JPH0817801A - ダイヤモンド薄膜のecrプラズマエッチング方法 - Google Patents

ダイヤモンド薄膜のecrプラズマエッチング方法

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JPH0817801A
JPH0817801A JP6147947A JP14794794A JPH0817801A JP H0817801 A JPH0817801 A JP H0817801A JP 6147947 A JP6147947 A JP 6147947A JP 14794794 A JP14794794 A JP 14794794A JP H0817801 A JPH0817801 A JP H0817801A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイヤモンド薄膜をそのエッチング面が突起
を生じることなく平滑にエッチングすることができると
ともに、エッチング速度に関しその再現性や制御性が良
いECRプラズマエッチング処理を行えるようにするこ
と。 【構成】 真空容器内に印加する磁場としてミラー磁場
を形成し、試料基板にバイアス電圧を印加するとともに
冷却を施し、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガスと
の混合ガスでその酸素ガス濃度範囲が 2〜20vol %であ
る混合ガスを用い、反応ガス圧力が10mTorr 以下、マイ
クロ波パワー面密度が2.0W/cm2以下にて試料基板上のダ
イヤモンド薄膜をエッチング処理する、もしくは、反応
ガスとして酸素ガス単体、あるいは酸素ガスとアルゴン
ガスとの混合ガスでその酸素ガス濃度範囲が20vol %超
えである混合ガスを用い、反応ガス圧力が10〜50mTorr
、マイクロ波パワー面密度が5.0W/cm2以下にて前記ダ
イヤ薄膜をエッチング処理する。前記磁場として発散磁
場を用いるようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ダイヤモン
ド薄膜を用いた電界効果トランジスタ等の半導体ダイヤ
モンド電子デバイスの作製工程においてダイヤモンド薄
膜をエッチングするのに適用されるエッチング方法に関
するものであり、磁場とマイクロ波により発生する電場
とによって起こる電子サイクロトロン共鳴(ECR:El
ectronCyclotron Resonance)現象を利用して反応ガス
をプラズマ化し、生成されたプラズマ中のイオンを真空
容器内に配置された試料基板に照射してその試料基板上
のダイヤモンド薄膜をエッチング処理するダイヤモンド
薄膜のECRプラズマエッチング方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、その硬度が高く、耐熱
性、耐薬品性、耐放射線性等に優れており、電気的には
優れた絶縁体でありながら、半導体化することが可能で
あり、そのバンドギャップが約5.4eVと大きいこと
から高温半導体としての応用が期待されている。また、
紫外から可視、赤外線の広い領域にわたって光学的に透
明であり、光学窓等への応用が検討されている。
【0003】このような優れた特性を持つダイヤモンド
の薄膜をプラズマ反応を利用して比較的容易に気相合成
できる方法が、1980年代前半に確立された。また、
バルクダイヤモンドと同様に、ホウ素(B)などの不純
物のドーピングにより、ダイヤモンド薄膜を半導体化で
きることが報告されている。そして、前述したような高
い機能性材料としてのダイヤモンド薄膜が持つポテンシ
ャルに鑑みて、ダイヤモンド薄膜をコーティングした超
硬工具、スピーカ振動板へのコーティング、半導体デバ
イス用のヒートシンク、ダイオードやトランジスタ等の
電子デバイスの開発が進められている。特に電子材料分
野において、半導体ダイヤモンド電子デバイスを作製す
るための微細加工要素技術の一つとして、ダイヤモンド
薄膜のエッチング技術が重要になってきている。
【0004】前記したようにECRプラズマエッチング
方法は、磁場とマイクロ波により発生する電場とによっ
て起こる電子サイクロトロン共鳴現象を利用して反応ガ
スをプラズマ化し、生成されたプラズマ中のイオンを真
空容器内に配置された試料基板に照射してその試料基板
をエッチング処理するようにしたものである。周知のよ
うに、低ガス圧状態でガスを導入し、磁場を印加しマイ
クロ波パワーを供給してプラズマを生成すると、プラズ
マ中の電子は、磁場によるローレンツ力によって磁力線
に沿ってその磁力線に巻きつくように円運動する。その
円運動の周波数とマイクロ波の周波数とを一致させるよ
うに磁場強さを調整すると、共鳴吸収により、マイクロ
波のエネルギーが電子の運動エネルギーに効率よく変換
される。これが電子サイクロトロン共鳴であり、電子は
ガス分子に衝突して電離させ、次々とイオンと電子を発
生させ、プラズマ密度を増加させる。このような共鳴状
態にプラズマを保つと、電子衝突の促進により、10-4
Torr(1Torr=約133Pa)の低圧でも放電
が可能になる。このような低圧プラズマを用いると、イ
オンの平均自由行程が長くなるため、異方性の強いエッ
チングが可能となり、1μm以下の微細なパターンもエ
ッチングすることが可能となっている。マイクロ波とし
ては、通常、工業周波数である2.45GHzのものが
よく使用されるので、真空容器内の適当な領域でECR
条件を満たす磁場875Gsが発生するように磁場が印
加されるようになっている。
【0005】さて、技術文献「S.A.Grot el al,Appl.Ph
ys.Lett.,Vol.61,No.19(1992),p.2326. 」では、磁場と
して発散磁場を用いたECRプラズマエッチングにより
単結晶ダイヤモンド薄膜をエッチングするようにした方
法が開示されている(従来技術1)。
【0006】図5は前記従来技術1の方法の実施に用い
られたECRプラズマエッチング装置の構成を示す図で
ある。図5に示すように、このECRプラズマエッチン
グ装置は、真空容器51の外周まわりに一対をなす磁気
コイル52a,52bを比較的長い距離隔てて同軸状に
配置したものである。そして、真空容器51内において
試料基板Sを、マイクロ波導入側とは反対側に位置する
図における右側の磁気コイル52bより外側位置(図に
おける右側位置)に配置し、マイクロ波導入側から前記
試料基板S方向に徐々に磁場強度が減少する発散磁場に
よりプラズマ流として電子とともにイオンを試料基板S
へ輸送し、その発散するイオン流により試料基板S上の
単結晶ダイヤモンド薄膜をエッチングするようにしてい
る。
【0007】この従来技術1では、反応ガスとして酸素
ガスを用いた場合にはエッチング速度が200〜170
0Å/min(20〜170nm/min)の範囲にば
らつくため、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガスと
の混合ガス(酸素ガス濃度:12.9vol%)を用
い、反応ガス圧力が3.1mTorr、マイクロ波パワ
ーが1000Wにて単結晶ダイヤモンド薄膜のエッチン
グを行い、これによりエッチング速度が約86Å/mi
nでそのばらつきが約±20%以下になるようにしてエ
ッチング速度の再現性を向上させるようにしている。
【0008】技術文献「S.J.Pearton et al.,Electroni
cs letters 23rd April 1992,Vol.28,No.9,p.822. 」で
は、反応ガスとして酸素ガスのみを用いたECRプラズ
マエッチングにより多結晶ダイヤモンド薄膜をエッチン
グするようにした方法が開示されている(従来技術
2)。
【0009】この従来技術2では、反応ガスとして酸素
ガスのみを用い、試料基板を載置する基板ホルダー(試
料台)に直流バイアス電圧を0〜−300Vの範囲で印
加することにより、エッチング速度の向上とその制御が
可能なことが示されている。そしてまた、酸素ガス圧力
を30mTorrまで高めることにより、約4000Å
/minという高いエッチング速度が得られている。
【0010】技術文献「S.Shikata et al.,2nd Interna
tional conference on the Application of diamond fi
lms and Related Materials,p.377,(1993)」では、反応
ガスとして酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを用い
た反応性イオンエッチング法によりダイヤモンド薄膜を
エッチングするようにした方法が開示されている(従来
技術3)。
【0011】この従来技術3では、前記混合ガスの酸素
ガス濃度が5vol%以上の場合には、ダイヤモンド薄
膜のエッチング面の表面粗さが増大すること、突起のな
い平滑なエッチング面が得られる酸素ガス濃度が1vo
l%以下の条件では、エッチング速度が150Å/mi
n以下となったことが示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術1で
は、ダイヤモンド薄膜をECRプラズマエッチングする
に際し、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガスとの混
合ガス(酸素ガス濃度:12.9vol%)を用いるこ
とでエッチング速度の再現性を向上させるようになされ
ているが、これはエッチング速度が約86Å/min程
度と小さい領域でのことであり、また、試料基板の冷却
が考慮されておらずエッチング中に基板温度が250℃
程度まで上昇するため、エッチング速度に約±20%程
度のばらつきが生じ、エッチング速度の再現性が十分で
はない。なお、図5に示す装置によると、一対をなす磁
気コイルを比較的長い距離隔てて配置し、その一対をな
す磁気コイルによる発散磁場を用いるようにしているの
で、磁場の発散によるプラズマ流の広がり十分でなく、
試料基板面におけるエッチング速度の面内均一性(エッ
チング処理の均一性)が悪いという不具合もある。
【0013】従来技術2では、ダイヤモンド薄膜をEC
Rプラズマエッチングするに際し、エッチング速度が、
バイアス電圧を例えば300V程度の範囲で変化させた
ときにそのバイアス電圧に対して直線的に増大せず、負
の約100Vまでの低バイアス電圧領域においてバイア
ス電圧の増加に対して急激に増大するため、エッチング
速度を精密に制御することが困難であった。
【0014】従来技術3では、反応ガスとして酸素ガス
とアルゴンガスとの混合ガスを用いた反応性イオンエッ
チング法によりダイヤモンド薄膜をエッチングするに際
し、前記混合ガスの酸素ガス濃度が1vol%以下では
突起が生じない平滑なエッチング面が得られているが、
そのときのエッチング速度は150Å/min程度以下
であり、低エッチング速度領域の一部においてダイヤモ
ンド薄膜をそのエッチング面が表面荒れによる突起を生
じることなく平滑にエッチング処理し得るエッチング条
件しか見出されていない。
【0015】一方、従来、真空容器内に印加する磁場と
してミラー磁場(mirror磁場)を用いたECRプラズマ
を生成させて、ポリシリコンのECRプラズマエッチン
グを行う方法が提案されている(特開平5−26699
2号公報)。周知のように、ミラー磁場は、一対をなす
磁気コイルを所定距離隔てて同軸状に配置して同一方向
に直流励磁電流を流したときに形成される磁場であっ
て、その磁場分布(磁界強度分布)が両端の磁気コイル
付近では強く、両磁気コイルの中心軸線方向における中
央部では弱くなるというものである。磁場としてこのよ
うなミラー磁場を形成し、このミラー磁場の中央部付近
に試料基板を配置してECRプラズマエッチングを行う
ことにより、イオンが試料基板面全体にわたって垂直入
射し、試料基板面全体にわたって垂直エッチングできる
ことが知られている。そこで、このような利点を有する
ミラー磁場を用いたECRプラズマエッチングによりダ
イヤモンド薄膜をそのエッチング面が突起を生じること
なく平滑にエッチング処理し得るようにすることも要請
されている。エッチング面が突起を生じて平滑でない
と、作製された半導体ダイヤモンド電子デバイスの性能
が悪くなるという不具合がある。
【0016】そこでこの発明の目的は、磁場とマイクロ
波により発生する電場とによって起こる電子サイクロト
ロン共鳴現象を利用して反応ガスをプラズマ化し、生成
されたプラズマ中のイオンを試料基板に照射してその試
料基板上のダイヤモンド薄膜をエッチング処理するに際
し、真空容器内に印加する磁場としてミラー磁場又は発
散磁場を用いた場合において、ダイヤモンド薄膜をその
エッチング面が表面荒れによる突起を生じることなく平
滑にエッチング処理することができるとともに、エッチ
ング速度に関しその再現性や制御性が良いエッチング処
理を行うことができるダイヤモンド薄膜のECRプラズ
マエッチング方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、磁場
を印加した真空容器内に反応ガスを導入するとともにマ
イクロ波導入窓からマイクロ波を導入し、前記磁場とマ
イクロ波により発生する電場とによって起こる電子サイ
クロトロン共鳴(ECR)現象を利用して反応ガスをプ
ラズマ化し、生成されたプラズマ中のイオンを真空容器
内に配置された試料基板に照射してその試料基板上のダ
イヤモンド薄膜をエッチング処理するダイヤモンド薄膜
のECRプラズマエッチング方法において、前記真空容
器内に印加する前記磁場としてミラー磁場を形成し、こ
のミラー磁場の中央部付近に前記試料基板を配置し、そ
の試料基板にバイアス電圧を印加するとともに冷却を施
し、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガ
スでその酸素ガス濃度範囲が2〜20vol%である混
合ガスを用い、反応ガス圧力が10mTorr以下、マ
イクロ波パワー面密度が2.0W/cm2 以下にて前記
ダイヤモンド薄膜をエッチング処理すること、もしく
は、反応ガスとして酸素ガス単体、あるいは酸素ガスと
アルゴンガスとの混合ガスでその酸素ガス濃度範囲が2
0vol%超えである混合ガスを用い、反応ガス圧力が
10〜50mTorr、マイクロ波パワー面密度が5.
0W/cm2 以下にて前記ダイヤモンド薄膜をエッチン
グ処理することを特徴とするものである。
【0018】請求項2の発明は、磁場を印加した真空容
器内に反応ガスを導入するとともにマイクロ波導入窓か
らマイクロ波を導入し、前記磁場とマイクロ波により発
生する電場とによって起こる電子サイクロトロン共鳴
(ECR)現象を利用して反応ガスをプラズマ化し、生
成されたプラズマ中のイオンを真空容器内に配置された
試料基板に照射してその試料基板上のダイヤモンド薄膜
をエッチング処理するダイヤモンド薄膜のECRプラズ
マエッチング方法において、前記真空容器内に印加する
前記磁場として発散磁場を形成し、前記試料基板にバイ
アス電圧を印加するとともに冷却を施し、反応ガスとし
て酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスでその酸素ガス
濃度範囲が2〜20vol%である混合ガスを用い、反
応ガス圧力が10mTorr以下、マイクロ波パワー面
密度が2.0W/cm2 以下にて前記ダイヤモンド薄膜
をエッチング処理すること、もしくは、反応ガスとして
酸素ガス単体、あるいは酸素ガスとアルゴンガスとの混
合ガスでその酸素ガス濃度範囲が20vol%超えであ
る混合ガスを用い、反応ガス圧力が10〜50mTor
r、マイクロ波パワー面密度が5.0W/cm2 以下に
て前記ダイヤモンド薄膜をエッチング処理することを特
徴とするものである。
【0019】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、前記試料基板に印加する前記基板バイ
アスは、高周波バイアスの場合には、その出力が10〜
500W、周波数が100〜700kHzであり、直流
電圧バイアスの場合には、その電圧が−10〜−500
Vであり、前記試料基板は、前記冷却が施されることに
より、その基板温度が100℃以下に保持されることを
特徴とするダイヤモンド薄膜のECRプラズマエッチン
グ方法である。
【0020】
【作用】本発明に係るダイヤモンド薄膜のECRプラズ
マエッチング方法では、反応ガスとしては、アルゴンガ
スのみではダイヤモンド薄膜がほとんどエッチングされ
ないので、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガス、又は
酸素ガス単体を用いており、真空容器内に形成する磁場
がミラー磁場、発散磁場のいずれの場合においても、前
記混合ガスの酸素ガス濃度、反応ガス圧力及びマイクロ
波パワー面密度の条件は共通である。なお、エッチング
速度は、一般的に、酸素ガス濃度値に比例して増大す
る。さて、反応ガスとして酸素ガスのみを用いてECR
プラズマエッチングを行った場合、低ガス圧力領域では
プラズマが不安定化し、反応ガス圧力が10mTorr
を下回ると、ダイヤモンド薄膜のエッチング面にはその
表面がぎざぎざの鋸歯状となって突起が生じた。
【0021】そこで反応ガス圧力が10mTorr以下
において、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガスとの
混合ガスを用い、その混合ガスの酸素ガス濃度とマイク
ロ波パワー面密度とを変化させて実験した。その結果、
反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスで
その酸素ガス濃度範囲が2〜20vol%である混合ガ
スを用い、反応ガス圧力を10mTorr以下にし、マ
イクロ波パワー面密度を2.0W/cm2 以下にするこ
とにより、ダイヤモンド薄膜をそのエッチング面が突起
を生じることなく平滑にエッチングすることができた。
なお、前記マイクロ波パワー面密度は、マイクロ波導入
窓から投入したマイクロ波パワー値をマイクロ波導入窓
面積で除した値を表すものである。
【0022】前記の場合、反応ガス圧力が10mTor
r以下において、プラズマのエネルギーであるマイクロ
波パワー面密度は、その値が2.0W/cm2 を超える
と、イオンダメージのためにダイヤモンド薄膜のエッチ
ング面に突起が生じることから、2.0W/cm2 以下
にする必要がある。そして、反応ガス圧力が10mTo
rr以下、かつ、マイクロ波パワー面密度が2.0W/
cm2 以下において、反応ガスである前記混合ガスの酸
素ガス濃度範囲が2vol%より低いと、ダイヤモンド
薄膜及びマスク材に対するダメージが顕著になるととも
に選択比も悪くなり、またエッチング面にも突起が生じ
るため、酸素ガス濃度の下限は2vol%とする必要が
ある。また、反応ガスである前記混合ガスの酸素ガス濃
度範囲が20vol%を超えると、アルゴンイオンによ
るダイヤモンド薄膜表面を平滑にする作用が低下してエ
ッチング面に突起が生じるので、酸素ガス濃度の上限は
20vol%とする必要がある。なお、反応ガス圧力を
10mTorr以下にすると、イオンシース幅に比べイ
オンの平均自由行程が長くなるため、試料基板面に対し
イオン入射角度を垂直にすることができ、垂直エッチン
グがより行いやすくなるという利点がある。
【0023】次にプラズマのエネルギーを高めてマイク
ロ波パワー面密度が5.0W/cm 2 以下において、反
応ガスとして、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガス、
及び酸素ガス単体を用い、その混合ガスの酸素ガス濃度
と反応ガス圧力とを変化させて実験した。その結果、反
応ガスとして酸素ガス単体、あるいは酸素ガスとアルゴ
ンガスとの混合ガスでその酸素ガス濃度範囲が20vo
l%超えである混合ガスを用い、反応ガス圧力を10〜
50mTorrにし、マイクロ波パワー面密度が5.0
W/cm2 以下にすることにより、前述した酸素ガス濃
度範囲が2〜20vol%であるエッチング条件の場合
より高エッチング速度が得られる条件範囲にて、ダイヤ
モンド薄膜をそのエッチング面が突起を生じることなく
平滑にエッチングすることができた。
【0024】この場合、マイクロ波パワー面密度が5.
0W/cm2 以下において、反応ガス圧力の範囲は、1
0〜50mTorrである必要がある。この範囲より低
圧力では、イオンダメージのためにダイヤモンド薄膜の
エッチング面に突起が生じ、また、上限反応ガス圧力
(50mTorr)を超えるとプラズマを発生させるこ
とができなかったためである。そして、マイクロ波パワ
ー面密度が5.0W/cm2 以下、かつ、反応ガス圧力
が10〜50mTorrにおいて、反応ガスである前記
混合ガスの酸素ガス濃度範囲は、20vol%以下で
は、アルゴンイオンによるイオンダメージのためにダイ
ヤモンド薄膜のエッチング面に突起が生じることから、
20vol%超えにする必要がある。なお、マイクロ波
パワー面密度を5.0W/cm2 より高めると、ダイヤ
モンド薄膜のエッチング面に突起が生じた。
【0025】本発明に係るダイヤモンド薄膜のECRプ
ラズマエッチング方法では、前記エッチング条件に加
え、試料基板にバイアス電圧を印加するとともに冷却を
施すようになされている。試料基板にバイアス電圧を印
加することにより、試料基板へのイオン入射エネルギー
を制御して、プラズマ密度とは独立にエッチング速度を
制御することができ、また、特に発散磁場の場合には垂
直エッチング性を高めることができる。そして、試料基
板にバイアス電圧を印加する場合には、試料基板にプラ
ズマ中でも安定してバイアス電圧を印加できるととも
に、エッチング速度をバイアス電圧に比例して直線的に
増減変化し得るようにすることがよい。
【0026】そのため、高周波バイアスの場合には、そ
の出力を10〜500W、周波数を100〜700kH
zの範囲に設定し、直流電圧バイアスの場合には、その
値を−10〜−500Vの範囲に設定することが望まし
い。高周波バイアスの出力または直流バイアス電圧がそ
の各前記下限より小さいときには、試料基板にプラズマ
中でも安定してバイアス電圧を印加しにくく、また、バ
イアス電圧に対してエッチング速度を直線的に増減変化
させにくくエッチング速度の制御性が低下し、一方、高
周波バイアスの出力または直流バイアス電圧がその各前
記上限より大きいときには、ダイヤモンド薄膜へのダメ
ージが大きくなるためである。また、高周波バイアスの
場合における周波数範囲が前記範囲をはずれると、イン
ピーダンスマッチングが悪くなるためである。
【0027】そして、エッチング速度は基板温度によっ
ても変動するため、プラズマの影響による基板温度の上
昇を防いでエッチング速度の再現性の低下をなくすこと
が望ましい。そのため、冷却を施して基板温度が100
℃以下に保持されるようにすることがよい。
【0028】以上のことから、磁場としてミラー磁場を
用いた本発明によるECRプラズマエッチング方法によ
ると、ダイヤモンド薄膜をそのエッチング面が突起を生
じることなく平滑にエッチング処理することができると
ともに、エッチング速度に関しその再現性や制御性が良
いエッチング処理を行うことができ、またミラー磁場を
用いることで試料基板面全体にわたってダイヤモンド薄
膜の垂直エッチングを行うことができる。
【0029】また、磁場として発散磁場を用いた本発明
によるECRプラズマエッチング方法によると、同様に
して、ダイヤモンド薄膜をそのエッチング面が突起を生
じることなく平滑にエッチング処理することができると
ともに、エッチング速度に関しその再現性や制御性が良
いエッチング処理を行うことができる。そして、一対を
なす磁気コイルは、より近接させて配置することがよ
く、これによって試料基板面上おいてプラズマがよく広
がりそのプラズマ密度が均一化されて、発散磁場を用い
ることでエッチング速度の面内均一性に優れたダイヤモ
ンド薄膜のエッチングを行うことができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。ま
ず、ECRプラズマエッチング装置について説明する。
図1は本発明に係るECRプラズマエッチング方法の実
施に使用されるミラー磁場型ECRプラズマエッチング
装置の構成を示す図、図2は本発明に係るECRプラズ
マエッチング方法の実施に使用される発散磁場型ECR
プラズマエッチング装置の構成を示す図である。
【0031】先にミラー磁場型ECRプラズマエッチン
グ装置について説明すると、図1において、1は真空容
器であり、この真空容器1は、その上部に石英ガラス板
よりなるマイクロ波導入窓1aを備えるとともにプラズ
マ化すべき反応ガスを内部に導入するための図示しない
反応ガス供給管を備え、下部に真空引き装置(図示省
略)に連なる排気ポート1bが開口されている。排気ポ
ート1bから真空排気されて所定真空度に保持される真
空容器1のマイクロ波導入窓1aの部位には、マグネト
ロン2からの周波数2.45GHzのマイクロ波を真空
容器1内に導入するための導波管3が接続されている。
【0032】4a,4bは、同一巻き数及び径寸法を持
つ一対をなす磁気コイルである。この一対をなす磁気コ
イル4a,4bは、真空容器1内にミラー磁場を印加す
るためのものであって、真空容器1の外周まわりに所定
距離隔てて同軸状に配置されている。すなわち、一方の
磁気コイル4aを、マイクロ波導入窓1aの部位におけ
る真空容器1の外周まわりに真空容器1の中心軸線を中
心として真空容器1と同心的に配置してある。また、他
方の磁気コイル4bを、前記一方の磁気コイル4aより
所定距離隔てて真空容器1の外周まわりに真空容器1の
中心軸線を中心として真空容器1と同心的に配置してあ
る。このように配置された磁気コイル4a,4bに同一
方向に同一の直流励磁電流を流すことにより、真空容器
1内にミラー磁場を印加するようにしている。ECR条
件を満たす磁場強度は875Gsである。
【0033】真空容器1内には図における上下方向へ移
動可能な試料台(試料基板支持台)5が配設されてお
り、この試料台5上には図示しない静電チャックにて試
料基板Sが着脱可能に載置されている。ダイヤモンド薄
膜が形成された試料基板Sは、試料台5を上下方向に移
動調整して、前記一対をなす磁気コイル4a,4bの中
間位置付近(一対をなす磁気コイル4a,4bの中心軸
線上の中点位置付近)、つまりミラー磁場の中央部付近
に位置させてある。そして、試料台5は、その内部に図
示しない水冷用配管路が設けられ、試料基板Sを所定温
度以下に保つために冷却水で冷却されるようになってい
る。
【0034】試料台5には、コンデンサ6を介してRF
発振器7により高周波電力が供給されて、これによって
試料基板Sに高周波の基板バイアスが印加できるように
なっている。RF発振器7は、その出力が10〜500
W、周波数が100〜700kHzである。また、試料
台5には、負極性の直流バイアス電源8による電圧が印
加されて、これによって試料基板Sに−10〜−500
Vの電圧範囲にて直流バイアス電圧が印加できるように
なっている。なお、高周波バイアスと直流バイアスとの
選択は、スイッチ9a,9bの切り換え操作にてできる
ようになっている。
【0035】次に、図2に基づき発散磁場型ECRプラ
ズマエッチング装置について説明する。なおここでは、
磁場をミラー磁場に代えて発散磁場にする点以外は、前
記図1に示す装置構成と同一なので、共通する部分には
同一の符号を付して説明を省略し、異なる点についての
み説明する。
【0036】図2に示すように、この実施例ではマイク
ロ波導入窓1aを間にして、一対をなす磁気コイル14
a,14bを近接させて配置し、この磁気コイル14
a,14bにより真空容器1内に発散磁場を印加するよ
うにしている。
【0037】実施例1
【0038】図1に示すミラー磁場型ECRプラズマエ
ッチング装置を使用し、ミラー磁場を用いたECRプラ
ズマを生成させて、ダイヤモンド薄膜のエッチングを行
った。基板上に熱フィラメントCVD法により多結晶の
ダイヤモンド薄膜を形成し、そのダイヤモンド薄膜上に
SiO2 薄膜のパターンでマスキングを行ったものを試
料基板Sとし、そのエッチング深さよりエッチング速度
を求めた。
【0039】反応ガスとして酸素ガスを用い、反応ガス
圧力は10mTorr、マイクロ波パワー面密度は3.
3W/cm2 (マイクロ波パワー:1000W)、試料
基板への直流バイアス電圧は、−300Vとした。な
お、試料基板Sが温度100℃以下に保持されるよう
に、試料台5には冷却水による冷却を施した。その結
果、ダイヤモンド薄膜をそのエッチング面が突起を生じ
ることなく平滑にエッチングすることができた。また、
ダイヤモンド薄膜の垂直エッチングを行うことができ
た。エッチング速度は、5400Å/minであった。
なお、試料台5に冷却を施さない場合には、基板温度が
200℃まで上昇し、エッチング速度は、5000〜5
900Å/minの範囲にばらついたが、試料台5に冷
却を施して試料基板Sが温度100℃以下に保持される
ようすることで、エッチング速度のばらつきを、±50
Å/min以内にすることができた。
【0040】実施例2
【0041】図1に示すミラー磁場型ECRプラズマエ
ッチング装置を使用し、ミラー磁場を用いたECRプラ
ズマを生成させてダイヤモンド薄膜のエッチングを行
い、エッチング面の表面形状を観察するとともに、エッ
チング速度を測定した。エッチングは、比較例をも含め
て、表1に示すように、反応ガスとして酸素ガスとアル
ゴンガスとの混合ガス、及び酸素ガス単体を用い、その
混合ガスの酸素ガス濃度とマイクロ波パワー面密度とを
パラメータとして変化させて行った。なお、反応ガス圧
力は1mTorr、試料基板への直流バイアス電圧は−
300Vとし、試料台5には冷却水による冷却を施し
た。結果を表1に示す。なお表1において太線で囲まれ
た例が本発明例である。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示すように、反応ガスとして酸素ガ
スとアルゴンガスとの混合ガスでその酸素ガス濃度範囲
が2〜20vol%である混合ガスを用い、反応ガス圧
力が10mTorr以下、マイクロ波パワー面密度が
2.0W/cm2 以下にて、ダイヤモンド薄膜をそのエ
ッチング面が突起を生じることなく平滑にエッチングす
ることができた。また、ダイヤモンド薄膜の垂直エッチ
ングを行うことができた。なお、反応ガス圧力が10m
Torrを超えると、エッチング面に突起が生じた。
【0044】実施例3
【0045】図2に示す発散磁場型ECRプラズマエッ
チング装置を使用し、発散磁場を用いたECRプラズマ
を生成させてダイヤモンド薄膜のエッチングを行い、エ
ッチング面の表面形状を観察するとともに、エッチング
速度を測定した。エッチングは、比較例をも含めて、表
2に示すように、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガ
スとの混合ガス、及び酸素ガス単体を用い、その混合ガ
スの酸素ガス濃度とマイクロ波パワー面密度とをパラメ
ータとして変化させて行った。なお、反応ガス圧力は1
mTorr、試料基板への直流バイアス電圧は−300
Vとし、試料台5には冷却水による冷却を施した。結果
を表2に示す。なお表2において太線で囲まれた例が本
発明例である。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示すように、反応ガスとして酸素ガ
スとアルゴンガスとの混合ガスでその酸素ガス濃度範囲
が2〜20vol%である混合ガスを用い、反応ガス圧
力が10mTorr以下、マイクロ波パワー面密度が
2.0W/cm2 以下にて、ダイヤモンド薄膜をそのエ
ッチング面が突起を生じることなく平滑にエッチングす
ることができた。なお、反応ガス圧力が10mTorr
を超えると、エッチング面に突起が生じた。
【0048】実施例4
【0049】図2に示す発散磁場型ECRプラズマエッ
チング装置を使用し、発散磁場を用いたECRプラズマ
を生成させてダイヤモンド薄膜のエッチングを行い、エ
ッチング面の表面形状を観察するとともに、エッチング
速度を測定した。エッチングは、比較例をも含めて、表
3に示すように、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガ
スとの混合ガス、及び酸素ガス単体を用い、その混合ガ
スの酸素ガス濃度と反応ガス圧力とをパラメータとして
変化させて行った。なお、マイクロ波パワー面密度は
3.3W/cm2 (マイクロ波パワー:1000W)、
試料基板への直流バイアス電圧は−300Vとし、試料
台5には冷却水による冷却を施した。結果を表3に示
す。なお表3において太線で囲まれた例が本発明例であ
る。
【0050】
【表3】
【0051】表3に示すように、反応ガスとして酸素ガ
ス単体、あるいは酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガス
でその酸素ガス濃度範囲が20vol%超えである混合
ガスを用い、反応ガス圧力が10〜50mTorr、マ
イクロ波パワー面密度が5.0W/cm2 (マイクロ波
パワー:1500W)以下にて、エッチング速度が表2
の本発明例でのそれに比較して大きい領域において、ダ
イヤモンド薄膜をそのエッチング面が突起を生じること
なく平滑にエッチングすることができた。なお、マイク
ロ波パワー面密度が5.0W/cm2 を超えると、エッ
チング面に突起が生じた。
【0052】実施例5
【0053】図2に示す発散磁場型ECRプラズマエッ
チング装置を使用し、発散磁場を用いたECRプラズマ
を生成させてダイヤモンド薄膜のエッチングを行い、エ
ッチング速度の面内均一性を調査した。エッチング速度
の面内均一性を調べるため、この実施例では、試料台の
基板支持面の中央位置、及び、中央位置より周辺部方向
(半径方向)に5cm離れた位置までの1cmごとの位
置に、寸法1cm×1cmのダイヤモンド薄膜試料基板
をセットして、そのエッチングを行った。反応ガスは酸
素ガス、反応ガス圧力は10mTorr、マイクロ波パ
ワー面密度は3.3W/cm2 (マイクロ波パワー:1
000W)、試料基板への直流バイアス電圧は−150
Vとし、試料台5には冷却水による冷却を施した。な
お、比較のため、同一エッチング条件にて、ミラー磁場
を用いたECRプラズマによるダイヤモンド薄膜のエッ
チングを行い、そのエッチング速度の面内均一性を調査
した。結果を図3に示す。
【0054】発散磁場を用いたECRプラズマによりダ
イヤモンド薄膜をエッチングした場合、前記中央位置と
これより5cm離れた位置とでのエッチング速度のばら
つきは、約2%以内であった。これに対して、ミラー磁
場を用いた場合、エッチング速度のばらつきは約5%で
あった。このように、発散磁場を用いることでエッチン
グ速度の面内均一性に優れたダイヤモンド薄膜のエッチ
ングを行うことができる。なお、発散磁場を用いた場
合、プラズマ密度の低下のためエッチング速度がミラー
磁場を用いた場合のそれに比較して低下することが認め
られた。
【0055】実施例6
【0056】図2に示す発散磁場型ECRプラズマエッ
チング装置を使用し、発散磁場を用いたECRプラズマ
を生成させ、試料基板に印加する直流バイアス電圧をゼ
ロから約−350Vの範囲で変化させてダイヤモンド薄
膜のエッチングを行い、基板バイアスによるエッチング
速度の制御性を調査した。反応ガスは酸素ガス、反応ガ
ス圧力は10mTorr、マイクロ波パワー面密度は
2.3W/cm2 (マイクロ波パワー:700W)と
し、試料台5には冷却水による冷却を施した。結果を図
4に示す。図4に示すように、エッチング速度をバイア
ス電圧に比例して直線的に増減させることができた。な
おこのとき、エッチング速度のばらつきは5%以内であ
った。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明によるダイヤモンド薄膜
のECRプラズマエッチング方法によると、ダイヤモン
ド薄膜を、そのエッチング面がぎざぎざの鋸歯状となっ
て例えば半導体ダイヤモンド電子デバイスの性能低下を
招くような突起を生じることなく平滑にエッチング処理
することができるとともに、エッチング速度に関しその
再現性や制御性が良いエッチング処理を行うことがで
き、またミラー磁場を用いたECRプラズマを利用して
いるので、試料基板面全体にわたってダイヤモンド薄膜
の垂直エッチングを行うことができる。
【0058】請求項2の発明によるダイヤモンド薄膜の
ECRプラズマエッチング方法によると、ダイヤモンド
薄膜を、そのエッチング面がぎざぎざの鋸歯状となって
例えば半導体ダイヤモンド電子デバイスの性能低下を招
くような突起を生じることなく平滑にエッチング処理す
ることができるとともに、エッチング速度に関しその再
現性や制御性が良いエッチング処理を行うことができ、
また発散磁場を用いたECRプラズマを利用しているの
で、エッチング速度の面内均一性に優れたダイヤモンド
薄膜のエッチングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るECRプラズマエッチング方法の
実施に使用されるミラー磁場型ECRプラズマエッチン
グ装置の構成を示す図である。
【図2】本発明に係るECRプラズマエッチング方法の
実施に使用される発散磁場型ECRプラズマエッチング
装置の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る図であって、試料基板中央からの
位置とエッチング速度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明に係る図であって、試料基板に印加する
直流バイアス電圧とエッチング速度との関係を示すグラ
フである。
【図5】従来技術1の方法の実施に用いられたECRプ
ラズマエッチング装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…真空容器 1a…マイクロ波導入窓 1b…排気ポ
ート 2…マグネトロン 3…導波管 4a,4b…磁
気コイル 5…試料台 6…コンデンサ 7…RF発振
器 8…直流バイアス電源 9a,9b…スイッチ 1
4a,14b…磁気コイル S…試料基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 24/14 B (72)発明者 野沢 俊久 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場を印加した真空容器内に反応ガスを
    導入するとともにマイクロ波導入窓からマイクロ波を導
    入し、前記磁場とマイクロ波により発生する電場とによ
    って起こる電子サイクロトロン共鳴(ECR)現象を利
    用して反応ガスをプラズマ化し、生成されたプラズマ中
    のイオンを真空容器内に配置された試料基板に照射して
    その試料基板上のダイヤモンド薄膜をエッチング処理す
    るダイヤモンド薄膜のECRプラズマエッチング方法に
    おいて、 前記真空容器内に印加する前記磁場としてミラー磁場を
    形成し、このミラー磁場の中央部付近に前記試料基板を
    配置し、その試料基板にバイアス電圧を印加するととも
    に冷却を施し、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガス
    との混合ガスでその酸素ガス濃度範囲が2〜20vol
    %である混合ガスを用い、反応ガス圧力が10mTor
    r以下、マイクロ波パワー面密度が2.0W/cm2
    下にて前記ダイヤモンド薄膜をエッチング処理するこ
    と、もしくは、反応ガスとして酸素ガス単体、あるいは
    酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスでその酸素ガス濃
    度範囲が20vol%超えである混合ガスを用い、反応
    ガス圧力が10〜50mTorr、マイクロ波パワー面
    密度が5.0W/cm2 以下にて前記ダイヤモンド薄膜
    をエッチング処理することを特徴とするダイヤモンド薄
    膜のECRプラズマエッチング方法。
  2. 【請求項2】 磁場を印加した真空容器内に反応ガスを
    導入するとともにマイクロ波導入窓からマイクロ波を導
    入し、前記磁場とマイクロ波により発生する電場とによ
    って起こる電子サイクロトロン共鳴(ECR)現象を利
    用して反応ガスをプラズマ化し、生成されたプラズマ中
    のイオンを真空容器内に配置された試料基板に照射して
    その試料基板上のダイヤモンド薄膜をエッチング処理す
    るダイヤモンド薄膜のECRプラズマエッチング方法に
    おいて、 前記真空容器内に印加する前記磁場として発散磁場を形
    成し、前記試料基板にバイアス電圧を印加するとともに
    冷却を施し、反応ガスとして酸素ガスとアルゴンガスと
    の混合ガスでその酸素ガス濃度範囲が2〜20vol%
    である混合ガスを用い、反応ガス圧力が10mTorr
    以下、マイクロ波パワー面密度が2.0W/cm2 以下
    にて前記ダイヤモンド薄膜をエッチング処理すること、
    もしくは、反応ガスとして酸素ガス単体、あるいは酸素
    ガスとアルゴンガスとの混合ガスでその酸素ガス濃度範
    囲が20vol%超えである混合ガスを用い、反応ガス
    圧力が10〜50mTorr、マイクロ波パワー面密度
    が5.0W/cm2 以下にて前記ダイヤモンド薄膜をエ
    ッチング処理することを特徴とするダイヤモンド薄膜の
    ECRプラズマエッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記試料基板に印加する前記基板バイア
    スは、高周波バイアスの場合には、その出力が10〜5
    00W、周波数が100〜700kHzであり、直流電
    圧バイアスの場合には、その電圧が−10〜−500V
    であり、前記試料基板は、前記冷却が施されることによ
    り、その基板温度が100℃以下に保持されることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のダイヤモンド薄膜
    のECRプラズマエッチング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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