JPH09157763A - 焼結原料の事前処理方法 - Google Patents

焼結原料の事前処理方法

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JPH09157763A
JPH09157763A JP33592295A JP33592295A JPH09157763A JP H09157763 A JPH09157763 A JP H09157763A JP 33592295 A JP33592295 A JP 33592295A JP 33592295 A JP33592295 A JP 33592295A JP H09157763 A JPH09157763 A JP H09157763A
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ore
sintering
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JP33592295A
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Kazuyuki Shinagawa
和之 品川
Shinya Ikehara
眞也 池原
Wataru Fujiki
渉 藤木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結原料中の自己凝集型擬似粒子比率を減少
させて、複合型擬似粒子の比率を増加させることによ
り、1回の造粒操作だけで焼結層の通気性を確保するこ
とのできる焼結原料の事前処理方法を提供する。 【解決手段】 粉鉄鉱石をその他の鉄鉱石と共にそれぞ
れ原料積付槽14に貯蔵して、原料積付槽14の下部に
設けられた切り出し装置26から排出される各鉄鉱石を
搬送手段17を介してブレンディングヤード18へ積層
して副原料と混合する焼結原料の事前処理方法であっ
て、粉鉄鉱石のシリカ含有量が0.1〜5wt%、かつ
粒径が0.01〜1mmであり、粉鉄鉱石の原料積付槽
14における水分を7〜12wt%にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄鉱石、副原料等か
らなる焼結原料を焼結して、高炉用製鉄原料としての焼
結鉱を製造する際における、焼結原料の事前処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】高炉に装入される製鉄原料としての焼結
鉱の製造に際しては、鉄鉱石を主成分として、これに石
灰石等の副原料とコークスとを混合、造粒した原料配合
物を焼結機のパレット上に装入する。そして、前記原料
配合物からなる焼結層の表層に点火し、焼結層の下部か
ら空気を吸引して焼結層中のコークスを該空気に接触、
燃焼させることにより焼結鉱が製造されている。このよ
うな焼結層の燃焼の際に、前記焼結層の空気の通気性が
低いと空気とコークスとの燃焼反応が阻害されて、焼結
鉱の成品歩留が低下する原因となる。一般にこのような
焼結層の通気性を確保するために、通気性を低下させる
原因となる細かい粒子を含む焼結原料を、見掛け上の粒
度が大きい擬似粒子に予め造粒しておく。そして、この
ような造粒された焼結原料を用いることにより、焼結層
における擬似粒子間の空隙を空気の流路として確保する
方法が採用されている。例えば、特開昭58−6432
5号公報には、粉鉄鉱石であるペレットフィード(P
F:Pellet−Feed、以下単にPFと記す)を
使用する際に、PFを除く鉄鉱石、副原料に水を加えて
ドラムミキサー内で一次造粒した後、その造粒物とPF
にさらに水を加え二次造粒して、高い造粒性を維持する
方法が記載されている。また、特開昭57−18862
8号公報には鉱石船から荷役された原料を貯鉱ヤードに
輸送する過程で、単一鉱石銘柄毎に水分を添加し、これ
をドラムミキサー内で一次造粒して貯蔵し、その後、ブ
レンディングヤードに積層する輸送過程において、貯鉱
ヤードの各原料を混合したものをドラムミキサー内で二
次造粒して、これにより高い造粒性を維持する方法が記
載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭58−64325号公報に記載の方法では、原料の
造粒操作を2回にわたって行う必要があり、そのための
費用がかさむという問題があった。さらに、使用する原
料の成分、粒度、及び水分等が適正に規定されておら
ず、ドラムミキサー内の原料滞留時間が長くなるため
に、原料中の微粉同士が合体してなる自己凝集型擬似粒
子比率が高くなり、焼結層の通気性を悪化させるような
問題点があった。前記特開昭57−188628号公報
に記載の方法では、前記と同様にドラムミキサーを2基
使用する必要があり、またPFをドラムミキサー内で単
一造粒した場合には、PFの付着粉のみで形成された自
己凝集型の擬似粒子が造られる。このような自己凝集型
擬似粒子は擬似粒子内部の結合力が弱く、焼結機へ装入
される前に崩壊して、焼結層内の空隙を充填して、焼結
層の通気性を悪化させるような問題点があった。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、焼結原料中の自己凝集型擬似粒子比率を減少さ
せて、複合型擬似粒子の比率を増加させることにより、
1回の造粒操作だけで焼結層の通気性を確保することの
できる焼結原料の事前処理方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の焼結原料の事前処理方法は、粉鉄鉱石をその他の
鉄鉱石と共にそれぞれ原料積付槽に貯蔵して、該原料積
付槽の下部に設けられた切り出し装置から排出される各
鉄鉱石を搬送手段を介してブレンディングヤードへ積層
した後、これを該ブレンディングヤードから搬出して副
原料と混合する焼結原料の事前処理方法であって、前記
粉鉄鉱石のシリカ含有量が0.1〜5wt%、その粒径
が0.01〜1mmであり、かつ前記粉鉄鉱石の原料積
付槽における水分を7〜12wt%に調整している。
【0006】請求項2記載の焼結原料の事前処理方法
は、請求項1記載の焼結原料の事前処理方法において、
粒径1mm以下の細粒を50wt%以下含有し、かつ該
細粒におけるシリカ分、及びアルミナ分がそれぞれ4〜
6wt%、2〜4wt%である高アルミナ鉄鉱石が前記
その他の鉄鉱石中には含まれ、該高アルミナ鉄鉱石と前
記粉鉄鉱石とを前記原料積付槽の切り出し装置を介して
同時に切り出しながら搬送手段を介して混合すると共
に、これを前記ブレンディングヤードに積層している。
【0007】原料積付槽とは、鉱石船から荷揚げされ貯
鉱ヤードに積まれている大量の各原料を、予め定められ
た焼結原料の配合割合に従って、秤量できるように各原
料毎にそれぞれの小量を貯蔵する原料槽である。そし
て、各原料積付槽の下部にはベルトフィーダ、ドラムフ
ィーダ等の切り出し装置が設けられて、所定量の原料が
ベルトコンベア上に供給される。ブレンディングヤード
とは、予め焼結原料の配合割合に従って、積み付けられ
た鉄鉱石を一時的に貯蔵しておくための各種銘柄の鉄鉱
石が混合されてなる均鉱の貯蔵場所であり、この大量の
均鉱がブレンディングヤードから小量ずつ取り出されて
貯鉱槽に貯蔵される。
【0008】前記粉鉄鉱石のシリカ含有量が5wt%を
越えると、焼結鉱の高炉処理におけるスラグ量が必要以
上に増加する他、鉄鉱石中に含まれる粘土質成分が多く
なるために粉鉄鉱石自体の凝集性が強くなって、鉄鉱石
の輸送過程、及び、混合過程で強度の低い自己凝集型擬
似粒子の生成比率が高くなるので好ましくない。逆にシ
リカ含有量が0.1wt%より少ないと、凝集力が著し
く低下して、擬似粒子自体を生成することが困難とな
る。また、前記粉鉄鉱石の粒径が1mmを越えると、粉
鉄鉱石自体の凝集力が低下して粘結剤として機能せず造
粒効率が低下する。一方、粉鉄鉱石の粒径が0.01m
mより少ないと、比表面積が大きくなるために、凝集力
が著しく増加して、自己凝集型擬似粒子の生成比率が増
大するので好ましくない。前記原料積付槽における粉鉄
鉱石の水分が7wt%より少ないと、輸送過程、及び混
合過程で生成する自己凝集型擬似粒子比率が高くなり、
引張強度を増加させる。そして、粉鉄鉱石に12wt%
を越える水分を添加しても、自己凝集型擬似粒子比率は
それ程変化せず、焼結機における焼結処理で水分除去の
ためにエネルギーコストが大きくなり好ましくない。
【0009】また、前記高アルミナ鉄鉱石の1mm以下
の細粒におけるシリカ分、及びアルミナ分がそれぞれが
4wt%、2wt%より少ないと、粘結剤として機能す
る粘土質成分が少なくなるために、前記粉鉄鉱石と組み
合わせて形成される複合型擬似粒子の必要とするレベル
の強度を確保することが難しくなり、焼結機の焼結層に
おける必要な通気性の維持が困難となる。逆にシリカ
分、及びアルミナ分がそれぞれ6wt%、4wt%を越
えるようになると、高炉反応におけるスラグ生成が過剰
となって生産歩留を低下させる。さらにそれぞれ4〜6
wt%、2〜4wt%の数値範囲のシリカ、及びアルミ
ナ分を含む粒径1mm以下の細粒が高アルミナ鉄鉱石全
体の50wt%を越えると、両者の構成比率、及び粒度
分布の状態が適正範囲を外れるために前記粉鉄鉱石と高
アルミナ鉄鉱石とで形成される複合型擬似粒子を効率よ
く形成させることができない。
【0010】
【作用】請求項1及び2記載の焼結原料の事前処理方法
においては、粉鉄鉱石のシリカ含有量、及び粒径をそれ
ぞれ、粉鉄鉱石による自己凝集力の最も弱くなる特定範
囲に限定する。そして、該粉鉄鉱石の自己凝集力が小さ
くなるように水分を添加しているので、原料積付槽から
排出される鉄鉱石とその他の鉄鉱石とを積層又は混合し
た場合に、粉鉄鉱石とその他の鉄鉱石とで構成される複
合型擬似粒子の生成比率を向上させることができる。
【0011】特に、請求項2記載の焼結原料の事前処理
方法においては、粉鉄鉱石と混合したときに最も自己凝
集力が小さくなるような特定の粒度分布を有してその微
粉部に特定量のシリカ、アルミナ分を含む高アルミナ鉄
鉱石(以下、高アルミナ鉱石という)と、前記粉鉄鉱石
とを原料積付槽の切り出し装置を介して同時に切り出し
ながら搬送手段上に装入し、混合する。次に、これを前
記ブレンディングヤードに積層するので、粉鉄鉱石とそ
の他の鉄鉱石とで構成される複合型擬似粒子の生成比率
をさらに向上させることができる。
【0012】
【発明の効果】従って、請求項1〜2記載の焼結原料の
事前処理方法においては、PFの持つ自己凝集力を抑制
して、輸送時における簡単な操作で複合型擬似粒子の生
成比率を増加させるので、焼結層の通気性を維持して、
焼結操業の安定性を確保すると共に、安価なPFを焼結
原料として多量に使用することができる。また、焼結鉱
粒子として結合力の強い複合型の擬似粒子を形成できる
ので、造粒性が向上して特別に2段階にわたってドラム
ミキサーを使用することなく焼結原料の造粒を行うこと
ができる。その結果、低コストで、かつ優れた焼結品質
を有する焼結鉱の生産が可能となる。
【0013】特に、請求項2記載の焼結原料の事前処理
方法においては、粉鉄鉱石とその他の鉄鉱石とで構成さ
れる複合型擬似粒子の生成比率をさらに向上させること
ができるので、さらに焼結操業の安定化に貢献すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した一実施の形態につき説明し、本
発明の理解に供する。ここに図1は本発明の一実施の形
態に係る焼結原料の事前処理方法を適用する焼結設備の
説明図、図2は各鉄鉱石原料における粒度1mm以下の
微粉中のアルミナ濃度を示す図、図3は擬似粒子の形態
を示す模式図、図4は引張強度とPF水分との関係を示
す図、図5は焼結原料中に生成する自己凝集型擬似粒子
比率とPF水分との関係を示す図、図6は装入部通気性
と自己凝集型擬似粒子比率との関係を示す図、図7は高
アルミナ鉱石とPFとを同時に切り出して積み付ける方
法の概略説明図、図8(a)、(b)はそれぞれ同時に
切り出されるPF比率と焼結層の装入部通気性及び焼結
鉱のRDIとの関係を示す図、図9は焼結原料の通気性
向上の機構を説明する図、図10は鉄鉱石の粒度1mm
以下の部分におけるアルミナ濃度と焼結鉱のRDIとの
関係を示した図、図11は均鉱中のPF配合比率と焼結
層における装入部通気性との関係を示す図である。
【0015】まず、本発明の一実施の形態に係る焼結原
料の事前処理方法を適用する焼結設備について説明す
る。焼結設備10は、図1に示すように鉱石船12から
搬送される鉄鉱石11が各銘柄毎に荷揚げされる貯鉱ヤ
ード13と、貯鉱ヤード13にある各銘柄の鉄鉱石11
を原料積付槽14の上部に輸送する複数のベルトコンベ
ア15と、各銘柄毎に鉄鉱石を保持して所定量の鉄鉱石
11を切り出し装置26を介して均一分散装置16に供
給する複数の原料積付槽14と、原料積付槽14の下部
に設けられた切り出し装置26から搬送手段の一例であ
るベルトコンベア17に供給される凝集状態の団粒状又
は銘柄の異なる鉄鉱石11を分散するチェーン又は振動
篩等からなる均一分散装置16と、前記均一分散された
積層状態の鉄鉱石11をブレンディングヤード18に搬
送するベルトコンベア17と、ベルトコンベア17から
搬送される鉄鉱石11を一時的に貯蔵するブレンディン
グヤード18と、コークス、石灰石等の副原料、及びブ
レンディングヤード18から輸送される鉄鉱石11をそ
れぞれ貯蔵する貯鉱槽19と、貯鉱槽19に保持される
コークス、石灰石等の副原料、及び鉄鉱石をまとめて混
合し造粒するドラムミキサー22と、ドラムミキサー2
2から供給される焼結原料の焼結機23とを有してい
る。
【0016】次に、前記焼結設備10を用いる焼結原料
の事前処理方法について説明する。まず、表1に示す組
成と粒度の鉄鉱石銘柄A〜Fが鉱石船12よりそれぞれ
貯鉱ヤード13に荷揚げされる。表1について説明する
と、組成は1mm以下の粒径のものについてアルミナ
(Al2 3 )とシリカ(SiO2 )の重量パーセント
を表し、粒度はそれぞれ粒径1mm以下の粒子の重量パ
ーセントを表示している。ここで、高アルミナ鉱石に属
する銘柄のものとしては、例えば鉄鉱石A:ハマスレ
ー、及び鉄鉱石B:マウントニューマンがあり、粉鉄鉱
石に属するものとしては、鉄鉱石C:クドレムクPF、
及び鉄鉱石D:MBR−PFがある。また、高アルミナ
鉱石に属しない銘柄としては、例えば鉄鉱石E:バンデ
ッカ、鉄鉱石F:リオドセ等の鉄鉱石がある。なお、図
2には各鉄鉱石A〜Fにおける粒径1mm以下の微粉に
おけるアルミナ濃度(wt%)を示している。
【0017】
【表1】
【0018】前記鉄鉱石C:クドレムクPF、及び鉄鉱
石D:MBR−PFは貯鉱ヤード13に荷揚げされた時
点で、水分を約6.2wt%含有して、自己凝集力の高
い状態にある。このため、このままの状態で機械的に振
動を加えたり、混合したりすると、それ自身の粘着性が
高いために自己凝集型擬似粒子を生成し易く、複合型擬
似粒子の比率が低くなるような状態となっている。
【0019】以下、このような自己凝集型擬似粒子と複
合型擬似粒子との形態の相違を図3に基づいて説明す
る。図3に示すように複合型擬似粒子は核となる1mm
以上の粒径の粒子の周囲に細かい微粒子が付着してなる
擬似粒子である。このような複合型擬似粒子は自身の結
合力が強く、核となる粒子があるために崩壊しにくい特
徴がある。一方、微粒同士が凝集してなる自己凝集型擬
似粒子は自身の付着力だけで凝集しているために、結合
力が弱く容易に崩壊して粉化する傾向にある。このよう
な擬似粒子の凝集力の尺度となる引張強度、焼結原料中
に生成する自己凝集型擬似粒子比率、及び装入部通気性
とPF水分との関係を実験的に測定した結果をそれぞれ
図4、図5、図6に示す。図4に示されるように、PF
水分3〜7wt%の範囲でその引張強度が大きくなる。
従って、PF水分を7wt%以上とすることにより凝集
力を減少させて、自己凝集型擬似粒子比率を減少させる
ことができることを図4は示唆している。なお、PF水
分を3wt%以下とすることによっても凝集力を低下さ
せることは可能であるが、この場合には乾燥のための大
がかりな設備、及び燃料が必要となり、コストアップと
なるので好ましくない。ここで、PFの引張強度は、P
Fの所定量を所定の型枠に充填、成形して試験片を作成
して、この試験片の引張強度を測定した値である。
【0020】図5に示すように、自己凝集型擬似粒子比
率は前記した引張強度とPF水分との関係と同様にPF
水分が3〜7wt%の範囲で大きくなる。このようにP
Fの自己凝集型擬似粒子比率と引張強度とはほぼ同等な
関係にあり、引張強度の値が分かれば、これにより自己
凝集型擬似粒子比率を評価することができる。従って、
PF水分を7wt%以上とすることにより凝集力を減少
させて、自己凝集型擬似粒子比率を減少させることが可
能となる。なお、自己凝集型擬似粒子比率は、実際に処
理された焼結原料の一部を光学顕微鏡、走査型電子顕微
鏡等を用いて直接観察し、観察される擬似粒子の一個一
個を複合型擬似粒子と自己凝集型擬似粒子とに判別し
て、これをそれぞれ計数することにより得られる値であ
る。
【0021】図6は焼結原料中の自己凝集型擬似粒子比
率と装入部通気性との関係を示した図である。ここで、
装入部通気性とは、例えば焼結原料からなる焼結層の吸
引面積が480m2 、焼結層の厚さ500mm、吸引風
量が11000Nm3 /min(時間当たりのガス通過
量)の条件の下で焼結層の圧力損失を測定して,この圧
力損失の値を22として設定されるような通気性の指数
である。装入部通気性は着火前における焼結層をその下
部に設けた風箱を用いて焼結層上の空気を吸引したとき
の焼結層の流量抵抗、圧力損失等から求めることができ
る。同図に示すように自己凝集型擬似粒子比率が20w
t%未満の範囲では、その通気性指数が23.5程度と
良好であったものが30wt%を越えると22.5へと
悪化しているのが分かる。
【0022】以上説明したように焼結層中の通気性指数
を制御するために、図1に示す貯鉱ヤード13に荷揚げ
された鉄鉱石C:クドレムクPF、及び鉄鉱石D:MB
R−PFに散水するレインガン24を用いて、その水分
量を6.2wt%から8.6wt%に調整した。そし
て、PFを複数のベルトコンベア15を用いて原料積付
槽14に搬送する過程において、該ベルトコンベア15
間の乗継部に設けた散水装置25からPFに水分を補給
する操作を行った。以上の操作により原料積付槽14に
保持されるPFの水分量は最終的に10.3wt%とな
った。なお、原料積付槽14のA、及びBにはそれぞれ
高アルミナ鉱石である鉄鉱石A、と鉄鉱石Bとが貯蔵さ
れている。これらの原料について必要に応じて散水を行
ってもよいが、特に限定されるものではない。
【0023】続いて、それぞれの原料積付槽14に貯蔵
された鉄鉱石A、B、CあるいはDの所定量を切り出し
装置26を介してベルトコンベア17上に同時に切り出
して積み付ける方法を説明する。図1に示すように原料
積付槽14の下部に設けられた切り出し装置26から排
出される鉄鉱石を、均一分散装置16により団粒等の塊
状物を解砕しながらベルトコンベア17上に落下させ
る。そして、図7に示すようにベルトコンベア17上の
下層に鉄鉱石A、中層に鉄鉱石B、上層に鉄鉱石Cある
いは鉄鉱石Dを積み付けるようにした。このため、ベル
トコンベア17間の乗継部又は排出部で落下する過程で
各鉄鉱石が混合され、ブレンディングヤード18上には
鉄鉱石A、B、CあるいはDが混合した状態で積み付け
られるようになる。
【0024】次いで、ブレンディングヤード18に積み
付けられた複数銘柄からなる鉄鉱石11、即ち均鉱を貯
鉱槽19に輸送し、石灰石等の副原料と、焼結鉱の篩下
粉である焼結粉とを所定の割合で配合する。そして、前
記配合物をドラムミキサー22により混合、造粒し、こ
れを焼結機23に供給することにより焼結鉱の製造を行
った。表2、表3は各種の新原料配合とこれを処理した
結果(成品歩留、装入部通気性、RDI)とを示してい
る。ここで、表2は本発明の実施例に、表3は比較例に
それぞれ属するデータである。なお、PF水分、及び生
石灰の値はPFと副原料のそれぞれの値の内数を示して
いる。新原料配合は、均鉱とその他の部分とに大別さ
れ、均鉱は各種の鉄鉱石、PF、鉄鉱石の篩下粉、及び
焼結ダスト等の雑鉱石とを有して構成されている。そし
て、その他の部分は焼結鉱の篩下粉である焼結粉、及び
生石灰等を含む副原料からなる。また、RDI(還元粉
化指数)とは焼結鉱を還元雰囲気中で所定温度、所定時
間保持したときに、粉化する焼結鉱の割合をいう。成品
歩留は、焼結原料を焼結機で処理して粒径が例えば5m
m以下の成品を得る際に、全焼結原料に対する成品とな
るものの割合(wt%)をいう。
【0025】ここで、表2に示す実施例1〜4において
は、高アルミナ鉱石である鉄鉱石B(銘柄:マウントニ
ューマン)を用いて、これにPF(銘柄:クドレムクP
F)を同時にベルトコンベア17上に切り出す際に、P
F水分を10.2〜11.2wt%に設定した。一方、
表3に示す比較例1は高アルミナ鉱石に属さない鉄鉱石
F(銘柄:リオドセ)用いた例を示し、比較例2、3は
高アルミナ鉱石である鉄鉱石Bを用いるが、同時に切り
出すPF(銘柄:クドレムクPF、MBR−PF)の水
分を鉱石船から荷揚げされた時点とほぼ等しい値(6.
1〜6.2wt%)の範囲に設定した例を示している。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】ここで、均鉱中の同時に切り出して積み付
けた鉄鉱石C:クドレムクPF、及び鉄鉱石D:MBR
−PFの比率と、この比率に対応して得られる焼結層の
装入部通気性、及び焼結鉱のRDIとの関係を実験的に
求めたものが、それぞれ図8(a)、(b)である。即
ち、同時に切り出して積み付けするPFの比率が多くな
るほど通気性、及びRDIの両者が共に向上することを
示している。なお、表2に示す実施例1〜4において
は、同時に切り出して積み付けするPFの比率を100
wt%として、表3に示す比較例1〜3においては同時
切り出しを行わない例について示している。
【0029】表2、及び表3に示されるように、実施例
1〜4は成品歩留、装入部通気性、RDIのいずれにお
いても比較例1〜3に較べて優れた結果が得られた。
【0030】図9は、上記説明した通気性向上の機構を
説明する図である。PF水分が5〜6wt%である凝集
力の強いPF粒子21と粒度の大きい核粒子20を組み
合わせて同時に切り出したような従来例の場合には、図
9(a)に示すように、PF粒子21同士が自己凝集し
て、自己凝集型擬似粒子比率が増加する。このため、核
粒子20の表面に付着するPF粒子21が相対的に少な
くなって、核粒子20とこの周囲に付着するPF粒子2
1とで構成される擬似粒子、及び自己凝集型擬似粒子の
結合力が低く、焼結層の中で容易に崩壊して通気性を悪
化させる。一方、PF水分を7〜12wt%に調整し
て、凝集力を低下させたPF粒子21を用いる本実施の
形態の場合には、図9(b)に示すように、粒子間の付
着力が弱いためにPF粒子21が凝集することなく分散
して、この分散したPF粒子21が核粒子20の周囲に
付着しやすくなって複合型擬似粒子の比率が増加する。
従って、核粒子20に較べて付着力の強いPF粒子21
が擬似粒子間に介在するようになり擬似粒子間の結合力
が向上する。このため、擬似粒子が焼結機に装入されて
形成される焼結層中において、擬似粒子間に隙間の多い
強固な焼結層が形成されるので、焼結層の通気性を良好
に維持することができる。
【0031】図10は、PF粒子21と同時に切り出し
て積み付けする鉄鉱石において、粒径が1mm以下の微
粉部のアルミナ濃度、及びPF水分とを変化させて、そ
の他の条件を同一に設定し、これらを焼結して得られる
焼結鉱のRDIと前記アルミナ濃度との関係を示した図
である。同図から、PFを多量(14.7wt%)に使
用しても、微粉部のアルミナ濃度を制御することによ
り、焼結鉱のRDIを改善することができるのが分か
る。なお、図中のPF=に続く数字は新原料配合中のP
F量の配合比率を示しており、横軸のアルミナ濃度は、
新原料配合の均鉱中に含まれる粒径が1mm以下の微粉
部におけるアルミナの濃度を表している。
【0032】図11は均鉱中のPF配合比率と、その焼
結層における装入部通気性との関係を示した図である。
即ち、所定のPF配合比率の均鉱を含む焼結原料を焼結
機23に装入して、この焼結層の装入部通気性を測定し
たものである。同図に示すように、PF配合比率を5.
4wt%に設定して同時に切り出す比率をゼロとした○
印(装入部通気性:約22)の場合と、PF配合比率を
同じく5.4wt%に設定して、同時に切り出す比率を
100wt%とした●印(装入部通気性:約22.8)
の場合とでは装入部通気性に大幅な差を生じることが分
かる。また、PF配合比率を14.7wt%として、同
時に切り出す比率を100wt%に設定した★印(装入
部通気性:約22)の例においては、大幅にPF配合比
率を増加、かつ○印の例にほぼ等しいレベルの装入部通
気性を確保することができるのが分かる。従って、同時
に切り出すような積み付けを実行することにより、同一
の生石灰レベルにおいて、PF配合比率を5.4wt%
から14.7wt%まで増配することが可能となった。
【0033】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこのような実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本発明の実施の形態においては、
粉鉄鉱石としてのクドレムクPF、MBR−PF、高ア
ルミナ鉱石としてのハマスレー、及びマウントニューマ
ンからなる銘柄を用いる組み合わせの例を示したが、本
発明はこれらの特定の銘柄の組み合わせのみに限定され
るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る焼結原料の事前処
理方法を適用する焼結設備の説明図である。
【図2】各鉄鉱石原料における粒度1mm以下の微粉部
のアルミナ濃度を示す図である。
【図3】擬似粒子の形態を示す模式図である。
【図4】引張強度とPF水分との関係を示す図である。
【図5】焼結原料中に生成する自己凝集型擬似粒子比率
とPF水分との関係を示す図である。
【図6】装入部通気性と自己凝集型擬似粒子比率との関
係を示す図である。
【図7】高アルミナ鉱石とPFとを同時に切り出して積
み付ける方法の概略説明図である。
【図8】(a)、(b)はそれぞれ同時に切り出される
PF比率と焼結層の装入部通気性及び焼結鉱のRDIと
の関係を示す図である。
【図9】焼結原料の通気性向上の機構を説明する図であ
る。
【図10】鉄鉱石の粒度1mm以下の部分におけるアル
ミナ濃度と焼結鉱のRDIとの関係を示した図である。
【図11】均鉱中のPF配合比率と焼結層における装入
部通気性との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 焼結設備 11 鉄鉱石 12 鉱石船 13 貯鉱ヤー
ド 14 原料積付槽 15 ベルトコ
ンベア 16 均一分散装置 17 ベルトコ
ンベア 18 ブレンディングヤード 19 貯鉱槽 20 核粒子 21 PF粒子 22 ドラムミキサー 23 焼結機 24 レインガン 25 散水装置 26 切り出し装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉鉄鉱石をその他の鉄鉱石と共にそれぞ
    れ原料積付槽に貯蔵して、該原料積付槽の下部に設けら
    れた切り出し装置から排出される各鉄鉱石を搬送手段を
    介してブレンディングヤードへ積層した後、これを該ブ
    レンディングヤードから搬出して副原料と混合する焼結
    原料の事前処理方法であって、 前記粉鉄鉱石のシリカ含有量が0.1〜5wt%、その
    粒径が0.01〜1mmであり、かつ前記粉鉄鉱石の原
    料積付槽における水分を7〜12wt%に調整すること
    を特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  2. 【請求項2】 粒径1mm以下の細粒を50wt%以下
    含有し、かつ該細粒におけるシリカ分、及びアルミナ分
    がそれぞれ4〜6wt%、2〜4wt%である高アルミ
    ナ鉄鉱石が、前記その他の鉄鉱石中には含まれ、該高ア
    ルミナ鉄鉱石と前記粉鉄鉱石とを前記原料積付槽の切り
    出し装置を介して同時に切り出しながら搬送手段を介し
    て混合すると共に、これを前記ブレンディングヤードに
    積層することを特徴とする請求項1記載の焼結原料の事
    前処理方法。
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