。
【0005】又、さらにはキトサンとコラーゲン等をベ
ースとして反応性樹脂を加える方法も提案されている
(特開平7−229064)。しかしながら、これらは
あくまでも抗菌成分としてキトサンを使用し、しかもそ
の繊維表面への固着には、人体に対し安全性に問題のあ
る合成樹脂を主成分とするバインダーが併用されてお
り、抗菌効果や処理された繊維材料の使用時に於ける洗
濯耐久性が満足されていても、人体、特に皮膚に対する
安全性に関しては何ら配慮されていないのが、現状であ
りこれら問題に対する改善が強く要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み行われたものであり、ベトツキ、ザラツキ感
の無いサラサラタッチをもち、快適性に著しく優れると
共に人体に対する安全性が、高く、しかも耐久性に優れ
た抗菌性、抗カビ性、防臭性をもち、一般衣料、寝装
材、生活関連資材、医療材等に使用するに適切な繊維製
品を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、本発明に達した。本発
明は上記目的を達成するもので、次の構成よりなる。即
ち本発明に係る機能性繊維製品は、構成単繊維の少なく
とも一部が凹部を有する断面形状をもつフィラメント糸
からなるマルチフィラメント糸もしくはそれから得られ
た紡績糸からなり且つ少なくとも該凹部に脱アセチル化
キチンとセリシンとからなる複合体が固着してなること
を特徴とする。
【0008】本発明は被処理繊維と機能性を付与するた
めの処理剤との組み合わせに特徴があり、この組み合わ
せによって前記した本発明の目的を高度に達成すること
ができるものである。本発明で用いる被処理繊維は、少
なくとも1種類の凹部を有する断面形状をもつフィラメ
ント糸を必須構成繊維とするマルチフィラメント糸、も
しくは紡績糸からなるものである。
【0009】凹部を有する断面形状とは、同一断面にお
いて断面輪郭に接する接線を引いた時に、複数の接点を
有し、その接点間に凹部(U)を形成しており、その凹
部と凹部に凸部が形成されている断面をいう。この数は
断面当たり3〜8個であることが好ましい。
【0010】凹部を有しない断面形状のフィラメント糸
も共存させうる。凹部を有しない断面形状とは、同一断
面において断面輪郭に接する接線を引いた時に、複数の
接線を有しない断面形状を原則としていうが、原糸では
凹部を有しない(複数の接点を有しない断面形状)もの
であれば仮撚加工の際に隣接した糸との接触等により部
分的に凹んだ断面形状をもつものもこれに包含される。
上記の凹部を有しない断面形状の具体例を挙げると、円
形、楕円形(おにぎり型円形)や3角形以上の多角形で
あって比較的角に丸みを持ったものが挙げられる。凹部
を有するフィラメント糸と凹部を有しないフィラメント
糸を共存させることが好ましく、その割合は2〜8:8
〜2が好ましい。
【0011】一方、処理剤は脱アセチル化キチン(以下
キトサンと称する)とセリシンを必須成分とするもので
ある。本発明で用いるキトサンは抗菌抗カビ防臭効果を
発揮するものであり、例えば、主としてカニ、エビ等の
甲殻類の外殻からカルシウム、タンパク質等の夾雑物を
酸及びアルカリ処理で除去して得られるキチンを酸ある
いは酵素で処理することによって脱アセチル化した分子
量数十万のアミノ基を有する高分子量ポリマーがその典
型例(狭義のキトサン)であるが、この狭義のキトサン
を酸あるいは酵素で処理することによって得られる適度
に分解した分子量数千から数万の比較的低分子量のポリ
マーであってもよい。このキトサンの脱アセチル化度
は、有機酸、無機酸への溶解性及び抗菌性を考慮して、
50%以上であることが好ましい。
【0012】キトサンの抗菌作用については、カビの増
殖抑制作用やEscherichiacoli(大腸
菌)、Staphylococcus aureus
(黄色ぶどう状球菌)、Pseudomonas ae
ruginosa(緑膿菌)、Bacillus(枯草
菌)等のグラム陽性、陰性細菌にたいする増殖抑制作用
が報告されている。これらの抗菌作用の詳細は不明であ
るが、四級化したキトサンのカチオン性アミノ基によっ
て、菌の細胞壁中の陰イオン抗生物質が吸着され、その
結果、細胞壁の生合成が阻害或いは壁内外の物質の能動
輸送が阻止される為、抗菌作用が発現されるものと推定
されている。
【0013】本発明は、キトサンとセリシンを併用し、
両者からなる複合体を前記した異型断面構造繊維をもつ
マルチフィラメント糸又は紡績糸の単繊維表面に特定の
固着形態において固着(定着)させ、単繊維表面の特異
的形状と処理剤の両性分の組み合わせにより、作用効果
を発現させるものであって、ここで、本発明の特筆すべ
き効果を発揮せしめているキトサンとセリシンの複合体
の繊維表面への固着態様について述べる。
【0014】本発明の異型断面構造繊維においては表面
の該凹部に凹部を有しない単繊維表面に較べ、部分的に
厚い層のキトサンとセリシンの複合体からなる皮膜が形
成されている。付着量としてみた場合、2〜100重量
倍に相当する。これは、キトサンとセリシンの複合体の
効果を有効に発揮させるために非常に重要な条件であ
る。何故なら、該凹部に形成されているキトサンとセリ
シン厚い皮膜層はこれらの箇所に侵入した上述の菌やカ
ビに対し持続的に且つ強力に作用し、更に該凹部が、内
外層にランダムな状態で存在している為、造糸全体にお
いて菌やカビに対しても持続的、強力且つ有効に作用が
発揮されるのである。
【0015】そこで具体的に、キトサンとセリシンから
なる複合体の付与法について述べる。キトサンとセリシ
ンは通常次のようにして水溶液にされ、被処理繊維に付
着される。被処理繊維はマルチフィラメント糸又は紡績
糸のまま処理を行ってもよく、又織物、編物の状態で処
理しても良い。即ち、先ずセリシンを水に溶解した後に
この水溶液にたいしてキトサンを分散させる。
【0016】次に攪拌しながら無機酸又は有機酸を添加
してキトサンを溶解させキトサンとセリシンの混合溶液
を調整する。あるいはキトサンの水懸濁液にたいして攪
拌を行いながら無機酸又は有機酸を添加しキトサン水溶
液とした後に、セリシンを添加しキトサンとセリシンの
混合水溶液を調整する。添加する無機酸としては塩酸な
どがあげられ、有機酸としては酢酸、乳酸、蟻酸、クエ
ン酸、グルコン酸、アスコルビン酸等があげられ、それ
らの使用量は、キトサンの遊離アミノ基を中和するのに
必要な量以上使用することが好ましく、得られたキトサ
ンのpHが3〜6の範囲にあるようにすることがより好
ましい。
【0017】セリシンの共存によりキトサン単独皮膜の
膨潤が抑制される。通常キトサン単独皮膜の場合の水膨
潤を抑制するのに十分であって生成皮膜の不溶化が維持
される混合比で両者が用いられる。具体的混合比はキト
サンの分子量等によって異なるが、通常キトサンにたい
しセリシンを0.1〜10重量倍であって上記機能を示
す混合比で用いる。水溶液中のキトサンとセリシンの濃
度も、塗布手段等に応じ適宜の濃度で用いうる。浸漬法
などの場合、通常キトサン濃度が0.1〜2重量%程度
であることが好ましい。
【0018】キトサンとセリシンの繊維表面への固着量
はキトサン及びセリシン本来の機能を示し得る量であれ
ば、特に制限はなく、通常0.1g/m2 以上が好まし
く、耐久性や布帛の風合等からは、特に0.2〜5g/
2 が好ましい。前記した通り、これらの混合水溶液を
付与する繊維の状態は、糸状態でも布帛状態でもよい。
又付与の方法も、パッドドライ法、浸漬法、噴霧法等従
来知られた種々の方法を用いることができ、その繊維形
態、例えば布帛としての状態、更に生産性等を考慮して
最も適した方法で行うことができる。
【0019】かくしてキトサンとセリシンを付与した繊
維を乾燥、加熱処理して繊維表面上に両者の複合体を固
着させる。この乾燥、加熱処理は通常用いられている熱
風型乾燥機を用いて適宜に行われる。温度条件としては
100〜200℃程度が用いられる。用いる装置や加熱
温度、加熱時間等の条件は、生産速度を考慮し、また処
理後の繊維製品の形態や物性に悪影響を及ぼさないよう
配慮して適宜に最適条件が決められる。
【0020】本発明の方法により、ベトツキ、ザラツキ
感のないサラサラタッチの快適な風合で、かつ安全性が
高く、耐久性のある親水性、抗菌性、抗カビ性、防臭性
に優れた繊維製品を得ることができる。つまり、異型断
面構造糸本来の優れた物性を保持した上、合成繊維の一
般的欠点である摩擦帯電性を人体に全く感じないまでに
減少でき、しかも異型断面構造糸の特徴的形態を利用し
てキトサンとセリシンの複合体を単繊維表面の特に凹部
に重点的に固着させることにより耐久性に富む抗菌性、
抗カビ性、防臭性、及び永続的な親水性を発現できると
いう顕著な効果を得ることができたのである。かくして
得られた繊維(布帛)は適宜他の繊維(布帛)と併用し
得る。
【0021】本発明の方法に於いては異型断面構造糸の
形態、及びキトサンとセリシンの組み合わせが重要であ
る。又他の成分の存在は必ずしも必要ではないが、ゼラ
チン、合成ペプチド類その他のバインダー的機能を持つ
成分等を共存させてもよい。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。 〔実施例1〕下記の表1に示す割合にてキトサンに、酢
酸を加え攪拌することにより溶解させキトサン水溶液を
得た後、更に微粉末のセリシンを添加し同様の操作によ
り各々pH4のキトサンセリシン混合水溶液を準備し
た。
【0023】
【表1】
【0024】次に、上記で得られた該水溶液を内径85
mmのシャーレに10ml入れ、80℃にて2時間乾燥
膜化させた。得られた膜から5.0cm×2.0cmの
試料を採取し、25℃蒸留水中に2時間浸漬した後にそ
れぞれ膜の長さを測定することにより次式により膨潤度
を求めた。 膨潤度(%)=浸漬後の長さ/浸漬前の長さ×100 得られた膨潤度を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】ここで膨潤度が100%のものは全く膨潤
していないことを意味する。表1からキトサンのみで製
膜したものは、膨潤度が156%と大きく極端な強度低
下を示していると考えられる。これに対し、セリシンを
0.2%あるいは0.5%添加した膜では、膨潤度が1
02%から106%で、ほとんど膨潤せず、よって強度
低下もないと考えられる。以上の結果により、キトサン
にたいしてセリシンを添加することによって水中でのキ
トサン膜の安定性を著しく改善できることが確認され
た。このように、キトサンにたいしてセリシンを添加す
ることによって、キトサン膜の水中での安定性が著しく
改善され、繊維に固着した場合にも耐久性が大きく改善
される。
【0027】〔実施例2〕 キトサン/セリシンによる布帛の処理(1) 実施例1で調整されたキトサンセリシン水溶液を用い
て、凹部を有する断面形状をもつフィラメント糸と、凹
部を有しない断面形状をもつフィラメント糸の混繊複合
糸からなるポリエステル、凹部を有しない断面形状から
なるポリエステルマルチフィラメント糸の2種類からの
繊維布帛を使用して下記の条件で処理した。
【0028】1.繊維布帛 (1)凹部を有する断面形状のフィラメント糸と凹部を
有しない断面形状のフィラメント糸からなるポリエステ
ルマルチフィラメント糸(以下ポリエステル1と称す)
で、経糸 75d/24f、緯糸75d/36f使いの
目付100g/m2 のマット組織の布帛。 (2)凹部を有しない断面形状のフィラメント糸からな
るポリエステルマルチフィラメント糸(以下ポリエステ
ル2と称す)で、経糸 75d/36f、緯糸75d/
96f使いの目付90g/m2 の平組織布帛、 2.処理条件 布帛を処理液に浸漬後ゴムロールにて絞液し、70%o
wf付与した。次に160℃で2分間熱処理した。 3.処理加工布 実施例1において、各々の処方に対する処理布は各々次
の表3に示す通りである。
【0029】
【表3】
【0030】得られた布帛について洗濯10回繰り返し
た後の抗菌性、吸水性、吸放湿性、摩擦帯電圧、及び風
合いを評価した。得られた結果を表4〜6に示す。 洗濯処理方法:JIS L0217 103法 抗菌性測定方法:繊維製品衛生加工協議会指定のシェー
クフラスコ法によって行った。測定に用いた菌株として
IFO13277 吸水性測定法 JIS L1096A法 吸放湿測定法:JIS L1096 公定水分率測定法
に従い、20℃65%RHの水分率と40℃90%での
水分率を測定、この水分率の差を吸放湿性として算出し
た。 摩擦帯電圧測定法:JIS L1096B法 風合い評価法:ハンドリングにより評価した。
【0031】
【表4】
【0032】表4から明らかなように、ポリエステル
1、ポリエステル2の素材においても、加工後の布帛の
状態では、キトサンを付与したものは高い抗菌性を示し
ている。しかし、その耐久性においては、加工布A、即
ちキトサンのみによって処理を行った場合には、洗濯後
にその抗菌性が大きく低下しているのに対して、加工布
B、Cにおいては洗濯10回後でもその抗菌性はほとん
ど低下していない。特に、耐久性の確保が難しいと言わ
れているポリエステル系繊維においても、合成薬剤を用
いてすら、その抗菌性はほとんど低下していない。
【0033】
【表5】
【0034】吸水性の測定結果から明らかなように、キ
トサンセリシン複合体(処方BおよびC)においては、
高い吸水性を示し、なおかつポリエステル1の場合は、
高い耐久性も併せ持っていることが確認された。
【0035】
【表6】
【0036】表6からも明らかなようにポリエステルは
吸放湿性を全く示さないのに対して、キトサンあるいは
キトサンセリシン複合体を繊維に固着することによっ
て、高い吸放湿性を示している。これは特に、セリシン
を添加した場合に大きな値となっている。また、キトサ
ンのみでは耐久性が不十分であるのに対して、キトサン
セリシン複合体では、高い耐久性が得られている。さら
にはポリエステル1の場合、高い吸放湿性と高いその耐
久性とを、併せ持っていることが確認された。
【0037】
【表7】
【0038】表7から明らかなように、キトサンセリシ
ン複合体を定着した布帛(処方BおよびC)では、摩擦
帯電圧が大きく低下し、またポリエステル1のほうがよ
り高い耐久性のあることが確認された。
【0039】
【表8】 表8から明らかなように、加工布B及びCにおいては風
合いを損なわず、ドライ感のあるサラサラしたタッチの
風合いが得られた。更に、ポリエステル1ではその耐久
性の高い風合いが得られた。また凹部に複合体が重点的
に固着していることを確認した。
【0040】〔実施例3〕 キトサン/セリシンによる布帛の処理(2) 実施例1で調整されたキトサンセリシン水溶液を用いて
凹部を8個有する8葉断面形状単独ポリエステルの繊維
布帛を使用して下記の条件で処理した。 1.繊維布帛;8個の凹部を有する8葉断面形状のマル
チフィラメント糸75d/24fを用いて通常の仮撚加
工を施し、次いでS撚1,200T/Mを付与した糸を
経糸および緯糸に使用し平織物を製織した。該生機を一
般的な染色加工工程で処理し目付115g/m2 のブロ
ードとした。(以下ポリエステル3と称す) 2.処理条件;実施例2と同様である。 3.処理加工布;実施例1における処方Cのみにて処理
した。
【0041】
【表9】
【0042】得られた布帛について洗濯10回繰り返し
た後の抗菌性、吸水性、吸放湿性、摩擦帯電圧、風合い
を評価した。評価方法は実施例2と同様である。得られ
た結果を表10〜14に示す。
【0043】
【表10】
【0044】表10から明らかなように加工後の布帛の
状態では高い抗菌性を示している。その耐久性において
は、洗濯10回後でもその抗菌性はほとんど低下してい
ない。
【0045】
【表11】
【0046】吸水性の測定結果から明らかなように、高
い吸水性を示し、高い耐久性もある。
【0047】
【表12】
【0048】表からも明らかなようにポリエステルは、
吸放湿性をまったく示さないのに対して、キトサンセリ
シン複合体を繊維に固着することによって高い吸放湿性
を示している。さらには、高い吸放湿性と高い耐久性と
を併せ持っていることが確認された。
【0049】
【表13】
【0050】表から明らかなように、キトサンセリシン
複合体を定着した布帛では、摩擦帯電圧が大きく低下
し、また高い耐久性があることが確認された。
【0051】
【表14】
【0052】表から明らかなように、風合いを損なわ
ず、ドライ感のあるサラサラした触感が得られる。さら
には、耐久的に風合いが維持されている。
【0053】〔実施例4〕 キトサン/セリシンによる布帛の処理(3) 実施例1で調整されたキトサンセリシン水溶液を用いて
凹部を3個有する3葉断面形状と凹部を有しない丸断面
繊維からなる紡績糸使用のポリエステル布帛、凹部を有
しない丸断面繊維からなる紡績糸使用のポリエステル布
帛の2種の繊維布帛を使用して下記の条件で処理した。 1.繊維布帛;3個の凹部を有する3葉断面ポリエステ
ルステープル2.5d/64mm50%と凹部を有しな
い丸断面ポリエステルステープル2.5d/64mm5
0%からなる紡績糸40/1(40番手)を使用した目
付102g/m2 のローン。(以下ポリエステル4と称
す) 2.処理条件;実施例2と同様である。 3.処理加工布;実施例1における処方Cのみにて処理
した。
【0054】
【表15】
【0055】得られた布帛について洗濯10回繰り返し
た後の抗菌性、吸水性、吸放湿性、摩擦帯電圧、風合い
を評価した。評価方法は実施例2と同様である。得られ
た結果を表16〜20に示す。
【0056】
【表16】
【0057】表16から明らかなようにポリエステル4
では加工後の布帛の状態では高い抗菌性を示している。
その耐久性においては、洗濯10回後でもその抗菌性は
ほとんど低下していない。
【0058】
【表17】
【0059】吸水性の測定結果から明らかなように、高
い吸水性を示し、高い耐久性も併せ持っていることが確
認された。
【0060】
【表18】
【0061】表からも明らかなようにポリエステルは、
吸放湿性を全く示さないのに対して、キトサンセリシン
複合体を繊維に固着することによって高い吸放湿性を示
している。さらには、高い吸放湿性と高い耐久性とを併
せ持っていることが確認された。
【0062】
【表19】
【0063】表から明らかなように、ポリエステル4に
おいてキトサンセリシン複合体を定着した布帛では、摩
擦帯電圧が大きく低下し、また高い耐久性があることが
確認された。
【0064】
【表20】
【0065】表から明らかなように、風合いを損なわ
ず、ドライ感のあるサラサラした触感が得られる。さら
には、耐久的に風合いが維持されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 寿昭 大阪市北区中之島3丁目3番3号 東レ株 式会社内 (72)発明者 山田 英幸 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 (72)発明者 野形 明広 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内 (72)発明者 野村 正和 福井県福井市毛矢1丁目10番1号 セーレ ン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成単繊維の少なくとも一部が凹部を有
    する断面形状をもつフィラメント糸からなるマルチフィ
    ラメント糸もしくはそれから得られた紡績糸からなり且
    つ少なくとも該凹部に脱アセチル化キチンとセリシンと
    からなる複合体が固着してなることを特徴とする機能性
    繊維製品。
  2. 【請求項2】 構成単繊維として凹部を有しない断面形
    状をもつものが共存する請求項1記載の機能性繊維製
    品。
  3. 【請求項3】 凹部を有する断面形状と凹部を有しない
    断面形状が混繊複合糸として共存する請求項2記載の機
    能性繊維製品。
  4. 【請求項4】 凹部を有する断面形状と凹部を有しない
    断面形状が混紡糸として共存する請求項2記載の機能性
    繊維製品。
  5. 【請求項5】 凹部の数が断面当たり3〜8個である請
    求項1〜4のいずれか1項記載の機能性繊維製品。
  6. 【請求項6】 凹部を有する断面形状をもつ繊維に対す
    る複合体の付着量が凹部を有しない断面形状をもつ繊維
    に対する複合体の付着量の2〜100重量倍である請求
    項2〜5のいずれか1項記載の機能性繊維製品。
  7. 【請求項7】 織物又は編物の形状である請求項1〜6
    のいずれか1項記載の機能性繊維製品。
  8. 【請求項8】 構成単繊維の少なくとも一部が凹部を有
    する断面形状をもつフィラメント糸からなるマルチフィ
    ラメント糸もしくはそれから得られた紡績糸に、脱アセ
    チル化キチンとセリシンとからなる複合水溶液を付着さ
    せ、次いで乾燥、加熱処理することを特徴とする機能性
    繊維製品の製造法。
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