JPH0797639A - 焼結原料の造粒方法 - Google Patents

焼結原料の造粒方法

Info

Publication number
JPH0797639A
JPH0797639A JP18362594A JP18362594A JPH0797639A JP H0797639 A JPH0797639 A JP H0797639A JP 18362594 A JP18362594 A JP 18362594A JP 18362594 A JP18362594 A JP 18362594A JP H0797639 A JPH0797639 A JP H0797639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
mixer
granulating
powder
sintering raw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18362594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3058015B2 (ja
Inventor
Masaru Matsumura
勝 松村
Takazo Kawaguchi
尊三 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26501983&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH0797639(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP6183625A priority Critical patent/JP3058015B2/ja
Publication of JPH0797639A publication Critical patent/JPH0797639A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3058015B2 publication Critical patent/JP3058015B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高強度焼結鉱を高歩留、高生産性で製造するた
めの原料造粒方法の提供。 【構成】粉粒耐燃料 (粉コークス) を含まない焼結原料
を高速回転羽根内蔵混合機単独で、または転動型造粒機
と併用して混合、造粒する。その後、粉粒耐燃料を添加
し、転動型造粒機で造粒する。粉粒耐燃料とともに生石
灰を添加するのが望ましい。また、混合、造粒時の全添
加水分の大部分を高速回転羽根内蔵混合機に添加するの
が望ましい。 【効果】搬送過程で粉化しない高強度擬似粒子の形成が
可能になり、焼成時の粉コークスの燃焼性が向上する。
焼結の生産性が高まり、また、この方法で得た焼結鉱を
用いれば、高炉の操業安定化ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鉄用の高炉に装入す
る焼結鉱の製造において、冷間強度の高い焼結鉱を高い
成品歩留で、かつ、低い風量原単位で製造することを目
的として行う焼結原料の造粒方法に関する。
【0002】
【従来の技術】焼結鉱は、一般に次のようにして製造さ
れる。まず、鉄鉱石、石灰石および粉コークス等の種々
の焼結原料に適当量の水分を加えて造粒し、焼結パレッ
トに装入する。そして焼結原料充填層の上部に点火し、
下方へ空気を吸引しながら上層部から順に焼成する。焼
成後、パレットを傾動して焼成物(焼結ケーキと称す
る)を破砕、冷却した後に、一定粒径以上の成品が高炉
原料として供される。
【0003】上記の焼結鉱製造過程の中の造粒工程は、
焼結原料を焼結パレットに装入して焼成する際の焼結原
料充填層の通気性を確保する上で重要である。即ち、通
気性が高くなると焼結時間が短縮されて生産率 (焼結成
品のトン/Day) が上昇する。
【0004】焼結原料充填層の高い通気性を確保するた
めには、焼結原料造粒後の粒子(以下、擬似粒子と称す
る)の粒径を大きくする必要がある。擬似粒子は、粒径
1mm程度以上の粗粒を核として、その周りに微粉が付着
している構造であるから、より多くの微粉を粗粒に付着
させることによって擬似粒子径は大きくなる。
【0005】そこで微粉の付着力を上昇させる方法とし
て、例えば特開昭57−174420号公報ではドラムミキサー
やパンペレタイザーで造粒する前に焼結原料をねっか処
理する方法が提案されている。ねっか処理とは、粉体を
湿潤状態で外力を加えて練り合わせる操作で、外力によ
り強制的に添加水分を均一に分散させることを目的とし
ている。しかし、擬似粒子における付着粉の付着層厚が
上昇すると、微粉である粉コークスが造粒中に付着粉の
付着層内部に埋没する。その結果、この埋没した粉コー
クスが、焼成時に燃焼遅れ、不完全燃焼あるいは未燃焼
を引き起こす。
【0006】このため焼成時の原料の最高到達温度が低
下したり、1200℃以上の高温保持時間が短縮されて焼結
の成品歩留が低下する。
【0007】一方、特公昭55−9047号公報には、焼結の
際に発生する窒素酸化物 (NOX ) を少なくすることを目
的として、粉コークスの擬似粒子中への埋没を促進する
発明が開示されている。その方法は、焼結原料を1次ペ
レタイザーで造粒した後に、その造粒物に粉コークスを
添加して2次ペレタイザーで造粒する方法である。この
方法では、擬似粒子内層部に粉コークスを偏在させるこ
とにより、粉コークスを不完全燃焼させて、NOX 発生量
を減らすことができるとしている。ここで問題となるこ
とは、擬似粒子の内層部に粉コークスを偏在させると、
その偏在層の付着強度が弱められ、造粒物が1次ペレタ
イザーと2次ペレタイザーの間や2次ペレタイザーと焼
結パレットの間で搬送されるときに偏在層の部分から崩
壊し、造粒歩留が低下することである。 さらに特開昭
52−71305 号公報には、粉コークスの分割添加および後
段添加法を行う際にバインダーを併用する方法が提案さ
れている。しかし、単なる焼結原料へのバインダーの配
合では、擬似粒子強度を上げる効果に限界がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来法
では、生産率を改善するため擬似粒子の粒径を上昇させ
ると、粉コークスの擬似粒子中への埋没を招き、焼結の
歩留が悪化する。また、前記特公昭55−9047号公報およ
び特開昭52−71305 号公報に記載される粉コークスを造
粒の後段で添加する方法でも、粉コークスは擬似粒子中
へ埋没し、擬似粒子の強度低下と焼成時の粉コークスの
不完全燃焼が問題となる。
【0009】本発明の目的は、焼結原料の造粒工程を改
善することにより、擬似粒子表層部に粉コークスを付着
させるとともに、容易に崩壊しない高強度擬似粒子を形
成させ、焼結の成品歩留および焼結鉱の冷間強度を向上
させ、かつ風量原単位を下げて焼結の生産性を高めるこ
とが可能な造粒方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1) から
(4) までの焼結原料の造粒方法を要旨とする。
【0011】(1) 粉粒体燃料を除く鉄鉱石、石灰石等の
焼結原料を高速回転羽根を内蔵した混合機を用いて混合
した後に、その混合物に粉粒体燃料を添加して転動機能
を有する造粒機で造粒することを特徴とする焼結原料の
造粒方法(以下、これを第1発明の方法と記す)。
【0012】(2) 粉粉粒体燃料除く鉄鉱石、石灰石等の
焼結原料を高速回転羽根を内蔵した混合機を用いて混合
し、次いで転動機能を有する造粒機で造粒を施した後
に、その造粒物に粉粒体燃料を添加し、再び転動機能を
有する造粒機で造粒することを特徴とする焼結原料の造
粒方法(以下、これを第2発明の方法と記す)。
【0013】上記(1) または(2) の方法において、焼結
原料の混合および造粒に際して添加する全水分の90%以
上の水分を、高速回転羽根を内蔵した混合機による混合
の際に添加するのが望ましい。
【0014】(3) 粉粒体燃料を除く鉄鉱石、石灰石等の
焼結原料を高速回転羽根を内蔵した混合機を用いて混合
した後に、その混合物に粉粒体燃料と生石灰を添加して
転動機能を有する造粒機で造粒することを特徴とする焼
結原料の造粒方法(以下、これを第3発明の方法と記
す)。
【0015】(4) 粉粒体燃料を除く鉄鉱石、石灰石等の
焼結原料を高速回転羽根を内蔵した混合機を用いて混合
し、次いで転動機能を有する造粒機で造粒した後に、そ
の造粒物に粉粒体燃料と生石灰を添加し、再び転動機能
を有する造粒機で造粒することを特徴とする焼結原料の
造粒方法(以下、これを第4発明の方法と記す)。
【0016】上記(3) または(4) の方法においては、焼
結原料の混合および造粒に際して添加する全水分の70%
以上の水分を、高速回転羽根を内蔵した混合機による混
合の際に添加するのが望ましい。
【0017】本発明方法で使用する高速回転羽根を内蔵
した混合機とは、円筒形パン内に攪拌を目的とする羽根
が設置されており、このパンと羽根の双方が回転運動す
る混合機であり、例えば、アイリッヒミキサーと呼ばれ
る混合機が代表的なものである。このタイプの混合機
は、羽根の回転速度が数百r.p.m.と高速であり、圧密作
用がないので、十分な均一混合が可能で、しかも石灰石
のような脆い成分でも不必要に破砕されることがない。
【0018】転動機能を有する造粒機としては、粉鉄鉱
石の造粒工程で通常使用されているドラムミキサー、パ
ンペレタイザー等が使用できる。
【0019】
【作用】次に、本発明の作用および効果について詳述す
る。なお、本発明方法で使用する「粉粒体燃料」とは、
粉コークスまたは無煙炭粉のような炭素を主体とする粉
粒状の燃料である。一般には粉コークスが使用されるこ
とが多いので、以下の説明では、粉コークスで代表させ
る。
【0020】図1は、本発明の造粒工程を説明する模式
図である。図示のように、第1発明および第3発明の方
法では粉コークス以外の焼結原料を切出しホッパー3か
ら切り出し、高速回転羽根内蔵混合機1を用いて焼結原
料を混合した後に、その混合物に粉コークス切出しホッ
パー4から切り出された粉コークス(または粉コークス
と生石灰)を添加して転動型造粒機2を用いて造粒す
る。
【0021】第2発明および第4発明の方法では、粉コ
ークス以外の焼結原料を、高速回転羽根内蔵混合機1を
用いて混合し、その混合物を転動型造粒機2を用いて造
粒した後に、その造粒物に粉コークス(または粉コーク
スと生石灰)を添加して、再度、転動型造粒機2を用い
て造粒する。
【0022】図1に示すように、この発明の基本は、粉
コークスの「後段添加造粒法」である。この方法では、
擬似粒子の表層部に比較的粒径の小さい (例えば0.5mm
以下の) 粉コークスを擬似粒子表層部に存在させ、比較
的粒径の大きい (例えば0.5mm 以上の) 粉コークスは擬
似粒化させずに単独で存在させる。それによってコーク
ス粒子の燃焼速度を増大させ(正確には燃焼開始時間を
速くする)、かつその利用効率を改善して、風量原単位
および歩留を改善することができる。この方法では、比
較的粒径の小さい粉コークスを擬似粒子表層部に存在さ
せる造粒技術が重要である。本発明はその造粒技術に新
しい工夫を凝らしたところに特徴がある。
【0023】第3発明および第4発明では生石灰を粉コ
ークスと共に添加する。これは、粉粒体状焼結燃料と擬
似粒子との結合を強固なものにするためである。生石灰
は、焼結原料に通常添加されるものであるが、その全量
を焼結原料に初めから配合すると、粉コークス添加前の
造粒によって形成される擬似粒子内の粒子結合にこの生
石灰が使用され、後段での粉コークスと擬似粒子との結
合に関与する生石灰量が低下する。生石灰を粉コークス
の結合強化に利用することを目的とするならば、生石灰
は擬似粒子表層部に存在するのが望ましく、それを達成
するには生石灰を粉コークスと共に後段で添加して造粒
するのが有効である。この方法によって最終的には粉コ
ークスは擬似粒子の表層部に存在して容易に剥離崩壊し
ない状態になる。
【0024】なお、焼結原料に配合する生石灰の全量を
粉コークスと共に添加する必要はない。あくまで粉コー
クスを擬似粒子表面部に付着させ得るのに必要な量の生
石灰を添加すればよく、残りの生石灰は粉コークス以外
の焼結原料と共に配合して、粉コークス添加前の造粒強
化に活用すればよい。
【0025】粉コークスが擬似粒子表面から剥離崩落し
ないことと共に、擬似粒子そのものの強度も重要であ
る。これは粉コークスの後段添加によって目的とする擬
似粒子を生成させ得たとしても、この擬似粒子が造粒機
から焼結パレットの間の搬送過程で崩壊してはならない
からである。
【0026】図2は、搬送工程における擬似粒子の粉化
と造粒工程との関係を説明する図である。図中、発生粉
率とは、原料配合条件が同一で造粒方法の異なる粒径2
〜10mmの擬似粒子を合成樹脂フィルムの袋に封入して原
料槽出口に投入し、そこから焼結機の給鉱部まで搬送
し、そこで袋を回収して調べたものであり、擬似粒子の
1mm篩下の発生比率を示す。
【0027】図示のように、高速回転羽根内蔵混合機で
あるアイリッヒミキサーを使用した場合には、転動型造
粒機であるドラムミキサー、パンペレタイザーを使用し
た場合に比べて、造粒物の搬送工程における擬似粒子の
崩壊を減らすことができる。
【0028】特にアイリッヒミキサーとドラムミキサー
を組み合わせた場合には、搬送工程において擬似粒子が
ほとんど崩壊しない。これは、高速回転羽根内蔵混合機
が持つ水分と原料との良好な混練作用によって、微粉原
料の付着力が上昇して強固な結合が得られたことによ
る。また高速回転羽根内蔵混合機を使用し、さらに転動
型造粒機を使用すると、擬似粒子の形状が球形になって
さらに粉化量が低減される。このように、高速回転羽根
内蔵混合機を使用することによって力学的に強固な擬似
粒子を形成することができる。
【0029】原料の粒度構成において、擬似粒子形成に
必要な量以上の微粉(粒径0.5mm 以下の粒子)が存在す
ると、この微粉は擬似粒子の表層部において付着粉とな
り、擬似粒子が形成されて行く。このとき、本発明方法
によれば、この微粉は高速攪拌されて水分が均一に分散
されており、微粉表面部に水分が滲み出た状態にある。
従って、擬似粒子表層部の付着微粉は、擬似粒子になっ
ていない微粉と接触して、その微粉を吸着することがで
き、擬似粒子径が増大する。このため、粉コークスは、
擬似粒子表層に埋没することなく吸着され、焼成時に粉
コークスの燃焼が促進される。
【0030】上記のように、高速回転羽根を内蔵した混
合機には、原料と水分とを強攪拌することによって原料
粒子表面に水分を滲み出させる作用がある。一方、粉コ
ークス添加前の擬似粒子の表層部は擬似粒子形成におい
て付着粉として機能した微粉である。この付着粉として
機能した微粉の表面部は水分が滲み出しており、その結
果、擬似粒子表面は水分が滲み出ている状態となってい
る。水分が滲み出している状態の擬似粒子に生石灰を添
加することによって、擬似粒子表層部の粘着力が上昇す
る。これは生石灰(CaO) が水和反応によって消石灰〔 C
a(OH)2〕を形成し、これがバインダーとして機能するこ
とによる。
【0031】以上説明した通り、粉コークスを添加する
段階で擬似粒子強度を上昇させておくことは高速回転羽
根を内蔵した混合機による混合で達成されるが、高速回
転羽根を内蔵した混合機で焼結原料を混合した後に転動
機能を有する造粒機で造粒することによってより擬似粒
子強度が一層上昇する。
【0032】本発明方法は、擬似粒子強度と付着微粉の
性状(擬似粒子表面部の水分滲み出し)を生かすことを
特徴としている。つまり、第1発明および第3発明の方
法では、高速回転羽根内蔵混合機で焼結原料を混合した
後に、粉コークスを添加して転動型造粒機で造粒するこ
とにより、擬似粒子表面に粉コークスを強固に付着さ
せ、焼結パレットへ装入するまでの搬送過程での崩壊を
抑制することができる。
【0033】また、第2発明および第4発明の方法で
は、高速回転羽根内蔵混合機で焼結原料を混合し、転動
型造粒機で造粒した後に、粉コークスを添加して転動型
造粒機で造粒することにより、さらに擬似粒子の強度が
上昇し、焼結パレットへ装入するまでの搬送過程での崩
壊をより一層抑制することができる。
【0034】造粒においてはバインダーとして機能する
水分の添加量および使用する混合機あるいは造粒機への
添加水分分配率が大きな問題である。水分添加量につい
ては、原料配合条件によって適正量が変化するので、原
料配合条件に合わせて水分添加量を決定すればよい。
【0035】まず、粉コークスとともに生石灰を添加し
ない場合(第1発明および第2発明の方法)、粉コーク
ス添加前の高速回転羽根内蔵混合機に対して全添加水分
の90%以上とし、粉コークス添加後の転動型造粒機に対
して全添加水分の10%未満とするのが望ましい。また、
粉コークスとともに生石灰を添加する場合(第3発明お
よび第4発明の方法)には、高速回転羽根内蔵混合機で
の水分の添加量を全添加水量の70%以上とするのがよ
い。以下にその理由を詳述する。
【0036】粉コークス添加前の高速回転羽根内蔵混合
機に水分を添加すると、前述のように、原料中の微粉に
も水分が調湿混合されて、強固な擬似粒子を形成するこ
とができる。またコークス添加後の造粒の際に擬似粒子
表面部に水分が滲み出た状態が得られ、粉コークスを良
好にコーティングすることができる。
【0037】これに対して、転動型造粒機に添加する水
分を上昇させると、全添加水分量は適正値が定められて
いるので、相対的に高速回転羽根内蔵混合機で混合する
際の水分添加量が減少する。そのため、粉コークス添加
後の造粒の際に擬似粒子表面部の水分滲み出しが不十分
となって粉コークスのコーティングが不十分となる。
【0038】特に粉コークス添加後の造粒において多量
の水分を添加すると以下の問題が発生する。第1に、擬
似粒子同士が粉コークスと共に結合し、粉コークスの一
部がこの新たに生成した擬似粒子中に埋没し、埋没粉コ
ークスの燃焼状態が悪化して焼結の歩留が悪化する。第
2に高速回転羽根内蔵混合機で混合する際に、適正水分
を添加して擬似粒子表層部に水分を滲み出させた上で、
さらに転動型造粒機で水分を添加すると、水分過剰とな
って擬似粒子強度の低下を招き、焼結パレットまでの搬
送過程で擬似粒子が崩壊しやすくなる。
【0039】従って、粉コークス添加後の造粒において
は添加水は基本的に不要である。ただ、添加する粉コー
クスの造粒前の含水量が低い場合には、擬似粒子の付着
粉にはなり得ない比較的粒径の大きい粉コークスと擬似
粒子とが接触して、擬似粒子の表面水が奪われることが
予想される。この場合には擬似粒子の含水量が低下しな
い程度の添加水が必要となる。ただし、この場合におい
ても粉コークスの焼結原料に対する配合量が数%である
ことを考慮すると、全添加水分量の10%未満の添加水で
十分である。
【0040】粉コークスとともに生石灰を添加する場合
(第3発明および第4発明の方法)には、前述のよう
に、生石灰(CaO) が水和反応によって消石灰〔 Ca(O
H)2〕を形成してこれがバインダーとなるので、やや多
めの水分が存在してもよい。従って、高速回転羽根を内
蔵した混合機での水分の添加量を全添加水量の70%以上
とし、残りの水分を転動型造粒機で添加するのがよい。
【0041】以下、実施例により、本発明方法を具体的
に説明する。
【0042】
【実施例】
〔共通条件〕試験に用いた焼結原料および粉コークスの
配合比を表1に、粉コークスの粒度分布を表2に、それ
ぞれ示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】図3は、試験時の造粒方法を示す工程図で
あり、(a)、(b)、(c)および(d)は本発明例
であり、(e)、(f)および(g)は比較例、(h)
は従来例の方法を示す。図中、α1 、α2 は粉コークス
添加前の、β、β1 、β2 は粉コークスの添加後の添加
水分分配率を示す。
【0046】高速回転羽根内蔵混合機としてはアイリッ
ヒミキサーを、転動型造粒機としてはドラムミキサーと
パンペイタイザーを用いた。これら3種類の混合機およ
び造粒機の仕様は下記の通りである。
【0047】アイリッヒミキサー…寸法:直径 630mm、
高さ 460mm、 回転数:パン 30 r.p.m.、アジテータ 500 r.p.m. 滞留時間:1分 ドラムミキサー………寸法:直径 600mm、長さ1000mm 回転数:パン 30 r.p.m.、滞留時間:4分 パンペレタイザー……寸法:直径 600mm、深さ 200mm 回転数:15〜30 r.p.m. 、傾斜角度:45° 滞留時間:5分 〔実施例1〕造粒方法を変更して造粒した原料につい
て、焼結鍋試験を実施して焼結鉱の冷間強度 (タンブラ
ー指数、T.I.) および焼結の成品歩留を調査した。表3
に本発明例、比較例および従来例の造粒工程および添加
水分分配率を示す。なお、焼結原料の造粒前水分値は、
約 4.5%であり、造粒後の原料水分値が 8.0%一定とな
るように添加水分分配率に従って混合機、造粒機に水を
添加した。
【0048】
【表3】
【0049】造粒後の原料は、落下強度試験機を用いて
8回落下させた。これは焼結鉱生産設備における造粒機
から焼結パレットまでの搬送過程において、造粒原料が
衝撃力を受けて擬似粒子が粉化する現象を再現する目的
で行ったものである。この落下回数は下記の方法で決定
した。即ち、造粒物を合成樹脂フィルムの袋に封入して
焼結機の原料槽出口からロールフィーダー出口まで搬送
し、その間の1mm篩下の粉発生率を計測した。そして、
実機での1mm篩下の粉発生率と一致する落下回数を求め
た。
【0050】焼成試験では造粒後搬送工程の粉化に相当
する粉化を与えた原料を直径 300mmの円筒型のポットに
装入し、層高は 500mm、空塔風速は 21.8 Nm3/m2・min
の一定条件として焼成した。空塔風速を一定とした理由
は、成品歩留や焼結鉱冷間強度に影響を及ぼす焼成速度
の影響をなくして、成品歩留や冷間強度が焼結原料造粒
物の結合強度だけを反映できるようにするためである。
焼成終了はグレート下に備え付けた熱電対で計測される
排ガス温度が最高値に到達した時点とした。
【0051】図4は、本発明例、比較例および従来例の
造粒工程と焼結の成品歩留および焼結鉱の冷間強度との
関係を示す図である。図示のように、本発明例1、本発
明例2では、従来例、比較例に比べて成品歩留や冷間強
度が上昇する。特に粉コークス添加前にアイリッヒミキ
サーと転動型造粒機(ドラムミキサーやパンペレタイザ
ー)で混合、造粒した本発明例2では、顕著な成品歩留
の向上が得られた。
【0052】図5は、焼結の成品歩留および焼結鉱の冷
間強度と混合、造粒時の添加水分分配率との関係を本発
明例と比較例とを対比して示す図である。
【0053】図示のように、本発明例1、2の造粒工程
を用いた場合は、比較例の造粒工程を用いた場合に比べ
て、高い成品強度と冷間強度が添加水分分配率の全範囲
にわたって得られた。特に全添加水分の90%以上の水分
をアイリッヒミキサーで混合する際に添加した本発明例
1の No.1、2および本発明例2の No.8、9では特に
高い成品歩留や冷間強度が得られた。
【0054】〔実施例2〕図3の(a)から(g)の造
粒方法において表1に示した生石灰の一部を粉コークス
とともに添加したケースがこの実施例である。一方、
(h)の造粒方法及び(a)から(g)の造粒方法にお
いて生石灰を粉コークスとともに添加しないケースが、
ここでは比較例である。
【0055】この場合は、前記〔実施例1〕の焼結鉱の
冷間強度 (タンブラー指数、T.I.)および焼結の成品歩
留の外に、FFS(frame front speed) も調査した。
【0056】造粒方法および粉コークスと共に添加する
生石灰量を変更した試験条件を表4に、試験結果を図6
に示す。
【0057】
【表4】
【0058】図6から、粉コークスと共に生石灰を添加
した場合には成品歩留および冷間強度が上昇し、かつ、
FFSも上昇することがわかる。空塔風速を一定にした
条件下におけるFFSの上昇は、粉コークスの燃焼性改
善を反映したものであり、風量原単位の低減を意味す
る。
【0059】造粒方法の影響をみると、粉コークス添加
前に使用する造粒機として転動型造粒機(ドラムミキサ
ーやパンペレタイザー)を使用した場合よりも高速回転
羽根内蔵造粒機(アイリッヒミキサー)を使用した場
合、さらにはアイリッヒミキサーと転動型造粒機を直列
に使用した場合に、特に成品歩留、冷間強度及びFFS
の上昇が大きい。
【0060】さらに、アイリッヒミキサーを使用した場
合について、水分添加タイミングを変更した試験を行っ
た。試験条件を表5に、結果を図7に示す。図7から、
本発明方法の中でも全添加水分に対して70%以上の水分
をアイリッヒミキサーで混合する際に添加したケースに
おいて、特に成品歩留、冷間強度およびFFSが上昇す
ることが明らかである。これは、アイリッヒミキサーに
よる調湿効果が水分を多く添加した場合に強く発現する
ことを裏付けている。
【0061】
【表5】
【0062】
【発明の効果】本発明方法によれば、擬似粒子表層部に
粉コークスを付着させることができ、搬送工程で粉化す
ることのない高強度擬似粒子を形成することができる。
これにより、焼成時の粉コークスの燃焼性が向上し、焼
結の成品歩留および焼結鉱の冷間強度が改善されるだけ
でなく、焼結の生産性も向上する。さらに、この方法で
製造された焼結鉱を使用することにより高炉操業の安定
化という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の概要を説明する模式図である。
【図2】搬送工程における擬似粒子の粉化と造粒方法と
の関係を説明する図である。
【図3】実施例における造粒方法を示す図であり、
(a)〜(d)は本発明例、(e)〜(g)は比較例、
(h)は従来例の方法を示す。
【図4】本発明例、比較例および従来例の造粒工程と、
焼結の成品歩留および焼結鉱の冷間強度との関係を示す
図である。
【図5】焼結の成品歩留および焼結鉱の冷間強度と、混
合、造粒時の添加水分分配率との関係を示す図である。
【図6】焼結の成品歩留、FFSおよび焼結鉱の冷間強
度と、造粒方法および粉コークスと共に添加する生石灰
量との関係を示す図である。
【図7】粉コークスと共に生石灰を添加した場合の焼結
の成品歩留、FFSおよび焼結鉱の冷間強度と、添加水
分の分配率との関係を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉粒体燃料を除く焼結原料を高速回転羽根
    を内蔵した混合機を用いて混合した後に、その混合物に
    粉粒体燃料を添加して転動機能を有する造粒機で造粒す
    ることを特徴とする焼結原料の造粒方法。
  2. 【請求項2】粉粒体燃料を除く焼結原料を高速回転羽根
    を内蔵した混合機を用いて混合し、次いで転動機能を有
    する造粒機で造粒した後に、その造粒物に粉粒体燃料を
    添加し、再び転動機能を有する造粒機で造粒することを
    特徴とする焼結原料の造粒方法。
  3. 【請求項3】焼結原料の混合および造粒に際して添加す
    る全水分の90%以上の水分を、高速回転羽根を内蔵した
    混合機を用いて混合する際に添加することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の焼結原料の造粒方法。
  4. 【請求項4】粉粒体燃料を除く焼結原料を高速回転羽根
    を内蔵した混合機を用いて混合した後に、その混合物に
    粉粒体燃料と生石灰を添加して転動機能を有する造粒機
    で造粒することを特徴とする焼結原料の造粒方法。
  5. 【請求項5】粉粒体燃料を除く焼結原料を高速回転羽根
    を内蔵した混合機を用いて混合し、次いで転動機能を有
    する造粒機で造粒した後に、その造粒物に粉粒体燃料と
    生石灰を添加し、再び転動機能を有する造粒機で造粒す
    ることを特徴とする焼結原料の造粒方法。
  6. 【請求項6】焼結原料の混合および造粒に際して添加す
    る全水分の70%以上を、高速回転羽根を内蔵した混合機
    を用いて混合する際に添加することを特徴とする請求項
    4または請求項5に記載の焼結原料の造粒方法。
JP6183625A 1993-08-06 1994-08-04 焼結原料の造粒方法 Expired - Lifetime JP3058015B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6183625A JP3058015B2 (ja) 1993-08-06 1994-08-04 焼結原料の造粒方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-196422 1993-08-06
JP19642293 1993-08-06
JP6183625A JP3058015B2 (ja) 1993-08-06 1994-08-04 焼結原料の造粒方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0797639A true JPH0797639A (ja) 1995-04-11
JP3058015B2 JP3058015B2 (ja) 2000-07-04

Family

ID=26501983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6183625A Expired - Lifetime JP3058015B2 (ja) 1993-08-06 1994-08-04 焼結原料の造粒方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3058015B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013245368A (ja) * 2012-05-24 2013-12-09 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 焼結原料へのバインダーの添加方法
JP2014051702A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 焼結原料の事前処理方法
WO2015005218A1 (ja) * 2013-07-11 2015-01-15 Jfeスチール株式会社 焼結用造粒原料の製造方法
JP2015054980A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 Jfeスチール株式会社 焼結用造粒原料の製造方法
JP2016531207A (ja) * 2013-09-11 2016-10-06 プライメタルズ・テクノロジーズ・オーストリア・ゲーエムベーハー 顆粒を形成するための方法及び装置
EP3904544A1 (de) * 2020-04-30 2021-11-03 Primetals Technologies Austria GmbH Verfahren zur einstellung einer permeabilität eines sintergutes

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013245368A (ja) * 2012-05-24 2013-12-09 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 焼結原料へのバインダーの添加方法
JP2014051702A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Nippon Steel & Sumitomo Metal 焼結原料の事前処理方法
WO2015005218A1 (ja) * 2013-07-11 2015-01-15 Jfeスチール株式会社 焼結用造粒原料の製造方法
JP2015054980A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 Jfeスチール株式会社 焼結用造粒原料の製造方法
JP2016531207A (ja) * 2013-09-11 2016-10-06 プライメタルズ・テクノロジーズ・オーストリア・ゲーエムベーハー 顆粒を形成するための方法及び装置
US10155996B2 (en) 2013-09-11 2018-12-18 Primetals Technologies Austria GmbH Method and device for manufacturing granulates
EP3904544A1 (de) * 2020-04-30 2021-11-03 Primetals Technologies Austria GmbH Verfahren zur einstellung einer permeabilität eines sintergutes
WO2021219790A1 (de) * 2020-04-30 2021-11-04 Primetals Technologies Austria GmbH Verfahren zur einstellung einer permeabilität eines sintergutes

Also Published As

Publication number Publication date
JP3058015B2 (ja) 2000-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007284744A (ja) 焼結鉱の製造方法
KR930003599B1 (ko) 소결펠릿의 단괴 제조방법
TW201512413A (zh) 燒結用造粒原料的製造方法
JP2014214334A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP3058015B2 (ja) 焼結原料の造粒方法
JP4022941B2 (ja) 還元鉄製造原料の成形方法
JP4205242B2 (ja) 焼結原料の造粒方法
JP4087982B2 (ja) 燃焼性に優れた焼結用原料の造粒方法
JPH05156271A (ja) 粉コークス、無煙炭混合物の造粒方法並びに焼結鉱製造方法
CN104498707B (zh) 一种生球团的制造方法
JP3888981B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2004137575A (ja) 焼結鉱の製造方法
JPH0819485B2 (ja) 粉コークス、無煙炭の造粒方法及び焼結鉱の製造方法
JP6805672B2 (ja) 炭材内装造粒粒子の製造方法および炭材内装塊成鉱の製造方法
JP4630091B2 (ja) 焼結原料の事前処理方法
JPH05339653A (ja) 焼結鉱原料の前処理法および製鉄用焼結鉱原料
JP6996485B2 (ja) 炭材内装粒子の製造方法および炭材内装焼結鉱の製造方法
JP7095446B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JPH05105969A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2001262241A (ja) 含炭焼結鉱の製造方法
JP6885386B2 (ja) 炭材内装粒子の製造方法および炭材内装焼結鉱の製造方法
JP2009114485A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP3163455B2 (ja) 粗細混合粉粒状物の造粒方法及び焼結鉱製造方法
JPH0551652A (ja) 焼結促進剤及び焼結鉱の製造方法
JP2003113425A (ja) 焼結原料の製造方法