JPH09155197A - 炭化水素油の水素化処理触媒 - Google Patents

炭化水素油の水素化処理触媒

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JPH09155197A
JPH09155197A JP7347278A JP34727895A JPH09155197A JP H09155197 A JPH09155197 A JP H09155197A JP 7347278 A JP7347278 A JP 7347278A JP 34727895 A JP34727895 A JP 34727895A JP H09155197 A JPH09155197 A JP H09155197A
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catalyst
molybdenum
additive
oxide
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JP7347278A
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Yuji Uragami
裕次 浦上
Eiji Yokozuka
英治 横塚
Kisao Uekusa
吉幸男 植草
Eiji Yamaguchi
英治 山口
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素油の水素化脱硫、脱窒素処理に際し
て従来の触媒に比べて脱硫及び脱窒素に対してより高い
活性を持った触媒を提供すること。 【解決手段】 アルミナ担体と、モリブデンの酸化物、
ニッケルまたはコバルトの酸化物、リンの酸化物および
還元性有機添加剤とにより構成され触媒であって、モリ
ブデン酸化物中のモリブデン原子の平均酸化数が5価以
上6価未満であり、かつX線光電子分光法によるモリブ
デン3d5/2軌道ピークが230.8eV以上23
2.4eV未満であることを特徴とする炭化水素油の水
素化処理触媒である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重油、灯軽油類等
の原油に由来する炭化水素油の脱硫や脱窒素のために用
いられる水素化処理用触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】重油や軽油を始めとする原油に由来する
炭化水素油には、硫黄原子や窒素原子が数%程度含まれ
ている。これらの硫黄および窒素は、燃焼時に大気汚染
物質である硫黄酸化物(SO)や窒素酸化物(N
)を生成する。また硫黄および窒素原子は、炭化水
素油の分解反応や転化反応においても触媒毒となって、
これらの反応効率を低下させる原因にもなっている。こ
のような観点から、これら硫黄および窒素を効率よく除
去するための水素化処理技術は重要であり、常にこれに
用いるための触媒活性の向上が求められている。
【0003】現在、水素化処理触媒は、アルミナやシリ
カ等の担体に、コバルト、ニッケル、モリブデン、タン
グステン等の活性金属を含浸担持させ、空気中で焼成し
て調製されている。そして、一般にこれら水素化処理触
媒の触媒活性は、活性金属酸化物および予備硫化後に生
成する活性金属硫化物の分散性に強く影響されるといわ
れている。このために触媒調製に際しては、活性金属の
分散性を高める目的で、活性金属酸化物と担体が複合酸
化物を作らない範囲でできるだけ焼成温度を高くするこ
とが行われている。
【0004】ところで、水素化処理触媒の活性は、活性
金属の分散性だけでなく、触媒活性種の硫化度にも強く
影響される。該硫化度の目安となる活性金属の易硫化性
は、金属酸化物と担体の相互作用が強いほど低くなる。
また、金属酸化物と担体の相互作用は、金属酸化物の分
散性が高いほど強いとされている。そのため、活性金属
酸化物の分散性を改善するだけでは、金属酸化物の易硫
化性が低下するので予期したほど触媒活性の向上は期待
できない。
【0005】一方、金属酸化物の易硫化性を高めること
で触媒活性種の硫化度を改善し、触媒活性の向上を図る
方法もある。この改良方法においては、焼成工程を省略
することで金属酸化物と担体との相互作用を小さくする
ことができる。しかし、このような方法で調製された触
媒では、触媒活性種の硫化度を高くすることは可能であ
っても、担持された金属酸化物の分散性は低下するし、
また活性金属酸化物の易硫化性が高過ぎる結果、予備硫
化処理工程における触媒活性種の凝集が進行し易くな
り、触媒寿命が低下するという欠点を生ずる。
【0006】特公平5−69582号公報には、触媒活
性種の高い硫化度と高い分散性とを両立させることを目
的とした改良例が示されている。該公報には、ニトリロ
三酢酸などの窒素含有配位子と水素添加金属酸化物とを
接触させた溶液をシリカ担体に担持させた水素化処理触
媒は高い活性を有することが記載されている。また、該
公報には、「本発明の触媒は大きなクリスタライトに硫
化する三次元の酸化物格子の形成を抑止する点で共通し
ていると考えられる方法によって製造される」と記載さ
れており、さらに「大きな窒素含有有機配位子をM
位置に配位することによって、これらの配位子M
格子中に詰め込まれるのを阻止することを含む」と記
載されている。そして、該公報記載の方法では、添加剤
である含窒素化合物とモリブデン化合物が錯体を形成
し、高い分散性を保ったまま硫化されているものと考え
られる。しかしながら、該公報中に記載された触媒は、
易硫化性が高いために触媒活性種の凝集が進行しやす
く、たとえ金属酸化物の分散性が高くなったとしても、
硫化後に生成する硫化物の分散性が高く維持されるとは
考えられない。
【0007】また、米国特許第5,338,717号明
細書には、モリブデンやタングステンのヘテロポリ酸塩
を担体に担持し、ハイドロキノン等の添加物を加えて2
00℃以下で乾燥した触媒が炭化水素油の脱硫に高い活
性を示すことが記載されている。また、ハイドロキノン
等の添加剤は、担持されたヘテロポリ酸塩の部分還元に
使用され、添加剤としては硫化水素や二酸化硫黄などの
無機物も使用できるとしている。しかし、該米国特許明
細書中に記載されている添加剤のうち、ハイドロキノン
やスクロースなどの固体添加物は、担体細孔内でコーキ
ングしやすく、触媒寿命が短くなるという問題がある。
また、硫化水素や二硫化硫黄のような強い無機還元剤を
用いた場合、モリブデン酸化物の形態が硫化されにくい
4価以下になる可能性が高い。そしてこのような酸化物
が形成されると触媒活性種の硫化度は極めて低くなり、
触媒活性が著しく低下するという問題を生ずる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた水素化処理
触媒についての先行技術についての知見をまとめると次
にようになる。即ち、触媒活性種の分散性と硫化度は触
媒活性に強い影響を与えるが、担持された金属酸化物の
分散性を向上させると、触媒活性種の硫化度は低下して
しまう。また、触媒活性種の硫化度を向上させると、活
性金属酸化物の分散性が低下してしまう。さらに、硫化
度を向上させるために易硫化性を高めると触媒活性種の
凝集が進行しやすくなる。
【0009】このように、従来の触媒製造技術では触媒
活性種の高い分散性と高い硫化度とを両立させることは
難しく、従って分散性と硫化度の面から触媒活性の改善
を図ることは困難であり、その結果十分に高い脱硫、脱
窒素活性を有する炭化水素油の水素化処理用触媒を提供
することができなかった。
【0010】本発明は、現状の水素化処理触媒における
上記の問題点に鑑みてなされたものであり、従来の触媒
に比べて脱硫及び脱窒素に対してより高い活性を持った
触媒を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明は、アルミナ担体に、モリブデンの酸化物、
ニッケルまたはコバルトの酸化物、リンの酸化物および
還元性有機添加剤とにより構成された触媒であって、モ
リブデン酸化物中のモリブデン原子の平均酸化数が5価
以上6価未満であり、かつX線光電子分光法によるモリ
ブデン3d5/2軌道ピークが230.8eV以上23
2.4eV未満であることを特徴とする炭化水素油の水
素化処理触媒である。
【0012】即ち、本発明者らは鋭意検討の結果、触媒
中のモリブデンの酸化数を制御することにより、易硫化
性と活性金属種の凝集を適度に制御できるのではないか
と考え、モリブデンの酸化数と硫化度との関係および最
適な還元剤について研究を重ねた結果、触媒に含有され
るモリブデンの平均酸化数が5価以上6価未満であると
き、即ちX線光電子分光法で測定されるモリブデン3d
5/2軌道のピークが230.8eV以上232.4e
V未満であるとき(但し、三酸化二アルミニウム中のA
l2p軌道電子の結合エネルギーを74.2eVとした
ときの値)、触媒活性種の高い硫化度を達成でき、且つ
触媒活性種の凝集も抑制されることを見出し、またさら
に、モリブデン酸化物の還元に用いる還元剤として、常
温で液状で且つ粘度が低く、予備硫化開始時まで触媒中
に残存し得るような有機添加剤を用いるときは、部分還
元されたモリブデン酸化物の高い分散性と還元状態の維
持およびコーキングの防止と還元反応の適度の抑制を行
い得ることを見出し上記本発明を完成したのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。上記したように本発明は重油、軽油
等の原油に由来する炭化水素油中の硫黄分や窒素分を低
減するために使用される水素化処理用触媒に関するもの
であり、アルミナ担体に、モリブデンの酸化物、ニッケ
ルまたはコバルトの酸化物、リンの酸化物および還元性
有機添加物を含浸させて構成されたものであって、該還
元性有機添加物によって部分還元された酸化数5価以上
6価未満のモリブデン酸化物が、該還元性有機添加剤中
に存在することを特徴とするものである。
【0014】モリブデンの酸化数は、通常触媒調製時に
は、6価の酸化物(MoO)であるが、予備硫化工程
において4価の硫化物(MoS)に変換される。この
硫化反応を起こさせるための牽引力は、モリブデンの6
価から4価への還元反応であり、モリブデン酸化物の酸
化数が低いほど反応は進行し難くなる。本発明は、この
原理を応用してモリブデンの酸化物の反応を制御し、触
媒活性種において高い硫化度を達成しつつ、凝集の進行
を抑制するようにしたものである。
【0015】本発明においては、触媒に含まれるモリブ
デン原子の平均酸化数を、通常の三酸化物の酸化数より
も硫化反応が進行し難く、かつ硫化反応が十分に進行し
得る程度の範囲とすることが肝要である。従って、モリ
ブデンの平均酸化数は、4価以上6価未満(X線光電子
分光法で測定したモリブデン3d5/2軌道のピークが
229.3eV以上232.6eV未満、三酸化二アル
ミニウム中のAl2p軌道電子の結合エネルギーを7
4.2eVとしたときの値)であればよいが、好ましく
は、X線光電子分光法で測定したモリブデン3d5/2
軌道のピークが230.8eV以上232.4eV未
満、最も好ましくは231.6eX以上232.4eV
がよい。モリブデンの酸化数が上記の範囲内に存在すれ
ば、金属酸化物の硫化反応が適度に抑制されるので触媒
活性種の凝集を防ぎながら高い硫化度を達成することが
できる。酸化数が上記の範囲よりも大きい場合には硫化
反応が抑制されないため凝集が進行し、また酸化数が小
さすぎる場合には硫化反応が十分に促進されないために
触媒活性種の硫化度が低下し、いずれの場合にも本発明
の目的を達成することはできない。
【0016】また、本発明の触媒においては、予備硫化
処理開始時まで上述の部分還元体を含む金属酸化物種が
添加剤中に溶解することで、金属酸化物種の高い分散性
とモリブデン酸化物の還元度を維持することができる。
従って、還元剤としては、触媒中のモリブデン酸化物を
適度に還元することができ、かつ予備硫化工程開始時ま
で触媒中に残留するものであればよく、例えばアルコー
ル類、アルデヒド類、ケトン類等が挙げられる。これら
のうち1分子当たりの炭素数が2〜8の2価のアルコー
ル類およびこれらの混合物が好ましい。例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール等である。また、平均
分子量が200から600の範囲にあるポリエチレング
リコール類も好ましい。
【0017】また、常温において単独で固体の物質であ
って、上記添加物と混合することにより液体となる還元
性添加剤も使用可能である。これらの固体添加剤として
は、例えば、糖類、アスコルビン酸およびその誘導体、
フェノールおよびその誘導体、サリチル酸およびその誘
導体等が挙げられる。しかし、これらの固体添加剤は、
触媒細孔内でコーキングを起こしやすい性質があるので
使用に際してはその添加量を可及的に少なくするなどの
配慮をする必要がある。具体的には、上記液体添加剤の
30重量%を超えないように添加することが望ましい。
添加剤のうち最適なものとしては、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールおよび平均分子量200乃
至400のポリエチレングリコールが挙げられる。
【0018】本発明の触媒の調製方法は、モリブデン酸
化物が部分還元され、且つ生成した部分還元体を還元性
有機添加剤中に溶解した状態にできるのであれば、特に
制限はない。例えば、還元性添加剤と活性金属酸化物を
含む溶液を1液で調製し、アルミナ担体に含浸させる方
法(1段含浸法)がある。この方法は、金属酸化物と添
加剤の含浸を1回の処理で終了させることができるの
で、生産効率を高くすることができる。他の調製方法と
しては、アルミナ担体に種々の活性金属を含む含浸液を
担持させ、一旦乾燥した後に還元性添加含む溶液を含浸
させる方法、および活性金属酸化物が担持された焼成触
媒に還元性添加剤を含浸させる方法等が挙げられる。こ
れらの方法は、添加剤のみを含む溶液を触媒等に含浸さ
せるので、金属酸化物を含む溶液に比べて含浸液の粘性
が低くなるので、使用できる添加剤の種類や添加量を増
やすことができる利点を有する。
【0019】還元性添加剤の添加量は、触媒中のモリブ
デン酸化物を部分還元することができ、かつ部分還元さ
れたモリブデン酸化物が添加剤中に十分に溶解できる量
であればよい。従って、その添加量は、被還元物質であ
るモリブデン酸化物の量を基準とした値、および添加剤
の絶対量とみなされる全細孔容積を基準とした値で示さ
れるべきである。好ましい添加量の下限は、触媒中に含
まれるモリブデンのモル数の0.05倍または担体の全
細孔容積(吸水量で示される)の2%に相当する量のど
ちらよりも多い量であるが、最適にはモリブデンのモル
数0.1倍または担体の全細孔容積の5%に相当する量
のどちらよりも多い量であることが望ましい。これらの
好ましい添加量よりも少ない量の場合、モリブデン酸化
物の部分還元が不十分となったり、部分還元体が添加剤
中に溶解できなくなるため好ましくない。
【0020】また、添加剤の添加量が多すぎる場合も触
媒活性が悪化するので好ましくない。これは、添加剤の
作用や効果に悪影響を与えるのではなく、触媒調製時に
触媒の乾燥が困難になったり、含浸液の粘性が高くなり
過ぎて担体に対する活性金属の含浸性や、担持された活
性金属の分布が悪化するためである。また、含浸液の粘
性が大きく変化するため、添加量の上限も変化する。こ
れらの理由から、添加量の上限を一元的に定めることは
困難であるが、以下に代表的な触媒調製法とその方法に
好ましい添加量の上限を示す。なお、添加剤の上限とし
ては添加する絶対量が最も重要である。従って、ここで
は細孔容積に対する割合のみで示した。
【0021】表1は金属酸化物と添加剤とを混合した含
浸液を用いた場合(1段含浸法)についての値を示す。
【表1】 添加剤の種類 粘性(20℃)/cps 全細孔容積に対す る添加剤の割合 エチレングリコール 21 〜60% プロピレングリコール 56 〜50% ジエチレングリコール 38 〜50% トリメチレングリコール 56 〜50% トリエチレングリコール 48 〜50% テトラエチレングリコール 58 〜50% ポリエチレングリコール 61 〜50% (平均分子量200) ポリエチレングリコール 100 〜40%(平均分子量400)
【0022】表2にアルミナ担体に種々の活性金属酸化
物を含む含浸液を担持させ、一旦乾燥した後に還元性添
加剤を含む溶液を含浸させる調製法および活性金属酸化
物が担持された焼成触媒に還元性添加剤溶液を含む溶液
を含浸させる調製を採用した場合についての値を示す。
【表2】 添加剤の種類 粘性(20℃)/cps 全細孔容積に対す る添加剤の割合 エチレングリコール 21 〜80% プロピレングリコール 56 〜80% ジエチレングリコール 38 〜80% トリメチレングリコール 56 〜70% トリエチレングリコール 48 〜70% テトラエチレングリコール 58 〜70% ポリエチレングリコール 61 〜70% (平均分子量200) ポリエチレングリコール 100 〜70%(平均分子量400) 上記表1及び表2の添加量は、いずれも添加剤を単独で
加えた場合の目安であり、複数種類の添加剤を加えると
きは、上記の数値を目安として添加量を定めるとよい。
【0023】また、本発明に用いられる還元性有機添加
剤は、沸点が低すぎると触媒乾燥時や予備硫化前に行わ
れる処理で添加剤が消失してしまい、金属酸化物の高い
分散性と還元度を維持することができなくなる。従っ
て、本発明に用いられる添加剤は、ある程度の高い沸点
を持つ必要がある。次に参考のため上記添加剤の沸点を
表3に示す。ポリエチレングリコール類は混合物である
ために明確な沸点を示さないので省略したが、それらの
おおよその沸点は該ポリエチレングリコールの平均分子
量とほぼ同じ分子量を有する2価のアルコール類(例え
ば、平均分子量200のテトラエチレングリコール)の
値に近い。
【表3】 添加剤の種類 沸 点(℃) エチレングリコール 197 プロピレングリコール 188〜189 ジエチレングリコール 245 トリメチレングリコール 210〜211 トリエチレングリコール 285テトラエチレングリコール 58 327 表3から分かるように本発明で用いられる添加剤は十分
に高い沸点を有している。
【0024】また本発明の触媒では、部分還元モリブデ
ン酸化物が還元性有機添加剤中に溶解した状態を予備硫
化工程に供されるまで維持することが重要である。した
がって、触媒調製時において還元性添加剤を加えた後の
処理は、添加剤が触媒中に残存し、かつモリブデン酸化
物の添加剤による還元反応が十分に進行する条件であれ
ばよい。なお、その最適条件は触媒の調製法や添加剤に
よって異なるが、常圧、空気中で30℃から200℃の
温度範囲で乾燥することが好ましく、最適には常圧、空
気中で100℃から180℃の温度範囲である。
【0025】また本発明の触媒の組成としては、モリブ
デンが10から30重量%(三酸化物として)、ニッケ
ルまたはコバルトが1から8重量%(一酸化物とし
て)、リンが1から10重量%(五酸化二リンとして)
の範囲が好ましいが、モリブデンとニッケルの組み合わ
せが水素化脱窒素反応に有効であること、およびモリブ
デンとコバルトの組み合わせが水素化脱硫反応に有効で
あることは既に公知である。
【0026】また、本発明の触媒において、担体として
使用されるアルミナは従来この種の触媒で用いられてい
る形態のもの、例えば、γ−アルミナ等を使用すること
ができるが、この場合、特に水銀圧入法で測定した結果
が平均細孔直径が70〜120オングストロームの範囲
で、且つ平均細孔直径±10オングストロームの範囲に
あるる細孔が全細孔容積の60%以上を占めるようなγ
−アルミナであることが望ましい。このようなγ−アル
ミナ担体は、例えばアルミン酸ソーダと硫酸アルミニウ
ムとの加水分解により得られるアルミナ水和物を混練し
て一定形状に成型し、次いで500℃以上の温度で焼成
することによって得られる。
【0027】また、本発明においては、上記したような
細孔に関する条件さえ満足すれば担体形状には特に拘る
ものでなく、従来からこの種の触媒において採用されて
いる形状、例えば粉状、球形、円筒形、三つ葉状、四つ
葉状など任意の形状を採ることができる。
【0028】また、触媒担体として用いられるアルミナ
に要求されるその他の特性としては、担持させる活性金
属をより高度に分散させるために、比表面積が大きいこ
とが必要である。また、アルミナは均一粒子の凝集体で
あることが必要であり、特に細孔が担体全体に均一に分
布していること、ならびに、その大きさが可及的に揃っ
ていることが望ましい。このようにして得られた触媒
は、そのまま反応塔に充填して、従来のこの種触媒に適
用されるのと同様の方法で予備硫化処理を行い、直ちに
実操業に供することができる。
【0029】さらにまた、本発明の触媒においては、担
体として上記したアルミナ以外の無機酸化物担体、例え
ば、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、シリ
カアルミナおよびこれらの無機酸化物の複合酸化物、混
合酸化物、これら無機酸化物とアルミナとの混合酸化物
または複合酸化物を用いることもでき、この場合におい
ても同様の優れた効果が得られる。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。実
施例においては、本発明の触媒を水素化脱窒素処理に適
用した例と、水素化脱硫処理に適用した例について行っ
たが、先ず、実施例1乃至4においては、本発明の触媒
を水素化脱窒素触媒に適用したものについて比較例とと
もに示す。 実施例1 細孔容積0.70ml/gを有するγ−アルミナ担体1
kgに三酸化モリブデン240gと、硝酸ニッケル6水
和物207gと、85%リン酸65gと、ジエチレング
リコール0から537gを溶解させた含浸液を加え、十
分に撹拌した後に、100℃で16時間、さらに150
℃で2時間放置し、還元反応を進行させながら、触媒中
の水分を除去して触媒AA乃至AFを調製した。調製さ
れた触媒の500℃焼成物に含まれる各成分の重量百分
率は、三酸化物としてモリブデンが18%、一酸化物と
してニッケルが4%,五酸化二リンとしてリンが3%で
ある。また、触媒における、添加金属量と全細孔容積を
基準として定めた添加剤の添加量、各処理条件による添
加剤の残存率、モリブデンの酸化数、X線光電子分光法
による測定結果を表4に示す。
【0031】表4のうち触媒AAからACは本発明例を
示し、ADおよびAEは添加量が適切でない比較例を、
AFは添加剤を加えていない比較例を示した。また触媒
AGからAIは、触媒AAを表4に示した条件で処理し
たもので、AGは500℃で処理した比較例、AHは3
00℃で乾燥した比較例、AIは水素で還元した比較例
である。またさらに、従来例として、添加剤を加えずに
調製した触媒AFを500℃の空気中で焼成した触媒A
Zを調製した。
【0032】なお、表中に示された添加剤の残存率は次
の数式1から求めた。
【数1】残存率%=(触媒重量−500℃焼成後の触媒
重量)/処理前の触媒重量×100
【0033】また、モリブデンの酸化数の測定は、XP
S(X線光電子分光法)を用いて、モリブデン3d5/
2軌道電子の結合エネルギーで評価した。測定には、V
G.サイエンティフィック(VG Scientifi
c)社製ESCELAB−5型X線光電子分光装置を用
い、測定条件は、加速電圧10kV、エミッション電流
20mAとした。また、測定の基準エネルギーとしては
担体アルミナ中に存在するアルミニウムのAl2p軌道
電子の結合エネルギー74.2eVを用いた。
【0034】
【表4】 触媒 AA AB AC AD AE AF AG AH AI AZ 添加剤添加量(g) 179 17.9 358 3.6 537 0 179 179 179 0 Moモル数 基準(倍) 1.00 0.10 2.00 0.22 3.00 0 1.00 1.00 1.00 0 全細孔容積 基準(倍) 23 2.3 46 0.5 69 - - - - - 添加剤 残存率 (%) 100 100 100 100 100 - 0 3 5 - 処理条件 雰囲気 Air Air H2 Air 温度 none none none none none none 500 300 300 500 時間 1hr 1hr 2hr 1hr モリブデン 酸化数 XPS B.E.(eV) 231.9 232.1 231.8 232.4 231.9 232.7 2
32.8 232.6 229.1 232.8
【0035】実施例2 実施例1のジエチレングリコールをトリエチレングリコ
ールに代えた以外は実施例1と同様の方法で触媒BA乃
至BIを調製した。調製された触媒の500℃焼成物に
含まれる各成分の重量百分率は、三酸化物としてモリブ
デンが18%、一酸化物としてニッケルが4%,五酸化
二リンとしてリンが3%である。また、触媒における、
添加金属量と全細孔容積を基準として定めた添加剤の添
加量、各処理条件による添加剤の残存率、モリブデンの
酸化数、X線光電子分光法の測定結果を表5に示す。
【0036】表5のうち触媒BAからBCは本発明例を
示し、BDおよびBEは添加量が適切でない比較例を、
BFは添加剤を加えていない比較例を示した。また触媒
BGからBIは、触媒BAを表5に示した条件で処理し
たもので、BGは500℃で処理した比較例、BHは3
00℃で乾燥した比較例、BIは水素で還元した比較例
である。またさらに、表4と同様の従来法による触媒A
Zを比較例として併示した。
【0037】
【表5】 触媒 BA BB BC BD BE BF BG BH BI AZ 添加剤添加量(g) 190 25.4 380 5.1 633 0 190 190 190 0 金属量モル数 基準(倍) 0.75 0.10 1.50 0.02 2.50 0 0.75 0.75 0.75 0 全細孔容積 基準(倍) 24 3.2 48 0.6 80 - - - - - 添加剤 残存率 (%) 100 100 100 100 100 - 0 3 6 - 処理条件 雰囲気 Air Air H2 Air 温度 none none none none none none 500 300 300 500 時間 1hr 1hr 2hr 1hr モリブデン 酸化数 XPS B.E.(eV) 231.9 232.2 231.8 232.3 232.0 232.7 2
32.8 232.7 229.0 232.8
【0038】実施例3 実施例1のジエチレングリコールをポリエチレングリコ
ール#200(平均分子量200)に代えた以外は実施
例1と同様の方法で触媒CA乃至CIを調製した。調製
された触媒の500℃焼成物に含まれる各成分の重量百
分率は、三酸化物としてモリブデンが18%、一酸化物
としてニッケルが4%,五酸化二リンとしてリンが3%
である。各触媒における、添加金属量と全細孔容積を基
準として定めた添加剤の添加量、各処理条件による添加
剤の残存率、モリブデンの酸化数、X線光電子分光法の
測定結果を表6に示す。
【0039】表6のうち触媒CAからCCは本発明例を
示し、CDおよびCEは添加量が適切でない比較例を、
CFは添加剤を加えていない比較例を示した。また触媒
CGからCIは、触媒CAを表5に示した条件で処理し
たもので、CGは500℃で処理した比較例、CHは3
00℃で乾燥した比較例、CIは水素で還元した比較例
である。またさらに、表4と同様の従来法による触媒A
Zを比較例として併示した。
【0040】
【表6】 触媒 CA CB CC CD CE CF CG CH CI AZ 添加剤添加量(g) 169 16.9 338 6.8 676 0 169 169 169 0 Moモル数 基準(倍) 0.50 0.05 1.00 0.02 2.00 0 0.50 0.50 0.50 0 全細孔容積 基準(倍) 21 2.1 42 0.9 86 - - - - - 添加剤 残存率 (%) 100 100 100 100 100 - 0 5 7 - 処理条件 雰囲気 Air Air H2 Air 温度 none none none none none none 500 300 300 500 時間 1hr 1hr 2hr 1hr モリブデン 酸化数 XPS B.E.(eV) 231.8 232.0 232.1 232.2 231.8 232.7 2
32.8 232.7 228.9 232.8
【0041】実施例4 実施例1のジエチレングリコールをポリエチレングリコ
ール#400(平均分子量400)に代えた以外は実施
例1と同様の方法で触媒DA乃至DIを調製した。調製
された触媒の500℃焼成物に含まれる各成分の重量百
分率は、三酸化物としてモリブデンが18%、一酸化物
としてニッケルが4%,五酸化二リンとしてリンが3%
である。各触媒における、添加金属量と全細孔容積を基
準として定めた添加剤の添加量、各処理条件による添加
剤の残存率、モリブデンの酸化数、X線光電子分光法の
測定結果を表7に示す。
【0042】表7のうち触媒DAからDCは本発明例を
示し、DDおよびDEは添加量が適切でない比較例を、
DFは添加剤を加えていない比較例を示した。また触媒
DGからDIは、触媒DAを表7に示した条件で処理し
たもので、DGは500℃で処理した比較例、DHは3
00℃で乾燥した比較例、DIは水素で還元した比較例
である。またさらに、表4と同様の従来法による触媒A
Zを比較例として併示した。
【0043】
【表7】 触媒 DA DB DC DD DE DF DG DH DI AZ 添加剤添加量(g) 203 34 270 13.5 676 0 203 203 203 0 Moモル数 基準(倍) 0.30 0.05 0.40 0.02 1.00 0 0.30 0.30 0.30 0 全細孔容積 基準(倍) 26 4.3 34 2.4 85 - - - - - 添加剤 残存率 (%) 100 100 100 100 100 - 0 7 7 - 処理条件 雰囲気 Air Air H2 Air 温度 none none none none none none 500 300 300 500 時間 1hr 1hr 2hr 1hr モリブデン 酸化数 XPS B.E.(eV) 232.1 232.2 231.9 232.4 231.9 232.7 2
32.6 232.7 229.2 232.8
【0044】(予備硫化処理試験)次に、上記によって
得られた各実施例の触媒をそれぞれ流通系反応装置に充
填し、ブタンチオールを3%添加した硫黄濃度1.15
重量%、窒素濃度68ppmのクエート直留軽油を用い
て、下記条件に従い予備硫化処理を行った。なお、予備
硫化処理時に発生した分解生成物中にはニッケルカルボ
ニルは検出されなかった。予備硫化反応条件 反応温度(℃) :316 反応水素圧力(kg/cmG):20 硫化油液空間速度(hr−1) :1 水素/油流量比(Nl/l) :200 通油時間(hr) :18
【0045】(水素化脱窒素試験)予備硫化処理を行っ
た触媒を、下記の条件で予備硫化処理に使用した装置を
そのまま使用して水素化脱窒素反応試験を行い、触媒の
水素化脱窒素活性を求めた。水素化脱窒素反応条件 触媒量(ml) :15 反応温度(℃) :330 反応水素圧力(kg/cmG):30 原料油液空間速度(hr−1) :2 水素/油流量比(Nl/l) :300 通油時間 :7
【0046】得られた処理油中の窒素量から反応速度定
数を求め、水素か脱窒素活性を、該反応速度定数の相対
値で示すこととした。処理油中の窒素量は全窒素分析計
(三菱化学社製TN−05型)を用いて分析した。速度
定数は、擬一次反応速度定数として以下の数式2を用い
て算出した。算出に際し、触媒AZを従来例として反応
速度定数を100とし、これを他例との比較基準とし
た。実施例1〜4の各触媒について行った結果をそれぞ
れ表8〜表11に示す。これらの結果より、本発明の触
媒は、従来の触媒に比べて著しく活性が大きく向上して
いることが分かる。
【0047】
【数式2】k1st=LHSV・ln(N/N) ここで、 N : 原料油中の窒素濃度(ppm) N : 処理油中の窒素濃度(ppm) LHSV: 液空間速度(hr−1
【0048】
【表8】 触媒 AA AB AC AD AE AF AG AH AI AZ 比活性 236 211 217 112 85 110 101 102 86 100
【表9】 触媒 BA BB BC BD BE BF BG BH BI AZ 比活性 220 201 205 115 75 110 101 104 87 100
【表10】 触媒 CA CB CC CD CE CF CG CH CI AZ 比活性 206 196 193 111 77 110 100 102 83 100
【表11】 触媒 DA DB DC DD DE DF DG DH DI AZ 比活性 195 188 175 112 71 110 99 99 81 100
【0049】以下の実施例5乃至実施例8は、本発明の
触媒を水素化脱硫触媒に利用した例を比較例とともに示
すしたものである。 実施例5 細孔容積0.70ml/gを有するγ−アルミナ担体1
kgに対して、三酸化モリブデン234gと、硝酸コバ
ルト六水和物151gと、85%リン酸42gと、ジエ
チレングリコール0から516gを溶解させた含浸液を
加え、十分に撹拌した後に、100℃で16時間、さら
に150℃で2時間放置し、還元反応を進行させなが
ら、触媒中の水分を除去して触媒EA乃至EFを調製し
た。調製された触媒の500℃焼成物に含まれる各成分
の重量百分率は、三酸化物としてモリブデンが18%、
一酸化物としてコバルトが3%,五酸化二リンとしてリ
ンが2%である。また、触媒における、添加金属量と全
細孔容積を基準として定めた添加剤の添加量、各処理条
件による添加剤の残存率、モリブデンの酸化数、X線光
電子分光法の測定結果を表12に示す。
【0050】表12のうち触媒EAからECは本発明例
を示し、EDおよびEEは添加量が適切でない比較例
を、EFは添加剤を加えていない比較例を示した。また
触媒EGからEIは、触媒EAを表12に示した条件で
処理したもので、EGは500℃で処理した比較例、E
Hは300℃で乾燥した比較例、EIは水素で還元した
比較例である。またさらに、添加剤を加えずに調製した
触媒EFを500℃の空気中で焼成した触媒EZを調製
し、これを従来例とした。
【0051】
【表12】 触媒 EA EB EC ED EE EF EG EH EI EZ 添加剤添加量(g) 172 17.2 344 3.4 516 0 172 172 172 0 Moモル数 基準(倍) 1.00 0.10 2.00 0.02 3.00 0 1.00 1.00 1.00 0 全細孔容積 基準(倍) 22 2.2 44 0.4 66 - - - - - 添加剤 残存率 (%) 100 100 100 100 100 - 0 3 5 - 処理条件 雰囲気 Air Air H2 Air 温度 none none none none none none 500 300 300 500 時間 1hr 1hr 2hr 1hr モリブデン 酸化数 XPS B.E.(eV) 232.3 232.1 231.8 232.4 231.9 232.8 2
32.8 232.6 229.2 232.8
【0052】実施例6 実施例5のジエチレングリコールをトリエチレングリコ
ールに代えた以外は実施例5と同様の方法で触媒FA乃
至FIを調製した。調製された触媒の500℃焼成物に
含まれる各成分の重量百分率は、三酸化物としてモリブ
デンが18%、一酸化物としてコバルトが3%,五酸化
二リンとしてリンが2%である。各触媒における、添加
金属量と全細孔容積を基準として定めた添加剤の添加
量、各処理条件による添加剤の残存率、モリブデンの酸
化数、X線光電子分光法の測定結果を表13に示す。
【0053】表13のうち触媒FAからFCは本発明例
を示し、FDおよびFEは添加量が適切でない比較例
を、FFは添加剤を加えていない比較例を示した。また
触媒FGからFIは、触媒FAを表13に示した条件で
処理したもので、FGは500℃で処理した比較例、F
Hは300℃で乾燥した比較例、FIは水素で還元した
比較例である。またさらに、表12と同様の従来法によ
る触媒EZを比較例として併示した。
【0054】
【表13】 触媒 FA FB FC FD FE FF FG FH FI EZ 添加剤添加量(g) 183 24.4 366 4.9 609 0 183 183 183 0 金属量モル数 基準(倍) 0.75 0.10 1.50 0.02 2.50 0 0.75 0.75 0.75 0 全細孔容積 基準(倍) 23 2 46 0.6 77 - - - - - 添加剤 残存率 (%) 100 100 100 100 100 - 0 3 6 - 処理条件 雰囲気 Air Air H2 Air 温度 none none none none none none 500 300 300 500 時間 1hr 1hr 2hr 1hr モリブデン 酸化数 XPS B.E.(eV) 232.1 232.3 232.0 232.3 231.9 232.8 2
32.7 232.6 229.0 232.8
【0055】実施例7 実施例5のジエチレングリコールをポリエチレングリコ
ール#200(平均分子量200)に代えた以外は実施
例5と同様の方法で触媒GA乃至GIを調製した。調製
された触媒の500℃焼成物に含まれる各成分の重量百
分率は、三酸化物としてモリブデンが18%、一酸化物
としてコバルトが3%,五酸化二リンとしてリンが2%
である。各触媒における、添加金属量と全細孔容積を基
準として定めた添加剤の添加量、各処理条件による添加
剤の残存率、モリブデンの酸化数、X線光電子分光法の
測定結果を表14に示す。
【0056】表14のうち触媒GAからGCは本発明例
を示し、GDおよびGEは添加量が適切でない比較例
を、GFは添加剤を加えていない比較例を示した。また
触媒GGからGIは、触媒GAを表14に示した条件で
処理したもので、CGは500℃で処理した比較例、G
CHは300℃で乾燥した比較例、GIは水素で還元し
た比較例である。またさらに、表12と同様の従来法に
よる触媒EZを比較例として併示した。
【0057】
【表14】 触媒 GA GB GC GD GE GF GG GH GI EZ 添加剤添加量(g) 163 21.5 326 6.5 571 0 163 163 163 0 Moモル数 基準(倍 ) 0.50 0.05 1.00 0.02 1.75 0 0.50 0.50 0.50 0 全細孔容積 基準(倍) 21 2.1 42 0.8 72 - - - - - 添加剤 残存率 (%) 100 100 100 100 100 - 0 5 7 - 処理条件 雰囲気 Air Air H2 Air 温度 none none none none none none 500 300 300 500 時間 1hr 1hr 2hr 1hr モリブデン 酸化数 XPS B.E.(eV) 231.9 232.1 231.8 232.4 231.9 232.7 2
32.8 232.6 228.9 232.8
【0058】実施例8 実施例5のジエチレングリコールをポリエチレングリコ
ール#400(平均分子量400)に代えた以外は実施
例5と同様の方法で触媒HA乃至HIを調製した。調製
された触媒の500℃焼成物に含まれる各成分の重量百
分率は、三酸化物としてモリブデンが18%、一酸化物
としてコバルトが3%,五酸化二リンとしてリンが2%
である。各触媒における、添加金属量と全細孔容積を基
準として定めた添加剤の添加量、各処理条件による添加
剤の残存率、モリブデンの酸化数、X線光電子分光法の
測定結果を表15に示す。
【0059】表15のうち触媒HAからHDは本発明例
を示し、HDおよびHEは添加量が適切でない比較例
を、HFは添加剤を加えていない比較例を示した。また
触媒HGからHIは、触媒HAを表15に示した条件で
処理したもので、HGは500℃で処理した比較例、H
Hは300℃で乾燥した比較例、HIは水素で還元した
比較例である。またさらに、表12と同様の従来法によ
る触媒EZを比較例として併示した。
【0060】
【表15】 触媒 HA HB HC HD HE HF HG HH HI EZ 添加剤添加量(g) 195 32.5 260 13.0 520 0 195 195 195 0 Moモル数 基準(倍) 0.30 0.05 0.40 0.02 0.80 0 0.30 0.30 0.30 0 全細孔容積 基準(倍) 25 4.1 40 1.7 66 - - - - - 添加剤 残存率 (%) 100 100 100 100 100 - 0 7 7 - 処理条件 雰囲気 Air Air H2 Air 温度 none none none none none none 500 300 300 500 時間 1hr 1hr 2hr 1hr モリブデン 酸化数 XPS B.E.(eV) 231.9 232.1 231.8 232.4 231.9 232.7 2
32.8 232.6 229.1 232.8
【0061】(予備硫化処理試験)次に、上記によって
得られた各実施例の触媒をそれぞれ流通系反応装置に充
填し、ブタンチオールを3%添加した硫黄濃度1.15
重量%、窒素濃度68ppmのクエート直留軽油(LG
O)を用いて、下記条件に従い予備硫化処理を行った。
なお、予備硫化処理時に発生した分解生成物中にはコバ
ルトカルボニルは検出されなかった。予備硫化反応条件 反応温度(℃) :316 反応水素圧力(kg/cmG):20 硫化油液空間速度(hr−1) :1 水素/油流量比(Nl/l) :200 通油時間(hr) :18
【0062】(水素化脱硫試験)予備硫化処理を行った
触媒を、下記の条件で予備硫化処理に使用した装置をそ
のまま使用して水素化脱窒素反応試験を行い、触媒の水
素化脱窒素活性を求めた。水素化脱窒素反応条件 触媒量(ml) :15 反応温度(℃) :330 反応水素圧力(kg/cmG):30 原料油液空間速度(hr−1) :2 水素/油流量比(Nl/l) :300 通油時間 :7
【0063】水素化脱硫活性を反応速度定数の相対値で
示すこととし、速度定数kは、脱硫反応速度が原料油
の直留軽油の硫黄濃度の1.75乗に比例するものとし
て以下に示す数式3を用いて算出した。算出に際し、触
媒EZを従来例として反応速度定数を100とし、これ
を他例との比較基準とした。実施例5〜8の各触媒につ
いて行った試験結果をそれぞれ表16〜表19に示す。
これらの結果より、本発明の触媒は、従来の触媒に比べ
て活性が大きく向上していることが分かる。
【0064】
【数3】k=LHSV・1/(n−1)・(1/S
n−1−1/S n−1) ここで、 n : 1.75 S : 処理油中の硫黄濃度(%) S : 原料油中の硫黄濃度(%) LHSV: 液空間速度(hr−1
【0065】
【表16】 触媒 EA EB EC ED EE EF EG EH EI EZ 比活性 155 148 150 108 81 101 99 101 81 100
【表17】 触媒 FA FB FC FD FE FF FG FH FI EZ 比活性 145 140 140 104 79 101 100 100 79 100
【表18】 触媒 GA GB GC GD GE GF GG GH GI EZ 比活性 143 141 134 102 74 101 101 99 76 100
【表19】 触媒 HA HB HC HD HE HF HG HH HI EZ 比活性 138 133 131 103 80 101 97 98 81 100
【0066】
【発明の効果】上述したように、本発明の触媒は、従来
の触媒に比べ極めて高い水素化脱硫、脱窒素活性を有
し、且つ高価な硫化剤を使用することなく容易に活性化
することができるのでその工業的価値は高い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ担体と、モリブデン酸化物、ニ
    ッケルまたはコバルトの酸化物、リンの酸化物および還
    元性有機添加剤とにより構成された触媒であって、モリ
    ブデン酸化物中のモリブデン原子の平均酸化数が5価以
    上6価未満であり、且つX線光電子分光法によるモリブ
    デン3d5/2軌道ピークが230.8eV以上23
    2.4eV未満であることを特徴とする炭化水素油の水
    素化処理触媒。
  2. 【請求項2】 乾燥後の触媒中に還元性有機添加剤が存
    在することを特徴とする請求項1記載の炭化水素油の水
    素化処理触媒。
  3. 【請求項3】 還元性有機添加剤がジエチレングリコー
    ル、トリエチレングリコールまたは平均分子量が200
    乃至400のポリエチレングリコールからなる群から選
    ばれた1種または2種以上である請求項1または2記載
    の炭化水素油の水素化処理触媒。
  4. 【請求項4】 モリブデン酸化物の担持量が、アルミナ
    担体の10〜30重量%であり、ニッケルまたはコバル
    トの酸化物の担持量がアルミナ担体の1〜8重量%であ
    り、リンの酸化物が担持量が五酸化二リン換算でアルミ
    ナ担体の1〜10重量%であることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1項記載の炭化水素油の水素化処理
    触媒。
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