JPH09155690A - 稜線沿い加工用工具過負荷判定方法およびその方法を用いた工具過負荷防止稜線沿い加工方法 - Google Patents
稜線沿い加工用工具過負荷判定方法およびその方法を用いた工具過負荷防止稜線沿い加工方法Info
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- JPH09155690A JPH09155690A JP31806195A JP31806195A JPH09155690A JP H09155690 A JPH09155690 A JP H09155690A JP 31806195 A JP31806195 A JP 31806195A JP 31806195 A JP31806195 A JP 31806195A JP H09155690 A JPH09155690 A JP H09155690A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 CAMシステムで工具負荷を適切に評価する
ことを目的とする。 【解決手段】 工程1で、3次元金型形状モデルのデー
タと稜線沿い工具経路のデータと工具の外径等のデータ
と素材の材質(取り代部分を含む)や工具送り速度等の
加工条件のデータとを入力するとともに、工具経路の各
構成点の位置を通るとともにX-Y 平面に直交しかつX-Y
平面上に投影した工具経路にも直交する基準平面上で、
3次元形状の上記工具および金型形状の2次元モデル化
を行い、工程2で、その工具および金型形状の2次元モ
デルを用いて工具の周囲における切削面積を概算して、
その概略切削面積と上記入力データとから工具が過負荷
となるか否かを判定し、工程3で、その判定結果の情報
を工具経路のその判定を行った基準平面が位置する各構
成点のデータに付加して、その過負荷情報付き工具経路
のデータを出力する。
ことを目的とする。 【解決手段】 工程1で、3次元金型形状モデルのデー
タと稜線沿い工具経路のデータと工具の外径等のデータ
と素材の材質(取り代部分を含む)や工具送り速度等の
加工条件のデータとを入力するとともに、工具経路の各
構成点の位置を通るとともにX-Y 平面に直交しかつX-Y
平面上に投影した工具経路にも直交する基準平面上で、
3次元形状の上記工具および金型形状の2次元モデル化
を行い、工程2で、その工具および金型形状の2次元モ
デルを用いて工具の周囲における切削面積を概算して、
その概略切削面積と上記入力データとから工具が過負荷
となるか否かを判定し、工程3で、その判定結果の情報
を工具経路のその判定を行った基準平面が位置する各構
成点のデータに付加して、その過負荷情報付き工具経路
のデータを出力する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CAM(コンピ
ュータ支援加工)システムによる金型等の製作の際に用
いて好適な稜線沿い加工用工具過負荷判定方法および、
その方法を用いた工具過負荷防止稜線沿い加工方法に関
するものである。
ュータ支援加工)システムによる金型等の製作の際に用
いて好適な稜線沿い加工用工具過負荷判定方法および、
その方法を用いた工具過負荷防止稜線沿い加工方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】CAMシステムによる金型製作の際に、
図15に示すように、素材に対し3次元金型形状モデルM
の稜線Eに沿う切削加工を行う場合、その稜線に沿う壁
部Wの形状(高さ、傾斜角)や取り代によっては、切削
加工用の工具Tに対する負荷が過大になって工具が破損
する場合がある。これがため従来は、CAMシステムを
使用する作業者が、3次元形状モデルの稜線に沿う壁部
Wの断面形状から工具負荷の大きさを判断し、工具負荷
が過大になりそうな部位については、図16に示すよう
に、CAMシステムの基準座標系でのX−Y平面上に投
影すると互いに一致するがZ値すなわちZ軸方向に設定
した工具軸線方向の高さが異なる複数段の工具経路で高
い経路から低い経路へ順次加工してゆく多段浮かし加工
をCAMシステムに行わせることにより、工具負荷を軽
減して工具の破損を防止している。なお、図中Sは取り
代を示す。
図15に示すように、素材に対し3次元金型形状モデルM
の稜線Eに沿う切削加工を行う場合、その稜線に沿う壁
部Wの形状(高さ、傾斜角)や取り代によっては、切削
加工用の工具Tに対する負荷が過大になって工具が破損
する場合がある。これがため従来は、CAMシステムを
使用する作業者が、3次元形状モデルの稜線に沿う壁部
Wの断面形状から工具負荷の大きさを判断し、工具負荷
が過大になりそうな部位については、図16に示すよう
に、CAMシステムの基準座標系でのX−Y平面上に投
影すると互いに一致するがZ値すなわちZ軸方向に設定
した工具軸線方向の高さが異なる複数段の工具経路で高
い経路から低い経路へ順次加工してゆく多段浮かし加工
をCAMシステムに行わせることにより、工具負荷を軽
減して工具の破損を防止している。なお、図中Sは取り
代を示す。
【0003】ところで、工具負荷の大きさをCAMシス
テムによって求める方法も従来、特開平5-123938号公報
にて開示されており、この方法では、工作物の形状デー
タおよびその形状データから求めた工具経路と、素材デ
ータとから、その工作物の形状を加工する際の工具負荷
の大きさとして便宜的に、素材に対する工具の切り込み
深さすなわち、工具先端部と形状データの面との接点か
ら工具側部と素材データの面との交点までの高さを算出
し、その工具の切り込み深さを工具負荷の大きさとして
工具経路に沿って表示している。
テムによって求める方法も従来、特開平5-123938号公報
にて開示されており、この方法では、工作物の形状デー
タおよびその形状データから求めた工具経路と、素材デ
ータとから、その工作物の形状を加工する際の工具負荷
の大きさとして便宜的に、素材に対する工具の切り込み
深さすなわち、工具先端部と形状データの面との接点か
ら工具側部と素材データの面との交点までの高さを算出
し、その工具の切り込み深さを工具負荷の大きさとして
工具経路に沿って表示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記稜線
沿い加工の際には、形状データとしての3次元形状モデ
ルの稜線に沿う壁部と工具の半球状先端部との接点が二
点求まり、この場合に、上述した公報記載の従来の方法
によってそれらの接点のうちの例えば高さの低い方から
切り込み深さを求めると、例えば図17(a), (b)にそれぞ
れ斜線部で切り込み部分を示すように実際には切り込み
量が大きく異なることから工具負荷が大きく異なる場合
でも、二接点PA, PBのうち低い方の接点PBの高さが同一
であれば切り込み深さCDは同一となってしまう。これが
ため上記従来の方法では、かかる工具負荷が大きく異な
る場合に工具負荷を過小評価して工具の破損を招いてし
まう可能性があった。
沿い加工の際には、形状データとしての3次元形状モデ
ルの稜線に沿う壁部と工具の半球状先端部との接点が二
点求まり、この場合に、上述した公報記載の従来の方法
によってそれらの接点のうちの例えば高さの低い方から
切り込み深さを求めると、例えば図17(a), (b)にそれぞ
れ斜線部で切り込み部分を示すように実際には切り込み
量が大きく異なることから工具負荷が大きく異なる場合
でも、二接点PA, PBのうち低い方の接点PBの高さが同一
であれば切り込み深さCDは同一となってしまう。これが
ため上記従来の方法では、かかる工具負荷が大きく異な
る場合に工具負荷を過小評価して工具の破損を招いてし
まう可能性があった。
【0005】また、先に述べた多段浮かし加工による工
具負荷の軽減方法では、工具負荷が過大になりそうな部
位を作業者が判断する必要があるため、作業者の負担が
大きく、しかもその多段加工では単純に工具をその工具
軸線方向である高さ方向に浮かしているだけであるた
め、図16の上部に示すように高い経路で加工する際に、
工具負荷が小さくなり過ぎて加工の無駄が生ずるという
問題があった。
具負荷の軽減方法では、工具負荷が過大になりそうな部
位を作業者が判断する必要があるため、作業者の負担が
大きく、しかもその多段加工では単純に工具をその工具
軸線方向である高さ方向に浮かしているだけであるた
め、図16の上部に示すように高い経路で加工する際に、
工具負荷が小さくなり過ぎて加工の無駄が生ずるという
問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記従来技
術の課題を有利に解決した工具過負荷判定方法およびそ
れを用いた工具過負荷防止稜線加工方法を提供すること
を目的とするものであり、この発明の稜線沿い加工用工
具過負荷判定方法は、CAMシステムにより、切刃部と
して円柱状中央部とそれに連なる半球状先端部とを持つ
所定工具を、その中心軸線が前記CAMシステムの座標
系のX─Y平面に対し垂直に延在する姿勢で保持しつ
つ、3次元形状モデルの稜線に沿って延在する壁部に対
し前記工具の半球状先端部が二つの接点で接触する時の
その半球状先端部の中心点である工具中心点の位置を連
ねた工具経路に沿って移動させることで、前記3次元形
状モデルの表面に所定の取り代を付加した素材に対して
前記稜線に沿う加工を行うために、前記工具が過負荷と
なるか否かを判定するに際し、先ず、前記工具経路上の
所望の位置に設定した過負荷判定位置を通って、前記工
具経路を前記X─Y平面上に投影した経路に前記過負荷
判定位置に対応する位置で接する接線に対し直交する基
準平面を設定し、次いで、前記基準平面で切った、前記
過負荷判定位置での前記工具の円柱状中央部および前記
壁部の断面の輪郭線を求めるとともに、前記工具の前記
二つの接点と前記工具中心点とを含む平面で切った、前
記過負荷判定位置での前記工具の半球状先端部および前
記壁部の断面の輪郭線を求めて、それら半球状先端部お
よび壁部の輪郭線を、前記基準平面上で前記工具中心点
を通って前記工具中心軸線と直交する直線周りに前記基
準平面上に展開し、前記基準平面で切った前記工具の円
柱状中央部および前記壁部の輪郭線と、前記基準平面上
に展開した前記工具の半球状先端部および前記壁部の輪
郭線とを繋げて、前記基準平面上での前記工具および前
記壁部の輪郭線による2次元モデルを作成し、また、前
記工具の半球状先端部の周囲に前記取り代分の厚みを加
えた仮想工具先端部を設定するとともに、前記過負荷判
定位置から前記工具をその中心軸線の延在方向へ後退移
動させることにて、前記仮想工具先端部が前記3次元形
状モデルの表面と接触する仮想工具接触位置を求めて、
その仮想工具接触位置での前記工具の半球状先端部を前
記基準平面で切った断面の輪郭線を求め、次いで、前記
基準平面上にて、前記壁部に対する前記工具の半球状先
端部の二つの接点の各々につき、その接点と前記工具中
心点とを結ぶ半径方向直線上の前記接点から前記取り代
分離間した位置でその半径方向直線と直交する直線を境
界直線として求め、前記二つの接点についての二本の前
記境界直線同士が交差する点を第1の交点として求め
て、前記二本の境界直線の各々の前記第1の交点を挟む
両側の部分のうち前記半径方向直線と直交する側でない
他方の側の部分を削除し、次いで、前記二本の境界直線
の各々について、その境界直線が前記仮想工具接触位置
での前記工具の半球状先端部の輪郭線と交差または接触
する点を第2の交点として求め、前記第2の交点が求ま
った前記境界直線については、その境界直線の前記第2
の交点を挟む両側の部分のうち前記半径方向直線と直交
する側でない他方の側の部分を削除し、さらに、前記第
2の交点から前記基準平面上で前記X─Y平面に平行に
延在して、前記基準平面上の前記工具の輪郭線のうち前
記工具中心軸線に対し前記第2の交点と同じ側に位置す
る輪郭線と交差する直線を追加境界直線として求め、次
いで、前記二本の境界直線の各々について前記第2の交
点が求まった場合には、それら二本の境界直線を前記第
1の交点で連結するとともにその連結直線に前記二本の
境界直線についての二本の前記追加境界直線を前記第2
の交点でそれぞれ連結して境界線を求め、また前記二本
の境界直線の一方のみについて前記第2の交点が求まっ
た場合には、その一方の境界直線と他方の境界直線とを
前記第1の交点で連結するとともにその連結直線に前記
一方の境界直線についての前記追加境界直線を前記第2
の交点で連結して境界線を求めて、前記基準平面上の、
前記境界線と前記工具の輪郭線とで囲繞される領域のう
ち、前記壁部の輪郭線に近接する方の領域の面積を切削
面積として求め、その後、前記切削面積を前記基準平面
上での前記工具の輪郭線で囲まれる全領域の面積で割っ
て工具負荷率を求め、その工具負荷率を所定の工具過負
荷率と比較して、前記工具負荷率が前記工具過負荷率以
上の場合に、前記過負荷判定位置では前記工具が過負荷
になると判定することを特徴とするものである。
術の課題を有利に解決した工具過負荷判定方法およびそ
れを用いた工具過負荷防止稜線加工方法を提供すること
を目的とするものであり、この発明の稜線沿い加工用工
具過負荷判定方法は、CAMシステムにより、切刃部と
して円柱状中央部とそれに連なる半球状先端部とを持つ
所定工具を、その中心軸線が前記CAMシステムの座標
系のX─Y平面に対し垂直に延在する姿勢で保持しつ
つ、3次元形状モデルの稜線に沿って延在する壁部に対
し前記工具の半球状先端部が二つの接点で接触する時の
その半球状先端部の中心点である工具中心点の位置を連
ねた工具経路に沿って移動させることで、前記3次元形
状モデルの表面に所定の取り代を付加した素材に対して
前記稜線に沿う加工を行うために、前記工具が過負荷と
なるか否かを判定するに際し、先ず、前記工具経路上の
所望の位置に設定した過負荷判定位置を通って、前記工
具経路を前記X─Y平面上に投影した経路に前記過負荷
判定位置に対応する位置で接する接線に対し直交する基
準平面を設定し、次いで、前記基準平面で切った、前記
過負荷判定位置での前記工具の円柱状中央部および前記
壁部の断面の輪郭線を求めるとともに、前記工具の前記
二つの接点と前記工具中心点とを含む平面で切った、前
記過負荷判定位置での前記工具の半球状先端部および前
記壁部の断面の輪郭線を求めて、それら半球状先端部お
よび壁部の輪郭線を、前記基準平面上で前記工具中心点
を通って前記工具中心軸線と直交する直線周りに前記基
準平面上に展開し、前記基準平面で切った前記工具の円
柱状中央部および前記壁部の輪郭線と、前記基準平面上
に展開した前記工具の半球状先端部および前記壁部の輪
郭線とを繋げて、前記基準平面上での前記工具および前
記壁部の輪郭線による2次元モデルを作成し、また、前
記工具の半球状先端部の周囲に前記取り代分の厚みを加
えた仮想工具先端部を設定するとともに、前記過負荷判
定位置から前記工具をその中心軸線の延在方向へ後退移
動させることにて、前記仮想工具先端部が前記3次元形
状モデルの表面と接触する仮想工具接触位置を求めて、
その仮想工具接触位置での前記工具の半球状先端部を前
記基準平面で切った断面の輪郭線を求め、次いで、前記
基準平面上にて、前記壁部に対する前記工具の半球状先
端部の二つの接点の各々につき、その接点と前記工具中
心点とを結ぶ半径方向直線上の前記接点から前記取り代
分離間した位置でその半径方向直線と直交する直線を境
界直線として求め、前記二つの接点についての二本の前
記境界直線同士が交差する点を第1の交点として求め
て、前記二本の境界直線の各々の前記第1の交点を挟む
両側の部分のうち前記半径方向直線と直交する側でない
他方の側の部分を削除し、次いで、前記二本の境界直線
の各々について、その境界直線が前記仮想工具接触位置
での前記工具の半球状先端部の輪郭線と交差または接触
する点を第2の交点として求め、前記第2の交点が求ま
った前記境界直線については、その境界直線の前記第2
の交点を挟む両側の部分のうち前記半径方向直線と直交
する側でない他方の側の部分を削除し、さらに、前記第
2の交点から前記基準平面上で前記X─Y平面に平行に
延在して、前記基準平面上の前記工具の輪郭線のうち前
記工具中心軸線に対し前記第2の交点と同じ側に位置す
る輪郭線と交差する直線を追加境界直線として求め、次
いで、前記二本の境界直線の各々について前記第2の交
点が求まった場合には、それら二本の境界直線を前記第
1の交点で連結するとともにその連結直線に前記二本の
境界直線についての二本の前記追加境界直線を前記第2
の交点でそれぞれ連結して境界線を求め、また前記二本
の境界直線の一方のみについて前記第2の交点が求まっ
た場合には、その一方の境界直線と他方の境界直線とを
前記第1の交点で連結するとともにその連結直線に前記
一方の境界直線についての前記追加境界直線を前記第2
の交点で連結して境界線を求めて、前記基準平面上の、
前記境界線と前記工具の輪郭線とで囲繞される領域のう
ち、前記壁部の輪郭線に近接する方の領域の面積を切削
面積として求め、その後、前記切削面積を前記基準平面
上での前記工具の輪郭線で囲まれる全領域の面積で割っ
て工具負荷率を求め、その工具負荷率を所定の工具過負
荷率と比較して、前記工具負荷率が前記工具過負荷率以
上の場合に、前記過負荷判定位置では前記工具が過負荷
になると判定することを特徴とするものである。
【0007】かかるこの発明の稜線沿い加工用工具過負
荷判定方法によれば、CAMシステムの座標系のX─Y
平面に対し垂直に延在するとともに、工具経路を前記X
─Y平面に投影した経路に対しても直交する基準平面上
にて、形状モデルおよび工具の3次元形状を2次元モデ
ル化して工具の円柱状中央部および半球状先端部の周囲
における切削面積を概算し、その概略切削面積から工具
負荷を求めて、その工具負荷から過負荷判定を行うの
で、工具負荷を過小評価する可能性を低下させ得て、実
際の加工の際の工具の破損を有効に防止することができ
る。
荷判定方法によれば、CAMシステムの座標系のX─Y
平面に対し垂直に延在するとともに、工具経路を前記X
─Y平面に投影した経路に対しても直交する基準平面上
にて、形状モデルおよび工具の3次元形状を2次元モデ
ル化して工具の円柱状中央部および半球状先端部の周囲
における切削面積を概算し、その概略切削面積から工具
負荷を求めて、その工具負荷から過負荷判定を行うの
で、工具負荷を過小評価する可能性を低下させ得て、実
際の加工の際の工具の破損を有効に防止することができ
る。
【0008】なお、この発明の稜線沿い加工用工具過負
荷判定方法においては、前記二本の境界直線の何れにつ
いても前記第2の交点が求まらなかった場合に、前記基
準平面上にて、前記壁部に対する前記工具の半球状先端
部の二つの接点のうち前記工具の基部から先端部を見た
場合の工具回転方向側で前記工具中心軸線から遠く離間
した方の接点と前記工具中心点とを結ぶ半径方向直線上
のその接点から前記取り代分離間した位置を求めるとと
もに、前記基準平面上の前記過負荷判定位置での前記工
具の円柱状中央部の輪郭線が前記仮想工具接触位置での
前記工具の半球状先端部と交差する二つの点のうちの前
記工具中心軸線に対し前記工具回転方向側に位置する点
を第3の交点として求め、前記第3の交点と、前記遠く
離間した方の接点と前記工具中心点とを結ぶ半径方向直
線上のその接点から前記取り代分離間した位置とを通る
直線を仮想境界直線として求めて、その仮想境界直線と
他方の前記接点についての前記境界直線とが交差する点
を第4の交点として求め、次いで、前記仮想境界直線の
前記第4の交点を挟む両側の部分のうち前記半径方向直
線と直交する側でない他方の側の部分を削除し、その仮
想境界直線と前記境界直線とを前記第4の交点で連結し
て境界線を求めて、前記基準平面上の、その境界線と前
記工具の輪郭線とで囲繞される領域のうち、前記壁部の
輪郭線に近接する方の領域の面積を切削面積として求め
ることとしても良い。
荷判定方法においては、前記二本の境界直線の何れにつ
いても前記第2の交点が求まらなかった場合に、前記基
準平面上にて、前記壁部に対する前記工具の半球状先端
部の二つの接点のうち前記工具の基部から先端部を見た
場合の工具回転方向側で前記工具中心軸線から遠く離間
した方の接点と前記工具中心点とを結ぶ半径方向直線上
のその接点から前記取り代分離間した位置を求めるとと
もに、前記基準平面上の前記過負荷判定位置での前記工
具の円柱状中央部の輪郭線が前記仮想工具接触位置での
前記工具の半球状先端部と交差する二つの点のうちの前
記工具中心軸線に対し前記工具回転方向側に位置する点
を第3の交点として求め、前記第3の交点と、前記遠く
離間した方の接点と前記工具中心点とを結ぶ半径方向直
線上のその接点から前記取り代分離間した位置とを通る
直線を仮想境界直線として求めて、その仮想境界直線と
他方の前記接点についての前記境界直線とが交差する点
を第4の交点として求め、次いで、前記仮想境界直線の
前記第4の交点を挟む両側の部分のうち前記半径方向直
線と直交する側でない他方の側の部分を削除し、その仮
想境界直線と前記境界直線とを前記第4の交点で連結し
て境界線を求めて、前記基準平面上の、その境界線と前
記工具の輪郭線とで囲繞される領域のうち、前記壁部の
輪郭線に近接する方の領域の面積を切削面積として求め
ることとしても良い。
【0009】上記のようにすれば、3次元形状モデル
の、前記基準平面上にない、工具経路の前方に位置する
部分に先に工具が当たるため、前記仮想工具接触位置で
の前記仮想工具先端部が前記基準平面上では前記3次元
形状モデルの表面と接触しないような場合でも、その切
り込み量を考慮して概略切削面積を大きめに求めること
ができるので、上記前方に位置する部分への切り込みで
実際の切削面積が前記基準平面上の2次元モデルのみで
求めるよりも大きくなる場合でも、実際の加工の際の工
具の破損を有効に防止することができる。
の、前記基準平面上にない、工具経路の前方に位置する
部分に先に工具が当たるため、前記仮想工具接触位置で
の前記仮想工具先端部が前記基準平面上では前記3次元
形状モデルの表面と接触しないような場合でも、その切
り込み量を考慮して概略切削面積を大きめに求めること
ができるので、上記前方に位置する部分への切り込みで
実際の切削面積が前記基準平面上の2次元モデルのみで
求めるよりも大きくなる場合でも、実際の加工の際の工
具の破損を有効に防止することができる。
【0010】また、この発明の稜線沿い加工用工具過負
荷判定方法においては、前記工具経路が複数の構成点の
点列で表されている場合に、前記過負荷判定位置を前記
各構成点の位置として、その判定結果を前記各構成点の
情報に付加することとしても良い。
荷判定方法においては、前記工具経路が複数の構成点の
点列で表されている場合に、前記過負荷判定位置を前記
各構成点の位置として、その判定結果を前記各構成点の
情報に付加することとしても良い。
【0011】上記のようにすれば、工具経路の複数の構
成点のうち、工具過負荷となる構成点のみについて工具
経路の修正や追加を行うことができるので、工具の破損
を防止しつつ、加工効率の不必要な低下も防止すること
ができる。
成点のうち、工具過負荷となる構成点のみについて工具
経路の修正や追加を行うことができるので、工具の破損
を防止しつつ、加工効率の不必要な低下も防止すること
ができる。
【0012】そして、前記稜線沿い加工用工具過負荷判
定方法を用いたこの発明の工具過負荷防止稜線沿い加工
方法は、前記工具経路の前記過負荷判定位置を切削終了
点とするとともに、前記過負荷判定位置に対応する前記
基準平面上での前記境界線の位置を、その基準平面上で
の前記壁部の輪郭線の位置に対して固定し、次いで、前
記前記基準平面上の、前記工具の輪郭線と前記境界線と
で囲繞される領域のうち、前記壁部の輪郭線に近接する
方の領域の面積を切削面積として求めて、その切削面積
を前記基準平面上での前記工具の輪郭線で囲まれる全領
域の面積で割って工具負荷率を求め、その工具負荷率を
所定の工具過負荷率と比較して、前記工具負荷率が前記
工具過負荷率未満か否かを判別し、前記工具負荷率が前
記工具過負荷率未満でない場合は、前記工具の輪郭線を
前記基準平面上で、前記壁部の輪郭線のうち、前記工具
回転方向側で前記工具中心軸線から遠く離間した方の前
記接点にて接する部分に沿って、前記壁部の輪郭線のう
ち、他方の前記接点にて接する部分から離間する方向へ
微小距離移動させる、という工程を、前記工具負荷率が
前記工具過負荷率未満になるまで繰り返し、前記工具負
荷率が前記工具過負荷率未満になったら、その時の前記
基準平面上における前記工具の輪郭線の位置での前記工
具中心点位置を切削開始点とし、次いで、互いに隣接す
る複数の前記過負荷判定位置についての前記切削終了点
同士を繋いで切削終了点連結曲線を作成するとともに、
それらの切削終了点に対応する前記切削開始点同士を繋
いで切削開始点連結曲線を作成し、さらに前記切削終了
点連結曲線の両端点と前記切削開始点連結曲線の両端点
とをそれぞれ繋いで多段加工範囲を設定して、その多段
加工範囲内につき、前記壁部に沿って指定ピックフィー
ド方向に指定ピッチ以下の間隔をあけて延在する多段加
工用工具経路を、前記切削開始点連結曲線上から移動を
開始して前記切削終了点連結曲線上で移動を終了するよ
うに作成し、その後、前記多段加工用工具経路に沿って
前記工具を移動させて切削加工を行うことを特徴とする
ものである。
定方法を用いたこの発明の工具過負荷防止稜線沿い加工
方法は、前記工具経路の前記過負荷判定位置を切削終了
点とするとともに、前記過負荷判定位置に対応する前記
基準平面上での前記境界線の位置を、その基準平面上で
の前記壁部の輪郭線の位置に対して固定し、次いで、前
記前記基準平面上の、前記工具の輪郭線と前記境界線と
で囲繞される領域のうち、前記壁部の輪郭線に近接する
方の領域の面積を切削面積として求めて、その切削面積
を前記基準平面上での前記工具の輪郭線で囲まれる全領
域の面積で割って工具負荷率を求め、その工具負荷率を
所定の工具過負荷率と比較して、前記工具負荷率が前記
工具過負荷率未満か否かを判別し、前記工具負荷率が前
記工具過負荷率未満でない場合は、前記工具の輪郭線を
前記基準平面上で、前記壁部の輪郭線のうち、前記工具
回転方向側で前記工具中心軸線から遠く離間した方の前
記接点にて接する部分に沿って、前記壁部の輪郭線のう
ち、他方の前記接点にて接する部分から離間する方向へ
微小距離移動させる、という工程を、前記工具負荷率が
前記工具過負荷率未満になるまで繰り返し、前記工具負
荷率が前記工具過負荷率未満になったら、その時の前記
基準平面上における前記工具の輪郭線の位置での前記工
具中心点位置を切削開始点とし、次いで、互いに隣接す
る複数の前記過負荷判定位置についての前記切削終了点
同士を繋いで切削終了点連結曲線を作成するとともに、
それらの切削終了点に対応する前記切削開始点同士を繋
いで切削開始点連結曲線を作成し、さらに前記切削終了
点連結曲線の両端点と前記切削開始点連結曲線の両端点
とをそれぞれ繋いで多段加工範囲を設定して、その多段
加工範囲内につき、前記壁部に沿って指定ピックフィー
ド方向に指定ピッチ以下の間隔をあけて延在する多段加
工用工具経路を、前記切削開始点連結曲線上から移動を
開始して前記切削終了点連結曲線上で移動を終了するよ
うに作成し、その後、前記多段加工用工具経路に沿って
前記工具を移動させて切削加工を行うことを特徴とする
ものである。
【0013】かかるこの発明の工具過負荷防止稜線沿い
加工方法によれば、工具が過負荷になる部位について、
多段加工を行う工具経路を自動的に作成して、それを通
常の工具経路に挿入することができるので、作業者の負
担を軽減することができ、しかも3次元形状モデルの壁
部に沿って多段加工を行う工具経路を作成するので、加
工の無駄が生ずるのを防止することができる。
加工方法によれば、工具が過負荷になる部位について、
多段加工を行う工具経路を自動的に作成して、それを通
常の工具経路に挿入することができるので、作業者の負
担を軽減することができ、しかも3次元形状モデルの壁
部に沿って多段加工を行う工具経路を作成するので、加
工の無駄が生ずるのを防止することができる。
【0014】なお、この発明の工具過負荷防止稜線沿い
加工方法においては、前記各切削終了点と前記各切削開
始点とを前記X─Y平面上に投影し、前記切削終了点連
結曲線と前記切削開始点連結曲線との作成および、それ
らからの前記多段加工範囲の設定を、前記X─Y平面上
で行うこととしても良い。
加工方法においては、前記各切削終了点と前記各切削開
始点とを前記X─Y平面上に投影し、前記切削終了点連
結曲線と前記切削開始点連結曲線との作成および、それ
らからの前記多段加工範囲の設定を、前記X─Y平面上
で行うこととしても良い。
【0015】上記のようにすれば、X─Y平面上で加工
範囲を指定されるとその範囲内についての3次元形状モ
デルの壁部沿いの加工のための工具経路を自動的に作成
する従来のCAMシステムを利用して、この発明の工具
過負荷防止稜線沿い加工方法を実施し得るので、この発
明の方法の実施のための設備コストを安価に抑えること
ができる。
範囲を指定されるとその範囲内についての3次元形状モ
デルの壁部沿いの加工のための工具経路を自動的に作成
する従来のCAMシステムを利用して、この発明の工具
過負荷防止稜線沿い加工方法を実施し得るので、この発
明の方法の実施のための設備コストを安価に抑えること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を実
施例を用いて図面に基づき詳細に説明する。ここに図1
は、この発明の稜線沿い加工用工具過負荷判定方法の一
実施例における実施手順の概要を示す説明図であり、こ
の実施例の工具過負荷判定方法は、CAD(コンピュー
タ支援設計)システム等で作成した3次元形状データか
らその形状を加工するための工具経路を作成する通常の
CAMシステムにて、金型の製作のために実施するもの
で、ここでは、切刃部として円柱状中央部とそれに連な
る半球状先端部とを持つ所定工具(例えば所定の外径お
よび長さのボールエンドミル)を、その中心軸線が上記
CAMシステムの座標系のX─Y平面(他の通常のCA
Mシステムにおけると同様に水平面とされる)に対し垂
直に延在するような姿勢で保持しつつ、金型の3次元形
状モデルの稜線に沿って延在する壁部(前記稜線の位置
で折れ曲がった概略くの字状の断面輪郭形状を有する)
に対し上記工具の半球状先端部が二つの接点で接触する
時のその半球状先端部の中心点である工具中心点の位置
を連ねた工具経路すなわち稜線沿い工具経路(他の通常
のCAMシステムにおけると同様に複数の構成点の点列
として表される)に沿って移動させることで、上記3次
元形状モデルの表面に所定の取り代を付加した寸法の素
材に対し上記稜線に沿う加工を行うべく、上記工具がそ
の稜線沿い加工の際に過負荷となるか否かの判定を行
う。
施例を用いて図面に基づき詳細に説明する。ここに図1
は、この発明の稜線沿い加工用工具過負荷判定方法の一
実施例における実施手順の概要を示す説明図であり、こ
の実施例の工具過負荷判定方法は、CAD(コンピュー
タ支援設計)システム等で作成した3次元形状データか
らその形状を加工するための工具経路を作成する通常の
CAMシステムにて、金型の製作のために実施するもの
で、ここでは、切刃部として円柱状中央部とそれに連な
る半球状先端部とを持つ所定工具(例えば所定の外径お
よび長さのボールエンドミル)を、その中心軸線が上記
CAMシステムの座標系のX─Y平面(他の通常のCA
Mシステムにおけると同様に水平面とされる)に対し垂
直に延在するような姿勢で保持しつつ、金型の3次元形
状モデルの稜線に沿って延在する壁部(前記稜線の位置
で折れ曲がった概略くの字状の断面輪郭形状を有する)
に対し上記工具の半球状先端部が二つの接点で接触する
時のその半球状先端部の中心点である工具中心点の位置
を連ねた工具経路すなわち稜線沿い工具経路(他の通常
のCAMシステムにおけると同様に複数の構成点の点列
として表される)に沿って移動させることで、上記3次
元形状モデルの表面に所定の取り代を付加した寸法の素
材に対し上記稜線に沿う加工を行うべく、上記工具がそ
の稜線沿い加工の際に過負荷となるか否かの判定を行
う。
【0017】図1に示す実施手順においては、先ず工程
1で、上記3次元形状モデルのデータと、上記稜線沿い
工具経路のデータと、上記工具の外径や長さや材質等の
データと、上記素材の材質(取り代部分を含む)や工具
送り速度や工具回転速度等の加工条件のデータとを入力
して、それらの入力データから、上記工具経路の各構成
点の位置に設定した後述する基準平面上で、上記工具お
よび上記金型形状モデルの3次元形状の2次元モデル化
を行う。次いでここでは、工程2で、上記2次元モデル
化した工具および形状モデルを用いて切削面積を概算し
て、その概略切削面積と上記入力データとから工具が過
負荷となるか否かを判定し、その後に工程3で、工具が
過負荷となるか否かの上記判定結果の情報を上記工具経
路のその判定を行った基準平面が位置する各構成点のデ
ータに付加して、その過負荷情報付き工具経路のデータ
を出力する。
1で、上記3次元形状モデルのデータと、上記稜線沿い
工具経路のデータと、上記工具の外径や長さや材質等の
データと、上記素材の材質(取り代部分を含む)や工具
送り速度や工具回転速度等の加工条件のデータとを入力
して、それらの入力データから、上記工具経路の各構成
点の位置に設定した後述する基準平面上で、上記工具お
よび上記金型形状モデルの3次元形状の2次元モデル化
を行う。次いでここでは、工程2で、上記2次元モデル
化した工具および形状モデルを用いて切削面積を概算し
て、その概略切削面積と上記入力データとから工具が過
負荷となるか否かを判定し、その後に工程3で、工具が
過負荷となるか否かの上記判定結果の情報を上記工具経
路のその判定を行った基準平面が位置する各構成点のデ
ータに付加して、その過負荷情報付き工具経路のデータ
を出力する。
【0018】図2および図3は、上述した過負荷判定手
順をさらに詳細に示すフローチャートであり、ここでは
先ず図2中のステップ11で、上記3次元金型形状モデル
のデータと、稜線沿い工具経路のデータと、工具の外径
や長さや材質等のデータと、素材の材質(取り代部分を
含む)や工具送り速度や工具回転速度等の加工条件のデ
ータとの入力を行い、次のステップ12で、工具負荷につ
いて未判定の構成点が上記工具経路内に残っているか否
かを、工具経路の構成点列の工具移動方向手前側から順
次判定して、未判定の構成点が残っていない場合にはそ
の後、後述するステップ22へ進むが、未判定の構成点が
残っている場合には、次のステップ13へ進む。
順をさらに詳細に示すフローチャートであり、ここでは
先ず図2中のステップ11で、上記3次元金型形状モデル
のデータと、稜線沿い工具経路のデータと、工具の外径
や長さや材質等のデータと、素材の材質(取り代部分を
含む)や工具送り速度や工具回転速度等の加工条件のデ
ータとの入力を行い、次のステップ12で、工具負荷につ
いて未判定の構成点が上記工具経路内に残っているか否
かを、工具経路の構成点列の工具移動方向手前側から順
次判定して、未判定の構成点が残っていない場合にはそ
の後、後述するステップ22へ進むが、未判定の構成点が
残っている場合には、次のステップ13へ進む。
【0019】上記ステップ13では、図4に示すように、
上記工具経路L内のその未判定の構成点の位置に一致さ
せて過負荷判定位置C(工具Tの半球状先端部の中心点
Cがそこに位置するため共通の符号で表す)を設定し、
さらに、その過負荷判定位置Cを通って上記X─Y平面
に直交するとともに、上記工具経路LをそのX─Y平面
に投影した経路(図示せず)に上記過負荷判定位置に対
応する位置で接する接線(図示せず)に対しても直交す
る基準平面BPを設定する。なお、上記投影した経路がそ
の構成点の位置で折れている場合には、その構成点の前
後の経路に対し同じ角度をなす直線を接線として、その
直線に直交するように上記基準平面を設定する。
上記工具経路L内のその未判定の構成点の位置に一致さ
せて過負荷判定位置C(工具Tの半球状先端部の中心点
Cがそこに位置するため共通の符号で表す)を設定し、
さらに、その過負荷判定位置Cを通って上記X─Y平面
に直交するとともに、上記工具経路LをそのX─Y平面
に投影した経路(図示せず)に上記過負荷判定位置に対
応する位置で接する接線(図示せず)に対しても直交す
る基準平面BPを設定する。なお、上記投影した経路がそ
の構成点の位置で折れている場合には、その構成点の前
後の経路に対し同じ角度をなす直線を接線として、その
直線に直交するように上記基準平面を設定する。
【0020】さらにここでは、上記基準平面BPで切っ
た、上記過負荷判定位置Cでの工具Tの円柱状中央部TC
の断面の輪郭線TP1 および壁部Wの断面の輪郭線WP1 を
求めるとともに、壁部Wに対する工具Tの上記二つの接
点PA1, PB1と上記工具中心点Cとを含む壁部直交平面CP
で切った、上記過負荷判定位置Cでの工具Tの半球状先
端部TEの断面の輪郭線TP2 および上記壁部Wの断面の輪
郭線WP2 を求め、その後に次のステップ14で、図4中の
矢印A方向から工具Tと壁部Wとを見た図5中に矢印D
で示すように、上記半球状先端部TEおよび壁部Wの輪郭
線TP2, WP2を、上記基準平面BP上で工具中心点Cを通っ
て工具中心軸線TCL と直交する直線RL周りに上記基準平
面BP上にそれぞれ展開(座標変換)して輪郭線TP3, WP3
とし、基準平面BPで切った工具Tの円柱状中央部TCおよ
び壁部Wの輪郭線TP1, WP1と、基準平面BP上に展開した
工具Tの半球状先端部TEおよび壁部Wの上記輪郭線TP3,
WP3とをそれぞれ繋げて、図2の中央部に示すように、
基準平面BP上での工具Tの輪郭線TPおよび壁部Wの輪郭
線WPによる2次元モデルを作成する。
た、上記過負荷判定位置Cでの工具Tの円柱状中央部TC
の断面の輪郭線TP1 および壁部Wの断面の輪郭線WP1 を
求めるとともに、壁部Wに対する工具Tの上記二つの接
点PA1, PB1と上記工具中心点Cとを含む壁部直交平面CP
で切った、上記過負荷判定位置Cでの工具Tの半球状先
端部TEの断面の輪郭線TP2 および上記壁部Wの断面の輪
郭線WP2 を求め、その後に次のステップ14で、図4中の
矢印A方向から工具Tと壁部Wとを見た図5中に矢印D
で示すように、上記半球状先端部TEおよび壁部Wの輪郭
線TP2, WP2を、上記基準平面BP上で工具中心点Cを通っ
て工具中心軸線TCL と直交する直線RL周りに上記基準平
面BP上にそれぞれ展開(座標変換)して輪郭線TP3, WP3
とし、基準平面BPで切った工具Tの円柱状中央部TCおよ
び壁部Wの輪郭線TP1, WP1と、基準平面BP上に展開した
工具Tの半球状先端部TEおよび壁部Wの上記輪郭線TP3,
WP3とをそれぞれ繋げて、図2の中央部に示すように、
基準平面BP上での工具Tの輪郭線TPおよび壁部Wの輪郭
線WPによる2次元モデルを作成する。
【0021】次のステップ15では、図2の下部に示すよ
うに、上記工具Tの半球状先端部TEの周囲に前記取り代
S分の厚みを加えた工具半径+Sの半径を持つ仮想工具
先端部ATE を設定するとともに、上記過負荷判定位置C
から工具Tをその中心軸線の延在方向すなわちこの実施
例ではZ軸方向へ後退移動(上昇移動)させることに
て、図6に示すように、その仮想工具先端部ATE の、上
記基準平面BP上の輪郭線に限られない何れかの部位が3
次元金型形状モデルの表面に対し接触する時の工具中心
点の位置である仮想工具接触位置ACを、接触計算を行っ
て求める。
うに、上記工具Tの半球状先端部TEの周囲に前記取り代
S分の厚みを加えた工具半径+Sの半径を持つ仮想工具
先端部ATE を設定するとともに、上記過負荷判定位置C
から工具Tをその中心軸線の延在方向すなわちこの実施
例ではZ軸方向へ後退移動(上昇移動)させることに
て、図6に示すように、その仮想工具先端部ATE の、上
記基準平面BP上の輪郭線に限られない何れかの部位が3
次元金型形状モデルの表面に対し接触する時の工具中心
点の位置である仮想工具接触位置ACを、接触計算を行っ
て求める。
【0022】次いでここでは、図3に示すステップ16
で、図3の上部および図6に示すように、上記仮想工具
接触位置ACでの工具Tの半球状先端部TEを上記基準平面
BPで切った断面の輪郭線TP4 を求めるとともに、前記基
準平面BP上にて、前記壁部Wに対する工具Tの半球状先
端部TEの二つの接点PA1, PB1の各々につき、その接点と
前記工具中心点Cとを結ぶ半径方向直線上の前記接点か
ら前記取り代S分離間した位置でその半径方向直線と直
交する直線を境界直線L1として求め、前記二つの接点PA
1, PB1についての二本の前記境界直線L1同士が交差する
点を第1の交点XP1 として求めて、前記二本の境界直線
の各々の前記第1の交点を挟む両側の部分のうち前記半
径方向直線と直交する側でない他方の側の部分(図6で
は破線で示す部分)を削除し、次いで、前記二本の境界
直線L1の各々について、その境界直線が上記仮想工具接
触位置ACでの工具Tの半球状先端部TEの輪郭線TP4 と交
差する点を、第2の交点XP2 として求める。
で、図3の上部および図6に示すように、上記仮想工具
接触位置ACでの工具Tの半球状先端部TEを上記基準平面
BPで切った断面の輪郭線TP4 を求めるとともに、前記基
準平面BP上にて、前記壁部Wに対する工具Tの半球状先
端部TEの二つの接点PA1, PB1の各々につき、その接点と
前記工具中心点Cとを結ぶ半径方向直線上の前記接点か
ら前記取り代S分離間した位置でその半径方向直線と直
交する直線を境界直線L1として求め、前記二つの接点PA
1, PB1についての二本の前記境界直線L1同士が交差する
点を第1の交点XP1 として求めて、前記二本の境界直線
の各々の前記第1の交点を挟む両側の部分のうち前記半
径方向直線と直交する側でない他方の側の部分(図6で
は破線で示す部分)を削除し、次いで、前記二本の境界
直線L1の各々について、その境界直線が上記仮想工具接
触位置ACでの工具Tの半球状先端部TEの輪郭線TP4 と交
差する点を、第2の交点XP2 として求める。
【0023】次のステップ17では、上記第2の交点XP2
が上記境界直線L1の少なくとも一方について求まったか
否かを判定し、少なくとも一方について第2の交点XP2
が求まった場合には、ステップ18へ進んで、そこで上記
第2の交点XP2 の高さまで切削面積を求める。すなわち
ここでは、第2の交点XP2 が求まった境界直線L1につい
て、その境界直線L1の第2の交点XP2 を挟む両側の部分
のうち上記半径方向直線と直交する側でない他方の側の
部分(図6では交点XP2 よりも上側の二点鎖線で示す部
分)を削除し、さらに、上記第2の交点XP2 から前記基
準平面BP上で前記X─Y平面に平行に延在して、その基
準平面BP上の工具Tの輪郭線TPのうち前記工具中心軸線
TCL に対し上記第2の交点XP2 と同じ側(図6では左
側)に位置する輪郭線と交差する直線を追加境界直線L2
として求める。
が上記境界直線L1の少なくとも一方について求まったか
否かを判定し、少なくとも一方について第2の交点XP2
が求まった場合には、ステップ18へ進んで、そこで上記
第2の交点XP2 の高さまで切削面積を求める。すなわち
ここでは、第2の交点XP2 が求まった境界直線L1につい
て、その境界直線L1の第2の交点XP2 を挟む両側の部分
のうち上記半径方向直線と直交する側でない他方の側の
部分(図6では交点XP2 よりも上側の二点鎖線で示す部
分)を削除し、さらに、上記第2の交点XP2 から前記基
準平面BP上で前記X─Y平面に平行に延在して、その基
準平面BP上の工具Tの輪郭線TPのうち前記工具中心軸線
TCL に対し上記第2の交点XP2 と同じ側(図6では左
側)に位置する輪郭線と交差する直線を追加境界直線L2
として求める。
【0024】上記ステップ18ではさらに、前記取り代の
輪郭線に概ね相当するものとして境界線を求めるが、上
記二本の境界直線L1の各々について上記第2の交点XP2
が求まった場合(図示しないが壁部Wの断面輪郭線がV
字状に折れ曲がっているような場合)には、それら二本
の境界直線L1を上記第1の交点XP1 で連結するとともに
その連結直線に上記二本の境界直線L1についての二本の
上記追加境界直線L2を第2の交点XP2 でそれぞれ連結し
て境界線を求め、また図3の中央部および図6に示すよ
うに、上記二本の境界直線L1の一方のみについて上記第
2の交点XP2 が求まった場合には、その一方の境界直線
L1と他方の境界直線L1とを上記第1の交点XP1 で連結す
るとともにその連結直線に上記一方の境界直線L1につい
ての上記追加境界直線L2を第2の交点XP2 で連結して境
界線を求める。そしてここでは、次いで上記基準平面BP
上の、前記二種類のうち何れかの境界線と工具の輪郭線
TPとで囲繞される領域のうち、図中斜線で示す、壁部の
輪郭線WPに近接する方の領域Bの面積を切削面積として
求める。
輪郭線に概ね相当するものとして境界線を求めるが、上
記二本の境界直線L1の各々について上記第2の交点XP2
が求まった場合(図示しないが壁部Wの断面輪郭線がV
字状に折れ曲がっているような場合)には、それら二本
の境界直線L1を上記第1の交点XP1 で連結するとともに
その連結直線に上記二本の境界直線L1についての二本の
上記追加境界直線L2を第2の交点XP2 でそれぞれ連結し
て境界線を求め、また図3の中央部および図6に示すよ
うに、上記二本の境界直線L1の一方のみについて上記第
2の交点XP2 が求まった場合には、その一方の境界直線
L1と他方の境界直線L1とを上記第1の交点XP1 で連結す
るとともにその連結直線に上記一方の境界直線L1につい
ての上記追加境界直線L2を第2の交点XP2 で連結して境
界線を求める。そしてここでは、次いで上記基準平面BP
上の、前記二種類のうち何れかの境界線と工具の輪郭線
TPとで囲繞される領域のうち、図中斜線で示す、壁部の
輪郭線WPに近接する方の領域Bの面積を切削面積として
求める。
【0025】この一方、上記ステップ17で上記第2の交
点XP2 が上記境界直線L1の何れについても求まらなかっ
たと判定した場合には、ステップ19へ進み、このステッ
プ19では図3の下部および図7に示すように、上記基準
平面BP上にて、壁部Wに対する工具Tの半球状先端部TE
の二つの接点PA2, PB2のうち工具Tの基部から先端部TE
を見た場合の工具回転方向側(図では工具中心軸線TCL
の左側)で工具中心軸線TCL から遠く離間した方の接点
(図では接点PA2 )と工具中心点Cとを結ぶ半径方向直
線上のその接点から上記取り代S分だけ離間した位置F
を求めるとともに、基準平面BP上の過負荷判定位置Cで
の工具Tの円柱状中央部TCの輪郭線TP1が上記仮想工具
接触位置ACでの工具Tの半球状先端部の輪郭線TP4 と接
触する二つの点のうちの工具中心軸線TCL に対し上記工
具回転方向側(図では工具中心軸線TCL の左側)に位置
する点を第3の交点XP3 として求める。なお、このよう
に工具回転方向側に第3の交点XP3 を求めるのは、通
常、工具Tの基部から先端部TEを見た場合の工具回転方
向を右回転とし、工具進行方向に対してその工具回転方
向側に位置する壁部を切削することで、いわゆる下向き
削りを行って加工精度を高めるためである。
点XP2 が上記境界直線L1の何れについても求まらなかっ
たと判定した場合には、ステップ19へ進み、このステッ
プ19では図3の下部および図7に示すように、上記基準
平面BP上にて、壁部Wに対する工具Tの半球状先端部TE
の二つの接点PA2, PB2のうち工具Tの基部から先端部TE
を見た場合の工具回転方向側(図では工具中心軸線TCL
の左側)で工具中心軸線TCL から遠く離間した方の接点
(図では接点PA2 )と工具中心点Cとを結ぶ半径方向直
線上のその接点から上記取り代S分だけ離間した位置F
を求めるとともに、基準平面BP上の過負荷判定位置Cで
の工具Tの円柱状中央部TCの輪郭線TP1が上記仮想工具
接触位置ACでの工具Tの半球状先端部の輪郭線TP4 と接
触する二つの点のうちの工具中心軸線TCL に対し上記工
具回転方向側(図では工具中心軸線TCL の左側)に位置
する点を第3の交点XP3 として求める。なお、このよう
に工具回転方向側に第3の交点XP3 を求めるのは、通
常、工具Tの基部から先端部TEを見た場合の工具回転方
向を右回転とし、工具進行方向に対してその工具回転方
向側に位置する壁部を切削することで、いわゆる下向き
削りを行って加工精度を高めるためである。
【0026】続くステップ20では、上記第3の交点XP3
と、上記遠く離間した方の接点PA2と工具中心点Cとを
結ぶ半径方向直線上のその接点から取り代S分離間した
位置Fとを通る直線を仮想境界直線L3として求めて、そ
の仮想境界直線L3と他方の接点PB2 についての境界直線
L1とが交差する点を第4の交点XP4 として求め、次い
で、上記仮想境界直線L3の上記第4の交点XP4 を挟む両
側の部分のうち上記半径方向直線と直交する側でない他
方の側の部分(図7では第4の交点XP4 の下側の二点鎖
線で示す部分)を削除し、その仮想境界直線L3と上記境
界直線L1とを上記第4の交点XP4 で連結して境界線を求
めて、上記基準平面BP上の、その境界線と工具Tの輪郭
線TPとで囲繞される領域のうち、図中斜線で示す、壁部
の輪郭線WPに近接する方の領域Bの面積を切削面積とし
て求める。
と、上記遠く離間した方の接点PA2と工具中心点Cとを
結ぶ半径方向直線上のその接点から取り代S分離間した
位置Fとを通る直線を仮想境界直線L3として求めて、そ
の仮想境界直線L3と他方の接点PB2 についての境界直線
L1とが交差する点を第4の交点XP4 として求め、次い
で、上記仮想境界直線L3の上記第4の交点XP4 を挟む両
側の部分のうち上記半径方向直線と直交する側でない他
方の側の部分(図7では第4の交点XP4 の下側の二点鎖
線で示す部分)を削除し、その仮想境界直線L3と上記境
界直線L1とを上記第4の交点XP4 で連結して境界線を求
めて、上記基準平面BP上の、その境界線と工具Tの輪郭
線TPとで囲繞される領域のうち、図中斜線で示す、壁部
の輪郭線WPに近接する方の領域Bの面積を切削面積とし
て求める。
【0027】そして次のステップ21では、上記ステップ
18もしくはステップ20で求めた切削面積を、あらかじめ
求めた上記基準平面BP上での工具Tの輪郭線(上端部は
図示せず)で囲まれる全領域の面積で割って工具負荷率
を求め、その工具負荷率を、先に入力した工具の外径や
長さや材質等のデータおよび、素材の材質(取り代部分
を含む)や工具送り速度や工具回転速度等の加工条件の
データに基づいて定めた所定の工具過負荷率と比較し
て、上記工具負荷率がその工具過負荷率以上の場合に
は、当該過負荷判定位置Cでは工具Tが過負荷になると
判定し、その一方上記工具負荷率がその工具過負荷率以
上でない場合には、当該過負荷判定位置Cでは工具Tの
負荷が許容範囲内であると判定し、その判定結果である
過負荷情報すなわち例えば、負荷が許容範囲内の場合は
0、過負荷の場合は1のフラグを前記工具経路のデータ
に付加する。
18もしくはステップ20で求めた切削面積を、あらかじめ
求めた上記基準平面BP上での工具Tの輪郭線(上端部は
図示せず)で囲まれる全領域の面積で割って工具負荷率
を求め、その工具負荷率を、先に入力した工具の外径や
長さや材質等のデータおよび、素材の材質(取り代部分
を含む)や工具送り速度や工具回転速度等の加工条件の
データに基づいて定めた所定の工具過負荷率と比較し
て、上記工具負荷率がその工具過負荷率以上の場合に
は、当該過負荷判定位置Cでは工具Tが過負荷になると
判定し、その一方上記工具負荷率がその工具過負荷率以
上でない場合には、当該過負荷判定位置Cでは工具Tの
負荷が許容範囲内であると判定し、その判定結果である
過負荷情報すなわち例えば、負荷が許容範囲内の場合は
0、過負荷の場合は1のフラグを前記工具経路のデータ
に付加する。
【0028】しかる後ここでは、図2のステップ12へ戻
って、再び工具負荷について未判定の構成点が上記工具
経路内に残っているか否かを判定し、未だ残っていれば
その構成点について上述した処理を実行するが、残って
いなければ前記のようにステップ22へ進んで、上記ステ
ップ21の処理により過負荷情報を持った稜線沿い加工工
具経路のデータを出力する。
って、再び工具負荷について未判定の構成点が上記工具
経路内に残っているか否かを判定し、未だ残っていれば
その構成点について上述した処理を実行するが、残って
いなければ前記のようにステップ22へ進んで、上記ステ
ップ21の処理により過負荷情報を持った稜線沿い加工工
具経路のデータを出力する。
【0029】上記実施例の工具過負荷判定方法によれ
ば、CAMシステムの座標系のX─Y平面に対し垂直に
延在するとともに、工具経路をそのX─Y平面に投影し
た経路に対しても直交する基準平面BP上にて、金型形状
モデルおよび工具の3次元形状を2次元モデル化して工
具の円柱状中央部および半球状先端部の周囲における切
削面積を概算し、その概略切削面積から求めた工具負荷
により過負荷判定を行って、その判定結果の過負荷情報
を持った稜線沿い加工工具経路のデータを出力するの
で、例えば図8に示すように、構成点C1〜C11 を連ねた
工具経路Lのうち構成点C3〜C8の範囲内はそのままでは
工具が過負荷になる場合に、その過負荷になる範囲につ
いて、工具負荷を過小評価することなく工具経路の修正
等を適切に行い得て、実際の加工の際の工具の破損を有
効に防止することができる。
ば、CAMシステムの座標系のX─Y平面に対し垂直に
延在するとともに、工具経路をそのX─Y平面に投影し
た経路に対しても直交する基準平面BP上にて、金型形状
モデルおよび工具の3次元形状を2次元モデル化して工
具の円柱状中央部および半球状先端部の周囲における切
削面積を概算し、その概略切削面積から求めた工具負荷
により過負荷判定を行って、その判定結果の過負荷情報
を持った稜線沿い加工工具経路のデータを出力するの
で、例えば図8に示すように、構成点C1〜C11 を連ねた
工具経路Lのうち構成点C3〜C8の範囲内はそのままでは
工具が過負荷になる場合に、その過負荷になる範囲につ
いて、工具負荷を過小評価することなく工具経路の修正
等を適切に行い得て、実際の加工の際の工具の破損を有
効に防止することができる。
【0030】しかも上記実施例の工具過負荷判定方法に
よれば、二本の境界直線の何れについても第2の交点が
求まらなかった場合に、基準平面BP上にて、壁部に対す
る工具の半球状先端部の二つの接点PA2, PB2のうち工具
回転方向側で工具中心軸線から遠く離間した方の接点PA
2 と工具中心点Cとを結ぶ半径方向直線上のその接点PA
2 から取り代S分離間した位置Fを求めるとともに、基
準平面BP上の過負荷判定位置Cでの工具の円柱状中央部
の輪郭線が仮想工具接触位置ACでの工具の半球状先端部
と交差する二つの点のうちの工具中心軸線に対し工具回
転方向側に位置する点を第3の交点XP3 として求め、そ
の第3の交点XP3 と上記接点PA2 から取り代分離間した
位置Fとを通る直線を仮想境界直線L3として求めて、そ
の仮想境界直線L3と他方の接点PB2 についての境界直線
L1とから境界線を求め、基準平面BP上の、その境界線と
工具の輪郭線とで囲繞される領域のうち壁部の輪郭線に
近接する方の領域Bの面積を切削面積として求めるの
で、3次元形状モデルの、基準平面BP上にない、工具経
路の前方に位置する部分に先に工具が当たって、仮想工
具接触位置ACでの仮想工具先端部が基準平面上では3次
元形状モデルの表面と接触しないような場合でも、その
切り込み量を考慮して概略切削面積を大きめに求めるこ
とができ、それゆえ、上記前方に位置する部分への切り
込みで実際の切削面積が基準平面上の2次元モデルのみ
で求めるよりも大きくなる場合でも、実際の加工の際の
工具の破損を有効に防止することができる。
よれば、二本の境界直線の何れについても第2の交点が
求まらなかった場合に、基準平面BP上にて、壁部に対す
る工具の半球状先端部の二つの接点PA2, PB2のうち工具
回転方向側で工具中心軸線から遠く離間した方の接点PA
2 と工具中心点Cとを結ぶ半径方向直線上のその接点PA
2 から取り代S分離間した位置Fを求めるとともに、基
準平面BP上の過負荷判定位置Cでの工具の円柱状中央部
の輪郭線が仮想工具接触位置ACでの工具の半球状先端部
と交差する二つの点のうちの工具中心軸線に対し工具回
転方向側に位置する点を第3の交点XP3 として求め、そ
の第3の交点XP3 と上記接点PA2 から取り代分離間した
位置Fとを通る直線を仮想境界直線L3として求めて、そ
の仮想境界直線L3と他方の接点PB2 についての境界直線
L1とから境界線を求め、基準平面BP上の、その境界線と
工具の輪郭線とで囲繞される領域のうち壁部の輪郭線に
近接する方の領域Bの面積を切削面積として求めるの
で、3次元形状モデルの、基準平面BP上にない、工具経
路の前方に位置する部分に先に工具が当たって、仮想工
具接触位置ACでの仮想工具先端部が基準平面上では3次
元形状モデルの表面と接触しないような場合でも、その
切り込み量を考慮して概略切削面積を大きめに求めるこ
とができ、それゆえ、上記前方に位置する部分への切り
込みで実際の切削面積が基準平面上の2次元モデルのみ
で求めるよりも大きくなる場合でも、実際の加工の際の
工具の破損を有効に防止することができる。
【0031】さらに上記実施例の工具過負荷判定方法に
よれば、複数の構成点の点列で表されている工具経路に
ついて、前記過負荷判定位置を前記各構成点の位置とし
て、その判定結果を前記各構成点の情報に付加するの
で、工具経路の複数の構成点のうち、工具過負荷となる
構成点のみについて工具経路の修正や追加を行うことが
でき、それゆえ、工具の破損を防止しつつ、加工効率の
不必要な低下も防止することができる。
よれば、複数の構成点の点列で表されている工具経路に
ついて、前記過負荷判定位置を前記各構成点の位置とし
て、その判定結果を前記各構成点の情報に付加するの
で、工具経路の複数の構成点のうち、工具過負荷となる
構成点のみについて工具経路の修正や追加を行うことが
でき、それゆえ、工具の破損を防止しつつ、加工効率の
不必要な低下も防止することができる。
【0032】図9は、上記実施例の工具過負荷判定方法
を用いた、この発明の工具過負荷防止稜線沿い加工方法
の一実施例における実施手順の概要を示す説明図であ
り、この実施例の稜線沿い加工方法も、CAD(コンピ
ュータ支援設計)システム等で作成した3次元形状デー
タからその形状を加工するための工具経路を作成する通
常のCAMシステムにて、金型の製作のために実施する
もので、ここでも、切刃部として円柱状中央部とそれに
連なる半球状先端部とを持つ所定工具を、その中心軸線
が上記CAMシステムの座標系のX─Y平面(他の通常
のCAMシステムにおけると同様に水平面とされる)に
対し垂直に延在する姿勢で保持しつつ、金型の3次元形
状モデルの稜線に沿って延在する壁部(前記稜線の位置
で折れ曲がった概略くの字状の断面輪郭形状を有する)
に対し上記工具の半球状先端部が二つの接点で接触する
時のその半球状先端部の中心点である工具中心点の位置
を連ねた工具経路すなわち稜線沿い工具経路(他の通常
のCAMシステムにおけると同様に複数の構成点の点列
として表される)に沿って移動させることで、上記3次
元形状モデルの表面に所定の取り代を付加した寸法の素
材に対し上記稜線に沿う加工を行うべく、上記工具が過
負荷とならないような工具経路を作成する。なお、図1
に示す手順と共通する部分は、それと同一の符号にて示
す。
を用いた、この発明の工具過負荷防止稜線沿い加工方法
の一実施例における実施手順の概要を示す説明図であ
り、この実施例の稜線沿い加工方法も、CAD(コンピ
ュータ支援設計)システム等で作成した3次元形状デー
タからその形状を加工するための工具経路を作成する通
常のCAMシステムにて、金型の製作のために実施する
もので、ここでも、切刃部として円柱状中央部とそれに
連なる半球状先端部とを持つ所定工具を、その中心軸線
が上記CAMシステムの座標系のX─Y平面(他の通常
のCAMシステムにおけると同様に水平面とされる)に
対し垂直に延在する姿勢で保持しつつ、金型の3次元形
状モデルの稜線に沿って延在する壁部(前記稜線の位置
で折れ曲がった概略くの字状の断面輪郭形状を有する)
に対し上記工具の半球状先端部が二つの接点で接触する
時のその半球状先端部の中心点である工具中心点の位置
を連ねた工具経路すなわち稜線沿い工具経路(他の通常
のCAMシステムにおけると同様に複数の構成点の点列
として表される)に沿って移動させることで、上記3次
元形状モデルの表面に所定の取り代を付加した寸法の素
材に対し上記稜線に沿う加工を行うべく、上記工具が過
負荷とならないような工具経路を作成する。なお、図1
に示す手順と共通する部分は、それと同一の符号にて示
す。
【0033】図9に示す実施手順においては、先の実施
例の工具過負荷判定方法と同様に、先ず工程1で、上記
3次元形状モデルのデータと、上記稜線沿い工具経路の
データと、上記工具の外径や長さや材質等のデータと、
上記素材の材質(取り代部分を含む)や工具送り速度や
工具回転速度等の加工条件のデータとを入力して、それ
らの入力データから、上記工具経路の、工具過負荷判定
位置としての各構成点の位置に設定した基準平面上で、
上記工具および上記金型形状モデルの3次元形状の2次
元モデル化を行い、次いで工程2で、上記2次元モデル
化した工具および形状モデルを用いて切削面積を概算し
て、その概略切削面積と上記入力データとから工具が過
負荷となるか否かを判定する。しかる後、この実施例の
工具過負荷防止稜線沿い加工方法では、先の実施例の工
程3に替えて工程4で、工具が過負荷となるとともに互
いに隣接する複数の構成点についての概略切削面積から
多段加工する範囲を算出し、続く工程5で、その多段加
工する範囲内について多段加工用工具経路を算出して、
その多段加工用工具経路のデータを出力する。
例の工具過負荷判定方法と同様に、先ず工程1で、上記
3次元形状モデルのデータと、上記稜線沿い工具経路の
データと、上記工具の外径や長さや材質等のデータと、
上記素材の材質(取り代部分を含む)や工具送り速度や
工具回転速度等の加工条件のデータとを入力して、それ
らの入力データから、上記工具経路の、工具過負荷判定
位置としての各構成点の位置に設定した基準平面上で、
上記工具および上記金型形状モデルの3次元形状の2次
元モデル化を行い、次いで工程2で、上記2次元モデル
化した工具および形状モデルを用いて切削面積を概算し
て、その概略切削面積と上記入力データとから工具が過
負荷となるか否かを判定する。しかる後、この実施例の
工具過負荷防止稜線沿い加工方法では、先の実施例の工
程3に替えて工程4で、工具が過負荷となるとともに互
いに隣接する複数の構成点についての概略切削面積から
多段加工する範囲を算出し、続く工程5で、その多段加
工する範囲内について多段加工用工具経路を算出して、
その多段加工用工具経路のデータを出力する。
【0034】図10は、上述した工具過負荷防止稜線沿い
加工方法をさらに詳細に示すフローチャートであり、こ
こでは先ずステップ31で、上記3次元金型形状モデルの
データと、図4に示す如き稜線沿い工具経路Lのデータ
と、工具の外径や長さや材質等のデータと、素材の材質
(取り代部分を含む)や工具送り速度や工具回転速度等
の加工条件のデータとの入力を行い、次のステップ32
で、後述する切削終了点および切削開始点を求める処理
について未処理の構成点が上記工具経路L内に残ってい
るか否かを、工具経路Lの構成点列の工具移動方向手前
側から順次判定して、未処理の構成点が残っていない場
合にはその後、後述するステップ38へ進むが、未処理の
構成点が残っている場合にはステップ33へ進む。
加工方法をさらに詳細に示すフローチャートであり、こ
こでは先ずステップ31で、上記3次元金型形状モデルの
データと、図4に示す如き稜線沿い工具経路Lのデータ
と、工具の外径や長さや材質等のデータと、素材の材質
(取り代部分を含む)や工具送り速度や工具回転速度等
の加工条件のデータとの入力を行い、次のステップ32
で、後述する切削終了点および切削開始点を求める処理
について未処理の構成点が上記工具経路L内に残ってい
るか否かを、工具経路Lの構成点列の工具移動方向手前
側から順次判定して、未処理の構成点が残っていない場
合にはその後、後述するステップ38へ進むが、未処理の
構成点が残っている場合にはステップ33へ進む。
【0035】上記ステップ33では、先の実施例のステッ
プ13と同様に、上記工具経路L内のその未判定の構成点
の位置を通って上記X─Y平面に直交するとともに、上
記工具経路LをそのX─Y平面に投影した図11に示す如
き経路L(上記工具経路と同一の符号で示す)にその構
成点の位置に対応する位置で接する接線(図11では経路
Lが直線ゆえ、接線は経路Lと一致する)に対しても直
交する基準平面BPを設定する。なお、上記投影した経路
がその構成点の位置で折れている場合には、その構成点
の前後の経路に対し同じ角度をなす直線を接線として、
その直線に直交するように上記基準平面BPを設定する。
そして次のステップ34では、先の実施例のステップ14と
同様、図12(a),(b)に示すように上記基準平面BP
上での上記金型形状モデルおよび工具の輪郭線WP, TPか
らなる2次元モデルを作成するとともに、図11に示すよ
うにその金型形状2次元モデルを上記X─Y平面に投影
した直線(上記基準平面BPとX─Y平面との交線と一致
する)を基準直線BLとして求める。
プ13と同様に、上記工具経路L内のその未判定の構成点
の位置を通って上記X─Y平面に直交するとともに、上
記工具経路LをそのX─Y平面に投影した図11に示す如
き経路L(上記工具経路と同一の符号で示す)にその構
成点の位置に対応する位置で接する接線(図11では経路
Lが直線ゆえ、接線は経路Lと一致する)に対しても直
交する基準平面BPを設定する。なお、上記投影した経路
がその構成点の位置で折れている場合には、その構成点
の前後の経路に対し同じ角度をなす直線を接線として、
その直線に直交するように上記基準平面BPを設定する。
そして次のステップ34では、先の実施例のステップ14と
同様、図12(a),(b)に示すように上記基準平面BP
上での上記金型形状モデルおよび工具の輪郭線WP, TPか
らなる2次元モデルを作成するとともに、図11に示すよ
うにその金型形状2次元モデルを上記X─Y平面に投影
した直線(上記基準平面BPとX─Y平面との交線と一致
する)を基準直線BLとして求める。
【0036】続くステップ35では、上記構成点を上記基
準直線BL上に投影した点を切削終了点EPとして、X─Y
平面上でのその切削終了点EPの座標値を、前記構成点に
付した番号に対応させて、表1に示す如き切削範囲テー
ブルに格納し、さらに、その切削終了点EPを、当該基準
直線BL上の最初の評価点として設定する。そして次のス
テップ36では、現在の評価点の位置に対応する位置の工
具中心点について、先の実施例と同様にして工具付加率
を算出する。すなわち例えば、図11および図12に示す、
構成点C13 についての処理例では、構成点C13 を基準直
線BL上に投影した点を切削終了点EPとして、その切削終
了点EPを最初の評価点VPに設定し、その評価点に関し
て、図12(a)に示すように、二本の境界直線L1および
追加境界直線L2からなる前記境界線と工具輪郭線TPとで
囲まれる領域のうち壁部に近い方の領域Bの面積を切削
面積として求めて、その切削面積を、あらかじめ求めた
工具Tの輪郭線(上端部は図示せず)で囲まれる全領域
の面積で割って工具負荷率を求める。
準直線BL上に投影した点を切削終了点EPとして、X─Y
平面上でのその切削終了点EPの座標値を、前記構成点に
付した番号に対応させて、表1に示す如き切削範囲テー
ブルに格納し、さらに、その切削終了点EPを、当該基準
直線BL上の最初の評価点として設定する。そして次のス
テップ36では、現在の評価点の位置に対応する位置の工
具中心点について、先の実施例と同様にして工具付加率
を算出する。すなわち例えば、図11および図12に示す、
構成点C13 についての処理例では、構成点C13 を基準直
線BL上に投影した点を切削終了点EPとして、その切削終
了点EPを最初の評価点VPに設定し、その評価点に関し
て、図12(a)に示すように、二本の境界直線L1および
追加境界直線L2からなる前記境界線と工具輪郭線TPとで
囲まれる領域のうち壁部に近い方の領域Bの面積を切削
面積として求めて、その切削面積を、あらかじめ求めた
工具Tの輪郭線(上端部は図示せず)で囲まれる全領域
の面積で割って工具負荷率を求める。
【0037】続くステップ37では、先の実施例のステッ
プ21と同様に、上記ステップ36で求めた工具負荷率を、
先に入力した工具の外径や長さや材質等のデータおよ
び、素材の材質(取り代部分を含む)や工具送り速度や
工具回転速度等の加工条件のデータに基づいて定めた所
定の工具過負荷率と比較して、上記工具負荷率がその工
具過負荷率未満でない場合には、当該評価点では工具T
が過負荷になると判定してステップ38へ進む。
プ21と同様に、上記ステップ36で求めた工具負荷率を、
先に入力した工具の外径や長さや材質等のデータおよ
び、素材の材質(取り代部分を含む)や工具送り速度や
工具回転速度等の加工条件のデータに基づいて定めた所
定の工具過負荷率と比較して、上記工具負荷率がその工
具過負荷率未満でない場合には、当該評価点では工具T
が過負荷になると判定してステップ38へ進む。
【0038】上記ステップ38では、図12(b)に矢印DV
で示すように、工具の輪郭線TPを基準平面BP上で、壁部
の輪郭線WPのうち、工具中心軸線に対し工具回転方向側
すなわちここでは工具移動方向に向かって右側で工具中
心軸線から遠く離間した方の接点にて接する部分(図12
では工具輪郭線TPの左側のほぼ垂直な側壁部)に沿っ
て、壁部の輪郭線WPのうち、他方の接点にて接する部分
(図12では工具輪郭線TPの下側の水平な下壁部)から離
間する方向へ微小ピッチだけ移動させることで、その工
具の半球状先端部の輪郭線の中心点をX─Y平面に投影
した点を図11および図12に矢印DHで示すように上記側壁
部方向へ微小ピッチ移動させ、その移動後の投影点を新
たな評価点とした後、上記ステップ36へ戻り、これによ
り上記ステップ36では、図12(b)に示すように、現在
の評価点となったその新たな評価点に対応する、上記側
壁部に沿って矢印DV方向へ微小ピッチ移動させた工具輪
郭線TPと先に壁部の輪郭線WPに対して固定した前記境界
線L1, L2とで囲まれる領域のうち壁部に近い方の領域B
の面積を切削面積として求めて、その切削面積から工具
負荷率を算出する。
で示すように、工具の輪郭線TPを基準平面BP上で、壁部
の輪郭線WPのうち、工具中心軸線に対し工具回転方向側
すなわちここでは工具移動方向に向かって右側で工具中
心軸線から遠く離間した方の接点にて接する部分(図12
では工具輪郭線TPの左側のほぼ垂直な側壁部)に沿っ
て、壁部の輪郭線WPのうち、他方の接点にて接する部分
(図12では工具輪郭線TPの下側の水平な下壁部)から離
間する方向へ微小ピッチだけ移動させることで、その工
具の半球状先端部の輪郭線の中心点をX─Y平面に投影
した点を図11および図12に矢印DHで示すように上記側壁
部方向へ微小ピッチ移動させ、その移動後の投影点を新
たな評価点とした後、上記ステップ36へ戻り、これによ
り上記ステップ36では、図12(b)に示すように、現在
の評価点となったその新たな評価点に対応する、上記側
壁部に沿って矢印DV方向へ微小ピッチ移動させた工具輪
郭線TPと先に壁部の輪郭線WPに対して固定した前記境界
線L1, L2とで囲まれる領域のうち壁部に近い方の領域B
の面積を切削面積として求めて、その切削面積から工具
負荷率を算出する。
【0039】しかして上記ステップ36に続くステップ37
での判定の結果、上記ステップ38での移動によって設定
した新たな評価点に関して求めた工具負荷率が工具過負
荷率未満となった場合または、最初の評価点である切削
終了点に関して求めた工具負荷率が工具過負荷率未満で
あった場合には、当該評価点では工具Tの負荷が許容範
囲内であると判定して、上記ステップ37からステップ39
へ進み、そのステップ39では、現在の評価点すなわち前
者の場合では図12(b)に示す工具輪郭線TPの移動後の
その半球状先端部の輪郭線の中心点CX、そして後者の場
合では切削終了点EPを、切削開始点SPとして、X─Y平
面上でのその切削開始点SPの座標値を、前記構成点に付
した番号に対応させて、表1に示す如き切削範囲テーブ
ルに格納し、その後は上記ステップ32へ戻る。
での判定の結果、上記ステップ38での移動によって設定
した新たな評価点に関して求めた工具負荷率が工具過負
荷率未満となった場合または、最初の評価点である切削
終了点に関して求めた工具負荷率が工具過負荷率未満で
あった場合には、当該評価点では工具Tの負荷が許容範
囲内であると判定して、上記ステップ37からステップ39
へ進み、そのステップ39では、現在の評価点すなわち前
者の場合では図12(b)に示す工具輪郭線TPの移動後の
その半球状先端部の輪郭線の中心点CX、そして後者の場
合では切削終了点EPを、切削開始点SPとして、X─Y平
面上でのその切削開始点SPの座標値を、前記構成点に付
した番号に対応させて、表1に示す如き切削範囲テーブ
ルに格納し、その後は上記ステップ32へ戻る。
【0040】
【表1】
【0041】上記ステップ32で未処理の構成点がないと
して進んだステップ40では、表1に示す如き前作範囲テ
ーブルから、図13に示すように、X−Y平面上での範囲
曲線V1〜V4を作成する。すなわち、例えば互いに隣接し
て前記工具経路の構成点列を構成する構成点C1〜C7につ
いての切削終了点EP1 〜EP7 を順次に繋いで範囲曲線
(切削終了点連結曲線)V1を作成するとともに、それら
の構成点C1〜C7についての切削開始点SP1 〜SP7 を順次
に繋いで範囲曲線(切削開始点連結曲線)V2を作成し、
さらに最初の構成点C1についての切削開始点SP1 と切削
終了点EP1 とを繋いで範囲曲線V3を作成するとともに、
最後の構成点C7についての切削開始点SP7と切削終了点E
P7 とを繋いで範囲曲線V4を作成する。なお、前記工具
経路の構成点の全てにおいて切削開始点SPと切削終了点
EPとが一致していれば、その工具経路には工具が過負荷
になる構成点は存在しないことになるので、この範囲曲
線に基づく多段加工は不要であるが、前記工具経路の構
成点のうちの一つでも、切削開始点SPと切削終了点EPと
が一致していない構成点があれば、その構成点では工具
が過負荷になるので、少なくともその構成点を含む一定
の範囲内でこの範囲曲線に基づく多段加工を行う必要が
ある。
して進んだステップ40では、表1に示す如き前作範囲テ
ーブルから、図13に示すように、X−Y平面上での範囲
曲線V1〜V4を作成する。すなわち、例えば互いに隣接し
て前記工具経路の構成点列を構成する構成点C1〜C7につ
いての切削終了点EP1 〜EP7 を順次に繋いで範囲曲線
(切削終了点連結曲線)V1を作成するとともに、それら
の構成点C1〜C7についての切削開始点SP1 〜SP7 を順次
に繋いで範囲曲線(切削開始点連結曲線)V2を作成し、
さらに最初の構成点C1についての切削開始点SP1 と切削
終了点EP1 とを繋いで範囲曲線V3を作成するとともに、
最後の構成点C7についての切削開始点SP7と切削終了点E
P7 とを繋いで範囲曲線V4を作成する。なお、前記工具
経路の構成点の全てにおいて切削開始点SPと切削終了点
EPとが一致していれば、その工具経路には工具が過負荷
になる構成点は存在しないことになるので、この範囲曲
線に基づく多段加工は不要であるが、前記工具経路の構
成点のうちの一つでも、切削開始点SPと切削終了点EPと
が一致していない構成点があれば、その構成点では工具
が過負荷になるので、少なくともその構成点を含む一定
の範囲内でこの範囲曲線に基づく多段加工を行う必要が
ある。
【0042】続くステップ41では、上記範囲曲線V1〜V4
で囲まれる範囲内で、図14に示すように、3次元形状の
壁部Wの曲面に沿う多段加工用工具経路を作成する。す
なわちここでは当該CAMシステムの従来から知られた
既存の工具経路作成機能を利用することとして、当該C
AMシステムにあらかじめ指定した加工方向(工具経路
上での工具移動方向)、ピックフィード方向(工具経路
をずらす方向)および加工ピッチ(工具経路の間隔)に
基づき、当該CAMシステムで、上記X−Y平面上の範
囲曲線V1〜V4で囲まれる範囲内について、上記3次元形
状の壁部Wの曲面に沿う、図14(a)に示す如く等間隔
で図14(b)に示す如く上記指定加工ピッチ以下の多段
加工用工具経路を自動的に作成する。そして最後のステ
ップ42では、上記ステップ41で作成した多段加工用工具
経路を出力し、その多段加工用工具経路は、その後に当
該CAMシステムのユーザーによるチェックを経て、そ
の工具経路に沿って工具を移動させる実際の金型加工に
供する。
で囲まれる範囲内で、図14に示すように、3次元形状の
壁部Wの曲面に沿う多段加工用工具経路を作成する。す
なわちここでは当該CAMシステムの従来から知られた
既存の工具経路作成機能を利用することとして、当該C
AMシステムにあらかじめ指定した加工方向(工具経路
上での工具移動方向)、ピックフィード方向(工具経路
をずらす方向)および加工ピッチ(工具経路の間隔)に
基づき、当該CAMシステムで、上記X−Y平面上の範
囲曲線V1〜V4で囲まれる範囲内について、上記3次元形
状の壁部Wの曲面に沿う、図14(a)に示す如く等間隔
で図14(b)に示す如く上記指定加工ピッチ以下の多段
加工用工具経路を自動的に作成する。そして最後のステ
ップ42では、上記ステップ41で作成した多段加工用工具
経路を出力し、その多段加工用工具経路は、その後に当
該CAMシステムのユーザーによるチェックを経て、そ
の工具経路に沿って工具を移動させる実際の金型加工に
供する。
【0043】かかる実施例の工具過負荷防止稜線沿い加
工方法によれば、工具が過負荷になる部位について、多
段加工を行う工具経路を自動的に作成して、それを通常
の工具経路に挿入することができるので、作業者の負担
を軽減しつつ、工具の過負荷を防止した稜線沿い加工を
行うことができ、しかも3次元形状モデルの壁部に沿っ
て多段加工を行う工具経路を作成するので、加工の無駄
が生ずるのを防止することができる。
工方法によれば、工具が過負荷になる部位について、多
段加工を行う工具経路を自動的に作成して、それを通常
の工具経路に挿入することができるので、作業者の負担
を軽減しつつ、工具の過負荷を防止した稜線沿い加工を
行うことができ、しかも3次元形状モデルの壁部に沿っ
て多段加工を行う工具経路を作成するので、加工の無駄
が生ずるのを防止することができる。
【0044】そして、この実施例の工具過負荷防止稜線
沿い加工方法によれば、各切削終了点と各切削開始点と
をX─Y平面上に投影し、切削終了点連結曲線と切削開
始点連結曲線との作成および、それらからの多段加工範
囲の設定をX─Y平面上で行うので、X─Y平面上で加
工範囲を指定されるとその範囲内についての3次元形状
モデルの壁部沿いの加工のための工具経路を自動的に作
成する従来のCAMシステムを利用して本発明の工具過
負荷防止稜線沿い加工方法を実施し得て、その実施のた
めの設備コストを安価に抑えることができる。
沿い加工方法によれば、各切削終了点と各切削開始点と
をX─Y平面上に投影し、切削終了点連結曲線と切削開
始点連結曲線との作成および、それらからの多段加工範
囲の設定をX─Y平面上で行うので、X─Y平面上で加
工範囲を指定されるとその範囲内についての3次元形状
モデルの壁部沿いの加工のための工具経路を自動的に作
成する従来のCAMシステムを利用して本発明の工具過
負荷防止稜線沿い加工方法を実施し得て、その実施のた
めの設備コストを安価に抑えることができる。
【0045】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲
の記載範囲内で適宜変更することができ、例えば上記過
負荷判定位置は、構成点の位置に限られず工具経路上の
任意の位置に設定することができ、また上記多段加工範
囲は、X─Y平面上に限られず直接3次元的に設定する
こともできる。
明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲
の記載範囲内で適宜変更することができ、例えば上記過
負荷判定位置は、構成点の位置に限られず工具経路上の
任意の位置に設定することができ、また上記多段加工範
囲は、X─Y平面上に限られず直接3次元的に設定する
こともできる。
【図1】この発明の稜線沿い加工用工具過負荷判定方法
の一実施例における実施手順の概要を示す説明図であ
る。
の一実施例における実施手順の概要を示す説明図であ
る。
【図2】図1に示す実施手順をさらに詳細に示すフロー
チャートの前半部である。
チャートの前半部である。
【図3】図1に示す実施手順をさらに詳細に示すフロー
チャートの後半部である。
チャートの後半部である。
【図4】図2に示す実施手順における3次元形状の2次
元モデル化の方法を示す説明図である。
元モデル化の方法を示す説明図である。
【図5】図4に示す2次元モデル化方法の詳細を示す説
明図である。
明図である。
【図6】図3に示す切削面積の概算方法の一例を示す説
明図である。
明図である。
【図7】図3に示す切削面積の概算方法の他の一例を示
す説明図である。
す説明図である。
【図8】上記実施例によって作成した過負荷情報付き工
具経路データの一例を示す説明図である。
具経路データの一例を示す説明図である。
【図9】上記実施例の工具過負荷判定方法を用いた、こ
の発明の工具過負荷防止稜線沿い加工方法の一実施例に
おける実施手順の概要を示す説明図である。
の発明の工具過負荷防止稜線沿い加工方法の一実施例に
おける実施手順の概要を示す説明図である。
【図10】図9に示す実施手順をさらに詳細に示すフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図11】図10に示す実施手順におけるX−Y平面上で
の評価点の移動方法を示す説明図である。
の評価点の移動方法を示す説明図である。
【図12】図10に示す実施手順における基準平面上での
工具輪郭線の移動方法を示す説明図である。
工具輪郭線の移動方法を示す説明図である。
【図13】図10に示す実施手順における範囲曲線の作成
方法を示す説明図である。
方法を示す説明図である。
【図14】図10に示す実施手順における多段加工用工具
経路の作成方法を示す説明図である。
経路の作成方法を示す説明図である。
【図15】一般的な稜線沿い加工の方法を示す説明図で
ある。
ある。
【図16】従来の多段加工の方法を示す説明図である。
【図17】従来の工具過負荷の判定方法およびその問題
点を示す説明図である。
点を示す説明図である。
BP 基準平面 W 壁部 WP 壁部輪郭線 S 取り代 T 工具 TP 工具輪郭線 TP4 仮想工具接触位置での工具輪郭線 C 工具中心点(構成点,過負荷判定位置) TCL 工具中心軸線 L 工具経路 TC 円柱状中央部 TE 半球状先端部 AC 仮想工具接触位置 ATE 仮想工具先端部 PA1, PB1 3次元形状での接点 PA2, PB2 基準平面上での接点 L1 境界直線 L2 追加境界直線 L3 仮想境界直線 XP1 第1の交点 XP2 第2の交点 XP3 第3の交点 XP4 第4の交点 B 切削面積を求める領域
Claims (5)
- 【請求項1】 CAMシステムにより、切刃部として円
柱状中央部とそれに連なる半球状先端部とを持つ所定工
具を、その中心軸線が前記CAMシステムの座標系のX
─Y平面に対し垂直に延在する姿勢で保持しつつ、3次
元形状モデルの稜線に沿って延在する壁部に対し前記工
具の半球状先端部が二つの接点で接触する時のその半球
状先端部の中心点である工具中心点の位置を連ねた工具
経路に沿って移動させることで、前記3次元形状モデル
の表面に所定の取り代を付加した素材に対して前記稜線
に沿う加工を行うために、前記工具が過負荷となるか否
かを判定するに際し、 先ず、前記工具経路上の所望の位置に設定した過負荷判
定位置を通って、前記工具経路を前記X─Y平面上に投
影した経路に前記過負荷判定位置に対応する位置で接す
る接線に対し直交する基準平面を設定し、 次いで、前記基準平面で切った、前記過負荷判定位置で
の前記工具の円柱状中央部および前記壁部の断面の輪郭
線を求めるとともに、前記工具の前記二つの接点と前記
工具中心点とを含む平面で切った、前記過負荷判定位置
での前記工具の半球状先端部および前記壁部の断面の輪
郭線を求めて、それら半球状先端部および壁部の輪郭線
を、前記基準平面上で前記工具中心点を通って前記工具
中心軸線と直交する直線周りに前記基準平面上に展開
し、前記基準平面で切った前記工具の円柱状中央部およ
び前記壁部の輪郭線と、前記基準平面上に展開した前記
工具の半球状先端部および前記壁部の輪郭線とを繋げ
て、前記基準平面上での前記工具および前記壁部の輪郭
線による2次元モデルを作成し、 また、前記工具の半球状先端部の周囲に前記取り代分の
厚みを加えた仮想工具先端部を設定するとともに、前記
過負荷判定位置から前記工具をその中心軸線の延在方向
へ後退移動させることにて、前記仮想工具先端部が前記
3次元形状モデルの表面と接触する仮想工具接触位置を
求めて、その仮想工具接触位置での前記工具の半球状先
端部を前記基準平面で切った断面の輪郭線を求め、 次いで、前記基準平面上にて、前記壁部に対する前記工
具の半球状先端部の二つの接点の各々につき、その接点
と前記工具中心点とを結ぶ半径方向直線上の前記接点か
ら前記取り代分離間した位置でその半径方向直線と直交
する直線を境界直線として求め、前記二つの接点につい
ての二本の前記境界直線同士が交差する点を第1の交点
として求めて、前記二本の境界直線の各々の前記第1の
交点を挟む両側の部分のうち前記半径方向直線と直交す
る側でない他方の側の部分を削除し、 次いで、前記二本の境界直線の各々について、その境界
直線が前記仮想工具接触位置での前記工具の半球状先端
部の輪郭線と交差または接触する点を第2の交点として
求め、前記第2の交点が求まった前記境界直線について
は、その境界直線の前記第2の交点を挟む両側の部分の
うち前記半径方向直線と直交する側でない他方の側の部
分を削除し、さらに、前記第2の交点から前記基準平面
上で前記X─Y平面に平行に延在して、前記基準平面上
の前記工具の輪郭線のうち前記工具中心軸線に対し前記
第2の交点と同じ側に位置する輪郭線と交差する直線を
追加境界直線として求め、 次いで、前記二本の境界直線の各々について前記第2の
交点が求まった場合には、それら二本の境界直線を前記
第1の交点で連結するとともにその連結直線に前記二本
の境界直線についての二本の前記追加境界直線を前記第
2の交点でそれぞれ連結して境界線を求め、また前記二
本の境界直線の一方のみについて前記第2の交点が求ま
った場合には、その一方の境界直線と他方の境界直線と
を前記第1の交点で連結するとともにその連結直線に前
記一方の境界直線についての前記追加境界直線を前記第
2の交点で連結して境界線を求めて、前記基準平面上
の、前記境界線と前記工具の輪郭線とで囲繞される領域
のうち、前記壁部の輪郭線に近接する方の領域の面積を
切削面積として求め、 その後、前記切削面積を前記基準平面上での前記工具の
輪郭線で囲まれる全領域の面積で割って工具負荷率を求
め、その工具負荷率を所定の工具過負荷率と比較して、
前記工具負荷率が前記工具過負荷率以上の場合に、前記
過負荷判定位置では前記工具が過負荷になると判定する
ことを特徴とする、稜線沿い加工用工具過負荷判定方
法。 - 【請求項2】 前記二本の境界直線の何れについても前
記第2の交点が求まらなかった場合には、 前記基準平面上にて、前記壁部に対する前記工具の半球
状先端部の二つの接点のうち前記工具の基部から先端部
を見た場合の工具回転方向側で前記工具中心軸線から遠
く離間した方の接点と前記工具中心点とを結ぶ半径方向
直線上のその接点から前記取り代分離間した位置を求め
るとともに、前記基準平面上の前記過負荷判定位置での
前記工具の円柱状中央部の輪郭線が前記仮想工具接触位
置での前記工具の半球状先端部と交差する二つの点のう
ちの前記工具中心軸線に対し前記工具回転方向側に位置
する点を第3の交点として求め、 前記第3の交点と、前記遠く離間した方の接点と前記工
具中心点とを結ぶ半径方向直線上のその接点から前記取
り代分離間した位置とを通る直線を仮想境界直線として
求めて、その仮想境界直線と他方の前記接点についての
前記境界直線とが交差する点を第4の交点として求め、 次いで、前記仮想境界直線の前記第4の交点を挟む両側
の部分のうち前記半径方向直線と直交する側でない他方
の側の部分を削除し、その仮想境界直線と前記境界直線
とを前記第4の交点で連結して境界線を求めて、前記基
準平面上の、その境界線と前記工具の輪郭線とで囲繞さ
れる領域のうち、前記壁部の輪郭線に近接する方の領域
の面積を切削面積として求めることを特徴とする、請求
項1記載の稜線沿い加工用工具過負荷判定方法。 - 【請求項3】 前記工具経路が複数の構成点の点列で表
されている場合に、前記過負荷判定位置を前記各構成点
の位置として、その判定結果を前記各構成点の情報に付
加することを特徴とする、請求項1または請求項2記載
の稜線沿い加工用工具過負荷判定方法。 - 【請求項4】 前記工具経路の前記過負荷判定位置を切
削終了点とするとともに、前記過負荷判定位置に対応す
る前記基準平面上での前記境界線の位置を、その基準平
面上での前記壁部の輪郭線の位置に対して固定し、 次いで、前記前記基準平面上の、前記工具の輪郭線と前
記境界線とで囲繞される領域のうち、前記壁部の輪郭線
に近接する方の領域の面積を切削面積として求めて、そ
の切削面積を前記基準平面上での前記工具の輪郭線で囲
まれる全領域の面積で割って工具負荷率を求め、その工
具負荷率を所定の工具過負荷率と比較して、前記工具負
荷率が前記工具過負荷率未満か否かを判別し、前記工具
負荷率が前記工具過負荷率未満でない場合は、前記工具
の輪郭線を前記基準平面上で、前記壁部の輪郭線のう
ち、前記工具回転方向側で前記工具中心軸線から遠く離
間した方の前記接点にて接する部分に沿って、前記壁部
の輪郭線のうち、他方の前記接点にて接する部分から離
間する方向へ微小距離移動させる、という工程を、前記
工具負荷率が前記工具過負荷率未満になるまで繰り返
し、 前記工具負荷率が前記工具過負荷率未満になったら、そ
の時の前記基準平面上における前記工具の輪郭線の位置
での前記工具中心点位置を切削開始点とし、 次いで、互いに隣接する複数の前記過負荷判定位置につ
いての前記切削終了点同士を繋いで切削終了点連結曲線
を作成するとともに、それらの切削終了点に対応する前
記切削開始点同士を繋いで切削開始点連結曲線を作成
し、さらに前記切削終了点連結曲線の両端点と前記切削
開始点連結曲線の両端点とをそれぞれ繋いで多段加工範
囲を設定して、その多段加工範囲内につき、前記壁部に
沿って指定ピックフィード方向に指定ピッチ以下の間隔
をあけて延在する多段加工用工具経路を、前記切削開始
点連結曲線上から移動を開始して前記切削終了点連結曲
線上で移動を終了するように作成し、 その後、前記多段加工用工具経路に沿って前記工具を移
動させて切削加工を行うことを特徴とする、請求項1か
ら請求項3までの何れか記載の稜線沿い加工用工具過負
荷判定方法を用いた工具過負荷防止稜線沿い加工方法。 - 【請求項5】 前記各切削終了点と前記各切削開始点と
を前記X─Y平面上に投影し、前記切削終了点連結曲線
と前記切削開始点連結曲線との作成および、それらから
の前記多段加工範囲の設定を、前記X─Y平面上で行う
ことを特徴とする、請求項4記載の工具過負荷防止稜線
沿い加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31806195A JPH09155690A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 稜線沿い加工用工具過負荷判定方法およびその方法を用いた工具過負荷防止稜線沿い加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31806195A JPH09155690A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 稜線沿い加工用工具過負荷判定方法およびその方法を用いた工具過負荷防止稜線沿い加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09155690A true JPH09155690A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18095049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31806195A Pending JPH09155690A (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 稜線沿い加工用工具過負荷判定方法およびその方法を用いた工具過負荷防止稜線沿い加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09155690A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160034409A (ko) * | 2013-09-13 | 2016-03-29 | 마키노 밀링 머신 주식회사 | 공구경로 평가방법, 공구경로 생성방법, 및 공구경로 생성장치 |
-
1995
- 1995-12-06 JP JP31806195A patent/JPH09155690A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160034409A (ko) * | 2013-09-13 | 2016-03-29 | 마키노 밀링 머신 주식회사 | 공구경로 평가방법, 공구경로 생성방법, 및 공구경로 생성장치 |
CN105518550A (zh) * | 2013-09-13 | 2016-04-20 | 株式会社牧野铣床制作所 | 工具路径评价方法、工具路径生成方法及工具路径生成装置 |
EP3045988A1 (en) * | 2013-09-13 | 2016-07-20 | Makino Milling Machine Co. Ltd. | Toolpath evaluation method, toolpath generation method, and toolpath generation device |
JPWO2015037143A1 (ja) * | 2013-09-13 | 2017-03-02 | 株式会社牧野フライス製作所 | 工具経路評価方法、工具経路生成方法、及び工具経路生成装置 |
EP3045988A4 (en) * | 2013-09-13 | 2017-05-10 | Makino Milling Machine Co. Ltd. | Toolpath evaluation method, toolpath generation method, and toolpath generation device |
US10088824B2 (en) | 2013-09-13 | 2018-10-02 | Makino Milling Machine Co., Ltd. | Toolpath evaluation method, toolpath generation method, and toolpath generation device |
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