JP3269278B2 - 金型加工工具軌跡作成用camシステム - Google Patents

金型加工工具軌跡作成用camシステム

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JP3269278B2
JP3269278B2 JP23184994A JP23184994A JP3269278B2 JP 3269278 B2 JP3269278 B2 JP 3269278B2 JP 23184994 A JP23184994 A JP 23184994A JP 23184994 A JP23184994 A JP 23184994A JP 3269278 B2 JP3269278 B2 JP 3269278B2
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欣児 岩田
正 五堂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自由曲面で構成され
た金型形状モデルからその金型形状を複数種類の径の工
具で順次加工するための工具軌跡を作成するCAMシス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に3次元の自由曲面によって構成さ
れる金型形状をNC工作機械で加工する場合、機械加工
の効率向上および品質向上のため、通常先ず、剛性が高
く送り速度を上げられる最大径の工具で加工し、次い
で、その最大径の工具での削り残し範囲について、形状
特徴に応じた小径工具で加工する、という手順を、先ず
荒加工、次いで仕上げ加工について行う。従って、金型
の形状特徴に応じて5〜6種類の工具の使い分けをする
ことになる。このため、従来のCAMシステムを用い
て、金型形状を定義した金型形状モデルから工具軌跡を
作成する場合には、先ず、そのCAMシステムで、最大
径の工具で加工を行う工具軌跡を作成するとともに、金
型形状モデルから形状特徴が明らかになる断面図を作成
し、次いで作業者が、加工に使用する複数種類の径の工
具につき工具毎に、その断面図から削り残し状態を考慮
しつつ加工対象部位を目視で決定して、そのCAMシス
テムで、その加工対象部位に沿うよう工具軌跡を定めて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のCAMシステムを用た方法では、作業者が、金型
形状モデルの形状特徴と加工途中の削り残し状態とを考
慮しつつ加工対象部位を決定しているため、工数が嵩ん
でしまい、またその工数および加工品質が作業者の熟練
度に大きく依存してしまうという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
有利に解決したCAMシステムを提供することを目的と
するものであり、この発明の金型加工工具軌跡作成用C
AMシステムの基本構成は、図1にその概念を示すよう
に、自由曲面で構成された金型形状モデルからその金型
形状を複数種類の径の工具で順次加工するための工具軌
跡を作成するCAMシステムにおいて、前記金型形状モ
デルから所定以上に狭まった凹部を全て抽出する凹部自
動検索手段1と、前記抽出した金型形状モデルの各凹部
につき、前記複数種類の径の工具にそれぞれ対応した形
状の工具モデルを径の大きいものから順次その凹部に接
触させて、その凹部と工具モデルとの接触状態での現在
の削り残し形状と工具モデルとの重複面積を切削量とし
て求め、その切削量が所定量以上となった工具モデルに
対応する工具を当該凹部の加工工具に決定して、その工
具モデルが当該凹部に接触しつつ移動する軌跡を工具軌
跡として求めるとともに、その工具モデルと現在の削り
残し形状との重複部分を除いて次の削り残し形状を求め
る、という手順を、最少径の工具モデルでもその凹部の
切削量が所定量未満となるまで繰り返し、その後、前記
各凹部について求めた工具軌跡を前記複数種類の径の工
具について工具毎に纏めて各工具の加工部位を決定する
加工部位決定手段2と、を具えることを特徴とするもの
である。
【0005】そして、請求項1記載のこの発明の金型加
工工具軌跡作成用CAMシステムにおいては、前記加工
部位決定手段2が、前記各凹部について前記現在の削り
残し形状から現在の削り残し範囲の加工幅のその凹部の
延在方向に沿う変化状態および最大加工幅を調べ、加工
幅が前記最大加工幅に対し所定の割合になる位置で前記
削り残し範囲をその凹部の延在方向に沿って複数の削り
残し小範囲に分割する適正工具軌跡ピッチ確保手段を具
えている。
【0006】また請求項2記載のこの発明の金型加工工
具軌跡作成用CAMシステムにおいては、前記加工部位
決定手段2が、前記適正工具軌跡ピッチ確保手段に加え
て、前記各凹部について前記各削り残し小範囲のその凹
部の延在方向に沿う切削長さを調べ、その切削長さが所
定有効切削長さ未満の削り残し小範囲を、その削り残し
小範囲の両側に他の削り残し小範囲がある場合はそれら
のうち平均加工幅が近い方の削り残し小範囲に統合し、
その削り残し範囲の片側のみに他の削り残し小範囲があ
る場合はその削り残し小範囲に統合する有効切削長さ確
保手段を具えている。
【0007】
【作用】かかるCAMシステムの基本的構成にあって
は、凹部自動検索手段1が自動的に、金型形状モデルか
ら、最大径の工具だけでは削り残しが発生するような、
所定以上に狭まった凹部を全て抽出し、そして加工部位
決定手段2が自動的に、各凹部につき、複数種類の使用
工具にそれぞれ対応する工具モデルを径の大きいものか
ら順次用いて、最大径の工具で切削した後の最初の削り
残し形状で切削量が所定量以上となった最初の加工工具
を決定し、その工具軌跡を求めるとともに、当該工具モ
デルとその最初の削り残し形状との重複部分を除いて次
の削り残し形状を求め、その後、その現在の削り残し形
状で切削量が所定量以上となった次の加工工具を決定
し、その工具軌跡を求めるとともにその工具モデルとの
重複部分を除いて次の削り残し形状を求める、という手
順を最少径の工具モデルでも現在の削り残し形状に対す
る切削量が所定量未満となるまで繰り返して、その凹部
を加工する一連の工具を径の大きい順に決定し、その
後、各凹部について求めた工具軌跡を複数種類の径の工
具について工具毎に纏めて各工具の加工部位を決定す
る。
【0008】従って、この発明のCAMシステムの基本
的構成によれば、最大径の工具での削り残し範囲につい
て自動的に、各工具の加工部位を決定して工具軌跡を求
めることができるので、作業者が形状特徴に応じ各工具
の加工対象部位を決定するのに要していた工数を省くこ
とができ、また加工品質を作業者の熟練度によらず一定
以上に高く維持することができる。
【0009】ところで、金型形状モデルの凹部に沿って
延在する削り残し範囲(前記削り残し形状を断面形状と
して有する部分)は、その凹部の延在方向と直交する方
向へもある程度の広がりを持つので、その削り残しを生
じた工具モデルより細い径の工具モデルを凹部に沿って
一回移動させるだけでは除去(切削)しきれない場合が
多く、このような場合には、その削り残し範囲を工具モ
デルで細かく走査する必要上、上記細い径の工具モデル
をその凹部の延在方向と直交する方向へ少しずつ位置を
ずらしながらその凹部に沿って往復する一筆書きの工具
軌跡を求める場合があり、かかる凹部に沿って往復する
工具軌跡を求める際に、削り残し範囲の加工幅がその凹
部の延在方向に沿って変化している場合には通常、その
削り残し範囲中の最大加工幅の位置にて凹部の延在方向
と直交する断面で見た場合に上記細い径の工具モデルで
も大きな削り残しを生ずることがないように定めた所定
工具軌跡ピッチを確保できる本数(工具軌跡が凹部に沿
って往き来する回数)の工具軌跡が存在するような工具
軌跡を求める。
【0010】上述の如き場合に、請求項1記載のこの発
明のCAMシステムによれば、前記加工部位決定手段2
が、前記各凹部について前記現在の削り残し形状から現
在の削り残し範囲の加工幅のその凹部の延在方向に沿う
変化状態および最大加工幅を調べ、加工幅が前記最大加
工幅に対し所定の割合になる位置で前記削り残し範囲を
その凹部の延在方向に沿って複数の削り残し小範囲に分
割する適正工具軌跡ピッチ確保手段を具えていることか
ら、その削り残し範囲を、最大加工幅に対する加工幅の
割合が所定値の位置で複数の削り残し小範囲に分割し得
るので、各削り残し小範囲での加工幅の変化の程度を小
さくし得て、各削り残し小範囲で凹部に沿って往復する
工具軌跡を求める際に加工幅が狭い部分での工具軌跡の
ピッチの狭まり過ぎを防止でき、それゆえ、ピッチが狭
過ぎる工具軌跡で狭い加工幅の部分を何度も加工するこ
とを防止し得るので、加工時間の増加による加工効率の
低下および、加工面の加工硬化による品質低下を有効に
防止することができる。
【0011】また請求項2記載のこの発明のCAMシス
テムによれば、前記加工部位決定手段2が、前記適正工
具軌跡ピッチ確保手段に加えて、前記各凹部について前
記各削り残し小範囲のその凹部の延在方向に沿う切削長
さを調べ、その切削長さが所定有効切削長さ未満の削り
残し小範囲を、その削り残し小範囲の両側に他の削り残
し小範囲がある場合はそれらのうち平均加工幅が近い方
の削り残し小範囲に統合し、その削り残し範囲の片側の
みに他の削り残し小範囲がある場合はその削り残し小範
囲に統合する有効切削長さ確保手段を具えていることか
ら、削り残し範囲を細かく分割し過ぎて所定有効切削長
さが得られない削り残し小範囲が生じてしまうことを防
止することができ、それゆえ、各削り残し小範囲につき
少なくとも所定有効切削長さを確保し得て、分割し過ぎ
による加工効率の低下を防止することができる。
【0012】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図2は、この発明の金型加工工具軌跡作
成用CAMシステムの一実施例を示す構成図であり、こ
の実施例のCAMシステムは、通常のCAMシステムの
作動プログラムの一部を改造してそこに付加したもの
で、加工用の工具として複数種類の径のボールエンドミ
ルを使用することを前提としている。
【0013】すなわち、この実施例のCAMシステムで
は、上記複数のボールエンドミルのうちの最大径のもの
で加工できる所の工具軌跡は上記通常のCAMシステム
の工具軌跡作成プログラムで作成することを前提に、図
3(a)に示すように、図中破線で輪郭を示す鋳造等に
より形成するワーク形状Wから図中実線で輪郭を示す金
型形状Dに近い形状を削り出す際、最大径のボールエン
ドミルT1 による加工では許容量以上の削り残し部Rが
できる部分をそれぞれ凹部Cとして抽出して、図3
(b)に示すように、それらの凹部Cをより小径のボー
ルエンドミルT2 等で加工するために、それらの工具の
工具軌跡を作成する。また、この実施例のCAMシステ
ムは、上記最大径のボールエンドミルの次に径が大きい
ボールエンドミルから使用を開始し、より小径のボール
エンドミルへと順次に使用工具を交換して加工を進める
ことを前提としており、後述する加工順テーブルには、
そのような順序で指定工具を使用する旨定めてある。
【0014】かかる工具軌跡の作成のため、この実施例
のCAMシステムは、図2に示すように、凹部自動検索
手段1としての凹部自動検索部3と、加工部位決定手段
2としての加工部位決定部4とを具えており、ここで、
凹部自動検索部3は、金型形状モデルのデータを収容し
ている金型形状モデルファイル5と、基準値のデータを
収容している基準値ファイル6とから供給されたデータ
に基づき、最大径のボールエンドミルでは許容量を越え
る削り残しが生ずる凹部のデータを作成して、それを凹
部データファイル7に収容し、加工部位決定部4は、そ
の凹部データファイル7と、金型形状モデルファイル5
と、基準値ファイル6との他、加工順テーブルのデータ
を収容している加工順テーブルファイル8からも供給さ
れたデータに基づき、各凹部の削り残し形状のデータを
収容する削り残し形状ファイル9とデータの遣り取りを
しつつ切削量評価を行うことにより、加工部位指示デー
タを作成して、それを加工部位指示データファイル10に
収容し、その後、加工部位指示データファイル10に収容
した加工部位指示データを編集して、加工順テーブルに
従って使用する各使用工具の工具軌跡を示すデータを出
力する。
【0015】具体的には、この実施例のCAMシステム
は、上記凹部自動検索部3として、図4に示す処理プロ
グラムを実行し、このプログラムでは、先ずステップ11
で、金型形状モデルファイル5から、工具軌跡を作成す
べき金型形状を表すようにCADシステムで作成した金
型形状モデルのデータを読み込み、その後、ステップ12
での、その金型形状モデルを構成する稜線の一つについ
てデータを取り出す処理と、次のステップ13での、図5
(a)に示すようにその稜線Eを境界として互いに隣接
する上記金型形状モデルの二つの曲面(平面も含む)F
を一または複数の法平面Pで切断して各法平面Pにつき
それぞれ断面線Lを作成する処理と、次のステップ14で
の、法平面内の二本の断面線Lの稜線Eを通る接線間
の、形状モデルの外側での交差角度αが指定角度以下と
なった部位を凹部Cとして取り出して、その凹部のデー
タを凹部データファイル7へ出力する処理と、を順次に
かつ稜線の数だけ繰り返して行うことにより、図3
(a)中の下側の凹部Cの如き、角部を持つ凹部を全て
抽出して、それらの凹部のデータを凹部データファイル
7に収容する。
【0016】ここで、上記指定角度は、上記二本の断面
線Lの各接線に最大径のボールエンドミルの半径に等し
い曲率半径の球を接触させた場合にその球と二本の接線
とで囲まれる面積が所定の許容量を越えるような角度と
して指定して、基準値ファイル6に記録してあり、上記
ステップ14では、その指定角度を基準値ファイル6から
読み込んで用いる。
【0017】次にここでは、ステップ15での、上記金型
形状モデルを構成する曲面の一つについてデータを取り
出す処理と、次のステップ16での、図5(b)に示すよ
うにその曲面中のパラメータ一定線(曲面を表現する二
つのパラメーターu,vの内の一方を一定とした場合の
他方の変化で得られる曲線)である複数の曲線Gを取り
出す処理と、次のステップ17での、指定曲率半径の球を
各曲線Gに接触させて球がその曲線Gに、形状モデルの
外側にて二つの接点で接し、かつその接点間の曲線Gと
球とで囲まれる面積が所定の許容量を越える場合にその
接点間に曲線の区間を限定する処理と、次のステップ18
での、その限定した区間内の曲線G上の最少曲率の点を
決定する処理と、次のステップ19での、その最少曲率の
点を上記複数の曲線Gについて繋いで凹部Cを取り出し
て、その凹部のデータを凹部データファイル7へ出力す
る処理と、を順次にかつ曲面の数だけ繰り返して行うこ
とにより、図3(a)中の上側の凹部Cの如き、角部を
持たない凹部を全て抽出して、それらの凹部のデータを
凹部データファイル7に収容する。
【0018】ここで、上記指定曲率半径は、上記角部を
持つ凹部の場合と基準を等しくするため、最大径のボー
ルエンドミルの半径に等しい値として指定して、基準値
ファイル6に記録してあり、上記ステップ17では、その
指定曲率半径を基準値ファイル6から読み込んで用い
る。
【0019】さらにこの実施例のCAMシステムは、上
記加工部位決定部4として、図6に示す処理プログラム
を実行し、このプログラムでは、先ずステップ21で、加
工順テーブルファイル8から上記の如く複数種類の径の
ボールエンドミルを大径のものからより小径のものへ順
次使用するように定めた加工順テーブルのデータを読み
込み、次いでステップ22で、凹部データファイル7か
ら、上述の如くして抽出した上記金型形状モデルの凹部
の一つについてデータを読み込むとともに、その凹部の
近傍の形状データを、形状モデルファイル5から読み込
む。
【0020】そしてその後は、上記加工順テーブルのデ
ータに基づき、最大径のボールエンドミルT1 の次に大
きい径のボールエンドミルT2 を最初の指定工具とし
て、ステップ23で、その指定工具の半径に等しい半球状
の先端部を持つ工具モデル、例えば最初は図3(b)に
示すように工具モデルT2 (便宜上ボールエンドミルと
同一符号で示す)を、金型形状モデルD(便宜上金型形
状と同一符号で示す)に複数の接点CP(下側の場合)あ
るいは、半径が一致する場合は円弧CR(上側の場合)で
接触させて、その接点または接円弧を持つ工具の位置を
検索する処理を行い、次のステップ24で、例えば最初は
図3(a)に示す最大径の工具モデルT1で削り残した
削り残し部Rの如き、その凹部に関する前回の処理で使
用した工具モデルで削り残した、その前回の工具モデル
とそれが接触している金型形状モデルとの間の部分であ
る現在の削り残し形状を示すデータを、削り残し形状フ
ァイル9から読み出して、図3(b)に示す如く、その
現在の削り残し形状(図中破線で示す)と上記の如く金
型形状モデルDに接触させた状態での今回の工具モデル
との重複面積を切削量Qとして算出する処理を行う。
【0021】そして次のステップ25では、各工具毎にそ
の工具で切削するに値する最少切削量として定めた指定
値を基準値ファイル6から読み出して、上記切削量Qを
その指定値と比較する切削量評価を行い、その切削量Q
が指定値未満の場合には、そのステップ25からステップ
26へ進み、そこで今回の指定工具が最少径のものか否か
を判断して、最少径のものでない場合は、指定工具を次
に小径のものに変更した後、ステップ23へ戻り、上記処
理を繰り返す。また、そのステップ26での判断の結果、
最少径の工具を使用しており、その最少径の工具でも切
削量Qが指定値未満の場合は、その凹部の切削は終了し
たものとして、ステップ22へ戻り、次の凹部を、それが
ある限り読み出す。
【0022】この一方、上記ステップ25での切削量評価
の結果、切削量Qが指定値以上の場合には、ステップ27
へ進んで、今回の指定工具をその凹部の加工工具として
選択するとともに、今回の工具モデルが当該凹部に沿っ
て金型形状モデルに接触しつつ移動するような工具軌跡
を求め、上記指定工具の加工部位として当該凹部を指示
するとともに当該凹部についてのその指定工具の上記工
具軌跡を示す加工部位指示データを加工部位指示データ
ファイル10へ出力し、次のステップ28で、現在の削り残
し形状から今回の工具モデルとの重複部分を除いて、図
3(b)の下方に実線で示す削り残し部Rの如き、その
工具モデルとそれが接触している金型モデルとの間の部
分である次の削り残し形状を求め、その削り残し形状を
示すデータを削り残し形状ファイル9へ出力し、次いで
ステップ26と同様の図示しないステップで、今回の指定
工具が最少径か否かを判断して、最少径でない場合は指
定工具を次に小径のものに変更した後ステップ23へ戻
り、今回の指定工具が最少径の場合は、その凹部の切削
は終了したものとしてステップ22へ戻り、次の凹部をそ
れがある限り読み出す。
【0023】従って、図3(b)の上方に示す如き、最
少径の工具でも切削量Qが指定値未満となるような削り
残し部を生ずる工具のうちで、最も径の大きいものが、
その凹部の最後の加工工具となり、例えば最初の指定工
具で、最少径の工具でも切削量Qが指定値未満となるよ
うな削り残し部が生じれば、その最初の指定工具がその
凹部の最後の加工工具となって、その最初の指定工具だ
けでその凹部を加工することになる。
【0024】このようにしてここでは、全ての凹部につ
き、その凹部の加工に使用する一連の工具が径の大きい
順に定まり、その後このCAMシステムは、上記加工部
位決定部4として、上記処理で凹部毎に求めて加工部位
指示データファイル10に収容した加工部位指示データを
使用工具毎に纏め、これによって使用工具毎に、上記各
凹部の工具軌跡を繋ぎ合わせることにより、最終的な、
加工順テーブルに従って使用する各使用工具の工具軌跡
データを作成し、それを出力する。
【0025】従って、この実施例のCADシステムによ
れば、最大径のボールエンドミルによる加工で許容量以
上の削り残しができる形状特徴部分をそれぞれ凹部とし
て抽出し、それらの凹部をより小径のボールエンドミル
で加工するための工具軌跡を作成する、という処理を自
動的に行うことができるので、作業者が形状特徴に応じ
各工具の加工対象部位を決定するのに要していた工数を
省くことができ、また加工品質を作業者の熟練度によら
ず一定以上に高く維持することができる。
【0026】なお、この実施例のCAMシステムが上記
ステップ27で工具軌跡を求めるに際しては、具体的には
先ず、当該凹部が角部を持つ場合は上記稜線を形成する
点列の各点、角部を持たない場合は上記最小曲率の点を
繋いだ点列の各点(これらの点列の各点を凹点と呼ぶ)
の位置と、それらの凹点にそれぞれ対応する、前回の処
理で使用した工具モデルと金型形状モデルとの接点すな
わち現在の削り残し形状の両端点の位置と、それらの接
点で金型形状モデルに接触する今回の工具モデルの位置
とを含む工具軌跡情報を上記凹部データに基づいて求め
て、その工具軌跡情報を、今回の指定工具の加工部位と
して当該凹部を指示するデータとともに加工部位指示デ
ータに含めて一旦加工部位指示データファイル10へ出力
し、次いで、加工部位指示データファイル10からその工
具軌跡情報を含む加工部位指示データを読み込んで、そ
の凹部の工具軌跡情報から今回の工具モデルが当該凹部
に沿って金型形状モデルに接触しつつ移動するような工
具軌跡を求める、という手順を経ている。
【0027】ところで、図7に示すように、金型形状モ
デルDの凹部に沿って延在する削り残し範囲A(上記削
り残し形状すなわち削り残し部Rを断面形状として有す
る部分)は、その凹部の延在方向と直交する方向へもあ
る程度の広がりを持つので、その削り残し範囲Aをその
削り残しを生じた工具モデル(例えばT1 )よりも細い
径の工具モデル(例えばT2 )で除去(加工)するに
は、その細い径の工具モデルを凹部の上記凹点の点列に
沿って一回移動させるだけでは足りない場合が多く、か
かる場合には、その削り残し範囲Aの全体をその細い径
の工具モデルで細かく走査する必要があるため、当該凹
部の延在方向と直交する方向へ少しずつ位置をずらしな
がらその凹部に沿って往復する一筆書きの工具軌跡CL
(図7中一点鎖線で示す)を求める場合がある。
【0028】かかる凹部に沿って往復する工具軌跡CLを
求める際、凹部を形成する曲面の変化の状態によって
は、図8に展開して示すように、削り残し範囲Aの加工
幅CWがその凹部の延在方向に沿って変化する場合があ
り、このような場合には、この実施例のCAMシステム
も、その削り残し範囲A中の最大加工幅CWmax の位置に
て凹部の延在方向と直交する断面で見た場合に上記細い
径の工具モデルでも過大な削り残しを生ずることがない
ように定めた所定工具軌跡ピッチ(過大な削り残しを生
ずることのない工具軌跡間隔の上限値)を確保できる本
数(工具軌跡が凹部に沿って往き来する回数)の工具軌
跡が存在するような工具軌跡を求める。
【0029】ただし上記のような場合に従来は、図8に
示すように最大加工幅CWmax の位置で所定工具軌跡ピッ
チを確保できる本数の工具軌跡が凹部の延在方向(図で
は左右方向)へ削り残し範囲Aの全体に亘って延在する
ような工具軌跡CLを求めていたため、加工幅CWの狭い部
分では工具軌跡ピッチが狭まり過ぎて狭い加工幅の部分
を何度も加工することになることから加工時間の増加に
より加工効率を低下させるとともに加工面の加工硬化に
より加工品質を低下させてしまうという不都合がある。
それゆえ、かかる不都合を解消すべく上記加工部位決定
部4は、図9に示すように、適正工具軌跡ピッチ確保手
段としての加工領域分割部4aと、有効切削長さ確保手段
としての有効切削長判定部4bとを有している。
【0030】ここで、上記加工領域分割部4aは、図10に
示すように、各凹部について上記現在の削り残し形状か
ら現在の削り残し範囲Aの加工幅CWの、その凹部の延在
方向(図では左右方向)に沿う変化状態および最大加工
幅CWmax を調べ、加工幅CWがその最大加工幅CWmax に対
し、当該システムの使用者から与えられる所定の割合に
なる位置PPで、上記削り残し範囲Aをその凹部の延在方
向に沿って複数の削り残し小範囲(例えば図示例では
A1, A2, A3)に分割する。
【0031】具体的にはこの実施例のCAMシステム
が、上記ステップ27で一つの凹部について工具軌跡を求
める際に、上記加工領域分割部4aとして、図11に示す加
工領域分割処理プログラムを実行し、このプログラムで
は、先ずステップ31で、加工部位指示データファイル10
から、上記凹部についての上記工具軌跡情報を含む加工
部位指示データを読み込み、続くステップ32で、その工
具軌跡情報から、上記凹部の先に述べた点列の各凹点に
ついて、図12に示すとともに図13(a)に展開して示す
ように、凹点SPと、その凹点SPに対応する前回の処理で
使用した工具モデルと金型形状モデルとの二箇所の接点
CP1, CP2(現在の削り残し形状の両端点)との間の距離
a,bをそれぞれ求めて、それらの距離a,bを加え合
わせることで加工幅CWを求め、この一方上記各凹点SP間
の距離を切削長LSとし、最初の凹点SPからそれ以外の上
記各凹点SPまでの切削長LSを求めて、図13(b)に示す
ように、上記点列の上記各凹点SPに対応する加工幅CWを
点列の構成点FP(同図中×印で示す)とした2次元点列
WLを、加工幅CWを縦軸、最初の凹点SPからの切削長LSを
横軸とした座標系上に展開する。
【0032】次いでここではステップ33で、上記2次元
点列における最大加工幅CWmax を調べて、その最大加工
幅CWmax に対し1/n(nは当該システムの使用者が任
意に指定して上記基準値ファイル6に記録しておいた一
定値であり、図13(b)ではn=2としている)の割合
の加工幅CWを分割基準幅BWとし、その分割基準幅BWを示
す直線(分割基準幅線)BLを上記座標系上に描いて、そ
の分割基準幅線BLと上記加工幅CWの2次元点列との交点
IPを求め、この交点IPの位置を上記削り残し範囲Aの分
割位置PPとする。なお、上記交点IPを求める際、分割基
準幅線BLが上記構成点FP上を通る場合はその構成点を交
点IPとし、通らない場合は上記構成点FP間を補間した直
線あるいは曲線との交点IPを求め、その交点IP(図13
(b)中○印で示す)を新たな構成点として上記点列に
追加する。
【0033】そして次のステップ34では、上述の如くし
て求めた幾つかの交点すなわち分割点IPを構成点に付し
た番号(最初の構成点から順に付けてあり、新たな構成
点を追加した場合はその構成点を含めて付け直したも
の)の順になるようソートし、続くステップ35では、そ
れらの分割点IPの構成点番号を、図14に示す如き加工領
域分割テーブルに、その分割点IPから次の分割点IPまで
の切削長LS(その分割点IPから始まる削り残し小部分の
切削長LSとなる)とともに記録する。なお、最初の分割
点の前と最後の分割点の後の削り残し小部分の切削長LS
もあわせて記録する。これによって加工領域分割処理は
終了し、上述した凹部に沿って往復する工具軌跡CLを求
める際には、上記加工領域分割処理と後述する有効切削
長判定処理とを経て上記加工領域分割テーブルに記録し
た分割点IPの位置PPに基づき削り残し範囲Aを分割した
各削り残し小範囲について、そこでの最大加工幅と所定
工具軌跡ピッチとに基づき工具軌跡本数を定める。
【0034】従って、この実施例のCAMシステムによ
れば、図10に示すように、削り残し範囲Aを、最大加工
幅CWmax に対する加工幅CWの割合いが所定値となる分割
位置PPで複数の削り残し小範囲A1, A2, A3に分割し得る
ので、各削り残し小範囲での加工幅の変化の程度を小さ
くし得て、各削り残し小範囲で凹部に沿って往復する工
具軌跡CL1, CL2, CL3 を求める際に加工幅が狭い部分で
の工具軌跡のピッチの狭まり過ぎを防止でき、それゆ
え、ピッチが狭過ぎる工具軌跡で狭い加工幅の部分を何
度も加工することを防止し得るので、加工時間の増加に
よる加工効率の低下および、加工面の加工硬化による品
質低下を有効に防止することができる。
【0035】またここで、上記有効切削長判定部4bは、
各凹部について削り残し範囲Aを分割した各削り残し小
範囲の上記切削長LSを調べ、その切削長LSが所定有効切
削長さ未満の削り残し小範囲を、その削り残し小範囲の
両側に他の削り残し小範囲がある場合はそれらのうち平
均加工幅が近い方の削り残し小範囲に統合し、その削り
残し範囲の片側のみに他の削り残し小範囲がある場合は
その削り残し小範囲に統合する。
【0036】具体的にはこの実施例のCAMシステム
が、上記ステップ27で一つの凹部について工具軌跡を求
める際に、上記有効切削長判定部4bとして、図15に示す
有効切削長判定処理プログラムを実行し、このプログラ
ムでは、先ずステップ41で、上記加工領域分割テーブル
から、図16(a)に示すように、一つの削り残し小範囲
(例えばA2)の切削長LSを読み込み、続くステップ42
で、その切削長LSを、あらかじめ上記基準値ファイル6
に記録してある有効切削長と比較し、その切削長LSが有
効切削長未満の場合には、ステップ43で、当該削り残し
小範囲A2の前後に他の削り残し小範囲が有るか否かをさ
らに判断して、図16(a)に示すように、当該削り残し
小範囲A2の前後に他の削り残し小範囲A1, A3が有る場合
には、それら三つの削り残し小範囲のそれぞにつき加工
幅CWの平均値を求め、図16(b)に示すように、当該削
り残し小範囲A2に加工幅CWの平均値が近い方の削り残し
小範囲A3に当該削り残し小範囲A2を統合して新たな削り
残し小範囲A2とするため上記最初の削り残し小範囲A2
削り残し小範囲A3との間の分割点IPの登録を抹消するこ
とに決定し、その後上記ステップ42へ戻ってその統合し
た新たな削り残し小範囲A2につき再び切削長LSを上記有
効切削長と比較する。
【0037】この一方、ステップ41での読み込みの対象
が例えば図16(a)中の削り残し小範囲A1の如き最初の
削り残し小範囲であって、その削り残し小範囲の切削長
LSが上記有効切削長未満の場合には、上記ステップ43で
の判断でその削り残し小範囲の片側のみに他の削り残し
小範囲があることになり、かかる場合は前記他の削り残
し小範囲に当該削り残し小範囲を統合して新たな削り残
し小範囲とするためそれらの間の分割点IPの登録を抹消
することに決定し、その後上記ステップ42へ戻る。そし
て上記ステップ42で、当該削り残し小範囲の切削長LSを
上記有効切削長と比較した結果その切削長LSが有効切削
長以上の場合には、統合の必要がないのでそのままステ
ップ44へ進み、このステップ44では、先に削り残し小範
囲の統合のために分割点IPの登録を抹消することに決定
した場合にはその分割点IPの登録を抹消し、削り残し小
範囲の統合が不要の場合は加工領域分割テーブルの内容
を維持する。かかる処理を全ての削り残し小範囲につい
て繰り返して、切削長LSの短い削り残し小範囲を統合す
れば、有効切削長判定処理は終了する。
【0038】従って、この実施例のCAMシステムによ
れば、削り残し範囲Aを細かく分割し過ぎて図16(a)
中の削り残し小範囲A2の如き所定有効切削長さが得られ
ない削り残し小範囲が生じてしまうことを防止すること
ができ、それゆえ、各削り残し小範囲につき少なくとも
所定有効切削長さを確保し得て、分割し過ぎによる加工
効率の低下を防止することができる。
【0039】なお、このようにして作成した工具軌跡
は、上記通常のCAMシステムの工具軌跡作成プログラ
ムで作成した、上記複数のボールエンドミルのうちの最
大径のもので加工できる所の工具軌跡と組み合わされ
る。そして実際の加工の際には、最初にその最大径のボ
ールエンドミルで、上記通常のCAMシステムの工具軌
跡作成プログラムで作成した工具軌跡に沿って、先ず上
記各凹部の近傍部分、次いで切削し易い平坦な部分や曲
率半径の大きな部分を加工し、その後、より小径のボー
ルエンドミルを逐次使用して、上記実施例のCAMシス
テムで作成した工具軌跡に沿って、削り残し範囲となる
上記各凹部を順次に加工するという手順を、最初に荒加
工について行い、次いで仕上げ加工について行う。但
し、仕上げ加工に用いる複数種類のボールエンドミルの
セットは、荒加工に用いる複数種類のボールエンドミル
のセットよりも、対応するボールエンドミルの径(例え
ばセット中の最大径のボールエンドミルの径)を僅かに
大きくしてあり、これにより荒加工後にそれと同一の工
具軌跡を用いて仕上げ加工を行い得るようにしている。
【0040】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、上記例
では使用工具をボールエンドミルに限定しているが、こ
の発明では、先端が平坦なフラットエンドミルを使用す
ることもでき、その場合には角部を持たない凹部の加工
にボールエンドミルを使用するとともに角部を持つ凹部
の加工にフラットエンドミルを使用するように定めて、
各凹部に付きそれぞれのエンドミルの工具軌跡を求めれ
ば良い。また、上記例では工具の軸線を垂直に維持し傾
斜面の仕上げは行っていないが、工具の軸線を金型モデ
ル形状に対応させて傾斜させて移動させる工具軌跡を求
め、その工具軌跡を上記例で求めた工具軌跡に組み合わ
せても良いことはいうまでもない。
【0041】さらに上記例では加工領域分割処理を削り
残し領域全体での最大加工幅CWmaxに対し所定の割合の
加工幅の位置のみで分割しているが、それによって分割
した削り残し小領域の切削長LSが有効切削長に対して比
較的長い場合には、その削り残し小領域での最大加工幅
に対し所定の割合の加工幅の位置でさらに分割するよう
にしても良く、このようにすれば、各削り残し小範囲で
の加工幅の変化の程度をさらに小さくすることができ
る。
【0042】
【発明の効果】かくしてこの発明のCAMシステムの基
本的構成によれば、最大径の工具での削り残し範囲につ
いて自動的に、各工具の加工部位を決定して工具軌跡を
求めることができるので、作業者が形状特徴に応じ各工
具の加工対象部位を決定するのに要していた工数を省く
ことができ、また加工品質を作業者の熟練度によらず一
定以上に高く維持することができる。
【0043】そして、請求項1記載のこの発明のCAM
システムによれば、前記加工部位決定手段2が、前記各
凹部について前記現在の削り残し形状から現在の削り残
し範囲の加工幅のその凹部の延在方向に沿う変化状態お
よび最大加工幅を調べ、加工幅が前記最大加工幅に対し
所定の割合になる位置で前記削り残し範囲をその凹部の
延在方向に沿って複数の削り残し小範囲に分割する適正
工具軌跡ピッチ確保手段を具えていることから、凹部に
沿って往復する工具軌跡を求める際に加工幅が狭い部分
での工具軌跡のピッチの狭まり過ぎを防止でき、それゆ
え、ピッチが狭過ぎる工具軌跡で狭い加工幅の部分を何
度も加工することを防止し得るので、加工時間の増加に
よる加工効率の低下および、加工面の加工硬化による品
質低下を有効に防止することができる。
【0044】また請求項2記載のこの発明のCAMシス
テムによれば、前記加工部位決定手段2が、前記適正工
具軌跡ピッチ確保手段に加えて、前記各凹部について前
記各削り残し小範囲のその凹部の延在方向に沿う切削長
さを調べ、その切削長さが所定有効切削長さ未満の削り
残し小範囲を、その削り残し小範囲の両側に他の削り残
し小範囲がある場合はそれらのうち平均加工幅が近い方
の削り残し小範囲に統合し、その削り残し範囲の片側の
みに他の削り残し小範囲がある場合はその削り残し小範
囲に統合する有効切削長さ確保手段を具えていることか
ら、削り残し範囲を細かく分割し過ぎて所定有効切削長
さが得られない削り残し小範囲が生じてしまうことを防
止でき、それゆえ、各削り残し小範囲につき少なくとも
所定有効切削長さを確保し得て、分割し過ぎによる加工
効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の金型加工工具軌跡作成用CAMシ
ステムの基本的構成を示す概念図である。
【図2】 この発明の金型加工工具軌跡作成用CAMシ
ステムの一実施例を示す構成図である。
【図3】 (a),(b)は、上記実施例のCAMシス
テムによる削り残し形状の求め方を示す説明図である。
【図4】 上記実施例のCAMシステムの凹部自動検索
部としての作動を示すフローチャートである。
【図5】 (a),(b)は、上記実施例のCAMシス
テムによる凹部の抽出方法を示す説明図である。
【図6】 上記実施例のCAMシステムの加工部位決定
部としての作動を示すフローチャートである。
【図7】 削り残し領域をその削り残しを生じた工具よ
りも小径の工具で加工する方法を示す説明図である。
【図8】 加工幅が変化する削り残し領域を展開して示
すとともに、そこをその削り残しを生じた工具よりも小
径の工具で加工するための従来の工具軌跡を示す説明図
である。
【図9】 上記実施例のCAMシステムの上記加工部位
決定部の加工領域分割部および有効切削長判定部を示す
構成図である。
【図10】 上記加工領域分割部による、加工幅が変化
する削り残し領域の分割状態を示すとともに、上記加工
部位決定部が求めた、削り残し小領域をその削り残しを
生じた工具よりも小径の工具で加工するための工具軌跡
を示す説明図である。
【図11】 上記実施例のCAMシステムの上記加工領
域分割部としての作動を示すフローチャートである。
【図12】 上記加工領域分割部が加工幅を求める方法
を示す説明図である。
【図13】 上記加工領域分割部による、加工幅が変化
する削り残し領域の分割方法を示す説明図である。
【図14】 上記加工領域分割部が分割位置に関するデ
ータを登録する加工領域分割テーブルを示す説明図であ
る。
【図15】 上記実施例のCAMシステムの上記有効切
削長判定部としての作動を示すフローチャートである。
【図16】 上記有効切削長判定部による、分割して得
た削り残し小領域の有効切削長判定方法および統合方法
を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−338805(JP,A) 特開 昭63−132308(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 15/00 G05B 19/4093

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由曲面で構成された金型形状モデルか
    ら、その金型形状を複数種類の径の工具で順次加工する
    ための工具軌跡を作成するCAMシステムにおいて、 前記金型形状モデルから所定以上に狭まった凹部を全て
    抽出する凹部自動検索手段(1)と、 前記抽出した金型形状モデルの各凹部につき、 前記複数種類の径の工具にそれぞれ対応した形状の工具
    モデルを径の大きいものから順次その凹部に接触させ
    て、その凹部と工具モデルとの接触状態での現在の削り
    残し形状と工具モデルとの重複面積を切削量として求
    め、その切削量が所定量以上となった工具モデルに対応
    する工具を当該凹部の加工工具に決定して、その工具モ
    デルが当該凹部に接触しつつ移動する軌跡を工具軌跡と
    して求めるとともに、その工具モデルと現在の削り残し
    形状との重複部分を除いて次の削り残し形状を求める、
    という手順を、最少径の工具モデルでもその凹部の切削
    量が所定量未満となるまで繰り返し、 その後、前記各凹部について求めた工具軌跡を前記複数
    種類の径の工具について工具毎に纏めて各工具の加工部
    位を決定する加工部位決定手段(2)と、を具え、 前記加工部位決定手段(2)が、前記各凹部について前
    記現在の削り残し形状から現在の削り残し範囲の加工幅
    のその凹部の延在方向に沿う変化状態および最大加工幅
    を調べ、加工幅が前記最大加工幅に対し所定の割合にな
    る位置で前記削り残し範囲をその凹部の延在方向に沿っ
    て複数の削り残し小範囲に分割する適正工具軌跡ピッチ
    確保手段(4a)を具えることを特徴とする、金型加工工
    具軌跡作成用CAMシステム。
  2. 【請求項2】 前記加工部位決定手段(2)は、前記適
    正工具軌跡ピッチ確保手段(4a)に加えて、前記各凹部
    について前記各削り残し小範囲のその凹部の延在方向に
    沿う切削長さを調べ、その切削長さが所定有効切削長さ
    未満の削り残し小範囲を、その削り残し小範囲の両側に
    他の削り残し小範囲がある場合はそれらのうち平均加工
    幅が近い方の削り残し小範囲に統合し、その削り残し範
    囲の片側のみに他の削り残し小範囲がある場合はその削
    り残し小範囲に統合する有効切削長さ確保手段(4b)を
    具えることを特徴とする、請求項1記載の金型加工工具
    軌跡作成用CAMシステム。
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JP2013097750A (ja) * 2011-11-07 2013-05-20 Hitachi Ltd 並列分散処理方法および並列分散処理装置
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