JP3654674B2 - 便潜血判定装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、便潜血の有無を判定するための簡易検査装置に関し、特に、免疫クロマトグラフィー法を利用した便潜血判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
便潜血は消化器系疾患により、消化管内の便中に血液が混入することにより発現する。特に大腸癌などの疾患との相関が確認されており、我国で益々増えつつある大腸癌の早期診断の指標として、非常に重要でかつ汎用されている検査である。
【0003】
現在用いられている便潜血検査方法には、大別して2種の方法がある。第1の方法は従来から行われている化学的潜血反応(以下、「化学法」と記す)と呼ばれるもので、ヘモグロビン(以下、Hbと記す)の有するパーオキシダーゼ様活性を検出する非特異反応である。この方法は、色源体(グアヤク脂あるいはオルトトリジンなど)が、パーオキシダーゼ様活性保持物質及び過酸化水素水存在下で酸化されて発色する機構に基づく。従って、本法では、パーオキシダーゼ様活性保持物質である薬物あるいはHbを含む食物などによって陽性を示すため、投薬及び食餌制限を必要とした。
【0004】
本化学法に基づく検査装置として、簡便な測定システムが開示されており、その幾つかは汎用されている。例えば特公平2−45826号公報、特開昭59−168370号公報、特開昭62−266463号公報、及び実開昭62−153573号公報では、グアヤク脂等を含浸させた試験紙を含むカードに少量の便試料を塗布した後、過酸化水素水を滴下して呈色具合を見るシステムが開示されている。これらのシステムでは、カード式の本体に付属したグアヤク脂上の一部に便試料を適量塗布し、さらに塗布部の裏側の部位に過酸化水素水を滴下することによって、滴下部のグアヤク脂が発色するか否かで判定する。便試料塗布部を開放せずに行うことができ、衛生的に扱えることや、簡便な構成であることが利点であるが、上記のような測定原理に由来する欠点は解決されていない。
【0005】
第2の方法は、上記の化学法の欠点を解決するために近年開発されたものであり、免疫反応に基づく方法(以下、「免疫法」と記す)である。本法は抗ヒトHb抗体を用いた抗原−抗体反応に基づく方法であるため特異性が高く、化学法のような食事制限等を必要としない。判定は、ラテックス凝集法、酵素標識免疫法等の一般的な免疫血清学的検査法により行われるが、現在もっとも汎用されている方法はラテックス凝集法である。
【0006】
ラテックス凝集法では、判定板上に便試料溶解液およびラテックス試薬を滴下して混合し、凝集像の有無により判定が行われる。化学法に比較して原理的に特異性は高いが、凝集法の判定には熟練を要する。また該免疫法に基づく検査システムは、判定板、ラテックス試薬、攪拌棒、採便器具、溶解液などを含むキットとして提供されているが、構成が複雑であり、上記化学法のような簡便なシステムは開発されていない。
【0007】
これらの免疫法における簡便化は、化学法にはない免疫法特有の工程、つまり便試料を緩衝液等に溶解する工程および溶解後の溶解液中の非溶解固形分を濾過により除去する工程について行われている。すなわち、これらの操作については、比較的定量的にかつ衛生的な取り扱いが可能な採便器具が開示されており、例えば実開平3−44663号公報、実公平2−13977号公報、実開平1−66071号公報、実開平1−85668号公報および実開昭64−42454号公報などでは、緩衝液を含む容器の蓋部に採便のための採取棒が付属されており、採便後に該蓋部を緩衝液容器にセットすることにより、採取棒先端の便が緩衝液中に分散される。また、よく振盪後、滴下部より判定板上に滴下するに際し、滴下部にはフィルタ機構が設置されており、非溶解性固形分が除去されるように構成されている。判定板上に滴下した後は上述のラテックス凝集法の常法に従って操作される。
【0008】
免疫法による便潜血測定システムの簡便化は、上記工程と抗原抗体反応の一体化により果たされると思われるが、当該技術は現在までのところ実現されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、セルフケアという概念の拡がりと共に、免疫反応に基づく簡易検査システムが一般検査薬として薬局等で入手できるようになった。例えば妊娠診断薬では、免疫クロマトグラフィー法を利用した簡便な検査システムが確立している。該免疫クロマトグラフィー法を便潜血検査に利用する際の最も大きな問題は、上記の便試料の溶解及び濾過工程がシステム中に組み込みにくい点である。
【0010】
本発明の目的は、免疫クロマトグラフィー法を利用した便潜血検査装置であって、比較的簡単な構成からなりながら、便潜血判定操作の全工程に渡り操作が簡略化されており、非熟練者においても容易にかつ正確に便潜血の有無を判定し得る便潜血判定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を達成するために成されたものであり、それぞれ、下記の構成を備えることを特徴とする。
【0012】
なお、以下の請求項1〜5に記載の発明は、上記課題を達成することにおいて共通するものであり、さらに、便試料溶解液を定量的に展開層へ供給し得ることにおいて共通する。
【0013】
また、請求項1〜5に記載の発明は、何れも免疫クロマトグラフィーにより便潜血を判定する装置であり、便を採取するための採便器具と、便潜血の有無を外部から判定するための判定窓を有する本体と、前記本体内に設けられており、採便器具が挿入されるように構成されている緩衝液容器と、緩衝液容器内で作製された便試料溶解液を濾過するためのフィルタと、前記フィルタを通過した便試料溶解液が供給される部分に開始端が位置するように、かつ判定部が前記判定窓に臨むように配置されており、抗Hb抗体感作担体が設けられており、かつ抗Hb抗体が固定化された展開層とを備えることにおいて共通する。
【0014】
請求項1〜5に記載の発明において、上記採便器具は、合成樹脂もしくは金属の棒状もしくは筒状の適宜の部材で構成することができ、先端側の外表面に便採取部を備える。この便採取部には、便試料を確実に採取するために、適宜の突起や凹凸等が設けられていてもよい。
【0015】
また、上記採便器具は、緩衝液容器に挿入されるものであるが、好ましくは、緩衝液容器に挿入した状態で緩衝液容器内を液密シールするように、採便器具と緩衝液容器との固定構造が構成される。より好ましくは、緩衝液容器を、容器本体とキャップとにより構成し、該キャップに採便器具を液密的に挿入し得る構成とすることが望ましい。採便器具を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、コスト、加工性、衛生上の問題点を考慮すると、合成樹脂からなるものが望ましい。
【0016】
上記請求項1〜5に記載の発明において用いられる本体には、後述の緩衝液容器、フィルタ及び展開層が内部に配置され、かつ外部から便潜血の有無を判定するための判定窓を有する限り適宜の形状に構成することができる。また、本体を構成する材料としても、特に限定されるものではなく、ある程度の剛性を有する合成樹脂もしくは金属等を用いることができる。
【0017】
請求項1〜5に記載の発明において用いられる上記緩衝液容器としては、特にその形状は限定されるものではないが、上記本体内に配置され得るように、その形状及び寸法が選択される。また、緩衝液容器を構成する材料としても、特に限定されるものではないが、コスト、加工性、重量等の観点から合成樹脂からなるものが望ましい。
【0018】
また、上記フィルタは、公知の濾紙もしくは液体中の固形分を除去し得る公知のフィルタ材料により構成することができる。このようなフィルタ材料としては、公知のセルロース系材料や多孔性高分子材料を挙げることができる。
【0019】
請求項1〜5に記載の発明において用いられる展開層は、免疫クロマトグラフィーにより便潜血の有無を判定するために設けられている。この展開層では、一端側に、すなわち開始端側に、被験物質に対する抗体(以下、第1抗体と略す。)を感作した担体が設置されている。また、該第1抗体感作担体の設置部位から一定の距離を隔てた位置に、第1抗体と異なるエピトープを認識する第2抗体が固定化されている。第1抗体感作担体設置部位側、すなわち開始端側から被験物質を含む液体試料を展開した場合、試料は展開層上を移動し、かつ被験物質が第1抗体と抗原抗体反応を起こす。被験物質−第1抗体感作担体複合体がさらに移動し、第2抗体固定化部位に到達すると、被験物質と第2抗体との抗原抗体反応により、被験物質−第1抗体感作担体複合体が、上記第2抗体固定化部位にトラップされる。従って、担体が展開層と明確なコントラストを有する色調を有していれば、担体の存在、すなわち被験物質の存在を目視で容易に確認することができる。本発明では、上記被験物質がヘモグロビンであり、被験物質含有液状試料が、前述した便試料溶解液である。
【0020】
なお、上記展開層を構成する材料としては、例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系材料あるいはナイロン、フッ化エチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリビニルなどの合成高分子材料からなるメンブランフィルタとして用いられている公知の材料を用いることができる。
【0021】
また、上記展開層は、担体の色調と明確なコントラストを発揮することが必要であるため、展開層が黒色系である場合には、上記担体としては白色の担体、展開層が白色系である場合には、着色担体を用いることが望ましい。また、上記担体として最も好ましいものは、ラテックス粒子であるが、ラテックス粒子は通常白色であるため、白色の展開層に適用する場合には、例えば、(1)スチレン、ビニルトルエンなどを乳化重合して得られたラテックス粒子を、水及び水と相溶性を有する有機溶媒とを含む反応媒体中で、該反応媒体中に溶解された水難溶性剤と接触させて着色する方法や、(2)乳化重合により得られかつアニオン性官能基を有するラテックス粒子、例えば(メタ)アクリル酸などのアニオン性官能基を有するモノマーを含む共重合体よりなるラテックス粒子を、水系反応媒体中において、該反応媒体中に溶解された両性電解質である着色剤として接触させて着色する方法などにより得られる着色ラテックス粒子を用いることが好ましい。
【0022】
請求項1〜5に記載の発明で用いられる第1抗体は、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、モルモットなどにヒトHbを免疫して得られた抗血清を、アフィニティクロマトグラフィーなどにより精製することにより得られる。また、免疫したマウス脾臓細胞を用いた公知の細胞融合法により、モノクローナル抗体を製造することも可能である。何れにせよ、用いられる第1抗体は充分精製されたものであることが望ましい。
【0023】
第1抗体の担体への感作方法は、分離吸着法または化学結合法などの公知の手法により行うことができる。
例えばラテックスに抗ヒトHb抗体の緩衝液溶液を添加し、30〜120分間攪拌しながら37℃に加温することにより,第1抗体をラテックス表面に物理的に吸着させることができる。またカルボキシル基を有するラテックスを用いれば、水溶性カルボジイミド等を介して、共有結合で第1抗体をラテックスに結合させることもできる。必要に応じてウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と記す。)等を添加してもよい。
【0024】
得られた第1抗体感作担体の展開層上への設置は、例えば0.01〜1重量%分散液0.05〜1mlを所定の位置に滴下し、室温にて12時間以上乾燥させることにより行うことができる。
【0025】
さらに展開層上において、判定窓により観察される部位、すなわち判定部に、第2抗体が固定化されている。第2抗体としては、第1抗体と認識するエピトープの異なる抗ヒトHb抗体が用いられ得る。固定化法としては、1〜5mg/mlの第2抗体0.1〜10μlを所定の位置に滴下し、室温で12時間以上放置し、さらに必要に応じてBSA等を同位置に滴下して乾燥させる方法が例示され得る。
【0026】
なお、上記緩衝液としては、例えばアンモニア緩衝液、グリシン緩衝液、リン酸緩衝液、トリス緩衝液等の中性付近の塩溶液が好ましく、特に好ましくは、pH6.5〜8.5の範囲の上記緩衝液が挙げられる。また、緩衝液量は採取される便試料の量にもよるが、0.5〜10ml程度とすることが望ましい。
【0027】
請求項1〜5に記載の発明の共通の構成の特徴
請求項1〜5に記載の発明では、上記採便器具、本体、緩衝液容器、フィルタ及び展開層を備えているため、採便器具で便試料を採取した後、採便器具を緩衝液容器に挿入し、振動などを与えることにより便試料溶解液を作製し、該便試料溶解液が作製された後に、緩衝液容器内で作製された便試料溶解液をフィルタで濾過し、展開層に供給することにより、判定窓から便潜血の有無を簡単に判定することができる。
【0028】
請求項1〜5に記載の発明の特徴
請求項1〜5に記載の発明に係る便潜血判定装置は、上記特徴的な構成に加えて、さらに、便試料溶解液を展開層に定量的に供給し得る構成を備えている。
【0029】
すなわち、請求項1に記載の発明では、上記採便器具の先端に、展開層に供給すべき便試料溶解液の容積に応じた容積の凹部が形成されており、該凹部に連なっておりかつ採便器具内を通り、採便器具基端に開口している流路が形成されており、上記採便器具が挿入された緩衝液容器が本体内において、採便器具の基端を下にしてセットされるように構成されている。また、上記流路を閉成するように取り付けられた液密シール材と、展開層の開始端側に配置されており、上記液密シール材を貫通し得る滴下針とがさらに備えられている。
【0030】
請求項2に記載の発明では、緩衝液容器の側壁と、展開層の開始端とを結ぶ流路が形成されており、該流路の緩衝液容器の側壁に開口している開口部を常時は閉成しており、外部からの操作により開口させ得るように上記緩衝液容器に取り付けられた滴下スイッチがさらに備えられている。この滴下スイッチは、常時は、緩衝液の液面よりも上方に位置する移動部分を有し、上記流路を開口させる際に該移動部分を緩衝液中に浸漬させることにより、該移動部分の体積に応じた量の便試料溶解液が流路に供給されるように構成されている。
【0031】
請求項3に記載の発明では、上記緩衝液容器内に、仕切り壁が形成されており、該仕切り壁で隔てられた第1,第2の空間のうち、一方の空間の容積が、展開層に供給すべき便試料溶解液の量に応じた大きさとされている。また、上記所定の大きさの空間側において、緩衝液容器を下方から貫通する貫通針が、展開層の開始端側において上方に突出して形成されている。
【0032】
請求項4に記載の発明では、緩衝液容器が本体内にセットされた状態で緩衝液容器と展開層とを結ぶ流路が形成されており、該流路の容積が展開層に供給すべき便試料溶解液の量に応じた大きさとされている。また、便試料溶解液の展開層への流入を常時は防止し、外部からの操作により流入を開始させるタブが、上記流路に設けられている。
【0033】
請求項5に記載の発明では、緩衝液容器が上記本体内にセットされた状態で上記緩衝液容器と展開層とを結ぶ流路が形成されている。また、上記流路の緩衝液容器に開口している部分の開口部の位置が、所定量の便試料溶解液が流路に流れ込む位置とされており、常時は開口部を閉成しており、外部からの操作により開口部から便試料溶解液を流路に流入させるタブがさらに備えられている。
【0037】
【作用】
請求項1〜5に記載の発明では、上記緩衝液容器内において、便試料が溶解され、かつ本体内に配置されたフィルタにより便試料溶解液が濾過される。さらに、同様に本体内に設けられており、かつ上記抗Hb抗体感作担体及び抗Hb担体が固定された展開層によって免疫クロマトグラフィー法により便潜血の有無が判定される。
【0038】
すなわち、請求項1〜5に記載の発明においては、何れにおいても、便潜血検査において必須の工程である、便試料の溶解工程、便試料溶解液の濾過工程並びに免疫反応を行わせる工程を、すべて本発明の便潜血判定装置のみを用いることにより簡便に行うことができる。
【0039】
しかも、請求項1に記載の発明では、緩衝液容器が本体内において採便器具の基端側を下にしてセットされるように構成されており、かつ採便器具内に上記流路が形成されており、該流路が液密シール材で閉成されている。従って、便試料溶解液を作製した後に、上記滴下針により液密シール材を貫通することにより、流路と上記凹部に貯留されていた便試料溶解液が展開層に供給される。すなわち、緩衝液容器を採便器具の基端を下にして本体にセットした状態において、採便器具の先端側が緩衝液の液面よりも上方に位置させておけば、凹部及び凹部に連なってなる流路内に貯留されている所定量の便試料溶解液が展開層に供給されることになる。よって、液密シール材の上方の流路部分の容積を考慮して、上記凹部の容積を、展開層に供給すべき便試料溶解液の容積に応じて設計することにより、展開層に供給すべき量の便試料溶解液を展開層に確実に供給することができる。
【0040】
請求項2に記載の発明では、上記滴下スイッチは、常時は、緩衝液の液面よりも上方に位置する移動部分を有する。従って、滴下スイッチを降下させ、上記移動部分を緩衝液中に浸漬させることにより、該移動部分の体積に応じた量の便試料溶解液が流路に供給される。そのため滴下スイッチの移動部分の体積を展開層に供給すべき便試料溶解液の容積に対応させることにより、確実に所望の量の便試料溶解液を展開層に供給することが可能とされている。
【0041】
請求項3に記載の発明では、上記仕切り壁により緩衝液容器内が第1,第2の空間に区画されており、一方の空間の容積が展開層に供給すべき便試料溶解液の量に応じた所定の大きさとされている。なお、この所定の大きさとは、必ずしも供給すべき便試料溶解液の量と同一である必要はない。すなわち、所定の大きさの空間において便試料溶解液の液面よりも上方に空間が残る大きさであってもよい。従って、上記所定の大きさの空間側において、緩衝液容器の壁面を下方から貫通針により貫通させることにより、該所定の大きさの空間に貯留されている便試料溶解液が展開層に供給される。しかも、所定の大きさの空間は、展開層に供給すべき便試料溶解液の量に応じた大きさとされているため、展開層に所定量の便試料溶解液を確実に供給することができる。
【0042】
請求項4に記載の発明では、上記緩衝液容器と展開層とを結ぶ流路が、展開層に供給すべき便試料溶解液の量に応じた大きさとされている。従って、上記タブを外部から操作することにより流路から便試料溶解液を展開層に供給することにより、確実に所望量の便試料溶解液を展開層に供給することができる。
【0043】
請求項5に記載の発明では、緩衝液容器と展開層とを結ぶ流路の緩衝液容器に開口している部分の開口部の位置が、所定量の便試料溶解液が該流路に流れ込む位置となるように配置されており、上記タブを外部から操作することにより、開口部から便試料溶解液を流路に流入させることができる。従って、展開層に供給すべき量の便試料溶解液を、上記流路に確実に供給することができ、ひいては、展開層に所定量の便試料溶解液を確実に供給することができる。
【0047】
【実施例】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0048】
第1の実施例
図1及び図2を参照して、請求項1に記載の発明の実施例に係る便潜血判定装置を説明する。
【0049】
図1は、本実施例で用いられる採便器具を緩衝液容器にセットした状態を示す略図的断面図である。採便器具1は、棒状の採便器具本体2と、キャップ部3とを有する。本実施例では、キャップ部3は、採便器具本体2と合成樹脂により一体に構成されているが、別体で構成されて固定されていてもよく、採便器具本体2とキャップ部3とは異なる材料で構成されていてもよい。
【0050】
採便器具1内には、流路4がその長さ方向に延びるように形成されている。流路4は、その一端が採便器具本体2の基端側に至るように形成されており、かつ他端が凹部5に開口している。流路4の採便器具1の基端側端部は、後述の滴下針により貫通し得る柔軟性を有する材料で構成された液密シール材6により封止されている。液密シール材6を構成する材料としては、後述の滴下針で貫通し得る適宜の材料を用いることができ、例えば合成樹脂や天然ゴムもしくは合成ゴムを用いることができる。
【0051】
凹部5は、採便器具1の先端1aに設けられており、後述の操作方法から明らかなように所定の容積を有するように構成されている。
緩衝液容器7は、上方に開口8を有する。開口8に、採便器具1のキャップ部3が取り付けられている。図1では図示を省略しているが、キャップ部3を開口8にねじ込むことにより、キャップ部3が緩衝液容器7に液密的に固定されるように構成されている。なお、緩衝液容器7と採便器具1との固定は、この構造に限らず、任意の固定構造により行うことができる。もっとも、後述した操作過程における便試料溶解液の漏洩を防止するためには、キャップ部3は緩衝液容器7に液密的に固着されることが必要である。
【0052】
緩衝液容器7内には緩衝液9が収納されている。緩衝液9としては、前述したアンモニア緩衝液、グリシン緩衝液、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などの中性付近の塩溶液が用いられる。なお、緩衝液9の量としては、後述の操作方法から明らかなように、採便器具1がセットされた緩衝液容器7を上下逆転させた状態で、採便器具1の先端1aよりも下方に緩衝液9の液面が位置するように選ばれる。
【0053】
図2から明らかなように、本実施例の便潜血判定装置10では、本体11が備えられている。本体11は、金属、合成樹脂またはガラスなどの適宜の材料で構成することができる。
【0054】
本体11には、上述した採便器具1がセットされた緩衝液容器7が取り付けられる緩衝液容器収納凹部11aが形成されている。図2から明らかなように、緩衝液容器収納凹部11aには、採便器具1がセットされた緩衝液容器7が上下逆転した状態で収納される。
【0055】
他方、緩衝液容器収納凹部11aの下方には、展開層12が配置されている。展開層12は、免疫クロマトグラフィーを行う部分であり、開始端12a近傍に抗ヒトHb抗体感作担体が設置されている。この抗ヒトHb抗体感作担体が設置された部位を参照番号13で示す。また、抗ヒトHb抗体感作担体と所定距離を隔てて、第2抗体としての抗ヒトHb抗体が固定化されている。この抗ヒトHb抗体の固定化部位を参照番号14で示す。
【0056】
抗ヒトHb抗体固定化部位14の上方には判定窓11bが形成されている。
展開層12の開始端12aの上方にはフィルタ15が配置されている。フィルタ15は、便試料溶解液中の固形分を除去するために設けられている。フィルタ15の上面には、上方に突出するように、滴下針16が配置されている。滴下針16は、先端が鋭い針状の部材で構成されており、前述した液密シール材6を貫通するように作用する。滴下針16は、合成樹脂もしくは金属などの適宜の材料で構成することができる。
【0057】
本実施例の便潜血判定装置による便潜血判定操作を説明する。
まず、図1に示した緩衝液容器7から採便器具1を取り外し、採便器具1の先端1a側を糞便試料中に突き刺す。しかる後糞便試料から採便器具1を引き抜き、便保持部1bに所定量の便試料を採取する。便保持部1bは、本実施例では、図示のように採便器具1の採便器具本体2の外表面に凹部を形成することにより構成されている。もっとも、便保持部1bは、複数の凹部や突起を設けることにより構成してもよい。
【0058】
次に、便試料を採取後、採便器具1を図1に示すように、緩衝液容器7にセットする。しかる後、採便器具1がセットされた緩衝液容器7を振とうしたり、採便器具1がセットされた緩衝液容器7に振動を与えたりすることにより、便保持部1bに採取された便試料を緩衝液9に溶解させ、便試料溶解液を作製する。
【0059】
次に、採便器具1がセットされたまま緩衝液容器7を、図2に示すように本体11の緩衝液容器収納凹部11a内にセットする。このとき、緩衝液容器7内においては、便試料溶解液19の液面が採便器具1の先端1aよりも下方に位置する。従って、凹部5及び流路4内に残された便試料溶解液が、凹部5の容積と流路4の容積とにより一義的に設定されることになる。従って、展開層12に、凹部5及び流路4に貯留されている一定量の便試料溶解液を供給することが可能とされている。
【0060】
便試料溶解液の展開層12への供給は、滴下針16により液密シール材6を貫通することにより行われる。すなわち、液密シール材6が突き破られることにより、流路4及び凹部5内の便試料溶解液がフィルタ15に供給され、フィルタ15で不溶性固形分が除去され、不溶性固形分が除去された便試料溶解液が展開層12の開始端12aに供給される。
【0061】
展開層12において、便試料溶解液が展開され、免疫クロマトグラフィー法に基づいて便潜血の有無が判定される。すなわち、糞便試料中に便潜血が存在する場合には、ヒトHbとヒトHb抗体感作担体との免疫複合体が展開層12を移動し、第2抗体固定化部位14に到達し、ヒトHbと第2抗体との抗原抗体反応により、上記免疫複合体が第2抗体固定化部位14にトラップされる。
【0062】
従って、担体として展開層12と明確なコントラストを有する色調を有するものを用いることにより、担体の存在、すなわちヒトHbの存在を判定窓11bから目視により容易に確認することができる。
【0063】
本実施例では、上記のように、採便器具1の先端に設けられた凹部5と流路4の容積により、展開層12に一定量の便試料溶解液が確実に供給されるが、この凹部5の形状については図示のものに限定されず、上記容積を決定し得る限り、適宜の形状とすることができる。
また、流路4及び滴下針16についてもそれぞれ複数設けてもよい。
【0064】
第2の実施例
図3及び図4は、請求項2に記載の発明に係る実施例を説明するための各略図的断面図である。
【0065】
図3から明らかなように、第2の実施例の便潜血判定装置20は、本体21を有する。本体21は、合成樹脂や金属などの適宜の材料で構成されており、緩衝液容器23をセットするための緩衝液容器収納凹部21aを有する。緩衝液容器23には、採便器具1がセットされている。この採便器具1は、先端1a近傍の外表面に便保持部1bを有する。便保持部1bは、本実施例では所定の大きさの凹部で形成されているが、複数の凹部や突起を形成することにより構成してもよい。採便器具1は、緩衝液容器23に対して着脱自在に取り付けられるように構成されている。
【0066】
また、緩衝液容器23内には緩衝液9が収納されている。緩衝液9としては、第1の実施例で用いた適宜の緩衝液を用いることができる。
また、緩衝液容器23には、滴下スイッチ24が取り付けられている。滴下スイッチ24は、緩衝液容器23内に位置する移動部分24aと、操作ノブ24bとを有する。この滴下スイッチ24は、図示しない適宜の材料を介してばね25により弾力的に支持されている。すなわち、ばね25の反発力に逆らって操作ノブ24bを指等により下方に押圧することにより移動部分24aを降下させることが可能とされている。
【0067】
移動部分24aの側壁は、本体21に設けられた流路26の緩衝液容器23に臨む開口26aを閉成するように構成されている。流路26の他端は、展開層12の開始端12a上に開口している。展開層12は、第1の実施例と同様に構成されている。従って、第1の実施例において展開層12について行った説明を援用する。
【0068】
本実施例では、第1の実施例と同様にして採便器具1により便試料が採取され、採便器具1が緩衝液容器23にセットされる。しかる後、第1の実施例と同様にして便試料が緩衝液9に溶解されて、便試料溶解液が作製される。
【0069】
次に、緩衝液容器23を図3に示すようにセットした状態において、指により操作ノブ24bをばね25の反発力に逆らって下方に押圧する。その結果、移動部分24aが便試料溶解液中に沈み、開口26aが開き、便試料溶解液が流路26に流入することになる。流路26の他端には、フィルタ16が配置されており、該フィルタ16により不溶性固形分が除去され、不溶性固形分が除去された便試料溶解液が展開層12に供給される。
【0070】
ところで、流路26に流入される便試料溶解液の量は、上記移動部分24aの便試料溶解液に沈み込んだ部分の体積に相当することになる。すなわち、移動部分24aの図3における便試料溶解液の液面よりも上方の部分の体積に相当する量の便試料溶解液が流路26に流れ込むことになる。従って、第1の実施例と同様に、一定量の便試料溶解液を展開層12に供給することができる。
【0071】
なお、展開層12における免疫クロマトグラフィーによる判定は、第1の実施例と同様にして行われる。従って、第1の実施例において行った説明を援用することにより省略する。
なお、21bは、判定窓を示し、本体21の上方から判定を容易とするために設けられている。
【0072】
第3の実施例
図5(a)及び(b)並びに図6〜図8は、請求項3に記載の発明の実施例を説明するための図である。
【0073】
本発明の第3の実施例では、図5(a)及び(b)に示すように、緩衝液容器31に採便器具32が着脱自在にセットされる。採便器具32については、棒状もしくは筒状の採便器具本体33と、キャップ部34とを一体的に成形することにより構成されている。もっとも、採便器具本体33とキャップ部34とは別部材で構成されていてもよく、異なる材料で構成されていてもよい。
【0074】
採便器具32のキャップ部34は緩衝液容器31の上方開口31aにねじ込むことにより固定されている。もっとも、採便器具32と緩衝液容器31との固定構造は、特に限定されるものではない。
【0075】
緩衝液容器31内には緩衝液35が収納されている。また、緩衝液容器31の底面から上方に立設するように仕切り壁36が形成されている。仕切り壁36により、仕切り壁36の両側に第1,第2の空間37,38が形成されている。すなわち、仕切り壁36は、緩衝液容器31の内壁面にその両側縁が固着されており、仕切り壁36は緩衝液容器31内を上記第1,第2の空間37,38に区画するように構成されている。
【0076】
なお、図5(b)から明らかなように、仕切り壁36の上方に連通孔36aを形成してもよい。この連通孔36aは、必ずしも必須のものではないが、該連通孔36aを設けることにより、第1,第2の空間37,38に配置された後述の便試料溶解液を充分に混合することができる。
【0077】
本実施例の便潜血判定装置における便潜血の判定にあたっては、採便器具32を緩衝液容器31から取り外し、糞便試料中に採便器具32を突き刺す。しかる後、糞便試料から採便器具32を引き抜くことにより、便保持部32bに所定量の便試料を採取する。便保持部32bは、先端32a近傍の外表面に凹部を形成することにより構成されているが、複数の凹部や突起を形成することによって構成してもよい。
【0078】
次に、採便器具32を緩衝液容器31にセットし、緩衝液35に便試料を溶解させる。すなわち、図5(a)に示した状態において、緩衝液容器31を振とうしたり、緩衝液容器31に振動を与えることにより、便保持部に採取された便試料を緩衝液35に溶解させ、便試料溶解液を作製する。この場合、連通孔36aを設けた場合(図5(b))には、作製された便試料溶解液が第1,第2の空間37,38間を円滑に移動する。従って、第1の空間37中の便試料溶解液と、第2の空間38中の便試料溶解液の濃度が一定に保たれ易い。
【0079】
次に、図6に示すように、緩衝液容器31を本体41にセットする。本体41は、金属もしくは合成樹脂などの適宜の材料により構成することができ、緩衝液容器収納凹部41aと、判定窓41bとを有する。また、緩衝液容器収納凹部41aの下端には、展開層12の開始端12a側において、上方に突出する貫通針42が配置されている。また、貫通針42の下方にはフィルタ43が配置されている。貫通針42は、金属などの適宜の材料で構成し得るが、その先端が鋭くされており、従って緩衝液容器31を図6に示したようにセットした状態において、緩衝液容器31の壁面が突き破られるように構成されている。また、本実施例では、第1の空間37側において、貫通針42が緩衝液容器31を突き破るように構成されている。
【0080】
次に、第3の実施例の便潜血判定装置40による便潜血判定操作を説明する。まず、第1の実施例の場合と同様に、採便器具32の先端32aを糞便試料中に突き刺し、しかる後引き抜くことにより、便保持部32bに便試料を採取する。しかる後、採便器具32を緩衝液容器31内に挿入する。次に、図5(a)に示した状態のまま緩衝液容器31を振とうしたり、緩衝液容器31に振動を与えることにより、便試料を緩衝液35に溶解し、便試料溶解液を作製する。
【0081】
次に、緩衝液容器31を図6に示すように、緩衝液容器収納凹部41aに挿入し、貫通針42により緩衝液容器31の底壁を突き破り、便試料溶解液45をフィルタ43に滴下する。この場合、緩衝液容器31内は仕切り壁36により隔てられているため、第1の空間37に収納されている便試料溶解液45のみがフィルタ43に滴下される。フィルタ43において不溶性固形分が除去され、不溶性固形分が除去された便試料溶解液が展開層12の開始端12aに供給される。以後の工程については、第1の実施例と同様にして行われ、それによって判定窓41bから便潜血の有無が判定される。
【0082】
すなわち、第3の実施例では、上記仕切り壁36を設けることにより、第1の空間37に収納されている量の便試料溶解液のみが確実に展開層12に供給される。よって、第1の空間37の大きさ、並びに便試料溶解液の全体の量すなわち当初の緩衝液35の量を選択することにより、常に、一定量の便試料溶解液を展開層12に供給することが可能である。
【0083】
なお、図5に示した例では、仕切り壁36は緩衝液容器31の底面から上方に延びるように立設されていたが、仕切り壁36の設ける位置はこれに限らない。例えば、図7に示すように、仕切り壁36は、緩衝液容器31の上端から下方に向かって延びるように形成し、緩衝液容器31を上下逆転させて本体41にセットするように構成してもよい。この場合には滴下針42により緩衝液容器31の上方肩部が突き破られ、便試料溶解液が展開層12に供給されることになる。
【0084】
さらに、図8に示すように、緩衝液容器31内において、採便器具32の採便器具本体33を取り囲むような円筒状の仕切り壁36を設けてもよい。この場合には、円筒状の仕切り壁36の内側もしくは外側の空間の容積が、展開層12に供給される便試料溶解液の量に応じた大きさとされ、滴下針により、仕切り壁36の内側もしくは外側の位置において、緩衝液容器31の底面が突き破られることになる。
【0085】
第4の実施例
図9及び図10は、請求項4に記載の発明の実施例の便潜血判定装置を説明するための略図的断面図である。本実施例の便潜血判定装置50では、緩衝液容器収納部51aが本体51に設けられている。緩衝液容器52は採便器具53がセットされた状態で、上下逆転して緩衝液容器収納部51aにセットされる。
【0086】
緩衝液容器52内には、緩衝液54が収納されている。この緩衝液容器52に、液密的に採便器具53が取り付けられている。採便器具53は、棒状の採便器具本体55と、キャップ部56とを有する。採便器具本体55の先端53a近傍の外周面に便保持部53bが設けられている。便保持部53bは、図示のように凹部を形成することにより、所定量の便試料を採取し得るように構成されている。もっとも、便保持部53bは、複数の窪みや突起を設けることにより構成してもよい。
【0087】
上記採便器具53の中央には、採便器具53の基端すなわちキャップ部56側から先端53aに延びる貫通孔53cが形成されている。
採便器具53は、本実施例では、合成樹脂を成形することにより構成されているが、金属などの他の材料で構成されていてもよい。また、採便器具本体55とキャップ部56とは別材料で構成されていてもよい。
他方、キャップ部56は、緩衝液容器52を液密シールし得るように緩衝液容器52の開口部にねじ込まれている。
【0088】
次に、本実施例の便潜血判定操作を説明しつつ、残りの構成を説明する。
本実施例では、まず、緩衝液容器52から採便器具53を取り外し、該採便器具53の先端53a側から糞便試料中に突き刺し、引き抜くことにより、便試料を採取する。便試料は便保持部53bに半定量的に採取される。
【0089】
次に、採便器具53を緩衝液容器52に挿入し、キャップ部56を緩衝液容器52の上方開口を閉成するように取り付ける。しかる後、緩衝液容器52に振動を与えたり、全体を振とうすることにより、便試料を緩衝液54に溶解させ、便試料溶解液を作製する。
【0090】
なお、上記流路53cのキャップ部56側には、当初は、図示しない液密シール材が貼り付けられており、それによって流路53cが閉成されている。
従って、採便器具53を緩衝液容器52にセットした状態において、図9に示すように上下逆転しても、中の便試料溶解液が漏洩することはない。
【0091】
次に、便試料溶解液を作製した後に、緩衝液容器52を図9に示すように上下逆転した状態で本体51の緩衝液容器収納部51aに挿入する。緩衝液容器収納部51aでは、滴下針57が上方に突出形成されている。滴下針57は、金属もしくは合成樹脂等よりなり、前述した液密シール材を貫通し得る材料で構成されている。
【0092】
本実施例では、滴下針57は中空の形状を有し、従って便試料溶解液が滴下針57の内部を通り、滴下針57の下端に配置されたフィルタ58に便試料溶解液が供給される。フィルタ58において、便試料溶解液が濾過され、不溶性固形分が除去される。不溶性固形分が除去された便試料溶解液は連通路59に導かれる。この連通路59の他端は、タブ60により閉成されている。タブ60は、外部からの操作により、連通路59を開放し得るように構成されている。すなわち、本実施例では、タブ60は、外部からの操作により水平方向に移動させることにより、連通路59の他端を開口し得るように構成されている。
【0093】
他方、タブ60の上方には、展開層12が配置されている。展開層12は、第1の実施例で用いられた展開層12と同様に構成されている。もっとも、本実施例では、展開層12は、開始端12aから終了端12b側に向かって上下方向に延びるように配置されている。展開層12の構成自体は、第1の実施例と同様であるため、第1の実施例について行った説明を援用することにより省略する。
【0094】
便潜血判定装置50では、上記のようにして便試料溶解液を流路59内に流入し、流路59がタブ60が閉成されているため、流路59の容積に応じた便試料溶解液が流路59内に満たされることになる。
【0095】
他方、流路59は、タブ60側において、上下方向に延びる定量部59aを有する。
従って、便潜血判定装置50全体を図10に示すように上下逆転した場合、上記流路59内の便試料溶解液のうち、定量部59aに残った便試料溶解液を除いては、緩衝液容器52の方に戻ることになる。
【0096】
従って、上記定量部59aの容積を、展開層12に供給すべき便試料溶解液の量に一致させておくことにより、タブ60の上方に当量の便試料溶解液が貯留されることになる。この状態で、タブ60を、図10の矢印X方向に引き抜くことにより、定量部59aに貯留されていた便試料溶解液が展開層12に供給される。従って、展開層12における免疫クロマトグラフィーにより、便潜血の有無を外部から判定窓51bを観察することにより容易に判定することができる。
【0097】
第4の実施例の便潜血判定装置50では、上記のように緩衝液容器52と展開層12とを結ぶ連通路59及びタブ60により、展開層12に供給すべき便試料溶解液の量が決定されることになる。従って、上記定量部59aの容積に応じた便試料溶解液を展開層12に確実に供給し得る。
【0098】
第5の実施例
図11は、請求項5に記載の発明の実施例の便潜血判定装置を説明するための略図的断面図である。便潜血判定装置70は、本体71を有する。本体71は、金属もしくは合成樹脂などの適宜の材料で構成されており、上方に開いた緩衝液容器収納部71aと、判定窓71bとを有する。
【0099】
緩衝液容器収納部71aには、緩衝液容器72が収納されている。緩衝液容器72は、本体71の緩衝液容器収納部71aに着脱自在に収納され得る。他方、緩衝液容器72には、採便器具73が取り付けられている。採便器具73は、採便器具本体74とキャップ部75とを有する。採便器具本体74は、棒状もしくは筒状の部材よりなり、合成樹脂もしくは金属などの適宜の材料で構成される。本実施例では、採便器具本体74は、キャップ部75と同一の材料で一体的に構成されているが、別体で構成されていてもよい。キャップ部75は緩衝液容器72の上方開口を液密シールし得るように緩衝液容器72の上方開口にねじ込まれている。
【0100】
採便器具73の先端73a近傍の外表面には便保持部73bが形成されている。便保持部73bは、図示のような凹部を形成することにより構成されているが、複数の窪みや突起を形成することによって構成してもよい。
緩衝液容器72内には緩衝液76が収納されている。
【0101】
他方、緩衝液容器72の側壁には、開口72a(位置のみを示す。)が形成されており、該開口72aを閉成するようにタブ77が取り付けられている。このタブ77は上下方向もしくは水平方向にスライド可能に構成されており、該タブ77を上方もしくは側方にスライドさせることにより緩衝液容器72の側壁に形成された開口72aが開かれることになる。
【0102】
本体71には流路78が形成されており、該流路78は、上述したタブ77の移動により緩衝液容器72の側壁に形成された開口72aに連ねられることになる。
【0103】
他方、上記緩衝液容器72の側壁に設けられた開口72aの下端は、図11において斜線のハッチングを付して示す部分の下端に一致されている。この斜線のハッチングを付して示す緩衝液部分76aは、展開層12に供給すべき便試料溶解液の量に応じて選ばれる。すなわち、緩衝液76の液面76bが、上記ハッチングを付して示した部分76aの上面に一致している。タブ77をスライドさせて開口72aを開いた場合、開口72aの下端がハッチングを付した部分76aの下端に一致されているため、ハッチングを付した部分に相当する容積の便試料溶解液が流路78に流入することになる。従って、常に一定量の便試料溶解液が流路78に供給されることになり、ひいては展開層12に供給されることになる。
【0104】
このように、本実施例では、緩衝液容器72に収納する緩衝液76の量と、開口72aの下端とにより、展開層12に供給すべき便試料溶解液の量が一定量とされる。
【0105】
なお、展開層12は、本実施例では、流路78に位置に応じて、中間で折れ曲がった略くの字状に形成されているが、その他の点については、第1の実施例で用いた展開層12と同様である。従って、展開層12については、第1の実施例で行った説明を援用することにより省略する。
【0106】
本実施例の便潜血判定装置では、第1の実施例と同様にして便試料を採取し、便試料溶解液を作製した後、上記タブ77をスライドさせることにより開口72aを開く。その結果、斜線のハッチングを付した部分76aに相当の容積の便試料溶解液が流路78に流入されることになる。なお、この場合、タブ77の後方に設けられたフィルタ79により不溶性固形分が除去される。
【0107】
従って、不溶性固形分が除去された一定量の便試料溶解液が展開層12に供給され、展開層12において免疫クロマトグラフィーに基づいて便潜血の有無が判定され得る。
【0108】
なお、流路78については、図示のように湾曲されていてもよく、それによって便潜血判定装置の本体71の形状を小さくし得るが、本体71が大型になってもよいのであれば、流路78は直線状に延ばされていてもよい。
【0121】
試験例1
次に、上記のように一定量の便試料溶解液を展開層に供給し得る構成を備えた本発明の便潜血判定装置と、便試料溶解液の定量供給機構のない従来の便潜血判定装置とを用いて、具体的に便潜血の有無を測定した。本発明例としては、第3の実施例の仕切り壁36が設けられた便潜血判定装置を用い、比較例としては、仕切り壁36が設けられていないことを除いては、実施例と同様にして構成された便潜血判定装置を用意した。
【0122】
第1抗体感作担体の調製と、第1抗体感作担体及び第2抗体結合展開層の作製は以下のようにして行った。
(1)第1抗体感作担体の調製:
第1抗体として抗ヒトHbモノクローナル抗体(マウスMU−110:日本バイオテスト研究所製)のリン酸緩衝液溶液(pH7.2:200μg/ml)10mlを調製した。さらに前述したラテックス粒子の着色方法(1)の方法により調製したポリスチレン系青色ラテックス(平均粒径0.12μm:固形分5重量%)10mlに添加し、37℃で60分間攪拌した。得られた分散液を4℃で18,000rpmで50分間遠心分離した。上清を除去した後、1重量%BSA(Sigma社製)のリン酸緩衝液溶液(pH7.2)を添加し、ラテックス濃度が1重量%になるように調整した。
(2)第1抗体感作担体及び第2抗体結合展開層の作製:
第2抗体である抗ヒトHbモノクローナル抗体(マウスMU−107:日本バイオテスト研究所製)の1mg/mlリン酸緩衝液溶液(pH7.2)5μlを、展開層(ニトロセルロースメンブラン:バイオラッド社製:1×5cm)に滴下し、室温で12時間乾燥させた。さらに乾燥後、1重量%BSAのリン酸緩衝液溶液(pH7.2)に37℃で30分間浸漬し、しかる後、再び室温で12時間乾燥させた。
【0123】
また、上記(1)で得られた第1抗体感作担体0.5μlを上記と同様の方法で展開層に固定化した。
また、緩衝液容器としては、ポリエチレン製(容量2.5ml)を用い、リン酸緩衝液(pH7.2)2.0mlを注入した。また、フィルタとしては、平均細孔径2μmの液体クロマトグラフィー用フィルタ(積水化学工業社製)を用いた。
【0124】
試験方法
本試験例では、ヒトHb標準液を用い、感度試験を行った。ヒトHb(Sigma社製)をリン酸緩衝液(pH7.2)に溶解し、該溶液を0〜1000μg/mlの濃度になるように上記緩衝液容器に添加した。軽く振とうしてから採便器具を挿入し、各便潜血判定装置を用いて判定窓から第2抗体固定化部位を観察し、着色ラテックスの青色が観察されるか否かにより、陽性または陰性を判定した。実施例及び比較例の何れの装置においても、それぞれn=5で測定し、測定感度の再現性を確認した。結果を下記の表1に示す。
【0125】
【表1】
【0126】
表1から明らかなように、実施例の便潜血判定装置では、便試料溶解液定量機構が備えられているためか、測定感度の再現性に優れていることがわかる。
【0128】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜5に記載の発明によれば、便試料溶解液を展開層に定量的に供給し得る機構が備えられているため、免疫クロマトグラフィーに基づいて便潜血判定の有無を判定するにあたり、測定の再現性を効果的に高め得ることが可能となる。
【0130】
しかも、請求項1〜5に記載の発明では、採便器具が緩衝液容器と組み合わされて用いられ、かつ本体内にフィルタ及び免疫クロマトグラフィーを構成する展開層が一体的に構成されており、この本体に緩衝液容器をセットするだけで便試料溶解液を展開層に導くことにより便潜血の有無を判定し得る。よって、採便器具によって便試料を採取した後に、緩衝液容器に挿入し便試料溶解液を作製した後には、緩衝液容器を本体にセットし、わずかな操作を行うだけで、便潜血の有無を確実に判定することができる。
【0131】
よって、請求項1〜5に記載の発明では、免疫クロマトグラフィー法を利用した便潜血判定のほぼ全工程が上記本体内で行われるため、便潜血判定に必要なシステムの構成を簡略化することができ、かつ未熟練者であっても簡単にかつ確実に便潜血の有無を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例で用いられる採便器具及び緩衝液容器を示す略図的断面図。
【図2】 第1の実施例の便潜血判定装置を説明するための略図的断面図。
【図3】 第2の実施例の便潜血判定装置を説明するための略図的断面図。
【図4】 第2の実施例の便潜血判定装置において便試料溶解液を展開層に供給する工程を説明するための略図的断面図。
【図5】 (a)及び(b)は、それぞれ、第3の実施例で用いられる採便器具、緩衝液容器及び
仕切り壁を説明するための断面図及び斜視図。
【図6】 第3の実施例の便潜血判定装置を説明するための略図的断面図。
【図7】 第3の実施例の便潜血判定装置の変形例を説明するための略図的断面図。
【図8】 仕切り壁のさらに他の変形例を説明するための斜視図。
【図9】 第4の実施例の便潜血判定装置を説明するための略図的断面図。
【図10】 第4の実施例の便潜血判定装置において便潜血判定装置を上下逆転した状態を示す略図的断面図。
【図11】 第5の実施例の便潜血判定装置を説明するための略図的断面図。
【符号の説明】
1…採便器具
1a…先端
1b…便保持部
2…採便器具本体
3…キャップ部
4…流路
5…凹部
6…液密シール材
7…緩衝液容器
9…緩衝液
10…便潜血判定装置
11…本体
11a…緩衝液容器収納凹部
11b…判定窓
12…展開層
12a…開始端
13…抗ヒトHb抗体感作担体固定部位
14…第2抗体固定化部位
15…フィルタ
16…滴下針
20…便潜血判定装置
21…本体
21b…判定窓
23…緩衝液容器
24…滴下スイッチ
24a…移動部分
24b…操作ノブ
25…ばね
26…流路
26a…開口
31…緩衝液容器
32…採便器具
32a…先端
32b…便保持部
33…採便器具本体
34…キャップ部
35…緩衝液
36…仕切り壁
37…第1の空間
38…第2の空間
40…便潜血判定装置
41…本体
41b…判定窓
42…貫通針
43…フィルタ
50…便潜血判定装置
51…本体
51b…判定窓
52…緩衝液容器
53…採便器具
53a…先端
53b…便保持部
53c…流路
54…緩衝液
55…採便器具本体
56…キャップ部
57…滴下針
58…フィルタ
59…連通路
59a…定量部
60…タブ
70…便潜血判定装置
71…本体
71b…判定窓
72…緩衝液容器
73…採便器具
74…採便器具本体
73a…先端
73b…便保持部
73a…緩衝液の液面
72a…開口
77…タブ
78…流路
79…フィルタ
Claims (5)
- 免疫クロマトグラフィーにより便潜血を判定するための装置であって、
便を採取するための採便器具と、
便潜血の有無を外部から判定するための判定窓を有する本体と、
前記本体内に設けられており、前記採便器具が挿入されるように構成されている緩衝液容器と、
前記緩衝液容器内で作製された便試料溶解液を濾過するためのフィルタと、
前記フィルタを通過した便試料溶解液が供給される部分に開始端が位置するように、かつ判定部が前記判定窓に臨むように配置されており、抗ヘモグロビン抗体感作担体が設置されており、かつ抗ヘモグロビン抗体が固定化された展開層とを備え、
前記採便器具の先端に展開層に供給すべき便試料溶解液の容積に応じた容積の凹部が形成されており、該凹部に連なっておりかつ採便器具内を通り、採便器具基端に開口している流路が形成されており、
前記採便器具が挿入された前記緩衝液容器が前記本体内において、前記採便器具の基端を下にしてセットされるように構成されており、
前記流路を閉成するように取り付けられた液密シール材と、
前記展開層の開始端側に配置されており、前記液密シール材を貫通し得る滴下針とをさらに備えることを特徴とする便潜血判定装置。 - 免疫クロマトグラフィーにより便潜血を判定するための装置であって、
便を採取するための採便器具と、
便潜血の有無を外部から判定するための判定窓を有する本体と、
前記本体内に設けられており、前記採便器具が挿入されるように構成されている緩衝液容器と、
前記緩衝液容器内で作製された便試料溶解液を濾過するためのフィルタと、
前記フィルタを通過した便試料溶解液が供給される部分に開始端が位置するように、かつ判定部が前記判定窓に臨むように配置されており、抗ヘモグロビン抗体感作担体が設置されており、かつ抗ヘモグロビン抗体が固定化された展開層とを備え、
前記緩衝液容器の側壁と、前記展開層の開始端とを結ぶ流路が形成されており、
前記流路の前記緩衝液容器の側壁に開口している開口部を常時は閉成しており、外部からの操作により開口させ得るように前記緩衝液容器に取り付けられた滴下スイッチをさらに備え、
前記滴下スイッチは、常時は緩衝液の液面よりも上方に位置する移動部分を有し、前記流路を開口させる際に該移動部分を緩衝液中に浸漬させることにより、上記移動部分の体積に応じた量の便試料溶解液が前記流路に供給される便潜血判定装置。 - 免疫クロマトグラフィーにより便潜血を判定するための装置であって、
便を採取するための採便器具と、
便潜血の有無を外部から判定するための判定窓を有する本体と、
前記本体内に設けられており、前記採便器具が挿入されるように構成されている緩衝液容器と、
前記緩衝液容器内で作製された便試料溶解液を濾過するためのフィルタと、
前記フィルタを通過した便試料溶解液が供給される部分に開始端が位置するように、かつ判定部が前記判定窓に臨むように配置されており、抗ヘモグロビン抗体感作担体が設置されており、かつ抗ヘモグロビン抗体が固定化された展開層とを備え、
前記緩衝液容器内には、仕切り壁が形成されており、該仕切り壁で隔てられた第1,第2の空間のうち、一方の空間の容積が展開層に供給すべき便試料溶解液の量に応じた所定の大きさとされており、
前記所定の大きさの空間側において、緩衝液容器を貫通する貫通針が前記展開層の開始端側において上方に突出して形成されている便潜血判定装置。 - 免疫クロマトグラフィーにより便潜血を判定するための装置であって、
便を採取するための採便器具と、
便潜血の有無を外部から判定するための判定窓を有する本体と、
前記本体内に設けられており、前記採便器具が挿入されるように構成されている緩衝液容器と、
前記緩衝液容器内で作製された便試料溶解液を濾過するためのフィルタと、
前記フィルタを通過した便試料溶解液が供給される部分に開始端が位置するように、かつ判定部が前記判定窓に臨むように配置されており、抗ヘモグロビン抗体感作担体が設置されており、かつ抗ヘモグロビン抗体が固定化された展開層とを備え、
前記緩衝液容器が前記本体内にセットされた状態で前記緩衝液容器と展開層とを結ぶ流路が形成されており、前記流路の容積が展開層に供給すべき便試料溶解液の量に応じた大きさとされており、
前記便試料溶解液の前記展開層への流入を常時は防止し、外部からの操作により流入を開始させるタブが前記流路に設けられている便潜血判定装置。 - 免疫クロマトグラフィーにより便潜血を判定するための装置であって、
便を採取するための採便器具と、
便潜血の有無を外部から判定するための判定窓を有する本体と、
前記本体内に設けられており、前記採便器具が挿入されるように構成されている緩衝液容器と、
前記緩衝液容器内で作製された便試料溶解液を濾過するためのフィルタと、
前記フィルタを通過した便試料溶解液が供給される部分に開始端が位置するように、かつ判定部が前記判定窓に臨むように配置されており、抗ヘモグロビン抗体感作担体が設置されており、かつ抗ヘモグロビン抗体が固定化された展開層とを備え、
前記緩衝液容器が前記本体内にセットされた状態で前記緩衝液容器と前記展開層とを結ぶ流路が形成されており、
前記流路の前記緩衝液容器に開口している部分の開口部の位置が、前記所定量の便試料溶解液が前記流路に流れ込む位置とされており、
前記開口を常時は閉成しており、外部からの操作により上記開口部から便試料溶解液を流路に流入させるタブをさらに備える便潜血判定装置。
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