JPH0915240A - 便潜血判定装置 - Google Patents

便潜血判定装置

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JPH0915240A
JPH0915240A JP22354095A JP22354095A JPH0915240A JP H0915240 A JPH0915240 A JP H0915240A JP 22354095 A JP22354095 A JP 22354095A JP 22354095 A JP22354095 A JP 22354095A JP H0915240 A JPH0915240 A JP H0915240A
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慎一 恵木
Satoshi Obana
敏 尾花
Takuya Wada
拓也 和田
Yuji Kaneko
裕司 金子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な構造からなり、非熟練者であっ
ても容易にかつ衛生的に便潜血の有無を正確に判定し得
る装置を提供する。 【解決手段】 採便器具2の展開層設置部5a内に免疫
クロマトグラフィーにより便潜血の有無を判定するため
の展開層10と、分離フィルタ9とを組み込み、液密閉
成材8により密閉し、緩衝液容器3の上方に緩衝液17
が貯溜されている緩衝液貯溜部15を形成し、仕切り壁
3bの下方に緩衝液流下部16を設け、仕切り壁3bに
設けた連通孔13が、連通部材18を外部から操作する
ことにより開いた状態と閉じた状態とをとり得ることを
可能とし、かつ液密閉成材8を液密閉成材開放部材23
により開放し得るように構成されている便潜血判定装置
1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便潜血の有無を判
定するための簡易検査装置に関し、特に、免疫法を利用
した便潜血判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】便潜血は消化器系疾患により、消化管内
の便中に血液が混入することにより発現する。特に大腸
癌などの疾患との相関が確認されており、我国で益々増
えつつある大腸癌の早期診断の指標として、非常に重要
でかつ汎用されている検査である。
【0003】現在用いられている便潜血検査方法には、
大別して2種の方法がある。第1の方法は従来から行わ
れている化学的潜血反応(以下、「化学法」と記す。)
と呼ばれるもので、ヘモグロビン(以下、Hbと記
す。)の有するパーオキシダーゼ様活性を検出する非特
異反応である。この方法は、色源体(グアヤク脂あるい
はオルトトリジンなど)が、パーオキシダーゼ様活性保
持物質及び過酸化水素水存在下で酸化されて発色する機
構に基づく。従って、本法では、パーオキシダーゼ様活
性保持物質である薬物あるいはHbを含む食物などによ
って陽性を示すため、投薬及び食餌制限を必要とした。
【0004】本化学法に基づく検査装置として、簡便な
測定システムが開示されており、その幾つかは汎用され
ている。例えば特公平2−45826号公報、特開昭5
9−168370号公報、特開昭62−266463号
公報、及び実開昭62−153573号公報では、グア
ヤク脂等を含浸させた試験紙を含むカードに少量の便試
料を塗布した後、過酸化水素水を滴下して呈色具合を見
るシステムが開示されている。これらのシステムでは、
カード式の本体に付属したグアヤク脂上の一部に便試料
を適量塗布し、さらに塗布部の裏側の部位に過酸化水素
水を滴下することによって、滴下部のグアヤク脂が発色
するか否かで判定する。便試料塗布部を開放せずに行う
ことができ、衛生的に扱えることや、簡便な構成である
ことが利点であるが、上記のような測定原理に由来する
欠点は解決されていない。
【0005】第2の方法は、上記の化学法の欠点を解決
するために近年開発されたものであり、免疫反応に基づ
く方法(以下、「免疫法」と記す)である。本法は抗ヒ
トHb抗体を用いた抗原−抗体反応に基づく方法である
ため特異性が高く、化学法のような食事制限等を必要と
しない。判定は、ラテックス凝集法、酵素標識免疫法等
の一般的な免疫血清学的検査法により行われるが、現在
もっとも汎用されている方法はラテックス凝集法であ
る。
【0006】ラテックス凝集法では、判定板上に便試料
溶解液およびラテックス試薬を滴下して混合し、凝集像
の有無により判定が行われる。化学法に比較して原理的
に特異性は高いが、凝集法の判定には熟練を要する。ま
た該免疫法に基づく検査システムは、判定板、ラテック
ス試薬、攪拌棒、採便器具、溶解液などを含むキットと
して提供されているが、構成が複雑であり、上記化学法
のような簡便なシステムは開発されていない。
【0007】これらの免疫法における簡便化は、化学法
にはない免疫法特有の工程、つまり便試料を緩衝液等に
溶解する工程および溶解後の溶解液中の非溶解固形分を
濾過により除去する工程について行われている。すなわ
ち、これらの操作については、比較的定量的にかつ衛生
的な取り扱いが可能な採便器具が開示されており、例え
ば実開平3−44663号公報、実公平2−13977
号公報、実開平1−66071号公報、実開平1−85
668号公報および実開昭64−42454号公報など
では、緩衝液を含む容器の蓋部に採便のための採取棒が
付属されており、採便後に該蓋部を緩衝液容器にセット
することにより、採取棒先端の便が緩衝液中に分散され
る。また、よく振盪後、滴下部より判定板上に滴下する
に際し、滴下部にはフィルタ機構が設置されており、非
溶解性固形分が除去されるように構成されている。判定
板上に滴下した後は上述のラテックス凝集法の常法に従
って操作される。
【0008】免疫法による便潜血測定システムの簡便化
は、上記工程と抗原抗体反応の一体化により果たされる
と思われるが、当該技術は現在までのところ実現されて
いない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、セルフケアとい
う概念の拡がりと共に、免疫反応に基づく簡易検査シス
テムが一般検査薬として薬局等で入手できるようになっ
た。例えば妊娠診断薬では、免疫クロマトグラフィー法
を利用した簡便な検査システムが確立している。該免疫
クロマトグラフィー法を便潜血検査に利用する際の最も
大きな問題は、上記の便試料の溶解及び濾過工程がシス
テム中に組み込みにくい点である。
【0010】他方、未だ公知ではないが、比較的簡単な
構成からなり、非熟練者が容易にかつ正確に便潜血の有
無を判定することを可能とする装置が提案されている。
この便潜血判定装置を、図6及び図7を参照して説明す
る。
【0011】図6に断面図で示す便潜血判定装置51
は、採便器具52と、緩衝液容器53とを有する。緩衝
液容器53は、上方に開口を有する有底の容器からな
り、内部に緩衝液54が貯溜されている。
【0012】他方、採便器具52は、蓋体52aと、蓋
体52aと一体に形成されており、かつ蓋体52aから
下方に延びる採便器具本体52bとを有する。採便器具
本体52b内は中空とされており、中空部分に展開層5
5が挿入されている。展開層55の下方部分において
は、液密シール材56が中空部分を閉成するように取り
付けられている。
【0013】採便器具本体52bの先端近傍において
は、外表面に凸部52cが複数形成されている。凸部5
2cは、採便器具本体52bを糞便試料中に突き刺し、
引き抜いた際に、便試料を半定量的に採取するために設
けられている。
【0014】展開層55の下方には分離フィルタ57が
一体に設けられており、分離フィルタ57により便試料
を溶解液中の不溶固形分が除去されるように構成されて
いる。また、分離フィルタ57の下端57aは先が尖ら
されており、展開層55を下方に移動させることによ
り、液密シール材56を破り得るように構成されてい
る。また、58は便試料溶解液が導入される孔を示す。
【0015】展開層55には、抗ヘモグロビン抗体感作
担体が設置されており、抗ヘモグロビン抗体が固定化さ
れている。上記展開層55及び分離フィルタ57は、採
便器具本体52b内において、採便器具本体52bとは
独立して上下に移動可能に構成されている。
【0016】なお、緩衝液容器53の上端開口には余剰
便除去部を構成している環状リング58が取り付けられ
ている。環状リング58は、下方部分において内径が徐
々に狭くなるように形成されており、最も狭い部分の内
径が、採便器具本体52bの外径とほぼ等しくされてい
る。
【0017】また、採便器具本体52bの外表面には判
定窓59及び終了窓60が形成されている。図6では、
判定窓59及び終了窓60は、その位置のみが略図的に
円で示されている。判定窓59及び終了窓60は、それ
ぞれ、便潜血判定装置51における免疫反応に基づく潜
血の有無の判定及び終了を外部から目視により観察する
ことを可能とするため設けられている。
【0018】便潜血判定装置51を用いて便潜血の有無
を判定するに当たっては、以下の手順で操作が行われ
る。まず、緩衝液容器53から採便器具52を取外し、
採便器具本体52bの先端を便試料中に突き刺す。しか
る後、糞便試料から採便器具本体52bを引出し、先端
に便試料を採取する。次に、採便器具52を緩衝液容器
53内に挿入する。この場合、環状リング58の先端に
より、余剰の便試料が除去され、従って凸部52cの形
状に応じた量の便試料が緩衝液容器53内に挿入される
ことになる。
【0019】次に、採便器具52を緩衝液容器53に取
り付けた状態で、全体を振とうし、便試料を緩衝液に溶
解させ、便試料溶解液を作製する。次に、展開層55を
下方に移動させ、液密シール材56を突き破り、便試料
溶解液を便試料溶解液導入孔58から展開層55側に導
く。分離フィルタ57により便試料溶解液中の不溶固形
分が除去され、不溶固形分が除去された便試料溶解液が
毛細管現象により展開層55に供給され、免疫反応によ
り便潜血の有無が判定される。
【0020】また、図7に部分切欠断面図で示す便潜血
判定装置71は、採便器具72と、緩衝液容器73とを
有する。緩衝液容器73は上方に開いた有底の形状を有
する合成樹脂部材からなる。緩衝液容器73内には、緩
衝液74が貯溜されている。また、緩衝液容器73の側
面には、貫通孔75が形成されている。貫通孔75は、
弾性膜76により緩衝液容器73の外側面において液密
シールされている。また、弾性膜76の内面には、シー
ル材貫通部材77が固定されている。シール材貫通部材
77は、先端が尖った針状部77aと、針状部77aを
弾性膜76内面に固定するための比較的大きな面積の固
定部77bとをを有する。
【0021】採便器具72は、相対的に大きな径の把持
部72aと、把持部72aに連結された採便器具本体7
2bとを有する。採便器具本体72b内には、中空の展
開層設置部72cが形成されている。展開層設置部72
cの内部には展開層78が配置されている。展開層78
は、前述した図6に示した便潜血装置における展開層5
5と同様に構成されている。また、展開層78の下端に
は分離フィルタ79が取り付けられている。分離フィル
タ79は、図6の分離フィルタ57と同様に構成されて
いる。図7に示す装置では、分離フィルタ79の下方に
空間80aが形成されており、該空間80aの側方にお
いて、貫通孔81aが形成されている。この貫通孔81
aを閉成するように液密シール材82が取り付けられて
いる。貫通孔81aは、シール材貫通部材77の針状部
77aと向かい合う位置に形成されている。
【0022】採便器具本体72bの下端外周面には凹凸
72dが形成されており、凹凸72dは、便試料半定量
的に採取するために設けられている。また、採便器具7
2には、図6に示した便潜血判定装置と同様に、判定窓
83及び終了窓84が形成されている。また、採便器具
72内には、緩衝液容器73内と外気とを連通するため
の連通孔85が形成されており、連通孔85の上端に
は、該連通孔85を外気と遮断した状態と、外気と連通
した状態とをとることを可能とするために、栓85が着
脱自在に取り付けられている。
【0023】便潜血判定装置71においても、図6に示
した便潜血判定装置51と同様の操作を行うことによ
り、便潜血の有無を免疫反応に基づいて測定することが
できる。もっとも、便潜血判定装置71では、便試料溶
解液を作製した後に、弾性膜77を外部から押圧し、針
状部77aにより液密シール材82を突き破ることによ
り、便試料溶解液の展開層78への導入が行われる。
【0024】図6及び図7に示した便潜血判定装置5
1,71では、上記のように便試料の採取から便潜血の
有無の判定までを比較的簡単な装置を用いて容易に行う
ことができる。
【0025】しかしながら、便潜血の有無を判定する際
に、判定窓59,83を外部から確実に目視するために
は、反応終了後に展開層55や採便器具72を上方に移
動させねばならず、その際に図6に示す便潜血判定装置
51では矢印Aで示す部分に、図7に示す便潜血判定装
置71では矢印Bで示す部分に、便試料溶解液が付着し
がちであり、不衛生であった。
【0026】本発明の目的は、免疫法を利用した便潜血
検査装置であって、比較的簡単な構成からなりながら、
便潜血判定操作の全工程に渡り操作が簡略化されてお
り、非熟練者においても容易に、しかも衛生的に便潜血
の有無を判定し得る便潜血判定装置を提供することにあ
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、採取した便を外表面
に付着させて保持する便保持部を有する採便器具と、前
記採便器具が上方から挿入される緩衝液容器とを備える
便潜血判定装置であり、下記の構成を備えることを特徴
とする。
【0028】請求項1の発明においては、採便器具に
は、下方部分において開口を有する展開層設置部が形成
されている。また、展開層設置部には、抗ヘモグロビン
抗体感作担体が設置されており、かつ抗ヘモグロビン抗
体が固定化されている展開層が設けられている。さら
に、展開層設置部において、展開層よりも下方には便試
料が溶解された緩衝液を濾過するための分離フィルタが
配置されている。この分離フィルタは、便試料溶解液を
濾過するために設けられている。また、分離フィルタよ
りも下方には、展開層設置部の上記開口を閉成するよう
に液密閉成材が取り付けられている。液密閉成材は便試
料溶解液の展開層設置部への進入を防止するために設け
られている。この液密閉成材としては、展開層設置部の
開口を閉成し得る限り、フィルム状の合成樹脂等よりな
るシール材の他、着脱自在に開口に取り付けられた栓に
より構成することができる。栓を構成する材料として
も、適宜の合成樹脂や金属などの開孔を液密的に閉成し
得るのに十分保形性を有する材料を用いることができ
る。また、上記採便器具には、外部から展開層を観察す
ることを可能とするために、判定窓及び終了窓が形成さ
れている。
【0029】他方、緩衝液容器には、外部からの操作に
より上記液密閉成材を開放することを可能とするため
に、先端が液密閉成材方向に延ばされており、かつ該先
端が液密閉成材側に繰り出されるように緩衝液容器に取
り付けられた液密閉成材開放部材が備えられている。ま
た、緩衝液容器は、中間高さ位置に設けられた仕切り壁
を有する。この仕切り壁により、緩衝液貯溜部と、下方
の緩衝液落下部とに区画されている。上記液密閉成材開
放部材は、前述した液密閉成材による開孔の閉成を開放
し得る限り、合成樹脂や金属などの適宜の材料で構成す
ることができる。また、上記液密閉成材による閉成状態
を開放する態様としては、液密閉成材がシール材により
構成されている場合には、該液密閉成材を突き破ること
により、あるいは液密閉成材が栓より構成されている場
合には、栓を開口から離脱させることにより行われる。
【0030】上記仕切り壁には、連通孔が設けられてお
り、該連通孔を開くことにより、緩衝液貯溜部と、緩衝
液落下部とが連通される。さらに、前記液密閉成材開放
部材は、上記緩衝液容器の緩衝液貯溜部において、緩衝
液容器に取り付けられている。また、外部からの操作に
より仕切り壁の上記連通孔を開いた状態と、閉じた状態
とをとり得るように、仕切り壁に関連して連通部材が設
けられている。
【0031】また、請求項2に記載の発明では、採便器
具に、上下に開口を有する展開層設置部が形成されてい
る。この展開層設置部内には、展開層が配置されてい
る。展開層は、抗ヘモグロビン抗体感作担体が設置され
ており、抗ヘモグロビン抗体が固定化されている構成を
有する。さらに、請求項2に記載の発明では、展開層の
下方に、かつ展開層と一体に分離フィルタが形成されて
いる。分離フィルタは、便試料が溶解された緩衝液を濾
過するために設けられている。
【0032】また、上記展開層及び分離フィルタが一体
化された構造の下端には、液密閉成材開放部が形成され
ている。液密閉成材開放部は、液密閉成材を開放するた
めに設けられており、従って鋭利な形状を有するように
構成されている。
【0033】また、展開層設置部の下端の開口を閉成す
るように、かつ便試料が溶解された緩衝液の展開層設置
部への進入を防止するために液密閉成材が配置されてい
る。この液密閉成材についても、請求項1に記載の発明
の材料と同様の材料より構成することができ、かつ液密
閉成材の開放についても、請求項1に記載の発明の場合
と同様にして行われる。
【0034】上記展開層及び分離フィルタが一体化され
た構造は、採便器具の展開層設置部内において、採便器
具とは独立に外部からの操作により上下方向に移動可能
とされている。
【0035】また、採便器具には、外部から展開層を観
察することを可能とするための判定窓及び終了窓が形成
されている。さらに、緩衝液容器には、中間高さ位置に
仕切り壁が形成されている。該仕切り壁によって、緩衝
液容器は、上方の緩衝液貯溜部と、下方の緩衝液落下部
とに区画されている。また、仕切り壁には、上下方向の
延びる連通孔が形成されている。また、この連通孔を遮
断するように、連通部材がしきり壁に関連して取り付け
られている。連通部材は、外部からの操作により、上記
仕切り壁の連通孔を開いた状態と、閉じた状態とをとり
得るように構成されている。
【0036】さらに、請求項3に記載の発明では、採便
器具に、下端に開口を有する展開層設置部が形成されて
いる。展開層設置部には、抗ヘモグロビン抗体感作担体
が設置されており、かつ抗ヘモグロビン抗体が固定化さ
れている展開層が設けられている。また、展開層設置部
内においては、展開層よりも下方に、便試料が溶解され
た緩衝液を濾過するための分離フィルタが配置されてい
る。分離フィルタは、便試料溶解液を濾過するために設
けられている。
【0037】分離フィルタよりも下方には、展開層設置
部の下端の開口を閉成するように液密閉成材が取り付け
られている。液密閉成材は、請求項1に記載の発明の液
密閉成材と同様の機能を有するものであり、同様の材料
で構成されている。
【0038】また、採便器具には、外部から展開層を観
察することを可能とするために、判定窓及び終了窓が形
成されている。他方、請求項1に記載の発明の場合と同
様に、緩衝液容器は、中間高さ位置に設けられた仕切り
壁を有し、仕切り壁により、緩衝液貯留部と、下方の緩
衝液落下部とに区画されている。
【0039】また、仕切り壁には、連通孔が設けられて
おり、該連通孔が設けられており、該連通孔を開くこと
により、緩衝液貯留部と、緩衝液落下部とが連通され
る。また、外部からの操作により仕切り壁の上記連通孔
を開いた状態と、閉じた状態とをとり得るように、仕切
り壁に関連して連通部材が設けられている。
【0040】さらに、請求項3に記載の発明では、液密
閉成材開放部材が、上記緩衝液容器の仕切り壁よりも下
方の緩衝液落下部に取り付けられている。ここでは、液
密閉成材開放部材は、外部からの操作により液密閉成材
による閉成状態を開放することを可能とするために、上
端が液密閉成材方向に延ばされており、かつ上端が仕切
り壁の連通孔を通って液密閉成材側に繰り出されるよう
に、構成されている。
【0041】従って、請求項3に記載の発明は、上記液
密閉成材開放部材が、請求項1に記載の発明と異なるよ
うに構成されていることを除いては、請求項1に記載の
発明とほぼ同様に構成されている。
【0042】請求項3に記載の発明ては、連通部材を操
作することにより、仕切り壁の連通孔を開いた状態にお
いて、上記液密閉成材開放部材を外部から操作して連通
孔を通して液密閉成材開放部材の上端を液密閉成材側に
繰り出すことにより、液密閉成材による閉成状態を下方
することができ、それによって便試料が溶解された緩衝
液を、分離フィルタ、ひいては展開層に供給することが
可能とされている。
【0043】
【作用】請求項1〜3の発明にかかる便潜血判定装置を
使用して便潜血を判定するにあたっては、採便器具の便
保持部に便試料を採取し、採便器具を上方から緩衝液容
器に挿入する。その結果、便試料緩衝液容器内の緩衝液
に溶解され、便試料が溶解された緩衝液が作製される。
本発明では、便試料が溶解液の展開層設置部への進入を
防止するために液密閉成材が設けられているため、その
ままでは便試料溶解液は展開層設置部に進入しない。
【0044】請求項1,3の発明では、外部から液密閉
成材開放部材を操作することにより液密閉成材開放部材
の先端を液密閉成材側に繰り出し、それによって液密閉
成材が開放される。その結果、便試料溶解液が展開層設
置部内に流入することになる。また、請求項2に記載の
発明では、外部からの操作により、展開層及び分離フィ
ルタが一体化された構造を下方に移動させ、液密閉成材
開放部により液密閉成材を開放する。その結果、便試料
溶解液が展開層設置部内に流入することになる。この便
試料が溶解された緩衝液は分離フィルタにより濾過さ
れ、固形分が除去される。便試料が溶解されておりかつ
固形分が除去された緩衝液が、展開層に供給される。次
に、展開層においては、後述の実施例の説明から明らか
なように、免疫クロマトグラフィー法に従って便潜血の
有無が判定される。
【0045】さらに、請求項1〜3の発明の便潜血判定
装置では、上記便潜血の有無を判定するための反応終了
後に、連通孔を操作し、連通部材を開いた状態とする。
それによって、展開層に供給された便試料溶解液以外の
残りの便試料溶解液が、下方の緩衝液落下部に流下され
ることになる。すなわち、採便器具の下端近傍に不必要
な便試料溶解液がほとんど存在しなくなる。従って、判
定に際し採便器具を緩衝液容器から引き出す際に、不必
要な便試料溶解液が採便器具の外表面に付着し難い。よ
って、衛生的に便潜血の有無を判定し得る。
【0046】また、採便器具に上記展開層における判定
及び判定の終了を確認するための判定窓及び終了窓が形
成されているため、外部から容易に判定を行うことがで
き、かつ判定の終了を確認することができる。
【0047】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の非限定的な
実施例につき説明する。第1の実施例 図1は、本発明の第1の実施例に係る便潜血判定装置の
外観を示す斜視図であり、図2はその縦断面図である。
【0048】便潜血判定装置1は、採便器具2と緩衝液
容器3とを有する。採便器具2は、本実施例では、合成
樹脂からなるが、採便器具2を構成する材料は特に限定
されるものではない。もっとも、好ましくは、緩衝液容
器3は、後述の便潜血有無の判定を容易とするために、
透明の材料により構成される。
【0049】採便器具2は、蓋体4と蓋体4の下面から
下方に延びる略円筒状の採便器具本体5とを有する。蓋
体2の下面外周縁には、下方に延びる略円筒状のキャッ
プ部4aが形成されている。キャップ部4aの内面には
雌ねじ部が形成されている。この雌ねじ部は、緩衝液容
器3の上端開口近傍の外周面に形成された雄ねじ部に採
便器具2をねじ止めにより固定するために設けられてい
る。
【0050】採便器具本体5は、中空の形状を有し、該
中空部分が展開層設置部5aを構成している。また、採
便器具本体5の先端近傍の外周側面には、凹凸6が形成
されている。凹凸6は、便試料を半定量的に採取するた
めに設けられている。便試料を半定量的に採取し得る限
り、図示の凹凸6に限らず、種々の形状の窪みや突起な
どを形成し、それによって便試料採取部を構成してもよ
い。
【0051】展開層設置部5aの下端近傍においては、
側面に貫通孔7が形成されている。この貫通孔7を閉成
するように液密閉成材8が取り付けられている。液密閉
成材8は、便試料溶解液の展開層設置部5a内への進入
を防止するために設けられている。液密閉成材8は、便
試料採取時には容易に破損しない強度の膜状部材で構成
される必要があるが、後述の液密閉成材貫通部材により
容易に突き破り得る強度を有するように構成されてい
る。このような液密閉成材8は、適宜の合成樹脂フィル
ムにより構成することができるが、例えばホットメルト
ヒートシール材を用いて構成することができる。
【0052】展開層設置部5a内においては、貫通孔7
の側方の空間5b上に、分離フィルタ9が配置されてい
る。分離フィルタ9は、便試料溶解液中の不溶性固形分
を除去するために設けられている。分離フィルタ9は、
例えば、公知の濾紙、ニトロセルロースなどからなる分
離膜、または適宜のフィルタ材料により構成することが
できる。分離フィルタ9は、セルロース系や合成高分子
系の多孔質材料によって構成されていてもよい。
【0053】分離フィルタ9の上方には、展開層10が
配置されている。展開層10は、開始端10aが分離フ
ィルタ9の直上に配置されている。従って、分離フィル
タ9を濾過してきた便試料溶解液が、上記開始端10a
から展開層10に浸透し、展開層10内を移動するよう
に構成されている。
【0054】また、11は判定窓、12は終了窓を示
す。判定窓11及び終了窓12は、採便器具本体5に設
けられており、展開層10における後述の便潜血の判定
及び反応の終了を確認するために設けられている。図2
では、判定窓11及び終了窓12は、その設けられる位
置のみを略図的に図で示してある。
【0055】上記判定窓11及び終了窓12は、採便器
具本体5の側壁に貫通孔を形成し、該貫通孔を透明なフ
ィルム等により液密シールすることにより形成すること
ができる。上記フィルムとしては、ポリエチレン、ポリ
塩化ビニルなどの適宜の透明な合成高分子材料からなる
ものを用いることができる。
【0056】展開層10は、公知の免疫クロマトグラフ
ィー法を実施するために設けられており、多孔質材料を
用いて構成されている。すなわち、開始端10aに被験
物質に対する抗体(以下、第1抗体と略す)を感作した
担体が設置されている。また、第1抗体感作担体の設置
部位から一定距離を隔てた位置に、第1抗体と異なるエ
ピトープを認識する第2抗体が固定化されている。
【0057】展開層の開始端10aから被験物質含有液
体試料を展開すると、試料が展開層10の上を移動し、
かつ被験物質は第1抗体と抗原抗体反応を起こす。被験
物質−第1抗体感作担体複合体は、展開層をさらに移動
し、第2抗体固定化部位に到達する。その結果、被験物
質を第2抗体との抗原抗体反応により、被験物質−第1
抗体感作担体複合体が上記第2抗体固定化部位にトラッ
プされる。従って、担体が、展開層10と明確なコント
ラストを有する色調を有していれば、担体の存在、すな
わち被験物質の存在を目視により容易に確認することが
できる。
【0058】本実施例では、上記被験物質が便潜血を判
定する指標であるヒトヘモグロビンであり、被験物質含
有液体試料は、上述した便試料溶解液である。なお、展
開層10を構成する材料としては、例えば、ニトロセル
ロース、酢酸セルロースなどのセルロース系材料、ナイ
ロン、フッ化エチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル樹脂などの合成高分子系材料などの従来よりメン
ブランフィルタ材料として用いられている種々の材料を
用いることができる。
【0059】また、展開層10は、担体の色調と明確な
コントラストを発揮する機能を有するものが必要であ
る。従って、展開層10が黒色系である場合には、白色
の担体が、展開層10が白色系である場合には、着色担
体を用いることが好ましい。また、上記担体としてもっ
とも好ましいものはラテックス粒子であるが、ラテック
ス粒子は通常白色であるため、背景が白色の場合には、
例えば、スチレン、ビニルトルエン等を乳化重合して
得られたラテックス粒子を、水及び水と相溶性を有する
有機溶媒とを含む反応媒体中で、該反応媒体中に溶解さ
れた水難溶性着色剤と接触させて着色する方法や、乳
化重合により得られかつアニオン性官能基を有するラテ
ックス粒子、例えば、(メタ)アクリル酸等のアニオン
性官能基を有するモノマーを含む共重合体よりなるラテ
ックス粒子を、水系反応媒体中において、該反応媒体中
に溶解された両性電解質である着色剤と接触させて着色
する方法等により得られる着色ラテックス粒子を用いる
ことが好ましい。
【0060】本実施例に用いられる抗ヒトHb抗体(第
1抗体)は、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、モルモット
等にヒトHbを免疫して得られた抗血清を、アフィニテ
ィクロマトグラフィー等により精製することにより得ら
れる。また免疫したマウス脾臓細胞を用いた公知の細胞
融合法により、モノクローナル抗体を製造することも可
能である。いずれにせよ用いられる抗ヒトHb抗体は充
分精製されたものであることが望ましい。
【0061】抗ヒトHb抗体の担体への感作方法は、分
離吸着法または化学結合法など公知の手法により行うこ
とができる。例えばラテックスに抗ヒトHb抗体の緩衝
液溶液を添加し、30〜120分間攪拌しながら37℃
に加温することにより,抗体をラテックス表面に物理的
に吸着させることができる。またカルボキシル基を有す
るラテックスを用いれば、水溶性カルボジイミド等を介
して、共有結合で抗体をラテックスに結合させることも
できる。必要に応じてウシ血清アルブミン(以下、「B
SA」と記す。)等を添加してもよい。
【0062】得られた第1抗体感作担体の展開層10上
への設置は、例えば該抗体感作担体の0.01〜10重
量%分散液を0.05〜1ml程度の量を所定の位置に
滴下し、室温にて12時間以上乾燥させることにより行
い得る。
【0063】さらに展開層10上において、判定窓11
により観察される部位に、第2抗体が固定化されてい
る。第2抗体としては、第1抗体と認識するエピトープ
の異なる抗ヒトヘモグロビン抗体が用いられ得る。固定
化法としては、1〜5mg/mlの第2抗体0.1〜1
0μlを所定の位置に滴下し、室温で12時間以上放置
し、さらに必要に応じBSA等を同位置に滴下して乾燥
させる方法が例示される。
【0064】緩衝液容器3は、中間高さ位置に一対の仕
切り壁3bを有する。仕切り壁3bの中央には、上下に
延びる連通孔13,14が形成されている。仕切り壁3
bにより、緩衝液容器3内は上方の緩衝液貯溜部15
と、下方の緩衝液落下部16とに区画されている。緩衝
液貯溜部15内には、緩衝液17が貯溜されている。こ
の緩衝液としては、例えばアンモニア緩衝液、グリシン
緩衝液、リン酸緩衝液、トリス緩衝液等の中性付近の塩
溶液が好ましく、特に好ましくは、pH6.5〜8.5
の範囲の上記緩衝液が挙げられる。また、緩衝液量は採
取される便試料の量にもよるが、0.5〜10ml程度
とすることが望ましい。
【0065】また、仕切り壁3b内には、横方向に延び
る孔が形成されており、この孔内に連通部材18が取り
付けられている。連通部材18は、実施例では、相対的
に径の大きな操作部18aと、操作部18aから緩衝液
容器3側に延ばされた棒状部18bとを有する。棒状部
18bは孔の内周面に外周面が密着し得るように弾性材
で構成されており、かつ中間部分には、小径部18cが
形成されている。
【0066】また、連通部材18の孔内への挿入深度を
規制するためのストッパ19が緩衝液容器3の外側にお
いて棒状部18bに外挿されている。ストッパ19は、
連通部材18に対して着脱自在に取り付けられている。
図示の状態では、ストッパ19が存在するため、連通部
材18は図示の状態から左方に移動しないように規制さ
れている。他方、ストッパー19を取り外した状態で
は、連通部材18は、図示の状態から左側に移動させる
ことができ、その場合、小径部18cが連通孔13,1
4が設けられている位置まで移動され、上方の緩衝液1
7あるいは便試料溶解液が、下方の便試料落下部16内
に流下し得るように構成されている。
【0067】また、便試料落下部16においては、側壁
に貫通孔16aが形成されており、該貫通孔16aに栓
20が取り付けられている。栓20は貫通孔16aを閉
成し得る限り、適宜の構造及び材料で構成することがで
きるが、本実施例では合成樹脂ボルトにより構成されて
いる。従って、貫通孔16aの内周面にはボルトに噛み
合う雌ねじが形成されている。
【0068】上記栓20は、便試料落下部16内への便
試料溶解液の落下を容易とするために、空気抜き孔を形
成するための貫通孔16aに着脱自在となるように取り
付けられている。緩衝液貯溜部15においては、前述し
た液密閉成材8に対向し得るように側壁に貫通孔21が
形成されている。貫通孔21を閉成するように、弾性シ
ール材22が緩衝液容器3の側面に取り付けられてい
る。弾性シール材22の内面には、液密閉成材開放部材
23が固定されている。液密閉成材開放部材23は、金
属あるいは比較的硬い合成樹脂により構成することがで
き、先端が尖った針状部分23bと、針状部分23bに
連ねられた平面状の操作部23aとを有する。上記弾性
シール材22は、便試料溶解液が外側に漏洩することを
防止するために設けられており、かつシール材貫通部材
23を操作するためにある程度の弾力性を有する材料で
構成されている。このような弾性シール材22は、合成
ゴム、天然ゴムあるいは弾力性を有する合成樹脂フィル
ムなどにより構成することができる。
【0069】また、液密閉成材開放部材23は、針状部
分23bにより、前述した液密閉成材8を突き破り得る
ように構成されている。なお、緩衝液容器3の上端に
は、余剰便除去部材24が取り付けられている。余剰便
除去部材24は、本実施例では合成樹脂よりなり、環状
リングよりなる。この環状リングの内径は、下方に至る
ほど小さくなるように構成されており、最も小さな径の
部分が、採便器具本体部5の外表面の外径とほぼ等しく
されている。従って、後述の操作の説明から明らかなよ
うに、採取された便試料のうち、余剰の便試料が、余剰
便除去部材24を通過する際に擦りとられ、凹凸6の形
状に応じた量の便試料のみが緩衝液容器3内に挿入され
る。
【0070】なお、上記緩衝液容器3は、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンまたは塩化ビニル樹脂などの適宜の
合成樹脂より構成することができるが、金属などの他の
材料などで構成されていてもよい。
【0071】また、本実施例における判定操作に際して
は、外部から目視により判定を容易とするために、緩衝
液容器3は、透明な材料からなることが好ましい。図5
を参照して、本実施例便潜血判定装置1を用いた場合の
便潜血判定操作を説明する。
【0072】図1及び図2に示した便潜血判定装置1か
ら、採便器具2のみを取り出し、図5(a)に示すよう
に、便試料Cに採便器具本体5の先端の凹凸6が設けら
れている部分を突き刺し、引き抜くことにより便試料を
採取する。
【0073】次に、場合によっては、ティッシュペーパ
ーなどを用い、凹凸6の周囲に付着していた余分な便試
料を除去する。しかる後、採便器具2を緩衝液容器3に
図2に示す状態となるように取り付ける。この場合、余
剰の便は、前述した図2に余剰便除去部材24により除
去される。従って、凹凸6の形状に応じた量の便試料の
みが緩衝液容器3内に挿入されることになる。次に、図
5(b)に示す状態のまま、全体を旋回させたり、場合
によっては転倒させたりすることにより、便試料を緩衝
液17に溶解させる。このようにして、便試料溶解液を
作製する。
【0074】次に、図2に示した弾性シール材22の外
面から液密閉成材開放部材23を押圧し、針状部分23
bにより液密閉成材8を開放する。その結果、便試料溶
解液が空間5bを経て分離フィルタ9に供給される。分
離フィルタ9において不溶性固形分が除去され、毛細管
現象により展開層10の開始端10aから展開層に便試
料溶解液が導かれる。
【0075】他方、上記操作と平行して、連通部材18
からストッパ19を取外し、連通部材18を図2の左方
向に移動させる。その結果、小径部分18cが連通孔1
3,14が位置する部分に移動され、便試料溶解液が、
下方の緩衝液落下部16に流下する(図5(c)参
照)。
【0076】展開層10に浸透した便試料溶解液は、展
開層10上にて拡散し、第1抗体感作担体を伴い、終了
窓12側に向かって移動する。このとき、便試料溶解液
中にヒトHbが含有されている場合に、担体状の第1抗
体との間で抗原抗体反応が起こる。第2抗体が位置して
いる部位では、ヒトHb吸着担体のみが第2抗体と抗原
抗体反応を起こしトラップされる(サンドイッチ法)。
便試料溶解液中にヒトHbが含有されていなかった場合
には、ヒトHb−第1抗体感作担体複合体は、第2抗体
によりトラップされず、全て展開層10の終了窓12側
に向かって移動する。
【0077】従って、判定窓11から観察した場合、便
試料溶解液中にヒトHbが含まれている場合には、担体
の色調が観察され(陽性)、含まれていなかった場合に
は観察されない(陰性、すなわち、展開層10の色のま
ま)ことになる。なお、判定窓11は、上記判定が明瞭
に観察し得る限り、適宜の位置に設けることができ、そ
の形状及び大きさについては特に制限はない。
【0078】第2の実施例 図3は、本発明の第2の実施例の便潜血判定装置25を
説明するための縦断面図である。第2の実施例の便潜血
判定装置25は、第1の実施例の便潜血判定装置1とほ
ぼ同様に構成されている。異なる点は、連通部材と、連
通部材の設けられている部分の周囲のみである。従っ
て、異なる部分のみを説明し、同一部分については同一
の参照番号を付することにより、その説明は省略する。
【0079】本実施例の便潜血判定装置25では、連通
部材26として、フッ化エチレン樹脂などの合成樹脂ま
たはガラスからなるコックが用いられている。すなわ
ち、連通部材26は、中央に上下方向に延びる貫通孔2
6aを有するコックで構成されており、この貫通孔26
aが設けられている部分には、操作ノブ26bが設けら
れている部分から先端に向かって径が小さくなるように
テーパーが付けられている。また、先端側には、Oリン
グ27を介してストッパ28が取り付けられている。他
方、仕切り壁29は、上記連通部材26が挿入される横
方向に延びる孔を有するように構成されており、該孔の
内周面は、連通部材26の上記テーパーが付けられた面
に密着し得るように、同様にテーパーが付けられてい
る。また、仕切り壁29には、上記孔に連なり、上下に
延びる連通孔29a,29bが形成されている。連通孔
29a,29bは、連通部材26を回転させ、貫通孔2
6aを上下方向に延びるように位置させた場合に、貫通
孔26aと連なるように構成されている。
【0080】本実施例のように、本発明における仕切り
壁、連通孔及び連通部材については、第1の実施例の構
造に限られず、種々の形状及び構造を有するように変形
することができる。
【0081】第3の実施例 図4は、本発明の第3の実施例に係る便潜血判定装置を
説明するための縦断面図である。本実施例の便潜血判定
装置31は、便試料溶解液を展開層に導入する構造が異
なる点を除いては、第1の実施例の便潜血判定装置1と
同様に構成されている。従って、同一部分については、
同一の参照番号を付することにより、その説明は省略す
る。
【0082】便潜血判定装置31では、採便器具32の
蓋体33の内部に、後方に開いた空間33aが形成され
ており、開閉自在のキャップ34により空間33aを開
いた状態及び閉じた状態とし得るように構成されてい
る。また、筒状の採便器具本体35内には、上端及び下
端に開口を有する展開層設置部35aが形成されてい
る。
【0083】展開層設置部35a内に、採便器具32と
は独立して上下方向に移動可能に展開層10が配置され
ている。展開層10の先端には、分離フィルタが展開層
10と一体に形成されており、該分離フィルタ9(設け
られている位置のみを略図的に示す。)の下方には、便
試料溶解液導入孔9bが形成されている。また、分離フ
ィルタ9の下端9aは先端が鋭くされて液密閉成材開放
部を構成している。この下端9aの下方に、液密閉成材
36が展開層設置部35a内を閉成し得るように貼り付
けられている。液密閉成材36は、第1の実施例で用い
た液密閉成材8と同様の材料で構成されている。
【0084】本実施例では、液密閉成材36を開放し、
便試料溶解液を展開層設置部35a内に導入するため
に、上記展開層10及び分離フィルタ9を下方に移動さ
せ、先端9aにより液密閉成材36を開放する。その他
の点については、第1の実施例と同様である。第3の実
施例においても、液密閉成材36を開放し、便試料溶解
液を展開層10に導き、第1の実施例と同様に免疫反応
による便潜血の有無が判定される。他方、上記判定操作
と平行して、余分な便試料溶解液は、下方の緩衝液落下
部16内に流下される。従って、判定に際し、展開層1
0を引き上げることなく、判定できるため衛生的に便潜
血の有無を判定し得る。
【0085】変形例 図2及び図3に示した実施例では、液密閉成材8は、貫
通孔7を閉成する適宜の合成樹脂フィルムにより構成さ
れていたが、好ましくは、上記液密閉成材8の外表面
に、図8に部分拡大断面図で示すように複数の突起8a
を形成してもよい。図8に示す複数の突起8aは、断面
が三角形の形状を有し、かつ液密閉成材8の外表面に分
散形成されている。従って、複数の突起8aの作用によ
り、便試料をより確実に採取することができる。
【0086】また、図8では、断面が三角形状の複数の
突起8aを液密閉成材8の外表面に形成したが、図9
(a)に示すように、断面が矩形の突出部8bを複数形
成してもよい。あるいは、図9(b)に示すように、液
密閉成材8の外表面には、表面状態が液密閉成材8に比
べて粗くされている粗面層8cを積層してもよい。いず
れの場合においても、突起8bや粗面層8cにより、液
密閉成材8が設けられている部分の外表面においても便
試料を確実に採取することができる。
【0087】また、上記のような突起や粗面層は、図4
に示した第3の実施例でも同様に用いることができる。
すなわち、図10において部分拡大断面図で示すよう
に、液密閉成材36の下面に、複数の突起36aを形成
することにより、同様に採便器具の先端側において便試
料を確実に採取することができる。
【0088】さらに、図4に示した第3の実施例では、
液密閉成材36をフィルム状の合成樹脂部材で形成して
いたが、液密閉成材は、中栓の形態のものであってもよ
い。すなわち、図11に部分拡大断面図で示すように、
採便器具32の先端側の展開層設置部35a内を閉成し
得るように、中栓タイプの液密閉成材41が取り付けら
れている。液密閉成材41は、合成樹脂や金属からな
り、展開層設置部35の下端の開孔を液密的に閉成する
ように着脱自在に取付けられている。この液密閉成材4
1の開放は、展開層10及び分離フィルタ9を下方に移
動させ、下端9aにより液密閉成材41を下方に押圧
し、液密閉成材41を展開層設置部35の下端から取り
外すことにより行われる。
【0089】また、中栓タイプの液密閉成材41では、
外表面が平滑な面とされていたが、好ましくは、図12
(a)に示すように、複数の突起42aが下面にすなわ
ち、外表面に形成されている中栓タイプの液密閉成材4
2や、図12(b)に示すように、外表面に凹部43
a,43aが形成された中栓タイプの液密閉成材43が
用いられる。液密閉成材42,43では、下面すなわち
外面に、複数の突起42aや凹部43aが形成されてい
るため、採便に際し、便試料を確実に採取することがで
きる。
【0090】また、図4に示した第3の実施例の便潜血
判定装置では、液密閉成材36が展開層設置部35aの
先端開口を閉成するように貼りつけられていたが、図1
3に示すように、板ばね44を用いて液密閉成材45に
より展開層設置部35aの下端開口を閉成してもよい。
すなわち、板ばね44は、一端が採便器具本体35の外
周面に固定されており、他端側に液密閉成材45が取り
付けられている。液密閉成材45は、合成樹脂などから
なる蓋材45aと、蓋材45aの内面側に形成された弾
性体層45bとを有する。初期状態では、板ばね44の
弾性により、液密閉成材45は、採便器具本体35の下
端開口を板ばね44の付勢力により液密的に閉成してい
る。従って、弾性体層45bは、上記液密閉成状態を実
現し得る適宜の弾性材料で構成することができる。
【0091】液密閉成材45による閉成状態を開放する
際には、展開層10を下降させ、先端部分9aにより板
ばね44の付勢力に逆らって液密閉成材45を図13に
示すように採便器具本体35の下端から分離させること
により、便試料が溶解された緩衝液を展開層設置部35
a内に流入させることができる。
【0092】また、図4に示した第3の実施例では、展
開層10が、採便器具本体35内に圧入されていたが、
展開層10は、採便器具本体35にねじ込まれるように
形成されていてもよい。すなわち、図14に示すよう
に、展開層支持部35の上方内周面に雌ねじ部46を形
成し、該雌ねじ部46にかみ合う雄ねじ47を展開層1
0の外周面に形成すれば、展開層10を採便器具本体3
5内にねじ込むことができる。この構成では、展開層1
0の先端部分9aにより液密閉成材36を突き破る作業
は、展開層10を回転させつつ挿入することにより行い
得る。従って、液密閉成材36を突き破る際に、液密閉
成材36を突き破るのに必要な力を加減することなく、
展開層10を回転するだけで容易に液密閉成材36を突
き破り、液密閉成材36による閉成状態を開放すること
ができる。
【0093】場合によっては、第3の実施例では、展開
層10の降下量を低減するために、すなわち、先端部分
9aが他方の他の部材に衝突することを防止するため
に、ストッパーを設ける必要があるが、上記のように展
開層10を採便器具本体35内にねじ込むようにした構
成では、このようなストッパーを設ける必要はない。
【0094】次に、図15を参照して、本発明の第4の
実施例にかかる便潜血判定装置を説明する。この第4の
実施例の便潜血判定装置は、請求項3に記載の発明の実
施例に相当する。
【0095】図15に示す便潜血判定装置91は、液密
閉成材開放部材の構造が異なることを除いては、図2に
示した第1の実施例の便潜血判定装置1とほぼ同様に構
成されている。従って、図2に示した便潜血判定装置1
と同一の部分については、同一の参照番号を付すること
により、詳細な説明は省略し、異なる点のみを詳細に説
明することとする。
【0096】便潜血判定装置91においても、採便器具
2と緩衝液容器3とが備えられている。もっとも、緩衝
液容器3は、上端が開いた緩衝液容器本体3cと、外部
から力を加えることにより上下に伸縮し得る蛇腹状の筒
状部材3dとを有する。筒状部材3dは、仕切り壁3b
よりも下方において、緩衝液容器本体3cに取り付けら
れている。また、筒状部材3dの下端開口を閉成するよ
うに、液密閉成材開放部材92が固定されている。液密
閉成材開放部材92は、底板92aと、底板の中央から
上方に延ばされた貫通棒92bとを有する。貫通棒92
bの上端は鋭くされており、それによって後述の液密閉
成材93を破り得るように構成されている。液密閉成材
開放部材92は、合成樹脂を用いて、一体的に構成され
ていてもよい。すなわち、底板92aと、貫通棒92a
とは一体に構成されているが、底板92aに別部材の貫
通棒92bを接着等により固定してもよい。
【0097】液密閉成材開放部材92は、合成樹脂や金
属などの適宜の材料で構成することができる。また、筒
状部3dについては、上記のように上下に伸縮可能な蛇
腹状等の形状とし得る限り、合成樹脂やゴムなどの適宜
の材料で構成することができる。
【0098】他方、本実施例では、展開層設置部5aの
下端に開口が形成されており、該開口を閉成するように
液密閉成材93が張り付けられている。液密閉成材93
は、図2に示した液密閉成材8と同様の材料で構成され
ている。
【0099】本実施例では、液密閉成材開放部材92
が、上記のように緩衝液容器3の下方に設けられた筒状
部3dに設けられているため、仕切り壁3bの上方にお
いては、液密閉成材開放部材は配置されていない。その
他の点については、図2に示した第1の実施例の便潜血
判定装置1と同様に構成されている。
【0100】便潜血判定装置91において、便潜血の判
定を行うにあたっては、まず、図1に示した便潜血判定
装置1の場合と同様にして便試料を採取し、採便器具2
を緩衝液容器3内にセットする。しかる後、第1の実施
例との場合と同様に、全体を振とうしたり、転倒混和す
ることにより、便試料を緩衝液に溶解し、便試料溶解液
を得る。
【0101】次に、連通部材18を外部から操作し、該
連通部材18を図15の左方向に移動させる。その結
果、小径部分18cが、連通孔13,14が位置する部
分に移動される。この状態で、筒状部3dを圧縮させる
ことにより、液密閉成材開放部材92を上方に移動さ
せ、貫通棒92bにより液密閉成材93を突き破る。し
かる後、直ちに液密閉成材92の貫通棒92bを下方に
引き戻すとともに、連通部材18を再度右方向に移動
し、連通孔13,13を閉成する。
【0102】上記のようにして、液密閉成材93による
閉成状態が開放されるため、便試料溶解液が展開層設置
部5a内に導入される。以後の工程については、図2に
示した便潜血判定装置1と同様にして行われ、それによ
って判定窓11から観察することにより便潜血の有無の
判定を確認することができ、かつ終了窓12において判
定の終了を確認することができる。
【0103】従って、図2に示した第1の実施例の便潜
血判定装置1の場合と同様に、便試料の採取から便潜血
の有無の判定を、便潜血判定装置91のみを用いて簡単
に行うことができ、かつ非熟練者であっても免疫クロマ
トグラフィー法に従って便潜血の有無を確実に判定する
ことができる。なお、図15に示した便潜血判定装置9
1においても、液密閉成材93としては、図10に示し
た液密閉成材36と同様に、外表面に複数の突起を設け
たもので構成してもよく、それによって、液密閉成材9
3の外表面にも採便部として機能させることができ、便
試料をより確実に半定量的に採取することができる。
【0104】また、第4の実施例の便潜血判定装置91
において、連通部材18に代えて、図3に示した連通部
材26を用いてもよい。
【0105】
【発明の効果】請求項1〜3の発明の便潜血判定装置で
は、採便器具に、便試料中の固形分を除去するための分
離フィルタや免疫クロマトグラフィーを構成するための
展開層が組み込まれており、かつ液密閉成材により密封
されている。従って、上記採便器具と緩衝液の2つの部
材のみにより便潜血判定装置が構成されるため、便潜血
判定に必要な装置の構造の簡略化が果たされる。
【0106】しかも、判定に際しては、採便器具により
便試料を採取した後、緩衝液容器内に挿入し、転倒混和
などの処理行うだけで便試料溶解液を得ることができ
る。さらに、液密閉成材を突き破り、便試料溶解液を展
開層に導くとともに、連通部材を操作することにより余
分な便試料溶解液を下方の緩衝液落下部に流下させるこ
とにより、便潜血の有無を判定するとともに、余分な便
試料を溶解液が採便器具側に付着することを確実に防止
することができる。
【0107】よって、非熟練者であっても、極めて容易
に、かつ衛生的に、便潜血の有無を正確に判定すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかる便潜血判定装置
の外観を示す斜視図。
【図2】第1の実施例の便潜血判定装置の縦断面図。
【図3】第2の実施例の便潜血判定装置の縦断面図。
【図4】第3の実施例の便潜血判定装置の縦断面図。
【図5】(a)〜(c)は、第1の実施例の便潜血判定
装置を用いて便潜血を判定する工程を説明するための各
模式的断面図。
【図6】未だ公知ではない従来の便潜血判定装置の一例
を説明するための縦断面図。
【図7】未だ公知ではない従来の便潜血判定装置の他の
例を説明するための部分切欠縦断面図。
【図8】液密閉成材の好ましい変形例を説明するための
部分切欠断面図。
【図9】(a)及び(b)は、液密閉成材の好ましい他
の変形例を説明するための各断面図。
【図10】図4に示した実施例で用いられる液密閉成材
の好ましい変形例を説明するための部分切欠断面図。
【図11】第3の実施例で用いられる液密閉成材の他の
変形例を説明するための部分切欠断面図。
【図12】(a)及び(b)は、中栓タイプの液密閉成
材のさらに他の変形例を説明するための各断面図。
【図13】第3の実施例で用いられる液密閉成材のさら
に他の変形例を説明するための部分切欠断面図。
【図14】第3の実施例の変形例であり、展開層が展開
層設置部にねじ込まれる構成を備えた便潜血判定装置を
説明するための縦断面図。
【図15】第4の実施例にかかる便潜血判定装置を説明
するための縦断面図。
【符号の説明】
1…便潜血判定装置 2…採便器具 3…緩衝液容器 3b…仕切り壁 5…採便器具本体 5a…展開層設置部 6…凹凸 7…開口 8…液密閉成材 8a,8b…突起 8c…粗面層 9…液密閉成材開放部としての下端 10…展開層 11…判定窓 12…終了窓 13…連通孔 14…連通孔 15…緩衝液貯溜部 16…緩衝液流下部 17…緩衝液 18…連通部材 21…貫通孔 22…弾性シール材 23…液密閉成材開放部材 25…便潜血判定装置 26…連通部材 26a…貫通孔 29…仕切り壁 29a,29b…連通孔 31…便潜血判定装置 32…採便器具 35…採便器具本体部 35a…展開層設置部 36…液密閉成材 36a…突起 41,42,43…液密閉成材 42a…突起 43a…凹部 91…便潜血判定装置 92…液密閉成材開放部材 92a…底板 92b…貫通棒 93…液密閉成材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 裕司 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採取した便を外表面に付着させて保持す
    る便保持部を有する採便器具と、上方から前記採便器具
    が挿入される緩衝液容器とを備える便潜血判定装置であ
    って、 前記採便器具には、下方部分に開口を有する展開層設置
    部とが形成されており、 前記展開層設置部に配置されており、かつ抗ヘモグロビ
    ン抗体感作担体が設置されており、抗ヘモグロビン抗体
    が固定化されている展開層と、 前記展開層設置部において前記展開層の下方に配置され
    ており、かつ便試料が溶解された緩衝液を濾過するため
    の分離フィルタと、 前記展開層設置部の開口を閉成するように、前記分離フ
    ィルタよりも下方に配置されており、便試料が溶解され
    た緩衝液の展開層設置部への進入を防止するための液密
    閉成材と、 外部からの操作により前記液密閉成材による閉成状態を
    開放することを可能とするために、先端が前記液密閉成
    材方向に延ばされており、かつ該先端が液密閉成材側に
    繰り出されるように、前記緩衝液容器に取り付けられ
    た、液密閉成材開放部材とを備え、 前記採便器具には、外部から展開層を観察することを可
    能とするために判定窓及び終了窓が形成されており、 前記緩衝液容器は、中間高さ位置に設けられておりかつ
    連通孔を有する仕切り壁により、上方の緩衝液貯溜部
    と、下方の緩衝液落下部とに区画されており、 前記緩衝液貯溜部において前記液密閉成材開放部材が緩
    衝液容器に取り付けられており、かつ外部からの操作に
    より前記仕切り壁の連通孔を開いた状態と、閉じた状態
    とをとり得るように、前記仕切り壁に取り付けられた連
    通部材をさらに備えることを特徴する便潜血判定装置。
  2. 【請求項2】 採取した便を外表面に付着させて保持す
    る便保持部を有する採便器具と、上方から前記採便器具
    が挿入される緩衝液容器とを備える便潜血判定装置であ
    って、 前記採便器具には、長さ方向に延び、上端及び下端が開
    いた展開層設置部が形成されており、 前記展開層設置部内に配置されており、かつ抗ヘモグロ
    ビン抗体感作担体が設置されており、抗ヘモグロビン抗
    体が固定化されている展開層と、 前記展開層設置部において、前記展開層と一体に、かつ
    前記展開層の下方に配置されており、便試料が溶解され
    た緩衝液を濾過するための分離フィルタとを備え、上記
    展開層及び分離フィルタは、採便器具と独立に外部から
    の操作により上下に移動され得るように構成されてお
    り、かつ分離フィルタの下端に先端が尖らされた液密閉
    成材開放部が構成されており、 前記展開層設置部の下端の開口を閉成するように配置さ
    れており、便試料が溶解された緩衝液の展開層設置部へ
    の進入を防止するための液密閉成材をさらに備え、 前記採便器具には、外部から展開層を観察すること可能
    とするために判定窓及び終了窓が形成されており、 前記緩衝液容器は、中間高さ位置に設けられており、か
    つ連通孔を有する仕切り壁により、上方の緩衝液貯溜部
    と、下方の緩衝液落下部とに区画されており、 外部からの操作により前記仕切り壁の連通孔を開いた状
    態と、閉じた状態とをとり得るように、前記仕切り壁に
    取り付けられた連通部材をさらに備えることを特徴とす
    る便潜血判定装置。
  3. 【請求項3】 採取した便を外表面に付着させて保持す
    る便保持部を有する採便器具と、上方から前記採便器具
    が挿入される緩衝液容器とを備える便潜血判定装置であ
    って、 前記採便器具には、下端に開口を有する展開層設置部と
    が形成されており、 前記展開層設置部に配置されており、かつ抗ヘモグロビ
    ン抗体感作担体が設置されており、抗ヘモグロビン抗体
    が固定化されている展開層と、 前記展開層設置部において前記展開層の下方に配置され
    ており、かつ便試料が溶解された緩衝液を濾過するため
    の分離フィルタと、 前記展開層設置部の下端の開口を閉成するように、前記
    分離フィルタよりも下方に配置されており、便試料が溶
    解された緩衝液の展開層設置部への進入を防止するため
    の液密閉成材とを備え、 前記採便器具には、外部から展開層を観察することを可
    能とするために判定窓及び終了窓が形成されており、 前記緩衝液容器は、中間高さ位置に設けられておりかつ
    連通孔を有する仕切り壁により、上方の緩衝液貯溜部
    と、下方の緩衝液落下部とに区画されており、 前記緩衝液貯溜部において前記液密閉成材開放部材が緩
    衝液容器に取り付けられており、かつ外部からの操作に
    より前記仕切り壁の連通孔を開いた状態と、閉じた状態
    とをとり得るように、前記仕切り壁に取り付けられた連
    通部材と、 外部からの操作により前記液密閉成材による閉成状態を
    開放することを可能とするために、上端が前記液密閉成
    材方向に延ばされており、かつ該上端が前記仕切り壁の
    連通孔を通って液密閉成材側に繰り出されるように、前
    記緩衝液容器の緩衝液落下部に取り付けられた、液密閉
    成材開放部材とをさらに備えることを特徴する便潜血判
    定装置。
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