JPH09156910A - 窒化アルミニウムの製造方法 - Google Patents
窒化アルミニウムの製造方法Info
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- JPH09156910A JPH09156910A JP31832795A JP31832795A JPH09156910A JP H09156910 A JPH09156910 A JP H09156910A JP 31832795 A JP31832795 A JP 31832795A JP 31832795 A JP31832795 A JP 31832795A JP H09156910 A JPH09156910 A JP H09156910A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 少ないエネルギーで短時間に純度の高い窒化
アルミニウムを合成することのできる窒化アルミニウム
の製造方法を提供する。 【解決手段】 窒素ガス(N2)を低入力のグロー放電
によってアルミニウムが蒸発しない低温プラズマ7と
し、その窒素低温プラズマ7中にホルダー4を介して試
料(アルミニウム材)10を保持する。
アルミニウムを合成することのできる窒化アルミニウム
の製造方法を提供する。 【解決手段】 窒素ガス(N2)を低入力のグロー放電
によってアルミニウムが蒸発しない低温プラズマ7と
し、その窒素低温プラズマ7中にホルダー4を介して試
料(アルミニウム材)10を保持する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は窒化アルミニウム
の製造方法に関し、特にアルミニウムを窒素グロー放電
低温プラズマ中の活性窒素と反応させて窒化アルミニウ
ムを製造する低温迅速合成方法による窒化アルミニウム
の製造方法に関する。
の製造方法に関し、特にアルミニウムを窒素グロー放電
低温プラズマ中の活性窒素と反応させて窒化アルミニウ
ムを製造する低温迅速合成方法による窒化アルミニウム
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の窒化アルミニウムの製造方法とし
ては、(1)アルミナとカーボンの混合粉末を窒素気流
中で1500〜1900℃程度で加熱、還元する方法、
(2)金属アルミニウムを加熱し、窒素またはアンモニ
ア雰囲気中で1500〜2000℃の高温で反応させる
方法、(3)アルミニウムのハロゲン化物をアンモニア
または窒素ガスと高温下で反応させる方法、(4)例え
ば特公平6−49566号公報に示すごとく、アーク状
または高温の熱プラズマフレームにより窒素を主成分と
する高温活性ガスを発生させ、高温活性ガスによって金
属アルミニウムを溶融・蒸発させて窒化アルミニウムの
粉末を得る方法、等がある。
ては、(1)アルミナとカーボンの混合粉末を窒素気流
中で1500〜1900℃程度で加熱、還元する方法、
(2)金属アルミニウムを加熱し、窒素またはアンモニ
ア雰囲気中で1500〜2000℃の高温で反応させる
方法、(3)アルミニウムのハロゲン化物をアンモニア
または窒素ガスと高温下で反応させる方法、(4)例え
ば特公平6−49566号公報に示すごとく、アーク状
または高温の熱プラズマフレームにより窒素を主成分と
する高温活性ガスを発生させ、高温活性ガスによって金
属アルミニウムを溶融・蒸発させて窒化アルミニウムの
粉末を得る方法、等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
(1)の方法は、工業的生産に好適で大量に製造できる
という長所があるが、合成粉末中に未反応のアルミナ、
カーボンの不純物が残留したり、未反応のカーボンを二
酸化炭素として除くための後処理で窒化アルミニウムが
酸化されるので、高純度な窒化アルミニウムが得られ
ず、また高温で長時間の処理を必要とするので、エネル
ギーコストが大きくなるという不具合があった。
(1)の方法は、工業的生産に好適で大量に製造できる
という長所があるが、合成粉末中に未反応のアルミナ、
カーボンの不純物が残留したり、未反応のカーボンを二
酸化炭素として除くための後処理で窒化アルミニウムが
酸化されるので、高純度な窒化アルミニウムが得られ
ず、また高温で長時間の処理を必要とするので、エネル
ギーコストが大きくなるという不具合があった。
【0004】(2)の方法は、金属アルミニウムを直接
窒化する方法なので、微粉であれば高純度に合成するこ
とができるが、粒径が少し大きくなると窒化に長時間を
要し、また、アルミニウムを溶融させてしまうと、表面
が窒化されるだけで反応が止まってしまうので、加熱方
法が難しく、さらに上記(1)と同様エネルギーコスト
が大きくなるという不具合があった。
窒化する方法なので、微粉であれば高純度に合成するこ
とができるが、粒径が少し大きくなると窒化に長時間を
要し、また、アルミニウムを溶融させてしまうと、表面
が窒化されるだけで反応が止まってしまうので、加熱方
法が難しく、さらに上記(1)と同様エネルギーコスト
が大きくなるという不具合があった。
【0005】(3)の方法は、未反応物やハロゲン化ア
ンモニウム等の副生成物が混入するので純度の面で劣
り、またアルミニウムのハロゲン化物は腐蝕性が大きい
ので、特別な反応容器を必要とするという不具合があっ
た。
ンモニウム等の副生成物が混入するので純度の面で劣
り、またアルミニウムのハロゲン化物は腐蝕性が大きい
ので、特別な反応容器を必要とするという不具合があっ
た。
【0006】(4)の方法は、窒素の超高温熱プラズマ
(例えば、低電圧・大電流の放電様式で発生させたアー
ク放電と呼ばれている熱プラズマ)を用いてアルミニウ
ムを溶融蒸発させ、冷却過程で窒化させて超微粒子を得
るものであり、高純度が得られる迅速合成法であるが、
上記(1),(2)と同様エネルギーコストが大きくな
り、しかも得られる生成物は粒径が1μm以下の微細粒
に限られるという不具合があった。
(例えば、低電圧・大電流の放電様式で発生させたアー
ク放電と呼ばれている熱プラズマ)を用いてアルミニウ
ムを溶融蒸発させ、冷却過程で窒化させて超微粒子を得
るものであり、高純度が得られる迅速合成法であるが、
上記(1),(2)と同様エネルギーコストが大きくな
り、しかも得られる生成物は粒径が1μm以下の微細粒
に限られるという不具合があった。
【0007】この発明は、上記のごとき従来の不具合に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、少な
いエネルギーコストで短時間に純度の高い窒化アルミニ
ウムを合成することのできる窒化アルミニウムの製造方
法を提供することにある。
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、少な
いエネルギーコストで短時間に純度の高い窒化アルミニ
ウムを合成することのできる窒化アルミニウムの製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の窒化アルミニウムの製造方法は、
窒素ガスを低入力のグロー放電によってアルミニウムが
蒸発しない低温プラズマとし、その窒素低温プラズマ中
にアルミニウム材を保持することを特徴とする。
め、請求項1に記載の窒化アルミニウムの製造方法は、
窒素ガスを低入力のグロー放電によってアルミニウムが
蒸発しない低温プラズマとし、その窒素低温プラズマ中
にアルミニウム材を保持することを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載の窒化アルミニウム
の製造方法は、アルミニウム材を水素またはアルゴンの
グロー放電プラズマ中に保持した後、請求項1に記載の
窒素低温プラズマ中に保持することを特徴とする。
の製造方法は、アルミニウム材を水素またはアルゴンの
グロー放電プラズマ中に保持した後、請求項1に記載の
窒素低温プラズマ中に保持することを特徴とする。
【0010】また、請求項3に記載の窒化アルミニウム
の製造方法は、請求項1または2に記載の窒化アルミニ
ウムの製造方法であって、アルミニウム材の形態が任意
の粒径の粉末もしくはその成形体、薄膜、線、塊のいず
れかであることを特徴とする。
の製造方法は、請求項1または2に記載の窒化アルミニ
ウムの製造方法であって、アルミニウム材の形態が任意
の粒径の粉末もしくはその成形体、薄膜、線、塊のいず
れかであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【0012】図1は本発明に係る窒化アルミニウムの製
造方法おいて使用される装置の概略構成図である。
造方法おいて使用される装置の概略構成図である。
【0013】まず、構成を説明すると、上方には水素
(H2)または窒素ガス(N2)の供給口2が設けられ
るとともに、供給口2の下方には石英管1が設けられ、
石英管1は冷却水(図示せず)によって冷却されるよう
構成されている。
(H2)または窒素ガス(N2)の供給口2が設けられ
るとともに、供給口2の下方には石英管1が設けられ、
石英管1は冷却水(図示せず)によって冷却されるよう
構成されている。
【0014】石英管1の周囲には銅管製の誘導コイル5
が巻回され、R.F.発振器6から供給される高周波
(例えば4MHz)により、石英管1内にプラズマ7を
発生させるようになっている。
が巻回され、R.F.発振器6から供給される高周波
(例えば4MHz)により、石英管1内にプラズマ7を
発生させるようになっている。
【0015】石英管1の下方には、反応容器8が設けら
れるとともに、反応容器8にはパイプ9で連結された真
空ポンプ3が設けられ、反応容器8内は真空ポンプ3に
よって50Pa程度まで減圧できるようになっている。
なお、11はピラニ真空計で、反応容器8内の圧力を測
定する。
れるとともに、反応容器8にはパイプ9で連結された真
空ポンプ3が設けられ、反応容器8内は真空ポンプ3に
よって50Pa程度まで減圧できるようになっている。
なお、11はピラニ真空計で、反応容器8内の圧力を測
定する。
【0016】反応容器8の下部からは、反応容器8内を
上下動するセラミックス製の水冷されたホルダー4が立
設されており、ホルダー4上には被処理物たる試料10
が載置されて、ホルダー4の上下動により試料10をプ
ラズマ7の発生部分まで移動できるよう構成されてい
る。
上下動するセラミックス製の水冷されたホルダー4が立
設されており、ホルダー4上には被処理物たる試料10
が載置されて、ホルダー4の上下動により試料10をプ
ラズマ7の発生部分まで移動できるよう構成されてい
る。
【0017】このような構成において、誘導コイル5に
高周波電流を流して石英管1内に高周波誘導作用により
プラズマ7を発生させるが、このとき減圧下で低温のグ
ロー放電プラズマになるようにプレート出力を調整す
る。
高周波電流を流して石英管1内に高周波誘導作用により
プラズマ7を発生させるが、このとき減圧下で低温のグ
ロー放電プラズマになるようにプレート出力を調整す
る。
【0018】このような低圧低温のグロー放電プラズマ
の発生は、例えば周波数4MHzや13.5MHzの高
周波、さらに周波数の高いマイクロ波(例えば2450
MHz)によるグロー放電、或いは、2枚の対向電極間
の直流または高周波を含む交流によるグロー放電により
発生させることができる。
の発生は、例えば周波数4MHzや13.5MHzの高
周波、さらに周波数の高いマイクロ波(例えば2450
MHz)によるグロー放電、或いは、2枚の対向電極間
の直流または高周波を含む交流によるグロー放電により
発生させることができる。
【0019】窒素ガスの圧力と、窒素ガスの流量、およ
びプレート入力を調整して発生させた低圧低温グロー放
電の下で、窒素は励起窒素分子、原子状窒素、窒素イオ
ンの状態の活性窒素となり、アルミニウム材とプラズマ
中の活性窒素とが急速に反応し、極めて短時間で窒化ア
ルミニウムを生成する。
びプレート入力を調整して発生させた低圧低温グロー放
電の下で、窒素は励起窒素分子、原子状窒素、窒素イオ
ンの状態の活性窒素となり、アルミニウム材とプラズマ
中の活性窒素とが急速に反応し、極めて短時間で窒化ア
ルミニウムを生成する。
【0020】なお、このとき、プラズマへの入力を高め
て、より強力な放電プラズマを形成させると、アルミニ
ウムが速やかに溶融してしまい、反って窒化反応は進行
しない。
て、より強力な放電プラズマを形成させると、アルミニ
ウムが速やかに溶融してしまい、反って窒化反応は進行
しない。
【0021】窒化が進行する状況は、初期段階ではアル
ミニウムのバルク体や粉末成形体の表面にごく薄い窒化
膜が生成し、ついで全体の体積膨脹と温度上昇を伴いな
がら一気に窒化が進行する。この時間は、約数分間であ
る。この過程では、アルミニウム材が融解して薄膜を破
って溶融体になり拡がってしまうと、窒化の進行は止ま
ってしまう。全体が膨脹しつつ、ほぼ原型を保つ状態で
活性窒素がアルミニウム材の表面の窒化薄膜を通して、
或いはその欠陥を通して内部のアルミニウムに供給さ
れ、急激な発熱を伴いながら全体が窒化されて一気に反
応が進行する。
ミニウムのバルク体や粉末成形体の表面にごく薄い窒化
膜が生成し、ついで全体の体積膨脹と温度上昇を伴いな
がら一気に窒化が進行する。この時間は、約数分間であ
る。この過程では、アルミニウム材が融解して薄膜を破
って溶融体になり拡がってしまうと、窒化の進行は止ま
ってしまう。全体が膨脹しつつ、ほぼ原型を保つ状態で
活性窒素がアルミニウム材の表面の窒化薄膜を通して、
或いはその欠陥を通して内部のアルミニウムに供給さ
れ、急激な発熱を伴いながら全体が窒化されて一気に反
応が進行する。
【0022】生成された窒化アルミニウムの構造は、柱
状またはウイスカー(髭)状またはデンドライト(樹
枝)状に成長する場合が多い。その欠陥部から活性窒素
が供給されて、質量の大きいアルミニウム材であっても
深部まで窒化が急速に進行するものと考えられる。この
反応は、一種の燃焼合成反応ということができる。
状またはウイスカー(髭)状またはデンドライト(樹
枝)状に成長する場合が多い。その欠陥部から活性窒素
が供給されて、質量の大きいアルミニウム材であっても
深部まで窒化が急速に進行するものと考えられる。この
反応は、一種の燃焼合成反応ということができる。
【0023】窒化されるアルミニウム材は、粉末状もし
くはその成形体、シート状、線状、塊状のものでも可能
であり、複数を積み重ねても処理することができる。
くはその成形体、シート状、線状、塊状のものでも可能
であり、複数を積み重ねても処理することができる。
【0024】窒化用のアルミニウム材は、アルミニウム
の表面が薄い酸化物層で覆われているので、粉末やその
圧粉体の場合は、同じ重さのアルミニウムブロックと比
較すると酸素の量が多いので、インゴットを用いる方が
酸素含有量の点で有利である。このように、形状の大き
いサイズのアルミニウム材から高純度の窒化アルミニウ
ムを得ることがができるという特長が挙げられる。
の表面が薄い酸化物層で覆われているので、粉末やその
圧粉体の場合は、同じ重さのアルミニウムブロックと比
較すると酸素の量が多いので、インゴットを用いる方が
酸素含有量の点で有利である。このように、形状の大き
いサイズのアルミニウム材から高純度の窒化アルミニウ
ムを得ることがができるという特長が挙げられる。
【0025】窒素グロー放電プラズマの中で窒化反応が
最も速い望ましい部位は、図1に示した装置において
は、誘導コイル5の下端より上方に約1cmのプラズマ
7内で、最も良好な反応状態を示す。プラズマ7への入
力を若干大きくした場合は、コイル5の下端より下方の
適当な位置で同様な結果が得られる。
最も速い望ましい部位は、図1に示した装置において
は、誘導コイル5の下端より上方に約1cmのプラズマ
7内で、最も良好な反応状態を示す。プラズマ7への入
力を若干大きくした場合は、コイル5の下端より下方の
適当な位置で同様な結果が得られる。
【0026】また、窒化処理の際に、比較的大きな角状
をしたアルミニウム材を反応容器8内の平板状ホルダー
4の上面に載置すると、ホルダー上面の中央部の窒化が
不完全になる場合があるので、アルミニウム材の全面が
活性窒素でさらされるように、ホルダー上面に凹凸を設
けるなどの処置を施しておくとか、上面に網目状の篭を
備えたホルダーを用いることが望ましい。
をしたアルミニウム材を反応容器8内の平板状ホルダー
4の上面に載置すると、ホルダー上面の中央部の窒化が
不完全になる場合があるので、アルミニウム材の全面が
活性窒素でさらされるように、ホルダー上面に凹凸を設
けるなどの処置を施しておくとか、上面に網目状の篭を
備えたホルダーを用いることが望ましい。
【0027】つぎに、上記のごとき窒化処理を行う前
に、水素やアルゴンの低圧低温グロー放電プラズマ中に
アルミニウム材を保持すると、窒素グロー放電プラズマ
による窒化反応速度は著しく向上する。保持時間は約5
分間程度で効果が得られる。この前処理は、表面の酸化
物の除去のほかに、特に水素処理の場合は、(200)
面の配向が著しくなり、微細な表面形態の変化が認めら
れ、表面積が増大している。
に、水素やアルゴンの低圧低温グロー放電プラズマ中に
アルミニウム材を保持すると、窒素グロー放電プラズマ
による窒化反応速度は著しく向上する。保持時間は約5
分間程度で効果が得られる。この前処理は、表面の酸化
物の除去のほかに、特に水素処理の場合は、(200)
面の配向が著しくなり、微細な表面形態の変化が認めら
れ、表面積が増大している。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に具体的に説明する。
に具体的に説明する。
【0029】10mm角で厚さが0.5mmの板状アル
ミニウムを試料とし、図1に示す装置で窒化処理を行っ
た。この装置は、周波数4KHzの高周波電流を出力
し、最大10KWの出力を備えている。
ミニウムを試料とし、図1に示す装置で窒化処理を行っ
た。この装置は、周波数4KHzの高周波電流を出力
し、最大10KWの出力を備えている。
【0030】実施例の処理条件は、電源プレート出力を
1.85KWとし、系内の初期圧力は75Pa、使用ガ
スは純度99.99%の窒素ガスである。試料位置は、
誘導コイル5の下端より上方に約1cmの位置で、処理
時間20分の経過過程における試料下部の温度および系
内の圧力の変化を図2に示す。
1.85KWとし、系内の初期圧力は75Pa、使用ガ
スは純度99.99%の窒素ガスである。試料位置は、
誘導コイル5の下端より上方に約1cmの位置で、処理
時間20分の経過過程における試料下部の温度および系
内の圧力の変化を図2に示す。
【0031】同図に示すごとく、試料が低温グロー放電
プラズマ中にさらされると、約5分間で約900℃まで
急激に温度上昇し、それ以降は約750℃程度の温度を
維持する温度パターンになっている。また、系内の圧力
は、温度の上昇と反対に、圧力低下したのち、元の圧力
に復帰するパターンである。
プラズマ中にさらされると、約5分間で約900℃まで
急激に温度上昇し、それ以降は約750℃程度の温度を
維持する温度パターンになっている。また、系内の圧力
は、温度の上昇と反対に、圧力低下したのち、元の圧力
に復帰するパターンである。
【0032】温度上昇は一種の燃焼反応をしていること
を示しており、各処理時間ごとに取り出した試料の窒化
量を化学分析すると、最高温度に達した6分経過時に窒
化は完了しており、以降は余熱であることが判った。系
内圧力が低下するのは、窒素ガスの供給量以上に急激な
窒化反応による活性窒素の消費によるものである。
を示しており、各処理時間ごとに取り出した試料の窒化
量を化学分析すると、最高温度に達した6分経過時に窒
化は完了しており、以降は余熱であることが判った。系
内圧力が低下するのは、窒素ガスの供給量以上に急激な
窒化反応による活性窒素の消費によるものである。
【0033】次に、前記と同様の試料を用い、水素グロ
ー放電プラズマによる前処理を施したものと、前処理を
行わないものを同様に窒化処理をしたときの試料下部温
度のパターン比較結果を図3に示す。
ー放電プラズマによる前処理を施したものと、前処理を
行わないものを同様に窒化処理をしたときの試料下部温
度のパターン比較結果を図3に示す。
【0034】前処理は、プレート出力1.85KW、使
用したガスは純度99.99%の水素ガス、系内圧力は
15〜50Paであり、試料位置は誘導コイル5の下端
より下方に約1cmの位置とした。
用したガスは純度99.99%の水素ガス、系内圧力は
15〜50Paであり、試料位置は誘導コイル5の下端
より下方に約1cmの位置とした。
【0035】前処理された試料の表面を電子顕微鏡で観
察すると、しわ状の小さな凹凸が沢山認められた。図3
のように、前処理された試料の温度上昇が著しく速く、
最高温度に達した後の2分経過時で窒化が完了してい
た。
察すると、しわ状の小さな凹凸が沢山認められた。図3
のように、前処理された試料の温度上昇が著しく速く、
最高温度に達した後の2分経過時で窒化が完了してい
た。
【0036】前処理のガスをアルゴンにした場合は、表
面の凹凸が水素を用いた場合より少なく、最高温度に達
する時間は約3分であった。
面の凹凸が水素を用いた場合より少なく、最高温度に達
する時間は約3分であった。
【0037】試料を直径6.2mmで高さ5.5mmの
形状のアルミニウム圧粉体、10mm角で4mm厚さの
形状の溶製アルミニウムを処理しても同様な結果であっ
た。
形状のアルミニウム圧粉体、10mm角で4mm厚さの
形状の溶製アルミニウムを処理しても同様な結果であっ
た。
【0038】製造された窒化アルミニウムは、体積膨脹
しており、断面を電子顕微鏡で観察すると、太さが約1
μm程度の繊維状生成物の集合体になっており、容易に
破砕することができた。
しており、断面を電子顕微鏡で観察すると、太さが約1
μm程度の繊維状生成物の集合体になっており、容易に
破砕することができた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る窒化
アルミニウムの製造方法では、以下の効果を奏する。
アルミニウムの製造方法では、以下の効果を奏する。
【0040】(ア)700〜800℃程度の低温雰囲気
で数分間で窒化が可能となり、従来に比して窒化時間を
短縮できる。
で数分間で窒化が可能となり、従来に比して窒化時間を
短縮できる。
【0041】(イ)グロー放電プラズマを利用するので
消費電力を低減でき、従来のアーク放電方式に比してエ
ネルギーコストを低減できる。また、発熱反応を利用す
るので、その点でもエネルギーコストを低減できる。
消費電力を低減でき、従来のアーク放電方式に比してエ
ネルギーコストを低減できる。また、発熱反応を利用す
るので、その点でもエネルギーコストを低減できる。
【0042】(ウ)高純度な窒化アルミニウムを得るこ
とができる。
とができる。
【0043】(エ)比較的大きなアルミニウムブロック
を用いることができ、得られる窒化アルミニウムのブロ
ックは破砕が容易である。
を用いることができ、得られる窒化アルミニウムのブロ
ックは破砕が容易である。
【図1】本発明に係る窒化アルミニウムの製造方法で使
用されるプラズマ窒化処理装置の全体構成図。
用されるプラズマ窒化処理装置の全体構成図。
【図2】アルミニウム材の窒化処理における試料温度と
系内圧力の経時パターンを示すグラフ。
系内圧力の経時パターンを示すグラフ。
【図3】アルミニウム材の前処理有無について窒化処理
による試料温度の経時パターンを比較するグラフ。
による試料温度の経時パターンを比較するグラフ。
1 石英管 2 ガス供給口 3 真空ポンプ 4 ホルダー 5 誘導コイル 6 R.F.発振器 7 プラズマ 8 反応容器 9 パイプ 10 試料 11 ピラニ真空計
Claims (3)
- 【請求項1】 窒素ガスを低入力のグロー放電によって
アルミニウムが蒸発しない低温プラズマとし、その窒素
低温プラズマ中にアルミニウム材を保持することを特徴
とする窒化アルミニウムの製造方法。 - 【請求項2】 アルミニウム材を水素またはアルゴンの
グロー放電プラズマ中に保持した後、請求項1に記載の
窒素低温プラズマ中に保持することを特徴とする窒化ア
ルミニウムの製造方法。 - 【請求項3】 アルミニウム材の形態が任意の粒径の粉
末もしくはその成形体、薄膜、線、塊のいずれかである
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化
アルミニウムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31832795A JP3444387B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 窒化アルミニウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31832795A JP3444387B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 窒化アルミニウムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09156910A true JPH09156910A (ja) | 1997-06-17 |
JP3444387B2 JP3444387B2 (ja) | 2003-09-08 |
Family
ID=18097944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31832795A Expired - Fee Related JP3444387B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 窒化アルミニウムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3444387B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012041254A (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | Tohoku Univ | 窒化アルミニウムワイヤー、窒化アルミニウムワイヤーの製造方法、及び窒化アルミニウムワイヤーの製造装置 |
JP2012041253A (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | Tohoku Univ | 窒化アルミニウム系粒子、窒化アルミニウム系粒子の製造方法、及び窒化アルミニウム系粒子の製造装置 |
CN103432976A (zh) * | 2013-07-31 | 2013-12-11 | 大连理工大学 | 合成完全晶化纳米粉体的大气压滑弧放电等离子体反应器 |
KR101395578B1 (ko) * | 2012-09-04 | 2014-05-19 | 한국세라믹기술원 | 질화알루미늄 분말 제조용 열 플라즈마 장치 |
-
1995
- 1995-12-06 JP JP31832795A patent/JP3444387B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN103432976A (zh) * | 2013-07-31 | 2013-12-11 | 大连理工大学 | 合成完全晶化纳米粉体的大气压滑弧放电等离子体反应器 |
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JP3444387B2 (ja) | 2003-09-08 |
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