JPH09157219A - 低吸湿量ポリオールエステル - Google Patents

低吸湿量ポリオールエステル

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JPH09157219A
JPH09157219A JP7320236A JP32023695A JPH09157219A JP H09157219 A JPH09157219 A JP H09157219A JP 7320236 A JP7320236 A JP 7320236A JP 32023695 A JP32023695 A JP 32023695A JP H09157219 A JPH09157219 A JP H09157219A
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JP
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polyol ester
moisture absorption
polyol
ester
temperature
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JP7320236A
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English (en)
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Yoshihiro Shiokawa
善弘 塩川
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】代替フロンとして有力なハイドロフルオロカー
ボンとの相溶性が良好であり、且つ飽和吸湿量の低い高
性能のポリオールエステルを提供する。 【解決手段】1,1,1,2−テトラフルオロエタン/
ポリオールエステルが重量比9/1の混合物の低温側分
離温度が−70℃以下であり、また密閉容器の中で温度
30℃、相対湿度60%で30時間以上放置した後の飽
和吸湿量が850ppm以下である低吸湿量ポリオール
エステル。該ポリオールエステルは、フッ化水素の存在
下、二重結合にかかわる炭素原子の少なくとも一方が第
三級炭素原子である炭素数が4〜12のモノオレフィン
と一酸化炭素から酸フロライドを合成し、該酸フロライ
ドとネオペンチルポリオールを反応させて得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機油等の潤滑
油に用いられるポリオールエステルに関し、詳しくは代
替フロンとの相溶性が良好であり、且つ飽和吸湿量の低
いポリオールエステルである。
【0002】
【従来の技術】従来ポリオールエステルは、特開平5−
25484号および特開平5−70789号に記載され
るように、脂肪酸と多価アルコールを加熱下でエステル
化反応させることにより製造される。この反応は。20
0℃以上の高温下で反応させても反応速度が遅いことは
知られており、工業的に製造する場合には、容量の大き
な反応器を使用する必要がある。
【0003】このように高温で長時間反応させることを
避けるために、特開平4−314793号、特開平5−
271676号および特開平5−1291号には、酸ク
ロライドを経由してポリオールエステルを製造する方法
が開示されている。しかし酸クロライドを経由する方法
は、脂肪酸から酸クロライドを製造するために三塩化リ
ン、五塩化リン、塩化チオニル等の酸塩化物が必要とな
り、その取り扱いは煩雑であり、製造プロセスが複雑と
なる。
【0004】また上記方法により得られたポリオールエ
ステルは、近年カーエアコンで使用され始めているポリ
アルキレングリコール系冷凍機油に比べ吸湿性は低いも
のの、例えば家庭用エアコンのように、梅雨期のような
湿度の高い時でも屋外で冷凍機油の充填作業を行うこと
があるものについては、エステルの加水分解を長期にわ
たって防止するために、更に吸湿性の低いポリオールエ
ステルが要求される。また電気冷蔵庫のように、コンプ
レッサー内にモーターが内蔵されているタイプのものに
使用される冷凍機油には高い電気絶縁性と共に低い吸湿
性が求められている。即ち上記方法により得られたポリ
オールエステルは、冷凍機油で使用する場合、近年新規
冷媒として有力視されている塩素を含まないハイドロフ
ルオロカーボン類との相溶性は良好なものの、飽和吸湿
量の低いものは得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリオールエス
テルの製造法は、上記のように脂肪酸と多価アルコール
を反応させる場合には、200℃以上の高温下でも反応
速度が著しく遅く、酸クロライドを経由する方法では酸
塩化物を用いるため、その取り扱いおよび製造プロセス
の煩雑さが問題となる。またこれらの製造法で製造され
たポリオールエステルの吸湿性は冷凍機油として使用す
る場合には必ずしも満足できるものではない。本発明の
目的は従来の潤滑油用ポリオールエステルの上記のよう
な課題を解決し、代替フロンとして有力なハイドロフル
オロカーボンとの相溶性が良好であり、且つ飽和吸湿量
の低い高性能のポリオールエステルを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記のごとき
課題を有する潤滑油用ポリオールエステルについて鋭意
検討した結果、フッ化水素の存在下、二重結合にかかわ
る炭素原子の少なくとも一方が第三級炭素原子である炭
素数が4〜12であるモノオレフィンと一酸化炭素から
α炭素が3級に分岐した酸フロライドを合成し、該酸フ
ロライドとネオペンチルポリオールを反応させて得られ
るポリオールエステルが相溶性が良好であり、且つ飽和
吸湿量が低いことを見出し本発明に到達した。
【0007】即ち本発明は、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタン/ポリオールエステルが重量比9/1の混
合物の低温側分離温度が−70℃以下であり、また密閉
容器の中で温度30℃、相対湿度60%で30時間以上
放置後の飽和吸湿量が1000ppm以下であることを
特徴とする低吸湿量ポリオールエステル、およびフッ化
水素の存在下、二重結合にかかわる炭素原子の少なくと
も一方が第三級炭素原子である炭素数が4〜12である
モノオレフィンと一酸化炭素から一般式(I)で示され
る酸フロライドを合成し、該酸フロライドとネオペンチ
ルポリオールを反応させることにより得られる該ポリオ
ールエステルである。
【化2】 (R1 〜R3 は炭素数1〜13のアルキル基で、炭素数
4以上のものは全て1つ以上の枝分かれを持ち、R1
3 の合計炭素数が3〜23である。)
【発明の実施形態】
【0008】本発明のポリオールエステルは代替フロン
の潤滑油基油として用いられ、代替フロンとして最も一
般的な1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−1
34a)との低温側分離温度と、飽和吸湿量を規定して
いる。低温側分離温度は、実施例で示すように、ポリオ
ールエステルと冷媒(R−134a)を冷媒/ポリオー
ルエステルを重量比9/1で混合して常温で溶解し、徐
々に冷却した時のエステルと冷媒が分離する温度であ
る。また流動点はJISK−2269に、体積電気抵抗
率はJIS C−2269による方法で測定される。ま
たポリオールエステルの飽和吸湿量は、後述の実施例に
示すように、初期水分濃度が90ppmになるように水
分を調整したネオペンチルポリオールエステルを、ガラ
スビーカー(表面積22.9cm2 )に入れ、該ビーカー
を温度30℃、相対湿度60%に調整した密閉容器内に
置いて、一定時間毎にネオペンチルポリオールエステル
の水分を測定し、そのデータをプロットすることにより
得られる。
【0009】本発明のポリオールエステルの製造に用い
られる、二重結合にかかわる炭素原子の少なくとも一方
が第三級炭素原子である炭素数が4〜12であるモノオ
レフィンとしては、2−メチルプロペン、2−メチル−
1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、2−エチル
−1−ヘキセン、2−エチルヘキセン−2、2,4,4
−トリメチル−1−ペンテン、2,4,4−トリメチル
−2−ペンテン、2−メチル−1−ウンデセン等のモノ
オレフィンやこれらのオレフィンの異性体混合物が挙げ
られ、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンと2,
4,4−トリメチル−2−ペンテンの約7:3混合物で
ある市販品のジイソブチレン等を使用することもでき
る。
【0010】原料オレフィンとして二重結合にかかわる
炭素原子の少なくとも一方が第三級炭素原子である炭素
数が4〜12であるモノオレフィンを用いることによ
り、オレフィンに一酸化炭素が挿入される前に、オレフ
ィンが二量化する反応と、オレフィンのアルキル鎖が切
れる反応が同時に起こり、様々な炭素数を持つ脂肪酸フ
ロライドが得られ、また該脂肪酸残基は高度に分岐して
いるためエステル化して得られるエステルのハイドロフ
ルオロカーボン類との相溶範囲、特に低温側での相溶範
囲が広くなる。
【0011】また上述のように脂肪酸残基が高度に分岐
することにより、水分子の進入を立体的に妨害するため
ポリオールエステルの飽和吸湿量は従来のポリオールエ
ステルよりも低下し、吸湿速度も遅くなる。更に上記オ
レフィンを原料に用いることにより、上記一般式(1)
で示されるように酸フロライドのα炭素の殆ど全てが3
級に分岐するため、該酸フロライドより製造されるポリ
オールエステルは加水分解を極めて受けにくくなる。
【0012】本発明のポリオールエステル製造に使用さ
れるフッ化水素量は、使用するオレフィンに対し2倍モ
ル以上、5倍モル未満である。2倍モル未満にするとカ
ルボニル化反応速度が低下し副反応量が増加するので経
済的に有利とならない。また5倍モル以上用いることも
できるが、副反応量、反応速度および収率になんら影響
が無く、単に反応器の容積効率が悪く、また触媒のフッ
化水素の回収蒸留にも多量の熱量と時間を費やすことに
なり、経済的にも有利にならない。
【0013】オレフィンと一酸化炭素の反応温度は使用
されるオレフィンにより異なるが、一般に−50〜30
℃であり、好ましくは−40〜20℃である。反応温度
が低すぎると反応速度が低下し、また冷却の際に要する
エネルギーが大きくなるため経済的ではない。一方、反
応温度が30℃以上になると副反応量が増加する。
【0014】フッ化水素中でオレフィンと一酸化炭素の
反応圧力は、10〜100 kg/cm2G 以下であり、好ま
しくは10〜80 kg/cm2 G である。反応圧力が低い場
合には、中間体の酸フロライドの収率が低下する。しか
し圧力を100 kg/cm2 G より高くしても収率は殆ど変
わらず、設備費が高くなるので工業的に有利にならな
い。なお該反応圧力は高純度の一酸化炭素を用いた場合
であり、もし使用する一酸化炭素ガスに相当量の不活性
ガスが含まれる場合には、一酸化炭素の分圧が該反応圧
力となるように決定される。また反応に用いられる一酸
化炭素の量は、反応圧力により決定される。
【0015】本発明のポリオールエステル製造において
用いられるネオペンチルポリオールとしては、ネオペン
チルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等のヒンダードアルコールが挙げられる。特
に冷凍機油に用いられる高性能のネオペンチルポリオー
ルエステルを製造するためにネオペンチルグリコールが
好適である。これらのネオペンチルポリオールの使用量
は上記圧力でのカルボニル化反応において吸収された一
酸化炭素のモル数に対して1.0〜1.1モル倍(ネオ
ペンチルポリオールのOH基のモル数基準)とすること
が好ましい。ネオペンチルポリオールの使用量が少なす
ぎると未反応酸フロライドが残存することになる。ネオ
ペンチルポリオールの使用量が多すぎる場合にはモノエ
ステルが多量に生成する。
【0016】本発明のポリオールエステルの脂肪酸残基
は上述のように高度に分岐しているため、ネオペンチル
ポリオールの使用量が吸収された一酸化炭素のモル数に
対し1.1モル倍供給されても、得られたポリオールエ
ステルの飽和吸湿量と吸湿速度は1.0モル倍供給して
得られたポリオールエステルと殆ど差が見られない。し
かし、ネオペンチルポリオールの供給量を1.1モル倍
よりも少しずつ増加させていくと、徐々に飽和吸湿量と
吸湿速度の増加が見られるようになる。
【0017】エステル化の反応温度は、−50〜10
℃、好ましくは−30〜10℃であり、加圧または常圧
で反応が行われる。エステル化反応は、回分式でも連続
式でも行うことができるが、工業的に行う場合には連続
式が有利である。従来の脂肪酸と多価アルコールから生
成水を除去しながらエステルを製造する方法では、基本
的に回分式でしか実施できず、さらにα炭素の分岐度が
異なる数種の脂肪酸を多価アルコールと反応させる場合
には、分岐の度合いによって反応速度に差が生じるため
エステル化がうまく行われないこともあり、これらの点
においても本発明のネオペンチルポリオールエステル製
造法が有利である。
【0018】エステル化反応後、フッ化水素とポリオー
ルエステルの分離を工業的に行う場合には、飽和炭化水
素の還流下の蒸留によりフッ化水素を回収する方法が採
用される。蒸留によって回収されたフッ化水素はカルボ
ニル化反応器へ循環使用される。飽和炭化水素として
は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等
が用いられる。該飽和炭化水素はフッ化水素とポリオー
ルエステルの分解熱の供給と塔底でポリオールエステル
を希釈する役割を果たす。
【0019】得られたポリオールエステルは上記フッ化
水素回収蒸留の後、蒸留塔を用いて精留を行い、アルカ
リ洗浄により酸価を下げ、窒素バブリングなどで脱水す
ることにより精製ポリオールエステルが得られる。以上
の本発明の方法により製造された精製ポリオールエステ
ルは、次の実施例に示される如く、1,1,1,2−テ
トラフルオロエタン/ポリオールエステルが重量比9/
1の混合物の低温側分離温度が−70℃以下となる。ま
た上記方法により飽和吸湿量が1000ppm以下のポ
リオールエステルが得られ、特にカルボニル化反応にお
いて吸収された一酸化炭素のモル数に対して1.0〜
1.1モル倍(ネオペンチルポリオールのOH基のモル
数基準)のネオペンチルポリオールを用いることによ
り、飽和吸湿量が900ppm以下のポリオールエステ
ルが得られる。なお本発明のポリオールエステルは、従
来の潤滑油の添加剤として使用されている酸化防止剤、
摩耗防止剤、エポキシ化合物などの添加剤を必要に応じ
て添加して冷凍機油などに用いることができる。
【0020】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は、これらの実施例により限定される
ものではない。次の方法により、各実施例および比較例
において得られたエステルの耐加水分解試験を行い、結
果を表1に、R−134a(1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタン)との相溶性試験を行い、結果を表2に、
更に飽和吸湿量の測定を行い、結果を表3および図1に
示す。表1において試験後酸価は下記の耐加水分解試験
による28日間加熱後の該エステルの酸価である。
【0021】(耐加水分解試験)ガラス製試験管に、触
媒として鉄、銅、アルミニウム線各8cm、水分を10
00ppmに調整したエステル試料10g、冷媒(R−
134a、ダイキン工業製)2gを注入後密閉し、密閉
ガラス管を200℃、28日間加熱後の酸価を測定す
る。
【0022】(冷媒R−134aとの相溶性試験)試料
のエステル0.2g、冷媒(R−134a、ダイキン工
業製)1.8gをガラスチューブに入れ封管した。20
℃より1℃/分の割合で冷却又は加熱し低温側および高
温側での二相分離温度を測定した。
【0023】(飽和吸湿量の測定)試料のポリオールエ
ステルを初期水分濃度が90ppmになるように窒素バ
ブリングにより水分を調整し、ガラスビーカー(表面積
22.9cm2 )に入れ、該ビーカーを温度30℃、加湿
器により相対湿度60%に調整した密閉容器内に置いて
一定時間毎にポリオールエステルの水分を測定し、デー
タをグラフにプロットして飽和吸湿量を求めた。
【0024】実施例1 ナックドライブ式攪拌機と上部に3個の入口ノズル、底
部に1個の出口ノズルを備え、ジャケットにより内部温
度を制御できるステンレス製オートクレーブを用いてエ
ステルの製造を行った。まずオートクレーブの内部を一
酸化炭素で置換した後、フッ化水素100モル(200
0g)を導入し温度−30℃に冷却し、一酸化炭素で2
0 kg/cm2 まで加圧した。反応温度を−30℃に、かつ
反応圧力を20 kg/cm2 に保持するように一酸化炭素を
供給しながら、ジイソブチレン混合物(2,4,4−ト
リメチル−1−ペンテンと2,4,4−トリメチル−2
−ペンテンの約7:3混合物)28.6モル(3203
g)をオートクレーブの気相部より供給し酸フロライド
混合物の合成を行った。ジイソブチレン混合物供給終了
後、一酸化炭素の吸収が見られなくなるまで約20分間
攪拌を継続した。一酸化炭素の吸収量は、26.3モル
であった。オートクレーブ内の温度を−10℃とし圧力
を常圧まで落圧した後、反応で吸収された一酸化炭素と
等モル量(ネオペンチルグリコールのOH基のモル数基
準)のネオペンチルグリコールをオートクレーブへ供給
して2時間反応させた。反応液をフッ化水素回収蒸留塔
へ供給してフッ化水素を塔頂から、粗ネオペンチルポリ
オールエステルを塔底より回収した。塔底より回収され
た粗ネオペンチルポリオールエステルは蒸留塔を用いて
精留を行い、アルカリ洗浄により酸価を下げ、窒素バブ
リングで脱水して精製ネオペンチルポリオールエステル
を取得した。得られたネオペンチルポリオールエステル
の酸価は0.01mgKOH/g、水分は90ppmで
あった。また40℃の動粘度をウベローデ粘度計を用い
て測定したところ、72cstであった。
【0025】実施例2 実施例1においてネオペンチルグリコールを一酸化炭素
の吸収量に対し1.1モル倍供給してエステル化した以
外は、実施例1と同様の方法でネオペンチルポリオール
エステルを取得した。該エステルの40℃の動粘度をウ
ベローデ粘度計を用いて測定したところ、70cstで
あった。
【0026】実施例3 実施例1においてネオペンチルグリコールを一酸化炭素
の吸収量に対し1.3モル倍供給してエステル化した以
外は、実施例1と同様の方法でネオペンチルポリオール
エステルを取得した。該エステルの40℃の動粘度は、
68cstであった。
【0027】比較例1 1リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計、窒素吹
き込み管および冷却器付きの脱水管を取り付けた。ペン
タエリスリトール0.5モル(68g)と2−エチルヘ
キサン酸2.0モル(288g)を上記フラスコに取
り、窒素気流下240℃で10時間エステル化反応さ
せ、テトラエステルを取得した。該エステルの40℃の
動粘度は45cstであった。同様にしてペンタエリス
リトール0.5モル(68g)と3,5,5−トリメチ
ルヘキサン酸2.0モル(316g)を上記フラスコに
取ってエステル化し、テトラエステルを取得した。40
℃の動粘度は114cstであった。上記2種のテトラ
エステルを混合して40℃の動粘度を68cstに調整
し、更に酸価を0.01mgKOH/g、水分を90p
pmにした。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 低温側分離温度 高温側分離温度 動粘度(40℃) ℃ ℃ cst 実施例1 −71 70< 72 実施例2 −73 70< 70 実施例3 −73 70< 68 比較例1 −33 70< 68
【0030】
【表3】 水分測定値(ppm) 時間 0 5 10 15 20 25 30 飽和吸湿量 実施例1 90 398 630 770 831 850 850 850 実施例2 90 400 631 772 831 850 850 850 実施例3 90 421 657 800 870 910 910 910 比較例1 90 503 780 932 1010 1050 1050 1050
【0031】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、フッ化
水素の存在下、二重結合にかかわる炭素原子の少なくと
も一方が第三級炭素原子である炭素数が4〜12のモノ
オレフィンと一酸化炭素から酸フロライドを合成し、該
酸フロライドとネオペンチルポリオールを反応させるこ
とにより製造された本発明のポリオールエステルは、代
替フロンとの相溶性も良好であり、また極めて低い吸湿
性を有し、更に冷凍機油として使用するのに十分な耐加
水分解性を有する。従って本発明のポリオールエステル
は、冷凍機油などの潤滑油として極めて安定した優れた
性能を有しており、本発明の工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3および比較例1で得られたポリオ
ールエステルの水分測定値と測定時間の関係をプロット
したものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明のポリオールエステルは代替フロン
の潤滑油基油として用いられ、代替フロンとして最も一
般的な1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−1
34a)との低温側分離温度と、飽和吸湿量を規定して
いる。低温側分離温度は、実施例で示すように、ポリオ
ールエステルと冷媒(R−134a)を冷媒/ポリオー
ルエステルを重量比9/1で混合して常温で溶解し、徐
々に冷却した時のエステルと冷媒が分離する温度であ
る。またポリオールエステルの飽和吸湿量は、後述の実
施例に示すように、初期水分濃度が90ppmになるよ
うに水分を調整したネオペンチルポリオールエステル
を、ガラスビーカー(表面積22.9cm2 )に入れ、該
ビーカーを温度30℃、相対湿度60%に調整した密閉
容器内に置いて、一定時間毎にネオペンチルポリオール
エステルの水分を測定し、そのデータをプロットするこ
とにより得られる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来ポリオールエステルは、特開平5−
25484号および特開平5−70789号に記載され
るように、脂肪酸と多価アルコールを加熱下でエステル
化反応させることにより製造される。この反応は20
0℃以上の高温下で反応させても反応速度が遅いことは
知られており、工業的に製造する場合には、容量の大き
な反応器を使用する必要がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また上述のように脂肪酸残基が高度に分岐
することにより、水分子の進入を立体的に妨害するため
ポリオールエステルの飽和吸湿量は従来のポリオールエ
ステルよりも低下し、吸湿速度も遅くなる。更に上記オ
レフィンを原料に用いることにより、上記一般式(
で示されるように酸フロライドのα炭素の殆ど全てが3
級に分岐するため、該酸フロライドより製造されるポリ
オールエステルは加水分解を極めて受けにくくなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】得られたポリオールエステルは上記フッ化
水素回収蒸留の後、蒸留塔を用いて精留を行い、アルカ
リ洗浄により酸価を下げ、窒素バブリングなどで脱水す
ることにより精製ポリオールエステルが得られる。以上
の本発明の方法により製造された精製ポリオールエステ
ルは、次の実施例に示される如く、1,1,1,2−テ
トラフルオロエタン/ポリオールエステルが重量比9/
1の混合物の低温側分離温度が−70℃以下となる。ま
た上記方法により密閉容器の中で温度30℃、相対湿度
60%で30時間以上放置した後の飽和吸湿量が100
0ppm以下のポリオールエステルが得られ、特にカル
ボニル化反応において吸収された一酸化炭素のモル数に
対して1.0〜1.1モル倍(ネオペンチルポリオール
のOH基のモル数基準)のネオペンチルポリオールを用
いることにより、飽和吸湿量が900ppm以下のポ
リオールエステルが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09K 5/04 C09K 5/04 C10M 105/38 C10M 105/38 C10N 40:30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,1,1,2−テトラフルオロエタン/
    ポリオールエステルが重量比9/1の混合物の低温側分
    離温度が−70℃以下であり、また密閉容器の中で温度
    30℃、相対湿度60%で30時間以上放置した後の飽
    和吸湿量が1000ppm以下であることを特徴とする
    低吸湿量ポリオールエステル。
  2. 【請求項2】フッ化水素の存在下、二重結合にかかわる
    炭素原子の少なくとも一方が第三級炭素原子である炭素
    数が4〜12のモノオレフィンと一酸化炭素から一般式
    (I)で示される酸フロライドを合成し、該酸フロライ
    ドとネオペンチルポリオールを反応させて得られた請求
    項1記載のポリオールエステル。 【化1】 (R1 〜R3 は炭素数1〜13のアルキル基で、炭素数
    4以上のものは全て1つ以上の枝分かれを持ち、R1
    3 の合計炭素数が3〜23である。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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