JP5167641B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結鉱の製造方法に係り、特に焼結原料の造粒物の調湿方法に関する。
通常の製鉄プロセスにおける高炉用原料は、焼結鉱が主流である。
以下に図8を用いて通常の焼結鉱の製造方法を説明する。
焼結用原料は、約2〜3mmの平均粒度の粉状鉄鉱石を主要な鉄含有原料とし、これに焼結反応に必要となる、石灰石、蛇紋岩、珪石などの副原料、および、熱源となる、粉コークス、無煙炭などの炭材を配合したものからなる。例えば、粉状鉄鉱石は鉱石ホッパー10、副原料は石灰石ホッパー11、粉コークスはコークスホッパー12、さらに、返鉱は返鉱ホッパー13からそれぞれ所定量切り出され、それぞれが所定割合で配合された焼結用原料が形成される。
さらに、焼結用原料は、焼結時の通気性を良好に維持する目的で、ドラムミキサー14で水分を添加し、水分5.5〜8.5質量%程度に調湿しながら混合、造粒する。一般に、焼結原料の擬似粒子は、主として粒径が約1mm以上の粗粒子を核としてこの周囲に粒径が約0.5〜1mm未満の微粉粒子が付着した擬似粒子を主体としたものとなる。
擬似粒子とした焼結原料15はサージホッパー16に一旦装入され、ドラムフィーダー17から切り出し、シュート18を介して焼結機19のパレット20内に装入して充填層21を形成する。焼結機の入り側上部に配置された点火炉22によって、この充填層21の表層部分に含有する粉コークスに点火し、充填層21の上方から下方に空気吸引しながら粉コークスが燃焼する際の燃焼熱で上層から下層にかけて順次原料の焼結が進行する。
焼結鉱の生産性の向上および品質確保のためには、焼結機における焼結原料充填層内の通気性を改善し、焼結反応の進行を良好に維持することが要求される。焼結原料の擬似粒子が崩壊して発生した微粉は、焼結機内に形成された充填層内の空隙を塞ぎ、通気性を悪化する原因となる。このため、焼結原料を造粒して得られる擬似粒子は、焼結機まで搬送する過程、焼結機に装入する際、さらに焼結機で加熱・乾燥され、焼結されるまでの間に崩壊しないだけの圧潰強度が要求される。
一方、鉄含有原料として、上記粉状鉄鉱石の他に、製鉄プロセスで発生する焼結ダスト、高炉ダストなどを集塵機で回収した含鉄集塵ダスト、さらに、スラッジ、スケール粉等の微粉ダスト(これらは一般的に製鉄ダストと称する)や、微粉状鉄鉱石(これらは一般的にペレットフィード(ペレット用原料)と称する)などの微粉状鉄含有原料も用いられる。
これらの微粉状鉄含有原料は、粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80質量%以上を占めるため、上記のような約2〜3mmの平均粒度の粉状鉄鉱石を主要な鉄含有原料としてドラムミキサーで水分を添加しながら混合、造粒する方法では、所定強度の造粒物を製造することは困難である。
このため、微粉状鉄含有原料を造粒する場合には、微粉状鉄含有原料に水分を添加し混合機を用いて混合した後、ドラムミキサーに比べて造粒性能が高い造粒機、例えば、ディスクペレタイザーなどを用いて造粒し、球状ペレットを製造する(一般にこのような造粒法をペレット造粒と称する)。ペレット造粒は難造粒性の微粉状鉄含有原料に主に適用されることが多いが、必要に応じてペレットの圧潰強度を低下させない程度に副原料や炭材を微粉状鉄含有原料に添加し、ペレット造粒することもある。
従来から、約2〜3mmの平均粒度の粉状鉄鉱石と、粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80質量%以上を占める製鉄ダスト及びペレットフィードなどの微粉状鉄含有原料を用いて焼結する際の通気性を良好に維持し、焼結鉱の生産性を向上する方法が検討されている。
例えば、ペレットフィード及び集塵ダストなどの微粉原料を造粒して、小粒の造粒物(ペレット)を形成し、このペレットを乾燥して水分量を6.5質量%以下にし、これを他の焼結原料を造粒して得られた擬似粒子と混合した後、焼結機で焼結する方法が提案されている(例えば特許文献1、参照)。
この方法によれば、焼結機で焼結原料が焼結するまでの過程で充填層内に形成される水分凝縮帯(焼結機で焼結の際に蒸発した水蒸気が、焼結ベッド内の未焼結部分の焼結原料の領域に凝縮する)における水分量を乾燥ペレットの吸水作用により低減することで、水分凝縮帯での造粒物の水分崩壊(高水分スラリー化)を防止し、通気性は良好に維持される。
また、比較的微粉を多く含む難造粒鉄鉱石を0.5〜10mmの篩目で篩分け、篩下の鉄鉱石をさらに0.5mm以下が40質量%以上、かつ0.022mm以下が5質量%以上となるように粉砕し、ダスト及びペレットフィードなどの微粉状原料に配合し、混合、造粒してペレットとした後、さらに乾燥するとともに、篩上の鉄鉱石は、その他の鉄鉱石に配合し、さらに粉コークス及び副原料を添加して造粒して擬似粒子とし、乾燥したペレットと擬似粒子を混合して焼結機で焼結する方法が提案されている(例えば特許文献2、参照)。
この方法によれば、比較的微粉を多く含む難造粒鉄鉱石を篩分けし、篩下を粉砕することによってペレット造粒しやすい微粉粒度分布に調整し、造粒及び乾燥処理を行ってペレット強度を向上させることにより、篩上とその他の鉄鉱石を含む焼結原料の擬似粒子と混合して焼結する際の通気性を向上させることができる。
また、微粉原料に生石灰と水分を添加して予備造粒した後、焼結機の排ガスを用いて、ガス温度及び水分の計測値に基づいてガス量を制御しながら予備造粒物を乾燥した後、1次ミキサーと2次ミキサーとの間に乾燥後の予備造粒物を添加し、その他の焼結原料と予備造粒物を混合・造粒する方法が提案されている(例えば特許文献3、参照)。この方法によれば、微粉原料の予備造粒工程で生石灰(CaO)の水和反応を生じさせた後に、焼結機の排ガスを導入する乾燥工程で炭酸塩(CaCO3)化することにより予備造粒物の強度を向上し、搬送過程およびその他の焼結原料の造粒物との混合造粒時の崩壊を防止することができる。
特開平06−145822号公報 特開2005−350770号公報 特開平06−057340号公報
特許文献1および2に開示された方法では、製鉄ダストやペレットフィード及び微粉砕した鉄鉱石などの微粉状鉄含有原料をペレット造粒した後、さらに乾燥することでペレット強度は向上する。しかし、この乾燥ペレットは多孔質構造で毛細管力が高いため、その他の鉄鉱石を含む焼結原料の擬似粒子の搬送ラインと合流し、焼結機までの搬送工程あるいはサージホッパー内で乾燥ペレットと擬似粒子が混合される際に、擬似粒子の結合水が乾燥ペレットに吸水され、擬似粒子が崩壊し、焼結機内の通気性が悪化するという問題が生じる。
また、特許文献3に開示された方法では、微粉状鉄含有原料をペレット造粒する際に生石灰(CaO系バインダー)と水分を添加してCaOの水和反応を生じさせ、さらに焼結排ガス(CO2含有ガス)で乾燥することで炭酸塩(CaCO3)化反応を促進させてペレット強度を向上するとともに、乾燥ペレットと擬似粒子をミキサーで混合、造粒することにより、擬似粒子の崩壊を抑制することが可能となる。
しかし、高価な生石灰を使用し、かつ焼結排ガス(CO2含有ガス)による炭酸塩(CaCO3)化処理やミキサーによる乾燥ペレットと擬似粒子の混合、造粒処理が必要であり、製造コストの低減および作業効率向上の点から好ましい方法とは言い難い。
本発明は、上記従来技術に鑑みて、微粉状鉄含有原料を主体とするペレットを乾燥して乾燥ペレットとした後に、その他の焼結原料の擬似粒子と混合する際に、乾燥ペレットの吸水により擬似粒子が焼結機までの搬送中あるいは焼結機内で崩壊することを防止し、焼結機内の原料充填層の通気性を良好に維持し、焼結鉱の生産性及び成品歩留を向上することができる焼結鉱の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記技術的課題を解決するものであり、その発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1) 鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料のうち、粒径0.25mm以下が60質量%以上含有する微粉状鉄含有原料または該鉄含有原料が配合された焼結原料に水分を添加しつつ混合、造粒してペレットとするとともに、その他の鉄含有原料が配合された焼結原料に水分を添加しつつ混合、造粒して擬似粒子とした後、該擬似粒子と前記ペレットを焼結機に装入し焼結する焼結鉱の製造方法において、前記ペレット中の水分含有量が4質量%以下となるように乾燥処理を行い、さらに、前記乾燥処理を行った直後から前記疑似粒子との合流点直前までの間で、コンベア上に堆積するペレットに散水することにより、該ペレット中の水分含有量が4.5〜8質量%となるように、加水処理を行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(2)前記ペレットの加水処理は、前記疑似粒子の堆積層の上部に前記乾燥処理を行ったペレットを堆積させる合流点を有するコンベア上であって、その合流点から下流端前までの間に、コンベア上の上層に堆積するペレットに散水することにより行うことを特徴とする上記(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)前記ペレットの造粒は、水分とともに分散剤を添加しつつ混合、造粒することにより行うことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)前記ペレットの配合量を、前記ペレットと前記擬似粒子の合計量に対する割合で、40質量%以下とすることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の焼結鉱製造方法。
本発明によれば、乾燥ペレットの加水処理により吸水性を効果的に低下させることによって、乾燥ペレットとその他の焼結原料の擬似粒子と混合により生じる焼結機までの搬送過程および焼結機内の充填層内での擬似粒子の崩壊現象を防止することが出来る。この結果、焼結機における原料充填層の通気性を改善させると共に、焼結鉱の生産性および成品歩留を大幅に向上させることが出来る。
先ず、本発明の技術思想について説明する。
本発明者らは、以下の基礎的実験により、乾燥ペレットと湿潤擬似粒子を混合する際に生じる擬似粒子の崩壊の原因となる乾燥ペレットの吸水性を調査した。
乾燥ペレットは、表1に示す配合1の粒径0.25mm以下が75質量%含有するウエストアンジェラスおよびMBRペレットフィードからなる鉄含有原料に水分を添加しつつ混合、造粒してペレットとした後、ペレット中の水分含有量が0.8質量%以下となるように乾燥処理を行ったものを用いた。
また、その他焼結原料の擬似粒子は、約2.5mmの平均粒度のマウントニュウーマン、リオドセ、およびカラジャスからなる粉状鉄鉱石と、石灰石及び蛇紋岩からなる副原料と、粉コークスからなる炭材と、焼結粉及び返鉱の鉄鉱石以外の鉄含有原料を配合したその他焼結原料に水分含有量が8.0質量%になるように水分を添加して混合、造粒したものを用いた。
乾燥ペレットの吸水性は、水分含有量が0.8質量%の乾燥ペレットを、水分含有量が8.0質量%のその他原料の擬似粒子の充填層中に埋没させて、所定時間経過した時の乾燥ペレットの水分含有量を測定し、埋没時間による乾燥ペレットの水分含有量の変化を調査した。なお、ペレットとその他原料の擬似粒子は20:80の割合で配合した。その結果を図1に示す。
図1から、乾燥ペレットの水分含有量は湿潤擬似粒子と混合してから急激に上昇し、20分以内にその他原料の擬似粒子と乾燥ペレットの吸水平衡値に達することが判明した。
図1に示される、乾燥ペレットを湿潤擬似粒子と混合した後の乾燥ペレットの水分含有量は急激な上昇から、乾燥ペレットが周辺のその他原料の擬似粒子中の水分を直ちに吸収し、乾燥ペレットとその近傍の擬似粒子との間に水分濃度差が生じ、この水分濃度差に従って、さらに離れた擬似粒子から乾燥ペレットへ水分移動が起こると考えられる。
図2に乾燥ペレットを湿潤擬似粒子と混合する前の湿潤状態の擬似粒子と、混合した後の擬似粒子との擬似粒子構造を示す。
湿潤状態の擬似粒子は、図2(a)に示したように、1〜5mmの核粒子Eの周辺に0.5mm以下の微粉粒子Aが水架橋によって付着した擬似粒子構造を形成している。なお、Bは超微粒子である。
一方、乾燥ペレットを湿潤擬似粒子と混合した後の擬似粒子は、乾燥ペレットへの吸水によって、図2(b)に示すように、擬似粒子を構成する核粒子Eと微粉粒子Aを結合している水架橋(表面水、結合水)Cが減少するため、微粉粒子Aが核粒子Eより剥離し、擬似粒子が崩壊する。この結果、この状態で焼結機に装入した場合には、充填層の通気性が悪化し、焼結鉱の大幅な生産性低下および成品歩留低下などの悪影響を引き起こす。
乾燥ペレットの給水による擬似粒子の崩壊は、乾燥ペレットと湿潤擬似粒子が混合状態である場合に顕著となり、例えば、湿潤擬似粒子の充填層の上層のみに乾燥ペレットが偏在しているような非混合状態では、擬似粒子の崩壊は軽減されることを確認している。
本発明は、微粉状鉄含有原料を主体とするペレットを乾燥して乾燥ペレットとした後に、その他の焼結原料の擬似粒子と混合した後、焼結機で焼結する焼結プロセスを前提とし、乾燥ペレットを加水処理して乾燥ペレットの水分含有量を適正にすることによって、乾燥ペレットの吸水性を低下させて擬似粒子の崩壊を防止するとともに、加水処理後のペレットの圧潰強度を確保することを技術思想とする。
以下に図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図7に示すように、本発明における焼結原料の造粒ラインは、焼結時に通気性を悪化させる原因となる微粉を多く含む微粉状焼結原料1をペレットにするペレット造粒ラインと、その他の焼結原料6を擬似粒子にする擬似造粒ラインの大きく2系統に分けられる。
ペレット造粒ラインで用いられる微粉状焼結原料1は、例えば、ペレットフィード、マラマンバ鉱石などの微粉が多く含まる鉄鉱石や、製鉄プロセスで発生する焼結ダスト、高炉ダストなどを集塵機で回収した含鉄集塵ダスト、さらに、スラッジ、スケール粉等の微粉ダスト(これらは一般的に製鉄ダストと称する)など、粒径0.25mm以下が60質量%以上含有する鉄含有原料またはこれらの鉄含有原料に必要に応じて副原料や炭材を添加した原料を対象とする。また、これらの鉄含有原料には、鉄鉱石を粉砕した微粉状鉄鉱石も含まれる。
これらの微粉状焼結原料1は、微粉を多く含むため、造粒性が悪く、通常の擬似造粒では十分な圧潰強度が得られず、崩壊し微粉となりやすく、焼結機内での通気性を悪化させ、焼結鉱の生産性を阻害する原因となる。このため、微粉状焼結原料1は、ペレット造粒ラインで造粒処理を行った後、さらに、乾燥処理を行うことにより、ペレットの圧潰強度を発現させ、焼結機までの搬送工程や焼結機への装入時及び装入後の焼結工程でのペレットの崩壊を抑制させる必要がある。
ペレット造粒ラインにおける上記微粉状焼結原料1の造粒および乾燥は例えば以下のように行なわれる。
微粉状焼結原料1に8〜12.0質量%の水分2を添加し、例えば、アイリッヒミキサー型混練機などの混練機3で混練を行い、さらに、例えば、パンペレタイザー型あるいはドラムミキサー等の造粒機4で造粒することにより、ペレットを生成する。この生成した湿潤ペレットを流動層式、ベルト式、ロータリー式の適宜乾燥機5で、水分を4質量%以下に乾燥処理し、乾燥ペレットを生成する。
なお、造粒性を向上し、ペレット強度を高めるために、微粉状焼結原料1に水分とともに固形分基準で0.01質量%以上の分散剤2を添加し、混練機3で混練を行っても良い。また、混練機3としてアイリッヒミキサー型混練機の他に、例えばレディゲミキサー、ヘンシェルミキサー、ピンミキサーなどの一般的な混練機を用いることができる。
一方、ペレット造粒ラインで使用された微粉状焼結原料1以外のその他の焼結原料6は、擬似造粒ラインで以下のように造粒が行なわれる。
その他の焼結原料6は、鉄鉱石と、石灰石、珪石、蛇紋岩、ドロマイトなどの副原料、粉コークス無煙炭などの炭材、および返鉱などが用いられる。その他の焼結原料6における副原料や炭材の配合割合は、微粉状焼結原料1とその他の焼結原料6の配合に応じて調整される。
その他の焼結原料6は、5.5〜8.5質量%の水分が添加され、1次造粒機7−1および2次造粒機7−2で混合と造粒がなされ、擬似粒子となる。一般に焼結鉱プロセスで広く用いられているドラムミキサーや、さらには、パンペレタイザー、ディスクペレタイザーなどの造粒能力が高い造粒機が用いられる。なお、2次造粒機7−2を省略し、1台の造粒機のみで混合、造粒を同時に行っても良く、このためには造粒機として混合と造粒を同時に行うことができるドラムミキサーを用いることが好ましい。
ペレット造粒ラインで生成した乾燥ペレットは、擬似造粒ラインで生成した擬似粒子とそれぞれの搬送用ベルトコンベアの合流点で全焼結原料に対して40質量%以下の割合で配合され、乾燥ペレットと擬似粒子がベルトコンベアで焼結機まで搬送される過程で各ベルトコンベアの乗り継ぎ部で原料が落下する際に自然混合され、サージホッパー9に一旦装入された後、焼結機8内に装入され、焼結される。
乾燥ペレットの加水処理は、例えば、ペレット造粒ラインにおける乾燥機5直後のベルトコンベア上の乾燥ペレット、または、擬似造粒ライン上の擬似粒子層上部に乾燥ペレットを堆積さる位置(合流点)から次のベルトコンベアの乗り継ぎ部(ベルトコンベアの下流端)までのベルトコンベア上の擬似粒子層上部に堆積した乾燥ペレットに散水することにより、ペレットの水分含有量が4.5〜8.0質量%の範囲内になるように調整するこれにより行われる。これによって、ペレット造粒ラインで生成した乾燥ペレットが、擬似造粒ラインで生成した擬似粒子に配合され、混合後の焼結機8までの搬送過程および焼結機8内における乾燥ペレットの吸水による擬似粒子の崩壊を防止し、焼結機8内の原料充填層の通気性を良好に維持し、焼結鉱の生産性及び成品歩留を向上することが可能となる。
なお、乾燥ペレットの加水処理は、混練装置などを用いて水分を添加しながら混合しても良いが、上記実施形態に示すように、ベルトコンベア上に散水ノズルを設置して、乾燥ペレットの輸送量に応じて散水量を調整しながら散水する簡易な方法でも十分な効果が得られる。なお、散水ノズルとしては、噴霧ノズルや拡散ノズルなどを用いて、造粒物全面に水分が均一に分散するように留意することが望ましい。
以下に本発明の特徴部分の限定理由について説明する。
(ペレットの乾燥処理条件)
微粉状鉄含有原料または該鉄含有原料が配合された焼結原料に水分を添加しつつ混合、造粒直後の湿潤状態のペレットの圧潰強度は、通常1.5kg-f/cm程度である。この湿潤状態のペレットを水分含有量が4質量%以下となるように乾燥処理すると、以下のメカニズムによって、焼結機までの搬送過程や焼結機装入時及び焼結過程で崩壊しないだけのペレット圧潰強度:6kg-f/cm以上を確保できることを確認した。
焼結原料に配合される鉄鉱石および副原料中には、擬似粒子の付着粉を構成する粒径0.5mm以下の微粉粒子に比べて粒径が小さい粒径10μm以下の超微細粒子が存在し、この超微細粒子が造粒物の圧潰強度の発現に寄与していることを確認している。この粒径10μm以下の超微細粒子の存在割合は、鉄鉱石の銘柄や製鉄ダストの種類、さらには、鉄鉱石の粉砕方法によって異なる。通常は、粒度が小さいペレットフィードや製鉄ダストなどの微粉状鉄含有原料や軟質な鉄鉱石を粉砕した鉄含有原料に粒径10μm以下の超微細粒子の存在割合が多い傾向にある。
粒径10μm以下の超微細粒子は凝集しやすいため、混合、造粒の初期での湿潤状態のペレットにおいては、図10(a)に示されるように、水中で超微粒子B同士が互いに凝集したクラスターの状態で存在したり、粒径0.5mm以下の微粉粒子表面に付着した状態で存在するものが多いが、十分に混合、造粒することにより、粒径10μm以下の超微細粒子Bは、図10(b)に示されるように、水分中に分散した状態で存在している。
この湿潤状態の擬似粒子を乾燥処理し、水分を低減すると、粒径10μm以下の超微細粒子Bは粒径0.5mm以下の微粉粒子に比べて水分中を移動し易いため、図10(c)に示されるように、水分の減少とともに乾燥され難い粒径0.5mm以下の微粉粒子間接触部の水分架橋部に移動し、凝集される。その結果、乾燥後のペレットは、図10(d)に示されるように、粒径0.5mm以下の微粉粒子間を粒径10μm以下の超微細粒子により架橋した構造となり、架橋部の結合力(付着力)が高まるため、湿潤状態に比べて乾燥後のペレットの圧潰強度は大きく向上する。
本発明では、鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料のうち、粒径0.25mm以下が60質量%以上含有する微粉状鉄含有原料または該鉄含有原料が配合された焼結原料に水分を添加しつつ混合、造粒してペレットとした後、ペレットの圧潰強度を向上させるために、上記乾燥処理を行う。
図5および図6に造粒直後の水分含有量が11質量%のペレットを用い、乾燥処理を行うことにより、乾燥後の水分含有量が異なる複数のペレットの圧潰強度を測定した結果を示す。造粒直後の水分含有量が11質量%の湿潤ペレットの圧潰強度は、通常1.5kg-f/cm程度である。この造粒直後の湿潤ペレットを乾燥処理し、ペレットの水分含有量を4質量%以下に低減することでペレット圧潰強度を6kg-f/cm以上に向上することが可能となる。
以上の検討結果を基に、本発明では、焼結機までの搬送過程や焼結機装入時の衝撃及び焼結過程での荷重及び熱的応力による崩壊を抑制し、焼結機内の原料充填層の通気性を良好に維持するためのペレット圧潰強度:6kg-f/cm以上を確保するために、ペレット造粒後の乾燥処理は、ペレット中の水分含有量が4質量%以下となるようにする乾燥させるものとした。
また、粒径10μm以下の超微細粒子は、水中で超微粒子同士が互いに凝集したクラスターの状態で存在するものも存在し、この超微粒子のクラスターはペレットを構成する粒径0.5mm以下の微粉粒子間の結合力(付着力)向上への寄与が小さい。
本発明者らの検討によれば、ペレット造粒する際に、水分と共に分散剤を添加することにより、水中での超微粒子の分散性が向上し、超微粒子のクラスターは減少し、微粉粒子間の結合力(付着力)向上に寄与する超微粒子が増加する結果、乾燥後のペレットの圧潰強度がより向上することを確認した。
この理由から、乾燥後のペレットの圧潰強度をより向上させるためには、ペレットの造粒は、微粉状鉄含有原料または該鉄含有原料が配合された焼結原料に水分とともに分散剤を添加しつつ混合、造粒することが好ましい。
本発明において、上記分散剤とは、焼結原料の造粒時に水とともに添加することで、焼結原料中に含有する粒径10μm以下の超微粉粒子の水分中での分散性を促進させる作用を有するものを意味し、無機化合物、有機化合物、低分子化合物あるいは高分子化合物に限られるものではない。
分散剤の使用量は、用いる分散剤の種類並びに使用する製鉄用原料の種類や組み合わせに応じて、前記した分散微粒子量が得られるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、上記分散剤の効果を安定して得るためには、焼結原料の合計量に対して0.001〜1質量%の範囲で添加することが好ましく、0.005〜0.5質量%の範囲内がより好ましい。分散剤の使用量が0.001質量%よりも少ない場合は分散剤の効果が発揮されず、擬似粒化性及び付着力が十分に向上しない。また、分散剤を1質量%以上使用すると、粘性が高くなり、結果的に造粒がうまく行かないことがあるため好ましくない。
分散剤としては、ケイ酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムが好ましく、より好ましくはケイ酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、タンニン酸ナトリウムが好ましい。なお、この中で、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムはリンを含有するため、これらの分散剤を使用する場合には、造粒物中のリン濃度を高めることになるため、必要に応じてその使用量を制限するのが好ましい。
(乾燥ペレットの加水処理条件)
本発明では、上述の乾燥処理を行うことにより、水分含有量が4質量%以下の乾燥ペレットを製造し、ペレットの圧潰強度を発現された後、その他の焼結原料の擬似粒子に配合し、混合する前に、水分含有量が4質量%以下の乾燥ペレットをさらに加水処理することにより、ペレット中の水分含有量が4.5〜8質量%となるようにする。これにより、乾燥ペレットと湿潤擬似粒子とを混合した後の乾燥ペレットへの吸水による擬似粒子の崩壊を防止することができる。
加水処理後のペレット中の水分含有量を4.5〜8質量%とした理由を以下に説明する。
加水処理後のペレット中の水分含有量の下限は、以下に説明する乾燥ペレットの吸水試験および乾燥ペレットと湿潤擬似粒子の混合原料の通気試験の結果を踏まえて決定した。
微粉状鉄含有原料を主体とする焼結原料のペレットは、表1の配合1に示したペレット用原料を用い、これに11質量%の水分とともに、微粉状鉄含有原料に対して、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.3質量%(固形分換算)を加え、万能混練機で5分間混合した後、直径600φの小型パンペレタイザーを用いてさらに5分間転動造粒し、得られた造粒物を篩い分けして6〜8mmの粒度のペレットを採取した。乾燥ペレットは、採取した湿潤ペレットを120℃に保持した乾燥機内で2時間乾燥処理した後、さらに、水分量が0.7〜8質量%となるように加水処理をしたものを用いた。なお、ペレット用原料に配合する鉄鉱石は粉砕し、ペレット用原料の全体粒度が、粒径0.25mm以下が75質量%含有するものに調整した。
その他の原料の擬似粒子は、表1の配合1に示した擬似粒子用配合原料に、6.5〜8.0質量%の水分を加え、900mmφの試験用ドラムミキサーで5分間転動造粒し、擬似粒子としたものを用いた。
吸水試験では、上記水分量が0.7〜8質量%(初期水分量)のペレット:5kgと、その他原料の擬似粒子:50kgを配合し、900mmφの試験用ドラムミキサーで約12秒間混合し、そのまま30分間静置した後、ペレットだけを採取してペレット中の水分含有量を測定した。
Figure 0005167641
図3にペレットの初期水分量と30分静置後のペレットの水分増加量との関係を示す。
図3から、水分含有量が6.5〜8.0質量%の擬似粒子の何れの場合においても、ペレットの初期水分量が4.5質量%未満の条件で、ペレットの初期水分量が低くなるほど、ペレットと擬似粒子とを混合してから30分経過後のペレットの水分増加量は大幅に上昇することが確認された。
上記の0.7〜8質量%(初期水分量)のペレットと水分含有量が6.5〜8.0質量%の擬似粒子とを混合した焼結原料を用いて、通気試験を行った。
通気試験は、直径200mmφ×高さ400mmの円筒状容器に0.7〜8質量%(初期水分量)のペレットと水分含有量が6.5〜8.0質量%の擬似粒子とを混合した焼結原料を装入し、800mmAqの負圧をかけて空気を吸引させたときのガス流速を測定し、通気性を評価した。
図4にペレットの初期水分量と焼結原料層のガス流速との関係を示す。
図4から、水分含有量が6.5〜8.0質量%の擬似粒子の何れの場合においても、ペレットの初期水分量が4.5質量%未満の条件で、ペレットの初期水分量が低くなるほど、通気性が著しく悪化することが確認された。
以上の図3及び図4の結果から、加水処理後のペレットの水分含有量が4.5質量%以上になるように、乾燥ペレットを加水処理することにより、乾燥ペレットの給水性は低下し、湿潤擬似粒子と混合した後の擬似粒子の崩壊は抑制される結果、焼結機内の充填層の通気性は良好に維持できることがわかる。
これらの理由から、本発明では、乾燥ペレットと湿潤擬似粒子を混合した後の擬似粒子の崩壊を抑制し、焼結機内の充填層の通気性は良好に維持するために、加水処理後のペレット中の水分含有量の下限を4.5質量%とした。
加水処理後のペレット中の水分含有量の上限は、以下に説明する加水処理後のペレットの圧潰試験結果を踏まえて決定した。
乾燥ペレットの加水処理によって、ペレットの圧潰強度が低下し、焼結機までの搬送過程や焼結機装入時及び焼結過程で崩壊しないだけのペレット圧潰強度:6kg-f/cm以上を維持できなくなることが懸念される。
そこで、造粒直後の水分含有量が11質量%のペレットを用い、乾燥処理を行うことにより、乾燥後の水分含有量が異なる複数のペレットの圧潰強度を測定するとともに、乾燥後の水分含有量が0.7質量%と3.9質量%の初期水分の異なる2種類のペレットを用い、加水処理を行うことにより、加水後の水分含有量が異なる複数のペレットの圧潰強度を測定した。その結果を図5および図6に示す。
図5および図6から、造粒直後の水分含有量が11質量%の湿潤ペレットの圧潰強度は、通常1.5kg-f/cm程度である。この造粒直後の湿潤ペレットを乾燥処理し、ペレットの水分含有量を4質量%以下に低減することによって、ペレット圧潰強度を6kg-f/cm以上に向上させることができる。これは前述したように、湿潤ペレットを乾燥処理したことにより、ペレットを構成する主として粒径0.5mm以下の微粉粒子間を粒径10μm以下の超微細粒子により架橋した構造となり、架橋部の結合力(付着力)が高まるため、湿潤状態に比べて乾燥後のペレットの圧潰強度は大きく向上するためである。
一方、図5に示す乾燥後の水分含有量(初期水分)が0.7質量%、および図6に示す3.9質量%の乾燥ペレットをそれぞれ加水処理する場合はいずれも、加水後の水分含有量が高くなるとともに、ペレットの圧潰強度は低下する。しかし、乾燥ペレットの加水処理による圧潰強度の低下率は、湿潤ペレットの乾燥処理による圧潰強度の増加率に比べて小さく、それぞれの処理による水分添加量と造粒物強度の関係は、ヒステリシス曲線で示されることを確認した。
これは、湿潤ペレットを乾燥処理した乾燥ペレットは、図10(d)に示されるように、ペレットを構成する主として粒径0.5mm以下の微粉粒子間が粒径10μm以下の超微細粒子Bからなる架橋部によって強い結合力(付着力)で結合されているため、さらに加水処理によりペレット中の水分含有量が高くなっても、図10(e)に示されるように、架橋部の超微細粒子は乖離せず、ペレットの圧潰強度の低下が抑制されるためであると考えられる。
図5及び図6から、水分含有量が4質量%以下の乾燥ペレットを加水処理する場合には、加水処理後の水分量を8質量%以下とすることにより、焼結機までの搬送過程や焼結機装入時及び焼結過程で崩壊しないだけのペレット圧潰強度:6kg-f/cm以上を確保することができる。
これらの理由から、本発明では、焼結機までの搬送過程や焼結機装入時及び焼結過程で崩壊しないだけのペレット圧潰強度を確保するために、加水処理後のペレット中の水分含有量の上限を8.0質量%とした。
本発明のペレットの加水処理は、例えば、図7及び図9に示されるように、乾燥処理を行った直後のペレットに散水しても、乾燥処理を行った後、乾燥したペレットを湿潤状態の擬似粒子に配合した後からペレットと擬似粒子を混合する前までの間に散水しても良い。つまり、乾燥したペレットを湿潤状態の擬似粒子と混合した後にペレットの加水処理を行っても、擬似粒子の崩壊は抑制できないが、混合前であれば、本発明による擬似粒子の崩壊抑制および焼結機の通気性向上の効果は十分に得られる。特に、乾燥処理を行った直後のペレットに散水する場合に高い効果が得られる。
ペレットの加水処理の実施形態として、例えば、図9に示されるように乾燥機から水分含有量:4質量%以下の乾燥ペレットがベルトコンベア上に排出された直後の乾燥ペレットの上方から散水ノズルを用いて散水する方法が採用される。
また、別の実施形態として、例えば、乾燥ペレット搬送用ベルトコンベアと、その他の焼結鉱石の擬似粒子搬送用ベルトコンベアの合流点(乗り継ぎ部)で、乾燥ペレットをその他の焼結原料(擬似粒子)層の上部に堆積させた後、次のベルトコンベアの乗り継ぎ部(ベルトコンベアの下流端)で乾燥ペレットとその他の焼結原料(擬似粒子)が落下し、自然混合される前までのベルトコンベア上の乾燥ペレットの上方から散水ノズルを用いて散水する法を採用しても良い。
加水処理を行ったペレットは、その他の焼結原料(擬似粒子)とともに各ベルトコンベアの乗り継ぎ部で落下する際に、自然に混合されるため、特に混練装置などを用いなくても、加水処理後のペレットとその他の焼結原料の擬似粒子は混合状態で焼結機へ供給される。
また、加水処理を行ったペレットを擬似粒子と混合する際に、ペレットの配合量を、ペレットと擬似粒子の合計量に対する割合で、40質量%以下とするのが好ましい。
これは、加水処理を行ったペレットの配合量が、ペレットと擬似粒子の合計量に対する割合で、40質量%を超える場合には、加水処理時にペレット間の水分バラツキが増大し、水分含有量が局所的に高くなり、ベルトコンベアや乗り継ぎシュートでの付着を引き起こす原因となるため、安定した操業のために好ましくないからである。
次に、以下の実施例により本発明の効果を説明する。
なお、本発明の目的を阻害しない限り、本発明が以下に示す条件等に限定させるものではない。
[実施例1]
表1に示す配合2の粒径0.25mm以下が70質量%含有する粒度を有する、ウエストアンジェラスおよびローブリバーの微粉状鉄鉱石、蛇紋岩の副原料からなるペレット造粒用原料と、配合2の約2.5mmの平均粒度を有し、リオドセ、およびカラジャスの粉状鉄鉱石と、石灰石、生石灰及び蛇紋岩の副原料と、粉コークス及び無煙炭の炭材と、焼結粉及び返鉱の鉄鉱石以外の鉄含有原料とで構成された擬似造粒用原料を焼結原料として用いた。
微粉状鉄含有原料を主体とする焼結原料のペレットは、表1に示す配合2のペレット用原料に、ポリアクリル酸ナトリウム0.2質量%と水分10.6質量%を添加し、レディゲミキサーで混練したのち、直径4.0m×機長14.0mのドラムミキサーで造粒処理を行うことで生成した。
製造したペレットは、ベルト式乾燥器を用いて、ペレットの水分含有量が0.8質量%となるように乾燥処理を行った。これらの一連の造粒処理はバッチで行い、約1,200tの造粒物を事前に製造備蓄したのち、以下の焼結試験に供した。
その他の焼結原料の擬似粒子は、直径5.2m×機長24mのドラムミキサーで混合、造粒し、表2に示す全焼結原料に対するペレット配合割合および加水処理後のペレットの水分含有量に応じて混合、造粒時の水分添加量を調整して、全焼結原料の水分が7.2質量%になるようにした。なお、全焼結原料の水分を7.2質量%と一定にした理由は、全焼結原料中の水分含有量の違いによる焼結機内の原料充填層の通気性の影響を抑制するためである。
上記乾燥ペレットをトラックホッパーより投入し、ベルトコンベアで搬送して、その他原料の擬似粒子を搬送するベルトコンベア上に全焼結原料に対して乾燥ペレットを表2に示す配合割合で添加し、その他原料の擬似粒子の堆積層上部に乾燥ペレットが積載した積荷状態を形成させたのち、同コンベア上に設置した散水ノズルを用いて表2に示すペレットの水分含有量となるように水分を添加することで加水処理を行った。
焼結原料の焼結は、焼結面積480m2のドワイトロイド型焼結機を用いて、17.6kPaの負圧条件下で焼結鉱の製造を行った。
本発明例と比較例の焼結鉱の製造条件と操業結果を表2に示す。
本発明例1〜4はいずれも焼結機の通気性の改善効果が見られ、焼結鉱の生産率が比較例に対して8〜18%向上した。焼結機のドラムフィーダー切り出し部で採取した配合原料の擬似粒度(−0.5mm粉率)を見ても、本発明法によって擬似粒子の崩壊が十分に抑制されたことがわかる。
比較例1〜4は、乾燥ペレットの加水処理をしていないため、焼結機のドラムフィーダー切り出し部で採取した配合原料の擬似粒度(−0.5mm粉率)を見て明らかなように、乾燥ペレットの吸水により混合後の擬似粒子に崩壊が発生し、焼結機の通気性が低下した結果、焼結鉱の生産率が低下した。
また、比較例5は、加水処理したペレットの全焼結原料に対する配合割合が高過ぎたため、配合原料全体における水分濃度の偏在が顕著となり、焼結ベッド内の一部に焼成不良の箇所が発生した結果、焼結鉱の生産性が低下した。
Figure 0005167641
[実施例2]
表1に示す配合3の粒径0.25mm以下が60質量%含有する粒度を有する、ローブリバーの微粉状鉄鉱石と、ドロマイトの副原料からなるペレット造粒用原料と、配合2の約2.5mmの平均粒度を有する、マウントニューマン、リオドセ、およびカラジャスの粉状鉄鉱石と、石灰石、生石灰及び蛇紋岩の副原料と、粉コークス及び無煙炭の炭材と、焼結粉及び返鉱の鉄鉱石以外の鉄含有原料とで構成された擬似造粒用原料を焼結原料として用いた。
微粉状鉄含有原料を主体とする焼結原料のペレットは、表1に示す配合3のペレット用原料に、ポリアクリル酸ナトリウム0.3質量%と水分9.5質量%を添加し、内容量3m3のアイリッヒミキサーで混練したのち、直径6mのパンペレタイザーで連続造粒処理を行った。
製造したペレットは、流動層式乾燥を用いて、ペレットの水分含有量が水分が2.5質量%となるように連続乾燥処理を行った。
その他の焼結原料の擬似粒子は、直径5.2m×機長24mのドラムミキサーで混合、造粒し、表2に示す全焼結原料に対するペレット配合割合および加水処理後のペレットの水分含有量に応じて混合、造粒時の水分添加量を調整して、全焼結原料の水分が7.2質量%になるようにした。なお、全焼結原料の水分を7.2質量%と一定にした理由は、全焼結原料中の水分含有量の違いによる焼結機内の原料充填層の通気性の影響を抑制するためである。
流動層式乾燥機の出側の搬送コンベア上に堆積した乾燥ペレットに4箇所設置した散水ノズルから散水によって、表3に示すペレットの水分含有量となるように水分を添加することで加水処理を行った。
焼結原料の焼結は、焼結面積400mのドワイトロイド型焼結機で16.0kPaの負圧条件下で焼結鉱の製造試験を行った。
本発明例と比較例の焼結鉱の製造条件と操業結果を表3に示す。
本発明例5〜9はいずれも焼結機の通気性の改善効果が見られ、焼結鉱の生産率が比較例に対して10〜21%向上した。焼結機のドラムフィーダー切り出し部で採取した配合原料の−0.5mm粉率も低下しており、本発明例によって擬似粒子の崩壊が十分に抑制されたことがわかる。
比較例6および7は、乾燥ペレットの加水処理をしていないか、加水処理後のペレットの水分含有量が低いため、乾燥ペレットの吸水性を十分に低下させることができず、焼結機のドラムフィーダー切り出し部で採取した配合原料の擬似粒度(−0.5mm粉率)を見て明らかなように、乾燥ペレットの吸水により混合後の擬似粒子に崩壊が発生し、焼結機の通気性が低下した結果、焼結鉱の生産率が低下した。
比較例8は、加水処理後のペレットの水分含有量が多すぎたため、ベルトコンベア上に散水時の残留水分が残って、下流のベルトコンベアの乗り継ぎ部などで付着を形成するトラブルが発生し、安定的な操業が困難であった。また、焼結機へ供給される配合原料にも、水分濃度の偏在があり、比較例5と同様に、焼結ベッド内の一部に焼成不良の箇所が発生し、生産性が低下した。
Figure 0005167641

乾燥造粒物の吸水試験における造粒物水分の変化を示した説明図である。 焼結原料の造粒時の微粉粒子の結合状態を説明する図であり、(a)は湿潤時の模式的説明図、(b)は乾燥時の模式的説明図である。 造粒物の初期設定水分と、その他湿潤原料中で30分間吸水させた後の造粒物水分増加量の関係を示す説明図である。 造粒物の初期水分と原料層ガス流速の関係を示す説明図である。 本発明の造粒物水分と圧潰強度のヒステリシス曲線関係を示す説明図である。 本発明の造粒物水分と圧潰強度のヒステリシス曲線関係を示す説明図である。 本発明の焼結原料を用いた焼結鉱の製造工程を示す説明図である。 焼結原料を用いた焼結鉱の製造工程を示す説明図である。 本発明の乾燥ペレットの加水処理の実施形態を示す説明図である。 ペレット造粒時のペレットの結合状態を説明する図であり、(a)は初期湿潤状態、(b)は微粒子分散状態、(c)は乾燥途中の状態、(d)完全乾燥時の状態、(e)は再加水時の状態、をそれぞれ説明するための模式図である。
符号の説明
1 微粉状焼結原料
2 分散剤
3 混練機
4 造粒機
5 乾燥機
6 その他の焼結原料
7−1 1次造粒機
7−2 2次造粒機
8 焼結機
9 サージホッパー
10 鉱石ホッパー
11 石灰石ホッパー
12 コークスホッパー
13 返鉱ホッパー
14 ドラムミキサー
15 焼結原料
16 サージホッパー
17 ドラムフィーダー
18 シュート
19 焼結機
20 パレット
21 充填層
A 微粉粒子
B 超微粒子
C 水架橋(表面水(結合水))
E 核粒子

Claims (4)

  1. 鉄含有原料、副原料、および、炭材からなる焼結原料のうち、粒径0.25mm以下が60質量%以上含有する微粉状鉄含有原料または該鉄含有原料が配合された焼結原料に水分を添加しつつ混合、造粒してペレットとするとともに、その他の鉄含有原料が配合された焼結原料に水分を添加しつつ混合、造粒して擬似粒子とした後、該擬似粒子と前記ペレットを焼結機に装入し焼結する焼結鉱の製造方法において、
    前記ペレット中の水分含有量が4質量%以下となるように乾燥処理を行い、さらに、前記乾燥処理を行った直後から前記疑似粒子との合流点直前までの間で、コンベア上に堆積するペレットに散水することにより、該ペレット中の水分含有量が4.5〜8質量%となるように、加水処理を行うことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記ペレットの加水処理は、前記疑似粒子の堆積層の上部に前記乾燥処理を行ったペレットを堆積させる合流点を有するコンベア上であって、その合流点から下流端前までの間に、コンベア上の上層に堆積するペレットに散水することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記ペレットの造粒は、水分とともに分散剤を添加しつつ混合、造粒することにより行うことを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
  4. 前記ペレットの配合量を、前記ペレットと前記擬似粒子の合計量に対する割合で、40質量%以下とすることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の焼結鉱製造方法。
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