JP2000163110A - 工具経路生成方法および工具経路生成プログラム記録媒体 - Google Patents

工具経路生成方法および工具経路生成プログラム記録媒体

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JP2000163110A
JP2000163110A JP10337763A JP33776398A JP2000163110A JP 2000163110 A JP2000163110 A JP 2000163110A JP 10337763 A JP10337763 A JP 10337763A JP 33776398 A JP33776398 A JP 33776398A JP 2000163110 A JP2000163110 A JP 2000163110A
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cutting
tool
tool path
intersection
line
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English (en)
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Haruhisa Higasayama
晴久 日笠山
Mikio Sato
幹夫 佐藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NC制御において工具の移動速度低下が抑制
される工具経路の生成方法を提供する。 【解決手段】 判定手段74(判定工程)により工具経
路CPのうちの回転切削工具26がワーク14を切削し
ない非切削部(非切削交線Lnc)であることが判定され
ると、減速抑制処理手段76(減速抑制処理工程)によ
り、上記工具経路CPのうち上記判定手段74によりワ
ーク14を切削しないと判定された非切削部が、NC制
御において回転切削工具26の減速が抑制される工具経
路に修正されることから、NC制御による加工に際して
回転切削工具26の速度の低下が好適に防止されるの
で、NC制御による加工能率が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工部材の表面
形状を工具を用いて加工するためにNC制御される工具
の基準点の移動軌跡となるべき工具経路を生成する工具
経路生成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被加工部材すなわちワークの表面形状を
工具を用いて加工が行われる場合が多い。たとえば、回
転切削工具を曲線列或いは離散点列を用いて予め設定し
た工具経路CP(Cutter Path )に沿って順次位置決め
しつつ移動させてワークを切削するNC盤がそれであ
る。このNC盤において用いられる加工データは、たと
えば、所謂CAD工程において設計されたソリッドモデ
ル或いはサーフェスモデルを表すワーク形状データが、
所謂CAM工程において、回転切削工具の基準点を通過
させるべき互いに並行した複数本の工具経路CPに変換
されるとともに、その工具経路CP上にそれぞれ所定間
隔で決定された多数の工具通過点CL(Cutter Locatio
n )からなる点列データを含むNCデータから構成され
る。上記工具経路CPおよび工具通過点CLは、工具の
基準点の移動軌跡となる目標移動位置決め線およびその
目標移動位置決め線上に離散的に位置する工具位置決め
点である。
【0003】上記回転切削工具の基準点は、たとえばボ
ールエンドミルではその先端部切刃の回転軌跡である球
面の中心であり、上記工具経路CPは、ワークの目標加
工表面から回転切削工具のアプローチ側(目標加工面の
法線方向)に刃先から基準点(刃先の曲率中心)までの
量をオフセットさせたオフセット面(第1工具移動拘束
面)と、目標加工面の略法線方向の面であって作業者か
らの設定値に基づいて回転切削工具の送り量と等しい距
離だけ離隔して互いに重なるように並んだ複数枚の第2
工具移動拘束面との交線として決定(定義)される。た
とえば、特開平10−69311号公報に記載されてい
る工具経路生成方法がそれである。
【0004】上記NC盤では、上記回転切削工具の基準
点が上記工具経路CP上の工具通過点に逐次位置決めさ
れることにより、その回転切削工具によってワークに所
定の目標加工面が加工されるが、回転切削工具の移動速
度は、位置決め精度或いは加工精度を高めるなどを目的
として、上記工具経路CPの曲率半径が小さくなる程、
またその工具経路CP上の工具通過点の間隔(1ブロッ
クの間隔)が微小となる程減速させられるようになって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にして決定された工具経路CPには、回転切削工具はワ
ークを切削する領域となる切削部だけでなく、ワークの
角或いは稜線に接触しているだけの非切削部(すなわち
工具がワークに接触するだけの接触部)が含まれてお
り、その非切削部では、NC制御により位置決めされる
回転切削工具の減速を誘発するような、経路の方向や曲
率などにおいて不連続経路となり易く、加工能率が低下
するという不都合があった。たとえば、上記工具経路C
Pの非切削部は、目標加工面の角(稜)を曲率中心とし
且つ前記回転切削工具の刃先から基準点までのオフセッ
ト量を半径とする円筒面が第1工具移動拘束面とされ、
それと前記第2工具移動拘束面との交線として決定され
るが、その円筒面と前記オフセット面との間の僅かなず
れ(不一致)により工具経路に折れが発生すると、NC
制御ではその折れの部分において回転切削工具の移動速
度が減速させられる場合がある。また、上記非切削部の
重複区間において重複する部分のうちの外側に位置する
側を採用する干渉除去処理が行われると、その処理後の
非切削部に曲率半径の小さな部分が生じて工具通過点の
間隔が微小となる部分が発生し、NC制御ではその工具
通過点の微小間隔部分において通信容量或いは処理容量
が飽和して回転切削工具の移動速度が減速させられる場
合がある。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、NC制御におい
て工具の移動速度低下が抑制される工具経路の生成方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、(a) 被加工材を所定
の表面形状に加工するためにNC制御される工具の基準
点の移動軌跡となるべき工具経路を決定する工具経路生
成方法であって、(b) ワーク形状データおよび工具寸法
から工具経路を離散点列或いは曲線列により決定する工
具経路決定工程と、(c) その工具経路決定工程により決
定された工具経路のうち前記工具が前記被加工材を切削
する切削部であるか或いはその工具がその被加工材を切
削しない非切削部であるかを判定する判定工程と、(d)
前記工具経路のうちその判定工程により前記被加工材を
切削しないと判定された非切削部を、前記NC制御にお
いて工具の減速が抑制される工具経路すなわち曲線経路
に修正する減速抑制処理工程とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、判定工程により、前
記工具経路決定工程により決定された工具経路のうち前
記工具が前記被加工材を切削しない非切削部であること
が判定されると、減速抑制処理工程により、前記工具経
路のうち上記判定工程により前記被加工材を切削しない
と判定された非切削部が、前記NC制御において工具の
減速が抑制される工具経路に修正される。このように、
工具経路のうちの非切削部が工具の減速が抑制される工
具経路に修正されるため、NC制御による加工に際して
工具速度の低下が好適に防止されるので、NC制御によ
る加工能率が高められる。また、工具経路のうちの非切
削部だけが修正され、接触部は修正されないので、デー
タ修正に関連して目標加工面に関連するデータが損なわ
れることが回避される。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記工具経路決
定工程は、前記被加工部材の稜線を挟む1対の加工面か
ら前記工具の切刃と基準点との間の距離であるオフセッ
ト値だけ外側へオフセットした1対のオフセット面とそ
の加工面の略法線方向の面であって作業者からの設定値
に基づいて回転切削工具の送り量たとえば工具径方向の
ピッチ量と等しい距離だけ離隔して互いに重なるように
並んだ複数枚の工具移動拘束面との交線である切削交線
を前記工具経路の切削部として決定し、上記稜線を中心
とし且つ上記オフセット値を半径とする円筒面と上記工
具移動拘束面との交線である被切削交線を前記工具経路
の被切削部として決定するものである一方、前記減速抑
制処理工程は、非切削交線の両側に接続された1対の切
削交線の端部の接線よりもその非切削交線の端部の1対
の接線が内側に位置しているか否かを判定する接線位置
判定手段と、その接線位置判定手段により上記非切削交
線の両側に接続された1対の切削交線の端部の接線より
もその非切削交線の端部の1対の接線が共に内側に位置
していると判定された場合には、上記非切削交線に代え
て、上記1対の切削交線の両端部に接線方向に連続する
接連続曲線を発生させる接連続曲線発生工程とを含むも
のである。このようにすれば、1対の切削交線の端部と
非切削交線との間が接線方向に滑らかにそれぞれ接続さ
れてその部分の曲率半径が大きくされることにより工具
経路の非切削部が修正されるため、NC制御による加工
に際しては、工具の減速が抑制されて加工能率が高めら
れる。
【0010】また、好適には、前記接連続曲線発生工程
は、前記接線位置判定手段により前記非切削交線の1対
の端部の接線の一方のみが上記切削交線の端部の接線よ
りも内側に位置していると判定された場合には、その非
切削交線の一方の端部が接続される側の切削交線の端部
に接連続する接連続曲線を発生させるものである。この
ようにすれば、非切削交線の一方の端部とそれに接続さ
れる一方の切削交線の端部との間が接線方向に滑らかに
接続されてその部分の曲率半径が大きくされることによ
り工具経路の非切削部が修正されるため、NC制御によ
る加工に際しては、工具の減速が抑制されて加工能率が
高められる。
【0011】また、好適には、前記減速抑制処理工程
は、上記切削交線に挟まれた非切削交線の長さが予め設
定された長さ判断基準値より小さいか否かを判定する長
さ判定工程と、上記非切削交線の両側に接続された1対
の切削交線の端部の接線の相互角度が予め設定された角
度判断基準値より小さいか否かを判定する角度判定工程
と、その長さ判定工程により非切削交線の長さが予め設
定された判断基準値より小さいと判定され且つ角度判定
工程により上記非切削交線の両側に接続された1対の切
削交線の端部の接線の相互角度が予め設定された角度判
断基準値より小さいと判定された場合には、上記非切削
交線の中点をその非切削交線の両側の切削交線の端点と
する中点ブレンド処理工程と、その中点ブレンド処理工
程により上記非切削交線の中点がその非切削交線の両側
の切削交線の端点とされることにより発生する工具経路
の変形量が予め設定された変形量判断基準値を越えたか
否かを判定する工具経路変形量判定工程と、この工具経
路変形量判定工程により工具経路の変形量が予め設定さ
れた変形量判断基準値を越えたと判定されない場合には
上記中点ブレンド処理工程により生成された工具経路を
採用することを許容するが、上記工具経路変形量判定工
程により工具経路の変形量が予め設定された変形量判断
基準値を越えたと判定された場合には、前記中点ブレン
ド処理工程により生成された工具経路の使用を中止する
ブレンド処理中止工程とをさらに含むものである。この
ようにすれば、中点ブレンド処理工程により、非切削交
線の中点がその非切削交線の両側の切削交線の端点とさ
れることからその非切削交線が除去されるので、非切削
交線と切削交線との間の接続点の曲率半径が小さくなる
部分が解消されるとともに、非切削交線と切削交線との
間の接続点に設けられる工具通過点の数が減少させられ
るので、NC制御による加工に際しては、工具の減速が
抑制されて加工能率が高められる。また、上記工具経路
変形量判定工程により工具経路の変形量が予め設定され
た変形量判断基準値を越えたと判定された場合には、ブ
レンド処理中止工程により、前記ブレンド曲線生成工程
により生成されたブレンド曲線すなわち工具経路の使用
が中止されるので、加工精度が損なわれない。
【0012】また、好適には、前記減速抑制処理工程
は、上記長さ判定工程により非切削交線の長さが予め設
定された判断基準値より小さいと判定され且つ角度判定
工程により上記非切削交線の両側に接続された1対の切
削交線の端部の接線の相互角度が予め設定された角度判
断基準値より小さくないと判定された場合には、上記非
切削交線の両側の切削交線上に求めた端点を持つブレン
ド曲線を生成するブレンド曲線生成工程と、そのブレン
ド曲線生成工程により生成されたブレンド曲線が非切削
交線に代えて上記1対の切削交線の間に用いられること
により発生する工具経路の変形量が予め設定された変形
量判断基準値を越えたか否かを判定する工具経路変形量
判定工程と、この工具経路変形量判定工程により工具経
路の変形量が予め設定された変形量判断基準値を越えた
と判定されない場合には上記ブレンド曲線生成工程によ
り生成されたブレンド曲線を工具経路に採用することを
許容するが、上記工具経路変形量判定工程により工具経
路の変形量が予め設定された変形量判断基準値を越えた
と判定された場合には、前記ブレンド曲線生成工程によ
り生成されたブレンド曲線の使用を中止するブレンド処
理中止工程とをさらに含むものである。このようにすれ
ば、長さ判定工程により非切削交線の長さが予め設定さ
れた判断基準値より小さいと判定され且つ角度判定工程
により上記1対の切削交線の端部の接線の相互角度が予
め設定された角度判断基準値より小さくないと判定され
た場合には、ブレンド曲線生成工程により、上記非切削
交線の両側の切削交線上に求めた端点を持つブレンド曲
線すなわち工具経路が生成されることから、非切削交線
と切削交線との間の接続点の曲率半径が大きくされるの
で、NC制御による加工に際しては、工具の減速が抑制
されて加工能率が高められる。また、上記工具経路変形
量判定工程により工具経路の変形量が予め設定された変
形量判断基準値を越えたと判定された場合には、ブレン
ド処理中止工程により、前記ブレンド曲線生成工程によ
り生成されたブレンド曲線すなわち工具経路の使用が中
止されるので、加工精度が損なわれない。
【0013】また、好適には、前記工具経路は、前記ワ
ークにおいて稜線を挟む1対の目標加工面に対応する1
対のオフセット面の互いに隣合う端縁から接連続となる
ようにそれぞれ形成された上記稜線を中心とする1対の
円筒面と前記第2工具移動拘束面との交線として定義さ
れるものであり、互いに重なるそれら1対の円筒面上の
非切削交線のうち外側の部分を選択して非切削交線とす
る干渉除去工程が設けられる。このようにすれば、ワー
クを削り過ぎることのない1本の非切削交線が設定され
る。
【0014】また、好適には、前記減速抑制処理工程
は、上記互いに重なりあうそれら1対の円筒面上の1対
の非切削交線が略1本の曲線として相互に重なりあって
いる場合には、それら1対の非切削交線の一方を非切削
交線として設定するものである。このようにすれば、前
記1対の非切削交線が干渉除去工程により処理される場
合に比較して、非切削交線が滑らかとなるので、NC制
御による加工に際しては、工具の減速が抑制されて加工
能率が高められる。
【0015】また、好適には、工具経路CPが略直線上
に位置する切削交線および非切削交線から構成され、且
つその非切削交線の長さが微小である場合には、それら
切削交線および非切削交線を1本の切削交線により置き
換えるものである。このようにすれば、非切削交線と切
削交線との間の接続点に設けられる工具通過点が減少さ
せられるので、NC制御による加工に際しては、工具の
減速が抑制されて加工能率が高められる。
【0016】また、好適には、上記各発明の工具経路生
成方法を実行するためのプログラムが記録されているコ
ンピュータ読み取り可能な工具経路生成プログラム記録
媒体が提供される。このような工具経路生成プログラム
記録媒体を用いれば、上記各発明の工具経路生成方法を
好適に実施できる。
【0017】また、好適には、前記課題を解決するため
の発明を好適に実施するための工具経路生成装置の要旨
とするところは、被加工材を所定の表面形状に加工する
ためにNC制御される工具の基準点の移動軌跡となるべ
き工具経路を決定する工具経路生成装置であって、前記
ワーク形状データおよび工具寸法から工具経路を離散点
列或いは曲線列により決定する工具経路決定手段と、そ
の工具経路決定手段により決定された工具経路のうち前
記工具が前記被加工材を切削する切削部であるか或いは
その工具が被加工材を切削しない非切削部であるかを判
定する判定手段と、前記工具経路のうちその判定手段に
より前記被加工材を切削しないと判定された非切削部
を、前記NC制御において工具の減速が抑制される曲線
すなわち工具経路に修正する減速抑制処理手段とを、含
むことにある。このようにすれば、前記発明と同様の効
果が得られる。
【0018】
【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施例の工具経路生成
方法を実施するための工具経路生成装置を含むNCデー
タ作成および利用工程を説明する図である。図1におい
て、CAD(Computer Aided Design )工程では、CA
Dプログラムが搭載されたCAD用コンピュータ12が
用いられ、作業者の操作に従ってモデリング処理が行わ
れることにより、ワーク14がその目標曲面形状を有す
るソリッドモデル或いはサーフェスモデルの形態で設計
される。この設計されたソリッドモデル或いはサーフェ
スモデルを表すワーク形状データは、その外部記憶装置
16に記憶される。
【0020】CAM(Computer Aided Manufacturing)
工程では、外部記憶装置18を備え且つCAMプログラ
ムが搭載されたCAM用コンピュータ20が用いられ、
上記CAD用コンピュータ12から直接的に或いは記憶
媒体を介して間接的に入力されたワーク形状データから
工具経路CP(Cutter Path )を生成する工具経路演
算、工具経路CPから離散点列データを発生するCL
(cutter location )演算、およびその離散点列データ
からNCデータを発生するポスト演算が実行され、それ
ら工具経路データ、離散点列データ、およびNCデータ
がその外部記憶装置18に記憶される。上記NCデータ
には、回転切削工具26を通過させる多数の工具通過点
により構成される点列を規定する点列データだけでな
く、工具通過点間の隙間を直線或いは曲線で補間するこ
とを規定する補間条件規定データが含まれる。上記CA
M用コンピュータ20は、離散点列データを算出するこ
とから、点列発生装置としても機能している。
【0021】NC加工工程では、DNC(Direct Numer
ical Cntrol )コンピュータ22、CNC制御装置2
4、それによりたとえばボールエンドミルのような回転
切削工具26のワーク14に対する相対位置が制御され
る切削加工機28が用いられる。上記DNCコンピュー
タ22およびCNC制御装置24では、予め記憶された
関係から、上記CAM用コンピュータ20から直接的に
或いは記憶媒体を介して間接的に入力されたNCデータ
に基づいて、回転切削工具26の位置や移動速度を制御
するためのデータが算出される。このデータは、各工具
通過点毎にその位置を表すXYZ座標位置と工具移動速
度を表す値とを含む1組のデータの連なりであって、工
具経路CPにおける曲率半径が小さくなるほど、またそ
の工具経路CPに沿って決定される工具通過点間隔が短
くなるほど、回転切削工具26の移動速度が小さくされ
る。
【0022】上記の関係は、たとえば工具経路CPの曲
率半径に応じて回転切削工具26の追従遅れによる加工
精度の低下を生じないように回転切削工具26の合成移
動速度を決定するという第1の条件、上記DNCコンピ
ュータ22およびCNC制御装置24の演算処理能力を
考慮して回転切削工具26の合成移動速度を決定すると
いう第2の条件、回転切削工具26の各移動速度成分の
ブロック間速度差が許容速度差を越えないように回転切
削工具26の合成移動速度を決定するという第3の条
件、作業者により指令された速度指令値を越えないよう
に回転切削工具26の合成移動速度を決定するという第
4の条件をそれぞれ満足するように予め求められたもの
である。上記DNCコンピュータ22およびCNC制御
装置24により回転切削工具26の位置や移動速度を制
御するためのデータが算出され且つ出力されるに従っ
て、回転切削工具24がその軸まわりに回転させられつ
つワーク14に対して相対移動させられることによりワ
ーク14が切削されることにより、そのワーク14には
前記CAD工程で設計された目標曲面形状が形成され
る。
【0023】たとえば、上記切削加工機28においてワ
ーク14の表面たとえば1対の目標加工表面50、52
が加工されるに際しては、図2に示すように、回転切削
工具26は、その基準点(ボールエンドミルの場合には
先端切刃の回転軌跡である半球面の中心点)Eがa点か
らb点、c点、d点を経てe点にまで工具経路CPに沿
うように移動させられる。次いで、図2の紙面に直角な
方向に予め設定された送り量すなわち工具径方向のピッ
チ量だけずらされた後、回転切削工具26は、その基準
点Eがe点からd点、c点、b点を経てa点にまで工具
経路CPに沿うように移動させられる。そして、その往
復移動が繰り返される。図2の破線に示される面は、上
記回転切削工具26の先端切刃から基準点までの距離す
なわちオフセット値Fだけ上記目標加工表面50、52
から離隔して位置している。
【0024】図3は、工具経路生成装置としても機能す
る上記CAM用コンピュータ20の構成を説明する図で
ある。図3において、プロセッサ(演算処理装置)32
は、予め記憶されたプログラムに従って入力信号を演算
処理するものであって、このプロセッサ32には、作業
者により操作される入力操作キーボード34、CAD用
コンピュータ12などに通信回線を介して接続される入
力インターフェース36、入力されたワーク形状デー
タ、演算結果である工具経路データ、離散点列データ、
NCデータを記憶するための外部記憶装置38、記号或
いは画像を表示する表示装置40、DNCコンピュータ
22などに通信回線を介して接続される出力インターフ
ェース42、磁気テープ、フロッピディスク、光ディス
クなどのコンピュータにより書込み読出し可能な記録媒
体44に記録させる記録装置46がデータバスを介して
接続されている。
【0025】図4は、上記CAM用コンピュータ20す
なわちプロセッサ32の制御機能の要部を説明する機能
ブロック線図である。工具経路決定手段66は、CAD
用コンピュータ12により作成されたワーク形状データ
から、たとえば図5に示すように、そのワーク形状デー
タにより表されるワーク14の表面すなわち1対の目標
加工表面50、52から回転切削工具26のアプローチ
側に上記オフセット値Fだけ外側へオフセットした1対
のオフセット面54、56とワーク14においてそれら
1対のオフセット面54、56の間に位置する稜線58
を中心とする円筒面であってそれら1対のオフセット面
54、56の端縁間を滑らかに連結するスイープ面60
とから成る第1工具移動拘束面62と、上記目標加工表
面50、52の略法線方向に位置する面であって作業者
からの設定値に基づいて回転切削工具26の送り量すな
わち工具径方向のピッチ量と等しい距離だけ離隔して互
いに重なるように並んだ複数枚(図5では1枚だけ示さ
れている)の第2工具移動拘束面64とをそれぞれ算出
するとともに、それら第1工具移動拘束面62と第2工
具移動拘束面64との交線である工具経路CPを算出す
る。また、この段階では、たとえば図15に示すよう
に、デジタル処理であることなどに起因して、加工面5
0からオフセットさせられたオフセット面54とその加
工面50の稜線58を中心とした円筒面であるスイープ
面60との接続部分の段差によって、工具経路CPを構
成する切削交線Lctと非切削交線Lncとの間に曲率半径
の小さな部分が形成される場合があった。
【0026】上記工具経路CPは、図2の破線に対応す
るものであり、回転切削工具26がワーク14を切削し
て目標加工表面50、52を形成するためにオフセット
面54、56上に位置してその目標加工表面50、52
に沿って並行する1対の切削交線Lct1 およびLct
2 と、回転切削工具26がワーク14の稜線58に接触
した状態で移動するために スイープ面60上に位置す
る非切削交線(接触交線)Lncとの連なりにより構成さ
れている。上記図2および図5では、単純化された例が
示されているが、一般には、オフセット面が、ワーク1
4の表面形状に現れる折れ線(稜線および谷線)により
分割された複数の単位曲面毎からオフセット値Fだけ外
側へオフセットした複数のオフセット面が存在し、上記
工具経路CPは、それら複数のオフセット面上の切削交
線Lctおよび非切削交線(接触交線)Lncの連なりから
構成されている。また、上記単位曲面に対応する切削交
線Lctは、1つの曲線式(たとえばベジェ曲線式)で表
現される所定長の複数本のセグメント(線分)Sにより
それぞれ構成されることにより、上記工具経路CPは、
複数の曲線式により表される複数の曲線の連なりすなわ
ち曲線列により表現される。しかし、その工具経路CP
は、それら複数の曲線に沿って離散的に決定された離散
点列から構成されてもよい。この離散点列は、上記各セ
グメントの接続点であってもよいし、そのセグメントに
沿って求められる後述の工具通過点であってもよい。
【0027】干渉除去手段70は、ワーク14において
稜線58を挟む1対の目標加工面50、52に対応する
1対のオフセット面54、56の互いに隣合う端縁から
それぞれ接連続曲線(接線方向に連続する曲線)となる
ようにそれぞれ形成された上記稜線58を中心とする1
対のスイープ面(円筒面)601 および602 が相互に
一致せず、それらのスイープ面601 および602 と第
2工具移動拘束面64との交線として定義される非切削
交線Lnc1 およびLnc2 が、図6(a) に示すように相互
に交差した状態で重なる場合に、それら1対の非切削交
線Lnc1 およびLnc2 のうちの外側(図6の上側)の部
分を選択することにより合成された非切削交線Lncとす
る。図6(b) の非切削交線Lncはこの状態を示してお
り、ノッチ(切痕)72が形成されている。なお、図6
の黒点は上記切削交線Lctおよび非切削交線Lncの端点
をそれぞれ示すためのものである。
【0028】判定手段74は、上記工具経路決定手段6
6により決定された工具経路CPのうち回転切削工具2
6がワーク14を切削する切削部となる切削交線Lctで
あるか或いはその回転切削工具26がワーク14を切削
しない非切削部となる非切削交線Lncであるかを、たと
えば工具経路データにおいて各切削交線Lct毎に付され
た符号が存在するか否かに基づいて判定する。工具経路
CPのうちその判定手段74により切削交線Lctである
と判定された部分は、減速抑制処理手段76による減速
抑制処理を受けることなく後述の点列決定手段78およ
び工具点列発生手段80により工具通過点の点列が決定
される。しかし、工具経路CPのうちその判定手段74
により非切削交線Lncであると判定された部分は、上記
減速抑制処理手段76による減速抑制処理を受けた後、
上記点列間隔決定手段78および工具点列発生手段80
により工具通過点の点列が決定される。
【0029】減速抑制処理手段76は、上記工具経路C
Pのうちその判定手段74により非切削交線Lncである
と判定された部分を、前記NC加工工程において回転切
削工具26の減速が抑制される曲線に修正する。この減
速抑制処理手段76には、非切削交線重なり判定手段9
0、非切削交線一本化処理手段92、切削交線重なり判
定手段94、切削交線一本化処理手段96、長さ判定手
段98、接線位置判定手段100、接連続曲線発生手段
102、角度判定手段104、中点ブレンド処理手段1
06、ブレンド曲線生成手段108、工具経路変形量判
定手段110、ブレンド処理中止手段112が設けられ
ている。
【0030】上記非切削交線重なり判定手段90は、た
とえば1対の切削交線Lct1 およびLct2 の間におい
て、相互に交差した状態で重なる非切削交線Lnc1 およ
びLnc 2 から干渉除去手段70によりそれらのうちの外
側の部分を選択することにより合成された非切削交線L
ncにおいて、合成前の上記相互に交差した状態で重なる
非切削交線Lnc1 およびLnc2 が略1本の曲線として相
互に重なりあっているか否かを判定する。上記非切削交
線一本化処理手段92は、上記非切削交線重なり判定手
段90により合成前の上記相互に交差した状態で重なる
非切削交線Lnc1およびLnc2 が略1本の曲線として相
互に重なりあっていると判定された場合には、それら1
対の非切削交線の一方を非切削交線Lncとして一本化し
設定する。これにより、たとえば図6の(c) に示すよう
に、非切削交線Lncがノッチ72のない滑らかな曲線に
修正される。
【0031】また、上記切削交線重なり判定手段94
は、たとえば図7(a) に示す方向で第1工具移動拘束面
62と第2工具移動拘束面64とが交差させられるとき
のように、求められた切削交線Lctと非切削交線Lncと
が殆ど同じ位置(極く接近して平行する位置であるため
図7(a) では1本の線に見える)にあるとき、図7(b)
に示す干渉除去処理後の複数の切削交線Lctとその干渉
処理前の切削交線Lct(図7(a) )との間の離れが予め
設定された値(トレランス値)以内であるか否かを判定
する。切削交線一本化処理手段96は、上記切削交線重
なり判定手段94により工具経路CPを構成する干渉処
理後の複数の切削交線Lctと干渉処理前の切削交線Lct
とが予め設定されたトレランス値以内に極接近している
と判定されたとき、干渉処理前の1本の切削交線Lctを
復活させることにより図7(b) に示す複数の切削交線L
ctを1本化し、図7(c) に示すように工具経路CPを修
正する。
【0032】前記長さ判定手段98は、工具経路CPに
おいて1対の切削交線Lct1 およびLct2 により挟まれ
る非切削交線Lncの長さが微小であるか否か、たとえば
非切削交線Lncの長さがたとえば0.3mm程度に予め設
定された長さ判断基準値以下であるか否かを判定する。
角度判定手段104は、前記非切削交線Lncの両側に接
続された1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端部の接
線の相互角度すなわち折れ角θF が、たとえば1.0度
程度に予め設定された角度判断基準値より小さいか否か
を判定する。
【0033】接線位置判定手段100は、上記長さ判定
手段98により非切削交線Lncの長さDが微小でないと
判定され、且つ上記角度判定手段104により折れ角θ
F が大きいと判断された場合には、その非切削交線Lnc
の両側に接続された1対の切削交線Lct1 およびLct2
の端点P1 およびP2 の接線(図8(a) の破線の矢印に
示す直線)よりもその非切削交線Lncの端部の1対の接
線(図8(a) の実線の矢印に示す直線)が内側に位置し
ているか否かを判定する。接連続曲線発生手段102
は、その接線位置判定手段100により上記非切削交線
Lncの両側に接続された1対の切削交線Lct1 およびL
ct2 の端点P1 およびP2 の接線よりもその非切削交線
Lncの端部の1対の接線が共に内側に位置していると判
定された場合には、両側円弧近似処理を実行し、その非
切削交線Lncに代えて、上記1対の切削交線Lct1 およ
びLct2 の1対の端点P1 およびP2 の間にその接線方
向に連続する接連続曲線R1 とする。これにより、工具
経路CPにおいて上記端点P 1 およびP2 付近の曲率半
径が大幅に大きく修正される。上記接連続曲線R1 は、
図8(b) に示すように上記非切削交線Lncの両側に接続
された1対の切削交線Lctの端点を結ぶ直線Aの長さす
なわち非切削交線Lncの長さをD、その直線Aに対する
それら1対の切削交線Lctの端部の接線の角度をθs1
よびθs2としたとき、図8(c) に示すような、一方の切
削交線Lct1 の端部の接線上においてその端点P1 から
距離S1 (=2D/3(1+cos θs1)) の位置と他
方の切削交線Lct2 の端部の接線上においてその端点P
2 から距離S2 (=2D/3(1+cos θs2))の位置
とを制御点とするベジェ曲線により構成される。
【0034】また、上記接連続曲線発生手段102は、
その接線位置判定手段100により上記非切削交線Lnc
の両側に接続された1対の切削交線Lct1 およびLct2
の端点P1 およびP2 の接線(破線)よりもその非切削
交線Lncの端部の1対の接線のうちの一方たとえば切削
交線Lct1 側の接線(実線)が内側に位置していると判
定された場合(図9(a) )には、片側円弧近似処理を実
行し、その非切削交線Lncに代えて、上記1対の切削交
線Lct1 およびLct2 のうちその端部の接線が内側に位
置している側の切削交線Lct1 の端点P1 に接連続する
曲線R2 とする。これにより、工具経路CPにおいて上
記端点P1 付近の曲率半径が大幅に大きく修正される。
上記曲線R2 は、たとえば、図9(b) に示すように上記
1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1 およびP
2 を結ぶ直線Aの長さをD、その直線Aに対する上記一
方の切削交線Lct1 の接線の角度をθs1としたとき、図
9(c) に示すような、一方の切削交線Lct1 の端部の接
線上においてその端点P1から距離S1 (=2D/3
(1+cos θs1)) の位置を制御点とし且つ他方の切
削交線Lct2 の端点を通過するベジェ曲線により構成さ
れる。
【0035】中点ブレンド処理手段106は、図10
(a) に示すように、前記長さ判定手段98により非切削
交線Lncの長さDが微小であると判定され、且つ前記角
度判定手段104により折れ角θF が小さいと判断され
た場合には、工具経路CPにおいて1対の切削交線Lct
1 およびLct2 により挟まれた非切削交線Lncの中点N
を求め(図10(b) )、工具経路CPの変化量が予め設
定されたトレランス(加工上の許容誤差)以内であれ
ば、上記1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1
およびP2 を中点Nまで移動させ、その中点Nを非切削
交線Lncの両側の1対の切削交線Lct1 およびLct2
相互に接続するための端点とする(図10(c) )。すな
わち、上記非切削交線Lncを除去してその両側の1対の
切削交線Lct 1 およびLct2 の端点を移動させてその非
切削交線Lncの中点Nの位置とする(図10(d) )。こ
れにより、工具経路CPにおいて端点に関連して決定さ
れる工具通過点の数が減少させられる。
【0036】ブレンド曲線生成手段108は、図11
(a) に示すように、上記長さ判定手段98により非切削
交線Lncの長さDが微小であると判定され、且つ上記角
度判定手段104により折れ角θF が大きいと判断され
た場合には、非切削交線Lncを挟むようにその両側に接
続された1対の切削交線Lct1 およびLct2 上に求めた
端点P11およびP21を持つブレンド曲線Bを生成する。
すなわち、上記1対の切削交線Lct1 およびLct2 の非
切削交線Lnc側の端点(接続点)P10およびP20をそれ
らの間が微小とならない距離だけ十分に離れた端点P11
およびP21を1対の切削交線Lct1 およびLct2 上に求
め(図11(b) )、それぞれの端点P11およびP21にお
ける接ベクトルの方向および大きさ(T1 ,L1 )およ
び(T2 ,L2 )をそれぞれ求め、変数をLS 、LE
1 、t2 の4つとし、且つ残差をls1 、ls2 、le1
le2 として、それら残差が殆ど零となるまで収束計算
(ブロイデン法)を行うことにより、接ベクトル
(T1 ,LS )および(T2 ,LE )を持つブレンド曲
線Bを計算する(図11(c) )。このブレンド曲線Bが
上記非切削交線Lncに代えて用いられることにより、工
具経路CPの上記端点P10およびP20の曲率半径が大き
く修正される。なお、上記t1 およびt2 は、上記ブレ
ンド曲線B上のP10およびP20の位置におけるパラメー
タである。
【0037】工具経路変形量判定手段110は、前記中
点ブレンド処理手段106による中点ブレンド処理によ
り移動させられた1対の切削交線Lct1 およびLct2
端点P1 およびP2 の移動量が予め設定されたトレラン
ス(加工上の許容誤差)以上となったか否か、中点ブレ
ンド処理による修正後の工具経路CPの変化量が予め設
定されたトレランス以上となったか否か、また、前記ブ
レンド曲線生成手段108により生成させられたブレン
ド曲線Bによる修正後の工具経路CPの変化量が予め設
定されたトレランス以上となったか否かを判定する。ブ
レンド処理中止手段112は、上記工具経路変形量判定
手段110により1対の切削交線Lct1およびLct2
端点P1 およびP2 の移動量が予め設定されたトレラン
ス以上となったと判定された場合、或いは修正後の工具
経路CPの変化量が予め設定されたトレランス以上とな
ったと判定された場合には、その工具経路CPを修正前
の状態に戻す。
【0038】前記点列間隔決定手段78は、たとえば、
上記のようにして求められた工具経路CPを構成する各
セグメントにおける最小曲率半径Rijを上記工具経路C
Pを表す曲線式から算出し、予め記憶された関係からそ
の最小曲率半径に基づいて回転切削工具26の移動速度
Vと点列間隔Lとの関係を決定し、その関係から回転切
削工具26の移動速度Vに基づいて、各セグメント毎の
最適点列間隔を決定する。この最適点列間隔は、たとえ
ば加工能率の最も高い回転切削工具26の移動速度Vが
最大となる値に決定される。
【0039】工具点列発生手段80は、工具経路CPに
おいて、たとえば上記セグメントの端点から上記点列間
隔決定手段78により決定された点列間隔に基づいて工
具通過点を順次発生させる工具点列発生処理を実行す
る。これにより、NC加工工程において回転切削工具2
6の基準点を通過させるべき工具通過点列が決定され
る。
【0040】図12、図13、図14は、前記CAM用
コンピュータ20すなわちプロセッサ32の制御作動の
要部を説明するフローチャートであって、図12はメイ
ンルーチンを、図13は工具経路CPを決定するための
工具曲線式算出ルーチンを、図14はNC加工工程にお
いて回転切削工具26の移動速度Vの減速を可及的に抑
制するために工具経路CPを修正する減速回避処理ルー
チンを示している。
【0041】図12のS1では、CAD用コンピュータ
12により作成されたワーク形状データが、通信回線或
いは記録媒体を介して読み込まれる。次いで、S2で
は、たとえば図13に示す工具曲線式算出ルーチンが実
行される。すなわち、S2−1では、ワーク形状デー
タ、回転切削工具26の先端切刃の回転軌跡である半球
面の中心点までの距離であるオフセット値F、回転切削
工具26の送り量などの作業者による設定値などが読み
込まれ、S2−2では、それらワーク形状データおよび
オフセット値Fから、ワーク14の表面すなわち目標加
工表面からオフセット値Fだけオフセットした第1工具
移動拘束面62が決定され、S2−3では、作業者から
の設定値に基づいて回転切削工具26の送り量すなわち
工具径方向のピッチ量と等しい距離だけ離隔して互いに
重なるように並んだ複数枚の第2工具移動拘束面64が
決定され、そして、前記工具経路決定手段66或いは工
具経路決定工程に対応するS2−4では、たとえば図5
に示すように、上記第1工具移動拘束面62と第2工具
移動拘束面64との交線である工具経路CPが決定され
るのである。次いで、S2−5では、その工具経路CP
を表す工具経路データに対して、工具経路CP中におい
てワーク14の切削に関与する切削部すなわち切削交線
Lctを表す属性が、たとえば切削交線Lctを示すフラグ
Fctの内容が「1」にセットされることにより付与され
る。
【0042】次いで、前記干渉除去手段70に対応する
S2−6において、干渉除去処理が実行される。すなわ
ち、図6(a) に示すように、ワーク14において稜線5
8を挟む1対の目標加工面50、52に対応する1対の
オフセット面54、56の互いに隣合う端縁からそれぞ
れ接連続曲線(接線方向に連続する曲線)となるように
それぞれ形成された上記稜線58を中心とする1対のス
イープ面(円筒面)601 および602 が相互に一致せ
ず、それらのスイープ面601 および602 と第2工具
移動拘束面64との交線として定義される非切削交線L
nc1 およびLnc 2 が、相互に交差した状態で重なる場合
に、それら1対の非切削交線Lnc1 およびLnc2 のうち
の外側(図6の上側)の部分が非切削交線Lncとして選
択されることにより、図6(b) に示すように合成され
る。
【0043】そして、S2−7において、NC加工工程
において非切削交線Lncの連続性に関連して回転切削工
具26の移動速度の減速を抑制するために工具経路CP
を修正する、図14に示す減速回避処理ルーチンが実行
される。
【0044】図14において、前記非切削交線重なり判
定手段90或いは非切削交線重なり判定工程に対応する
SS1では、工具経路CPにおいて、たとえば1対の切
削交線Lct1 およびLct2 の間において、相互に交差し
た状態で重なる非切削交線Lnc1 およびLnc2 から干渉
除去手段70によりそれらのうちの外側の部分を選択す
ることにより合成された非切削交線Lncが、合成前の上
記相互に交差した状態で重なる非切削交線Lnc1 および
Lnc2 が略1本の曲線として相互に重なりあっているか
否かが判定される。このSS1の判断が肯定される場合
は、前記非切削交線一本化処理手段92或いは非切削交
線一本化処理工程に対応するSS2では、前記S2−6
による合成前の上記相互に交差した状態で重なる非切削
交線Lnc 1 およびLnc2 が略1本の曲線として相互に重
なりあっていると判定された場合には、それら1対の非
切削交線の一方が非切削交線Lncとして一本化されるこ
とにより設定される。そして、SS16においてすべて
の工具経路CPについて本減速回避処理が完了したか否
かが判断される。このSS16の判断が肯定されると本
ルーチンが終了させられるが、当初はこのSS16の判
断が否定されるので、SS1以下が繰り返し実行され
る。
【0045】上記SS1の判断が否定される場合は、前
記切削交線重なり判定手段94或いは切削交線重なり判
定工程に対応するSS3において、たとえば図7(a) に
示す方向で第1工具移動拘束面62と第2工具移動拘束
面64とが交差させられるときのように、求められた工
具経路CPの切削交線Lctと非切削交線Lncとが殆ど同
じ位置(極く接近して平行する位置であるため図7(a)
では1本の線に見える)にあるとき、図7(b) に示す干
渉除去処理後の複数の切削交線Lctとその干渉処理前の
切削交線Lct(図7(a) )との間の離れが予め設定され
た値(トレランス値)以内であるか否かが判断される。
このSS3の判断が肯定される場合は、前記切削交線一
本化処理手段96或いは切削交線一本化処理工程に対応
するSS4において、干渉処理前の1本の切削交線Lct
を復活させることにより図7(b)に示す複数の切削交線
Lctが1本化され、図7(c) に示すように工具経路CP
が修正される。そして、前記SS16が実行される。
【0046】上記SS3の判断が否定される場合は、S
S5において工具経路CPのうち順次処理されている部
分が非切削交線Lncであるか否かが判断される。このS
S5の判断が否定される場合は前記SS16が実行され
るが、肯定される場合は、前記長さ判定手段98或いは
長さ判定工程に対応するSS6において、非切削交線L
ncの長さが、たとえば0.3mm程度に微小であるか否か
が判断される。
【0047】上記SS6の判断が否定される場合、すな
わち非切削交線Lncの長さが微小でない場合は、SS7
において、所定の非切削交線Lncを挟む1対の切削交線
Lct 1 およびLct2 の端点P1 およびP2 の相対角度で
ある折れ角θF が予め設定された判断基準値よりも大き
いか否かが判断される。このSS7の判断が否定された
場合は、非切削交線Lncの長さが微小でなくしかも折れ
角θF が比較的小さい状態であるので、減速回避のため
の非切削交線Lncの修正が行われることなくSS16が
実行される。
【0048】しかし、上記SS7の判断が肯定される場
合は、前記接線位置判定手段100或いは接線位置判定
工程に対応するSS8において、所定の非切削交線Lnc
を挟む1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1
よびP2 の1対の接線よりも、その非切削交線Lncの端
部の1対の接線が内側位置となる角度であるか否かが判
断される。このSS8において、上記1対の切削交線L
ct1 およびLct2 の端点P1 およびP2 の1対の接線よ
りも、その非切削交線Lncの端部の1対の接線が共に内
側位置であると判断される場合は、SS9において、図
8(c) に示すように、両側円弧近似処理により接連続曲
線R1 が求められ、上記非切削交線Lncに代えて、上記
1対の切削交線Lct1 およびLct2 の1対の端点P1
よびP2の間にその接線方向に連続する接連続曲線R1
が設定される。また、上記SS8において、上記1対の
切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1 およびP2 の1
対の接線に対して、非切削交線Lncの端部の1対の接線
のうちの一方が内側位置であると判断される場合は、S
S10において、片側円弧近似処理により上記1対の切
削交線Lct1 およびLct2 のうちその端部の接線が内側
に位置している側の切削交線Lct1 の端点P1 に接連続
する曲線R2 が図9(c) に示すように求められ、その非
切削交線Lncに代えて曲線R2 が設定される。本実施例
では、上記SS9およびSS10が前記接連続曲線発生
手段102に対応している。
【0049】上記SS6の判断が肯定される場合、すな
わち非切削交線Lncの長さが微小である場合は、前記角
度判定手段104或いは角度判定工程に対応するSS1
1において、所定の非切削交線Lncの両側に接続された
1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1 およびP
2 の接線の相互角度すなわち折れ角θF が予め設定され
た角度判断基準値より小さいか否かが判定される。この
SS11の判断が否定された場合、すなわち折れ角θF
が小さい場合は、前記中点ブレンド処理手段106或い
は中点ブレンド処理工程に対応するSS12において、
図10(b) および(c) に示すように、上記所定の非切削
交線Lncの両側の1対の切削交線Lct1およびLct2
端点P1 およびP2 がその非切削交線Lncの中点Nまで
移動させられ、その中点Nが非切削交線Lncの両側の1
対の切削交線Lct1 およびLct2を相互に接続するため
の端点とされる。
【0050】しかし、上記SS11の判断が肯定された
場合、すなわち折れ角θF が大きい場合は、前記ブレン
ド曲線生成手段108或いはブレンド曲線生成工程に対
応するSS13において、図11(c) に示すように、所
定の非切削交線Lncを挟むようにその両側に接続された
1対の切削交線Lct1 およびLct2 上に求めた端点P 11
およびP21を持つブレンド曲線Bが生成され、上記非切
削交線Lncに代えてそのブレンド曲線Bが設定される。
【0051】次いで、前記工具経路変形量判定手段11
0或いは工具経路変形量判定工程に対応するSS14で
は、SS12による中点ブレンド処理により移動させら
れた1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1 およ
びP2 の移動量が予め設定されたトレランス(加工上の
許容誤差)以上となったか否か、SS12の中点ブレン
ド処理による修正後の工具経路CPの変化量が予め設定
されたトレランス以上となったか否か、また、SS13
により生成させられたブレンド曲線Bによる修正後の工
具経路CPの変化量が予め設定されたトレランス以上と
なったか否かが判断される。このSS14の判断が否定
される場合は前記SS16以下が実行されるが、肯定さ
れる場合は、前記ブレンド処理中止手段112或いはブ
レンド処理中止工程に対応するSS15において、上記
SS14により1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端
点P1 およびP2 の移動量が予め設定されたトレランス
以上となったと判定された部分、或いは修正後の工具経
路CPの変化量が予め設定されたトレランス以上となっ
たと判定された部分について、その工具経路CPが修正
前の状態に戻される。
【0052】図12に戻って、前記点列間隔決定手段7
8或いは点列間隔決定工程と工具点列発生手段80或い
は工具点列発生工程に対応するS3では、上記のように
して求められた工具経路CPを構成する各セグメントに
おける最小曲率半径Rijが上記工具経路CPを表す曲線
式から算出され、予め記憶された関係からその最小曲率
半径に基づいて回転切削工具26の移動速度Vと点列間
隔Lとの関係が決定され、その関係から回転切削工具2
6の移動速度Vに基づいて、各セグメント毎の最適点列
間隔が決定される。さらに、工具経路CPのセグメント
の端点から上記点列間隔に基づいて工具通過点が順次発
生させられる。
【0053】続くS4では、加工に伴って回転切削工具
26に付与することが必要な補助動作のための各種の補
助動作データが前記点列データに付与される。その補助
動作データは、たとえば回転切削工具26を退避位置か
ら加工開始点まで移動させるためのデータ、回転切削工
具26を加工終了点から退避位置まで移動させるための
データ、回転切削工具26を1つの工具経路CPの終点
から他の工具経路CPの始点まで移動させるためのデー
タが含まれる。そして、S5において、点列データがC
NC制御装置24に処理可能なNCデータに最終的に変
換される。
【0054】上述のように、本実施例によれば、判定手
段74(判定工程、SS5)により工具経路CPのうち
の回転切削工具26がワーク14を切削しない非切削部
(非切削交線Lnc)であることが判定されると、減速抑
制処理手段76(減速抑制処理工程、SS2─7)によ
り、上記工具経路CPのうち上記判定手段74によりワ
ーク14を切削しないと判定された非切削部が、前記N
C制御において回転切削工具26の減速が抑制される曲
線に修正されることから、NC制御による加工に際して
回転切削工具26の速度の低下が好適に防止されるの
で、NC制御による加工能率が高められる。また、工具
経路CPのうちの非切削部だけが修正され、接触部は修
正されないので、データ修正に関連して目標加工面に関
連するデータが損なわれることが回避される。
【0055】また、本実施例によれば、工具経路決定手
段66(工具経路決定工程、S2−4)は、ワーク14
の稜線58を挟む1対の加工面50、52から回転切削
工具26の切刃と基準点Eとの間の距離であるオフセッ
ト値Fだけ外側へオフセットした1対のオフセット面5
4、56とその加工面50、52の略法線方向の面であ
って作業者からの設定値に基づいて回転切削工具の送り
量すなわち工具径方向のピッチ量と等しい距離だけ離隔
して互いに重なるように並んだ複数枚の工具移動拘束面
64との交線である切削交線Lctを工具経路CPのうち
の切削部として決定し、上記稜線58を中心とし且つ上
記オフセット値Fを半径とする円筒面(スイープ面6
0)と上記工具移動拘束面64との交線である被切削交
線Lncを工具経路CPのうちの被切削部として決定する
ものである一方、減速抑制処理手段76(減速抑制処理
工程、SS2─7)は、所定の非切削交線Lncの両側に
接続された1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端点P
1 およびP2 の接線よりもその非切削交線Lncの端部の
1対の接線が内側に位置しているか否かを判定する接線
位置判定手段100(接線位置判定工程、SS8)と、
その接線位置判定手段100により上記非切削交線Lnc
の両側に接続された1対の切削交線Lct1 およびLct2
の端点P1 およびP2 の接線よりもその非切削交線Lnc
の端部の1対の接線が共に内側に位置していると判定さ
れた場合には、上記非切削交線Lncに代えて、上記1対
の切削交線Lct1 およびLct2 の両端部に接線方向に連
続する接連続曲線R1 を発生させる接連続曲線発生手段
102(接連続曲線発生工程、SS9)とを含むもので
ある。これにより、上記1対の切削交線Lct1 およびL
ct 2 の端点P1 およびP2 と非切削交線Lncとの間が接
線方向に滑らかにそれぞれ接続されてその部分の曲率半
径が大きくされることにより工具経路CPの非切削部が
修正されるため、NC制御による加工に際しては、工具
の減速が抑制されて加工能率が高められる。
【0056】また、本実施例によれば、接連続曲線発生
102(接連続曲線発生工程、SS10)は、接線位置
判定手段100(接線位置判定工程、SS8)により所
定の非切削交線Lncの1対の端部の接線のうちの一方の
みが1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1 およ
びP2 の接線よりも内側に位置していると判定された場
合には、その非切削交線Lncの一方の端部が接続される
側の切削交線Lct1 の端点P1 に接連続する接連続曲線
2 を発生させるものであることから、非切削交線Lnc
の一方の端部とそれに接続される一方の切削交線Lct1
の端点P1 との間が接線方向に滑らかに接続されてその
部分の曲率半径が大きくされることにより工具経路の非
切削部が修正されるため、NC制御による加工に際して
は、工具の減速が抑制されて加工能率が高められる。
【0057】また、本実施例によれば、減速抑制処理手
段76(減速抑制処理工程、SS2─7)は、1対の切
削交線Lct1 およびLct2 に挟まれた非切削交線Lncの
長さDが予め設定された長さ判断基準値より小さいか否
かを判定する長さ判定手段98(長さ判定工程、SS
6)と、上記非切削交線Lncの両側に接続された1対の
切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1 およびP2 の接
線の相互角度θF が予め設定された角度判断基準値より
小さいか否かを判定する角度判定手段104(角度判定
工程、SS11)と、その長さ判定手段104により非
切削交線Lncの長さDが予め設定された判断基準値より
小さいと判定され且つ角度判定手段104により上記非
切削交線Lncの両側に接続された1対の切削交線Lct1
およびLct 2 の端点P1 およびP2 の接線の相互角度θ
F が予め設定された角度判断基準値より小さいと判定さ
れた場合には、上記非切削交線Lncの中点Nをその非切
削交線Lncの両側の1対の切削交線Lct1 およびLct2
の端点とする中点ブレンド処理手段106(中点ブレン
ド処理工程、SS12)とを、含むものである。このた
め、中点ブレンド処理手段106により、非切削交線L
ncの中点Nがその非切削交線Lncの両側の1対の切削交
線Lct1 およびLct2 の端点とされてその非切削交線L
ncが除去されるので、非切削交線Lncとそれを挟む1対
の切削交線Lct 1 およびLct2 との間の接続点の曲率半
径が小さくなる部分が解消されるとともに、非切削交線
Lncと1対の切削交線Lct1 およびLctとの間の接続点
に設けられる工具通過点の数が減少させられるので、N
C制御による加工に際しては、工具の減速が抑制されて
加工能率が高められる。
【0058】また、本実施例によれば、減速抑制処理手
段76(減速抑制処理工程、SS2─7)は、前記長さ
判定手段98により非切削交線Lncの長さDが予め設定
された判断基準値より小さいと判定され且つ角度判定手
段104により所定の非切削交線Lncの両側に接続され
た1対の切削交線Lct1 およびLct2 の端点P1 および
2 の接線の相互角度θF が予め設定された角度判断基
準値より小さくないと判定された場合には、上記非切削
交線Lncの両側の切削交線Lct1 およびLct2上にそれ
ぞれ求めた端点を持つブレンド曲線Bを生成するブレン
ド曲線生成手段108(ブレンド曲線生成工程、SS1
3)と、そのブレンド曲線生成手段108により生成さ
れたブレンド曲線Bが非切削交線Lncに代えて用いられ
ることにより発生する工具経路CPの変形量が予め設定
された変形量判断基準値を越えたか否かを判定する工具
経路変形量判定手段110(工具経路変形量判定工程、
SS14)と、この工具経路変形量判定手段110によ
り工具経路CPの変形量が予め設定された変形量判断基
準値を越えたと判定されない場合には上記ブレンド曲線
生成手段108により生成されたブレンド曲線Bを工具
経路CPに採用することを許容するが、上記工具経路変
形量判定手段110により工具経路CPの変形量が予め
設定された変形量判断基準値を越えたと判定された場合
には、ブレンド曲線生成手段108により生成されたブ
レンド曲線Bの使用を中止するブレンド処理中止手段1
12(ブレンド処理中止工程、SS15)とをさらに含
むものである。このため、長さ判定手段98により非切
削交線Lncの長さDが予め設定された判断基準値より小
さいと判定され且つ角度判定手段104により上記非切
削交線Lncの両側に接続された1対の切削交線Lct1
よびLct2 の端点P1 およびP2 の接線の相互角度θF
が予め設定された角度判断基準値より小さくないと判定
された場合には、ブレンド曲線生成手段108により生
成された、上記1対の切削交線Lct1 およびLct2 上に
求めた端点を持つブレンド曲線Bが用いられることか
ら、非切削交線Lncと切削交線Lct1 およびLct2 との
間の接続点の曲率半径が大きくされるので、NC制御に
よる加工に際しては、工具の減速が抑制されて加工能率
が高められる。また、上記工具経路変形量判定手段11
0により工具経路CPの変形量が予め設定された変形量
判断基準値を越えたと判定された場合には、ブレンド処
理中止手段112により、ブレンド曲線生成手段108
により生成されたブレンド曲線Bの使用が中止されるの
で、この点においても回転切削工具26の減速が抑制さ
れて加工能率が高められる。
【0059】また、本実施例によれば、工具経路CP
は、ワーク14において稜線58を挟む1対の目標加工
面50、52に対応する1対のオフセット面54、56
の互いに隣合う端縁から接連続となるようにそれぞれ形
成された上記稜線58を中心とする1対のスイープ面
(円筒面)60と第2工具移動拘束面64との交線とし
て定義されるものであり、互いに重なるそれら1対のス
イープ面60上の1対の非切削交線Lnc1 およびLnc2
のうち外側の部分を選択して非切削交線Lncとする干渉
除去手段70(干渉除去工程、S2−6)が設けられる
ので、ワーク14を削り過ぎることのない1本の非切削
交線Lncが設定される。
【0060】また、本実施例によれば、減速抑制処理手
段76(減速抑制処理工程、SS2─7)は、上記互い
に重なりあう1対のスイープ面(円筒面)60上の1対
の非切削交線Lnc1 およびLnc2 が略1本の曲線として
相互に重なりあっている場合には、それら1対の非切削
交線Lnc1 およびLnc2 の一方を非切削交線Lncとして
設定するものであることから、1対の非切削交線Lnc1
およびLnc2 が干渉除去手段70だけにより処理される
場合に比較して、図6(c) に示すように非切削交線Lnc
が滑らかとなるので、NC制御による加工に際しては、
工具の減速が抑制されて加工能率が高められる。
【0061】また、本実施例によれば、工具経路CPが
略直線上に位置する複数の切削交線Lctおよび非切削交
線Lncから構成され、且つその非切削交線Lncの長さが
微小である場合には、切削交線一本化処理手段96(切
削交線一本化処理工程、SS4)により、それら複数の
切削交線Lctおよび非切削交線Lncを1本の切削交線L
ctにより置き換えるものであることから、複数の非切削
交線Lncと切削交線Lctとの間の接続点に設けられる工
具通過点数が減少させられるので、NC制御による加工
に際しては、工具の減速が抑制されて加工能率が高めら
れる。
【0062】また、本実施例によれば、図12に示すプ
ログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な
工具経路生成プログラム記録媒体44が提供されるの
で、この記録媒体44を用いることにより、上述の効果
が得られる。
【0063】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
得るものである。
【0064】たとえば、前述の実施例の工具経路CPに
おいて、回転切削工具26が非切削交線Lncを通過する
期間ではその回転切削工具26がワーク14の稜線58
に接触するように決定されていたが、必ずしも接触させ
られなくてもよく、回転切削工具26の移動速度の減速
が抑制される範囲で回転切削工具26がワーク14の稜
線58から離れるように非切削交線Lncが決定されても
よいのである。
【0065】また、前述の実施例の点列間隔決定手段7
8では、回転切削工具26の移動速度Vが最大となるよ
うに点列間隔が決定されていたが、たとえば移動速度V
が予め設定された値以上となるように決定されていても
差し支えない。
【0066】また、前述の実施例では、互いに並行する
すべての工具経路CPにおいて前記減速抑制処理手段7
6が適用されていたが、互いに並行する工具経路CPの
2本毎、或いは3本毎など複数本毎に適用されていても
一応の効果が得られるのである。
【0067】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の工具経路生成方法を実施す
るための工具経路生成装置を含むNCデータ作成および
利用工程を説明する図である。
【図2】図1の回転切削工具とそれにより加工されるワ
ークの目標加工面との関係を説明する図である。
【図3】図1の工具経路生成装置の構成を説明する図で
ある。
【図4】図1の工具経路生成装置のプロセッサの制御機
能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図5】図4の工具経路決定手段において算出される第
1工具移動拘束面および第2工具移動拘束面と、それら
の交線である工具経路CPを説明する斜視図である。
【図6】図4の非切削交線一本化手段による非切削交線
一本化処理を説明する図であって、(a) は1対の非切削
交線が交差した状態を示す図、(b) はそれら1対の非切
削交線に干渉除去処理が施された状態を示す図、(c) は
さらに上記非切削交線一本化処理が施された状態を示す
図である。
【図7】図4の切削交線一本化手段による切削交線一本
化処理を説明する図であって、(a) はその切削交線一本
化処理が施される場合の工具経路を示す図、(b) はその
工具経路の構成を詳しく示す図、(c) は上記切削交線一
本化処理が施された状態を示す図である。
【図8】図4の接連続曲線発生手段により求められた接
連続曲線R1 により非切削交線が修正される処理を説明
する図であって、(a) はその処理が施される場合であっ
て、非切削交線の両端の接線がそれを挟む1対の切削交
線の端点の接線よりも共に内側である場合の工具経路を
示す図、(b) はそのときの1対の切削交線の関係を説明
する図、(c) は非切削交線に代えて上記接連続曲線R1
により上記1対の切削交線が接続された状態を示す図で
ある。
【図9】図4の接連続曲線発生手段により求められた接
連続曲線R2 により非切削交線が修正される処理を説明
する図であって、(a) はその処理が施される場合であっ
て、非切削交線の両端の一方の接線がそれを挟む1対の
切削交線の端点の接線よりも内側である場合の工具経路
を示す図、(b) はそのときの1対の切削交線の関係を説
明する図、(c) は非切削交線に代えて上記接連続曲線R
2 により上記1対の切削交線が接続された状態を示す図
である。
【図10】図4の中点ブレンド処理手段による中点ブレ
ンド処理を説明する図であって、(a) はその処理が施さ
れる場合の工具経路を示す図、(b) は非切削交線の中点
が求められた状態を示す図、(c) はその非切削交線を挟
む1対の切削交線の端点がその中点まで移動させられた
状態を示す図、(d) はそれら端点の移動距離を示す図で
ある。
【図11】図4のブレンド処理手段によるブレンド処理
を説明する図であって、(a) はその処理が施される場合
の工具経路を示す図、(b) は所定の非切削交線を挟む1
対の切削交線上にそれらを連結するブレンド曲線Bの端
点を移動させた図、(c) は非切削交線に代えてそのブレ
ンド曲線Bにより1対の切削交線が接続された状態を示
す図である。
【図12】図1の工具経路生成装置のプロセッサの制御
作動の要部を説明するフローチャートであって、メイン
ルーチンを示す図である。
【図13】図1の工具経路生成装置のプロセッサの制御
作動の要部を説明するフローチャートであって、工具曲
線式算出ルーチンを示す図である。
【図14】図1の工具経路生成装置のプロセッサの制御
作動の要部を説明するフローチャートであって、減速回
避処理ルーチンを示す図である。
【図15】加工面からオフセットさせられたオフセット
面とその加工面の稜線を中心とした円筒面であるスイー
プ面との接続部分の段差によって、工具経路を構成する
切削交線と非切削交線との間に曲率波形の小さな部分が
形成される状態を説明する図である。
【符号の説明】
14:ワーク(被加工材) 20:CAM用コンピュータ(工具経路生成装置) 66:工具経路決定手段 74:判定手段 76:減速抑制処理手段 CP:工具経路 Lct:切削交線 Lnc:非切削交線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工材を所定の表面形状に加工するた
    めにNC制御される工具の基準点の移動軌跡となるべき
    工具経路を決定する工具経路生成方法であって、 ワーク形状データおよび工具寸法から工具経路を離散点
    列或いは曲線列により決定する工具経路決定工程と、 該工具経路決定工程により決定された工具経路のうち前
    記工具が前記被加工材を切削する切削部であるか或いは
    該工具が該被加工材を切削しない非切削部であるかを判
    定する判定工程と、 前記工具経路のうち該判定工程により前記被加工材を切
    削しないと判定された非切削部を、前記NC制御におい
    て工具の減速が抑制される工具経路に修正する減速抑制
    処理工程とを、含むことを特徴とする工具経路生成方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1の工具経路生成方法を実行する
    ためのプログラムが記録されていることを特徴とするコ
    ンピュータ読み取り可能な工具経路生成プログラム記録
    媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101355222B1 (ko) 2012-04-16 2014-01-27 현대위아 주식회사 Cnc 공작기계장치, 그 제어장치, 그 제어방법 및 그 제어방법을 실행할 수 있는 프로그램이 저장된 컴퓨터 판독가능 기록매체
WO2017110236A1 (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 三菱電機株式会社 工具経路修正装置および工具経路修正方法
JP2020015099A (ja) * 2018-07-23 2020-01-30 ファナック株式会社 工作機械の異常検出装置

Cited By (4)

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