JPH09155257A - ワックス吹付塗布機におけるクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流動経路への凝固ワックスなどの詰まりを解
消し、順調にワックスの吹付塗布作業を行うこと。 【構成】 加熱溶解したワックスを収容する密封状のワ
ックスタンク２に、第１の電磁式の開閉弁Ｖ１を備えた
第２の高圧給気管Ｈ２を接続する。また上記ワックスタ
ンク２に第１の電磁式の逃し弁Ｖ４を備えた第１の排気
管Ｅ１を接続する。ワックスタンク２へ高圧空気を供給
し、ワックス導出管６のワックスを勢い良く流動して詰
まった凝固ワックスを吹付ガン７のノズルから噴出除去
する。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は、加熱溶解して液状化
したワックスを吹付ガンにより塗布するワックス吹付塗
布装置に係り、特に流動経路の詰まりを解消するクリー
ニング装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】固形ワックスを密封タンク内で加熱溶解
して液状化し、これを吹付ガン（スプレーガン）によっ
て対象面へ吹付塗布する装置が特開平６−２８５４２８
号の明細書に記載されて既に公知となっている。 【０００３】この従来の吹付塗布装置は、図３に示すよ
うに加熱溶解したワックスＷを収容する密封状のタンク
５２と、タンク５２に接続した低圧給気管５３と、タン
ク５２内の液状ワックスを外部へ取り出す導出管５４
と、一方の接続口５５に上記導出管５４を、他方の接続
口５６に高圧給気管５７をそれぞれ接続したスプレーガ
ン５８により構成される。 【０００４】上記において、タンク５２には具体的には
０．２〜０．５ｋｇｆ／ｃｍ²の低圧空気が供給され、
またスプレーガン５８の他方の接続口５６には２．５〜
３．０ｋｇｆ／ｃｍ²の高圧空気が供給される。またタ
ンク５２内および導出管５４には電熱ヒータと調温セン
サ（図示省略）が組み込まれており、ワックスＷは６０
〜７０度程度の定温に保持される。 【０００５】しかして作業者は、吹付対象である車体な
どの塗装面へスプレーガン５８を向け、引金を引くこと
によりワックスを微粒子化した状態で吹付塗布すること
ができる。吹付後において作業者は、常法に従ってウェ
ス、モップなどを用いて塗装面を擦るものであり、これ
によって塗装面を光沢仕上することができる。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】従来の吹付塗布装置に
おいて用いられるワックスは、蝋分を含み常温で凝固す
る固形ワックスである。このため特に冬期や寒冷地で
は、流動経路の先端部すなわちスプレーガン５６のノズ
ル近くが冷えて凝固による詰まりを生ずるという不具合
が見られた。また、ワックス内に異物が混入した場合な
どにおいても流動経路に詰まりを生じ、吹付塗布ができ
ないという問題点があった。 【０００７】本発明は、こうした従来技術の問題点に着
目してなされたものであり、流動経路の詰まりを噴出除
去することにより順調に吹付塗布作業を行うことができ
るワックス吹付塗布機におけるクリーニング装置を提供
しようとするものである。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るワックス吹付塗布機におけるクリー
ニング装置は次のようにしたものである。すなわちその
要旨とするところは、加熱溶解したワックスを収容する
密封状のタンクに開閉弁を備えた高圧給気管と逃し弁を
備えた排気管をそれぞれ設けたことにある。 【０００９】 【作用】吹付ガン、導出管などに詰まりが生じワックス
の吹付塗布ができないときは、開閉弁を開いて高圧給気
管からタンク内に高圧空気を供給する。こうすると、タ
ンクの内圧が上がるので、吹付ガンを開くことにより導
出管、吹付ガン内のワックスが勢い良く流動し、凝固し
たワックス、異物などを外方へ噴出除去することができ
る。 【００１０】詰まりを除去した後に開閉弁を閉じるが、
このときタンク内には高圧空気が残留し、このままでは
ワックス吹付塗布には適さない。従ってこのときは、排
気管の逃し弁を開いてタンク内を開放する。そして、次
に逃し弁を閉じ、低圧給気管によってタンクに低圧空気
を供給し、ワックス吹付塗布に対処する。 【００１１】 【実施例】以下、本発明に係るクリーニング装置をワッ
クス吹付塗布機とともに一実施例について説明する。 【００１２】図１において、１はワックス吹付塗布機の
本体 ２は本体１内の上部に配設したワックスタンク
３はワックスタンク２の上面部に被せた蓋体で、この蓋
体３によりワックスタンク２を密封状とする。 ４はワ
ックスタンク２の外壁部に配設した電熱ヒータ ５はワ
ックスタンク２を外套するグラスウールなどの保温層６
は一端をワックスタンク２の底部に接続し、他端を吹付
ガン７の一方の接続口に接続したフレキシブル性のワッ
クス導出管 ８は導出管６の外周部を外套する保温層で
ある。なお、上記の導出管６の外周には図示省略の電熱
ヒータを全長にわたって配設する。 【００１３】９はワックスタンク２内に設けた温度セン
サ １０は同じく液位センサ １１はワックス撹拌翼で
あり、圧力空気の噴射による反動で回転する噴気ノズル
付きの回転軸１２の下部に取りつける。なお、回転軸１
２への給気手段については後で説明する。また上記の温
度センサ９は、加熱溶解されれたワックスの液温を計測
するものであり、所定温度に達したとき、図２に示す操
作パネル１３の準備完了表示ランプ１４を点灯する。ま
たこの温度センサ９は、電熱ヒータ４を入切操作して液
温度を一定に保持する。 【００１４】２２はワックスタンク２の側方に設けた洗
浄液タンク ２３は洗浄液タンク２２の蓋体 ２６は一
端を洗浄液タンク２２の底部に接続し、他端を吹付ガン
２７の一方の接続口に接続したフレキシブル性の洗浄液
導出管 ３０は洗浄液タンク２２内に設けた液位センサ
３１は洗浄液撹拌翼であり、圧力空気の噴出による反
動で回転する回転軸３２の下部に取りつける。この回転
軸３２の給気手段については後で説明する。 【００１５】次にＲ１、Ｒ２は本体１の下部に配置した
直列接続の第１および第２のレギュレータ Ｆは空気フ
ィルタ Ｃは第１のレギュレータＲ１に接続したコンプ
レッサなどの空気源である。なお一実施例では第１のレ
ギュレータＲ１の設定圧力を高圧の３．０ｋｇｆ／ｃｍ
²に、また第２のレギュレータＲ２の設定圧力を低圧の
０．５ｋｇｆ／ｃｍ²にしてある。これらレギュレータ
Ｒ１、Ｒ２によって設定された圧力空気は、第１〜第３
の電磁式の開閉弁Ｖ１〜Ｖ３を介して、或は介さずにワ
ックス用の吹付ガン７、洗浄液用の吹付ガン２７および
ワックスタンク２、洗浄液タンク２２に供給される。 【００１６】ワックス用の吹付ガン７には、第１の高圧
給気管Ｈ１によって高圧空気を、ワックスタンク２には
第１の電磁式の開閉弁Ｖ１を備えた第２の高圧給気管Ｈ
２によってそれぞれ高圧空気を供給する。また撹拌翼１
１を有する回転軸１２には第２の電磁式の開閉弁Ｖ２を
備えた第３の高圧給気管Ｈ３によって高圧空気を供給す
る。 【００１７】洗浄液用の吹付ガン２７には、第４の高圧
給気管Ｈ４によって、また洗浄液タンク２２には第５の
高圧給気管Ｈ５によって高圧空気をそれぞれ供給する。
また撹拌翼３１を有する回転軸３２には第３の電磁式の
開閉弁Ｖ３を備えた第６の高圧給気管Ｈ６によって高圧
空気を供給する。ワックスタンク２には、第２のレギュ
レータＲ２で設定した低圧空気を低圧給気管Ｌ１によっ
て供給する。 【００１８】Ｅ１はワックスタンク２に接続し、かつ第
１の電磁式の逃し弁Ｖ４を備えた第１の排気管 Ｅ２は
洗浄液タンク２２に接続し、第２の電磁式の逃し弁Ｖ５
を備えた排気管である。なお、上記した第１〜第３の電
磁式の開閉弁Ｖ１〜Ｖ３および第１、第２の電磁式の逃
し弁Ｖ４、Ｖ５は何れも通電時開形の２ポート切換弁で
ある。 【００１９】一実施例に係るワックス吹付塗布装置の構
成は上記の通りであり、次のように操作して作業を行
う。 【００２０】最初に蓋体３を開け、ワックスタンク２内
に市販などの固形ワックスを投入する。投入後は蓋体３
を閉め密封する。そして次に電熱ヒータ４に通電してタ
ンク２を加熱し、ワックスを溶解する。また一方におい
ては、開閉弁（図示省略）を開いて第１のレギュレータ
Ｒ１に空気源減Ｃを接続する。上記の空気源Ｃの接続に
よってワックスタンク２に低圧空気が流入してタンクの
内圧が上がるので、液状化したワックスが導出管６を通
って吹付ガン７の一方の接続口まで達する。 【００２１】また空気源Ｃの接続時において、吹付ガン
７の他方の接続口には高圧空気が供給される。以上の準
備作業が終了したならば、吹付ガン７を対象物である車
体の塗装面に向け、引金を操作して吹付塗布作業を行
う。吹付ガン７のノズルからはワックスが微粒子状とな
って噴出するもので、一般的な塗料の塗装と同様に対象
物に均一に塗布することができる。 【００２２】塗布されたワックスは対象面に被着して固
化するものであり、常法にしたがってウェス、モップな
どによって擦ることにより、対象面を光沢仕上すること
ができるものである。 【００２３】上記の固形ワックスは、カルバナ蝋などの
蝋分を主成分とし、これをシリコンオイル、植物性油脂
などによって溶解したものであって、加熱状態のまま長
時間放置すると主成分と溶剤が分離する。従ってこの状
態において吹付塗布を行ったときは十分なワックス効果
が得られない。 【００２４】この場合においては、図２に示す操作パネ
ル１３のワックス撹拌スイッチ１５を操作し、第２の電
磁式の開閉弁Ｖ２を開き、回転軸１２を回転駆動する。
これによって撹拌翼１１が液状ワックスを撹拌し、各種
成分を均一に混合することができる。 【００２５】なお上記において高圧空気の噴射を行うと
きは、第１の電磁式の逃し弁Ｖ４を開いて排気を行いワ
ックスタンク２の内圧が上がらないようにする。撹拌翼
１１の回転時間と排気時間の設定、すなわち第２の電磁
式の開閉弁Ｖ２と第１の電磁式の逃し弁Ｖ４の動作をタ
イマーを用いた電気的シーケンス制御で行うことは設計
上において容易である。 【００２６】以上のようにして撹拌動作が行われたなら
ば、第２の電磁式の開閉弁Ｖ２を閉じ、続いて第１の電
磁式の逃し弁Ｖ４を閉じた状態とし、ワックスタンク２
が所定の内圧に設定される僅かな時間を待って、吹付塗
布作業を行うようにする。このワックスの撹拌混合によ
って成分むらのないワックスの吹付塗布を行うことがで
きる。 【００２７】また上記の固形ワックスは常温で凝固する
ものであり、特に外気温度の低い冬期や寒冷地において
この傾向は顕著である。このような場合においては、吹
付ガン７の先端ノズル部でワックスが固化して詰まり、
吹付塗布ができないことが生ずる。 【００２８】このようなときには、図２に示す操作パネ
ル１３のクリーニングスイッチ１６を操作して第１の電
磁式の開閉弁Ｖ１を開き、ワックスタンク２に高圧空気
を供給する。タンク２の内圧が上がった状態で引金を操
作すると、導出管６を通ってワックスが勢い良く流動
し、詰まった固化ワックスをノズルから噴出することが
できる。 【００２９】なお上記の状態のままでは、ワックスタン
ク２の内圧が高過ぎて吹付塗布作業には適さない。よっ
て、このときには第１の電磁式の開閉弁Ｖ１を閉じると
共に第１の逃し弁Ｖ４を開いてタンク２の内圧を下げ、
そして続いて上記の逃し弁Ｖ４を閉じるようにしてワッ
クスタンク２を所定の低圧状態にする。 【００３０】なお上記のワックスタンク２の内圧を下げ
るための第１の開閉弁Ｖ４の操作を含めて、それ以降の
動作をタイマーを用いた電気式シーケンス制御によって
行うようにすることは設計上容易である。また上記にお
いては、ワックス固化による詰まりについて説明した
が、異物の混入による流動経路の詰まりについても同様
にして解消することができる。 【００３１】上記の一実施例では、第１の電磁式の開閉
弁Ｖ１の操作によって高圧空気をタンク２に流入して詰
まりを解消したが、この代わりに第２の電磁式の開閉弁
Ｖ２を使用することもできる。この場合は、同時にワッ
クスの撹拌動作を伴うが支障になることはない。 【００３２】次に本発明に係るワックス吹付塗布装置の
要旨ではないが、ワックス掛けの前作業として行う水垢
取り作業について説明する。 【００３３】この水垢取り作業を行う場合は、洗浄液を
タンク２２に供給した後に蓋体２３でタンクを密封し、
吹付ガン２７の引金を操作して車体の対象面に吹き付け
る。吹付ガン２７からは洗浄液が微粒子状となって噴射
されるもので、無駄なく一様に対象面へ塗布することが
できる。 【００３４】塗布後は常法に従ってウェスなどで拭き取
るようにすれば良いもので、汚れをきれいに落とすこと
ができ、前述のワックス掛けをより効果的に行うことが
できる。なお、第２の電磁式の開閉弁Ｖ５を開いた状態
で第３の電磁式の開閉弁Ｖ３を開けば、回転軸３２によ
り撹拌翼３１が回転するものであり、これによって洗浄
液を混合することができる。 【００３５】 【発明の効果】このように本発明に係るワックス吹付塗
布機におけるクリーニング装置は、ワックスタンクに高
圧をかけて流動経路の詰まりを解消したものである。こ
のため、簡単な操作で常に順調にワックスの吹付塗布を
行うことができるという優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】 【図１】この発明に係るクリーニング装置を備えたワッ
クス吹付塗布機の一実施例を示す説明図である。 【図２】同じくワックス吹付塗布機における操作パネル
の説明図である。 【図３】従来のワックス吹付塗布装置の説明図である。 【符号の説明】 ２ ワックスタンク（タンク） ６ ワックス導出管（導出管） ７ 吹付ガン １１ ワックス撹拌翼 １３ 操作パネル １６ クリーニングスイッチ Ｖ１ 第１の電磁式の開閉弁（開閉弁） Ｈ２ 第２の高圧給気管（高圧給気管） Ｌ１ 低圧給気管 Ｅ１ 第１の排気管（排気管） Ｖ４ 第１の電磁式の逃し弁（逃し弁）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 加熱溶解したワックスを収容する密封状のタンクと、タ
   ンクに接続した低圧給気管と、タンク内の液状ワックス
   を外部へ取り出す導出管と、一方の接続口に上記導出管
   を、他方の接続口に高圧給気管をそれぞれ接続した吹付
   ガンとを備えたワックス吹付塗布機において、 上記タンクに、開閉弁を備えた高圧給気管と逃し弁を備
   えた排気管とをそれぞれ設けたことを特徴とするワック
   ス吹付塗布機におけるクリーニング装置。