JPH10124126A - Camシステム用加工軸方向決定装置 - Google Patents

Camシステム用加工軸方向決定装置

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JPH10124126A
JPH10124126A JP27813796A JP27813796A JPH10124126A JP H10124126 A JPH10124126 A JP H10124126A JP 27813796 A JP27813796 A JP 27813796A JP 27813796 A JP27813796 A JP 27813796A JP H10124126 A JPH10124126 A JP H10124126A
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JP
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axis direction
tool
axis
machining
interference
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JP27813796A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Kuroda
義徳 黒田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具干渉を回避し得る新たな加工軸方向を短
時間の計算で確実に決定することを目的とする。 【解決手段】 C軸方向決定手段M1が、工具経路を構成
する各構成点につき、一定大きさの谷方向ベクトルと、
工具経路の傾斜度を大きさとした前後方向ベクトルとに
基づきC軸方向を求め、B軸方向許容範囲決定手段M2
が、上記各構成点につき、工具先端部中心点をその構成
点に一致させたままB軸の周りに加工軸方向を回動させ
つつ、C軸方向に延在する複数の垂直平面の各々で工具
形状および製品形状を切って製品断面輪郭形状に対する
工具断面輪郭形状の工具干渉を調べることで、B軸方向
許容範囲を求め、そして加工軸方向決定手段M3が、上記
各構成点につき、求めたC軸方向と、B軸方向許容範囲
内で定めたB軸方向とを合成して工具干渉が生じない加
工軸方向を求め、それをその構成点での新たな加工軸方
向に決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、CAM(コンピュー
タ支援加工)システムに用いられ、該CAMシステムの
NC(数値制御)工作機械におけるエンドミル等の切削
加工用工具の加工軸方向(工具回転軸線の延在方向)を
そのNC工作機械の3次元座標系におけるZ軸方向(垂
直方向)から変更する必要がある場合にそのZ軸方向か
ら変更する新たな加工軸方向を自動的かつ適切に決定す
る加工軸方向決定装置に関し、特に、稜線沿い加工に適
した加工軸方向決定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CAMシステムは一般に、CAD(コン
ピュータ支援設計)システムが作成した製品形状の3次
元形状データ(いわゆるCADデータ)からその製品形
状の切削加工用の工具経路データを含むNCデータを自
動作成する通常のコンピュータと、そのコンピュータが
作成したNCデータに基づき切削加工等の加工を行うN
C工作機械とを具えており、かかるCAMシステムにお
いて金型等の製品の形状を切削加工する際には通常、荒
取り加工での切削抵抗を減らして加工時間の短縮と加工
品質の向上とを図るために、先ず稜線沿い加工を行って
いる。
【0003】ここに稜線沿い加工とは、製品形状の外周
面等を画成する断面L字状や断面コ字状等の凹部の角を
画成する稜線を案内曲線とし、その案内曲線に実質的に
平行に延在するよう設定した工具経路に沿って工具を移
動させてその凹部を切削する加工をいい、この稜線沿い
加工の際にCAMシステムにおける工具の加工軸方向の
決定に用いられる加工軸方向決定装置としては従来、本
願出願人が先に特開平8-47841号公報にて開示したもの
が知られている。
【0004】この従来の加工軸方向決定装置は、製品形
状データと、加工軸方向をNC工作機械の座標系のZ軸
方向(通常は垂直方向)に固定した工具経路データと、
使用工具データとに基づき工具干渉チェックを行って、
工具経路データにおける、工具干渉の回避のために加工
軸方向を変更する必要がある加工軸方向変更部位を検索
する加工軸方向変更部位検索手段と、その工具経路デー
タにおける加工軸方向変更部位につき、製品形状データ
からZ軸方向座標値の小さい側と大きい側とを調べて、
Z軸方向座標値の小さい側から大きい側へ向かう方向を
求め、その求めた方向を新たな加工軸方向に決定する加
工軸方向決定手段とを具えており、そこでの加工軸方向
決定手段は、上記加工軸方向変更部位での加工軸方向
を、Z軸方向に直交する軸線周りに回動させてZ軸方向
座標値の小さい側から大きい側へ向かうように傾斜させ
るとともに、その加工軸方向のZ軸方向に対する傾斜角
度を漸次増加させつつ3次元的に工具干渉チェックを繰
り返し行って工具干渉の生じなくなる傾斜角度を求め、
その傾斜角度を新たな加工軸方向の、Z軸方向に直交す
る軸線周りの角度、すなわちいわゆるB軸角度に決定し
ている。
【0005】かかる従来の加工軸方向決定装置によれ
ば、Z軸方向からの加工のみでは削り残しが発生するた
め加工軸方向の変更が必要な加工部位について、以前は
CAMシステムのオペレータが切削検討の際に加工部位
毎に新たな加工軸方向を逐一決定しその加工軸方向を定
義するデータを作成していたのを、代わりに当該装置が
新たな加工軸方向を自動的にかつ適切に決定するので、
切削検討の際のオペレータの工数を大幅に削減すること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして本願出願人
は、上記従来の装置についてさらに研究を進めるうち
に、以下の新たな課題を見出した。すなわち上記従来の
装置では、加工軸方向決定手段が、工具経路データにお
ける加工軸方向変更部位での加工軸方向の、Z軸方向に
対する傾斜角度を漸次増加させるに際し、便宜上その傾
斜角度をα1 ,α2 ,α3 の三種類(α3 >α2
α1 )設定しておいて、α1 から順次工具干渉チェック
を行い、干渉が生じない傾斜角度に加工軸方向を決定し
ているが、この方法では、仮にα1 =30°,α2 =45
°,α3 =60°とした場合、図38に示すように最適傾斜
角度が47°〜50°であって傾斜角度が45°でも60°でも
干渉が生ずるような場合に加工軸方向を自動決定できな
くなって、CAMシステムのオペレータが介入する必要
が生じてしまうという不都合があった。そしてかかる不
都合を解消させるためには設定傾斜角度の種類を無限に
近くまで増やすことも考えられるが、そのようにするこ
とは計算効率の大幅な低下を招くため現実的でない。
【0007】また上記従来の装置では、Z軸方向に直交
する水平軸線周りの加工軸方向であるB軸方向について
工具干渉を回避するように決定しているが、そのB軸方
向の角度を工具に持たせる場合に必然的に生ずる垂直軸
線周りの加工軸方向であるC軸方向については、各構成
点毎に工具経路に対する法線方向に決定したり、或る構
成点での工具経路に対する法線方向を代表方向としてそ
の近傍の構成点でその代表方向に揃えたりしているだけ
であったため、上記座標系の水平なX軸およびY軸を含
むX−Y平面に対し工具経路が傾斜している場合に工具
と製品形状とが接近して工具干渉を回避しにくくなる場
合があるという不都合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】こ
の発明は、上記従来技術の課題を有利に解決した装置を
提供することを目的とするものであり、この発明のCA
Mシステム用加工軸方向決定装置は、図1にその概念を
示すように、製品形状データと、加工軸方向をNC工作
機械の座標系のZ軸方向に固定した工具経路データと、
使用工具データとに基づき、前記工具経路データ中の加
工軸方向を変更する部位について工具干渉が生じない加
工軸方向を求め、その求めた加工軸方向を工具経路デー
タにおける新たな加工軸方向に決定するCAMシステム
用加工軸方向決定装置において、前記工具経路データ中
の工具経路を構成する各構成点につき、前記NC工作機
械の座標系のX軸およびY軸を含むX−Y平面上に投影
した前記工具経路に対する谷向き方向の一定大きさの谷
方向ベクトルと、そのX−Y平面に対する前記工具経路
の傾斜度を大きさとするとともにその傾斜が前記工具経
路上で工具進行方向に向かってZ値の増加方向に向かう
場合は後退方向、Z値の減少方向に向かう場合は前進方
向を向きとする前後方向ベクトルとに基づき、前記工具
干渉が生じない加工軸方向の構成要素のうちZ軸と平行
なC軸の周りの方向であるC軸方向を求めるC軸方向決
定手段M1と、前記工具経路データ中の工具経路を構成す
る各構成点について、工具先端部中心点をその構成点に
一致させたまま、前記C軸と直交するとともに前記求め
たC軸方向とも直交するB軸の周りに加工軸方向を回動
させつつ、Z軸方向および前記求めたC軸方向に延在す
る互いに離間した複数の平面の各々につきその平面で前
記使用工具データ中の工具形状および前記製品形状デー
タ中の製品形状を切って製品断面輪郭形状に対する工具
断面輪郭形状の工具干渉を調べて、前記工具干渉が生じ
ない加工軸方向の構成要素のうち前記B軸の周りの方向
であるB軸方向の工具干渉の生じない範囲であるB軸方
向許容範囲を求めるB軸方向許容範囲決定手段M2と、前
記工具経路データ中の工具経路を構成する各構成点につ
いて、前記求めたC軸方向と、前記求めたB軸方向許容
範囲内で定めたB軸方向とを合成して、前記工具干渉が
生じない加工軸方向を求め、その求めた加工軸方向をそ
の構成点での新たな加工軸方向に決定する加工軸方向決
定手段M3と、を具えることを特徴としている。
【0009】かかる装置にあっては、C軸方向決定手段
M1が、工具経路データ中の工具経路を構成する各構成点
につき、NC工作機械の座標系のX軸およびY軸を含む
X−Y平面上に投影した前記工具経路に対する谷向き方
向の一定大きさの谷方向ベクトルと、そのX−Y平面に
対する前記工具経路の傾斜度を大きさとするとともにそ
の傾斜が前記工具経路上で工具進行方向に向かってZ値
の増加方向に向かう場合は後退方向、Z値の減少方向に
向かう場合は前進方向を向きとする前後方向ベクトルと
に基づき、前記工具干渉が生じない加工軸方向の構成要
素のうちZ軸と平行なC軸の周りの方向であるC軸方向
を求め、次いでB軸方向許容範囲決定手段M2が、前記各
構成点について、工具先端部中心点をその構成点に一致
させたまま、前記C軸と直交するとともに前記求めたC
軸方向とも直交するB軸の周りに加工軸方向を回動させ
つつ、Z軸方向および前記求めたC軸方向に延在する互
いに離間した複数の平面の各々につきその平面で前記使
用工具データ中の工具形状および前記製品形状データ中
の製品形状を切って製品断面輪郭形状に対する工具断面
輪郭形状の工具干渉を調べて、前記工具干渉が生じない
加工軸方向の構成要素のうち前記B軸の周りの方向であ
るB軸方向の工具干渉の生じない範囲であるB軸方向許
容範囲を求め、そして加工軸方向決定手段M3が、前記各
構成点について、前記求めたC軸方向と、前記求めたB
軸方向許容範囲内で定めたB軸方向とを合成して前記工
具干渉が生じない加工軸方向を求め、その求めた加工軸
方向をその構成点での新たな加工軸方向に決定する。
【0010】従ってこの発明の装置によれば、先ずC軸
方向を、谷側に向かうとともに、X−Y平面に対する工
具経路の傾斜度に応じて製品形状から工具の基部側が遠
ざかるように定めるので、X−Y平面に対し工具経路が
傾斜している場合でも工具と製品形状とを離間させて工
具干渉を回避し易くすることができる。そしてこの発明
の装置によれば、加工軸方向をその求めたC軸方向に維
持するとともに工具先端部中心点を構成点に一致させた
まま、C軸と直交するとともに求めたC軸方向とも直交
するB軸の周りに加工軸方向を回動させながら、Z軸方
向および求めたC軸方向に延在する互いに離間した複数
の平面の各々での製品断面輪郭形状に対する工具断面輪
郭形状の工具干渉を調べて、B軸方向についての工具干
渉の生じない範囲であるB軸方向許容範囲を求めるの
で、2次元形状同士の干渉計算のみでB軸方向許容範囲
を詳細に求め得て、工具干渉を回避し得るB軸方向ひい
てはそのB軸方向と上記工具干渉を回避し易いC軸方向
とを合成した新たな加工軸方向を、短時間の計算で確実
に決定することができる。
【0011】なお、一般に工具経路データには、工具寿
命を延ばす下向き削りを行うべく、工具の回転方向に対
応させて、工具進行方向に対し何れの側を製品形状の谷
側にするかが定めてあるので、上記谷向き方向は、製品
形状から求めても良いがその工具経路データから求めて
も良い。また、一般にNC工作機械の座標系ではZ軸方
向を垂直方向としているが、この発明はかかるZ軸方向
を垂直方向とする場合の他、例えば部分座標系等でZ軸
方向を垂直方向としない場合に適用することもできる。
【0012】また、この発明のCAMシステム用加工軸
方向決定装置は、図2にその概念を示すように、前記工
具経路データ中の工具経路を構成する構成点のうち前記
求めたC軸方向の互いの差異が所定範囲内の構成点が連
なる範囲である同一C軸エリアを求めるとともに、その
同一C軸エリア内の全構成点について、前記求めたC軸
方向の互いの差異の範囲内で互いに同一のC軸方向を定
める同一C軸エリア決定手段M4と、前記求めた同一C軸
エリア内に位置する複数の構成点について始端から順
に、互いに隣り合う二つの構成点を対にしてそれら二つ
の構成点の前記求めたB軸方向許容範囲同士が互いに重
なり合う範囲であるB軸方向重複範囲を求め、そのB軸
方向重複範囲の両端位置での工具の、前記C軸を含んで
前記定めたC軸方向に延在する平面で切った断面輪郭形
状のうち外側の形状を前記二つの構成点間で繋いで3次
元の工具移動エリアを作成し、その工具移動エリアの、
前記製品形状データ中の製品形状に対する工具干渉を調
べて、干渉がある場合にはその干渉位置のうち前記同一
C軸エリアの始端に最も近い干渉位置を通る、前記C軸
を含んで前記定めたC軸方向に延在する平面に平行な平
面と、前記二つの構成点間の工具経路との交点をその工
具経路の新たな構成点として追加し、前記B軸方向許容
範囲決定手段M2にその新たな構成点についてのB軸方向
許容範囲を求めさせてから前記処理を再度繰り返すこと
で、工具移動エリアに工具干渉を生じさせないB軸方向
重複範囲である非干渉B軸方向重複範囲を前記構成点対
毎に求める非干渉B軸方向重複範囲決定手段M5と、をさ
らに具え、前記加工軸方向決定手段M3が、前記同一C軸
エリア内の各構成点について、前記定めたC軸方向と、
前記求めたB軸方向許容範囲内の前記非干渉B軸方向重
複範囲内で定めたB軸方向とを合成して前記工具干渉が
生じない加工軸方向を求めるようにしても良い。
【0013】かかる装置にあっては、同一C軸エリア決
定手段M4が、工具経路データ中の工具経路を構成する構
成点のうち前記求めたC軸方向の互いの差異が所定範囲
内の構成点が連なる範囲である同一C軸エリアを求める
とともに、その同一C軸エリア内の全構成点について、
前記求めたC軸方向の互いの差異の範囲内で互いに同一
のC軸方向を定め、そして非干渉B軸方向重複範囲決定
手段M5が、前記求めた同一C軸エリア内に位置する複数
の構成点について始端から順に、互いに隣り合う二つの
構成点を対にしてそれら二つの構成点の前記求めたB軸
方向許容範囲同士が互いに重なり合う範囲であるB軸方
向重複範囲を求め、そのB軸方向重複範囲の両端位置で
の工具の、前記C軸を含んで前記定めたC軸方向に延在
する平面で切った断面輪郭形状のうち外側の形状を前記
二つの構成点間で繋いで3次元の工具移動エリアを作成
し、その工具移動エリアの、前記製品形状データ中の製
品形状に対する工具干渉を調べて、干渉がある場合には
その干渉位置のうち前記同一C軸エリアの始端に最も近
い干渉位置を通る、前記C軸を含んで前記定めたC軸方
向に延在する平面に平行な平面と、前記二つの構成点間
の工具経路との交点をその工具経路の新たな構成点とし
て追加し、B軸方向許容範囲決定手段M2にその新たな構
成点についてのB軸方向許容範囲を求めさせてから前記
処理を再度繰り返すことで、工具移動エリアに工具干渉
を生じさせない非干渉B軸方向重複範囲を構成点対毎に
求め、さらに加工軸方向決定手段M3が、前記同一C軸エ
リア内の各構成点について、前記定めたC軸方向と、前
記求めたB軸方向許容範囲内の前記非干渉B軸方向重複
範囲内で定めたB軸方向とを合成して工具干渉が生じな
い加工軸方向を求める。
【0014】従って上記の装置によれば、求めたC軸方
向の互いの差異が所定範囲内の構成点が連なる範囲であ
る同一C軸エリア内について、全構成点で互いに同一の
C軸方向を定めるとともに、互いに隣り合う構成点を二
つづつ対にしてそれらの構成点間の位置での工具干渉を
調べ、構成点間の位置でも工具干渉が生じない非干渉B
軸方向重複範囲内で定めたB軸方向と上記定めたC軸方
向とを合成して加工軸方向を決定するので、工具経路に
おいて構成点上のみならず構成点間の位置でも工具干渉
を確実に避け得るように新たな加工軸方向を決定するこ
とができる。
【0015】さらに、この発明のCAMシステム用加工
軸方向決定装置は、図3にその概念を示すように、前記
非干渉B軸方向重複範囲同士で互いに共通のB軸方向範
囲を持つ前記構成点対が連なる範囲である同一B軸エリ
アを求める同一B軸エリア決定手段M6をさらに具え、前
記加工軸方向決定手段M3が前記同一B軸エリア内の前記
各構成点について、前記定めたC軸方向と、前記非干渉
B軸方向重複範囲同士で互いに共通のB軸方向範囲内で
定めたB軸方向とを合成して、前記工具干渉が生じない
加工軸方向を求めるようにしても良い。
【0016】かかる装置にあっては、同一B軸エリア決
定手段M6が、前記非干渉B軸方向重複範囲同士で互いに
共通のB軸方向範囲を持つ前記構成点対が連なる範囲で
ある同一B軸エリアを求め、そして加工軸方向決定手段
M3が、前記同一B軸エリア内の前記各構成点について、
前記定めたC軸方向と、前記求めたB軸方向許容範囲内
の前記非干渉B軸方向重複範囲同士で互いに共通のB軸
方向範囲内で定めたB軸方向とを合成して工具干渉が生
じない加工軸方向を求める。
【0017】従って上記の装置によれば、同一C軸エリ
ア内においてさらに、非干渉B軸方向重複範囲同士で互
いに共通のB軸方向範囲を持つ構成点対が連なる同一B
軸エリアを求めて、そこでの構成点対間で共通の、工具
干渉が生じないB軸方向範囲内で定めたB軸方向と、上
記定めたC軸方向とを合成して加工軸方向を決定するの
で、工具経路において構成点上のみならず構成点間の位
置でも工具干渉を確実に避け得る新たな加工軸方向を、
上記同一B軸エリア内で一定に維持し得て、加工軸方向
の変更による工具経路の延長ひいては加工時間の延長を
可能な限り避けることができる。
【0018】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図4は、特に稜線沿い加工に適したこの
発明の加工軸方向決定装置の一実施例の実施に用いる金
型形状加工用CAMシステムの構成を例示する説明図
で、このCAMシステムは、CADシステムが作成した
製品形状(金型形状)の3次元CADデータからその製
品形状の切削加工用の工具経路データを含むNCデータ
を自動作成する通常のコンピュータ1と、そのコンピュ
ータが作成したNCデータに基づいて切削加工等の機械
加工を行うNC工作機械2とを具えた通常のものであ
り、この実施例の装置は、そのCAMシステムを構成す
るコンピュータの作動プログラムの一部を改変してその
CAMシステムに付加したものである。
【0019】図5〜図8は、上記実施例の加工軸方向決
定装置が実行する処理プログラムを示すフローチャート
であり、ここでは、型形状切削用数値モデル(製品形状
モデル)ファイル3と、加工技術データベース(D/
B)ファイル4と、稜線沿い工具経路ファイル5とから
データをそれぞれ入力し、先ず図5中のステップ11〜18
で、工具経路データ中の工具経路CLを構成する各構成点
について工具干渉が生じない加工軸方向を求めるため
に、その加工軸方向の一要素として、NC工作機械の座
標系の垂直なZ軸と平行に延在するC軸(ここではNC
工作機械2の主軸の中心軸線)の周りの方向であるC軸
方向(前記座標系の水平なX軸およびY軸を含むX−Y
平面上に加工軸方向を投影した方向)を求めるととも
に、上記工具経路CLを構成する構成点のうちその求めた
C軸方向の互いの差異が所定範囲内の構成点が連なる工
具経路範囲である同一C軸エリアを求める。
【0020】すなわちここでは、工具経路CLのデータに
おける最初の構成点から順に、先ず図5中のステップ11
で、一つの構成点での、製品形状FAに対し谷向きで、か
つ工具経路CLに対して法線方向に向く一定の大きさのベ
クトルを、谷方向ベクトルVAとして求める。なお、ここ
での工具経路CLのデータでは、工具寿命を延ばす下向き
削りを行うべく、工具の回転方向(ここでは工具基部か
ら工具先端部を見た時に時計方向)に対応させて、工具
進行方向に対し左側を製品形状の谷側にすると定めてあ
り、それゆえ上記谷向き法線方向ベクトルとしては、上
記一つの構成点での、工具進行方向に対し左右二方向へ
向く法線方向ベクトルのうち、左方向へ向くベクトルを
選択して用いている。
【0021】しかしてここでは、次のステップ12で、上
記工具経路CLのデータにおける、上記一つの構成点と、
切削方向(工具進行方向)のその構成点の次の構成点と
の間の工具経路の、X−Y平面に対する傾きを求めて、
その傾きをベクトルの大きさとするとともに、ベクトル
の向きをその傾きが切削方向に向かってZ値の増加方向
に向かう場合(ここでは上りの場合)は後退方向、Z値
の減少方向に向かう場合(ここでは下りの場合)は前進
方向として、前後方向ベクトルVBを求め、続くステップ
13で、上記谷方向ベクトルVAと前後方向ベクトルVBとを
合成してC軸方向ベクトルVCを求めた後、次のステップ
14で、上記工具経路CLのデータにおける全ての構成点上
で上記処理を行ったか否かを判断して、そうでなければ
ステップ11へ戻り、次の構成点について上記処理を繰り
返す。
【0022】すなわち例えば、図9の斜視図で示すよう
な製品形状FAの凹部の角を画成する稜線(案内曲線)ED
に実質的に平行に延在するよう設定した工具経路CLに沿
って工具CTを移動させてその凹部を切削する場合、例え
ば構成点P4については、図10の平面図(この実施例では
X−Y平面に対する垂直方向から見た図)に示すように
切削方向左向きの所定の大きさの法線方向ベクトルを谷
方向ベクトルVAとして求め、次いで図11の垂直面展開図
に示すように構成点P4と次の構成点P5との間の工具経路
の傾きPTを求めてその傾きPTをベクトルの大きさとする
とともに、図12の平面図に示すようにその傾きPTが切削
方向に向かって上り方向なのでベクトルの向きを後退方
向として前後方向ベクトルVBを求め、次いで図13の平面
図に示すようにそれら谷方向ベクトルVAと前後方向ベク
トルVBとを合成してC軸方向ベクトルVCを求め、同様に
して他の構成点P0〜P3, P5についてもC軸方向ベクトル
VCを求める。なお、図9に示すように、構成点P0, P1で
は、工具経路の傾きPTが切削方向に向かって下り方向で
あるので、前後方向ベクトルVBの向きが前進方向となっ
ている。従って、上記ステップ11〜14はC軸方向決定手
段M1に相当し、ここで得たC軸方向ベクトルVCは、工具
の基部から先端部へ向かう方向と逆の方向へ向くもので
あり、製品形状の谷側に向かうとともに、X−Y平面に
対する工具経路CLの傾斜度に応じて製品形状から工具の
基部側を遠ざけるものとなる。
【0023】上記ステップ14において上記工具経路CLの
データにおける全ての構成点上で上記処理を行ったと判
断した場合には、次にステップ15〜ステップ18で、本願
出願人が先に特開平 8-47841号公報にて開示した装置に
おけると同様にして上記同一C軸エリアを定める。すな
わちここでは、ステップ15で、図14の平面図に示すよう
に、工具経路CL上の全ての構成点のうち、隣り合った構
成点間での上記C軸方向ベクトルVCの方向の変化量が最
大となるその工具経路CL上の部位の中央の構成点PMを探
し、続くステップ16で、そのC軸方向ベクトルVCの向き
の変化量最大の部位の中央の構成点PMでのC軸方向ベク
トルVCに対するC軸方向ベクトルVCの向きの変化量が所
定の許容角度以内になる構成点の存在する工具経路範囲
を同一C軸エリアとして求める。さらにこのステップ16
において、この実施例では、各同一C軸エリア内に含ま
れる全ての構成点のC軸方向ベクトルVCの方向を、その
同一C軸エリア内の上記変化量最大部位の中央の構成点
PMのC軸方向ベクトルVCの方向と同一方向に揃えて定め
る。但し、同一C軸エリア内で揃えるC軸方向ベクトル
VCの方向はこれに限られず、隣の同一C軸エリア内で揃
える方向との関係で適宜定めても良く、また同一C軸エ
リア内でもC軸方向ベクトルVCの方向を揃えず、各構成
点で求めたC軸方向ベクトルVCの方向をそのままその構
成点でのC軸方向ベクトルVCの方向に定めても良い。
【0024】そして次のステップ17では、上記工具経路
CLのデータにおける全ての構成点が求めた同一C軸エリ
ア内にあるか否かを判断して、同一C軸エリア内にない
構成点が残っている場合には、ステップ18で上記工具経
路CLのデータにおける全ての構成点から同一C軸エリア
内の構成点を除くことにより、未だ同一C軸エリア内に
ない構成点を抽出し、それらの構成点について他の同一
C軸エリアを求めるためにその後上記ステップ15へ戻
り、上記処理を繰り返す。これにより、図15の平面図に
示すように工具経路CLのデータにおける全ての構成点を
含んだ一または複数の同一C軸エリアが求まる。従っ
て、上記ステップ15〜18は同一C軸エリア決定手段M4に
相当し、これにより上記同一C軸エリア内ではC軸方向
を変更する必要がなくなるので、工具経路の延長程度を
最小限に止めることができる。
【0025】しかして上記ステップ17で上記工具経路CL
のデータにおける全ての構成点が同一C軸エリア内にあ
ると判断した場合には、次に図6〜図7中のステップ19
〜ステップ26で、工具経路データ中の工具経路CLを構成
する各構成点について、工具先端部中心点をその構成点
に一致させたまま、上記C軸と直交するとともに上記求
めたC軸方向とも直交するB軸の周りに加工軸方向を回
動させつつ、Z軸方向および上記C軸方向に延在する互
いに離間した複数の平面(この実施例ではC軸を通る平
面も含む)の各々につきその平面で上記加工技術D/B
ファイル4内の使用工具データ中の工具形状CTおよび上
記型形状切削用数値モデルファイル3内の製品形状モデ
ルデータ中の製品形状FAを切って製品断面輪郭形状に対
する工具断面輪郭形状の工具干渉を調べて、工具干渉が
生じない加工軸方向の構成要素のうち上記B軸の周りの
方向であるB軸方向の工具干渉の生じない範囲であるB
軸方向許容範囲を求める。
【0026】ここで上記使用工具データ中の工具形状CT
について説明すると、図16の左側には実際の切削工具の
例を示し、ここにおける切削工具は、中間部が裁頭円錐
状をなすとともに先端部が半径R1の球面状をなす切刃部
CTA と、図示しない工具主軸の下端の位置に配置され、
図では上下方向に延在するその中心軸線AC周りに工具主
軸の回転とは独立して図示の如く回動されるアーバ部TA
B とを含んでおり、このアーバ部TAB は、その下部に設
けられた半径R2の外形の可動軸部により切刃部CTA の図
では上端部に位置する基部を支持して、その可動軸部の
図では紙面と直交する方向に延在する中心軸線AB周りに
切刃部CTA を図示の如く回動させる。従って、アーバ部
CTA1の上記中心軸線ACは上記C軸に該当し、また上記可
動軸部の中心軸線ABは上記B軸に該当する。それゆえ上
記工具形状CTは、上記実際の切削工具の形状を単純化し
て、上記アーバ部TAB の形状と上記切刃部CTA の形状と
を含むように、同図右側に示す如く、円盤状のアーバ部
形状CT1 と、基部から中間部までが半径R2の上記可動軸
部を囲んで全体的に裁頭円錐状をなすとともに先端部が
半径R1の球面状をなす切刃部形状CT2 とを組み合わせて
設定してあり、その切刃部形状CT2 の球面状の先端部の
中心点である工具中心TCが、上記工具経路に沿って各構
成点を辿ることになる。
【0027】かかる工具形状CTを用いることとして、こ
こでは先ず図6中のステップ19で、上記求めた一つまた
は複数の同一C軸エリアのうちの最初の同一C軸エリア
内の一つの構成点を探し、次いでステップ20で、図17の
平面図および図18の垂直断面図に示すように、Z軸方向
に延在するとともに上記構成点(図では構成点Pn)上の
上記定めたC軸方向ベクトルVCの方向に延在してその構
成点ひいては工具中心TCを通る平面X1を断面輪郭形状取
得用に求め、次のステップ21で、その求めた平面上で上
記工具形状CTについてのB軸方向許容範囲を定める。
【0028】すなわちこのステップ21では、先ず上記切
刃部形状CT2 と製品形状FAとの干渉を回避することとし
て、上記図18の垂直断面図と同様の断面図である図19に
示すように、上記求めた平面X1で上記工具形状CTおよび
製品形状FAを切ってそれらの断面輪郭形状(便宜上対応
物と同一符号で示す)CT, FAを求め、その製品断面輪郭
形状FAの、工具断面輪郭形状CTのうちの切刃部断面輪郭
形状CT2 に対する干渉部分と、切刃部断面輪郭形状CT2
との間の距離が、切刃部断面輪郭形状CT2 から直交方向
で最大になる、切刃部断面輪郭形状CT2 上の点Q0を求め
るとともに、その点Q0を通って切刃部断面輪郭形状CT2
から直交方向へ延在する直線と上記製品断面輪郭形状FA
の干渉部分との交点Q1を求め、次に図20に示すように、
上記工具中心TCとそれらの点Q0, Q1をそれぞれ結ぶ二本
の直線の間の角度θB0を求め、次いで図21の断面図に示
すように、上記平面X1上で工具中心TC周りにその角度θ
B0だけ傾けた切刃部断面輪郭形状CT2 を作成して、その
傾けた切刃部断面輪郭形状CT2 と上記製品断面輪郭形状
FAとの新たな干渉部分につき上記と同様に工具中心TCと
切刃部断面輪郭形状CT2 上の点Q0およびその新たな干渉
部分上の点Q1をそれぞれ結ぶ二本の直線の間の角度θB1
を求め、さらに上記平面X1上で工具中心TC周りにその角
度θB1だけ傾けた切刃部断面輪郭形状CT2 を作成して次
の角度θB2を求める、という処理を、切刃部断面輪郭形
状CT2 に対する製品断面輪郭形状FAの干渉部分がなくな
って上記点Q0が見つからなくなるまで繰り返し、その後
に上記角度の総和θTBmin.を求めて(θTBmin.=θB0+
θB1+θB2+・・・)、その角度θTBmin.を、平面X1上
での切刃部B軸許容角度最小値とする。
【0029】さらにこのステップ21では、上記アーバ部
形状CT1 と製品形状FAとの干渉を回避することとして、
上記切刃部断面輪郭形状CT2 はアーバ部断面輪郭形状CT
1 にB軸周りに回動可能に連結されていることかから、
図22に示すように、先ずアーバ部断面輪郭形状CT1 をそ
の四つの角に各々位置する点A1〜A4をそれぞれ結ぶ四本
の線分に分け、下側の線分A1−A4の中点A0が、上記角度
θTBmin.だけ傾けた切刃部断面輪郭形状CT2 のB軸の位
置から上記半径R2に等しい距離だけZ軸方向上方に移動
した位置にあるように、アーバ部断面輪郭形状CT1 の位
置を定める。次にここでは、図23の断面図に示すよう
に、製品断面輪郭形状FA側の線分A1−A2と製品断面輪郭
形状FAとの間の、X−Y平面の延在方向(水平方向)の
最大距離Dmを求めて、B軸の水平方向の位置がその最大
距離Dm分移動するときの、工具中心TC周りのB軸位置の
回動角度θA0を求め、図24の断面図に示すように、その
角度θA0だけ切刃部断面輪郭形状CT2 が工具中心TC周り
に回動した時の上記中点A0ひいてはアーバ部断面輪郭形
状CT1 の新しい位置を求め、その新しい位置で同様にし
て次の角度θA1を求める、という処理を、アーバ部断面
輪郭形状CT1 が製品断面輪郭形状FAに干渉しなくなるま
で繰り返し、その後に、それら求めた角度の総和を前記
切刃部B軸許容角度最小値θTBmin.に加えて、製品断面
輪郭形状FAに対するアーバ部断面輪郭形状の干渉をも避
けたB軸許容角度最小値θB min.を求める(θB min.
θTBmin.+θA0+θA1+・・・)。
【0030】そして次のステップ22では、図25の断面図
に示すように、切刃部断面輪郭形状CT2 をB軸周りに90
°回動させた状態から上記と同様の処理を行って、製品
断面輪郭形状FAに対する切刃部断面輪郭形状CT2 の干渉
を避けうる角度θTCを求め、90°からその角度θTCを引
いてB軸許容角度最大値θB max.を求め(θB max.=90
−θTC)、先に求めたB軸許容角度最小値θB min.から
そのB軸許容角度最大値θB max.までの間の角度範囲
を、工具中心TCを通る上記平面X1上でのB軸方向許容範
囲とする。
【0031】次にここではステップ23で、図26の平面図
に示すように上記ステップ21, 22で用いた平面を工具径
に比べて小さい指定量TOL だけ平行移動した(すなわち
上記C軸方向ベクトルVCに平行に延在する)新たな平面
(図では平面X2)を求めて、次のステップ24で、その新
たな平面がアーバ部を含む工具形状CTの外側に位置する
か否かを判断し、工具形状CTの外側に位置しない場合は
上記ステップ21へ戻って、図27の斜視図に示すように、
その新たな平面(図では平面X2)で上記構成点上の工具
形状CTおよび製品形状FAを切ってそれらの断面輪郭形状
CT, FA(図27では工具断面輪郭形状CTのみについて示
し、その工具断面輪郭形状CTを一点鎖線で示す)を求
め、図28の断面図に示すように工具中心TCを通らない平
面で切っているため図中仮想線で示す先の平面X1での断
面輪郭形状よりも小さくなっているその断面輪郭形状
(図28では工具断面輪郭形状CTのみについて示し、その
工具断面輪郭形状CTを実線で示す)について、上記工具
中心TCおよび上記B軸の代わりにそれらの位置をその平
面上にその平面に対し垂直方向に投影した点TCP および
BPを用いてそれらの周りに切刃部断面形状およびアーバ
部断面形状を回動させながら上記と同様の処理を繰り返
す。そして上記ステップ24で、新たな平面がアーバ部を
含む工具形状CTよりも外側に位置する場合は、次のステ
ップ25へ進む。
【0032】これにより上記ステップ21〜ステップ24が
繰り返し実行されて、図29の平面図に示すように上記一
つの構成点における工具形状CTの範囲内で互いに指定量
TOLだけ離間する、C軸方向ベクトルVCに平行な複数の
垂直平面X1, X2, X3・・の各々の上でのB軸方向許容範
囲が求まり、その後の上記ステップ25では、それらの平
面上でのB軸許容角度最小値θB min.のうちで最大の値
を上記構成点におけるB軸許容角度最小値θB min.とす
るとともに、それらの平面上でのB軸許容角度最大値θ
B max.のうちで最小の値を上記構成点におけるB軸許容
角度最大値θB max.とすることで、全ての平面について
互いに重なり合うB軸方向許容範囲を求める。従って上
記ステップ19〜ステップ25はB軸方向許容範囲決定手段
M2に相当し、その後は図7のステップ26へ進んで同一C
軸エリア内の全ての構成点について上記処理を実行した
か否かを判断して、未だ上記処理の済んでいない構成点
があれば上記ステップ19へ戻り、上記処理を繰り返す。
【0033】そしてその後、この実施例では、図7中の
ステップ27〜ステップ33で、上記求めた同一C軸エリア
内に位置する複数の構成点について始端から順に、互い
に隣り合う二つの構成点を対にしてそれら二つの構成点
の上記求めたB軸方向許容範囲同士が互いに重なり合う
範囲であるB軸方向重複範囲を求め、そのB軸方向重複
範囲の両端位置での工具の、C軸を含んで上記定めたC
軸方向に延在する平面で切った断面輪郭形状のうち外側
の形状を前記二つの構成点間で繋いで3次元の工具移動
エリアを作成し、その工具移動エリアの、前記製品形状
データ中の製品形状に対する工具干渉を調べて、干渉が
ある場合にはその干渉位置のうち前記同一C軸エリアの
始端に最も近い干渉位置を通る、前記C軸を含んで前記
定めたC軸方向に延在する平面に平行な平面と、前記二
つの構成点間の工具経路との交点をその工具経路の新た
な構成点として追加し、その新たな構成点についてのB
軸方向許容範囲を求めてから前記処理を再度繰り返すこ
とで、工具移動エリアに工具干渉を生じさせないB軸方
向重複範囲である非干渉B軸方向重複範囲を前記構成点
対毎に求める。
【0034】すなわちここでは、同一C軸エリア内に位
置する複数の構成点についてそのエリア内の工具経路上
で、切削方向における始端のものから順に、先ず図7の
ステップ27で、一つの構成点とその次の構成点とを対に
してそれらの構成点の各々のB軸方向許容範囲を元に工
具移動エリアを作成する。このためステップ27では先
ず、それら二つの構成点のうち始端寄りの構成点である
構成点PS1 のB軸許容角度最小値θB min.PS1 と終端寄
りの構成点である構成点PS2 のB軸許容角度最小値θB
min.PS2 とのうちで大きい方の値をそれらの構成点PS1,
PS2間におけるB軸許容角度最小値θB min.PS1-2 とす
るとともに、構成点PS1 のB軸許容角度最大値θB max.
PS1 と構成点PS2 のB軸許容角度最大値θB max.PS2 と
のうちで小さい方の値をそれらの構成点PS1, PS2間にお
けるB軸許容角度最大値θB max.PS1-2 とする。このよ
うにして求めたB軸許容角度最小値θB min.PS1-2 から
B軸許容角度最大値θB max.PS1-2 までの間の角度範囲
が、B軸方向許容範囲同士が互いに重なり合う範囲であ
るB軸方向重複範囲となる。
【0035】上記ステップ27では次に、図30の平面図に
示すように、構成点PS1 について、工具形状CTのアーバ
部CT1 をC軸周りに回動させて切刃部CT2 をC軸方向ベ
クトルVCの方向と逆の方向に向けるとともに、図31の断
面図に示すように、工具中心TCをその構成点PS1 に一致
させたまま切刃部CT2 をB軸周りに上記B軸方向重複範
囲内で回動させて、C軸方向ベクトルVCを含んでZ軸方
向に延在する平面PCで切った場合のB軸許容角度最小値
θB min.PS1-2 とB軸許容角度最大値θB max.PS1-2 と
における工具断面輪郭形状CTのうち外側の形状である工
具断面外側輪郭形状CTO を求め、その後、図32の平面図
で示すように、構成点PS1 を通るとともにそこからの工
具進行方向(切削方向)に垂直でZ軸方向に延在する平
面PRを設定して、その平面PR上に上記平面PC上の工具断
面外側輪郭形状CTO を構成する各点を平面PRの面直方向
に投影してから(図では平面PC上の点S1, S2が平面PR上
に投影されて点T1, T2となっており、Z軸方向の座標値
は変化していない)、図33の斜視図に示すように、その
平面PR上に投影された工具断面外側輪郭形状CTO を構成
点PS2 の位置まで工具進行方向に移動させて、3次元の
工具移動エリアTMAを作成する。
【0036】次のステップ28では、図34の平面図に示す
ように、上記工具移動エリアTMA と前記製品形状モデル
データ中の3次元の製品形状FAとの干渉チェックを行
い、干渉がある場合には続くステップ29からステップ30
へ進み、このステップ30では、一つまたは複数の干渉点
のうちで始端寄りの構成点PS1 に最も近い干渉点SKを求
め、その干渉点SKを通って上記平面PCひいては上記C軸
方向ベクトルVCに平行に延在する平面PPと工具経路CLと
の交点PKを求めて、その交点PKを新たな構成点として工
具経路CLのデータ中に追加し、次のステップ31では、そ
の追加された構成点上で、先のステップ19〜ステップ25
と同様にしてB軸方向許容範囲を求め、その後はステッ
プ27に戻って上記処理を繰り返す。
【0037】この一方上記ステップ28での干渉チェック
で干渉がない場合にはステップ29からステップ32に進
み、このステップ32では、上記工具移動エリアTMA と製
品形状FAとの干渉がなかったことからその工具移動エリ
アTMA の元になったB軸方向重複範囲すなわち上記B軸
許容角度最小値θB min.PS1-2 からB軸許容角度最大値
θB max.PS1-2 までの間の角度範囲を上記構成点対PS1,
PS2の非干渉B軸方向重複範囲とする。従って上記ステ
ップ27〜ステップ32は非干渉B軸方向重複範囲決定手段
M5に相当し、その後は図7のステップ33へ進んで同一C
軸エリア内の全ての構成点について上記処理を実行した
か否かを判断して、未だ上記処理の済んでいない構成点
があれば上記ステップ27へ戻り、先の構成点PS2 が新た
な始端寄りの構成点PS1 となる次の構成点対について上
記処理を繰り返す。
【0038】しかる後、この実施例では、さらに図8中
のステップ34〜ステップ40で、上記求めた非干渉B軸方
向重複範囲同士で互いに共通のB軸方向範囲を持つ構成
点対が連なる範囲である同一B軸エリアを求めて、その
同一B軸エリア内の各構成点につき、上記定めたC軸方
向と、上記求めたB軸方向許容範囲内の非干渉B軸方向
重複範囲同士で互いに共通のB軸方向範囲内で定めたB
軸方向とを合成して、工具干渉が生じない加工軸方向を
求め、その加工軸方向を新たな加工軸方向に決定して稜
線沿い工具経路ファイル5内に記録する。
【0039】すなわちここでは、同一C軸エリア内に位
置する複数の構成点対についてそのエリア内の工具経路
上で、切削方向における始端のものから順に、先ず図8
のステップ34で、一つの構成点対とその次の構成点対と
の上記非干渉B軸方向重複範囲同士で互いに共通すなわ
ち互いに重複する角度範囲部分があるか否かを調べ、図
35の説明図に示すように重複する角度範囲部分がある場
合には続くステップ35からステップ36へ進み、このステ
ップ36では、上記重複する角度範囲部分をそれら二つの
構成点対の非干渉B軸方向重複範囲として、次の構成点
対を次の処理対象とし、その後はステップ34に戻って上
記処理を繰り返す。
【0040】この一方、上記ステップ34で調べた結果重
複する角度範囲部分がない場合にはステップ35からステ
ップ37に進み、このステップ37では、図36に示すよう
に、ステップ34での一つの構成点対とその次の構成点対
とのうちの前者の構成点対までの工具経路範囲を同一B
軸エリアとする(図では構成点対P2, P3までを同一B軸
エリア1としている)。従って上記ステップ34〜ステッ
プ37は同一B軸エリア決定手段M6に相当し、その後のス
テップ38では、現在対象としている同一C軸エリア内の
全ての構成点対について上記処理を実行したか否かを判
断して、未だ上記処理の済んでいない構成点対があれば
上記ステップ34へ戻り、上記ステップ37での後者の構成
点対(図36では構成点対P3, P4)を次の一つの構成点対
として上記処理を繰り返す。また上記ステップ38で現在
対象としている同一C軸エリア内の全ての構成点対につ
いて上記処理を実行したと判断した場合には、次のステ
ップ39で、全ての同一C軸エリア内にある工具経路につ
いて上記処理を行ったかを判断して、上記処理を行って
いない同一C軸エリアが残っている場合には上記ステッ
プ19へ戻り、図37の平面図に示すように、全ての同一C
軸エリア(図では同一C軸エリア1,2)内にある工具
経路について上記処理を行っている場合には最後のステ
ップ40に進む。
【0041】上記ステップ40では、各同一C軸エリアに
ついて得られた各同一B軸エリアにその同一B軸エリア
の上記重複角度範囲部分内の特定のB軸角度、例えば工
具支持剛性をより高くするためにその重複角度範囲部分
内の最小角度を、B軸方向の情報として付加する。従っ
てこのステップ40は加工軸方向決定手段M3に相当し、そ
の後ここでは、上記の如くして求めた各構成点について
の工具干渉を生じないC軸方向およびB軸方向を、工具
経路データにおける各構成点での新たな加工軸方向とし
て、前記稜線沿い工具経路ファイル5内に記録する。
【0042】従ってこの実施例の装置によれば、先ずC
軸方向を、谷側に向かうとともに、X−Y平面に対する
工具経路の傾斜度に応じて製品形状から工具の基部側が
遠ざかるように定めるので、X−Y平面に対し工具経路
が傾斜している場合でも工具と製品形状とを離間させて
工具干渉を回避し易くすることができる。そしてこの発
明の装置によれば、加工軸方向をその求めたC軸方向に
維持するとともに工具先端部中心点を構成点に一致させ
たまま、C軸と直交するとともに求めたC軸方向とも直
交するB軸の周りに加工軸方向を回動させながら、Z軸
方向および求めたC軸方向に延在する互いに離間した複
数の平面の各々での製品断面輪郭形状に対する工具断面
輪郭形状の工具干渉を調べて、B軸方向についての工具
干渉の生じない範囲であるB軸方向許容範囲を求めるの
で、2次元形状同士の干渉計算のみでB軸方向許容範囲
を詳細に求め得て、工具干渉を回避し得るB軸方向ひい
てはそのB軸方向と上記工具干渉を回避し易いC軸方向
とを合成した新たな加工軸方向を、短時間の計算で確実
に決定することができる。
【0043】さらにこの実施例の装置によれば、求めた
C軸方向の互いの差異が所定範囲内の構成点が連なる範
囲である同一C軸エリア内について、全構成点で互いに
同一のC軸方向を定めるとともに、互いに隣り合う構成
点を二つづつ対にしてそれらの構成点間の位置での工具
干渉を調べ、構成点間の位置でも工具干渉が生じない非
干渉B軸方向重複範囲内で定めたB軸方向と上記定めた
C軸方向とを合成して加工軸方向を決定するので、工具
経路において構成点上のみならず構成点間の位置でも工
具干渉を確実に避け得るように新たな加工軸方向を決定
することができる。
【0044】しかもこの実施例の装置によれば、同一C
軸エリア内においてさらに、非干渉B軸方向重複範囲同
士で互いに共通のB軸方向範囲を持つ構成点対が連なる
同一B軸エリアを求めて、そこでの構成点対間で共通
の、工具干渉が生じないB軸方向範囲内で定めたB軸方
向と、上記定めたC軸方向とを合成して加工軸方向を決
定するので、工具経路において構成点上のみならず構成
点間の位置でも工具干渉を確実に避け得る新たな加工軸
方向を、上記同一B軸エリア内で一定に維持し得て、加
工軸方向の変更による工具経路の延長ひいては加工時間
の延長を可能な限り避けることができる。
【0045】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば先に述べ
たように、同一C軸エリア内でもC軸方向を揃えず、各
構成点で求めたC軸方向をそのままその構成点でのC軸
方向に定めてB軸方向を求めても良く、その場合に、そ
のまま構成点間で特にC軸方向およびB軸方向を揃えず
にそれらの方向を用いても良く、またC軸方向を揃えず
に同一B軸エリアを求めて最後に同一B軸エリア内でB
軸方向を揃えるとともに同一C軸エリア内でC軸方向を
揃えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載したこの発明のCAMシステム
用加工軸方向決定装置の構成を示す概念図である。
【図2】請求項2に記載したこの発明のCAMシステム
用加工軸方向決定装置の構成を示す概念図である。
【図3】請求項3に記載したこの発明のCAMシステム
用加工軸方向決定装置の構成を示す概念図である。
【図4】この発明のCAMシステム用加工軸方向決定装
置の一実施例の実施に用いる金型形状加工用CAMシス
テムの構成を例示する説明図である。
【図5】上記実施例のCAMシステム用加工軸方向決定
装置が実施する処理を示すフローチャートである。
【図6】上記実施例のCAMシステム用加工軸方向決定
装置が実施する処理を示すフローチャートである。
【図7】上記実施例のCAMシステム用加工軸方向決定
装置が実施する処理を示すフローチャートである。
【図8】上記実施例のCAMシステム用加工軸方向決定
装置が実施する処理を示すフローチャートである。
【図9】上記実施例の装置が処理に用いるデータにおけ
る工具経路と製品形状と工具形状との関係を例示する斜
視図である。
【図10】上記工具経路上の各構成点において求めた谷
方向ベクトルVAを示す平面図である。
【図11】上記工具経路上の構成点P4において求めた工
具経路の傾きPTを示す垂直面展開図である。
【図12】上記工具経路上の構成点P4において求めた前
後方向ベクトルVBを示す平面図である。
【図13】上記工具経路上の各構成点において求めたC
軸方向ベクトルVCを示す平面図である。
【図14】上記工具経路上の隣り合った構成点間でのC
軸方向ベクトルVCの方向の変化量の最大部位およびその
部位の中央の構成点PMを示す平面図である。
【図15】上記工具経路上で求めた複数の同一C軸エリ
アを示す平面図である。
【図16】上記実施例の装置が処理に用いるデータにお
ける工具形状を実際の工具形状と対比して示す説明図で
ある。
【図17】上記実施例の装置が各構成点での工具干渉を
チェックするために製品形状および工具形状の断面を取
る最初の平面X1の位置を示す平面図である。
【図18】上記最初の平面X1における製品形状および工
具形状の断面形状を示す断面図である。
【図19】上記最初の平面X1における製品形状と工具形
状との干渉を回避し得るB軸許容角度の最小値を求める
方法を示す断面図である。
【図20】これも上記最初の平面X1における製品形状と
工具形状との干渉を回避し得るB軸許容角度の最小値を
求める方法を示す説明図である。
【図21】これも上記最初の平面X1における製品形状と
工具形状との干渉を回避し得るB軸許容角度の最小値を
求める方法を示す断面図である。
【図22】これも上記最初の平面X1における製品形状と
工具形状との干渉を回避し得るB軸許容角度の最小値を
求める方法を示す説明図である。
【図23】これも上記最初の平面X1における製品形状と
工具形状との干渉を回避し得るB軸許容角度の最小値を
求める方法を示す断面図である。
【図24】これも上記最初の平面X1における製品形状と
工具形状との干渉を回避し得るB軸許容角度の最小値を
求める方法を示す断面図である。
【図25】上記最初の平面X1における製品形状と工具形
状との干渉を回避し得るB軸許容角度の最大値を求める
方法を示す断面図である。
【図26】上記実施例の装置が各構成点での工具干渉を
チェックするために製品形状および工具形状の断面を取
る次の平面X2の位置を示す平面図である。
【図27】上記次の平面X2における工具形状の断面形状
の取り方を示す斜視図である。
【図28】上記次の平面X2における工具形状の断面形状
の取り方を示す断面図である。
【図29】上記実施例の装置が各構成点での工具干渉を
チェックするために製品形状および工具形状の断面を取
るさらに次の平面X3の位置を示す平面図である。
【図30】上記実施例の装置が構成点対の構成点間にお
ける工具干渉をチェックするために工具形状の断面を取
る平面PCの位置を示す平面図である。
【図31】上記平面PC上での工具断面外側輪郭形状CTO
を示す断面図である。
【図32】上記平面PC上の工具断面外側輪郭形状CTO を
投影する平面PRの位置を示す断面図である。
【図33】上記平面PR上に投影された工具断面外側輪郭
形状CTO を工具経路に沿って移動させて求めた、構成点
対の構成点間における工具移動エリアTMA を示す斜視図
である。
【図34】上記工具移動エリアTMA と製品形状FAとの干
渉状態およびそこから新たな構成点を求める方法を示す
平面図である。
【図35】互いに隣り合う構成点対の非干渉B軸方向重
複範囲同士の重複部分を示す説明図である。
【図36】上記非干渉B軸方向重複範囲同士の重複部分
から求めた同一B軸エリアを示す平面図である。
【図37】上記実施例の装置が求めた複数の同一C軸エ
リアおよびそれらの同一C軸エリア内の同一B軸エリア
を示す平面図である。
【図38】従来の装置における工具形状と製品形状との
干渉チェックの要改良点を示す説明図である。
【符号の説明】
M1 C軸方向決定手段 M2 B軸方向許容範囲決定手段 M3 加工軸方向決定手段 M4 同一C軸エリア決定手段 M5 非干渉B軸方向重複範囲決定手段 M6 同一B軸エリア決定手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品形状データと、加工軸方向をNC工
    作機械の座標系のZ軸方向に固定した工具経路データ
    と、使用工具データとに基づき、前記工具経路データ中
    の加工軸方向を変更する部位について工具干渉が生じな
    い加工軸方向を求め、その求めた加工軸方向を工具経路
    データにおける新たな加工軸方向に決定するCAMシス
    テム用加工軸方向決定装置において、 前記工具経路データ中の工具経路を構成する各構成点に
    つき、前記NC工作機械の座標系のX軸およびY軸を含
    むX−Y平面上に投影した前記工具経路に対する谷向き
    方向の一定大きさの谷方向ベクトルと、そのX−Y平面
    に対する前記工具経路の傾斜度を大きさとするとともに
    その傾斜が前記工具経路上で工具進行方向に向かってZ
    値の増加方向に向かう場合は後退方向、Z値の減少方向
    に向かう場合は前進方向を向きとする前後方向ベクトル
    とに基づき、前記工具干渉が生じない加工軸方向の構成
    要素のうち、Z軸と平行なC軸の周りの方向であるC軸
    方向を求めるC軸方向決定手段(M1)と、 前記工具経路データ中の工具経路を構成する各構成点に
    ついて、工具先端部中心点をその構成点に一致させたま
    ま、前記C軸と直交するとともに前記求めたC軸方向と
    も直交するB軸の周りに加工軸方向を回動させつつ、Z
    軸方向および前記求めたC軸方向に延在する互いに離間
    した複数の平面の各々につきその平面で前記使用工具デ
    ータ中の工具形状および前記製品形状データ中の製品形
    状を切って製品断面輪郭形状に対する工具断面輪郭形状
    の工具干渉を調べて、前記工具干渉が生じない加工軸方
    向の構成要素のうち前記B軸の周りの方向であるB軸方
    向の工具干渉の生じない範囲であるB軸方向許容範囲を
    求めるB軸方向許容範囲決定手段(M2)と、 前記工具経路データ中の工具経路を構成する各構成点に
    ついて、前記求めたC軸方向と、前記求めたB軸方向許
    容範囲内で定めたB軸方向とを合成して、前記工具干渉
    が生じない加工軸方向を求め、その求めた加工軸方向を
    その構成点での新たな加工軸方向に決定する加工軸方向
    決定手段(M3)と、 を具えることを特徴とする、CAMシステム用加工軸方
    向決定装置。
  2. 【請求項2】 前記工具経路データ中の工具経路を構成
    する構成点のうち前記求めたC軸方向の互いの差異が所
    定範囲内の構成点が連なる範囲である同一C軸エリアを
    求めるとともに、その同一C軸エリア内の全構成点につ
    いて、前記求めたC軸方向の互いの差異の範囲内で互い
    に同一のC軸方向を定める同一C軸エリア決定手段(M
    4)と、 前記求めた同一C軸エリア内に位置する複数の構成点に
    ついて始端から順に、互いに隣り合う二つの構成点を対
    にしてそれら二つの構成点の前記求めたB軸方向許容範
    囲同士が互いに重なり合う範囲であるB軸方向重複範囲
    を求め、そのB軸方向重複範囲の両端位置での工具の、
    前記C軸を含んで前記定めたC軸方向に延在する平面で
    切った断面輪郭形状のうち外側の形状を前記二つの構成
    点間で繋いで3次元の工具移動エリアを作成し、その工
    具移動エリアの、前記製品形状データ中の製品形状に対
    する工具干渉を調べて、干渉がある場合にはその干渉位
    置のうち前記同一C軸エリアの始端に最も近い干渉位置
    を通る、前記C軸を含んで前記定めたC軸方向に延在す
    る平面に平行な平面と、前記二つの構成点間の工具経路
    との交点をその工具経路の新たな構成点として追加し、
    前記B軸方向許容範囲決定手段(M2)にその新たな構成
    点についてのB軸方向許容範囲を求めさせてから前記処
    理を再度繰り返すことで、工具移動エリアに工具干渉を
    生じさせないB軸方向重複範囲である非干渉B軸方向重
    複範囲を前記構成点対毎に求める非干渉B軸方向重複範
    囲決定手段(M5)と、 をさらに具え、 前記加工軸方向決定手段(M3)は、前記同一C軸エリア
    内の前記各構成点について、前記定めたC軸方向と、前
    記求めたB軸方向許容範囲内の前記非干渉B軸方向重複
    範囲内で定めたB軸方向とを合成して、前記工具干渉が
    生じない加工軸方向を求めることを特徴とする、請求項
    1記載のCAMシステム用加工軸方向決定装置。
  3. 【請求項3】 前記非干渉B軸方向重複範囲同士で互い
    に共通のB軸方向範囲を持つ前記構成点対が連なる範囲
    である同一B軸エリアを求める同一B軸エリア決定手段
    (M6)をさらに具え、 前記加工軸方向決定手段(M3)は、前記同一B軸エリア
    内の前記各構成点について、前記定めたC軸方向と、前
    記非干渉B軸方向重複範囲同士で互いに共通のB軸方向
    範囲内で定めたB軸方向とを合成して、前記工具干渉が
    生じない加工軸方向を求めることを特徴とする、請求項
    2記載のCAMシステム用加工軸方向決定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014507038A (ja) * 2011-02-28 2014-03-20 ソリッドキャム リミテッド コンピューター化された工具経路生成
US9690282B2 (en) 2011-02-28 2017-06-27 Solidcam Ltd. Computerized tool path generation

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