JP2001254127A - 高炉用焼結鉱の製造方法 - Google Patents

高炉用焼結鉱の製造方法

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JP2001254127A JP2000064273A JP2000064273A JP2001254127A JP 2001254127 A JP2001254127 A JP 2001254127A JP 2000064273 A JP2000064273 A JP 2000064273A JP 2000064273 A JP2000064273 A JP 2000064273A JP 2001254127 A JP2001254127 A JP 2001254127A
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Takashi Wada
和田  隆
Hiromi Nakamura
博巳 中村
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結用B粉の内25wt%以上に、結晶水を
4.0wt%以上含む高結晶水鉱石を使用し、安定した
焼結操業をする焼結鉱の製造技術を開発する。 【解決手段】 高結晶水鉱石7に対して前処理として散
水16等の水分添加処理を施し、この処理を施された高
結晶水鉱石を原料配合槽8に装入し、次いで上記処理以
外の他の焼結用原料と配合し、混合し、造粒し、造粒さ
れた焼結鉱原料を火格子移動式焼結機14に装入して焼
結する。水分添加処理を、高結晶水鉱石を粉鉱ヤードか
ら原料配合槽8への搬送装置上あるいは粉鉱ヤードにお
いて行なう。B粉中に占める高結晶水鉱石全体の割合を
50wt%以上とし、水分添加処理前の結晶水含有量が
7wt%以上のとき、この処理により、高結晶水鉱石が
含有する全水分含有率を、1.0wt%以上増加させる
ように調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高炉製銑法にお
いて使用する焼結鉱原料として高結晶水鉱石をその一部
として使用し、且つ安定した焼結機操業を実現する焼結
鉱の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高炉原料として使用される焼結鉱は、一
般に、次の方法により製造される。先ず、本船から荷揚
げされた約10mm以下の鉄鉱石粉を銘柄ごとに粉鉱ヤ
ードに山積みする。山積みされた各種粉鉱石、含CaO
副原料、含SiO2 副原料及び、ダスト等を予め設定し
ている割合でベッディング法により混合し、ブレンディ
ング粉とする。当該ブレンディング粉、石灰石及び/又
は生石灰、珪石及び/又は蛇紋岩、粉コークス及び/又
は無煙炭、並びに返鉱と、場合によっては更に、単味の
粉鉱石等の各原料をそれぞれ別の原料配合槽に入れ、そ
れぞれの原料配合槽から各原料を所定量連続的に切り出
して配合し、配合された原料に適量の水分を添加して混
合し、擬似粒子に造粒する。
【0003】このようにして造粒された焼結鉱原料をホ
ッパーより火格子移動式焼結機(ドワイトロイド式焼結
機)のパレット上に、連続的に500〜700mm程度
の高さの層厚にして供給する。次いで点火炉にて表層部
中の炭材に点火し、下方に向けて強制的に空気を吸引し
ながら炭材を燃焼させ、この時発生する燃焼熱によって
焼結鉱原料を焼結し、塊成化する。こうして焼成された
「焼結ケーキ」を破砕し、冷却後整粒して3〜5mm以
上の粒子の内、品質基準を満たすものを「成品焼結鉱」
として高炉に装入する。品質不合格品及び破砕・整粒過
程で発生した3〜5mm以下の粉焼結鉱は、返鉱として
再度焼結用原料として使用される。
【0004】こうして製造される焼結鉱の製造において
は、当該焼結鉱を原料として使用する高炉の操業を安定
させ高効率で行なうために、焼結鉱に対して高品質が要
求され、厳しい品質管理が行なわれていると同時に、そ
の製造コスト低減のために、焼結鉱の成品歩留向上が要
請される。ここで、焼結鉱の成品歩留は、新原料の重量
に対する「成品焼結鉱」重量の割合、即ち、成品焼結鉱
/新原料で表わされる。
【0005】一方、鉄鉱石の供給面において、近年特に
赤鉄鉱や磁鉄鉱等の良質な鉄鉱石が減少し、これに伴い
結晶水含有量が高く粗粒の鉱石である褐鉄鉱等の所謂高
結晶水鉱石が増加しており、この高結晶水鉱石を高炉用
焼結鉱として大量に、有利に使用する技術が強く要請さ
れるに至った。
【0006】ところが、高結晶水鉱石には、焼結鉱製造
原料として使用するに際し、下記2点の問題がある。第
1の問題点は、高結晶水鉱石は、約400〜500℃に
加熱すると、結晶水が分解・脱水して気孔や亀裂が発生
し、多孔質的な性状が付加される。そのために高結晶水
鉱石は、焼結過程における反応性が高く、1200℃近
傍において高流動性融液が局部的に過剰に生成して、焼
結過程での通気性悪化や不均一な気孔残留を発生させ、
その結果焼結鉱強度を劣化させる。そのため成品焼結鉱
の歩留を悪化させたり、生産率の低下を招く。
【0007】第2の問題点は、高結晶水鉱石が有する元
来の多孔質性状のために、上述した原料配合後の混合・
造粒工程で調製される擬似粒子の造粒性に劣ることであ
る。一般に、配合原料の混合・造粒工程における水分添
加は、バインダーとして過不足なく適正量の水分が添加
されることが要求される。配合原料中の高結晶水鉱石に
対しては、添加した水分の一部が当該高結晶水鉱石が有
する多孔質部分に吸収されるので、造粒バインダーとし
て当初適正量添加された水分が不足する傾向が生ずる。
そのために、焼結用配合原料中の鉄鉱石中に占める高結
晶水鉱石の配合を多くすると、混合・造粒工程で得られ
た擬似粒子の粒径を望ましい大きさの粒度に確保した状
態で焼結機に装入することが困難となり、焼成後の焼結
鉱粒径を十分に確保することができず、また成品歩留の
低下をきたす。
【0008】上記第1の問題点に対しては多数の解決方
法の提案がなされているが、第2の問題点に対しては、
少数の提案がなされているに留まっている。そもそも、
第1の問題点解決のねらいは、第2の問題点が解決され
た状態、即ち、焼結鉱原料である擬似粒子が所定の粒径
を確保した状態を前提とし、かかる状態で焼結機へ装入
された場合に、焼結機パレット上の層状焼結鉱原料に対
して、溶融―焼結による焼成を均一且つ速やかに行なわ
せるために、当該原料層内部に均一且つ適切な通風性を
確保させる点にある。従って、高結晶水鉱石を多量に使
用して、安定した焼結機操業を実現するためには、第2
の問題点である焼結機装入時の擬似粒子径の確保は極め
て重要な意味を持つ。
【0009】このような状況下にあって、第2の問題点
に関連する擬似粒子の造粒性に関して、配合原料の混合
・造粒工程においてバインダーとして添加する水分の適
性量を決定し、制御する技術が提案されている。例え
ば、特開平11−61281号公報には、擬似粒子の形
成メカニズムをモデル化し、微粉鉱石が粗粒鉱石に吸着
して擬似粒子を形成するために下記制御をする。即ち、
微粉が粗粒へ付着する能力を有する下限の水分濃度値W
lmcを、当該銘柄鉱石の吸水率(吸水可能な最大水分濃
度)とその粒度構成とから算出して当該Wlmc以上にな
るように配合原料中の水分濃度を制御し、更に、擬似粒
子の粒度分布形状として、2〜10mmの範囲内の擬似
粒子の量が最大となるときの配合原料中の水分が得られ
るように、水分添加量を制御するというものである。当
該公報における開示技術においては、鉄鉱石として高結
晶水鉱石に限定されることなく、焼結用配合原料に対す
る造粒ミキサーにおける適切な水分添加量についてのか
かる提案がなされている(以下、「先行技術」とい
う)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】高結晶水鉱石を焼結鉱
原料として完全に使いこなすためには、前述した二点の
問題を解決しなければならないが、本発明者等は先ず、
高結晶水鉱石を大量に、焼結鉱製造の実操業において使
用することが可能な技術を確立することを考えた。その
ためには、特に上記第2の問題点の解決が遅れているこ
とに鑑み、その解決技術を鋭意研究した。ところが、上
記先行技術は、適正な水分を配合原料の混合・造粒段階
で添加する方法であるために、多孔質性状を有する高結
晶水鉱石に対する吸水にはある程度の時間がかかるため
に、本発明者等が目的とする高結晶水鉱石の使用方法に
おいては、十分な効果が発揮されないことがわかった。
即ち、混合・造粒ミキサーにおいて加算添加された水分
を、混合・造粒工程でねらい通り高結晶水鉱石の多孔質
部分に吸収させ、しかも、造粒バインダーとしての水分
を均一に十分確保して、造粒性改善効果を安定して発揮
させることは困難である。
【0011】この発明の目的は、高炉用焼結鉱の製造に
際し、鉄鉱石中に占める高結晶水鉱石の配合比率が高く
なった場合でも、高結晶水鉱石に適切な処理を施すこと
により、造粒性に優れた擬似粒子を混合・造粒すること
ができ、これを焼結機へ装入して焼成することにより、
焼結鉱成品の歩留確保を劣化させないことが可能となる
焼結鉱の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から鋭意研究を重ねた。高炉用焼結鉱の製造工程に
おいて、高結晶水鉱石を多量配合して水分を添加し、混
合・造粒して得られた擬似粒子について、その擬似粒子
形態のミクロ的経時変化を詳細に観察した。その結果、
造粒直後においては、正常な形態の擬似粒子であって
も、時間の経過につれて、その核粒子を構成する高結晶
水粉鉱石の微細気孔内部へ、造粒バインダーとして添加
された水分が吸収されて、バインダー機能を発揮してい
た水分が不足し、高結晶水粉鉱石の表面に結合していた
その他の配合原料粒子の結合力が弱まり、擬似粒子の一
部が崩壊するに至ることを確認した。
【0013】そこで、本発明者等は、高結晶水鉱石に対
しては混合・造粒工程に入る前に事前水分添加を施し
て、高結晶水鉱石が有する微細気孔に水分を吸収させて
おき、バインダーとして添加された適正量の水分が本来
の機能を十分発揮し得るようにすることを考えた。
【0014】図6は、高結晶水鉱石を粉鉱石ヤードから
焼結用の原料配合槽へのベルトコンベア輸送途中におい
て、所定量の水の散水を開始した場合に、散水による高
結晶水鉱石の全水分の増加速度を試験した結果である。
散水試験方法は、高結晶水鉱石としてローブリバー及び
ヤンディの2銘柄を対象とし、鉱石の重量に対してそれ
ぞれ約1.5%の水分を散水し、散水開始直前まで及び
散水開始後の各高結晶水鉱石の全水分含有率を測定し
た。なお、鉄鉱石として高結晶水鉱石を含まない通常の
粉鉄鉱石を含む混合原料に対しても、上記高結晶水鉱石
に対すると同じ条件の事前散水を行ない、同じようにそ
の全水分含有率の経時変化を試験した。ここで使用した
混合原料は、通常呼称されている範疇の構成原料からな
るものであって、粉鉄鉱石に雑原料、副原料並びに返鉱
及び粉コークスをブレンディングしたものである。
【0015】図6に示した結果より、混合原料の場合
は、約1.5%の散水開始後、約30時間程度経過して
ようやく、全水分含有率は0.4%程度増加したが、高
結晶水鉱石の場合には、同じく約1.5%の散水開始
後、約5〜15時間程度経過して、全水分含有率は1.
5〜1.7%程度増加している。これらの試験結果よ
り、高結晶水鉱石においては、通常鉱石に比べて水分の
吸収量が著しく多いこと、またその水分吸収にはかなり
の長時間、即ち銘柄により大きく異なるが、例えば5〜
6時間程度以上の長時間を要することがわかった。
【0016】本発明者等は、上記試験結果、並びに高結
晶水鉱石の鉱物学的ミクロ組織観察結果及び前記高結晶
水鉱石の擬似粒子造粒後の崩壊観察結果について検討し
た。その結果、高結晶水鉱石の多量配合による焼結用配
合原料を用いた、事前の水分添加による混合・造粒工程
において、適正量の水分添加により十分なバインダー効
果を発揮させ、造粒性を劣化させることなく擬似粒子を
形成させるためには、原料配合前に十分な時間をかけて
水分を添加し、高結晶水鉱石の多孔質部に対して水分が
吸収されるのに十分な時間を確保できる散水等の方法で
水分添加処理を施しておくことが必要であり、そうする
ことにより微細気孔に水分が予め吸収された高結晶水鉱
石を大量に使用しても擬似粒子の造粒性を劣化させるこ
となく焼結鉱の製造操業が可能であることを知見した。
【0017】この発明は、上記知見に基づきなされたも
のでり、その要旨は次の通りである。請求項1記載の発
明に係る高炉用焼結鉱の製造方法は、高炉への装入原料
である焼結鉱の製造工程において、焼結用B粉の内25
wt%以上に、結晶水を4.0wt%以上含む高結晶水
鉱石を配合する前記焼結鉱の製造方法に関するものであ
る。その際、当該高結晶水鉱石の内、少なくともその一
部に対しては前処理として水分添加処理を施し、当該水
分添加処理を施された高結晶水鉱石を原料配合槽に装入
し、次いで、その水分添加処理を施された高結晶水鉱石
以外の他の焼結用原料と配合し、混合し、造粒し、こう
して造粒された焼結鉱原料を火格子移動式焼結機に装入
して焼結することに特徴を有するものである。
【0018】請求項2記載の発明に係る高炉用焼結鉱の
製造方法は、請求項1記載の発明において、高結晶水鉱
石に対する水分添加処理を、その高結晶水鉱石を粉鉱ヤ
ードから原料配合槽へ搬送中の搬送装置上において行な
うことに特徴を有するものである。
【0019】請求項3記載の発明に係る高炉用焼結鉱の
製造方法は、請求項1記載の発明において、高結晶水鉱
石に対する水分添加処理を、粉鉱ヤードにおいて行なう
ことに特徴を有するものである。
【0020】請求項4記載の発明に係る高炉用焼結鉱の
製造方法は、請求項1、2又は3記載の発明において、
焼結用B粉中に占める高結晶水鉱石の割合が50wt%
以上であり、水分添加処理前の高結晶水鉱石の結晶水含
有量が7wt%以上であり、そして、高結晶水鉱石に対
する水分添加処理により、その高結晶水鉱石が含有する
全水分含有率を、1.0wt%以上増加させることに特
徴を有するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、この発明の高炉用焼結鉱製
造方法についての望ましい実施形態を、図面を参照しな
がら説明する。
【0022】図1に、その焼結鉱製造工程全体の概略フ
ロー図を示す。先ず、焼結用の原料として、ブレンディ
ング粉鉱石1、石灰石2や生石灰3のCaO含有物質、
ニッケルスラグ4等のSiO2含有物質、返鉱5、コー
クス粉6、及び高結晶水鉱石7をそれぞれの原料配合槽
8へ搬送し装入する。但し、高結晶水鉱石7について
は、原料配合槽8へ装入する前に散水16処理を施す。
原料配合槽8から焼結用原料を切り出し、所定の割合で
配合し、バインダーとして水分9を添加し、ドラムミキ
サー10で混合し、造粒機11あるいはディスクペレタ
イザー12で造粒し、焼結鉱原料としての擬似粒子13
を調製する。こうして調製された焼結鉱原料を火格子移
動式焼結機14に装入し、焼成して焼結ケーキを製造
し、破砕・整粒して焼結鉱成品を得て高炉15へ原料と
して搬送する。また、所定粒度以下の焼結鉱は返鉱5と
して原料配合槽8へリターンする。
【0023】高結晶水鉱石7に散水処理を施すのは、配
合原料を混合・造粒中に高結晶水鉱石7に元来内在する
多孔質内部に、造粒バインダー用水分が吸収されて造粒
性が劣化するのを防止するために、予めその多孔質内部
に水分を吸収させておくためである。高結晶水鉱石7の
多孔質内部への水分吸収には数時間以上かかるので、通
常の焼結鉱製造設備及び製造工程所要時間を考慮する
と、散水等の水分添加処理を行なう時期は、高結晶水鉱
石7が原料配合層8に装入される以前とすることが望ま
しい。この水分添加処理方法としては、焼結鉱製造ライ
ンから考えて散水を行なうのが設備面及び効率面からも
適しており、この散水処理は、粉鉱石ヤード9から原料
配合槽8に至る間の搬送装置上で行なうのが、工程時間
短縮上からも好都合である。また、鉱石ヤードで散水処
理を行なってもよい。
【0024】高結晶水鉱石7に対する水分添加処理によ
り、焼結用原料配合後の混合・造粒工程で調製される擬
似粒子の造粒性劣化を防止することが可能となる。但
し、所謂高結晶水鉱石7が含有する結晶水分や多孔質性
は鉄鉱石銘柄により異なる。結晶水を4.0wt%以上
含む高結晶水鉱石7が、B粉中に対して25wt%以上
を占めるようになると、上記造粒性の劣化が顕在化し、
特に結晶水の含有率が約7wt%以上の高結晶水鉱石を
用い、そのB粉中に占める割合が50wt%以上になる
と造粒性劣化が著しくなる。そして、このような造粒性
劣化を抑制するためには、高結晶水鉱石に対する事前の
水分添加処理により、その高結晶水鉱石が含有する全水
分含有率を、1.0wt%以上増加させておくことが望
ましい。
【0025】
【実施例】図1に示した高炉用焼結鉱製造工程に準じ
て、高結晶水鉱石7に対して原料配合槽8へ装入するた
めのコンベアベルト17上において、本発明の範囲内の
散水処理をした、実施例1及び実施例2の試験を行なっ
た。原料配合槽8から各原料を所定量づつコンベアベル
ト18上に切り出して配合原料を調製後、混合・造粒工
程へ搬送した。配合原料をドラムミキサー10に装入す
ると共に、所定量の水分9を添加しつつ混合し、次いで
造粒機11で擬似粒子13に調製した後、火格子移動式
焼結機14に装入して、焼結鉱を製造した。上記試験製
造過程において焼結機装入直前において、擬似粒子13
をサンプリングし、その造粒性の評価試験を行なった。
造粒性評価試験として、擬似粒子の粒度分布、及び乾燥
前後の平均擬似粒子径を測定した。更に、焼結操業成績
(焼結鉱成品歩留及び生産率)を調査した。
【0026】なお、高結晶水鉱石7に散水処理をしない
比較例1の試験についても、実施例1,2と同じ測定を
した。
【0027】表1に、実施例1,2及び比較例1におけ
る原料配合、並びに、高結晶水鉱石への散水条件及び造
粒条件を示し、表2に、使用した高結晶水鉱石、及び混
合原料中の鉱石の成分組成を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】図2,3及び4に擬似粒子の造粒性試験結
果を示す。上記試験結果より、擬似粒子径が拡大するこ
と、混合・造粒工程における添加水量の一部を事前散水
にまわし、その分だけ混合・造粒工程での水分添加量を
減らしても、高結晶水鉱石に事前散水処理をすることに
よりその造粒性は向上すること、及び、高結晶水鉱石の
事前散水処理により、添加水分を高結晶水鉱石の多孔質
部に吸収させることが可能となり、擬似粒子の造粒性が
向上したことが明らかとなった。
【0031】また、図5に焼結鉱成品歩留及び生産率を
示す。この結果より、高結晶水鉱石の多量配合による焼
結鉱の製造においても、高結晶水鉱石に事前散水処理を
することにより、成品歩留及び生産率を通常操業水準に
確保することができることがわかる。
【0032】
【発明の効果】この発明によれば、高炉用焼結鉱の配合
原料として、高結晶水鉱石を多量に使用しても、その焼
結鉱製造工程における擬似粒子の造粒性を劣化させるこ
となく、そのためにまた、焼結鉱の成品歩留及び生産性
を低下させることなく結鉱を製造することが可能とな
る。このような高炉用焼結鉱の製造方法を提供すること
ができ、工業上極めて有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明する焼結鉱製造工程全
体の概略フロー図である。
【図2】焼結機装入直前における実施例及び比較例の擬
似粒子の粒度分布を比較するグラフである。
【図3】焼結機装入直前における実施例及び比較例の擬
似粒子の平均粒度を比較するグラフである。
【図4】焼結機装入直前における実施例及び比較例の造
粒性指数(擬似粒子の平均径−擬似粒子の乾燥後平均
径)を比較する図である。
【図5】実施例及び比較例における焼結鉱成品歩留及び
生産率の操業成績を示す図である。
【図6】高結晶水鉱石にベルトコンベア輸送途中で散水
した場合の高結晶水鉱石の水分増加速度を試験した結果
の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ブレンディング粉鉱石 2 石灰石 3 生石灰 4 ニッケルスラグ 5 返鉱 6 コークス粉 7 高結晶水鉱石 8 原料配合槽 9 水分 10 ドラムミキサー 11 造粒機 12 ディスクペレタイザー 13 擬似粒子 14 火格子移動式焼結機 15 高炉 16 散水 17、18 コンベアベルト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉への装入原料である焼結鉱の製造工
    程において、焼結用B粉の内25wt%以上に、結晶水
    を4.0wt%以上含む高結晶水鉱石を配合する前記焼
    結鉱の製造方法において、 前記高結晶水鉱石の内、少なくともその一部に対しては
    前処理として水分添加処理を施し、当該水分添加処理を
    施された高結晶水鉱石を原料配合槽に装入し、次いで、
    前記水分添加処理を施された高結晶水鉱石以外の他の焼
    結用原料と配合し、混合し、造粒し、こうして造粒され
    た焼結鉱原料を火格子移動式焼結機に装入して焼結する
    ことを特徴とする、高炉用焼結鉱の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高結晶水鉱石に対する水分添加処理
    を、当該高結晶水鉱石を粉鉱ヤードから前記原料配合槽
    へ搬送中の搬送装置上において行なうことを特徴とす
    る、請求項1記載の高炉用焼結鉱の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高結晶水鉱石に対する水分添加処理
    を、粉鉱ヤードにおいて行なうことを特徴とする、請求
    項1記載の高炉用焼結鉱の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記焼結用B粉中に占める前記高結晶水
    鉱石全体の割合は50wt%以上であり、前記水分添加
    処理前の前記高結晶水鉱石の結晶水含有量は7wt%以
    上であり、そして、前記高結晶水鉱石に対する水分添加
    処理により、当該高結晶水鉱石が含有する全水分含有率
    を、1.0wt%以上増加させることを特徴とする、請
    求項1、2又は3記載の高炉用焼結鉱の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4659144B2 (ja) * 2009-03-31 2011-03-30 新日本製鐵株式会社 バインダー添加方法、バインダー添加装置、混練機及び混練方法
CN105441669A (zh) * 2016-01-13 2016-03-30 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种改善全精粉烧结料层透气性的方法

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