JP3514883B2 - 便潜血判定装置 - Google Patents

便潜血判定装置

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JP3514883B2 JP20085895A JP20085895A JP3514883B2 JP 3514883 B2 JP3514883 B2 JP 3514883B2 JP 20085895 A JP20085895 A JP 20085895A JP 20085895 A JP20085895 A JP 20085895A JP 3514883 B2 JP3514883 B2 JP 3514883B2
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裕司 金子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便潜血の有無を判
定するための簡易検査装置に関し、特に、免疫フィルタ
法や免疫クロマトグラフィー法等の免疫法を利用した便
潜血判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】便潜血は消化器系疾患により、消化管内
の便中に血液が混入することにより発現する。特に大腸
癌などの疾患との相関が確認されており、我国で益々増
えつつある大腸癌の早期診断の指標として、非常に重要
でかつ汎用されている検査である。
【0003】現在用いられている便潜血検査方法には、
大別して2種の方法がある。第1の方法は従来から行わ
れている化学的潜血反応(以下、「化学法」と記す)と
呼ばれるもので、ヘモグロビンの有するパーオキシダー
ゼ様活性を検出する非特異反応である。この方法は、色
源体(グアヤク脂あるいはオルトトリジンなど)が、パ
ーオキシダーゼ様活性保持物質及び過酸化水素水存在下
で酸化されて発色する機構に基づく。従って、本法で
は、パーオキシダーゼ様活性保持物質である薬物あるい
はヘモグロビンを含む食物などによって陽性を示すた
め、投薬及び食餌制限を必要とした。
【0004】本化学法に基づく検査装置として、簡便な
測定システムが開示されており、その幾つかは汎用され
ている。例えば特公平2−45826号公報、特開昭5
9−168370号公報、特開昭62−266463号
公報、及び実開昭62−153573号公報では、グア
ヤク脂等を含浸させた試験紙を含むカードに少量の便試
料を塗布した後、過酸化水素水を滴下して呈色具合を見
るシステムが開示されている。これらのシステムでは、
カード式の本体に付属したグアヤク脂上の一部に便試料
を適量塗布し、さらに塗布部の裏側の部位に過酸化水素
水を滴下することによって、滴下部のグアヤク脂が発色
するか否かで判定する。便試料塗布部を開放せずに行う
ことができ、衛生的に扱えることや、簡便な構成である
ことが利点であるが、上記のような測定原理に由来する
欠点は解決されていない。
【0005】第2の方法は、上記の化学法の欠点を解決
するために近年開発されたものであり、免疫反応に基づ
く方法(以下、「免疫法」と記す)である。本法は抗ヒ
トヘモグロビン抗体を用いた抗原−抗体反応に基づく方
法であるため特異性が高く、化学法のような食事制限等
を必要としない。判定は、ラテックス凝集法、酵素標識
免疫法等の一般的な免疫血清学的検査法により行われる
が、現在もっとも汎用されている方法はラテックス凝集
法である。
【0006】ラテックス凝集法では、判定板上に便試料
溶解液およびラテックス試薬を滴下して混合し、凝集像
の有無により判定が行われる。化学法に比較して原理的
に特異性は高いが、凝集法の判定には熟練を要する。ま
た該免疫法に基づく検査システムは、判定板、ラテック
ス試薬、攪拌棒、採便器具、溶解液などを含むキットと
して提供されているが、構成が複雑であり、上記化学法
のような簡便なシステムは開発されていない。
【0007】これらの免疫法における簡便化は、化学法
にはない免疫法特有の工程、つまり便試料を緩衝液等に
溶解する工程および溶解後の溶解液中の非溶解固形分を
濾過により除去する工程について行われている。すなわ
ち、これらの操作については、比較的定量的にかつ衛生
的な取り扱いが可能な採便器具が開示されており、例え
ば実開平3−44663号公報、実公平2−13977
号公報、実開平1−66071号公報、実開平1−85
668号公報および実開昭64−42454号公報など
では、緩衝液を含む容器の蓋部に採便のための採取棒が
付属されており、採便後に該蓋部を緩衝液容器にセット
することにより、採取棒先端の便が緩衝液中に分散され
る。また、よく振盪後、滴下部より判定板上に滴下する
に際し、滴下部にはフィルタ機構が設置されており、非
溶解性固形分が除去されるように構成されている。判定
板上に滴下した後は上述のラテックス凝集法の常法に従
って操作される。
【0008】免疫法による便潜血測定システムの簡便化
は、上記工程と抗原抗体反応の一体化により果たされる
と思われるが、当該技術は現在までのところ実現されて
いない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、セルフケアとい
う概念の拡がりと共に、免疫反応に基づく簡易検査シス
テムが一般検査薬として薬局等で入手できるようになっ
た。例えば妊娠診断薬では、免疫クロマトグラフィー法
を利用した簡便な検査システムが確立している。該免疫
クロマトグラフィー法を便潜血検査に利用する際の最も
大きな問題は、上記の便試料の溶解及び濾過工程がシス
テム中に組み込みにくい点である。
【0010】本発明の目的は、免疫法を利用した便潜血
検査装置であって、比較的簡単な構成からなりながら、
便潜血判定操作の全工程に渡り操作が簡略化されてお
り、非熟練者においても容易にかつ正確に便潜血の有無
を判定し得る便潜血判定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1〜3に記載の発
明は、上記課題を達成するために成されたものであり、
採取した便を付着させて保持する便保持部を外表面に有
する採便器具と、前記採便器具が挿入される緩衝液容器
とを備える便潜血判定装置であり、下記の構成を備える
ことを特徴とする。
【0012】請求項1,2に記載の発明は、免疫フィル
タ法を用いた装置であり、上記採便器具は、先端側が液
密閉成材で閉成された筒状の採便器具本体と、前記採便
器具本体内に挿入されており、かつ採便器具本体内への
挿入深度を変化させ得るように前記採便器具本体に取り
付けられた棒状の判定部材とを有する。この棒状の判定
部材が、採便器具本体内への挿入深度を変化させ得るよ
うに構成されているのは、判定部材により液密閉成材に
よる閉成状態を開放し、それによって便試料が溶解され
た緩衝液を後述のフィルタ設置部材内に導入するためで
ある。
【0013】なお、上記液密閉成材による閉成状態を開
放する操作は、例えば液密閉成材が液密シール材により
構成されている場合には、判定部材の下端により液密シ
ール材を突き破ることにより行われ、あるいは液密閉成
材が中栓で構成されている場合には、判定部材の下端に
より押圧し、中栓を採便器具の先端から取り外すことに
より行われる。
【0014】判定部材内には、下方に開いたフィルタ設
置部と、該フィルタ設置部を外気と連通するための連通
孔とが形成されている。連通孔は、判定に際し便試料が
溶解された緩衝液を後述の免疫フィルタへ供給すること
を容易とするために設けられている。
【0015】フィルタ設置部内には、分離フィルタ及び
免疫フィルタが備えられている。すなわち、フィルタ設
置部内において、上記液密閉成材の上方に、便試料が溶
解された緩衝液中の固形分を除去するための分離フィル
タが配置されている。また、フィルタ設置部内において
は、上記分離フィルタの上方に免疫フィルタが配置され
ている。
【0016】この免疫フィルタは、請求項1に記載の発
明では、抗ヘモグロビン抗体感作担体が緩衝液により移
動可能に設置されており、かつ前記抗ヘモグロビン抗体
感作担体は通過し得るが、抗ヘモグロビン抗体感作担体
とヘモグロビンとの抗原抗体反応による生成物は通過し
ない細孔を有するように構成されている。
【0017】他方、請求項2に記載の発明では、上記免
疫フィルタは、抗ヘモグロビン抗体感作担体が緩衝液に
より移動可能に設置されており、かつ前記抗ヘモグロビ
ン抗体とは認識部位の異なる第2の抗ヘモグロビン抗体
が移動不能に固定化されており、上記抗ヘモグロビン抗
体感作担体が通過可能な細孔を有するように構成されて
いる。
【0018】また、請求項3に記載の発明では、先端側
が液密閉成材で閉成された筒状の採便器具本体と、前記
採便器具本体に挿入されており、かつ採便器具本体内へ
の挿入深度を変化させ得るように前記採便器具本体に取
り付けられた棒状の判定部材とを有する。この棒状の判
定部材が、採便器具本体内への挿入深度を変化させ得る
ように構成されているのは、上記判定部材を移動させる
ことにより、判定部材の先端で液密閉成材による閉成状
態を開放することを可能とし、それによって便試料が溶
解された緩衝液を後述の試料導入部から展開層に供給す
るためである。
【0019】なお、上記判定部材の移動により液密閉成
材による閉成状態を開放する操作は、請求項1,2に記
載の発明の場合と同様に、液密閉成材が液密シール材で
構成されている場合には、判定部材の下端により液密シ
ール材を破ることにより行われ、液密閉成材が中栓で構
成されている場合には、該判定部材の下端により液密閉
成材を押圧し、かつ採便器具の先端から取り外すことに
より行われる。
【0020】上記判定部材には、免疫クロマトグラフィ
ーを行うために、抗ヘモグロビン抗体感作担体が設置さ
れ、かつ抗ヘモグロビン抗体が移動不能に固定化されて
いる展開層が長手方向に沿うにように設けられている。
【0021】判定部材の下端近傍には、便試料が溶解さ
れた緩衝液中の固形分を除去するための分離フィルタが
設けられた試料導入部が設けられている。また、判定部
材には、免疫クロマトグラフィーによる判定を確認する
ための判定窓及び反応終了を確認するための終了窓が設
けられている。
【0022】
【作用】請求項1,2に記載の発明に係る便潜血判定装
置を使用して便潜血を判定するにあたっては、採便器具
本体を緩衝液容器から抜き出し、便試料に突き刺し、上
記便保持部に便試料を採取する。次に、採便器具を上方
から緩衝液容器に挿入する。その結果、便試料が緩衝液
容器内の緩衝液に溶解され、便試料が溶解された緩衝液
が作製される。この場合、上記フィルタ設置部は、液密
閉成材により閉成されているため、便試料が溶解された
緩衝液は、フィルタ設置部には浸入しない。
【0023】次に、採便器具本体内への判定部材の挿入
深度を変化させ、すなわち判定部材を下方に移動させて
液密閉成材による閉成状態を開放する。その結果、便試
料が溶解された緩衝液がフィルタ設置部内に浸入するこ
とになる。
【0024】次に、便潜血判定装置を上下逆転し、便試
料が溶解された溶解液をフィルタ設置部内の分離フィル
タに供給し、分離フィルタにおいて不溶性固形分を除去
する。次に、便試料が溶解され、かつ固形分が除去され
た緩衝液が免疫フィルタに供給される。免疫フィルタに
おいては、免疫フィルタ法に従って、便潜血の有無が判
定される。
【0025】すなわち、請求項1に記載の発明では、便
試料が溶解された緩衝液が免疫フィルタに供給される
と、抗原抗体反応の生成物、すなわち凝集塊が免疫フィ
ルタを通過しないが、当初設置されていた抗体感作担体
は緩衝液により分散された後、免疫フィルタを通過する
ことになる。従って、免疫フィルタにより免疫生成物が
分離されるので、陽性及び陰性の判断の容易にかつ確実
に行うことができる。
【0026】他方、請求項2に記載の発明では、免疫フ
ィルタに第2の抗ヘモグロビン抗体が固定化されている
ため、ヒトヘモグロビンを間に介したサンドイッチ法に
より免疫反応生成物が免疫フィルタ上にトラップされ、
他方、ヘモグロビン抗体感作担体が免疫フィルタを通過
する。従って、反応生成物と上記担体との分離が免疫フ
ィルタによって行われるため、請求項1に記載の発明と
同様に、便潜血の有無を容易にかつ確実に判定すること
ができる。
【0027】また、請求項3に記載の発明に係る便潜血
判定装置を使用して便潜血を判定するにあたっても、採
便器具本体を緩衝液容器から引出し、便試料に突き刺
し、上記便保持部に便試料を採取する。次に、採便器具
を上方から緩衝液容器に挿入する。その結果、便試料が
緩衝液容器内の緩衝液に溶解され、便試料溶解液が作製
される。次に、採便器具本体内への判定部材の挿入深度
を変化させ、すなわち判定部材を下方に移動させて液密
閉成材による閉成状態を開放する。その結果、便試料が
溶解された緩衝液が判定部材の試料導入部に浸入するこ
とになる。
【0028】試料導入部には分離フィルタが設けられて
いるため、不溶固形分が分離フィルタにより除去され、
不溶固形分が除去された便試料溶解液が上記展開層に供
給される。
【0029】展開層では、便試料溶解液が展開されて展
開層上を移動することになる。この場合、ヘモグロビン
は上記ヘモグロビン抗体感作担体の抗ヘモグロビン抗体
と抗原抗体反応を起こす。従って、ヘモグロビン−抗体
感作担体複合体が展開層を移動することになり、第2の
抗ヘモグロビン抗体が固定化されている部分に到達する
と、上記複合体中のヘモグロビンが、固定化されている
抗ヘモグロビン抗体と抗原抗体反応を起こし、その結
果、ヘモグロビン−抗ヘモグロビン抗体感作担体複合体
が、第2の抗ヘモグロビン抗体が固定化されている部位
にトラップされることになる。
【0030】従って、上記担体と展開層とのコントラス
トにより、担体の存在、すなわちヘモグロビンの存在を
目視により容易に確認することができ、請求項1,2に
記載の発明と同様に、便潜血の有無を容易にかつ確実に
判定することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例につき、図
面を参照しつつ説明することにより明らかにする。
【0032】第1の実施例 図1は、本発明の第1の実施例に係る便潜血判定装置を
示す縦断面図である。便潜血判定装置1は、採便器具2
と、緩衝液容器3とを有する。
【0033】採便器具2は、採便器具本体4と、棒状の
判定部材5とを有する。採便器具本体4は、相対的に径
の大きな円筒状の取り付け部4aと、相対的に小さな径
の判定部材支持部4bとを有する。判定部材支持部4b
は、図示のように緩衝液容器3の内部に入り込み得る径
を有するように構成されている。他方、取り付け部4a
は、相対的に大きな径を有する筒状部材で構成されてお
り、本実施例では、取り付け部4aと判定部材支持部4
bとは一体に形成されている。
【0034】取り付け部4aの下端は、緩衝液容器3の
上方外周縁に形成された雄ねじ3aに噛み合うように、
雌ねじ部4cが形成されている。また、取り付け部4a
の上方には、凹部4dが形成されている。なお、凹部4
dは、上蓋4eにより閉成され得るように構成されてい
る。上蓋4eは、図1に示すように、凹部4dを露出し
た状態、並びに凹部4dを閉成した状態を取り得るよう
に開閉自在に、かつ取り付け部4aと一体に構成されて
いる。
【0035】上記採便器具本体4の中心に設けられた長
手方向に延びる貫通孔4fには上述した判定部材5が挿
入されている。また、貫通孔4fと判定部材5との間を
密着させるために、Oリング7が貫通孔4fの内周面に
臨むように取り付けられている。
【0036】判定部材5は、略棒状の形状を有し、先端
部分5aが鋭くされている。この先端部分5aは、後述
の液密閉成材8を突き破るために鋭くされている。判定
部材5内には、下方に開いたフィルタ設置部9が判定部
材5の長手方向に延びるように内部に形成されている。
フィルタ設置部9の下端は、先端部分5aに開いてい
る。また、先端部分5aよりも上方に、ある程度の量の
便試料溶解液を導入するための便試料溶解液導入部10
が、ある程度の容積を有するように形成されている。
【0037】便試料溶解液導入部10の上方には、分離
フィルタ11が配置されている。分離フィルタ11は、
便試料が溶解された溶解液中の不溶性固形分を除去する
ために設けられている。従って、分離フィルタ11は、
外周面がフィルタ設置部9の内周面と密接するように取
り付けられている。分離フィルタ11は、上記のような
濾過機能を有するものであるため、公知の濾紙、ニトロ
セルロースなどの分離膜またはフィルタ材料により構成
し得る。また、分離フィルタ11は、セルロース系や合
成高分子系の多孔質材料により構成されていてもよい。
【0038】分離フィルタ11の上方には、免疫フィル
タ12が配置されている。免疫フィルタ12は、公知の
免疫フィルタ法を実施するために設けられており、ラテ
ックス凝集反応を利用したものである。ラテックス凝集
反応法では、例えば抗体感作ラテックスと抗原との抗原
抗体反応による免疫反応生成物が三次元網目構造を形成
し、凝集物を生じる。
【0039】上記免疫反応を、上記凝集物は通過させな
いが、非凝集物は通過可能な多数の細孔を有するフィル
タ上で行うことにより、反応後のフィルタ上のラテック
スの有無により、あるいはフィルタ上の空間に溜まる着
色ラテックスや通過した着色ラテックスの有無により、
陽性あるいは陰性が判定される。
【0040】判定の際、好ましくは、担体の色調が免疫
フィルタあるいはフィルタの下方の空間と明確なコント
ラストを有するように構成することにより、判定をより
確実かつ容易なものとすることができる。
【0041】本発明では、上記抗原は、便溶解液中のヒ
トヘモグロビンであり、抗体は抗ヒトヘモグロビン抗体
である。また、この抗ヒトヘモグロビン抗体は、上記ラ
テックス粒子に固定化されており、但し上記緩衝液によ
り溶解可能に固定化されている。
【0042】上記のように、免疫フィルタ12では、抗
原抗体反応の生成物、すなわち凝集塊が、免疫フィルタ
12を通過しないが、当初設置されていた抗体感作担体
は上記便試料溶解液により分散された後、免疫フィルタ
12を通過する。前述したように、担体の色調と免疫フ
ィルタ12あるいは免疫フィルタ12上の空間の色調と
が明確なコントラストを有するように構成すれば、陽性
及び陰性の判断を容易かつ確実に行うことができる。
【0043】担体の色調を、担体の存在する部分の背景
や上記凝集塊の色調と異ならせるためには、着色担体を
用いることが好ましい。例えば、背景が黒色系の場合に
は、白色の担体、背景が白色系の場合は着色担体を用い
ることが好ましい。上記担体として最も好ましいものは
ラテックス粒子であるが、ラテックス粒子は通常白色で
あるため、背景が白色の場合には、例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン等を乳化重合して得られたラテック
ス粒子を、水及び水と相溶性を有する有機溶媒とを含む
反応媒体中で、該反応媒体中に溶解された水難溶性着色
剤と接触させて着色する方法や、乳化重合により得ら
れかつアニオン性官能基を有するラテックス粒子、例え
ば、(メタ)アクリル酸等のアニオン性官能基を有する
モノマーを含む共重合体よりなるラテックス粒子を、水
系反応媒体中において、該反応媒体中に溶解された両性
電解質である着色剤と接触させて着色する方法等により
得られるラテックス粒子を用いることが好ましい。
【0044】本実施例に用いられる抗ヒトヘモグロビン
抗体は、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、モルモット等に
ヒトヘモグロビンを免疫して得られた抗血清を、アフィ
ニティクロマトグラフィー等により精製することにより
得られる。また免疫したマウス脾臓細胞を用いた公知の
細胞融合法により、モノクローナル抗体を製造すること
も可能である。いずれにせよ用いられる抗ヒトヘモグロ
ビン抗体は充分精製されたものであることが望ましい。
【0045】抗ヒトヘモグロビン抗体の担体への感作方
法は、分離吸着法または化学結合法など公知の手法によ
り行うことができる。例えばラテックスに抗ヒトヘモグ
ロビン抗体の緩衝液溶液を添加し、30〜120分間攪
拌しながら37℃に加温することにより、抗体をラテッ
クス表面に物理的に吸着させることができる。またカル
ボキシル基を有するラテックスを用いれば、水溶性カル
ボジイミド等を介して、共有結合で抗体をラテックスに
結合させることもできる。必要に応じてウシ血清アルブ
ミン(以下、「BSA」と記す。)等を添加してもよ
い。
【0046】得られた抗体感作担体の免疫フィルタ12
上への固定は、例えば該抗体感作担体の0.01〜10
重量%分散液0.05〜1ml程度の量を所定の位置に
滴下し、室温にて12時間以上乾燥させることにより行
い得る。
【0047】なお、緩衝液容器3内に収納される緩衝液
13としては、例えばアンモニア緩衝液、グリシン緩衝
液、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などの中性付近の塩溶
液が好ましく、特に好ましくは、pH6.5〜8.5の
範囲の上記緩衝液が挙げられる。また、緩衝液量は採取
される便試料の量にもよるが、0.5〜10ml程度と
することが望ましい。
【0048】また、上記判定部材5のフィルタ設置部9
と外気とを通じるために、判定部材内には、連通孔14
が形成されている。連通孔14の上端には、栓15が着
脱自在に取り付けられている。
【0049】連通孔14の下端は、免疫フィルタ12の
上方の空間Bに開口している。さらに、緩衝液容器3の
上端開口縁には、余剰便除去部材16が取り付けられて
いる。余剰便除去部材16は、その内周縁が、採便器具
本体部4bに接するように構成されており、かつ弾力性
を有する合成樹脂、もしくはゴム系材料により構成され
た環状の部材である。この余剰便除去部材16は、採便
器具4を緩衝液容器3に挿入した際に、余分な量の便試
料を除去するために設けられている。すなわち、余剰便
除去部材16が存在する部分を通過する際に、余剰の便
試料が余剰便除去部材16でこすり取られることにな
り、所望の量の便試料のみが緩衝液3内に挿入されるこ
とになる。
【0050】なお、採便器具本体4の先端の外周面に
は、便保持部4gが形成されている。便保持部4gは、
外周面に凹凸を付与することにより形成されており、便
を半定量的に採取するために設けられている。この便保
持部4gの形状については、図示のような凹凸を付与し
たものに限らず、半定量的に便を採取し得る限り、窪
み、突起などの種々の形状を有するように構成され得
る。また、このような窪みや突起の数についても特に制
限されるものではない。
【0051】また、採便器具本体4の下方開口を閉成し
ている液密閉成材8は、判定部材5の先端部分5aで突
き破ることができ、かつ便試料に採取に際して破損し難
い程度の強度を有する適宜のシール部材で構成すること
ができる。このような液密閉成材8は、例えば、ポリエ
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの合成樹
脂フィルム、アルミニウム箔などの金属箔、あるいはこ
れらの積層体の一面にホットメルト粘着剤などの適宜の
接着剤や粘着剤を付与することにより構成し得る。液密
閉成材8は、採便に際し、採便器具本体4内への便の浸
入を防止する機能と、緩衝液13の採便器具本体4内へ
の流入を防止する機能を果たす。
【0052】上記判定部材5の先端部分5aは、液密閉
成材8を突き破り得る限り、図示の形状の他、種々の形
状に構成することができる。例えば、判定部材5の先端
に複数の針状部分を液密閉成材8側に突出形成したもの
であってもよい。
【0053】緩衝液容器3の内容積は特に制限されるも
のではないが、便潜血判定装置1を構成する上では、通
常1〜10ml程度とされる。また、緩衝液容器3は、
ポリエチレン、ポリプロピレン、または塩化ビニル樹脂
などの適宜の合成樹脂により構成し得るが、ガラスや金
属などの他の材料で構成してもよい。
【0054】また、上記採便器具本体4及び判定部材5
についても、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは塩化
ビニル樹脂などの適宜の合成樹脂により構成することが
でき、さらに採便器具本体4については、ガラスや金属
などの他の材料で構成してもよい。また、判定部材5に
ついては、好ましくは、免疫フィルタ12における免疫
反応の結果を外部から目視により観察することを容易と
するために、透明な合成樹脂材料やガラス等により構成
することが望ましい。
【0055】もっとも、免疫フィルタ12による免疫フ
ィルタ法の結果を確認し得る部分において判定部材5に
窓を設けた場合には、判定部材5は、透明性を有しない
材料で構成してもよい。なお、上記のような窓を構成し
た場合には、該窓部を透明な合成樹脂やガラス等により
閉成することが必要である。
【0056】なお、便潜血判定装置1は、図1に示した
当初の組み立て状態では、判定部材5の先端部分5aが
液密閉成材8と所定距離を隔てた位置に配置されてい
る。使用前に、先端部分5aにより誤って液密閉成材8
が突き破られることがないように、判定部材5あるいは
採便器具本体部4の少なくとも一方にストッパーを設け
てもよい。すなわち、判定部材5が図1に示す状態から
さらに下方に移動し、液密閉成材8を突き破るのを防止
するために判定部材5の外周面に着脱自在にストッパー
を設けてもよく、あるいは採便器具本体部4の取り付け
部4aの凹部4dの内周面に同じく着脱自在にストッパ
ーを設けてもよい。
【0057】次に、図1に示した便潜血判定装置の使用
方法を、図2〜図4を参照して説明する。まず、図1に
示したように組み立てられている便潜血判定装置1にお
いて、採便器具2を緩衝液容器3から引き抜く。
【0058】次に、採便器具2を図2(a)に示すよう
に、便試料Aに突き刺し、引き上げることにより便保持
部4fに便試料を採取する。次に、採便器具2を便試料
Aから抜き取った後、便保持部4fに付着していた余剰
の便を拭き取り、採便器具2を緩衝液容器3に再度挿入
する(図2(b))。なお、上記便保持部4fに余剰に
付着していた便を拭き取らずに、直接採便器具2を緩衝
液容器3に再度挿入してもよい。いずれの場合において
も、本実施例では、余剰便除去部材16により、便保持
部4fの周囲に付着していた余剰の便試料がこすり取ら
れることになるため、所望の量の便試料が便保持部4f
に保持されたまま緩衝液容器3内に挿入されることにな
る。
【0059】この状態で、便潜血判定装置1全体を図2
(b)に矢印で示すように旋回させることにより、ある
いは転倒混和することにより緩衝液13に便試料を溶解
させることができる。
【0060】次に、栓15を除去し、判定部材5を下方
に移動させる。その結果、図3に示すように、液密閉成
材8が判定部材5の先端部分5aにより突き破られる。
そのため、便試料が溶解された緩衝液13が判定部材5
の内部の便試料溶解液導入部10に流入することとな
る。
【0061】次に、判定部材5を、図3に示す状態から
上方に引き上げ、免疫フィルタ12よりも上方の判定空
間Bが露出する位置まで判定部材5を引き上げる。しか
る後、図4に略図的に示すように、便潜血判定装置1全
体を上下逆転し、便試料溶解液導入部10に導入されて
いた便試料溶解液を分離フィルタ11に供給する。分離
フィルタ11で溶かされた便試料溶解液が、免疫フィル
タ12に滴下する。
【0062】便試料溶解液中にヒトヘモグロビンが存在
する場合には、免疫フィルタ12上において抗原抗体反
応が起こり、抗ヘモグロビン抗体感作担体とヘモグロビ
ンとの反応により免疫反応生成物(凝集塊)が生じる。
従って、抗体感作担体は便試料溶解液すなわち緩衝液で
分散されるが、上記凝集塊を形成することになるため、
免疫フィルタ12から判定空間Bには流れ出ない。よっ
て、抗体感作担体の色調は判定空間Bでは観察されない
(陽性)。
【0063】他方、便試料溶解液中にヒトヘモグロビン
が存在しなかった場合には、抗体感作担体は上記抗原抗
体反応を引き起こさない。従って、抗体感作担体は便試
料溶解液に溶解した後、免疫フィルタ12から判定空間
Bに至る。よって、抗体感作担体の色調を観察すること
ができる(陰性)。
【0064】上記のように判定が終了した後には、栓1
5を連通孔14を閉栓するように取り付け、便試料溶解
液の液漏れを防止し、測定を終了する。上記のように、
本実施例の便潜血判定装置では、採便器具2を用いて便
試料を便保持部4fに採取した後には、採便器具2を緩
衝液容器3に取り付け、便試料の溶解及び便潜血判定装
置1の向きの変更等の簡単な作業を行うだけで、便潜血
の有無を簡単にかつ確実に判定し得ることがわかる。
【0065】なお、上記実施例では、便潜血判定装置1
を上下逆転させて、免疫フィルタ12に便試料溶解液を
供給したが、連通孔14の上端に真空吸引装置を接続
し、真空吸引により免疫フィルタ12に便試料溶解液を
供給してもよい。その場合には、便潜血判定装置1を上
下逆転する操作は不要である。
【0066】また、本実施例では、判定部材5は、Oリ
ング7により採便器具本体部4bの貫通孔4eに圧入さ
れていたが、貫通孔4eに雌ねじを形成し、判定部材5
の外周面に該雌ねじと噛み合う雄ねじを形成することに
より、判定部材5の挿入深度を調節し得るように構成し
てもよい。
【0067】また、上記実施例では、免疫フィルタ12
として、上記抗ヒトヘモグロビン抗体感作担体が緩衝液
により移動可能に設置されており、かつ抗ヒトヘモグロ
ビン抗体感作担体は通過し得るが、抗ヒトヘモグロビン
抗体感作担体とヒトヘモグロビンとの免疫反応による生
成物が通過しない細孔を有するように構成していたが、
上記免疫フィルタ12として、請求項2に記載のよう
に、抗ヒトヘモグロビン抗体感作担体が、緩衝液により
移動可能に設置されており、さらに上記抗ヒトヘモグロ
ビン抗体とが認識部位が異なる第2の抗ヒトヘモグロビ
ン抗体が移動不能に固定化されており、上記抗ヒトヘモ
グロビン抗体感作担体が通過可能な細孔を有するように
構成してもよい。
【0068】このように抗ヒトヘモグロビン抗体感作担
体を移動可能に設置し、エピトープが異なる第2の抗体
を移動不能に固定化した免疫フィルタを用いた場合に
は、免疫フィルタ中に上記第2抗体が固定化されている
ので、ヘモグロビンを間にしたサンドイッチ法により免
疫反応生成物が免疫フィルタ上にトラップされる(陽
性)。他方、ヒトヘモグロビン抗体感作担体は免疫フィ
ルタを通過するので、ヘモグロビンが含まれていない便
試料の場合には、判定空間Bにて抗体感作担体の色調を
観察し得る(陰性)。従って、免疫フィルタ法により、
上記実施例と同様に便潜血の有無を容易に判定できる。
【0069】次に、請求項3に記載の発明に係る便潜血
判定装置についての実施例を図5〜図8を参照して説明
する。図5は、本実施例の便潜血判定装置を示す縦断面
図である。便潜血判定装置21は、採便器具22と、緩
衝液容器23とを有する。採便器具22は、採便器具本
体24と、棒状の判定部材25とを有する。
【0070】採便器具本体24は、相対的に径の大きな
円筒状の取り付け部24aと、相対的に小さな径の判定
部材支持部24bとを有する。判定部材24bは、図示
のように、緩衝液容器23の内部に入り込み得る径を有
するように構成されている。他方、取り付け部24a
は、相対的に大きな径を有する筒状部材で構成されてお
り、本実施例では、取り付け部24aと、判定部材支持
部24bとは一体に形成されている。
【0071】取り付け部24aの下端には、緩衝液容器
23の上方外周縁に形成された雄ねじ23aに噛み合う
ように、雌ねじ部24cが形成されている。また、取り
付け部24aの上方には、凹部24dが形成されてい
る。なお、凹部24dは、上蓋24eにより閉成され得
るように構成されている。上蓋24eは、図5に示すよ
うに、凹部24dを露出した状態、並びに凹部24dを
閉成した状態を取り得るように開閉自在に、かつ取り付
け部24aと一体に構成されている。
【0072】なお、上記上蓋24eは、取り付け部24
aと別部材で構成されていてもよい。採便器具24の先
端外周面には、凹凸やくぼみ等を形成することにより、
第1の実施例の便保持部4gと同様に、便保持部24g
が形成されている。
【0073】上記採便器具本体24の中心に設けられた
長手方向に延びる貫通孔24fには、上述した判定部材
25が挿入されている。判定部材25は、筒状の形状を
有し、先端部分25aが鋭くされている。
【0074】判定部材25内には、長手方向に延びるよ
うに展開層26(図5では位置のみを示す。)が設けら
れている。展開層26の下端には、試料導入部27が設
けられている。また、試料導入部27には、分離フィル
タ28が取り付けられている。分離フィルタ28は、便
試料が溶解された溶解液中の不溶性固形分を除去するた
めに設けられている。従って、分離フィルタ28は、上
記のような濾過機能を有するものであるため、公知の濾
紙、ニトロセルロースなどの分離膜またはフィルタ材料
により構成し得る。また、分離フィルタ28は、セルロ
ース系や合成高分子系の多孔質材料により構成されてい
てもよい。
【0075】分離フィルタ28の上方に、上記展開層2
6が配置されている。展開層26は、公知の免疫クロマ
トグラフィー法を実施するために設けられている。この
展開層26は、フィルタ材料などを構成するための多孔
質材料などにより構成されている。この展開層26で行
われる免疫クロマトグラフィーにつき説明する。
【0076】展開層26の下部には、被験物質に対する
抗体(以下、第1抗体と略す。)を感作した担体が設置
されている。また、第1抗体感作担体の設置部位から一
定距離を隔てた位置(図5では上方に一定距離を隔てら
れた位置)に、第1抗体と異なるエピトープを認識する
第2抗体が固定化されている。展開層26の下部から被
験物質を含む液体試料を展開した場合、試料は展開層2
6上を以上し、かつ被験物質は第1抗体と抗原抗体反応
を引き起こし、被験物質−第1抗体感作担体複合体が生
成される。
【0077】上記被験物質−第1抗体感作担体複合体
は、展開層26をさらに移動し、上記第2抗体固定化部
位に到達すると、被験物質と第2抗体との抗原抗体反応
により、被験物質−第1抗体感作担体が、第2抗体固定
化部位にトラップされる。
【0078】従って、担体が展開層26と明確なコント
ラストを有する色調を有していれば、担体の存在、ひい
ては、被験物質を存在を目視により容易に確認すること
ができる。
【0079】本実施例では、上記被験物質がヒトヘモグ
ロビンであり、被験物質含有液状試料は、上述した便試
料が溶解された緩衝液である。なお、展開層26を構成
する材料としては、例えば、ニトロセルロース、酢酸セ
ルロースなどのセルロース系材料、ナイロン、フッ化エ
チレン樹脂、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの合
成高分子系材料などのようなメンブランフィルタを構成
する材料として用いられている公知の材料を用いること
ができる。
【0080】また、展開層26は、担体の色調と明確な
コントラストを発揮することが必要であるため、展開層
26が黒色系である場合には、上記担体としては、白色
の担体を用いることが好ましい。また、展開層26が白
色系である場合には、着色担体を用いることが望まし
い。さらに、上記担体として最も好ましいものはラテッ
クス粒子であるが、ラテックス粒子は通常白色であるた
め、白色展開層に提要する場合には、下記の方法により
着色された着色ラテックス粒子を用いることが望まし
い。
【0081】例えば、スチレン、ビニルトルエン等を
乳化重合して得られたラテックス粒子を、水及び水と相
溶性を有する有機溶媒とを含む反応媒体中で、該反応媒
体中に溶解された水難溶性着色剤と接触させて着色する
方法や、乳化重合により得られかつアニオン性官能基
を有するラテックス粒子、例えば、(メタ)アクリル酸
等のアニオン性官能基を有するモノマーを含む共重合体
よりなるラテックス粒子を、水系反応媒体中において、
該反応媒体中に溶解された両性電解質である着色剤と接
触させて着色する方法等により得られるラテックス粒子
を用いることが好ましい。
【0082】また、本実施例で用いられる抗ヒトヘモグ
ロビン抗体は、第1の実施例で説明したのと同様の方法
により得ることができる。また、抗ヒトヘモグロビン抗
体の担体への感作方法についても、第1の実施例におい
て説明した方法によって行うことができる。得られた第
1抗体感作担体の展開層26上への固定化は、例えば該
第1抗体感作担体の0.01〜10重量%分散液0.0
5〜1ml程度の量を、展開層26上の所定の位置に滴
下し、室温にて12時間以上乾燥させることにより行い
得る。
【0083】さらに、展開層26上においては、後述の
判定窓29を介して展開層26を観察し得る部位に、第
2抗体が固定化されている。第2抗体としては、第1抗
体と認識するエピトープの異なる抗ヒトヘモグロビン抗
体が用いられる。第2抗体の固定化方法としては、例え
ば、1〜5mg/mlの第2抗体0.1〜10μlを所
定の位置に滴下し、室温で12時間以上放置し、さらに
必要に応じてBASなどを同じ位置に滴下し、乾燥させ
る方法を用いることができる。
【0084】図5では必ずしも明確ではないが、判定部
材25においては、上記展開層26が内部に収納されて
いるが、この内部の展開層26における判定結果を観察
するための判定窓29と、反応の終了を確認するための
終了窓30とが設けられている。判定窓29及び終了窓
30は、図5では閉成される位置のみを略図的に円で示
しているが、実際には、判定部材25の外周壁に開口を
形成し、さらに、透明なフィルム等で開口を閉成するこ
とにより構成されている。上記透明フィルムとしては、
例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの適宜の透明
な合成高分子フィルムを用いることができる。
【0085】緩衝液容器23内には、緩衝液13が収納
されている。緩衝液13としては、第1の実施例の説明
で用いた緩衝液13と同様のものを用いることができ、
かつ緩衝液量についても、第1の実施例の場合と同様
に、0.5〜10ml程度とすることが望ましい。
【0086】判定部材25の下端開口は、液密閉成材3
1により液密的に閉成されている。液密閉成材31は、
第1の実施例で説明した液密閉成材8と同様に構成され
ている。すなわち、液密閉成材31は、採便に際し、採
便器具本体24内への便試料の浸入を防止する機能と、
緩衝液13の採便器具本体24内への流入を防止する機
能を果たす。
【0087】他方、上記判定部材25の先端部分25a
は、図示のように先端に行くほど径が小さくなるように
形成されており、従って、判定部材25を図示の状態か
ら降下し、液密閉成材31を突き破ることにより、液密
閉成材31による閉成状態を開放することができ、便試
料が溶解された緩衝液を採便器具本体24内に導くこと
ができる。
【0088】上記判定部材25の先端部分25aは、液
密閉成材31を突き破り得る限り、図示の形状の他、種
々の形状に変形することができる。緩衝液容器23の内
容積は、特に制限されるものではないが、便潜血判定装
置21を構成する上では、通常1〜10ml程度とされ
る。また、緩衝液容器23は、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンまたは塩化ビニル樹脂などの適宜の合成樹脂によ
り構成し得るが、ガラスや金属などの他の材料で構成し
てもよい。
【0089】また、上記採便器具本体24及び判定部材
25についても、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは
塩化ビニル樹脂などの適宜の合成樹脂により構成し得
る。さらに、採便器具本体24については、ガラスや金
属などの他の材料で構成してもよい。また、判定部材2
5については、好ましくは、展開層26における免疫反
応の結果を外部から目視により観察することを容易とす
るために、透明な合成樹脂やガラス等により構成するこ
とが望ましい。
【0090】もっとも、上記のように、判定窓29及び
終了窓30を設けた場合には、判定部材25は透明性を
有しない材料で構成されていてもよい。なお、採便器具
本体の内周面には、環状溝が設けられており、該環状溝
内にOリング32が配置されている。Oリング32は、
判定部材25と採便器具本体24の内周面との密着性を
高めるために設けられており、それによって便試料溶解
液のOリング32が設けられている位置よりも上方への
漏洩を抑制することが可能とされている。
【0091】また、緩衝液容器23の上方には、環状の
余剰便除去部材33が取り付けられている。この余剰便
除去部材33は、第1の実施例の余剰便除去部材16と
同様に構成されている。
【0092】なお、採便器具本体24と緩衝液容器23
とは、前述した雄ねじ23a及び雌ねじ24cを利用し
て固定され、それによって緩衝液容器23内が密封され
ているが、両者の固定構造は、緩衝液容器23内を密封
し得る限り、他の構造を利用してもよい。すなわち、採
便器具本体24を緩衝液容器23内に圧入して固定し、
それによって緩衝液容器23内を密封し得るように構成
してもよい。
【0093】次に、図5に示した便潜血判定装置21の
使用方法を、図6〜図8を参照して説明する。まず、図
1に示したように組み立てられている便潜血判定装置2
1において、採便器具22を緩衝液容器23から引き抜
く。
【0094】次に、採便器具22を図6(a)に示すよ
うに、便試料Aに突き刺し、引き上げることにより、便
保持部24gに便試料を採取する。次に、採便器具22
を便試料Aから抜き取った後、便保持部24gに付着し
ていた余剰便を拭き取り、採便器具22を緩衝液容器2
3に再度挿入する(図6(b))。
【0095】なお、この場合、便保持部24gに付着し
ていた余剰便を引き取らず、直接採便器具22を緩衝液
容器23に再度挿入してもよい。何れの場合において
も、本実施例では、前述した余剰便除去部材33によ
り、便保持部24gの周囲に付着していた余剰の便試料
が擦り取られる。従って、所望の量の便試料が便保持部
24gに保持された状態で、緩衝液容器23内に挿入さ
れることになる。
【0096】この状態で、便潜血判定装置21全体を図
6(b)に矢印で示すように旋回させることにより、あ
るいは転倒混和することにより緩衝液13に便試料を溶
解させることができる。
【0097】次に、判定部材25を、図6に示す状態か
ら下方に押し込み、判定部材25の先端部分25aによ
り液密閉成材31を突き破り、液密閉成材31による閉
成状態を開放する(図7参照)。その結果、便試料が溶
解された緩衝液が試料導入部27に流入し、分離フィル
タ28で不溶固形分が除去される。不溶固形分が除去さ
れた便試料が溶解された緩衝液が展開層26に与えられ
る。
【0098】しかる後、判定部材25を再度引き上げ、
免疫クロマトグラフィーを開始する(図8参照)。この
場合、展開層26が便試料溶解液中から完全に引き上げ
られるようにして、免疫クロマトグラフィーを開始す
る。
【0099】便試料溶解液は、展開層26上で拡散し、
第1抗体感作担体を伴って終了窓30側に向かって展開
層26上を移動する。このとき、便試料溶解液中にヒト
Hbが含有されている場合には、担体状の第1抗体との
間で抗原抗体反応が起こる。また、第2抗体が位置して
いる部位(判定窓29が設けられている部位)では、ヒ
トHb吸着担体のみが第2抗体と抗原抗体反応を起こ
し、トラップされる(サンドイッチ法)。
【0100】他方、便試料溶解液中にヒトHbが含有さ
れていなかった場合には、ヒトHb−第1抗体感作担体
複合体が形成されず、このような複合体が第2抗体にト
ラップされることはない。従って、便試料溶解液は、全
て展開層26の終了窓30側に向かって移動することに
なる。
【0101】よって、判定窓29から観察した場合、ヒ
トHbが便試料中に含まれていた場合には、担体の色調
が観察され(溶性)、含まれていなかった場合には担体
の色調が観察されないことになる(陰性:展開層26の
色のまま)。このようにして、便潜血の有無を目視によ
り容易に判定することができる。
【0102】上記のように判定が終了した後には、判定
部材25を再度緩衝液容器23内に押し込み、上蓋24
eを閉成することにより、便潜血判定装置21を衛生的
に廃棄することができる。
【0103】上記のように、本実施例の便潜血判定装置
21では、採便器具22を用いて便試料を採取した後に
は、採便器具22を緩衝液容器23に取り付け、便試料
の溶解及び判定部材25を引き上げて行う免疫クロマト
グラフィーを行う、一連の簡単な作業を行うだけで、便
潜血の有無を確実にかつ簡単に判定し得ることがわか
る。
【0104】第2の実施例の変形例 第2の実施例では、判定部材25が採便器具本体24内
に圧入されていたが、判定部材25は、採便器具本体2
4にねじ込まれるように形成されていてもよい。すなわ
ち、図9に示すように、採便器具本体24の上方内周面
に雌ねじ部34を形成し、該雌ねじ部34に噛み合う雄
ねじ35を判定部材25の外周面に形成し、判定部材2
5を採便器具本体24内にねじ込むように構成してもよ
い。この場合には、判定部材25による液密閉成材31
を突き破る作業は、判定部材25を回転させつつ降下さ
せることにより行い得る。従って、液密閉成材31を突
き破る際に、液密閉成材31を突き破るのに必要な力を
加減することなく、判定部材25を回転するだけで容易
に液密閉成材31を突き破り、液密閉成材31による閉
成状態を開放することができる。
【0105】加えて、第2の実施例では、液密閉成材3
1を判定部材25の下端部分25aにより突き破った際
に、判定部材25の上端に設けられているストッパー2
5bによりその降下量が決定されていたが、この変形例
のように判定部材25を採便器具本体24にねじ込む構
造では、このようなストッパー25bを設ける必要がな
い。
【0106】また、第2の実施例では、液密閉成材31
は、採便器具本体24の下方開口を閉成するシール部材
で構成されていたが、図10に示すように、板ばね37
を用いて液密閉成材38により採便器具本体24の下端
開口を閉成してもよい。すなわち、板ばね37は、一端
が採便器具本体24の外周面に固定されており、他端側
に液密閉成材38が取り付けられている。液密閉成材3
8は、合成樹脂などからなる蓋材38aと、蓋材38a
の内面側に形成された弾性体層38bを有する。常時
は、板ばね37の弾性により、液密閉成材38は、採便
器具本体24の下端開口を板ばね37の付勢力により液
密的に閉成している。従って、弾性体層38bは、上記
液密閉成状態を実現し得る適宜の弾性材料で構成するこ
とができる。
【0107】液密閉成材38による閉成状態を開放する
際には、判定部材25を下降させ、先端部分25aによ
り板ばね37の付勢力に逆らって液密閉成材38を図1
0に示すように採便器具本体24の下端から分離させる
ことにより、便試料が溶解された緩衝液を採便器具本体
24内に流入させることができる。
【0108】その他の変形例 第1,第2の実施例では、液密閉成材8,31は、採便
器具本体4b,24bの下端開口を閉成するフィルム状
部材で構成されていたが、好ましくは、液密閉成材8,
31の外表面に複数の突起を形成してもよい。これを、
第1の実施例の液密閉成材8を例にとり図11を参照し
て説明する。
【0109】図11に部分拡大断面図で示すように、こ
こでは、液密閉成材8の下面に複数の突起8aが形成さ
れる。突起8aは、断面が矩形の形状を有し、かつ液密
閉成材8の外表面に分散形成されている。従って、複数
の突起8aの作用により、便試料をより確実に採取する
ことができる。すなわち、便保持部4gだけでなく、液
密閉成材8の下面の突起8aによっても便試料を半定量
的に確実に採取することができる。
【0110】なお、図11では、断面が矩形形状の複数
の突起8aを形成したが、図12(a)に示すように、
断面が三角形状の突起8bを複数形成してもよい。ある
いは、図12(b)に示すように、液密閉成材8の下面
に、液密閉成材に比べて表面状態が粗くされている粗面
層8cを積層してもよい。何れの場合においても、突起
8bや粗面層8cにより、液密閉成材8が設けられてい
る部分の外表面においても便試料を半定量的に確実に採
取することができる。
【0111】さらに、第1,第2の実施例では、液密閉
成材がフィルム状の合成樹脂部材で構成されていたが、
液密閉成材は中栓の形態のものであってもよい。すなわ
ち、図13に部分拡大断面図で示すように、第1の実施
例の採便器具本体4の先端に、中栓の形態の液密閉成材
41を取り付けてもよい。液密閉成材41は、採便器具
本体4内を液密的に閉成し得るように採便器具本体4の
先端開口に圧入されている。液密閉成材41は、合成樹
脂や金属からなり、採便器具本体4の下端開口に着脱自
在に取り付けられている。
【0112】液密閉成材41による閉成状態の開放は、
判定部材5を下方に移動させ、先端部分5aにより液密
閉成部材41を押圧し、採便器具本体24の下端から取
り外すことにより行われる。また、中栓タイプの液密閉
成材41においては、図13に示すように外表面は平滑
面とされていたが、好ましくは、図14(a)に示すよ
うに、複数の突起42aが下面に形成されている液密閉
成材42や、図14(b)に示すように、外表面に凹部
43a,43aが形成された液密閉成材43としてもよ
い。液密閉成材42,43では、下面すなわち外面に複
数の突起42aや凹部43aが形成されているため、採
便に際し、液密閉成材の外表面においても便試料を半定
量的に確実に採取することができる。
【0113】
【発明の効果】以上のように、請求項1,2に記載の発
明によれば、便潜血判定装置は、採便器具と緩衝液容器
のみで構成されており、しかも採便器具内に免疫フィル
タにより便潜血の有無を判定するためのフィルタ設置部
が設けられている。よって、採便器具により便試料を採
取した後、緩衝液容器内に採便器具を挿入し、さらに上
記判定部材を採便器具本体部に対してその長手方向に移
動させるだけで、便試料溶解液のフィルタ設置部内への
導入が行うことができ、さらに便潜血判定装置を上下逆
転したり、あるいは真空吸引することにより免疫フィル
タに便試料が溶解された緩衝液を供給することができ
る。
【0114】従って、免疫フィルタ法による便潜血の有
無の判定に必要な操作を大幅に簡略化することができ
る。しかも、便潜血の有無は、例えば、免疫フィルタに
連なる判定空間における色調を観察するだけで容易に行
うことができる。
【0115】さらに、請求項3に記載の発明において
も、便潜血判定装置が、採便器具と緩衝液容器のみで構
成されており、しかも、採便器具内に免疫クロマトグラ
フィーにより便潜血の有無を判定するための展開層が設
けられている。よって、採便器具により便試料を採取し
た後、緩衝液容器内に採便器具を挿入し、上記判定部材
を採便器具本体に対してその長手方向に移動させるだけ
で、便試料溶解液の展開層への導入を行うことができ、
判定部材を引き上げて、便潜血の有無を免疫クロマトグ
ラフィーにより容易に判定することが可能となる。
【0116】従って、請求項3に記載の発明によれば、
免疫クロマトグラフィー法による便潜血の有無の判定に
必要な操作を大幅に簡略化し得る。加えて、請求項3に
記載の発明においても、便潜血の有無は、例えば、展開
層における色調を観察するだけで判定し得るため、非熟
練者であっても容易に便潜血の有無を判定することがで
きる。
【0117】よって、請求項1〜3の発明によれば、さ
ほどの熟練を要することなく便潜血の有無を容易に判定
することが可能となり、かつ便潜血判定に必要なシステ
ムの構成を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の便潜血判定装置を説明
するための縦断面図。
【図2】(a)及び(b)は、実施例の便潜血判定装置
を用いて便潜血の判定を行う工程を説明するための図で
あり、(a)は採便器具により便試料を採取する工程を
説明するための模式的側面図、(b)は便試料を溶解さ
せる工程を説明するための縦断面図。
【図3】便試料が溶解された緩衝液をフィルタ設置部に
導入する工程を説明するための縦断面図。
【図4】実施例の便潜血判定装置において便潜血の有無
を判定する工程を説明するための模式的側面図。
【図5】本発明の第2の実施例の便潜血判定装置を説明
するための縦断面図。
【図6】(a)及び(b)は、第2の実施例の便潜血判
定装置を用いて便潜血の判定を行う工程を説明するため
の図であり、(a)は採便器具により便試料を採取する
工程を説明するための模式的側面図、(b)は便試料を
溶解させる工程を説明するための縦断面図。
【図7】便試料が溶解された緩衝液を展開層に導入する
工程を説明するための縦断面図。
【図8】第2の実施例の便潜血判定装置において便潜血
の有無を判定する工程を説明するための縦断面図。
【図9】第2の実施例の変形例であって、判定部材と採
便器具本体の固定構造が改良された便潜血判定装置の部
分切欠縦断面図。
【図10】第2の実施例における液密閉成材の変形例を
説明するための部分切欠断面図。
【図11】液密閉成材の変形例を説明するための部分切
欠断面図。
【図12】(a)及び(b)は、液密閉成材のさらに他
の変形例を説明するための各断面図。
【図13】中栓タイプの液密閉成材を説明するための部
分切欠断面図。
【図14】(a)及び(b)は、それぞれ、中栓タイプ
の液密閉成材の変形例を説明するための各断面図。
【符号の説明】
1…便潜血判定装置 2…採便器具 3…緩衝液容器 4…採便器具本体部 4g…便保持部 5…判定部材 8…液密閉成材 9…フィルタ設置部 10…便試料溶解液導入部 11…分離フィルタ 12…免疫フィルタ 13…緩衝液 14…連通孔 15…栓 21…便潜血判定装置 22…採便器具 23…緩衝液容器 24…採便器具本体 25…判定部材 25a…先端部分 26…展開層 27…試料導入部 28…分離フィルタ 29…判定窓 30…終了窓 31…液密閉成材 41〜43…液密閉成材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 拓也 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−92162(JP,A) 特開 平6−201701(JP,A) 特開 平4−230861(JP,A) 実開 平5−52757(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 - 33/98

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採取した便を付着させて保持する便保持
    部を外表面に有する採便器具と、前記採便器具が挿入さ
    れる緩衝液容器とを備える便潜血判定装置であって、 前記採便器具が、先端側が液密閉成材で閉成された筒状
    の採便器具本体と、前記採便器具本体内に挿入されてお
    り、かつ採便器具本体内への挿入深度を変化させ得るよ
    うに前記採便器具本体に取り付けられた棒状の判定部材
    とを有し、 前記判定部材内には下方に開いたフィルタ設置部と、該
    フィルタ設置部を外気と連通するための連通孔とが形成
    されており、 前記フィルタ設置部内において前記液密閉成材の上方に
    配置されており、便試料が溶解された緩衝液中の固形分
    を除去するための分離フィルタと、 前記フィルタ設置部内において前記分離フィルタの上方
    に配置されており、かつ抗ヘモグロビン抗体感作担体が
    緩衝液により移動可能に設置されており、かつ前記抗ヘ
    モグロビン抗体感作担体は通過し得るが、抗ヘモグロビ
    ン抗体感作担体とヘモグロビンとの抗原抗体反応による
    生成物は通過しない細孔を有する免疫フィルタとをさら
    に備え、 前記判定部材を移動させて前記液密閉成材による閉成状
    態を開放することにより、便試料が溶解された緩衝液が
    前記フィルタ設置部に導入されることを特徴とする便潜
    血判定装置。
  2. 【請求項2】 採取した便を付着させて保持する便保持
    部を外表面に有する採便器具と、前記採便器具が挿入さ
    れる緩衝液容器とを備える便潜血判定装置であって、 前記採便器具が、先端側が液密閉成材で閉成された筒状
    の採便器具本体と、前記採便器具本体内に挿入されてお
    り、かつ採便器具本体内への挿入深度を変化させ得るよ
    うに前記採便器具本体に取り付けられた棒状の判定部材
    とを有し、 前記判定部材内には下方に開いたフィルタ設置部と、該
    フィルタ設置部を外気と連通するための連通孔とが形成
    されており、 前記フィルタ設置部内において前記液密閉成材の上方に
    配置されており、便試料が溶解された緩衝液中の固形分
    を除去するための分離フィルタと、 前記フィルタ設置部内において前記分離フィルタの上方
    に配置されており、かつ抗ヘモグロビン抗体感作担体が
    前記緩衝液により移動可能に設置されており、かつ前記
    抗ヘモグロビン抗体とは認識部位の異なる第2の抗ヘモ
    グロビン抗体が移動不能に固定化されており、前記抗ヘ
    モグロビン抗体感作担体が通過可能な細孔を有する免疫
    フィルタとをさらに備え、 前記判定部材を移動させて前記液密閉成材による閉成状
    態を開放することにより、便試料が溶解された緩衝液が
    前記フィルタ設置部に導入されることを特徴とする便潜
    血判定装置。
  3. 【請求項3】 採取した便を付着させて保持する便保持
    部を外表面に有する採便器具と、前記採便器具が挿入さ
    れる緩衝液容器とを備える便潜血判定装置であって、 前記採便器具が、先端側が液密閉成材で閉成された筒状
    の採便器具本体と、前記採便器具本体内に挿入されてお
    り、かつ採便器具本体内への挿入深度を変化させ得るよ
    うに前記採便器具本体に取り付けられた棒状の判定部材
    とを有し、 前記判定部材内には、免疫クロマトグラフィーを行うた
    めに、抗ヘモグロビン抗体感作担体が設置され、かつ抗
    ヘモグロビン抗体が固定化されている展開層が長手方向
    に沿うように設けられており、 前記判定部材には、便試料が溶解された緩衝液中の固形
    分を除去するための分離フィルタが設けられた試料導入
    部と、免疫クロマトグラフィーによる判定を確認するた
    めの判定窓と、反応の終了を確認するための終了窓とが
    設けられており、 前記判定部材を移動させて前記液密閉成材による閉成状
    態を開放することにより、便試料が溶解された緩衝液が
    前記判定部材内に導入されることを特徴とする便潜血判
    定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006132041A1 (ja) * 2005-06-08 2006-12-14 Nipro Corporation 検体採取液容器

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