JP3592815B2 - 機能性繊維製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は機能性繊維製品及びその製造法に関し、詳しくは着用中に於ける吸水性や吸湿性が高く、洗濯耐久性に優れた抗菌性、抗カビ性、防臭性を有し、且つザラツキ感のないサラサラタッチでドレープ性を有する極めて良好な風合いの一般衣料、生活関連資材、寝装材、衣料衛生材料等として好適に使用できる快適で安全性に優れた機能性繊維製品及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に身体に着用して使用する下着、肌着、手袋、ソックス、ワイシャツ、ブラウス、ランジェリー等の衣類、シーツ、布団カバー、パジャマ等の寝装類、包帯、おむつ、ベットシーツ等の医療衛生材料など、通常直接肌に触れて使用される繊維製品は、使用中に汗等の分泌物が付着すると、これらの付着物が栄養源となって各種の細菌やカビがはびこり、悪臭を放散するようになったり、衛生上好ましくない状態を起こしたりするという問題がある。この様な問題を解決する為に、従来から繊維や繊維布帛に対してビグアナイト誘導体、有機シリコン系第4級アンモニウム塩等の各種合成抗菌剤を付与する処理加工が行われたり、又ゼオライトに担持させた抗菌性金属(Ag、Cu、Zn)のイオン的解離により抗菌性を付与することが提案されている。
【0003】
しかしながら、これらの方法で得られた該繊維布帛は、いずれも用いられている抗菌剤が人体に対して必ずしも安全でなく、使用する用途によっては、人体、特に新生児等の皮膚の弱い者に対しかぶれを生じるなどの安全上の問題があったり、一部の薬剤では、焼却処分時におけるダイオキシンの発生の問題があることから使用禁止となったものもあり、処理剤としては不適当なものであった。
【0004】
それらに対して、最近ではより安全性の高い抗菌防臭加工を求め、或いは安定性の高い高分子量の薬剤を求め、天然物質である脱アセチル化キチン(以下キトサンと称す)を抗菌成分として用いる加工方法が提案されている(特開平3−51369、特開平4−257301、特開平5−339801、特開平6−70803)。
【0005】
又、さらにはキトサンとコラーゲン等をベースとして反応性樹脂を加える方法も提案されている(特開平7−229064)。
しかしながら、これらはあくまでも抗菌成分としてキトサンを使用し、しかもその繊維表面への固着には、人体に対し安全性に問題のある合成樹脂を主成分とするバインダーが併用されており、抗菌効果や処理された繊維材料の使用時に於ける洗濯耐久性が満足されていても、人体、特に皮膚に対する安全性に関しては何ら配慮されていないのが、現状でありこれら問題に対する改善が強く要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような現状に鑑み行われたものであり、ベトツキ、ザラツキ感の無いサラサラタッチをもち、快適性に著しく優れると共に人体に対する安全性が、高く、しかも耐久性に優れた抗菌性、抗カビ性、防臭性をもち、一般衣料、寝装材、生活関連資材、医療材等に使用するに適切な繊維製品を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明に達した。
本発明は上記目的を達成するもので、次の構成よりなる。
即ち本発明に係る機能性繊維製品は、構成単繊維の少なくとも一部が凹部を有する断面形状をもつフィラメント糸からなるマルチフィラメント糸もしくはそれから得られた紡績糸からなり、且つ少なくとも該凹部に、脱アセチル化キチンと、脱アセチル化キチンに対し0.1〜10重量倍のセリシンとからなる、耐水膨潤性の複合体が固着してなることを特徴とする。
【0008】
本発明は被処理繊維と機能性を付与するための処理剤との組み合わせに特徴があり、この組み合わせによって前記した本発明の目的を高度に達成することができるものである。
本発明で用いる被処理繊維は、少なくとも1種類の凹部を有する断面形状をもつフィラメント糸を必須構成繊維とするマルチフィラメント糸、もしくは紡績糸からなるものである。
【0009】
凹部を有する断面形状とは、同一断面において断面輪郭に接する接線を引いた時に、複数の接点を有し、その接点間に凹部(U)を形成しており、その凹部と凹部に凸部が形成されている断面をいう。この数は断面当たり3〜8個であることが好ましい。
【0010】
凹部を有しない断面形状のフィラメント糸も共存させうる。凹部を有しない断面形状とは、同一断面において断面輪郭に接する接線を引いた時に、複数の接線を有しない断面形状を原則としていうが、原糸では凹部を有しない(複数の接点を有しない断面形状)ものであれば仮撚加工の際に隣接した糸との接触等により部分的に凹んだ断面形状をもつものもこれに包含される。
上記の凹部を有しない断面形状の具体例を挙げると、円形、楕円形(おにぎり型円形)や3角形以上の多角形であって比較的角に丸みを持ったものが挙げられる。凹部を有するフィラメント糸と凹部を有しないフィラメント糸を共存させることが好ましく、その割合は2〜8:8〜2が好ましい。
【0011】
一方、処理剤は脱アセチル化キチン(以下キトサンと称する)とセリシンを必須成分とするものである。
本発明で用いるキトサンは抗菌抗カビ防臭効果を発揮するものであり、例えば、主としてカニ、エビ等の甲殻類の外殻からカルシウム、タンパク質等の夾雑物を酸及びアルカリ処理で除去して得られるキチンを酸あるいは酵素で処理することによって脱アセチル化した分子量数十万のアミノ基を有する高分子量ポリマーがその典型例(狭義のキトサン)であるが、この狭義のキトサンを酸あるいは酵素で処理することによって得られる適度に分解した分子量数千から数万の比較的低分子量のポリマーであってもよい。このキトサンの脱アセチル化度は、有機酸、無機酸への溶解性及び抗菌性を考慮して、50%以上であることが好ましい。
【0012】
キトサンの抗菌作用については、カビの増殖抑制作用やEscherichiacoli(大腸菌)、Staphylococcus aureus(黄色ぶどう状球菌)、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)、Bacillus(枯草菌)等のグラム陽性、陰性細菌にたいする増殖抑制作用が報告されている。これらの抗菌作用の詳細は不明であるが、四級化したキトサンのカチオン性アミノ基によって、菌の細胞壁中の陰イオン抗生物質が吸着され、その結果、細胞壁の生合成が阻害或いは壁内外の物質の能動輸送が阻止される為、抗菌作用が発現されるものと推定されている。
【0013】
本発明は、キトサンとセリシンを併用し、両者からなる複合体を前記した異型断面構造繊維をもつマルチフィラメント糸又は紡績糸の単繊維表面に特定の固着形態において固着(定着)させ、単繊維表面の特異的形状と処理剤の両性分の組み合わせにより、作用効果を発現させるものであって、ここで、本発明の特筆すべき効果を発揮せしめているキトサンとセリシンの複合体の繊維表面への固着態様について述べる。
【0014】
本発明の異型断面構造繊維においては表面の該凹部に凹部を有しない単繊維表面に較べ、部分的に厚い層のキトサンとセリシンの複合体からなる皮膜が形成されている。
付着量としてみた場合、2〜100重量倍に相当する。
これは、キトサンとセリシンの複合体の効果を有効に発揮させるために非常に重要な条件である。
何故なら、該凹部に形成されているキトサンとセリシン厚い皮膜層はこれらの箇所に侵入した上述の菌やカビに対し持続的に且つ強力に作用し、更に該凹部が、内外層にランダムな状態で存在している為、造糸全体において菌やカビに対しても持続的、強力且つ有効に作用が発揮されるのである。
【0015】
そこで具体的に、キトサンとセリシンからなる複合体の付与法について述べる。
キトサンとセリシンは通常次のようにして水溶液にされ、被処理繊維に付着される。
被処理繊維はマルチフィラメント糸又は紡績糸のまま処理を行ってもよく、又織物、編物の状態で処理しても良い。
即ち、先ずセリシンを水に溶解した後にこの水溶液にたいしてキトサンを分散させる。
【0016】
次に攪拌しながら無機酸又は有機酸を添加してキトサンを溶解させキトサンとセリシンの混合溶液を調整する。
あるいはキトサンの水懸濁液にたいして攪拌を行いながら無機酸又は有機酸を添加しキトサン水溶液とした後に、セリシンを添加しキトサンとセリシンの混合水溶液を調整する。
添加する無機酸としては塩酸などがあげられ、有機酸としては酢酸、乳酸、蟻酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸等があげられ、それらの使用量は、キトサンの遊離アミノ基を中和するのに必要な量以上使用することが好ましく、得られたキトサンのpHが3〜6の範囲にあるようにすることがより好ましい。
【0017】
セリシンの共存によりキトサン単独皮膜の膨潤が抑制される。通常キトサン単独皮膜の場合の水膨潤を抑制するのに十分であって生成皮膜の不溶化が維持される混合比で両者が用いられる。具体的混合比はキトサンの分子量等によって異なるが、通常キトサンにたいしセリシンを0.1〜10重量倍であって上記機能を示す混合比で用いる。
水溶液中のキトサンとセリシンの濃度も、塗布手段等に応じ適宜の濃度で用いうる。
浸漬法などの場合、通常キトサン濃度が0.1〜2重量%程度であることが好ましい。
【0018】
キトサンとセリシンの繊維表面への固着量はキトサン及びセリシン本来の機能を示し得る量であれば、特に制限はなく、通常0.1g/m以上が好ましく、耐久性や布帛の風合等からは、特に0.2〜5g/mが好ましい。
前記した通り、これらの混合水溶液を付与する繊維の状態は、糸状態でも布帛状態でもよい。又付与の方法も、パッドドライ法、浸漬法、噴霧法等従来知られた種々の方法を用いることができ、その繊維形態、例えば布帛としての状態、更に生産性等を考慮して最も適した方法で行うことができる。
【0019】
かくしてキトサンとセリシンを付与した繊維を乾燥、加熱処理して繊維表面上に両者の複合体を固着させる。この乾燥、加熱処理は通常用いられている熱風型乾燥機を用いて適宜に行われる。温度条件としては100〜200℃程度が用いられる。
用いる装置や加熱温度、加熱時間等の条件は、生産速度を考慮し、また処理後の繊維製品の形態や物性に悪影響を及ぼさないよう配慮して適宜に最適条件が決められる。
【0020】
本発明の方法により、ベトツキ、ザラツキ感のないサラサラタッチの快適な風合で、かつ安全性が高く、耐久性のある親水性、抗菌性、抗カビ性、防臭性に優れた繊維製品を得ることができる。
つまり、異型断面構造糸本来の優れた物性を保持した上、合成繊維の一般的欠点である摩擦帯電性を人体に全く感じないまでに減少でき、しかも異型断面構造糸の特徴的形態を利用してキトサンとセリシンの複合体を単繊維表面の特に凹部に重点的に固着させることにより耐久性に富む抗菌性、抗カビ性、防臭性、及び永続的な親水性を発現できるという顕著な効果を得ることができたのである。
かくして得られた繊維(布帛)は適宜他の繊維(布帛)と併用し得る。
【0021】
本発明の方法に於いては異型断面構造糸の形態、及びキトサンとセリシンの組み合わせが重要である。又他の成分の存在は必ずしも必要ではないが、ゼラチン、合成ペプチド類その他のバインダー的機能を持つ成分等を共存させてもよい。
【0022】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明する。
〔実施例1〕
下記の表1に示す割合にてキトサンに、酢酸を加え攪拌することにより溶解させキトサン水溶液を得た後、更に微粉末のセリシンを添加し同様の操作により各々pH4のキトサンセリシン混合水溶液を準備した。
【0023】
【表1】
Figure 0003592815
【0024】
次に、上記で得られた該水溶液を内径85mmのシャーレに10ml入れ、80℃にて2時間乾燥膜化させた。
得られた膜から5.0cm×2.0cmの試料を採取し、25℃蒸留水中に2時間浸漬した後にそれぞれ膜の長さを測定することにより次式により膨潤度を求めた。
膨潤度(%)=浸漬後の長さ/浸漬前の長さ×100
得られた膨潤度を表2に示す。
【0025】
【表2】
Figure 0003592815
【0026】
ここで膨潤度が100%のものは全く膨潤していないことを意味する。
表1からキトサンのみで製膜したものは、膨潤度が156%と大きく極端な強度低下を示していると考えられる。これに対し、セリシンを0.2%あるいは0.5%添加した膜では、膨潤度が102%から106%で、ほとんど膨潤せず、よって強度低下もないと考えられる。
以上の結果により、キトサンにたいしてセリシンを添加することによって水中でのキトサン膜の安定性を著しく改善できることが確認された。
このように、キトサンにたいしてセリシンを添加することによって、キトサン膜の水中での安定性が著しく改善され、繊維に固着した場合にも耐久性が大きく改善される。
【0027】
〔実施例2〕
キトサン/セリシンによる布帛の処理(1)
実施例1で調整されたキトサンセリシン水溶液を用いて、
凹部を有する断面形状をもつフィラメント糸と、凹部を有しない断面形状をもつフィラメント糸の混繊複合糸からなるポリエステル、凹部を有しない断面形状からなるポリエステルマルチフィラメント糸の2種類からの繊維布帛を使用して下記の条件で処理した。
【0028】
1.繊維布帛
(1)凹部を有する断面形状のフィラメント糸と凹部を有しない断面形状のフィラメント糸からなるポリエステルマルチフィラメント糸(以下ポリエステル1と称す)で、
経糸 75d/24f、緯糸75d/36f使いの目付100g/mのマット組織の布帛。
(2)凹部を有しない断面形状のフィラメント糸からなるポリエステルマルチフィラメント糸(以下ポリエステル2と称す)で、経糸 75d/36f、緯糸75d/96f使いの目付90g/mの平組織布帛、
2.処理条件
布帛を処理液に浸漬後ゴムロールにて絞液し、70%owf付与した。
次に160℃で2分間熱処理した。
3.処理加工布
実施例1において、各々の処方に対する処理布は各々次の表3に示す通りである。
【0029】
【表3】
Figure 0003592815
【0030】
得られた布帛について洗濯10回繰り返した後の抗菌性、吸水性、吸放湿性、摩擦帯電圧、及び風合いを評価した。得られた結果を表4〜6に示す。
洗濯処理方法:
JIS L0217 103法
抗菌性測定方法:
繊維製品衛生加工協議会指定のシェークフラスコ法によって行った。
測定に用いた菌株としてIFO13277
吸水性測定法
JIS L1096A法
吸放湿測定法:
JIS L1096 公定水分率測定法に従い、20℃65%RHの水分率と40℃90%での水分率を測定、この水分率の差を吸放湿性として算出した。
摩擦帯電圧測定法:
JIS L1096B法
風合い評価法:
ハンドリングにより評価した。
【0031】
【表4】
Figure 0003592815
【0032】
表4から明らかなように、ポリエステル1、ポリエステル2の素材においても、加工後の布帛の状態では、キトサンを付与したものは高い抗菌性を示している。しかし、その耐久性においては、加工布A、即ちキトサンのみによって処理を行った場合には、洗濯後にその抗菌性が大きく低下しているのに対して、加工布B、Cにおいては洗濯10回後でもその抗菌性はほとんど低下していない。特に、耐久性の確保が難しいと言われているポリエステル系繊維においても、合成薬剤を用いてすら、その抗菌性はほとんど低下していない。
【0033】
【表5】
Figure 0003592815
【0034】
吸水性の測定結果から明らかなように、キトサンセリシン複合体(処方BおよびC)においては、高い吸水性を示し、なおかつポリエステル1の場合は、高い耐久性も併せ持っていることが確認された。
【0035】
【表6】
Figure 0003592815
【0036】
表6からも明らかなようにポリエステルは吸放湿性を全く示さないのに対して、キトサンあるいはキトサンセリシン複合体を繊維に固着することによって、高い吸放湿性を示している。これは特に、セリシンを添加した場合に大きな値となっている。
また、キトサンのみでは耐久性が不十分であるのに対して、キトサンセリシン複合体では、高い耐久性が得られている。
さらにはポリエステル1の場合、高い吸放湿性と高いその耐久性とを、併せ持っていることが確認された。
【0037】
【表7】
Figure 0003592815
【0038】
表7から明らかなように、キトサンセリシン複合体を定着した布帛(処方BおよびC)では、摩擦帯電圧が大きく低下し、またポリエステル1のほうがより高い耐久性のあることが確認された。
【0039】
【表8】
Figure 0003592815
表8から明らかなように、加工布B及びCにおいては風合いを損なわず、ドライ感のあるサラサラしたタッチの風合いが得られた。
更に、ポリエステル1ではその耐久性の高い風合いが得られた。
また凹部に複合体が重点的に固着していることを確認した。
【0040】
〔実施例3〕
キトサン/セリシンによる布帛の処理(2)
実施例1で調整されたキトサンセリシン水溶液を用いて凹部を8個有する8葉断面形状単独ポリエステルの繊維布帛を使用して下記の条件で処理した。
1.繊維布帛;
8個の凹部を有する8葉断面形状のマルチフィラメント糸75d/24fを用いて通常の仮撚加工を施し、次いでS撚1,200T/Mを付与した糸を経糸および緯糸に使用し平織物を製織した。該生機を一般的な染色加工工程で処理し目付115g/mのブロードとした。(以下ポリエステル3と称す)
2.処理条件;
実施例2と同様である。
3.処理加工布;
実施例1における処方Cのみにて処理した。
【0041】
【表9】
Figure 0003592815
【0042】
得られた布帛について洗濯10回繰り返した後の抗菌性、吸水性、吸放湿性、摩擦帯電圧、風合いを評価した。評価方法は実施例2と同様である。得られた結果を表10〜14に示す。
【0043】
【表10】
Figure 0003592815
【0044】
表10から明らかなように加工後の布帛の状態では高い抗菌性を示している。その耐久性においては、洗濯10回後でもその抗菌性はほとんど低下していない

【0045】
【表11】
Figure 0003592815
【0046】
吸水性の測定結果から明らかなように、高い吸水性を示し、高い耐久性もある。
【0047】
【表12】
Figure 0003592815
【0048】
表からも明らかなようにポリエステルは、吸放湿性をまったく示さないのに対して、キトサンセリシン複合体を繊維に固着することによって高い吸放湿性を示している。さらには、高い吸放湿性と高い耐久性とを併せ持っていることが確認された。
【0049】
【表13】
Figure 0003592815
【0050】
表から明らかなように、キトサンセリシン複合体を定着した布帛では、摩擦帯電圧が大きく低下し、また高い耐久性があることが確認された。
【0051】
【表14】
Figure 0003592815
【0052】
表から明らかなように、風合いを損なわず、ドライ感のあるサラサラした触感が得られる。さらには、耐久的に風合いが維持されている。
【0053】
〔実施例4〕
キトサン/セリシンによる布帛の処理(3)
実施例1で調整されたキトサンセリシン水溶液を用いて凹部を3個有する3葉断面形状と凹部を有しない丸断面繊維からなる紡績糸使用のポリエステル布帛、凹部を有しない丸断面繊維からなる紡績糸使用のポリエステル布帛の2種の繊維布帛を使用して下記の条件で処理した。
1.繊維布帛;
3個の凹部を有する3葉断面ポリエステルステープル2.5d/64mm50%と凹部を有しない丸断面ポリエステルステープル2.5d/64mm50%からなる紡績糸40/1(40番手)を使用した目付102g/mのローン。(以下ポリエステル4と称す)
2.処理条件;
実施例2と同様である。
3.処理加工布;
実施例1における処方Cのみにて処理した。
【0054】
【表15】
Figure 0003592815
【0055】
得られた布帛について洗濯10回繰り返した後の抗菌性、吸水性、吸放湿性、摩擦帯電圧、風合いを評価した。評価方法は実施例2と同様である。得られた結果を表16〜20に示す。
【0056】
【表16】
Figure 0003592815
【0057】
表16から明らかなようにポリエステル4では加工後の布帛の状態では高い抗菌性を示している。その耐久性においては、洗濯10回後でもその抗菌性はほとんど低下していない。
【0058】
【表17】
Figure 0003592815
【0059】
吸水性の測定結果から明らかなように、高い吸水性を示し、高い耐久性も併せ持っていることが確認された。
【0060】
【表18】
Figure 0003592815
【0061】
表からも明らかなようにポリエステルは、吸放湿性を全く示さないのに対して、キトサンセリシン複合体を繊維に固着することによって高い吸放湿性を示している。
さらには、高い吸放湿性と高い耐久性とを併せ持っていることが確認された。
【0062】
【表19】
Figure 0003592815
【0063】
表から明らかなように、ポリエステル4においてキトサンセリシン複合体を定着した布帛では、摩擦帯電圧が大きく低下し、また高い耐久性があることが確認された。
【0064】
【表20】
Figure 0003592815
【0065】
表から明らかなように、風合いを損なわず、ドライ感のあるサラサラした触感が得られる。さらには、耐久的に風合いが維持されている。

Claims (8)

  1. 構成単繊維の少なくとも一部が凹部を有する断面形状をもつフィラメント糸からなるマルチフィラメント糸もしくはそれから得られた紡績糸からなり、且つ少なくとも該凹部に、脱アセチル化キチンと、脱アセチル化キチンに対し0.1〜10重量倍のセリシンとからなる、耐水膨潤性の複合体が固着してなることを特徴とする機能性繊維製品。
  2. 構成単繊維として凹部を有しない断面形状をもつものが共存する請求項1記載の機能性繊維製品。
  3. 凹部を有する断面形状と凹部を有しない断面形状が混繊複合糸として共存する請求項2記載の機能性繊維製品。
  4. 凹部を有する断面形状と凹部を有しない断面形状が混紡糸として共存する請求項2記載の機能性繊維製品。
  5. 凹部の数が断面当たり3〜8個である請求項1〜4のいずれか1項記載の機能性繊維製品。
  6. 凹部を有する断面形状をもつ繊維に対する複合体の付着量が凹部を有しない断面形状をもつ繊維に対する複合体の付着量の2〜100重量倍である請求項2〜5のいずれか1項記載の機能性繊維製品。
  7. 織物又は編物の形状である請求項1〜6のいずれか1項記載の機能性繊維製品。
  8. 構成単繊維の少なくとも一部が凹部を有する断面形状をもつフィラメント糸からなるマルチフィラメント糸もしくはそれから得られた紡績糸からなる繊維製品に、脱アセチル化キチンと、脱アセチル化キチンに対し0.1〜10重量倍のセリシンとからなる複合水溶液を付着させ、次いで乾燥、加熱処理して、少なくとも該凹部に、脱アセチル化キチンとセリシンからなる耐水膨潤性の複合体を固着させることを特徴とする機能性繊維製品の製造法。
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