JPH09157526A - シリコーン製高分子碍子 - Google Patents

シリコーン製高分子碍子

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JPH09157526A
JPH09157526A JP34607095A JP34607095A JPH09157526A JP H09157526 A JPH09157526 A JP H09157526A JP 34607095 A JP34607095 A JP 34607095A JP 34607095 A JP34607095 A JP 34607095A JP H09157526 A JPH09157526 A JP H09157526A
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JP
Japan
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silicone rubber
insulator
organopolysiloxane
parts
silicone
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JP34607095A
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English (en)
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Satao Hirabayashi
佐太央 平林
Tsutomu Nakamura
中村  勉
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐トラッキング性、耐エロージョン性等の電
気特性に優れている上、シリコーンゴム由来の高絶縁
性、耐候性、撥水性等の優れた特性を損なうことがな
く、コロナノイズの防止、汚損地区での閃烙防止に多大
な効果を発揮することできるシリコーン製高分子碍子を
得る。 【解決手段】 (1)下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 …(1) (但し、式中R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、n は1.98〜2.02の正数である。) で示されるオルガノポリシロキサン 100重量部 (2)150℃/4時間における窒素雰囲気中の熱減量が30%以下である炭化 水素系油及び/又はフッ素系油 0.05〜20重量部 (3)硬化剤 (1)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させ得る量 を含有してなるシリコーンゴム組成物の硬化物にて少な
くとも表面が形成されてなることを特徴とするシリコー
ン製高分子碍子。上記シリコーンゴム組成物からなる硬
化層をシリコーン製以外の碍子表面に形成して高分子碍
子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐トラッキング
性、耐エロージョン性等の電気特性に優れ、送電線支持
体用、ケーブル端末処理用等に好適なシリコーン製高分
子碍子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
碍子は磁器製碍子やEPDM製高分子碍子等があり、ア
レスター、相関スペーサー、ケーブル端末等の高電圧電
気絶縁体等に使用されている。しかし、磁器製碍子はこ
われ易い、重い等の問題があり、EPDM製高分子碍子
は屋外等で使用される場合、オゾン等による劣化が問題
となっている。これに対し、シリコーン製高分子碍子は
軽量であり、また、高絶縁性、耐候性、撥水性等の優れ
た特性を有することから、コロナノイズの防止、汚損地
区での閃烙防止に多大な効果を発揮し得るものとして期
待されている。
【0003】しかしながら、上記のシリコーンゴムで被
覆形成された高分子碍子は、高電圧が連続でかかるよう
な条件下での使用方法では、シリコーンゴム表面や中心
芯材とシリコーンゴムとの間にかかるコロナ放電、アー
ク放電等により、オルガノポリシロキサン主鎖が切断さ
れ、劣化してしまうため、碍子のような使用方法には耐
え得ることができないのが現状であった。
【0004】そこで、上記高分子碍子に耐トラッキング
性や耐エロージョン性を向上させるため、添加剤として
多量の水酸化アルミニウムを配合することが一般的に知
られている。この場合、電気特性を向上させるために
は、通常シリコーンポリマー100部(重量部、以下同
様)に対して水酸化アルミニウムを40部程度以上添加
しなければならず、更に良好な耐トラッキング性や耐エ
ロージョン性を付与するには100部以上の添加が一般
的に必要である。
【0005】しかし、水酸化アルミニウムを多量に配合
したシリコーンゴムで被覆形成された高分子碍子は、水
酸化アルミニウムがシリコーンゴム表面に現れ易いた
め、耐アーク性、耐トラッキング性、耐エロージョン性
は向上するものの、逆に放電現象により表面のシリコー
ンゴム自体が持つ撥水性や耐汚損性が失われ易い現象が
起こってしまうという問題があった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
耐トラッキング性、耐エロージョン性等の電気特性に優
れている上、撥水性、耐汚損性等の特性に優れたシリコ
ーン製高分子碍子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロ
キサン及び硬化剤を含有するシリコーンゴム組成物に対
し、150℃/4時間における窒素雰囲気中の熱減量が
30%以下の炭化水素系油及び/又はフッ素系油を特定
量配合したシリコーンゴム組成物を成型・硬化してシリ
コーン製高分子碍子を形成した場合、シリコーンゴム成
型物の表面にごく薄い炭化水素系油やフッ素系油の被膜
が形成され、高電圧が連続してかかるような条件下で使
用しても放電によるオルガノポリシロキサン主鎖の切断
が生じず、また、水酸化アルミニウムを多量に添加して
もシリコーンゴム自体の特性の低下現象が起こらないこ
と、それ故、耐トラッキング性、耐エロージョン性等の
電気特性に優れている上、シリコーンゴム組成物由来の
高絶縁性、耐候性、撥水性等の優れた特性を有し、コロ
ナノイズの防止、汚損地区での閃烙防止に多大な効果を
発揮することできるシリコーン製高分子碍子が得られる
ことを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】従って、本発明は、 (1)下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 …(1) (但し、式中R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、n は1.98〜2.02の正数である。) で示されるオルガノポリシロキサン 100重量部 (2)150℃/4時間における窒素雰囲気中の熱減量が30%以下である炭化 水素系油及び/又はフッ素系油 0.05〜20重量部 (3)硬化剤 (1)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させ得る量 を含有してなるシリコーンゴム組成物の硬化物にて少な
くとも表面が形成されたシリコーン製高分子碍子を提供
するものである。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明で用いるシリコーンゴム組成物の第1必須成
分のジオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式
(1)で示されるものである。 R1 nSiO(4-n)/2 …(1) (但し、式中R1は同一又は異種の非置換又は置換の1
価炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数で
ある。)
【0010】ここで、上記式中R1としては、好ましく
は炭素数1〜10、より好ましくは1〜8の非置換又は
置換1価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基などの脂肪族飽和炭化水素
基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等
のアルケニル基などの脂肪族不飽和炭化水素基、フェニ
ル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラル
キル基などや、これらの基の炭素原子に結合した水素原
子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換し
たクロロメチル基、トリフルオロプロピル基などのハロ
ゲン置換アルキル基、シアノエチル基などのシアノ置換
アルキル基などが挙げられる。これらの中ではメチル
基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基が
好ましい。なお、各置換基R1は異なっていても同一で
あってもよい。また、このジオルガノポリシロキサン
は、脂肪族不飽和炭化水素基、好ましくは炭素数2〜4
のアルケニル基、より好ましくはビニル基を少なくとも
2個有していることが望ましく、R1中の脂肪族不飽和
基の含有量は、0.001〜20モル%、特に0.02
5〜5モル%であることが好ましい。
【0011】また、nは1.98〜2.02の正数であ
り、上記式(1)のジオルガノポリシロキサンは、基本
的には直鎖状であることが好ましいが、直鎖状、分岐状
等の分子構造の異なる1種又は2種以上の混合であって
もよい。なお、分子鎖末端は、トリメチルシリル基、ジ
メチルフェニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル
基、ジメチルビニルシリル基、トリビニルシリル基など
で封鎖されたものが好ましい。
【0012】この種のオルガノポリシロキサンは通常選
択されたオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を
(共)加水分解縮合することにより、或いは環状ポリシ
ロキサン(シロキサンの3量体或いは4量体など)をア
ルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによ
って得ることができる。
【0013】なお、このオルガノポリシロキサンの粘度
は25℃において100cs以上のものが好ましく、よ
り好ましくは100,000〜100,000,000
csである。
【0014】本発明では、第2必須成分として炭化水素
系油及び/又はフッ素系油を配合する。ここで、炭化水
素系油としては、C−C結合をもつ不揮発性の液体又は
高粘度品であれば如何なるものでもよいが、揮発性が1
50℃で4時間における窒素雰囲気中での熱減量(揮発
分)が30%以下のものであり、好ましくは0〜20
%、更に好ましくは0〜10%である炭化水素系油を用
いる。揮発分が30%より多いとシリコーンゴムの利点
である耐熱性を悪化させる原因になり、またポストキュ
アーした場合に炭化水素系油が酸化して変性したり減量
してしまい、本発明の効果が得られない。なお、揮発性
の測定は直径60mmのアルミシャーレに炭化水素系油
1mlを入れ、これを窒素雰囲気下で上記条件で加熱
し、その加熱前後の重量変化により求められる。
【0015】このような炭化水素系油としては、上記の
加熱減量を満たす炭化水素系油なら特に制限されず、直
鎖状、分岐状、環状構造を含んでいてもよい。不飽和結
合は、耐熱性を悪くしない範囲で少量含んでいてもよ
い。具体的には、パラフィン系オイル、ナフテン系オイ
ル、上記オイルにアロマティックな構造を含むオイル、
ポリ−α−オレフィンオイル(PAO)等が例示され
る。
【0016】これら炭化水素系油は、一般的には化学合
成或いは天然鉱物油を精製することにより得ることがで
きる。なお、炭化水素系油としては第1成分のオルガノ
ポリシロキサンの硬化を阻害するような成分、例えば架
橋を付加架橋で行う場合には、硫黄やアミン成分が少な
いものを用いることが望ましい。また、パーオキサイド
架橋の場合は強い酸性成分や塩基性成分は少ない方が好
ましい。また、場合により炭化水素系油中に酸化防止剤
を添加する場合があるが、第1成分のオルガノポリシロ
キサンの硬化を阻害しない成分であることを確認できれ
ば混入してもよい。
【0017】また、本発明の効果を損わない範囲におい
て、上記炭化水素系油の一部がシリコーン変性されてい
てもよい。
【0018】本発明では、上記炭化水素系油と同様にフ
ッ素系油を配合することができる。この場合、フッ素系
油としては、揮発性が上記炭化水素系油と同様の範囲で
あれば主鎖にフッ素結合を有していても側鎖にあっても
特にかまわないが、液体又は高粘度品が好適に使用され
る。このようなフッ素系油としては下記式で示すものを
挙げることができる。
【0019】
【化1】 (但し、式中m,n,pは150℃/4時間における窒
素雰囲気下の熱減量が30%以下となる数である。)
【0020】具体的には、パーフルオロポリエーテル油
デムナムS−100〔平均分子量5600、20℃にお
ける動粘度250cst(センチストークス)、アロカ
ルボン(Alocsrbon)社製〕、フォンブリンY
R(平均分子量6000、20℃における動粘度150
0cst、モンテフルオス社製)などが挙げられる。な
お、これら具体例のフッ素系油の150℃/4時間にお
ける熱減量は1%以下である。
【0021】上記炭化水素系油及び/又はフッ素系油の
配合量は、第1成分のオルガノポリシロキサン100部
に対して0.05〜20部、好ましくは0.1〜5部で
あり、配合量が0.05部に満たないと上記の有効な効
果が得られず、20部を超えるとシリコーンゴムの物性
が著しく損なわれてしまう。
【0022】また、第3成分としての硬化剤は架橋反応
の機構に応じて従来公知のものとすればよいが、好まし
くは有機過酸化物架橋又はケイ素原子に結合する水素原
子(SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンと付加反応用触媒とを用いた付加反応による架
橋が好適に採用される。
【0023】ここで、有機過酸化物としては、例えばベ
ンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾ
エート等を第1成分のオルガノポリシロキサン100部
に対して0.1〜5部、或いはシリコーンゴム組成物に
対して0.1〜3部添加すればよい。
【0024】更に、前記した第1成分のオルガノポリシ
ロキサンがケイ素原子に直結したアルケニル基等の脂肪
族不飽和基を有するものであるときには、これにケイ素
原子に直結した水素原子を1分子中に少なくとも2個含
有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを硬化剤
として使用してこれらの付加反応によって架橋を行わ
せ、これによって硬化させてもよい。
【0025】このようなオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとしては、下記平均組成式(2) R2 abSiO(4-a-b)/2 …(2) (但し、式中R2は同一又は異種の非置換又は置換の1
価炭化水素基であり、aは0〜3、bは0.005〜2
の数で、かつ0.8<a+b<4である。)で示される
ものが好適に使用される。
【0026】ここで、上記式(2)中のR2は、同一又
は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、具体
的には上記式(1)中のR1と同様の基が例示される
が、脂肪族不飽和結合を有さないものが好ましい。
【0027】上記式(2)のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであ
ってもよいが、平均重合度が300以下であることが好
ましい。
【0028】このような式(2)のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンとしては、例えばジメチルハイドロ
ジェンシリル基で末端が封鎖されたジオルガノポリシロ
キサン、ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェ
ンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との
共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位(H
(CH32SiO0.5単位)とSiO2単位とからなる低
粘度流体、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
などが例示される。
【0029】硬化剤としての上記式(2)のオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンの配合量は、第1成分のオ
ルガノポリシロキサンのアルケニル基等の脂肪族不飽和
基に対してオルガノハイドロジェンポリシロキサン中の
ケイ素原子に直結した水素原子が50〜500モル%と
なる割合が望ましい。
【0030】なお、この付加反応には付加反応用触媒と
して白金系触媒を添加することが好ましく、この場合、
白金系触媒としては公知のものが使用でき、具体的には
白金元素単体、白金化合物、白金複合体、塩化白金酸、
塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物、エ
ーテル化合物、各種オレフィン類とのコンプレックスな
どが例示される。なお、白金系触媒の添加量は、触媒量
とすることができるが、特に第1成分のオルガノポリシ
ロキサンに対して白金原子として1〜2000ppmの
範囲とすることが好ましい。
【0031】本発明に係わるシリコーンゴム組成物に
は、更に補強性シリカ粉末を配合することが好ましい。
ここで、補強性シリカ粉末は、機械的強度の優れたシリ
コーンゴムを得るために必要とされるものであり、この
目的のためには比表面積が50m2/g以上、特に10
0〜300m2/gであることが好ましい。比表面積が
50m2/gに満たないと硬化物の機械的強度が低くな
ってしまう場合がある。
【0032】このような補強性シリカ粉末としては、例
えば煙霧質シリカ、沈降性シリカ及びこれらの表面をク
ロルシラン、アルコキシシラン、シラザン、ジオルガノ
シクロポリシロキサン、1,3−ジシロキサンジオール
等で処理された疎水性シリカなどが挙げられる。
【0033】補強性シリカ粉末の添加量は、第1成分の
オルガノポリシロキサン100部に対して5〜100
部、特に10〜50部とすることが好ましく、5部未満
では添加量が少なすぎて補強効果が得られない場合があ
り、100部を超えると水酸化アルミニウムの充填が困
難になったり、加工性が悪くなってしまう場合がある。
【0034】また、上記シリコーンゴム組成物には、水
酸化アルミニウムを配合することが望ましい。この水酸
化アルミニウムは、シリコーンゴムの耐アーク性(耐ト
ラッキング性、耐エロージョン性を含む)を改善する働
きをする。この水酸化アルミニウムは、Al23・3H
2O又はAl(OH)3で表される化合物であり、その平
均粒径は10μm未満、特に0.1〜5μmであること
が好ましい。
【0035】水酸化アルミニウムの配合量は、第1成分
のオルガノポリシロキサン100部に対して20〜30
0部、特に40〜200部の範囲が望ましく、20部に
満たないと碍子としての寿命を維持するために必要な電
気特性を得ることができない場合があり、300部を超
えると加工性が悪くなり、またシリコーンゴム自体がも
つ耐候性、撥水性などの特性を損なってしまう場合があ
るので、求められる耐アーク性を得るための必要量だけ
を添加することが好ましい。
【0036】本発明に係わるシリコーンゴム組成物に
は、上記必須成分に加え、任意成分として本発明の効果
を妨げない範囲で必要に応じ、亜鉛華や酸化チタン等の
無機材料、ベンガラ、粉砕石英、炭酸カルシウムなどを
添加してもよい。
【0037】更に必要に応じて、着色剤、耐熱性向上剤
等の各種添加剤や反応制御剤、離型剤あるいは充填用分
散剤などを添加することは任意とされるが、この充填剤
用分散剤として使用されるジフェニルシランジオール、
各種アルコキシシラン、カーボンファンクショナルシラ
ン、シラノール基含有低分子シロキサンなどは本発明の
効果を損なわない範囲で最小限の添加量とすることが好
ましい。
【0038】また、本発明のシリコーンゴム組成物を難
燃焼性、耐火性にするために白金含有材料、白金化合物
と二酸化チタン、白金と炭酸マンガン、白金とγ−Fe
23、フェライト、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレー
ク等の公知の添加剤を添加しても良い。なお、これら任
意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常
量とすることができる。
【0039】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記し
た成分を2本ロール、バンバリミキサー、ドウミキサー
(ニーダーミキサー)など2軸混練押し出し器(TE
M)等のゴム練り機を用いて均一に混合し、必要に応じ
て加熱処理を施すことによって得ることができる。
【0040】このようにして得られたシリコーンゴム組
成物からシリコーン製高分子碍子を得るための成型方法
としては、金型加圧成型、射出成型、トランスファー成
型など公知の成型方法が挙げられる。これらの成型方法
を採用して、上記のシリコーンゴム組成物を100〜2
50℃で数秒〜数十分加熱することにより組成物が硬化
し、成型品としてのシリコーン製高分子碍子を製造する
ことができる。
【0041】また、成型後に二次加硫する場合について
は、配合した第2成分の炭化水素系油及び/又はフッ素
系油の耐熱性をはるかに超える温度にて行うと炭化水素
系油又はフッ素系油の劣化につながり効果を著しく損ね
る場合があるので、150〜250℃で1〜4時間の条
件で二次加硫することが望ましい。
【0042】本発明では、上記シリコーンゴム組成物の
硬化層を碍子表面に形成して高分子碍子とすることもで
き、例えば次のような構成の高分子碍子とすることも可
能である。 (1)碍子表面のゴム層を複層化し、内層に一般のシリ
コーンゴムを用い、その最外層に本発明に係わるシリコ
ーンゴム層を形成する。 (2)シリコーン製以外の碍子(例えば磁器製碍子、ガ
ラス碍子、樹脂製碍子等)の表面に本発明に係わるシリ
コーンゴム層を形成する。 (3)本発明に係わるシリコーンゴム組成物を碍子表面
に塗布により形成する。
【0043】この場合、表面に形成するシリコーンゴム
層の厚さは、10 〜500μmが好ましい。
【0044】
【発明の効果】本発明のシリコーン製高分子碍子は、耐
トラッキング性、耐エロージョン性等の電気特性に優れ
ている上、シリコーンゴム由来の高絶縁性、耐候性、撥
水性等の優れた特性を損なうことがないもので、コロナ
ノイズの防止、汚損地区での閃烙防止に多大な効果を発
揮することでき、送電線支持体用やケーブル端末処理用
等として好適に使用することができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
る。
【0046】〔実施例1〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モ
ル%からなり、平均重合度が約5000であるゴム状オ
ルガノポリシロキサン100部に、分散剤としてのフェ
ニルシランジオール3部、末端シラノール基ジメチルポ
リシロキサン(重合度n=10)4部及び比表面積が2
00m2/gである処理シリカ(日本アエロジル(株)
製)30部を添加し、2時間熱処理してベースコンパウ
ンドAを作った。
【0047】上記ベースコンパウンドA100部に対し
て水酸化アルミニウム40部、炭化水素系油であるサン
パー2280(150℃/4時間の熱減量1%、飽和成
分76.5%、芳香族成分22.0%、極性成分1.5
%、日本サン石油社製)1.0部を2本ロールにて配合
した後、200メッシュで濾過をしてコンパウンドを作
った。なお、水酸化アルミニウムの添加量は、トラッキ
ング性に有意差を出し易くするために40部とした。
【0048】上記コンパウンド100部に硬化剤として
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン0.4部を混練りし、得られたコンパウン
ドを用いて厚さ6mmのシートを成型した。成型温度は
165℃/10分、成型圧力は35kgf/cm2であ
った。
【0049】〔実施例2〕サンパー2280の添加量を
0.5部に変更する以外は実施例1と同様にしてゴムシ
ートを得た。
【0050】〔実施例3〕サンパー2280の代わりに
ルーカントHC40(150℃/4時間の熱減量3%、
三井石油化学社製)を使用する以外は実施例1と同様に
してゴムシートを得た。
【0051】〔実施例4〕サンパー2280の代わりに
ポリアルファーオレフィン(PAO)(150℃/4時
間の熱減量6%、三井石油化学社製)を使用する以外は
実施例1と同様にしてゴムシートを得た。
【0052】〔実施例5〕硬化剤としての2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの
代わりにコンパウンド100部に対して塩化白金酸のア
ルコール溶液(白金量1.0%)0.5g、SiH量
0.005モル%のメチルハイドロジェンポリシロキサ
ン1.2部を用いてシリコーンゴムを硬化させる以外は
実施例1と同様にしてゴムシートを得た。
【0053】〔実施例6〕サンパー2280の代わりに
フッ素系油フォンブリンYR(モンテフルオス社製)を
使用する以外は実施例1と同様にしてゴムシートを得
た。
【0054】〔実施例7〕実施例1において水酸化アル
ミニウムを配合しない以外は実施例1と同様にしてゴム
シートを得た。
【0055】〔実施例8〕実施例1のベースコンパウン
ドAの代わりにこれを調製するのに使用したオルガノポ
リシロキサン100部を用いた以外は実施例1と同様に
してゴムシートを得た。
【0056】〔比較例1〕実施例1のサンパー2280
を配合しない以外は実施例1と同様にしてゴムシートを
得た。
【0057】〔比較例2〕サンパー2280の代わりに
ポリエチレングリコール(150℃/4時間の揮発分3
5%)を使用する以外は実施例1と同様にしてゴムシー
トを得た。
【0058】〔比較例3〕サンパー2280の代わりに
シクロテトラシロキサンを使用する以外は実施例1と同
様にしてゴムシートを得た。
【0059】〔比較例4〕サンパー2280の代わりに
トルエンを使用する以外は実施例1と同様にしてゴムシ
ートを得た。
【0060】得られたシリコーンゴムシートを150℃
/4時間でポストキュアーしたものをASTMD230
3に準ずる方法で下記の耐トラッキング試験を行った。トラッキング試験方法 図1に示す装置を用いて下記条件で行った。 試験電圧 :AC1〜6kV 電極間距離 :50mm 試料傾斜角 :45° 電解液 :NH4Claq 電解液滴下量:〜0.9ml/分 評価 :0.5Aに至る短絡時間 更に、トラッキング試験時のサンプルの重量減少をトラ
ッキング試験時間で割った平均侵食量(wt%/hr)
を測定した。また、耐候性、撥水性が良好である目安と
してトラッキング試験終了の24時間後にシリコーンゴ
ムの撥水性の評価を行った。撥水性の評価は、シリコー
ンゴムシートに対する純水の接触角を測定することによ
り、それぞれのサンプルについて行った。なお、トラッ
キング試験を行っていないブランクのものの接触角(比
較例1の接触角)は103であった。以上の結果を表
1,2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】ASTMD2303に準ずる方法における耐ト
ラッキング試験で使用した装置の概略図である。
【符号の説明】
1 試験片 2 上部電極 3 フィルターペーパー 4 下部電極 5 ステンレス製ナット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 …(1) (但し、式中R1は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、n は1.98〜2.02の正数である。) で示されるオルガノポリシロキサン 100重量部 (2)150℃/4時間における窒素雰囲気中の熱減量が30%以下である炭化 水素系油及び/又はフッ素系油 0.05〜20重量部 (3)硬化剤 (1)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させ得る量 を含有してなるシリコーンゴム組成物の硬化物にて少な
    くとも表面が形成されてなることを特徴とするシリコー
    ン製高分子碍子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008101113A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Shin Etsu Chem Co Ltd 硬化性組成物
JP2011231228A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子
JP2015073097A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 エイヴィーエックス コーポレイション 高温多湿条件下での使用のための固体電解コンデンサ

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JP2015073097A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 エイヴィーエックス コーポレイション 高温多湿条件下での使用のための固体電解コンデンサ

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