JPH09157257A - 2−メチルキノリン類の製造方法 - Google Patents

2−メチルキノリン類の製造方法

Info

Publication number
JPH09157257A
JPH09157257A JP31512095A JP31512095A JPH09157257A JP H09157257 A JPH09157257 A JP H09157257A JP 31512095 A JP31512095 A JP 31512095A JP 31512095 A JP31512095 A JP 31512095A JP H09157257 A JPH09157257 A JP H09157257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distillation
compound
methylquinoline
reaction
methylquinolines
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31512095A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeji Yamada
茂治 山田
Hiromichi Yamaguchi
浩通 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Air Water Inc
Original Assignee
Sumikin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumikin Chemical Co Ltd filed Critical Sumikin Chemical Co Ltd
Priority to JP31512095A priority Critical patent/JPH09157257A/ja
Publication of JPH09157257A publication Critical patent/JPH09157257A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デーブナー・ミラー反応の合成法により得ら
れた反応生成物から目的物である2−メチルキノリン類
との分離が困難とされていた副生物を蒸留精製法により
分離し、高純度2−メチルキノリン類を製造する方法の
提供。 【解決手段】 アニリン類とクロトンアルデヒドを酸性
水溶液下、デーブナー・ミラー反応によって2−メチル
キノリン類を合成し、反応生成物をアルカリ性物質で中
和し、脱水処理した後、酸無水物、酸塩化物またはエポ
キシ化合物を添加して反応処理し、ついで蒸留精製し高
純度2−メチルキノリン類を製造する。上記のアルカリ
性物質で中和した反応生成物を、まず第1蒸留により蒸
留して得られた粗2−メチルキノリン類に酸無水物、酸
塩化物またはエポキシ化合物を添加して反応処理し、つ
いで第2蒸留により蒸留精製することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医農薬、染料中間体とし
て有用な2−メチルキノリン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−メチルキノリン類は、医薬品、染
料、殺虫剤、ゴム加硫促進剤などの製造原料として使用
される重要な化合物である。2−メチルキノリンは工業
的にはコールタールから蒸留等により得られているが、
一般に純度が低いものであり、またその製造量も限られ
ている。又、合成法による2−メチルキノリン類の調製
には専らアニリン類とクロトンアルデヒドの反応による
デーブナー・ミラー(Doebner−Miller)
反応が利用されてきたが、収率が低いことや、特に精製
が困難であることから一般的でない。精製上の問題は生
成する副生物の沸点が2−メチルキノリン類と極めて近
似していることに起因しており、例えば精密蒸留操作な
どでは99%以上を満足するような高純度に精製するこ
とが困難である。
【0003】上記合成法によって得られた粗2−メチル
キノリン類の精製法に関して、例えばアメリカ特許1,
750,082、アメリカ特許4,851,409及び
J.Org.Chem.,42,No.5.811(1
977)では2−メチルキノリン類をZnCl2 によっ
て処理して2−メチルキノリン塩酸・ZnCl2 錯体を
形成させ、それを単離後、アンモニア処理して2−メチ
ルキノリンを精製する方法が知られている。
【0004】一方、原料としてコールタールを用いて製
造した2−メチルキノリンの精製方法は尿素付加物を形
成させる分離精製する方法(特開昭57−11457
4)や、グリコールとの共沸蒸留方法(DE32277
59)、キシレノールとの共沸蒸留方法(特開平1−2
68678)が知られている。しかしながらこれらの精
製法は操作が繁雑であったり、大幅に歩留りが低下する
など必ずしも工業的に有利な方法とはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはアニリン
類とクロトンアルデヒドとを酸性水溶液下デーブナー・
ミラー反応により2−メチルキノリン類を合成し、収率
良く高純度に精製する方法について鋭意検討した。しか
しこの反応においては、目的の2−メチルキノリン類以
外の反応副生物は物理定数、特に沸点が2−メチルキノ
リン類と近似しており、そのまま精密蒸留したのでは高
純度に精製することができず、又、ZnCl2 やCaC
2 、尿素などとの錯体形成による分離法は、操作が繁
雑であり、廃水や廃液の増大やその処理等により工業的
に安価な精製法ではないことが判明した。
【0006】そこで、本発明者らは、反応生成物を簡単
な分離精製法である蒸留によって分離できる組成にする
ことが経済的に有利に高純度の2−メチルキノリン類を
製造する上での極めて重要な課題であることに着目し、
特定の化合物を添加することにより、蒸留による分離が
困難な副生物を分離し、蒸留により精製できる方法を見
出した。
【0007】従って本発明の目的は、デーブナー・ミラ
ー反応の合成法により得られた反応生成物から蒸留精製
法により、2−メチルキノリン類を高純度に精製する方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はアニリン類とク
ロトンアルデヒドを酸性水溶液下、デーブナー・ミラー
反応によって2−メチルキノリン類を合成し、反応生成
物をアルカリ性物質で中和し、脱水処理した後、酸無水
物、酸塩化物またはエポキシ化合物を添加して反応処理
し、ついで蒸留精製することを特徴とする高純度2−メ
チルキノリン類の製造方法である。
【0009】また本発明は他の実施態様としてアニリン
類とクロトンアルデヒドを酸性水溶液下、デーブナー・
ミラー反応によって2−メチルキノリン類を合成し、反
応生成物をアルカリ性物質で中和した後、第1蒸留によ
り蒸留して得られた粗2−メチルキノリン類に酸無水
物、酸塩化物またはエポキシ化合物を添加して反応処理
し、ついで第2蒸留により蒸留精製することを特徴とす
る高純度2−メチルキノリン類の製造方法を包含する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるアニリン類
は、式(1)に示されるアニリンおよび1又は2個の官
能基で置換されたアニリン類であり、置換基R1 及びR
2 は、水素,アルキル基,アリル基,ハロゲン基,水酸
基,アルコキシ基,スルホニル基,チオール基などであ
る。
【0011】
【化1】
【0012】デーブナー・ミラー反応は、アニリン類と
クロトンアルデヒドが反応し、縮合環化することによっ
て2−メチルキノリン類が合成されるが、原料としてア
セトアルデヒドを用いてもアセトアルデヒドが自己縮合
して、クロトンアルデヒドが生成し、上記の反応が起こ
るので、アセトアルデヒドを原料に用いてもよい。
【0013】デーブナー・ミラー反応は、プロトン受容
体としての酸化剤を使用することにより促進される。こ
のプロトン受容体としての酸化剤にはアニリン類の置換
基と同じ置換基をもつニトロベンゼン類を使用すれば、
ニトロベンゼン類もアニリンと同様、原料として反応に
寄与するので好ましい。
【0014】本発明の目的は、2−メチルキノリン類合
成の際に生成する副生物を別の化合物に変化させ、2−
メチルキノリン類との分離を容易にすることにある。と
ころで本発明の目的物質である2−メチルキノリン類
は、反応性に乏しい6π系芳香族化合物であり、環内窒
素原子のπ電子も6π系芳香族環に関与するため安定で
ある。それに対してデーブナー・ミラー反応により生成
する副生物は主としてN−アルキルアニリン類やテトラ
ヒドロ−2−メチルキノリン類などの2級アミンであ
り、又未反応物のアニリン類は一級アミンである。
【0015】これらの一,二級アミンの窒素原子は求核
能を有し、親電子試薬との反応性に富んでいることか
ら、2−メチルキノリン類と副生物及び未反応物が混在
する反応混合物中に親電子試薬を添加すると副生物だけ
が親電子試薬と反応して別の化合物に化学変化するため
に沸点が高くなり、2−メチルキノリン類との分離が容
易になることを見いだした。
【0016】例えば、副生物がN−アルキルアニリン類
である場合は、親電子試薬として、酸無水物の無水酢酸
で反応処理すれば、N−アセチル化物に変化し、また酸
塩化物のベンゾイルクロライドで反応処理すれば、N−
ベンゾイル化物に変化する。一方、副生物がテトラヒド
ロ−2−メチルキノリン類である場合も、N−アセチル
化物またはN−ベンゾイル化物に変化する。そのため副
生成物及び未反応物が目的物質の2−メチルキノリン類
との間で沸点差が生じて、簡単な蒸留により高純度に精
製できる。
【0017】このような目的で、副生物と反応させるた
めの親電子試薬として、本発明においては酸無水物,酸
塩化物またはエポキシ化合物が用いられる。
【0018】酸無水物としては例えば無水酢酸,無水プ
ロピオン酸,無水コハク酸,無水マレイン酸,無水フタ
ル酸,無水安息香酸などが好ましい。これら酸無水物の
添加量は脱水処理した反応生成物の重量に対して1/2
0〜2重量倍が適当であり、好ましくは1/10〜1/
2重量倍である。一方、後記する別の実施態様での方法
で第一蒸留して得られた粗2−メチルキノリン類に添加
する場合は、同様に1/50〜1重量倍が適当であり、
好ましくは1/30〜1/10重量倍である。
【0019】酸塩化物としては例えばアセチルクロライ
ド,ベンゾイルクロライド,プロピオン酸塩化物,フタ
ル酸塩化物などのカルボン酸塩化物,ベンゼンスルホニ
ルクロライド,p−トルエンスルホニルクロライド,ナ
フタレンスルホニルクロライドなどスルホン酸塩化物等
が挙げられる。酸塩化物の添加量は、脱水処理した反応
生成物の重量に対して1/20〜2重量倍が適当であ
り、好ましくは1/10〜1/2重量倍である。又、第
一蒸留して得られた粗2−メチルキノリン類に添加する
場合は、同様に1/50〜1重量倍が適当であり、好ま
しくは1/30〜1/10重量倍である。
【0020】エポキシ化合物の種類としては、エポキシ
基を分子内に1個以上有する化合物であれば使用するこ
とができ、例えば、エチレンオキサイド,スチレンオキ
シド,シクロヘキサンオキシド,エポキシブタン,エピ
クロルヒドリン,エポキシプロパン,エポキシブテンや
アリルグリシジルエーテル,ブチルグリシジルエーテ
ル,フェニルグリシジルエーテル,2−エチルヘキシル
グリシジルエーテル,sec−ブチルフェノールグリシ
ジルエーテル,2−メチルオクチルグリシジルエーテル
あるいはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェ
ニール等のグリシジルエーテルやグリシドールなどが挙
げられる。エポキシ化合物の添加量は脱水処理した反応
生成物の重量に対して1/20〜2重量倍が適当であ
り、好ましくは1/10〜1/2重量倍である。一方第
一蒸留して得られた粗2−メチルキノリン類を対象とす
る場合には、同様に1/50〜1重量倍が適当であり、
好ましくは1/30〜1/10重量倍である。
【0021】本発明においては、2−メチルキノリン類
の合成反応後に水層と分離、分液して得られた2−メチ
ルキノリン含有油層は、水分を多く含有し、これをその
まま次工程で親電子試薬と反応させると親電子試薬が消
費され、副生物との反応に効率よく利用されないので、
親電子試薬との反応前に脱水処理を施すのが好ましい。
【0022】脱水処理として、水と目的物質の2−メチ
ルキノリン類の大きな沸点差を利用して蒸留によって行
うことが出来る。蒸留によって脱水処理を行う場合、蒸
留によって水を留出させた後、その蒸留塔のボトム内
で、酸無水物、酸塩化物またはエポキシ化合物を用いて
副生物との反応を行わせ、ついで、その蒸留搭を用いて
そのまま精密蒸留することができるので、ワンポットで
脱水処理、親電子試薬処理及び精製蒸留を行うことが可
能である。ワンポット方式で行う場合の蒸留塔は最後の
精製蒸留において、目的物質の蒸留歩留りを向上させる
ため高い性能が要求され、理論段数が5段以上、好まし
くは10〜30段の蒸留塔を用いる。最初の脱水処理で
は、水を除去することが目的であるから全留出(還流比
=0)で可能である。酸無水物、酸塩化物またはエポキ
シ化合物との反応処理後の精製蒸留では、還流比0.5
以上、好ましくは1〜10の条件で蒸留する。この時、
減圧度は200mmHg以下、好ましくは50mmHg
以下であり、例として50mmHgでは留出温度15
0.7〜151.8℃の留分を得ることにより純度99
%以上の2−メチルキノリンを得ることが出来る。この
場合に、蒸留釜温度は220〜240℃になるが、反応
混合物のピッチ化や熱分解が起こる問題は特に発生しな
い。
【0023】本発明はまた、別の実施態様として、合成
によって得られた2−メチルキノリン類を、アルカリ物
質で中和した後、一旦反応生成物を蒸留し、得られた粗
2−メチルキノリン類を酸無水物、酸塩素化物またはエ
ポキシ化合物を用いて反応処理し、ついで蒸留精製する
ことにより高純度2−メチルキノリン類を製造すること
もできる。
【0024】上記実施態様では2−メチルキノリン類の
蒸留精製が2回行われるが、第1の蒸留塔で蒸留する際
に、アルカリ中和された反応生成物から先ず水を初留と
して留出させ、次いで反応生成物の留分を分取し、大量
に存在するタール状の高沸点物質を蒸留残渣として除去
することができるので、酸無水物、酸塩素化物またはエ
ポキシ化合物との反応処理の実施の前処理として必要な
脱水処理を同時に行うことができ、また高沸点物質等も
除去されているので親電子試薬のロスが少なく効率的で
ある。
【0025】この第1の蒸留操作により分取された2−
メチルキノリン類を80%含有する留分(以下、粗2−
メチルキノリン類と称す)を次いで親電子試薬を用いて
反応処理し、次に第2の蒸留塔を用いて精密蒸留する。
【0026】この方法における第1の蒸留塔では、主目
的が次ステップの親電子試薬と反応する水分と高沸点タ
ール状物を蒸留残渣として除去することであるから、塔
の理論段数が1段以上あればよい。第1蒸留は、全留出
でも可能であるが、好ましくは、還流比0.5以上さら
に好ましくは還流比1〜10の条件で蒸留する。この
時、減圧度は200mmHg以下、好ましくは50mm
Hg以下であり、例として50mmHgでは留出温度1
30〜170℃の2−メチルキノリン留分を得る。
【0027】又、第2蒸留は、粗2−メチルキノリン類
から2−メチルキノリン類を99%以上の高純度かつ高
収率で回収することが目的であるから蒸留塔の高性能が
要求される。この第2の蒸留塔は理論段数が5段以上、
好ましくは10〜30段の蒸留塔を用い、還流比0.5
以上、好ましくは1〜10の条件で蒸留する。この時、
減圧度は200mmHg以下、好ましくは50mmHg
以下であり、例として、50mmHgでは留出温度15
0.7〜151.8℃の留分を回収することにより純度
99%以上の2−メチルキノリンを得ることが出来る。
【0028】本発明は上記2種の実施態様のいずれでも
実施可能であるが、第1の発明の方法では1つの蒸留塔
を用いてワンポット方式で精製することもできるので、
工程の削減が可能であり、一方、第2の発明、すなわち
2−メチルキノリン類の蒸留を2度行う方法では、添加
する親電子試薬がより少量で目的を達成できるのでそれ
ぞれ目的、状況に応じて利点を考えて選択することが出
来る。
【0029】本発明で酸無水物、酸塩化物またはエポキ
シ化合物を用いて反応処理する時の温度、時間等の反応
条件は、反応自体が簡単に進行するため、温度コントロ
ールや添加速度コントロール等には特に厳密な管理を要
しない。例えば、蒸留塔内の2−メチルキノリン類生成
物に親電子試薬を添加しておくだけで、蒸留時の加熱に
より反応は進行し、(例えば蒸留塔ボトム温度240℃
以下である)、そのまま蒸留精製できるものでありこの
ような簡便さも、本発明の大きな特徴となっている。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は
これらに限定されるものではない。なお、分析方法は、
ガスクロマトグラフ法により、以下の条件で行った。 キャピラリーカラム:CBP−1 0.25φmm×5
0m カラムオーブン温度:120℃〜300℃,7℃/mi
n(昇温速度) 検出器 :FID 定量法 :面積百分率法
【0031】[実施例1]50リットル反応釜内にアニ
リン9kg、35%塩酸水溶液12kg、ニトロベンゼ
ン3kgを加え、80〜90℃に加熱後、クロトンアル
デヒド9.3kgを徐々に滴下し、滴下後2時間還流し
て反応させた。室温まで冷却後25%NaOH水溶液で
生成混合物をアルカリ性(pH=10)として、静置分
液して下層の水層を除いた。上層の油層を以下の条件1
で、粗蒸留により脱水処理をした。
【0032】脱水した蒸留残渣に無水酢酸4kgを添加
した後、以下の条件2で蒸留精製した。留出温度15
0.7℃〜151.8℃の留分を取り、純度99.0%
の2−メチルキノリン8.0kg(収率46モル%;ア
ニリン+ニトロベンゼンのモル数を基準とする)を得
た。
【0033】蒸留条件−1(脱水蒸留) 蒸留塔の理論段数 :10段 還流比 :全留出 圧力 :50mmHg カット留分 :129℃以下をカット
【0034】蒸留条件−2(精製蒸留) 蒸留塔の理論段数 :10段 還流比 :1〜5 圧力 :50mmHg 留出温度 :150.7℃〜151.8℃
【0035】[実施例2]50リットル反応釜内にアニ
リン9kg、35%塩酸水溶液12kgを添加し、80
〜90℃にまで加熱した。一方、ニトロベンゼン3kg
をクロトンアルデヒド9.3kgを混合溶液として、上
記アニリン塩酸塩水溶液中に徐々に滴下し、滴下後2時
間還流した。次に、室温まで冷却後25%NaOH水溶
液で反応混合物をアルカリ性(pH=10)にして、静
置分液して下層の水層を除いた。上層の油層を理論段数
10段の蒸留塔を用いて50mmHgの減圧下、還流比
0〜1で留出温度145〜172℃で留取して、純度8
8%の粗2−メチルキノリンを9.2kg得た。
【0036】この粗2−メチルキノリンを20リットル
ガラス釜に移し、無水酢酸1kgを添加し、80〜10
0℃で反応後、その反応混合液を理論段数10段の蒸留
塔を用いて、還流比1〜5、50mmHgの減圧下で精
留して留出温度150.7℃〜151.8℃で留取し
て、純度99.0%の2−メチルキノリン8.8kgを
得た。(収率51モル%;アニリン+ニトロベンゼンの
モル数を基準とする)。
【0037】[比較例1]50リットルの反応釜内にア
ニリン9kg、35%塩酸水溶液12kgを添加し、8
0〜90℃まで加熱した。一方、ニトロベンゼン3kg
とクロトンアルデヒド9.3kgを混合溶液とし、上記
アニリン塩酸塩水溶液中に徐々に滴下した。滴下後2時
間還流して反応させた。
【0038】次に、室温まで冷却後25%NaOH水溶
液で反応混合物をアルカリ性(pH=10)にし、静置
分液して下層の水層を除いた。上層の油層を親電子試薬
による処理を行わず、そのまま理論段数50段の蒸留塔
を用いて50mmHgの減圧下、還流比10〜20で留
出温度150〜152℃の留分を9.5kg得た。この
留分はガスクロマトグラフ分析の結果、純度は、92%
で収率54.6モル%であった。親電子試薬処理をする
ことなく純度を92%以上に上げるのは困難であった。
【0039】[実施例3〜8]実施例2において、2−
メチルキノリンの代わりに表1記載の各種の2−メチル
キノリン誘導体を製造する目的で、原料として表1記載
のアニリン類及びそれに対応するニトロベンゼン類を用
い(アニリン類、ニトロベンゼン類およびクロトンアル
デヒドの使用量はモル数で実施例2と同じく0.97モル、
0.24モル、及び1.33モル)、実施例2と同様にして各種
の2−メチルキノリン類を合成し、その後実施例2と同
様に蒸留、無水酢酸添加および精製蒸留を行い、高純度
2−メチルキノリン類を得た。実施例2の結果とともに
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】[実施例9〜16]実施例2において、親
電子試薬を無水酢酸の代わりに表2記載の化合物(添加
量も実施例と同じく、1Kg)に代えた以外は実施例2
と同様にして、高純度2−メチルキノリンを得た。実施
例2の結果とともに結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】アニリン類とクロトンアルデヒドからデ
ーブナー・ミラー反応により得られた2−メチルキノリ
ン類を含む反応生成物に親電子試薬を添加した後、精製
蒸留することにより、従来2−メチルキノリン類との分
離が困難とされていた副生物との分離、精製が効率よく
行われ、特別な設備や複雑な工程を付加することなく高
純度の2−メチルキノリン類を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニリン類とクロトンアルデヒドを酸性
    水溶液下、デーブナー・ミラー反応によって2−メチル
    キノリン類を合成し、反応生成物をアルカリ性物質で中
    和し、脱水処理した後、酸無水物、酸塩化物またはエポ
    キシ化合物を添加して反応処理し、ついで蒸留精製する
    ことを特徴とする高純度2−メチルキノリン類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 アニリン類とクロトンアルデヒドを酸性
    水溶液下、デーブナー・ミラー反応によって2−メチル
    キノリン類を合成し、反応生成物をアルカリ性物質で中
    和した後、第1蒸留により蒸留して得られた粗2−メチ
    ルキノリン類に酸無水物、酸塩化物またはエポキシ化合
    物を添加して反応処理し、ついで第2蒸留により蒸留精
    製することを特徴とする高純度2−メチルキノリン類の
    製造方法。
JP31512095A 1995-12-04 1995-12-04 2−メチルキノリン類の製造方法 Pending JPH09157257A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31512095A JPH09157257A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 2−メチルキノリン類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31512095A JPH09157257A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 2−メチルキノリン類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09157257A true JPH09157257A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18061654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31512095A Pending JPH09157257A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 2−メチルキノリン類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09157257A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102898366A (zh) * 2012-03-30 2013-01-30 浙江工业大学 一种一步制备2-甲基喹啉的方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102898366A (zh) * 2012-03-30 2013-01-30 浙江工业大学 一种一步制备2-甲基喹啉的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5927855A (ja) ビス(アミノシクロヘキシル)ジアルキルメタンの製法
KR100544560B1 (ko) 메토프롤롤의 신규 제조 방법
JPH021142B2 (ja)
US20150232458A1 (en) Process for preparation of triglycidyl isocyanurate (tgic)
US20050107635A1 (en) Metoprolol manufacturing process
US4965362A (en) Joint preparation of 3-dialkylaminopropionitriles, bis-(2-cyanoethyl) ether and, if desired, ethylene-cyanohydrin
US4093667A (en) Preparation of 4-n-hexylresorcinol
JPH09157257A (ja) 2−メチルキノリン類の製造方法
JPS6155902B2 (ja)
JPH0390057A (ja) クロロフルオロベンゾニトリル及びその製造方法
JP2585628B2 (ja) ハロゲンアルコールの製法
JP4157361B2 (ja) 9−スピロフルオレン化合物の製造方法
JP2594826B2 (ja) p−またはm−ヒドロキシフェネチルアルコールの製造法
CN113087669B (zh) 一种4-氰基-5-溴嘧啶的制备方法
EP0131281B1 (en) Process for preparing polyglycidylamine derivatives
CN109694334B (zh) 双取代氰基乙酸酯化合物的无溶剂制备方法
JPS63297334A (ja) 2,4−キシレノ−ルの精製方法
CN114105889A (zh) 一种dpp-iv抑制剂关键中间体的制备方法及其应用
JPS632939A (ja) ジアルキレングリコ−ルモノエ−テルの回収法
JPS62226950A (ja) p−アルコキシジフエニルアミン類の製造方法
JPH083126A (ja) N,o−ジメチルヒドロキシルアミンの製造方法
JP2002088055A (ja) 4,4’−ビスフェノールスルホンの製造方法
JPH02256637A (ja) 2―(p―またはm―tert―ブトキシフェニル)エチルメチルエーテルおよびその合成法
JPH11158100A (ja) フェノール性化合物及びその製造方法
JPH0585994A (ja) N,n−ジアルキルアミノフエノール類の製造方法