JP4200561B2 - Camシステム用加工残り部位検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、CAM(コンピュータ支援加工)システム用の加工残り部位検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述の如き装置としては従来、例えば特開平07-64616号公報にて開示されたものが知られており、この装置は、図13(a)に示すように、CAMシステムの一部をなすNC(数値制御)工作機械の使用工具Tの寸法および工具径路CPを表すNCデータと、原材料の初期形状MFを表す初期形状データと、目標とする加工形状EFを表す目標加工形状データとを入力し、次いで、図13(b)に示すように、初期形状データが示す原材料の初期形状MFから、NCデータが示す使用工具Tの寸法および工具径路CPから求めた使用工具Tでの削り取り部分を引くことで、そのNCデータでの加工形状CFを求め、その後、図13(c)に示すように、目標加工形状データの目標加工形状EFからその加工形状CFを引くことで、実際の加工を行わずして加工残り部位RPを求める。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の装置では、複数の形状データを持つ必要があるため持つべきデータ量が多量になってしまうという問題があり、またプレス型の原材料の鋳物のようにブロック状でなく目標加工形状に一定の厚さを加えた形状の原材料を使用する場合でも原材料の初期形状としてブロック状の形状を定義しなければならないためNCデータでの加工形状ひいては加工残り部位が必ずしも正確なものにならないという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
この発明は上記課題を有利に解決した加工残り部位検査装置を提供することを目的とするものであり、この発明のCAMシステム用加工残り部位検査装置は、図1の概念図に示すように、CAMシステムの一部をなすNC工作機械のボールエンドミル形使用工具の寸法および先端部半球中心点である工具中心の経路である工具径路を表すNCデータと、目標とする加工形状を表す目標加工形状データとを入力するデータ入力手段1と、前記目標加工形状データが表す目標加工形状上に所定配置で複数設定した検査点の各々と前記NCデータの工具径路との間の3次元的な最短距離を求める最短距離演算手段2と、前記求めた最短距離が所定の許容範囲内にあるか否かを判定する最短距離判定手段3と、前記求めた最短距離が前記許容範囲内にない場合に、その最短距離を求めた検査点が位置する前記目標加工形状上の部位を加工残り部位として、その加工残り部位に関するデータを出力する加工残り部位データ出力手段4と、を具えてなるものである。
【0005】
かかる装置にあっては、データ入力手段1が、CAMシステムの一部をなすNC工作機械の使用工具の寸法および工具径路を表すNCデータと、目標とする加工形状を表す目標加工形状データとを入力し、最短距離演算手段2が、前記目標加工形状データが表す目標加工形状上に所定配置で複数設定した検査点の各々と前記NCデータの工具径路との間の最短距離を求め、最短距離判定手段3が、前記求めた最短距離が所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、そして加工残り部位データ出力手段4が、前記求めた最短距離が前記許容範囲内にない場合に、その最短距離を求めた検査点が位置する前記目標加工形状上の部位を加工残り部位として、その加工残り部位に関するデータを出力する。
【0006】
従ってこの発明の装置によれば、目標とする加工形状を表す目標加工形状データのみを持つだけで済むので、持つべきデータ量を少量にすることができ、また原材料の初期形状にかかわりなく処理を行うので、プレス型の原材料の鋳物のようにブロック状でなく目標加工形状に一定の厚さを加えた形状の原材料を使用する場合でも加工残り部位を正確に求めることができる。
【0007】
なお、この発明の装置は、前記加工残り部位における前記検査点に前記使用工具が接する際に前記目標加工形状に対し前記使用工具の工具中心が所定の最小距離を超えて離間しているか否かを判定することで、前記加工残り部位を前記使用工具で加工可能か否かを判定する加工可否判定手段をさらに具えていても良く、かかる加工可否判定手段を具えていれば、加工残り部位について、現状の使用工具でも加工し得るのに工具径路の設定が不適当で加工残りとなったのか、形状が細か過ぎて現状の使用工具では加工できないのかを判別できるので、加工残り部位についてその結果に基づき、工具径路を修正したり、目標加工形状を修正したり、使用工具径をさらに小さくしたりする等、以後の対応をより容易かつ適正に決定することができる。
【0008】
また、この発明の装置においては、前記最短距離演算手段2は、前記目標加工形状上の前記検査点の各々に前記使用工具よりも大径のボールエンドミル形大径工具が接する際に前記目標加工形状に対し前記大径工具の工具中心が所定の最小距離を超えて離間しているか否かを判別することで、その大径工具で加工できない凹部を抽出し、その抽出した凹部に位置する前記検査点のみについて前記最短距離を演算するものであっても良く、かかる最短距離演算手段2によれば、大径工具での前加工で加工残りとなる凹部に位置する検査点のみについて最短距離を演算するので、演算処理ひいては加工残り部位の検査をより短時間で行うことができる。
【0009】
さらに、この発明の装置においては、前記最短距離演算手段2は、前記検査点における、前記目標加工形状の凹凸の程度に対応する前記目標加工形状データの粗さを表すデータを参照し、その目標加工形状データの粗さが所定未満の前記検査点のみについて前記最短距離を演算するものであっても良く、かかる最短距離演算手段2によれば、目標加工形状の凹凸が大きいため目標加工形状データの粗さが細かい(目標加工形状を形成する構成点の間隔が小さい)部位の検査点のみについて最短距離を演算するので、演算処理ひいては加工残り部位の検査をより短時間で行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図2は、この発明のCAMシステム用加工残り部位検査装置の一実施例の構成を機能的に示すブロック線図であり、この実施例の装置は、図示のように、データ入力手段1に対応するデータ入力部5と、最短距離演算手段2および最短距離判定手段3に対応する形状データ分割部6および加工残り部位検査部7と、加工可否判定手段に対応する凹部抽出部8と、加工残り部位データ出力手段4に対応する加工残り部位データ出力部9とを具えている。なお、具体的にはこの実施例の装置は、通常のCAMシステムの一部をなす通常のコンピュータの作動プログラムを改変することにて構成される。
【0011】
図3は、上記コンピュータが上記実施例の加工残り部位検査装置として実行する処理手順を示すフローチャートであり、図3中ステップ11では、あらかじめ当該装置のユーザーにより各々設定された後述する加工残り検査ピッチrpit、形状データ分割区画内の検査点数 nbten、軸方向凹部判定データ点数ピッチhpit、大径工具としての最小表面仕上げ工具(最小径の荒加工工具)での事前凹部抽出指示の有無、その事前凹部抽出のための最小表面仕上げ工具の寸法、微少凹部抽出指示の有無、シック(削り残し代)、加工残り判定距離rkndis、削り込み判定距離rkkdis等の処理条件と、上記CAMシステムの一部をなすNC(数値制御)工作機械の使用工具としての、上記最小表面仕上げ工具よりも小径の最小仕上げ工具(最小径の仕上げ加工工具)FTの寸法および工具径路CPを表すNCデータと、目標加工形状データとしての、目標とする加工形状EFを点の集合で表すCAMデータの形式の形状データとを入力する。
【0012】
続くステップ12では、形状データ分割処理を行う。図4は、この形状データ分割処理の処理手順を示すフローチャートであり、図4中ステップ21では、上記入力した加工残り検査ピッチrpitおよび形状データ分割区画内の検査点数 nbtenをセットし、さらに上記入力した形状データから、図5(a)に示すように、その形状データのx方向の大きさxdisおよびy方向の大きさydisを求めてそれらの大きさをセットする。
【0013】
次のステップ22では、形状データのx,y方向分割ピッチxypit を以下の式で算出する。
【数1】
xypit =rpit×( nbten−1)
そして続くステップ23では、図5(b)の上部に示すように、その分割ピッチxypit でx,y方向について上記形状データを分割し、最後のステップ24では、図5(b)の下部に示すように、その分割した形状データ区画毎に、上記加工残り検査ピッチrpitのピッチで検査点EP(目標とする加工形状上に3次元的に乗った点)を作成し、各検査点EPについて、その検査点のZ値(形状データのZ軸方向における座標値)を保存するとともに、後述する加工残り状況フラグ、工具径路に対する最短距離および工具中心座標値とのデータを保存し得るようにする。なお、検査点EPの数は、この実施例では例えば一区画につき 200×200 点としているが、検査の精度や形状データの大きさ等により所要に応じて適宜変更することができる。
【0014】
上記ステップ12の形状データ分割処理後は、それらの分割した区画について順次に以後の処理を行うこととし、先ず、図3のステップ13で、加工残りデータの初期値を、上記各検査点EPの加工残り状況フラグにセットする。この加工残り状況フラグの値としては例えば、「凹部の削り残し」を「2」、「削り残っている」を「1」、「削りきった」を「0」、「削り過ぎた」を「−1」、「検査対象外」を「−99」でそれぞれ表すこととし、上記初期値は、「削り残っている」を示す「1」とする。
【0015】
ところで、上記CAMデータの形式の形状データを3次元CAD(コンピュータ支援設計)データから作成する際に、目標加工形状の凹凸の程度に対応した大きさのピッチ(PLACE ピッチ)で形状データを複数区画に分割して、各区画毎にその区画の大きさに応じた大きさのピッチで構成点を配置している(従って、目標加工形状の凹凸が小さい部分では区画の大きさが大きくなるとともに構成点間隔も大きくなって形状データが粗くなり、目標加工形状の凹凸が大きい部分では区画の大きさが小さくなるとともに構成点間隔が小さくなって形状データが細かくなる)。そこで、この実施例では、後述する加工残り部位検査処理を行う検査点の数を減らして検査処理時間を短縮するために、先ず、上記各検査点の位置での形状データの上記PLACE ピッチを参照して、そのPLACE ピッチが所定値以上の検査点EPについては、目標加工形状の凹凸が小さい部分ゆえ削り残しも生じないことから上記加工残りデータの初期値として、「検査対象外」を示す「−99」を上記加工残り状況フラグにセットする。
【0016】
次いでここでは図3のステップ14で、大径工具での事前凹部抽出指示があったか否かを判断し、なかった場合には後述するステップ16へ進むが、事前凹部抽出指示があった場合にはステップ15で、上記最小表面仕上げ工具(最小径の荒加工工具)での凹部抽出処理を実行する。図6は、この凹部抽出処理の処理手順を示すフローチャート、また図7は、この凹部抽出処理の概要を示す説明図であり、この凹部抽出処理は、後述するステップ18での凹部抽出処理と同一の手順のもので、対象とする検査点EPと凹部判定工具径とが異なっているだけである。
【0017】
すなわち、この凹部抽出処理は、図7(a)に示すように、上記形状データの凹部DFの底BPまで凹部判定工具Tの先端がその形状データの削り込みなしに接することができるか、それとも図7(b)に示すように、削り込みなしでは凹部DFの底まで凹部判定工具Tの先端が接することができず凹部DFの底BPに加工残りが生ずるかを判断するものであり、具体的には、先ず、図6中ステップ31で、凹部判定工具径rkogu (上記ステップ15の最小表面仕上げ工具での凹部抽出処理の場合は先にステップ11で入力した最小表面仕上げ工具を凹部判定工具Tとするので、その最小表面仕上げ工具の工具直径)と、これも先にステップ11で入力した軸方向凹部判定データ点数ピッチhpitとをセットする。
【0018】
次のステップ32では、上記形状データの全ての検査点EPのなかから一点の検査点EPを読み込み、続くステップ33では、図8に示すように、その読み込んだ検査点EPを中心として一辺が凹部判定工具径rkogu の2倍の正方形領域を作成し、続くステップ34では、その正方形領域を上記軸方向凹部判定データ点数ピッチhpitのピッチでx,y方向に分割してその格子点上に凹部判定データ点(目標とする加工形状上に3次元的に乗った点)DPを作成する。なお、この凹部判定データ点DPは、位置的には検査点EPと一致するものもあるが、検査点EPとは意義が異なり、検査点の周囲をさらに細かく検査するためのものである。
【0019】
次のステップ35では、図8に示すように、上記の検査点EPを中心とした対象工具径(凹部判定工具径rkogu )の円CEに含まれる凹部判定データ点DPを求め、続くステップ36では、その求めた凹部判定データ点DPのなかから対象となる凹部判定データ点DPを一点読み込み、続くステップ37では、もう対象となる凹部判定データ点DPが残っていなかったか否かを判断して、残っていればステップ38へ進む。
【0020】
ステップ38では、図9(a)〜(d)に示すように、凹部判定データ点DPの位置に凹部判定工具Tを下ろして、その凹部判定工具Tと上記の検査点EPとが接する時の凹部判定工具Tの工具中心の位置(先端球面部の中心点の位置)を求め、続くステップ39では、その凹部判定データ点DPと上記工具中心の位置との距離distを求めて、その距離distが条件dist<rkogu/2 を満たすか否か、すなわち凹部判定工具Tがその凹部判定データ点DPの位置で加工形状EFを削り込んでいるか否かを判定し、距離distが条件dist<rkogu/2 を満たしていず凹部判定工具Tがその凹部判定データ点DPの位置で加工形状EFを削り込んでいる凹部判定データ点DPでない(凹部判定工具Tがその凹部判定データ点DPの位置で加工形状EFに接するかまたは加工形状EFから離間している)場合には、続くステップ40からステップ41へ進むが、距離distが条件dist<rkogu/2 を満たしていて凹部判定工具Tがその凹部判定データ点DPの位置で加工形状EFを削り込んでいる凹部判定データ点DPである場合には、ステップ36へ戻り、次の凹部判定データ点DPを読み込む。
【0021】
しかして、ステップ41へ進まない限り上記ステップ36〜ステップ40の処理を凹部判定データ点DPの点数分繰り返すが、読み込んだ凹部判定データ点DPのうちの一点でも、図9(b)に示す如く、凹部判定工具Tがその凹部判定データ点DPの位置で加工形状EFに接するかまたは加工形状EFから離間している凹部判定データ点DPである場合には、上記のステップ40からステップ41に進み、そのステップ41では、対象検査点EPは削り残らないと判定して、その対象検査点EPの加工残り状況フラグの値を、「削りきった」を示す「0」にセットする。その一方、上記読み込んだ凹部判定データ点DPが全て、図9(a),(c),(d)に示すように、凹部判定工具Tがその凹部判定データ点DPの位置で加工形状EFを削り込んでいる凹部判定データ点DPである場合には、上記ステップ37でデータ終了(もう対象となる凹部判定データ点DPが残っていなかった)と判断してそこからステップ42へ進み、ステップ42で、対象検査点は削り残ると判定し、その対象検査点EPの加工残り状況フラグの値を、「削り残っている」を示す「1」のままとする。そして、かかるステップ31〜ステップ41またはステップ42の処理を、検査点EPの点数分繰り返す。
【0022】
次いでここでは図3のステップ16へ進み、加工残り部位検査処理を実行する。図10は、この加工残り部位検査処理の処理手順を示すフローチャート、また図11は、この加工残り部位検査処理の概要を示す説明図であり、この加工残り部位検査処理では、先ず、図10のステップ51で、図11に示すように、ステップ11で入力した上記NCデータ中の工具径路CPよりその工具径路CPの構成点2点、例えばp1, p2を取り出し、続くステップ52で、そのNCデータ中の最小仕上げ工具(最小径の仕上げ加工工具)FTの工具半径に上記ステップ11で入力したシック(削り残し代)を加えた計算半径rhankei と、上記ステップ11で入力した、最大限度の許容加工残り量に対応する加工残り判定距離rkndis(rkndis>0)および、その加工残り判定距離rkndisより小さい、最大限度の許容削り込み量に対応する削り込み判定距離rkkdis(rkkdis>0)とをセットする。
【0023】
続くステップ53では、図11に示すように、上記の2点p1, p2の各々を中心に半径rhankei の円CLを作成し、その2つの円CLが内接する矩形CBを作成して、その矩形CB内に含まれる上記検査点EPを求め、それらを対象検査点とする。
【0024】
そして次のステップ54では、上記対象検査点のなかから一点の検査点EPを取り出し、続くステップ55では、その検査点EPの加工残り状況フラグを調べて、その加工残り状況フラグが「削り残っている」を示す「1」でない場合には、ステップ54へ戻って次の検査点EPを取り出すが、その加工残り状況フラグが「削り残っている」を示す「1」である場合には、そのステップ55からステップ56へ進んで、次にその検査点EPのZ値が、上記2点p1, p2のZ値のうち小さい方のZ値から上記半径rhankei と所定の許容誤差値とを引いた値よりも小さいか否かを判定し、検査点EPのZ値が、上記2点p1, p2のZ値のうち小さい方のZ値から上記半径rhankei と所定の許容誤差値とを引いた値よりも小さい場合は、その2点p1, p2間の工具径路CP上では検査点EPが最小仕上げ工具FTから離れ過ぎていて明らかに削り残しとなるので、その検査点EPの加工残り状況フラグが「削り残っている」を示す「1」となったままで、そのステップ56からステップ54へ戻って次の検査点EPを取り出す。従ってこのステップ56によれば、形状のラフチェックを行って、明らかに削り残しとなる検査点を後述する最短距離の計算対象から除くことができる。
【0025】
上記ステップ56で、検査点EPのZ値が、上記2点p1, p2のZ値のうち小さい方のZ値から上記半径rhankei と所定の許容誤差値とを引いた値よりも小さくない場合には、ステップ57で、検査点EPに対する、上記2点p1, p2を繋ぐ線分上の最近点と、その検査点EPとの間の距離、すなわち検査点EPとその線分との間の最短距離mdist を求め、続くステップ58で、その最短距離mdist から上記半径rhankei と上記許容誤差値とを引いた値が上記加工残り判定距離rkndisより大きいか否かを判断し、大きくない場合は、加工残り量が最大限度の許容加工残り量以下であるので、さらにステップ59へ進んで、次にその最短距離mdist から上記半径rhankei を引いて上記許容誤差値を加えた値が上記削り込み判定距離rkkdisより小さいか否かを判断し、小さくない場合には削り込み量が最大限度の許容削り込み量以下であるので、ステップ60で、その検査点EPは正常に加工されたと判定して、その検査点EPの加工残り状況フラグを、「削りきった」を示す「0」に書き換える。
【0026】
この一方、上記ステップ58で、上記最短距離mdist から上記半径rhankei と上記許容誤差値とを引いた値が上記加工残り判定距離rkndisより大きいと判断した場合には、加工残り量が最大限度の許容加工残り量を超えているので、ステップ61へ進んでその検査点EPは加工残り有りと判定して、その検査点EPの加工残り状況フラグが「削り残っている」を示す「1」となったままで処理を終了し、また、上記ステップ59で、上記最短距離mdist から上記半径rhankei を引いて上記許容誤差値を加えた値が上記削り込み判定距離rkkdisより小さいと判断した場合には、削り込み量が最大限度の許容削り込み量を超えているので、ステップ62で、その検査点EPは削り込み有りと判定して、その検査点EPの加工残り状況フラグを、「削り過ぎた」を示す「−1」に書き換える。かかるステップ54〜ステップ60乃至ステップ62の処理を、検査点EPの点数分繰り返し、さらに上記ステップ51〜ステップ60乃至ステップ62の処理を、上記NCデータの構成点数分繰り返す。そしてこの加工残り部位検査処理を、NCデータの数分繰り返す。
【0027】
次いでここでは図3のステップ17で、微少凹部抽出指示があったか否かを判断し、なかった場合には後述するステップ19へ進むが、微少凹部抽出指示があった場合にはステップ18で、上記最小仕上げ工具(最小径の仕上げ加工工具)での凹部抽出処理を、ステップ15におけると同様、図6に示す手順で実行する。但し、このステップ18での凹部抽出処理の場合には、対象とする検査点EPは、上記加工残り部位検査処理後に加工残り状況フラグが「削り残っている」を示す「1」となっている検査点EPのみであり、凹部判定工具径は、上記最小仕上げ工具の工具外径とする。
【0028】
そして上記ステップ18での凹部抽出処理において、図6のステップ41で対象検査点EPは削り残らないと判定した場合には、その対象検査点EPの加工残り状況フラグの値を、「削り残っている」を示す「1」のままとし、図6のステップ37でデータ終了(もう対象となる凹部判定データ点DPが残っていなかった)と判断してステップ42で対象検査点は削り残ると判定した場合には、その対象検査点EPの加工残り状況フラグの値を、「凹部の削り残し」を示す「2」に書き換える。
【0029】
しかる後ここでは、図3のステップ19で、全ての対象検査点EPの加工残り状況フラグの値を纏めて加工残りデータを作成して、その加工残りデータを所定のファイルに出力し、次いで、ステップ20で、その加工残りデータを用いて、図12(a)の平面図および図12(b)の斜視図に示すような、形状データが示す形状EF上の全ての対象検査点EPの位置に、それぞれ、加工残り状況フラグの値が「削り残っている」の「1」の場合は例えば□印を表示し、加工残り状況フラグの値が加工残りの部位のうちの最小仕上げ工具でも削りきれない部位である「凹部の削り残し」の「2」の場合は例えば◇印を表示し、加工残り状況フラグの値が「削り過ぎた」の「−1」の場合は例えば×印を表示し、加工残り状況フラグの値が「削りきった」の「0」の場合は特に印を表示をしない加工残り部位描画データを作成し、その加工残り部位描画データを用いて上記コンピュータの画面表示装置でその種々の印を描いた形状EFを表示する。
【0030】
従って、上記ステップ11はデータ入力部5に相当し、上記ステップ12は形状データ分割部6に相当し、上記ステップ13,16は加工残り部位検査部7に相当し、上記ステップ14,15,17,18は凹部抽出部8に相当し、上記ステップ19,20は加工残り部位データ出力部に相当する。
【0031】
かくしてこの実施例の装置によれば、目標とする加工形状EFを表す形状データのみを持つだけで済むので、持つべきデータ量を少量にすることができ、また原材料の初期形状にかかわりなく処理を行うので、プレス型の原材料の鋳物のようにブロック状でなく目標加工形状に一定の厚さを加えた形状の原材料を使用する場合でも加工残り部位を正確に求めることができる。
【0032】
またこの実施例の装置によれば、加工残り部位における検査点に使用工具が接する際に目標加工形状に対し使用工具の工具中心が所定の最小距離を超えて離間しているか否かを判定することで、加工残り部位を使用工具で加工可能か否かを判定する、加工可否判定手段としての凹部抽出部8を具えていることから、加工残り部位について、現状の使用工具でも加工し得るのに工具径路の設定が不適当で加工残りとなったのか、形状が細か過ぎて現状の使用工具では加工できないのかを判別できるので、加工残り部位についてその結果に基づき、工具径路を修正したり、目標加工形状を修正したり、使用工具径をさらに小さくしたりする等、以後の対応をより容易かつ適正に決定することができる。
【0033】
さらにこの実施例の装置によれば、加工残り部位検査部7が、目標加工形状上の検査点の各々に仕上げ加工工具よりも大径の大径工具が接する際に目標加工形状に対しその大径工具の工具中心が所定の最小距離を超えて離間しているか否かを判別することで、その大径工具で加工できない凹部を抽出し、その抽出した凹部に位置する検査点のみについて最短距離を演算することから、大径工具での荒加工で加工残りとなる凹部に位置する検査点のみについて最短距離を演算するので、演算処理ひいては加工残り部位の検査をより短時間で行うことができる。
【0034】
さらにこの実施例の装置によれば、加工残り部位検査部7が、検査点における目標加工形状の凹凸の程度に対応する目標加工形状データの粗さを表すPLACE ピッチのデータを参照し、その目標加工形状データの粗さが所定未満の検査点のみについて最短距離を演算することから、目標加工形状の凹凸が大きいため目標加工形状データの粗さが細かい(目標加工形状を形成する構成点の間隔が小さい)部位の検査点のみについて最短距離を演算するので、演算処理ひいては加工残り部位の検査をより短時間で行うことができる。
【0035】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、加工残り状況を示す印を適宜色分けしても良く、また印の種類を変えずに色分けのみで加工残り状況を表示しても良く、さらには、同一の加工残り状況の範囲を色分けするようにしても良い。そして、所要に応じて、削り込みの判断を行わず、削り残しの位置および削り切った位置(削り込みの位置を含む)だけを判定することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のCAMシステム用加工残り部位検査装置の概略構成を示す概念図である。
【図2】この発明のCAMシステム用加工残り部位検査装置の一実施例の構成を機能的に示すブロック線図である。
【図3】CAMシステムのコンピュータが上記実施例の加工残り部位検査装置として実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図3における形状データ分割処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】上記形状データ分割処理の内容を示す説明図である。
【図6】図3における凹部抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】上記凹部抽出処理の内容を示す説明図である。
【図8】上記凹部抽出処理の内容を示す説明図である。
【図9】上記凹部抽出処理の内容を示す説明図である。
【図10】図3での加工残り部位検査処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】上記加工残り部位検査処理の内容を示す説明図である。
【図12】上記実施例の装置による加工残り部位描画表示の例を示す説明図である。
【図13】従来装置による加工残り部位検査方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 データ入力手段
2 最短距離演算手段
3 最短距離判定手段
4 加工残り部位データ出力手段
5 データ入力部
6 形状データ分割部
7 加工残り部位検査部
8 凹部抽出部
9 加工残り部位データ出力部

Claims (4)

  1. CAMシステムの一部をなすNC工作機械のボールエンドミル形使用工具の寸法および先端部半球中心点である工具中心の経路である工具径路を表すNCデータと、目標とする加工形状を表す目標加工形状データとを入力するデータ入力手段(1)と、前記目標加工形状データが表す目標加工形状上に所定配置で複数設定した検査点の各々と前記NCデータの工具径路との間の3次元的な最短距離を求める最短距離演算手段(2)と、前記求めた最短距離が所定の許容範囲内にあるか否かを判別する最短距離判定手段(3)と、前記求めた最短距離が前記許容範囲内にない場合に、その最短距離を求めた検査点が位置する前記目標加工形状上の部位を加工残り部位として、その加工残り部位に関するデータを出力する加工残り部位データ出力手段(4)と、を具えてなる、CAMシステム用加工残り部位検査装置。
  2. 前記加工残り部位における前記検査点に前記使用工具が接する際に前記目標加工形状に対し前記使用工具の工具中心が所定の最小距離を超えて離間しているか否かを判定することで、前記加工残り部位を前記使用工具で加工可能か否かを判定する加工可否判定手段(8)をさらに具えることを特徴とする、請求項1記載のCAMシステム用加工残り部位検査装置
  3. 前記最短距離演算手段(2)は、前記目標加工形状上の前記検査点の各々に前記使用工具よりも大径のボールエンドミル形大径工具が接する際に前記目標加工形状に対し前記大径工具の工具中心が所定の最小距離を超えて離間しているか否かを判別することで、その大径工具で加工できない凹部を抽出し、その抽出した凹部に位置する前記検査点のみについて前記最短距離を演算することを特徴とする、請求項1または請求項2記載のCAMシステム用加工残り部位検査装置。
  4. 前記最短距離演算手段(2)は、前記検査点における、前記目標加工形状の凹凸の程度に対応する前記目標加工形状データの粗さを表すデータを参照し、その目標加工形状データの粗さが所定未満の前記検査点のみについて前記最短距離を演算することを特徴とする、請求項1から請求項3までの何れか記載のCAMシステム用加工残り部位検査装置。
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