JPH09151767A - 電磁弁駆動装置 - Google Patents

電磁弁駆動装置

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JPH09151767A
JPH09151767A JP7312815A JP31281595A JPH09151767A JP H09151767 A JPH09151767 A JP H09151767A JP 7312815 A JP7312815 A JP 7312815A JP 31281595 A JP31281595 A JP 31281595A JP H09151767 A JPH09151767 A JP H09151767A
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solenoid
electromagnetic
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太郎 杉村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の異常を極めて効率良く検出できる電磁
弁駆動装置を提供する。 【解決手段】 電磁弁の電磁ソレノイドLの通電開始直
後にピーク電流を供給するべくコンデンサC1に高電圧
を充電する昇圧回路32と、同じく通電時に開弁保持用
の一定電流を供給するホールド電流回路34a,34b
を備えた装置10において、通電用トランジスタTRを
オンさせる直前のコンデンサC1の電圧が所定範囲内で
なければ、ホールド電流回路34a,34bの作動に伴
い生じる電磁ソレノイドLの電流供給経路CM1,CM
2のレベル変化を電圧監視回路38a,38bにより検
出し、そのレベル変化回数に基づき電磁ソレノイドLへ
の定電流供給状態が正常か否かを判定し、定電流供給状
態が正常ならば昇圧回路32の故障と判定し、そうでな
ければ電流供給経路がバッテリ電圧に短絡したと判定す
る。この結果、昇圧回路32と電流供給経路との異常を
効率良く検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁を駆動する
電磁弁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば内燃機関の各気筒に夫
々燃料を噴射供給する燃料噴射弁としては、通常、電磁
ソレノイドを備え、電磁ソレノイドへの通電により開弁
される、電磁弁が使用されている。
【0003】そして、こうした燃料噴射弁を駆動する駆
動回路は、例えば図10に示す如く、内燃機関各気筒#
a,#b…に設けられた燃料噴射弁の電磁ソレノイドL
a,Lb,…の電流供給経路に夫々直列に設けられたス
イッチング用のトランジスタTRa,…と、トランジス
タTRa,…に流れる電流を制限するための接地抵抗器
Rと、電磁ソレノイドLa,Lb,…の電流供給経路に
並列に設けられたコンデンサ52a及び電源電圧を昇圧
してコンデンサ52aを充電する昇圧回路52bからな
り、トランジスタTRa,…のオン直後に、対応する電
磁ソレノイドLa,Lb,…へダイオードDaを介して
所定のピーク電流を供給するピーク電流回路52と、ト
ランジスタTRa,…のオン時に、対応する電磁ソレノ
イドLa,Lb,…へダイオードDbを介して、ピーク
電流より小さいホールド電流を供給するホールド電流回
路54とから構成されている。
【0004】つまり、従来の駆動回路では、トランジス
タTRa,…がオフされている時に、昇圧回路52bに
よってコンデンサ52aを充電しておき、トランジスタ
TRa,…の何れかがオンされると、対応する電磁ソレ
ノイドLa,Lb…へコンデンサ52aから大電流(ピ
ーク電流)が流るようにして、対応する気筒の燃料噴射
弁を速やかに開弁させ、その後は、ホールド電流回路5
4から開弁保持用の一定電流(ホールド電流)を流し
て、トランジスタTRa,…のオン期間中、対応する気
筒の燃料噴射弁の開弁状態を保持するようにしている。
【0005】そして、このような駆動回路を備えた従来
の燃料噴射制御装置では、図10に示すように、マイク
ロコンピュータ56が、内燃機関の運転状態に応じて各
電磁ソレノイドLa,Lb…の通電時間及び通電開始時
期を算出すると共に、その算出結果に応じて、各トラン
ジスタTRa,…へ噴射指令パルスPCMD を択一的に順
次出力することにより、内燃機関への燃料噴射を制御す
るようにしている。
【0006】即ち、図10に示した駆動回路によれば、
図11に示す如く、何れかのトランジスタTRa,…に
入力される噴射指令パルスPCMD が立ち上がると、ピー
ク電流回路52(コンデンサ52a及び昇圧回路52
b)の動作によって、対応する電磁ソレノイドLa,L
b,…に流れる電流(ソレノイド電流ISOL )がピーク
電流まで急激に立ち上がり、その後、噴射指令パルスP
CMD が立ち下がるまでの間、ソレノイド電流ISOL がホ
ールド電流に保持される。従って、電磁ソレノイドL
a,…による弁体のリフト量SL(つまり燃料噴射弁の
開度)は、噴射指令パルスPCMD の立ち上がり後、所定
の応答時間t1 経過後除々に増加し、噴射指令パルスP
CMD の立ち下がり後、所定の応答時間t2 経過後徐々に
減少することになり、噴射指令パルスPCMD のパルス幅
及び出力タイミングにより、電磁ソレノイドによる弁体
のリフト量SL,延いては燃料噴射率Qが決定される。
このため、従来の燃料噴射制御装置では、各気筒の電磁
ソレノイドLa,Lb…の電流供給経路に設けられたト
ランジスタTRa,…へ出力する噴射指令パルスPCMD
のパルス幅及び出力タイミングを制御することにより、
燃料噴射量及び燃料噴射時期を内燃機関各気筒毎に制御
するようにしているのである。
【0007】ところで、このような燃料噴射制御装置に
おいて、ピーク電流回路52の昇圧回路52bが故障
し、電磁ソレノイドLa,…にピーク電流を供給できな
くなった場合には、噴射指令パルスPCMD の立ち上がり
後、燃料噴射弁が開弁するまでの応答時間t1 が、正常
時よりも長くなってしまう。一方、噴射指令パルスPCM
D の立ち下がり後、燃料噴射弁が閉弁するまでの応答時
間t2 は、正常時と略同じである。従って、昇圧回路5
2bの故障時には、燃料噴射弁の開弁時間が正常時より
短くなってしまう上に、燃料噴射弁の開弁タイミングが
正常時より遅れてしまい、良好な燃料噴射制御を実行す
ることができなくなるといった問題があった。
【0008】そこで、こうした問題を解決するために、
従来より、図10に示すように、コンデンサ52aの両
端電圧を検出するための電圧検出回路58を設け、マイ
クロコンピュータ56が、全トランジスタTRa,…の
オフ時に、電圧検出回路58からの検出信号S1に基づ
きコンデンサ52aの充電電圧を検出し、その検出値が
所定値以上でなければ、昇圧回路52bが故障してピー
ク電流を供給できないと判定して、トランジスタTR
a,…へ出力する噴射指令パルスPCMD のパルス幅を長
くすると共に噴射指令パルスPCMD の出力タイミングを
早める、といった処置を行うようにしている(例えば特
開平7−269404号公報)。
【0009】一方更に、この種の燃料噴射制御装置にお
いては、電磁ソレノイドLa,Lb,…の電流供給経路
(例えば図10における配線Wa,Wb,…)が車両の
バッテリ電圧や接地電位(バッテリの−側電位)に短絡
した場合にも、燃料噴射弁を適正に駆動できなくなるた
め、その異常を検出して何等かの処置を施す必要があ
る。
【0010】そこで、従来では、例えば図10に示すよ
うに、接地抵抗器Rに流れる電流(即ちトランジスタT
Ra,…を介して電磁ソレノイドLa,Lb,…に流れ
る電流)を検出するための電流検出回路60を設け、マ
イクロコンピュータ56が、トランジスタTRa,…の
オン時に、電流検出回路60からの検出信号S2に基づ
き、電流供給経路に異常が発生したか否かを判定するよ
うにしていた。
【0011】つまり、電磁ソレノイドLa,Lb,…の
電流供給経路がバッテリ電圧や接地電位に短絡すると、
何れかのトランジスタTRa,…をオンした際には、接
地抵抗器Rに正常時とは異なる値の電流が流れるため、
接地抵抗器Rに流れる電流を検出することにより、電流
供給経路に短絡故障が発生したか否かを判定するように
していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置では、前述したようにピーク電流回路52(昇
圧回路52b)の故障と電流供給経路の短絡故障との両
方を検出できるものの、マイクロコンピュータ56が異
常検出のための処理を頻繁に実行しなければならず、他
の制御処理を実行できる時間が少なくなってしまうとい
う問題があった。
【0013】即ち、上記従来の装置において、マイクロ
コンピュータ56は、電圧検出回路58からの検出信号
S1に基づきピーク電流回路52(昇圧回路52b)に
異常が発生したか否かを判定する処理と、電流検出回路
60からの検出信号S2に基づき電磁ソレノイドLa,
Lb,…の電流供給経路に異常が発生したか否かを判定
する処理とを、夫々所定のタイミングで常時実行しなけ
ればならず、この結果、異常検出のための処理時間が大
幅に増加してしまうこととなっていた。
【0014】本発明は、このような問題に鑑みなされた
ものであり、種々の異常を極めて効率良く検出すること
ができる電磁弁駆動装置を提供することを目的としてい
る。
【0015】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の
電磁弁駆動装置においては、制御手段が、電磁弁の電磁
ソレノイドの電流供給経路に直列に設けられたスイッチ
ング素子を駆動制御(スイッチング駆動)して、電磁弁
を開閉させるのであるが、制御手段によってスイッチン
グ素子がオフされている時に、ピーク電流供給手段が、
電磁ソレノイドの電流供給経路に並列に設けられたコン
デンサを所定の高電圧で充電する。よって、制御手段に
よりスイッチング素子がオンされると、高電圧で充電さ
れたコンデンサの放電により、電磁ソレノイドへピーク
電流が供給されて電磁弁が速やかに開弁され、その後、
上記電流供給経路の電磁ソレノイド及びスイッチング素
子よりも上流側に接続された定電流供給手段が、電磁ソ
レノイドに一定電流を流して電磁弁の開弁状態を保持さ
せる。
【0016】ここで特に、本発明の電磁弁駆動装置で
は、第1の異常検出手段が、スイッチング素子がオフさ
れている時にコンデンサの両端電圧を検出して、その検
出結果に基づきコンデンサの充電状態が正常であるか否
かを判定し、この第1の異常検出手段によってコンデン
サの充電状態が正常でないと判定された場合に、第2の
異常検出手段が、定電流供給手段による電磁ソレノイド
への定電流供給状態を検出して、その検出結果に基づき
電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否か
を判定する。
【0017】そして、異常モード判定手段が、第2の異
常検出手段により電磁ソレノイドへの定電流供給状態が
正常であると判定された場合には、ピーク電流供給手段
が故障したと判定し、逆に、第2の異常検出手段により
電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常でないと判定
された場合には、電磁ソレノイドの電流供給経路がピー
ク電流供給手段によるコンデンサへの高電圧よりも低い
電圧レベルに短絡したと判定する。
【0018】つまり、ピーク電流供給手段が故障する
と、スイッチング素子のオフ時におけるコンデンサの充
電状態は異常となるが、電磁ソレノイドの電流供給経路
がピーク電流供給手段によるコンデンサへの高電圧より
も低い電圧レベルに短絡した場合にも、コンデンサの両
端電圧は所定の高電圧にまで上昇せずに、コンデンサの
充電状態は異常となる。一方、電磁ソレノイドの電流供
給経路が何等かの電圧レベルに短絡すると、定電流供給
手段によって電磁ソレノイドへ一定電流を流すことがで
きなくなるため、定電流供給手段による電磁ソレノイド
への定電流供給状態を検出することにより、電磁ソレノ
イドの電流供給経路が何等かの電圧レベルに短絡したこ
とを判定することができる。
【0019】そこで、本発明では、コンデンサの両端電
圧に基づくピーク電流供給手段に関する異常判定と、電
磁ソレノイドへの定電流供給状態に基づく電流供給経路
に関する異常判定とを、夫々独立して行うのではなく、
通常は、コンデンサの両端電圧を検出して、コンデンサ
の充電状態が正常であるか否かを判定し、コンデンサの
充電状態が正常でないと判定した場合にだけ、定電流供
給手段による電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常
であるか否かを判定するようにしている。そして、定電
流供給状態が正常である場合には、ピーク電流供給手段
の方が故障したと判定し、また、定電流供給状態が正常
でない場合には、電流供給経路がピーク電流供給手段に
よるコンデンサへの高電圧よりも低い電圧レベルに短絡
したと判定するようにしている。
【0020】従って、このような本発明の電磁弁駆動装
置によれば、ピーク電流供給手段が故障したことと、電
磁ソレノイドの電流供給経路が何等かの電圧レベルに短
絡したこととを、極めて効率良く検出することができ
る。次に、請求項2に記載の電磁弁駆動装置では、請求
項1に記載の電磁弁駆動装置において、定電流供給手段
が、所定の電源から電磁ソレノイドの電流供給経路へ至
る電流経路に直列に設けられた電流供給用スイッチング
手段と、電磁ソレノイドの電流供給経路に一定電流が流
れるように、電流供給用スイッチング手段をオン/オフ
させる定電流制御手段とを備えている。
【0021】そして、第2の異常検出手段は、電流供給
経路の電磁ソレノイド及びスイッチング素子よりも上流
側の電圧を検出する経路電圧検出手段と、スイッチング
素子のオン時に、電流供給用スイッチング手段のオン/
オフに伴い発生する電流供給経路のレベル変化を経路電
圧検出手段によって検出し、その検出したレベル変化の
回数を計数する計数手段とを備えており、計数手段の計
数結果に基づき、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が
正常であるか否かを判定する。
【0022】つまり、請求項2に記載の電磁弁駆動装置
では、定電流供給手段が、所定の電源から電磁ソレノイ
ドの電流供給経路へ至る電流経路に直列に設けられた電
流供給用スイッチング手段をオン/オフさせることで、
電磁ソレノイドの電流供給経路に一定電流を流すように
構成されている。よって、スイッチング素子がオンされ
て、定電流供給手段により電磁ソレノイドへ一定電流が
流されると、電流供給経路の電磁ソレノイド及びスイッ
チング素子よりも上流側の電圧は、電流供給用スイッチ
ング手段のオン/オフに伴ってレベル変化を繰り返す。
そこで、第2の異常検出手段は、電流供給経路に発生し
たレベル変化の回数を計数して、その計数結果に基づ
き、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか
否かを判定するようにしている。
【0023】そして、このような請求項2に記載の電磁
弁駆動装置によれば、電磁ソレノイドへの定電流供給状
態が正常であるか否か、即ち電磁ソレノイドの電流供給
経路が正常であるか否かを、より正確に検出することが
できる。即ち、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正
常であるか否かを判定する方法としては、図10に示し
たように、電磁ソレノイドに実際に流れる電流を検出し
て、その検出値に基づき異常の有無を判定することが考
えられる。ところが、このようにした場合には、電磁ソ
レノイドの特性バラツキや経時変化、電流を検出するた
めの検出用抵抗器のバラツキ、或いは更に、定電流供給
手段が一定電流を流すために用いる電源電圧のバラツキ
等によって、異常の発生を正確に判定可能な電流判定値
及び判定タイミングを設定することが極めて難しくな
る。
【0024】これに対して、請求項2に記載の電磁弁駆
動装置では、定電流供給手段の電流供給用スイッチング
手段がオン/オフされることによって発生する電流供給
経路のレベル変化の回数に基づき、電磁ソレノイドへの
定電流供給状態が正常であるか否かを判定するようにし
ているため、電磁ソレノイドの電流供給経路が何等かの
電圧レベルに短絡したことを、電磁ソレノイドの特性や
電源電圧のバラツキ等に全く影響されずに、極めて正確
に検出することができるのである。尚、この場合、電流
供給経路のレベル変化の回数が所定値以下であれば、電
磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常でないと判定す
ればよい。
【0025】次に、請求項3に記載の電磁弁駆動装置
は、請求項2に記載の電磁弁駆動装置に対して、更に、
接地電位短絡検出手段を備えている。そして、この接地
電位短絡検出手段は、スイッチング素子がオフされてい
る時に、電磁ソレノイドの電流供給経路の電圧を経路電
圧検出手段によって検出し、その検出値が所定値以下で
ある場合に、電流供給経路が接地電位に短絡したと判定
する。
【0026】このような請求項3に記載の電磁弁駆動装
置によれば、異常モード判定手段によって、電磁ソレノ
イドの電流供給経路がピーク電流供給手段によるコンデ
ンサへの高電圧よりも低い電圧レベルに短絡したと判定
された場合に、その短絡故障が、接地電位への短絡なの
か、或いは、所定の電源電圧への短絡なのかを特定する
ことができるようになる。
【0027】つまり、この電磁弁駆動装置によれば、例
えば、通常時に、接地電位短絡検出手段による異常判定
と、第1の異常検出手段による異常判定とを並行して行
うようにすることにより、第1の異常検出手段によって
コンデンサの充電状態が正常でないと判定された場合
に、その異常が電流供給経路の接地電位への短絡による
ものでないことを知ることができるようになる。そし
て、これにより、その後、異常モード判定手段によって
電流供給経路が短絡故障したと判定された場合には、そ
の短絡故障が、接地電位ではない所定の電源電圧(例え
ば、当該装置の電源電圧)に短絡したものであると特定
することができる。また、例えば、第1の異常検出手段
によってコンデンサの充電状態が正常でないと判定され
た場合に、接地電位短絡検出手段による異常判定と、第
2の異常検出手段による異常判定とを、交互に行うよう
にしても、同様の効果を得ることができる。
【0028】しかも、請求項3に記載の電磁弁駆動装置
によれば、第1の異常検出手段がコンデンサの両端電圧
を検出するための回路と、電流供給経路の電磁ソレノイ
ド及びスイッチング素子よりも上流側の電圧を検出する
ための回路(即ち経路電圧検出手段)との、2つの検出
回路を設けるだけで、ピーク電流供給手段が故障したこ
とと、電流供給経路が接地電位に短絡したことと、電流
供給経路が所定の電源電圧に短絡したこととの、3つの
異常モード(故障モード)を夫々区別して検出すること
ができる。
【0029】つまり、図10に示した従来装置におい
て、上記3つの異常モードを夫々区別して検出するため
には、電圧検出回路58によりコンデンサ52aの両端
電圧を検出して昇圧回路52b(ピーク電流供給手段)
が故障したか否かを判定し、電流検出回路60により電
流供給経路に流れる電流を検出して、電流供給経路が所
定の電源電圧に短絡したか否かを判定し、更に、電流供
給経路の電磁ソレノイドLa,Lb,…及びトランジス
タTRa,…よりも上流側(ダイオードDaとダイオー
ドDbの接続点)の電圧を検出するための検出回路を追
加して設け、その検出回路によりトランジスタTRa,
…がオフされている時の電流供給経路の電圧を検出し
て、電流供給経路が接地電位に短絡したか否かを判定す
る、といった構成が考えられる。
【0030】ところが、このような構成では、上記3つ
の異常モードを夫々検出するために、3つの検出回路が
必要となるのであるが、上述したように、請求項3に記
載の電磁弁駆動装置によれば、2つの検出回路を設ける
だけで、3つの異常モードを夫々区別して検出すること
ができ、装置構成を小型化することができるのである。
【0031】次に、請求項4に記載の電磁弁駆動装置で
は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電磁弁駆
動装置において、内燃機関の各気筒に夫々設けられて開
弁時に各気筒へ燃料を噴射供給する複数の燃料噴射弁
を、前記電磁弁として備えており、各燃料噴射弁(電磁
弁)の電磁ソレノイドの電流供給経路は、ピーク電流供
給用のコンデンサ及び定電流供給手段に接続された所定
の共通線と、その共通線から各電磁ソレノイド毎に夫々
対応して分岐した個別配線とからなると共に、各個別配
線に夫々直列にスイッチング素子が設けられている。そ
して、制御手段が、内燃機関の運転状態に応じて各電磁
ソレノイドの通電時間及び通電開始時期を算出し、その
算出結果に応じて各スイッチング素子を択一的に順次駆
動することにより、内燃機関への燃料噴射を制御する。
【0032】そして更に、請求項4に記載の電磁弁駆動
装置では、異常対処手段が、第1の異常検出手段によっ
てコンデンサの充電状態が正常でないと判定されると、
ピーク電流供給手段の作動を禁止すると共に、制御手段
にて算出された電磁ソレノイドの通電時間を所定時間増
加させる。
【0033】つまり、請求項4に記載の電磁弁駆動装置
は、内燃機関の各気筒に夫々燃料を噴射供給する複数の
燃料噴射弁を駆動して内燃機関への燃料噴射を制御する
燃料噴射制御装置として構成されており、各燃料噴射弁
の電磁ソレノイドには、ピーク電流供給用のコンデンサ
及び定電流供給手段に接続された共通線と、その共通線
から各電磁ソレノイド毎に夫々対応して分岐した個別配
線とを介して電流が供給される。そして、第1の異常検
出手段によってコンデンサの充電状態が正常でないと判
定された場合、即ち何等かの原因で電磁ソレノイドへピ
ーク電流を供給できない場合には、ピーク電流供給手段
の作動を禁止して異常な動作が行われることを防止する
と共に、電磁ソレノイドの通電時間を所定時間増加させ
るようにして、燃料噴射弁の開弁時間が正常時より短く
なってしまうことを防止するようにしている。
【0034】従って、このような請求項4に記載の電磁
弁駆動装置によれば、ピーク電流供給手段が故障して、
電磁ソレノイドへピーク電流を供給できなくなった場合
でも、燃料噴射量が低下するのを防止して、内燃機関の
運転状態を正常時に近い状態に維持することができるよ
うになる。
【0035】次に、請求項5に記載の電磁弁駆動装置で
は、請求項4に記載の電磁弁駆動装置に対し、異常対処
手段が、電磁ソレノイドの通電時間を所定時間増加させ
ることに加えて、更に、制御手段にて算出された電磁ソ
レノイドの通電開始時期を所定時間早い時期に補正す
る。
【0036】従って、請求項5に記載の電磁弁駆動装置
によれば、ピーク電流供給手段が故障して、電磁ソレノ
イドへピーク電流を供給できなくなった場合でも、燃料
噴射弁の開弁時間が正常時より短くなってしまうこと
と、燃料噴射弁の開弁タイミングが正常時より遅れてし
まうこととの両方の不具合を防止でき、この結果、内燃
機関の運転状態を、正常時により一層近い状態に維持す
ることができるようになる。
【0037】次に、請求項6に記載の電磁弁駆動装置で
は、請求項4又は請求項5に記載の電磁弁駆動装置にお
いて、上記複数の燃料噴射弁が、内燃機関の運転が可能
な複数のグループに予め分けられており、その各グルー
プ毎に夫々対応して電流供給用の共通線及び定電流供給
手段が設けられている。
【0038】そして、第2の異常検出手段が、各燃料噴
射弁の電磁ソレノイド毎について、定電流供給手段によ
る定電流供給状態が正常であるか否かを判定すると共
に、異常モード判定手段は、第2の異常検出手段によっ
て定電流供給状態が正常でないと判定された電磁ソレノ
イドの個別配線が、所定の高電圧よりも低い電圧レベル
に短絡したと判定するようにしている。
【0039】そして更に、第2の異常対策手段が、異常
モード判定手段によって短絡故障が発生したと判定され
た個別配線の分岐元である共通線を介して電流が供給さ
れる全ての電磁ソレノイドに対応したスイッチング素子
の駆動を禁止するようにしている。
【0040】つまり、請求項6に記載の電磁弁駆動装置
においては、所定数の燃料噴射弁からなるグループ毎に
電流供給用の共通線と定電流供給手段とを設けること
で、何れかの共通線が断線しても、他の共通線に接続さ
れたグループの燃料噴射弁が駆動可能となるようにして
いる。そして更に、各燃料噴射弁の電磁ソレノイド毎に
ついて、個別配線に短絡故障が発生したか否かを判定
し、個別配線の何れかが短絡故障したと判定した場合に
は、短絡故障したと判定した個別配線の分岐元である共
通線に接続された全ての電磁ソレノイドに対する駆動制
御を停止して、他の共通線に接続された電磁ソレノイド
だけを、異常対処手段による補正後の通電時間或いは更
に通電開始時期に基づき駆動するようにして、内燃機関
への燃料噴射を継続するようにしている。
【0041】このような請求項6に記載の電磁弁駆動装
置によれば、個別配線の何れかが何等かの電圧レベルに
短絡して、その個別配線の分岐元である共通線に接続さ
れた電磁ソレノイドへ、定電流供給手段により一定電流
を供給できなくなった場合、或いは、何れかの共通線自
身が何等かの電圧レベルに短絡して、その共通線に接続
された電磁ソレノイドへ、定電流供給手段により一定電
流を供給できなくなった場合でも、他の共通線に接続さ
れた燃料噴射弁の電磁ソレノイドに対して、異常対処手
段による補正後の通電時間或いは更に通電開始時期に基
づく駆動制御を行うことができ、これにより、内燃機関
の運転を正常時に近い状態で継続させることができるよ
うになる。
【0042】次に、請求項7に記載の電磁弁駆動装置で
は、請求項6に記載の電磁弁駆動装置において、異常モ
ード判定手段は、複数のグループの内の何れかに所属す
る全ての燃料噴射弁に対応する個別配線に短絡故障が発
生したと判定すると、そのグループに対応する共通線に
短絡故障が発生したと判定する。
【0043】そして、このような請求項7に記載の電磁
弁駆動装置によれば、個別配線が短絡故障したことと、
何れかの共通線が短絡故障したこととを、区別して検出
することができるようになる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例
について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形
態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明
の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ること
は言うまでもない。
【0045】まず図1は、車両用ディーゼルエンジンの
各気筒#1,#2,…#nに燃料を噴射供給するn個
(nは偶数)の電磁ソレノイド式ユニットインジェクタ
(以下、単にインジェクタという。)の電磁ソレノイド
L1,L2,…Lnへの通電時間及び通電タイミングを
制御することにより、ディーゼルエンジン各気筒#1〜
#nへの燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する、実施
例の燃料噴射制御装置10の全体構成を表わす構成図で
ある。
【0046】図1に示す如く、本実施例の燃料噴射制御
装置10は、予め設定された制御プログラムに従い燃料
噴射制御のための各種制御処理を実行するCPU,RO
M,RAM等からなる周知のマイクロコンピュータ20
を中心に構成されており、ディーゼルエンジンの所定の
回転角度毎に回転信号を発生する回転センサからの出力
信号を波形整形してマイクロコンピュータ20に入力す
る検出回路12、ディーゼルエンジンの運転状態を検出
するセンサやスイッチからの信号を夫々マイクロコンピ
ュータ20に入力するバッファ14,16、電磁ソレノ
イドL1〜Lnを夫々通電して各気筒#1〜#nのイン
ジェクタを駆動する駆動回路30、マイクロコンピュー
タ20からの噴射指令パルス等を駆動回路30に出力す
るインタフェース22、及び、バッテリBTから電源供
給を受けて上記各部に所定の電源電圧(5V又はバッテ
リ電圧+B)を供給する電源回路26を備えている。
【0047】ここで、本実施例の燃料噴射制御装置10
は、ディーゼルエンジンの運転状態に応じて、各電磁ソ
レノイドL1,L2,…Lnを、第1気筒#1,第2気
筒#2,…第n気筒#nに夫々対応するもの順に択一的
に通電することにより、ディーゼルエンジンへの燃料供
給を行うのであるが、電磁ソレノイドL1,L2,…L
nは、奇数番目の気筒#1,#3,…#n-1に対応する
電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1と、偶数番目の気
筒#2,#4,…#nに対応する電磁ソレノイドL2,
L4,…Lnとに、予めグループ分けされている。
【0048】そして、奇数番目の気筒#1,#3,…#
n-1に対応する電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1に
は、第1共通線CM1と、その第1共通線CM1から各
電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1毎に夫々対応して
分岐した個別配線W1,W3,…Wn-1とを介して、駆
動電流が供給されるようになっており、また同様に、偶
数番目の気筒#2,#4,…#nに対応する電磁ソレノ
イドL2,L4,…Lnには、第2共通線CM2と、そ
の第2共通線CM2から各電磁ソレノイドL2,4,…
Ln毎に夫々対応して分岐した個別配線W2,W4,…
Wnとを介して、駆動電流が供給されるようになってい
る。
【0049】尚、上記電磁ソレノイドのグループは、第
1共通線CM1及び第2共通線CM2の内の何れか一方
が断線した場合に、他方の共通線に対応するインジェク
タによって最も安定した運転が可能となるように割り振
りされている。次に、駆動回路30には、インタフェー
ス22を介して入力されるマイクロコンピュータ20か
らの噴射指令パルスP1〜Pnに応じて、各電磁ソレノ
イドL1〜Lnの個別配線W1〜Wnを夫々導通・遮断
するスイッチング回路36、第1共通線CM1に接続さ
れた電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1にダイオード
D2を介して所定のホールド電流(一定電流)を供給す
るための、定電流供給手段としてのホールド電流回路3
4a、第2共通線CM2に接続された電磁ソレノイドL
2,L4,…LnにダイオードD4を介して所定のホー
ルド電流(一定電流)を供給するための、定電流供給手
段としてのホールド電流回路34b、各共通線CM1,
CM2にダイオードD1,D3を介して並列に接続され
たピーク電流供給用のコンデンサC1、及び、スイッチ
ング回路36のオフ時にコンデンサC1に高電圧を充電
しておき、スイッチング回路36により何れかの電磁ソ
レノイドLの個別配線Wが導通された時に、コンデンサ
C1に充電した高電圧により対応する電磁ソレノイドL
にピーク電流を供給させる、ピーク電流供給手段として
の昇圧回路32が備えられている。
【0050】そして更に、駆動回路30には、分圧抵抗
器R1,R2により上記コンデンサC1の両端電圧を検
出して、その検出電圧が、分圧抵抗器R3,R4により
電源回路26からの出力電圧(5V)を分圧した基準電
圧以上か否かを判定し、その判定結果をマイクロコンピ
ュータ20に出力するコンパレータCOM1、分圧抵抗
器R5,R6により上記コンデンサC1の両端電圧を検
出して、その検出電圧が、分圧抵抗器R7,R8により
電源回路26からの出力電圧(5V)を分圧した基準電
圧以上か否かを判定し、その判定結果をマイクロコンピ
ュータ20に出力するコンパレータCOM2、第1共通
線CM1の電圧を検出するための、経路電圧検出手段と
しての電圧監視回路38a、及び、第2共通線CM2の
電圧を検出するための、経路電圧検出手段としての電圧
監視回路38bが備えられている。
【0051】尚、図1において、D5は、第1共通線C
M1に接続された電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1
に発生したフライバック電圧を吸収するためのダイオー
ドであり、同じくD6は、第2共通線CM2に接続され
た電磁ソレノイドL2,L4,…Lnに発生したフライ
バック電圧を吸収するためのダイオードである。
【0052】ここで、昇圧回路32は、一次巻線の一端
にバッテリ電圧が印加された昇圧用の変圧器Loと、外
部から入力される高周波(本実施例では数十kHz程
度)の駆動パルスによって高速スイッチングすることに
より、変圧器Loの一次巻線の他端を高周波で接地し、
変圧器Loの二次巻線に高電圧を発生させる昇圧用のト
ランジスタTRoと、変圧器Loの二次巻線に発生した
高電圧をコンデンサC1に出力することにより、コンデ
ンサC1を充電するダイオードDoとから構成された周
知のものであり、インタフェース22を介して入力され
るマイクロコンピュータ20からの指令信号SC によっ
て、電磁ソレノイドL1〜Lnのオフ期間中に動作す
る。
【0053】そして、コンパレータCOM1は、分圧抵
抗器R1,R2により得られた検出電圧と、分圧抵抗器
R3,R4により得られた基準電圧とを比較することに
より、昇圧回路32により充電されたコンデンサC1の
両端電圧が、例えば正常時の上限電圧120Vの半分の
電圧60V以上であるか否かを判定し、60V以上であ
ればハイレベル、60V未満であればロウレベルの信号
を出力する。また、コンパレータCOM2は、分圧抵抗
器R5,R6により得られた検出電圧と、分圧抵抗器R
7,R8により得られた基準電圧とを比較することによ
り、昇圧回路32により充電されたコンデンサC1の両
端電圧が、正常時の上限電圧120Vよりも大きい所定
値(例えば130V)以上であるか否かを判定し、13
0V未満であればハイレベル、130V以上であればロ
ウレベルの信号を出力する。
【0054】そして更に、コンパレータCOM1の出力
端子と、コンパレータCOM2の出力端子とは、共にオ
ープンコレクタ(或いはオープンドレイン)出力形式と
なっており、両コンパレータCOM1,COM2の出力
端子は、ワイヤードオア形式に接続された上で、マイク
ロコンピュータ20に接続されている。よって、両コン
パレータCOM1,COM2からマイクロコンピュータ
20へ出力される検出信号SDGは、コンデンサC1の両
端電圧が60V以上で且つ130V未満の場合にハイレ
ベルとなり、コンデンサC1の両端電圧が60V未満或
いは130V以上の場合にロウレベルとなる。
【0055】また、スイッチング回路36は、各電磁ソ
レノイドL1〜Lnの個別配線W1〜Wnに夫々直列に
設けられたスイッチング用のトランジスタTR1,TR
2,…TRnと、これら各トランジスタTR1〜TRn
の接地側端子(本実施例では、トランジスタTR1〜T
RnにNPN型トランジスタを使用しているためエミッ
タ端子となる)に接続された電流制限用の接地抵抗器R
eoと、インタフェース22から入力される各気筒毎の
噴射指令パルスP1〜Pnを、対応するトランジスタT
R1〜TRnのベース端子に入力する入力抵抗器Ra
1,Ra2,…Ranとから構成されている。一方、ホ
ールド電流回路34aは、バッテリBTからの電源供給
を受けて、トランジスタTR1,TR3,…TRn-1の
何れかにより個別配線W1,W3,…Wn-1が導通され
た電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1に、インジェク
タ開弁保持用のホールド電流を供給する定電流回路であ
り、図2に示すように、バッテリ電圧+Bからダイオー
ドD2を経由して第1共通線CM1へ至る電流経路を導
通・遮断するための、電流供給用スイッチング手段とし
てのスイッチング素子40と、各トランジスタTR1〜
TRnの接地側端子に接続された接地抵抗器Reoの両
端電圧が所定電圧となるようにスイッチング素子40を
オン・オフさせる、定電流制御手段としての定電流制御
回路42と、を備えた周知のものである。尚、図2にお
いては、電磁ソレノイドL1及びそれに対応するトラン
ジスタTR1のみを示している。
【0056】そして、ホールド電流回路34bも、上記
ホールド電流回路34aと全く同様に構成されており、
トランジスタTR2,TR4,…TRnの何れかにより
個別配線W2,W4,…Wnが導通された電磁ソレノイ
ドL2,L4,…Lnに、インジェクタ開弁保持用のホ
ールド電流を供給する。
【0057】また、図2に示すように、電圧監視回路3
8aは、第1共通線CM1にカソードが接続されたダイ
オードD7と、一端がバッテリ電圧+Bに接続され、他
端がダイオードD7のアノードに接続された抵抗器R9
と、カソードがダイオードD7のアノードに接続された
ダイオードD8と、一端がダイオードD8のアノードに
接続された抵抗器R10と、エミッタ端子がバッテリ電
圧+Bに接続され、ベース端子が抵抗器R10のダイオ
ードD8とは反対側の端部に接続されたPNP型トラン
ジスタ44と、ベース端子がトランジスタ44のコレク
タ端子に接続され、エミッタ端子が接地電位(GND)
に接続されたNPN型トランジスタ46と、一端がトラ
ンジスタ46のコレクタ端子に接続され、他端が電源回
路26からの出力電圧(5V)に接続された抵抗器R1
1と、から構成されている。そして、トランジスタ46
のコレクタ端子が、マイクロコンピュータ20に接続さ
れている。
【0058】そして、この電圧監視回路38aでは、第
1共通線CM1の電圧が所定値(例えば、バッテリ電圧
+Bの略半分)以上であれば、トランジスタ44及びト
ランジスタ46がオフ状態となって、トランジスタ46
のコレクタ電圧がハイレベル(5V)となり、これによ
って、マイクロコンピュータ20へ、ハイレベルの検出
信号SK1が出力される。また逆に、第1共通線CM1の
電圧が上記所定値以下であれば、トランジスタ44及び
トランジスタ46がオン状態となって、トランジスタ4
6のコレクタ電圧はロウレベル(0V)となり、これに
よって、マイクロコンピュータ20へ、ロウレベルの検
出信号SK1が出力される。
【0059】そして、電圧監視回路38bも、上記電圧
監視回路38aと全く同様に構成されており、第2共通
線CM2の電圧が上記所定値以上であればハイレベル、
上記所定値未満であればロウレベルの信号SK2を、トラ
ンジスタ46によりマイクロコンピュータ20へ出力す
る。
【0060】尚、本実施例において、電圧監視回路38
a,38bからの出力信号SK1,SK2が夫々入力される
マイクロコンピュータ20の2つの入力ポートは、入力
信号がハイレベル(例えば2.5V以上)であるか否か
を識別するだけの汎用ポートと、入力信号がハイレベル
からロウレベル(例えば2.5V未満)へ変化した回数
(即ち入力信号の立ち下がりエッジの回数)が、マイク
ロコンピュータ20の内部に備えたイベントカウンタに
よって自動的にカウントされるイベントカウンタポート
とに、内部処理で切り換え可能なポートである。そし
て、この両入力ポートは、通常時には汎用ポートに設定
されており、後述する図8の処理にてイベントカウンタ
ポートに切り換えられると、各自の入力信号に立ち下が
りエッジが発生する度に、対応する計数手段としてのイ
ベントカウンタが自動的にインクリメントされて、これ
により、電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,
SK2に夫々生じたレベル変化の回数がカウントされるこ
ととなる。
【0061】次に、このように構成された燃料噴射制御
装置10の動作について、図3〜図6を用いて説明す
る。尚、以下の説明においては、電磁ソレノイドL1〜
Ln,トランジスタTR1〜TRn,噴射指令パルスP
1〜Pn,個別配線W1〜Wn,及び共通線CM1,C
M2について、夫々を特に区別しない場合には、符号と
して「L」,「TR」,「P」,「W」,「CM」を用
いる。また、図3、図4及び図6において、VC1は、
コンデンサC1の両端電圧を表しており、ISOLは、電
磁ソレノイドLに流れる電流(ソレノイド電流)を表し
ている。
【0062】まず、マイクロコンピュータ20は、検出
回路12,バッファ14,バッファ16から入力される
ディーゼルエンジンの運転状態を表わす各種検出信号を
読み込み、その読み込んだ検出信号に基づき、電磁ソレ
ノイドLの通電時間及び通電開始タイミング(通電開始
時期)を算出する。そして、図3に示すように、各気筒
の噴射指令パルスP1〜Pnを、上記算出した通電時間
に相当するパルス幅で且つ上記算出した通電開始タイミ
ングで順次出力する。
【0063】また、マイクロコンピュータ20は、図3
及び図4に示すように、噴射指令パルスPを出力してい
ないときに、指令信号SC をハイレベルで出力すること
により、駆動回路30の昇圧回路32を作動させる。換
言するならば、マイクロコンピュータ20は、指令信号
SC をロウレベルにして昇圧回路32の作動を停止させ
てから、噴射指令パルスPを出力し、噴射指令パルスP
の出力が終了すると、指令信号SC を再びハイレベルに
戻して昇圧回路32を作動させるようにしている。
【0064】よって、駆動回路30においては、図4に
示す如く、インタフェース22を介してスイッチング回
路36に入力されるマイクロコンピュータ20からの噴
射指令パルスPが全てオフ状態であるときに、ピーク電
流供給用のコンデンサC1が昇圧回路32により所定の
上限電圧(本実施例では120V)にまで充電される。
そして、何れかの気筒の電磁ソレノイドLを通電するた
めに、マイクロコンピュータ20から噴射指令パルスP
が出力されると、対応する気筒のトランジスタTRがオ
ンして、コンデンサC1に充電された電圧が電磁ソレノ
イドLを介して所定の放電時間TDCHG内に放電され、電
磁ソレノイドLにピーク電流が流れる。そして、その後
は、第1共通線CM1に接続された電磁ソレノイドL
1,L3,…Ln-1への通電時にはホールド電流回路3
4aの動作によって、また第2共通線CM2に接続され
た電磁ソレノイドL2,L4,…Lnへの通電時にはホ
ールド電流回路34bの動作によって、通電中の電磁ソ
レノイドLにホールド電流が流れ、マイクロコンピュー
タ20により噴射指令パルスPの出力が停止された時点
で、電磁ソレノイドLの通電が遮断される。また、こう
して電磁ソレノイドLの通電が遮断されると、マイクロ
コンピュータ20からの指令信号SC がハイレベルにな
って昇圧回路32が再び作動するため、その後、所定の
充電時間TCHG内にコンデンサC1が上限電圧にまで充
電され、次に噴射指令パルスPが入力された際にピーク
電流を供給可能な状態となる。
【0065】このように、本実施例の燃料噴射制御装置
10では、噴射指令パルスPが出力されておらず全ての
トランジスタTRがオフされている時に、昇圧回路32
によってコンデンサC1を充電しておき、噴射指令パル
スPによりトランジスタTRの何れかがオンされると、
対応する電磁ソレノイドLへコンデンサC1からピーク
電流が流るようにして、対応する気筒のインジェクタを
速やかに開弁させ、その後は、ホールド電流回路34
a,34bの何れかから開弁保持用のホールド電流を流
して、トランジスタTRのオン期間中、対応する気筒の
インジェクタの開弁状態を保持するようにしている。
【0066】一方、上述したようにマイクロコンピュー
タ20から噴射指令パルスPが出力されてコンデンサC
1が放電され、図3及び図4に示すように、コンデンサ
C1の両端電圧VC1が所定値Vth1(本実施例では
上限電圧の半分である60V)未満になると、コンパレ
ータCOM1,COM2からマイクロコンピュータ20
へ出力される検出信号SDGがハイレベルからロウレベル
へ変化する。そして、その後、噴射指令パルスPの出力
が停止されてマイクロコンピュータ20からハイレベル
の指令信号SC が出力されると、コンデンサC1の両端
電圧VC1が所定の充電時間TCHG 内に所定値Vth1
以上となり、コンパレータCOM1,COM2からマイ
クロコンピュータへ出力される検出信号SDGがハイレベ
ルに戻ることとなる。
【0067】一方更に、図4及び図5に示すように、マ
イクロコンピュータ20から噴射指令パルスP1,P
3,…Pn-1の何れかが出力されて、上述の如くホール
ド電流回路34aにより電磁ソレノイドL1,L3,…
Ln-1の何れかにホールド電流が供給されている時に
は、電圧監視回路38aからマイクロコンピュータ20
へ出力される信号SK1がレベル変化を繰り返す。また同
様に、マイクロコンピュータ20から噴射指令パルスP
2,P4,…Pnの何れかが出力されて、ホールド電流
回路34bにより電磁ソレノイドL2,L4,…Lnの
何れかにホールド電流が供給されている時には、電圧監
視回路38bからマイクロコンピュータ20へ出力され
る信号SK2がレベル変化を繰り返す。
【0068】つまり、図2に示したようにホールド電流
回路34a,34bは、トランジスタTRの接地抵抗器
Reo(即ち電磁ソレノイドL)に一定電流が流れるよ
うにスイッチング素子40がオン・オフされる定電流回
路として構成されている。よって、例えば、噴射指令パ
ルスPによりトランジスタTR1,TR3,…TRn-1
の何れかがオンされて、電磁ソレノイドL1,L3,…
Ln-1の何れかが通電される場合には、第1共通線CM
1の電圧が、ホールド電流回路34aに設けられたスイ
ッチング素子40のオン・オフに応じてレベル変化し、
これに伴って電圧監視回路38aの出力信号SK1がレベ
ル変化する。そして全く同様に、トランジスタTR2,
TR4,…TRnの何れかがオンされて、電磁ソレノイ
ドL2,L4,…Lnの何れかが通電される場合には、
第2共通線CM2の電圧が、ホールド電流回路34bに
設けられたスイッチング素子40のオン・オフに応じて
レベル変化し、これに伴って電圧監視回路38bの出力
信号SK2がレベル変化するのである。
【0069】次に、本実施例の燃料噴射制御装置10に
おいて、昇圧回路32が故障した場合、或いは、電磁ソ
レノイドLへ駆動電流を流すための上記共通線CM1,
CM2及び個別配線Wに異常が発生した場合に、コンパ
レータCOM1,COM2から出力される検出信号SDG
と、電圧監視回路38a,38bから夫々出力される信
号SK1,SK2とが、どのように変化するかについて説明
する。尚、以下の説明において、個別配線Wとは、対応
する電磁ソレノイドLよりも下流側の配線を指すものと
する。
【0070】まず、図6(A)に示すように、昇圧回路
32が何等かの原因で故障してしまい、コンデンサC1
が上限電圧120Vよりも大きな所定値Vth2(本実
施例では130V)以上にまで充電されると、コンパレ
ータCOM1,COM2から出力される検出信号SDG
は、本来ハイレベルであるべき期間(即ち噴射指令パル
スPが出力されていない期間)中にロウレベルとなる。
【0071】また、図6(B)に示すように、昇圧回路
32が何等かの原因で故障してしまい、コンデンサC1
が所定値Vth1(本実施例では60V)以上にまで充
電されなくなると、コンパレータCOM1,COM2か
ら出力される検出信号SDGは、常にロウレベルのままと
なる。
【0072】一方、第1共通線CM1或いは個別配線W
1,W3,…Wn-1の何れかがバッテリ電圧+B(通常
10V〜15V)や接地電位(GND:0V)に短絡す
ると、ホールド電流回路34aにより電磁ソレノイドL
1,L3,…Ln-1へホールド電流を適切に供給できな
くなり、同様に、第2共通線CM2或いは個別配線W
2,W4,…Wnの何れかがバッテリ電圧+Bや接地電
位に短絡すると、ホールド電流回路34bにより電磁ソ
レノイドL2,L4,…Lnへホールド電流を適切に供
給できなくなるのであるが、このように電磁ソレノイド
Lの電流供給経路に短絡故障が発生した場合にも、コン
デンサC1が昇圧回路32によって十分に充電されなく
なる。よって、このような短絡故障が発生した場合に
も、コンデンサC1の両端電圧VC1は所定値Vth1
(60V)にまで達せずに、コンパレータCOM1,C
OM2からの検出信号SDGは常にロウレベルのままとな
る。
【0073】ここで、このような短絡故障が発生した際
において、第1共通線CM1、或いは、第1共通線CM
1から分岐した個別配線W1,W3,…Wn-1の何れか
が、接地電位に短絡している場合には、電圧監視回路3
8aから出力される信号SK1がロウレベルのままとな
り、同様に、第2共通線CM2、或いは、第2共通線C
M2から分岐した個別配線W2,W4,…Wnの何れか
が、接地電位に短絡している場合には、電圧監視回路3
8bから出力される信号SK2がロウレベルのままとな
る。
【0074】また、両共通線CM1,CM2の内、例え
ば第1共通線CM1の方がバッテリ電圧+Bに短絡して
いる場合には、図5の下から2つ目のラインに示すよう
に、電圧監視回路38aから出力される信号SK1がハイ
レベルのままとなり、同様に、第2共通線CM2の方が
バッテリ電圧+Bに短絡している場合には、電圧監視回
路38bから出力される信号SK2がハイレベルのままと
なる。
【0075】また更に、第1共通線CM1から分岐した
個別配線W1,W3,…Wn-1の何れかがバッテリ電圧
+Bに短絡している場合には、短絡故障した個別配線W
に対応するトランジスタTRへ噴射指令パルスPが出力
されても、電圧監視回路38aから出力される信号SK1
は、レベル変化することなくハイレベルのままとなる。
【0076】例えば、個別配線W1,W3,…Wn-1の
内、第1気筒#1に対応する個別配線W1がバッテリ電
圧+Bに短絡した場合には、図5の最も下のラインに示
すように、マイクロコンピュータ20から噴射指令パル
スP1が出力されても、電圧監視回路38aから出力さ
れる信号SK1は、レベル変化することなくハイレベルの
ままとなる。
【0077】尚、この例の場合、電圧監視回路38aの
出力信号SK1は、図5の最も下のラインに示すように、
マイクロコンピュータ20から噴射指令パルスP3,P
5,…Pn-1の何れかが出力されたときには、正常時よ
りも回数は減少するもののレベル変化する。つまり、個
別配線W1がバッテリ電圧+Bに短絡しても、噴射指令
パルスP3,P5,…Pn-1の何れかが出力されてトラ
ンジスタTR3,TR5,…TRn-1の何れかがオンさ
れた直後は、電磁ソレノイドL1のインダクタンス分に
よって、第1共通線CM1に導通する他の電流経路への
バッテリ電圧+Bによる影響が抑制されるからである。
【0078】そして同様に、第2共通線CM2から分岐
した個別配線W2,W2,…Wnの何れかがバッテリ電
圧+Bに短絡すると、電圧監視回路38bから出力され
る信号SK2は、短絡故障した個別配線Wに対応するトラ
ンジスタTRへ噴射指令パルスPが出力されても、レベ
ル変化することなくハイレベルのままとなり、噴射指令
パルスP2,P4,…Pnの内、短絡故障した個別配線
W以外に対応する噴射指令パルスPが出力されたときに
は、正常時よりも回数は減少するもののレベル変化する
こととなる。
【0079】このように本実施例の燃料噴射制御装置1
0においては、駆動回路30内の昇圧回路32或いは電
磁ソレノイドLの電流供給経路(即ち、各共通線CM
1,CM2及び個別配線W)に何等かの異常が発生する
と、その異常の発生状態(以下、異常モードともいう)
に応じて、コンパレータCOM1,COM2からの検出
信号SDGと電圧監視回路38a,38bの出力信号SK
1,SK2とが、正常時とは異なる変化を示す。
【0080】よって、本実施例の燃料噴射制御装置10
では、マイクロコンピュータ20が、ディーゼルエンジ
ン各気筒#1〜#nへの燃料噴射を制御する際に、コン
パレータCOM1,COM2からの検出信号SDGと電圧
監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2とに基づ
き、異常が発生したか否かを判定し、異常の発生を検出
すると、その異常に応じた処置を行うようにしている。
【0081】そこで以下、マイクロコンピュータ20に
おいて異常検出のために実行される処理について、図7
〜図9に示すフローチャートに沿って説明する。尚、マ
イクロコンピュータ20は、上述したように、検出回路
12及びバッファ14,16からの各種検出信号に基づ
き、電磁ソレノイドLの通電時間及び通電開始タイミン
グを算出し、その算出結果に応じて、駆動回路30へ噴
射指令パルスP及び指令信号SC を出力することによ
り、各気筒#1〜#nへの燃料噴射を制御しており、こ
のような燃料噴射制御のための処理と並行して、図7及
び図8に示す処理を実行している。また、以下の説明に
おいては、ディーゼルエンジンが6気筒(即ちn=6)
であるものとする。
【0082】まず、図7は、電磁ソレノイドLの電流供
給経路が接地電位(GND)に短絡したか否かを検出す
るために実行されるGND短絡検出処理を表すフローチ
ャートである。尚、この処理は、噴射指令パルスPの出
力を停止して昇圧回路32を作動させるべく指令信号S
C をハイレベルで出力した後、図4に示した充電時間T
CHG が経過し且つ次の噴射指令パルスPを出力するまで
の所定タイミング毎に繰り返し実行される。
【0083】図7に示す如く、GND短絡検出処理の実
行が開始されると、まず、ステップ(以下、単にSと記
す)110にて、電圧監視回路38aの出力信号SK1が
ロウレベルであるか否かを判定し、ロウレベルであれ
ば、上述したように第1共通線CM1或いは個別配線W
1,W3,W5の何れかが接地電位に短絡していると判
断して、S120に進む。そして、S120にて、第1
共通線CM1及び個別配線W1,W3,W5からなる電
流経路(以下、第1共通線CM1側の電流経路という)
に接地電位への短絡故障が発生したことを示すダイアグ
コードをバックアップRAM等に記憶すると共に、車両
の運転席に設けられたメータパネル内のウォーニングラ
ンプ(警告ランプ)を点灯させ、続くS130にて、接
地短絡フラグFGS1に、第1共通線CM1側の電流経
路が接地電位に短絡した旨を示す「1」をセットする。
【0084】尚、バックアップRAM等に記憶されたダ
イアグコードは、車両の整備工場等において読み出し可
能になっており、車両の修理を行う作業者は、このダイ
アグコードによって、発生した異常の種別(即ち異常モ
ード)を知ることができる。一方、S110で電圧監視
回路38aの出力信号SK1がロウレベルでないと判定し
た場合、或いはS130の処理を実行した場合には、S
140に移行して、今度は、電圧監視回路38bの出力
信号SK2がロウレベルであるか否かを判定し、ロウレベ
ルであれば、上述したように第2共通線CM2或いは個
別配線W2,W4,W6の何れかが接地電位に短絡して
いると判断して、S150に進む。そして、S150に
て、第2共通線CM2及び個別配線W2,W4,W6か
らなる電流経路(以下、第2共通線CM2側の電流経路
という)に接地電位への短絡故障が発生したことを示す
ダイアグコードをバックアップRAM等に記憶すると共
に、ウォーニングランプを点灯させ、続くS160に
て、接地短絡フラグFGS2に、第2共通線CM2側の
電流経路が接地電位に短絡した旨を示す「1」をセット
する。
【0085】そして、S160の処理を実行した場合、
或いはS140で電圧監視回路38bの出力信号SK2が
ロウレベルでないと判定した場合には、S170に移行
して、接地短絡フラグFGS1,FGS2の内の何れか
が「1」であるか否かを判定し、接地短絡フラグFGS
1,FGS2が両方共に「1」ではない場合には、その
まま当該GND短絡検出処理を終了する。
【0086】一方、S170にて、接地短絡フラグFG
S1,FGS2の内の何れかが「1」であると判定した
場合、即ち、第1共通線CM1側の電流経路或いは第2
共通線CM2側の電流経路が接地電位に短絡した場合に
は、S180に進む。そして、このS180にて、昇圧
回路32の作動を禁止すると共に、両共通線CM1,C
M2の内、接地短絡フラグFGSが「0」である方の正
常な共通線CM側に接続された3(=n/2)個の電磁
ソレノイドLだけに対して、ホールド電流のみによる通
電制御を行うための処理を実行し、その後、当該GND
短絡検出処理を終了する。
【0087】尚、S180で実行される処理は、昇圧回
路32へのハイレベルの指令信号SC と、接地短絡フラ
グFGSが「1」である方の正常でない共通線CM側に
接続された電磁ソレノイドLに対応する噴射指令パルス
Pとを、その後は出力しないように設定し、更に、ディ
ーゼルエンジンの運転状態に基づき算出した電磁ソレノ
イドLの通電時間を所定時間だけ長くなるように補正す
ると共に、同じくディーゼルエンジンの運転状態に基づ
き算出した通電開始タイミングを所定時間だけ早めるよ
うに補正して、正常な共通線CM側に接続された3個の
電磁ソレノイドLに対応する噴射指令パルスPのパルス
幅を正常時よりも大きく設定すると共に、その噴射指令
パルスPの立上りタイミングを進める、といった具合い
に実行される。
【0088】そして、このような処理を行うのは、以下
の理由による。まず、第1共通線CM1側の電流経路及
び第2共通線CM2側の電流経路の内、何れかが接地電
位に短絡すると、上述したように昇圧回路32によって
コンデンサC1を充電することができなくなる。また、
短絡故障が発生した方の共通線CM側に接続された3個
の電磁ソレノイドLへは、ホールド電流回路34によっ
てホールド電流を適切に流すことができなくなる。そこ
で、S180では、昇圧回路32へのハイレベルの指令
信号SC と、正常でない方の共通線CM側に接続された
電磁ソレノイドLに対応する噴射指令パルスPとを、そ
の後は出力しないようにして、昇圧回路32の無意味な
作動を禁止すると共に、正常な方の共通線CM側に接続
された電磁ソレノイドLに対応する3個のインジェクタ
だけにより、ディーゼルエンジンの最低限の運転を行う
ようにしている。
【0089】ところが、この場合、コンデンサC1が充
電されなくなるため、正常な方の共通線CM側に接続さ
れた電磁ソレノイドLへはピーク電流を供給することが
できずに、インジェクタの開弁時間及び燃料噴射量が正
常時よりも少なくなるとか、燃料噴射の開始時期が正常
時よりも遅れてしまうといった問題が発生する。
【0090】そこで更に、S180では、電磁ソレノイ
ドLへのホールド電流の通電時間を長くして、インジェ
クタからの燃料噴射量の低下を防止すると共に、インジ
ェクタの開弁タイミングを早めて、燃料噴射開始時期が
遅れるのを防止するようし、これによって、3個のイン
ジェクタだけによるディーゼルエンジンの安定した運転
を可能にしているのである。
【0091】このように、GND短絡検出処理では、電
圧監視回路38a,38bからの出力信号SK1,SK2に
基づき、スイッチング回路36の全トランジスタTRが
オフされている時の第1共通線CM1及び第2共通線C
M2の電圧が所定値以下であるか否かを判定することに
より、第1共通線CM1側の電流経路(第1共通線CM
1及び個別配線W1,W3,W5からなる電流経路)
と、第2共通線CM2側の電流経路(第2共通線CM2
及び個別配線W2,W4,W6からなる電流経路)とに
関して、夫々、接地電位への短絡が発生したか否かを検
出するようにしている(S110,S140)。そし
て、第1共通線CM1側の電流経路及び第2共通線CM
2側の電流経路の内の何れかに、接地電位への短絡故障
が発生した場合には、正常な方に接続された電磁ソレノ
イドLに対応する3個のインジェクタだけで、ディーゼ
ルエンジンを安定して運転できるようにフェールセーフ
処置を行うようにしている(S180)。尚、本実施例
では、S110及びS140の処理が、接地電位短絡検
出手段に相当している。
【0092】次に、図8は、駆動回路30内の昇圧回路
32が故障したか否かと、電磁ソレノイドLの電流供給
経路がバッテリ電圧+Bに短絡したか否かとを検出する
ために実行される異常検出処理を表すフローチャートで
ある。尚、この異常検出処理は、GND短絡検出処理の
実行によって接地短絡フラグFGS1,FGS2に
「1」がセットされていない場合、即ち、電磁ソレノイ
ドLの電流供給経路に接地電位への短絡故障が発生して
いない場合において、GND短絡検出処理と並行して実
行される。そして、この異常検出処理も、噴射指令パル
スPの出力を停止して昇圧回路32へ指令信号SC をハ
イレベルで出力した後、図4に示した充電時間TCHG が
経過し且つ次の噴射指令パルスPを出力するまでの所定
タイミング毎(例えば、図3,図5,及び図6のタイミ
ングTAに示すように、次の噴射指令パルスPを出力す
る直前毎)に繰り返し実行される。
【0093】図8に示すように、異常検出処理の実行が
開始されると、まずS210にて、コンパレータCOM
1,COM2からの検出信号SDGがロウレベルであるか
否かを判定し、ロウレベルではないと判定すると、スイ
ッチング回路36の全トランジスタTRがオフされてい
る時のコンデンサC1の両端電圧が60V以上で且つ1
30V未満であり、コンデンサC1の充電状態が正常で
あると判断して、S220に進む。
【0094】そして、S220にて、コンデンサC1の
充電状態が異常であると連続して判断した回数(即ちS
210で肯定判定した回数)をカウントするためのカウ
ンタCFLをクリアし、続くS230にて、電圧監視回
路38a,38bからの出力信号SK1,SK2を入力する
入力ポートを汎用ポートに設定する。そして更に、続く
S240にて、各電磁ソレノイドL1〜L6毎に夫々対
応して設けられ、後述するS310以降の処理により各
電磁ソレノイドLに正常にホールド電流を供給できなか
ったと判断した回数をカウントするための異常カウンタ
CBS(CBSm:m=1〜6)を全てクリアし、続く
S250にて、後述するS310以降の処理が実行され
た回数をカウントするためのカウンタC30CYLをク
リアして、その後、当該異常検出処理を終了する。つま
り、S220〜S250では、異常が発生していないと
して、初期設定を行っている。
【0095】一方、S210にて、コンパレータCOM
1,COM2からの検出信号SDGがロウレベルであると
判定した場合には、スイッチング回路36の全トランジ
スタTRがオフされている時のコンデンサC1の両端電
圧が60V未満或いは130V以上であり、コンデンサ
C1の充電状態が正常でない(異常)と判断して、S2
60に進み、上記S220でクリアしておいたカウンタ
CFLを1インクリメントする。そして、続くS270
にて、カウンタCFLの値が30以上であるか否かを判
定し、30以上でなければ、コンデンサC1の充電状態
が異常であると30回連続して判断していないとして、
前述したS230へ移行する。
【0096】これに対して、S270でカウンタCFL
の値が30以上であると判定した場合には、コンデンサ
C1の充電状態が本当に異常であるとして、S280へ
進み、このS280にて、昇圧回路32の作動を禁止す
ると共に、全ての電磁ソレノイドL1〜L6に対しホー
ルド電流のみによる通電制御を行うための処理を実行す
る。
【0097】ここで、S280で実行される処理は、昇
圧回路32へのハイレベルの指令信号SC を、その後は
出力しないように設定し、更に、ディーゼルエンジンの
運転状態に基づき算出した電磁ソレノイドLの通電時間
を所定時間だけ長くなるように補正して、噴射指令パル
スPのパルス幅を正常時よりも大きく設定すると共に、
同じくディーゼルエンジンの運転状態に基づき算出した
通電開始タイミングを、所定時間だけ早めるように補正
して、噴射指令パルスPの立上りタイミングを進める、
といった具合いに実行される。
【0098】そして、このような処理を行うのは、以下
の理由による。まず、コンデンサC1の充電状態に異常
が発生した場合には、前述したように、昇圧回路32が
故障しているか、或いは、両共通線CM1,CM2及び
個別配線Wの何れかがバッテリ電圧+Bや接地電位に短
絡している可能性があるが、何れにしても、各電磁ソレ
ノイドL1〜L6へはピーク電流を適切に供給すること
ができなくなる。そこで、S280では、昇圧回路32
へのハイレベルの指令信号SC を、その後は出力しない
ようにして、昇圧回路32の作動を禁止するようにして
いる。
【0099】ところが、この場合には、コンデンサC1
を充電することができずに、電磁ソレノイドLへはホー
ルド電流回路34a,34bだけでしか電流を供給でき
ないため、インジェクタの開弁時間及び燃料噴射量が少
なくなるとか、燃料噴射の開始時期が遅れるといった問
題が発生する。そこで更に、S280では、上述したS
180の場合と同様に、電磁ソレノイドLへのホールド
電流の通電時間を長くして、インジェクタからの燃料噴
射量の低下を防止すると共に、インジェクタの開弁タイ
ミングを早めて、燃料噴射開始時期が遅れるのを防止す
るようにし、これによって、電磁ソレノイドLへピーク
電流を供給できなくても、ディーゼルエンジンを安定し
て運転できるようにしているのである。
【0100】このようなS280の処理を行った後、続
くS290では、電圧監視回路38a,38bからの出
力信号SK1,SK2を夫々入力する2つの入力ポートを、
汎用ポートから前述したイベントカウンタポートに切り
換える。すると、その後は、前述したように、何れかの
噴射指令パルスPが出力されている期間中において電圧
監視回路38a,38bからの出力信号SK1,SK2がハ
イレベルからロウレベルへレベル変化する(立ち下が
る)度に、対応する方のイベントカウンタが自動的にイ
ンクリメントされるようになる。
【0101】そして、続くS300にて、S270で最
初に肯定判定されてから2回目以降の処理実行であるか
否かを示すフラグFAが、「1」であるか否かを判定
し、「1」でなければ、コンデンサC1の充電状態が異
常であると最初に判断した直後の処理実行であるとし
て、S305に進み、次回の処理実行に備えて上記フラ
グFAに「1」をセットした後、そのまま前述したS2
40移行する。
【0102】一方、S300でフラグFAが「1」であ
ると判定した場合、即ち、S270でコンデンサC1の
充電状態が異常であると最初に判断してから2回目以降
の処理実行であり、前回の処理実行から今回の処理実行
までの間に何れかの噴射指令パルスPが出力されている
場合には、S310に移行して、上記S250でクリア
しておいたカウンタC30CYLを1インクリメント
し、更に続くS320にて、上記イベントカウンタの値
CIVTが、所定数M以上であるか否かを判定する。
【0103】尚、S320の判定で用いるイベントカウ
ンタの値CIVTとしては、本異常検出処理の今回の実
行直前に出力された噴射指令パルスPが第1共通線CM
1側の電磁ソレノイドLに対応するP1,P3,P5で
あれば、電圧監視回路38aの出力信号SK1に対応する
方を用い、逆に、本異常検出処理の今回の実行直前に出
力した噴射指令パルスPが第2共通線CM2側の電磁ソ
レノイドLに対応するP2,P4,P6であれば、電圧
監視回路38bの出力信号SK2に対応する方を用いてい
る。また、大小比較に用いる上記所定値Mは、図5の最
も下のラインに示した如く、何れかの個別配線Wがバッ
テリ電圧+Bに短絡している状況下において、短絡故障
した個別配線W以外に対応する噴射指令パルスPが出力
されたときに、電圧監視回路38の出力信号SK に発生
する立ち下がりエッジの回数よりも、小さい値に設定さ
れている。そして、これにより、各個別配線W毎につい
て確実に異常を検出できるようにしている。
【0104】このようなS320にて、イベントカウン
タの値CIVTが所定数M以上であると判定した場合に
は、S330に進んで、今回燃料噴射を行った気筒#m
(mは1〜6の何れか)、即ち本異常検出処理の今回の
実行直前に出力された噴射指令パルスPに対応する気筒
#mを判別する。そして、続くS340にて、S330
で判別した気筒#mの電磁ソレノイドLに対応する個別
配線Wには、異常は発生しておらず、その電磁ソレノイ
ドLにホールド電流回路34a,34bの何れかによっ
て正常にホールド電流を供給できたものと判断し、S3
30で判別した気筒#mの電磁ソレノイドLに対応する
異常カウンタCBSmをクリアする。
【0105】これに対し、S320にて、イベントカウ
ンタの値CIVTが所定数M以上でないと判定した場合
には、S350に移行して、S330の場合と同様に今
回燃料噴射を行った気筒#mを判別するのであるが、続
くS360では、S350で判別した気筒#mの電磁ソ
レノイドLに対応する個別配線Wに、バッテリ電圧+B
への短絡故障が発生して、その電磁ソレノイドLにホー
ルド電流回路34a,34bの何れかによって正常にホ
ールド電流を供給できなかったものと判断し、S350
で判別した気筒#mの電磁ソレノイドLに対応する異常
カウンタCBSmを1インクリメントする。
【0106】そして、S340又はS360の処理を実
行した後、S370に移行して、S310で1インクリ
メントしたカウンタC30CYLの値が、30以上であ
るか否かを判定し、30以上でなければ、S310以降
の処理が未だ30回実行されていないとして、S380
に進み、イベントカウンタの値CIVTをクリアした
後、当該異常検出処理を終了する。
【0107】一方、S370でカウンタC30CYLの
値が30以上であると判定した場合には、6個の電磁ソ
レノイドL1〜L6の夫々について5回ずつS320の
判定を実行できたことから、S400に移行して、発生
した異常モードを識別するための異常モード判定処理を
実行し、その後、当該異常検出処理を終了する。
【0108】ここで、異常モード判定処理は、図9に示
す如く実行される。即ち、この異常モード判定処理の実
行が開始されると、まず、S410にて、各電磁ソレノ
イドL1〜L6に対応した異常カウンタCBS1〜CB
S6の値を夫々チェックする。
【0109】そして、続くS420にて、各異常カウン
タCBS1〜CBS6の値が全て5未満であるか否かを
判定し、全て5未満であれば、電磁ソレノイドL1〜L
6の電流供給経路(両共通線CM1,CM2及び個別配
線W1〜W6)は正常であると判断して、S430に進
む。そして、このS430にて、電磁ソレノイドL1〜
L6の電流供給経路が正常であるにも関わらず、コンデ
ンサC1の充電状態が異常であったことから、昇圧回路
32が故障したものと判定し、続くS440にて、昇圧
回路32が故障したことを示すダイアグコードをバック
アップRAM等に記憶すると共に、ウォーニングランプ
を点灯させ、その後、当該異常モード判定処理を終了す
る。よって、この場合には、上述したS280の処理に
より、全ての電磁ソレノイドL1〜L6を制御対象とし
て、通電時間及び通電開始タイミングを補正したホール
ド電流のみによる通電制御が継続して行われることとな
る。
【0110】一方、S420で否定判定した場合、即
ち、異常カウンタCBS1〜CBS6の中で、値が5以
上であるものがあった場合には、S450に移行して、
第1共通線CM1側の電磁ソレノイドL1,L3,L5
に夫々対応する3つの異常カウンタCBS1,CBS
3,CBS5だけが5以上であるか否かを判定する。そ
して、異常カウンタCBS1,CBS3,CBS5だけ
が5以上であった場合には、続く460にて、個別配線
W1,W3,W5に同時に異常が生じていることから、
第1共通線CM1がバッテリ電圧+Bに短絡したものと
判定し、更に続くS470にて、第1共通線CM1がバ
ッテリ電圧+Bに短絡したことを示すダイアグコードを
バックアップRAM等に記憶すると共に、ウォーニング
ランプを点灯させる。
【0111】また、S450で否定判定した場合には、
S480に移行して、今度は、第2共通線CM2側の電
磁ソレノイドL2,L4,L6に夫々対応する3つの異
常カウンタCBS2,CBS4,CBS6だけが5以上
であるか否かを判定する。そして、異常カウンタCBS
2,CBS4,CBS6だけが5以上であった場合に
は、続く490にて、個別配線W2,W4,W6に同時
に異常が生じていることから、第2共通線CM2がバッ
テリ電圧+Bに短絡したものと判定し、更に続くS50
0にて、第2共通線CM2がバッテリ電圧+Bに短絡し
たことを示すダイアグコードをバックアップRAM等に
記憶すると共に、ウォーニングランプを点灯させる。
【0112】一方更に、S480で否定判定した場合に
は、S510に移行して、共通線CM1,CM2がバッ
テリ電圧+Bに短絡したのではなく、値が5以上である
異常カウンタCBSmに対応する電磁ソレノイドLの個
別配線Wが、夫々バッテリ電圧+Bに短絡したものと判
定し、続くS520にて、値が5以上である異常カウン
タCBSmに対応した個別配線Wがバッテリ電圧+Bに
短絡したことを示すダイアグコードをバックアップRA
M等に記憶すると共に、ウォーニングランプを点灯させ
る。
【0113】そして、S470,S500,及びS52
0の内の何れかが実行された場合には、夫々、S530
に移行して、第1共通線CM1側の電流経路及び第2共
通線CM2側の電流経路の内、バッテリ電圧+Bへの短
絡故障が発生した側の共通線CMに接続された電磁ソレ
ノイドLに対応する噴射指令パルスPを、その後は出力
しないように設定して、その電磁ソレノイドLの駆動を
禁止する。そして、その後、当該異常モード判定処理を
終了する。
【0114】よって、S530の処理が実行された場合
には、図7に示したGND短絡検出処理のS180が実
行された場合と同様に、バッテリ電圧+Bへの短絡故障
が発生していない正常な共通線CM側の3個の電磁ソレ
ノイドLだけを制御対象として、通電時間及び通電開始
タイミングを補正したホールド電流のみによる通電制御
が行われ、これにより、正常な方の3個のインジェクタ
だけで、ディーゼルエンジンの安定した運転が実現され
る。尚、本実施例においては、コンパレータCOM1,
COM2、及び異常検出処理(図8)のS210の処理
が、第1の異常検出手段に相当し、異常検出処理のS2
90〜S380の処理が、第2の異常検出手段に相当
し、異常モード判定処理(図9)のS410〜S520
の処理が、異常モード判定手段に相当している。そし
て、異常検出処理のS280の処理が、異常対処手段に
相当し、異常モード判定処理のS530の処理が、第2
の異常対処手段に相当している。
【0115】以上のように、本実施例の異常検出処理で
は、GND短絡検出処理の実行によって電磁ソレノイド
Lの電流供給経路が接地電位に短絡していないことを確
認している状況下において、噴射指令パルスPを出力す
る直前毎に、コンパレータCOM1,COM2の検出信
号SDGに基づき、コンデンサC1の両端電圧が60V以
上且つ130V未満の正常範囲内にあるか否かを判定し
(S210)、コンデンサC1の両端電圧が上記範囲内
にないことを30回連続して判定すると(S270:Y
ES)、コンデンサC1の充電状態が異常であると判断
するようにしている。
【0116】そして、コンデンサC1の充電状態が異常
であると判断すると、電圧監視回路38a,38bの出
力信号SK1,SK2を入力する入力ポートを、汎用ポート
からイベントカウンタポートに切り換えて(S29
0)、各噴射指令パルスPの出力期間中にホールド電流
回路34a,34bが作動することに伴い発生する電圧
監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2のレベル
変化を、各電磁ソレノイドL毎について、イベントカウ
ンタによりカウントするようにし、そのカウント値CI
VTが所定値M以上でなければ(S320:NO)、今
回燃料噴射を行った気筒に対応する電磁ソレノイドLに
ホールド電流回路34a,34bによって正常にホール
ド電流を供給できなかったと判定するようにしている
(S360)。
【0117】そして更に、上記のような判定を、全ての
電磁ソレノイドLについて夫々5回ずつ行った後(S3
70:YES)、全ての電磁ソレノイドLへのホールド
電流の供給状態が正常であった場合には(S420:Y
ES)、電磁ソレノイドLの電流供給経路(両共通線C
M1,CM2及び個別配線W)は正常であり、コンデン
サC1の充電状態だけが異常であったことから、昇圧回
路32自身が故障したものと判定し(S430)、また
逆に、ホールド電流回路34a,34bによるホールド
電流の供給状態が正常でない電磁ソレノイドLがあった
場合には(S420:NO)、その電磁ソレノイドLへ
の電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したと判定す
るようにしている(S460,S490,S510)。
【0118】つまり、昇圧回路32が故障すると、全ト
ランジスタTRのオフ時におけるコンデンサC1の充電
状態は異常となるが、電磁ソレノイドLの電流供給経路
がバッテリ電圧+Bに短絡した場合にも、コンデンサC
1の両端電圧はバッテリ電圧+B以上には上昇せずに、
コンデンサC1の充電状態は異常となる。
【0119】そこで、本実施例では、昇圧回路32に関
する異常判定と、電磁ソレノイドLの電流供給経路に関
する異常判定とを、夫々独立して行うのではなく、通常
は、コンデンサC1の両端電圧に基づきコンデンサC1
の充電状態が正常であるか否かを判定し、コンデンサC
1の充電状態が正常でないと判定した場合にだけ、電圧
監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2に生じる
レベル変化の回数に基づき、電磁ソレノイドLへのホー
ルド電流回路34a,34bによるホールド電流の供給
状態が正常であるか否かを判定し、ホールド電流の供給
状態が正常である場合には、昇圧回路32の方が故障し
たと判定し、逆に、ホールド電流の供給状態が正常でな
い場合には、電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡し
たと判定するようにしている。
【0120】従って、本実施例の燃料噴射制御装置10
によれば、昇圧回路32が故障したことと、電磁ソレノ
イドLの電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したこ
ととを、極めて効率良く検出することができる。また、
本実施例では、各噴射指令パルスPの出力期間中にホー
ルド電流回路34a,34bが作動することに伴い発生
する電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2
のレベル変化を、イベントカウンタによりカウントし、
そのカウント値に基づき、電磁ソレノイドLへのホール
ド電流の供給状態が正常であるか否かを判定するように
している。
【0121】従って、本実施例の燃料噴射制御装置10
によれば、電磁ソレノイドLへのホールド電流の供給状
態が正常であるか否か、即ち電磁ソレノイドLの電流供
給経路が正常であるか否かを、より正確に検出すること
ができる。即ち、図10に示した従来装置のように、電
磁ソレノイドLに実際に流れる電流を検出して異常の有
無を判定するようにした場合には、電磁ソレノイドLの
特性バラツキや経時変化、電流を検出するための検出用
抵抗器Rのバラツキ、或いは更に、電源電圧(バッテリ
電圧+B)のバラツキ等によって、バッテリ電圧+Bへ
の短絡を正確に検出することは難しい。これに対して、
本実施例によれば、電磁ソレノイドLの電流供給経路が
バッテリ電圧+Bに短絡したことを、電磁ソレノイドL
の特性等に全く影響されずに、極めて正確に検出するこ
とができるのである。
【0122】また更に、本実施例の燃料噴射制御装置1
0においては、異常検出処理にてコンデンサC1の充電
状態が異常であると判定するまでは、電圧監視回路38
a,38bの出力信号SK1,SK2を入力する入力ポート
を汎用ポートに設定して、図7のGND短絡検出処理を
実行することにより、電圧監視回路38a,38bから
の出力信号SK1,SK2に基づき、電磁ソレノイドLの電
流供給経路が接地電位へ短絡したか否かを検出するよう
にしている(S110,S140)。よって、異常検出
処理のS320でイベントカウンタのカウント値CIV
Tが所定値M以上でないと判定した場合に、電磁ソレノ
イドLの電流供給経路が、接地電位ではなく、バッテリ
電圧+Bに短絡したということを特定することができ
る。
【0123】尚、本実施例では、図7のGND短絡検出
処理と、図8の異常検出処理とを並行して行うようにし
たが、異常検出処理のS270で肯定判定した場合、即
ちコンデンサC1の充電状態が正常でないと判定した場
合に、図7の処理と、図8のS280以降の処理とを、
交互に行うようにしてもよい。
【0124】しかも、本実施例の燃料噴射制御装置10
によれば、コンデンサC1の両端電圧を検出するための
コンパレータCOM1,COM2と、両共通線CM1,
CM2の電圧を検出するための電圧監視回路38a,3
8bとを設けるだけで、昇圧回路32が故障したこと、
電流供給経路が接地電位に短絡したこと、及び、電流供
給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したことの、3つの異
常モードを夫々区別して検出することができ、装置構成
を小型化することができる。尚、昇圧回路32が上限電
圧以上の電圧でコンデンサC1を充電してしまうような
異常を検出する必要が無い場合には、コンパレータCO
M2を省略することができる。
【0125】一方更に、本実施例の燃料噴射制御装置1
0では、異常検出処理にて、コンデンサC1の充電状態
が正常でないと判定すると、S280の処理実行によ
り、昇圧回路32の作動を禁止すると共に、電磁ソレノ
イドLの通電時間を所定時間だけ長くなるように補正し
て、噴射指令パルスPのパルス幅を正常時よりも大きく
設定すると共に、電磁ソレノイドLの通電開始タイミン
グを、所定時間だけ早めるように補正して、噴射指令パ
ルスPの立上りタイミングを進めるようにしている。
【0126】従って、本実施例の燃料噴射制御装置10
によれば、昇圧回路32が故障して、電磁ソレノイドL
へコンデンサC1によるピーク電流を供給できなくなっ
た場合でも、燃料噴射量が低下することと、燃料噴射開
始時期が遅れることとを防止して、ディーゼルエンジン
の運転状態を正常時に近い状態に維持することができ
る。
【0127】また、本実施例の燃料噴射制御装置10で
は、コンデンサC1の充電状態が正常でないと判定した
場合に、各電磁ソレノイドL毎について、ホールド電流
回路34a,34bによる電磁ソレノイドLへのホール
ド電流の供給状態が正常であるか否かを判定すると共
に、ホールド電流の供給状態が正常でない電磁ソレノイ
ドLの個別配線Wが、バッテリ電圧+Bに短絡したと判
定するようにしている。そして更に、バッテリ電圧+B
に短絡したと判定した個別配線Wの分岐元である共通線
CMを介して電流が供給される全ての電磁ソレノイドL
に対する駆動を禁止して(S530)、その後は、バッ
テリ電圧+Bへの短絡故障が発生していない正常な共通
線CM側の3個の電磁ソレノイドLだけを、S280の
実行による補正後の通電時間及び通電開始タイミングに
基づき駆動するようにして、ディーゼルエンジンへの燃
料噴射を継続するようにしている。
【0128】よって、本実施例の燃料噴射制御装置10
によれば、個別配線Wの何れかがバッテリ電圧+Bに短
絡して、その個別配線Wの分岐元である共通線CMに接
続された電磁ソレノイドLへ、ホールド電流回路34に
よりホールド電流を供給できなくなった場合、或いは、
何れかの共通線CM自身がバッテリ電圧+Bに短絡し
て、その共通線CMに接続された電磁ソレノイドLへ、
ホールド電流回路34によりホールド電流を供給できな
くなった場合でも、他方の共通線CM側に接続された電
磁ソレノイドLに対して、補正後の通電時間及び通電開
始タイミングに基づく駆動制御(ホールド電流のみによ
る通電制御)を行うことができ、これにより、ディーゼ
ルエンジンの運転を正常時に近い状態で継続させること
ができるようになる。
【0129】また更に、本実施例の燃料噴射制御装置1
0では、何れかの共通線CMに接続された全ての電磁ソ
レノイドLに対応する個別配線Wにバッテリ電圧+Bへ
の短絡故障が発生したと判定すると(S450:YE
S,S480:YES)、その電磁ソレノイドLが接続
された共通線CM自体に短絡故障が発生したと判定する
ようにしている(S460,S490)。よって、本実
施例の燃料噴射制御装置10によれば、個別配線Wが短
絡故障したことと、共通線CMが短絡故障したことと
を、夫々区別して検出することができる。
【0130】尚、本実施例では、コンデンサC1の両端
電圧が正常範囲内にないことを30回連続して判定した
場合に、コンデンサC1の充電状態が異常であると判断
するようにしたが、連続して判定する回数は適宜設定す
ることができる。また同様に、本実施例では、各電磁ソ
レノイドLの夫々についてS320の判定を5回ずつ実
行するようにしたが、この回数も適宜設定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の燃料噴射制御装置全体の構成を表わ
す構成図である。
【図2】 図1のホールド電流回路及び電圧監視回路の
構成を表わす構成図である。
【図3】 実施例の燃料噴射制御装置における噴射指令
パルスの出力状態を説明する説明図である。
【図4】 実施例の燃料噴射制御装置の動作を説明する
説明図である。
【図5】 電磁ソレノイドの電流供給経路に短絡故障が
発生した場合の動作を説明する説明図である。
【図6】 燃料噴射制御装置内の昇圧回路に異常が発生
した場合の動作を説明する説明図である。
【図7】 実施例のマイクロコンピュータが実行するG
ND短絡検出処理を表すフローチャートである。
【図8】 実施例のマイクロコンピュータが実行する異
常検出処理を表わすフローチャートである。
【図9】 図8の異常検出処理中で実行される異常モー
ド判定処理を表わすフローチャートである。
【図10】 従来の燃料噴射制御装置の構成を表わす概
略構成図である。
【図11】 従来の燃料噴射制御装置の動作を説明する
説明図である。
【符号の説明】
10…燃料噴射制御装置 20…マイクロコンピュー
タ 30…駆動回路 32…昇圧回路 C1…コンデンサ 34a,34
b…ホールド電流回路 36…スイッチング回路 TR1〜TRn…トランジ
スタ COM1,COM2…コンパレータ 38a,38b
…電圧監視回路 40…スイッチング素子 42…定電流制御回路 L1〜Ln…電磁ソレノイド CM1…第1共通線
CM2…第2共通線 W1〜Wn…個別配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/40 9523−3G F02D 41/40 C F02M 51/00 F02M 51/00 Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁ソレノイドを有し、該電磁ソレノイ
    ドが通電されることにより開弁する電磁弁と、 前記電磁ソレノイドの電流供給経路に直列に設けられた
    スイッチング素子と、 該スイッチング素子を駆動制御して前記電磁弁を開閉さ
    せる制御手段と、 前記電磁ソレノイドの電流供給経路に並列に設けられた
    コンデンサと、 前記スイッチング素子のオフ時に前記コンデンサを所定
    の高電圧で充電することにより、前記スイッチング素子
    がオンされた時に前記コンデンサから前記電磁ソレノイ
    ドへピーク電流を供給させて前記電磁弁を速やかに開弁
    させるピーク電流供給手段と、 前記電流供給経路の前記電磁ソレノイド及び前記スイッ
    チング素子よりも上流側に接続され、前記コンデンサに
    よって前記電磁ソレノイドにピーク電流が供給された
    後、前記電磁ソレノイドに前記ピーク電流より小さい一
    定電流を流して前記電磁弁の開弁状態を保持する定電流
    供給手段と、 を備えた電磁弁駆動装置において、 前記スイッチング素子のオフ時に前記コンデンサの両端
    電圧を検出し、当該検出結果に基づき前記コンデンサの
    充電状態が正常であるか否かを判定する第1の異常検出
    手段と、 該第1の異常検出手段により前記コンデンサの充電状態
    が正常でないと判定された場合に、前記定電流供給手段
    による前記電磁ソレノイドへの定電流供給状態を検出
    し、当該検出結果に基づき前記電磁ソレノイドへの定電
    流供給状態が正常であるか否かを判定する第2の異常検
    出手段と、 該第2の異常検出手段により前記定電流供給状態が正常
    であると判定された場合には、前記ピーク電流供給手段
    が故障したと判定し、前記第2の異常検出手段により前
    記定電流供給状態が正常でないと判定された場合には、
    前記電流供給経路が前記所定の高電圧よりも低い電圧レ
    ベルに短絡したと判定する異常モード判定手段と、 を備えたことを特徴とする電磁弁駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電磁弁駆動装置におい
    て、 前記定電流供給手段は、 所定の電源から前記電流供給経路へ至る電流経路に直列
    に設けられた電流供給用スイッチング手段と、 前記電流供給経路に前記一定電流が流れるように、前記
    電流供給用スイッチング手段をオン/オフさせる定電流
    制御手段とを備え、 前記第2の異常検出手段は、 前記電流供給経路の前記電磁ソレノイド及び前記スイッ
    チング素子よりも上流側の電圧を検出する経路電圧検出
    手段と、 前記スイッチング素子のオン時に、前記電流供給用スイ
    ッチング手段のオン/オフに伴い発生する前記電流供給
    経路のレベル変化を前記経路電圧検出手段によって検出
    し、当該検出したレベル変化の回数を計数する計数手段
    とを備え、 更に、前記第2の異常検出手段は、前記計数手段の計数
    結果に基づき、前記電磁ソレノイドへの定電流供給状態
    が正常であるか否かを判定すること、 を特徴とする電磁弁駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電磁弁駆動装置におい
    て、 前記スイッチング素子のオフ時に、前記電流供給経路の
    電圧を前記経路電圧検出手段によって検出し、当該検出
    値が所定値以下である場合に、前記電流供給経路が接地
    電位に短絡したと判定する接地電位短絡検出手段を備え
    たこと、 を特徴とする電磁弁駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の電磁弁駆動装置において、 前記電磁弁を複数備えると共に、該各電磁弁は、内燃機
    関の各気筒に夫々設けられて開弁時に前記各気筒へ燃料
    を噴射供給する燃料噴射弁として構成され、 前記各燃料噴射弁の電磁ソレノイドの電流供給経路は、
    前記コンデンサ及び前記定電流供給手段に接続された所
    定の共通線と、該共通線から前記各電磁ソレノイド毎に
    夫々対応して分岐した個別配線とからなると共に、前記
    各個別配線に夫々直列に前記スイッチング素子が設けら
    れ、 更に、前記制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じ
    て前記各電磁ソレノイドの通電時間及び通電開始時期を
    算出し、該算出結果に応じて前記各スイッチング素子を
    択一的に順次駆動することにより、前記内燃機関への燃
    料噴射を制御するように構成されており、 前記第1の異常検出手段により前記コンデンサの充電状
    態が正常でないと判定されると、前記ピーク電流供給手
    段の作動を禁止すると共に、前記制御手段にて算出され
    た前記電磁ソレノイドの通電時間を所定時間増加させる
    異常対処手段を備えたこと、 を特徴とする電磁弁駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電磁弁駆動装置におい
    て、 前記異常対処手段は、前記通電時間を所定時間増加させ
    ることに加えて、前記制御手段にて算出された前記電磁
    ソレノイドの通電開始時期を所定時間早い時期に補正す
    ること、 を特徴とする電磁弁駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の電磁弁駆
    動装置において、 前記複数の燃料噴射弁は、前記内燃機関の運転が可能な
    複数のグループに予め分けられていると共に、前記共通
    線及び前記定電流供給手段は、前記各グループ毎に夫々
    対応して複数設けられており、 前記第2の異常検出手段は、前記各燃料噴射弁の電磁ソ
    レノイド毎について、前記定電流供給手段による定電流
    供給状態が正常であるか否かを判定すると共に、 前記異常モード判定手段は、前記第2の異常検出手段に
    より前記定電流供給状態が正常でないと判定された電磁
    ソレノイドの個別配線が前記所定の高電圧よりも低い電
    圧レベルに短絡したと判定し、 更に、前記異常モード判定手段により短絡故障が発生し
    たと判定された個別配線の分岐元である共通線を介して
    電流が供給される全ての電磁ソレノイドに対応した前記
    スイッチング素子の駆動を禁止する第2の異常対処手段
    を備えたこと、 を特徴とする電磁弁駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電磁弁駆動装置におい
    て、 前記異常モード判定手段は、前記複数のグループの内の
    何れかに所属する全ての燃料噴射弁に対応する前記個別
    配線に短絡故障が発生したと判定すると、当該グループ
    に対応する前記共通線に短絡故障が発生したと判定する
    こと、 を特徴とする電磁弁駆動装置。
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