JPH09151704A - 軸流回転機械 - Google Patents

軸流回転機械

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JPH09151704A
JPH09151704A JP31270295A JP31270295A JPH09151704A JP H09151704 A JPH09151704 A JP H09151704A JP 31270295 A JP31270295 A JP 31270295A JP 31270295 A JP31270295 A JP 31270295A JP H09151704 A JPH09151704 A JP H09151704A
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JP
Japan
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nozzle
blade
wall
turbine
trailing edge
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Application number
JP31270295A
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English (en)
Inventor
Sakae Kawasaki
榮 川崎
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノズル内における二次流れ損失を低減できると
ともに、ノズルおよび動翼間に発生する損失を軽減でき
る軸流回転機械を提供する。 【解決手段】タービンノズル3を子午面から観察される
ノズル後縁線13が、翼中央部から内壁16および外壁
17へ向かって漸次上流側に位置するように湾曲形状と
し、さらに、内壁16面および外壁17面近傍から壁面
に至るまでは漸次下流側へ位置するように湾曲形状とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気タービン及びガ
スタービン等の軸流回転機械に係り、特にタービンノズ
ルの環状流路の周壁面に発生する二次流れ損失および動
翼との間で発生する損失の低減により性能向上を図った
軸流回転機械に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービンやガスタービン等の軸流回
転機械の性能向上の達成は、省エネルギーおよび環境問
題上において重要な課題となっており、これまで多くの
性能向上技術が採用されている。種々の性能向上技術の
うち内部効率を向上させる技術は、どのようなサイクル
に対しても、またどのような流体条件のタービンに対し
ても有効であるため、その適用範囲は広い。
【0003】ところで、タービン内部効率を向上させる
ための手段として、タービン翼列内に発生する二次流れ
を抑制することが上げられる。翼列内に発生する二次流
れは、タービンノズルおよび動翼に共通して存在し、二
次流れの発生により生ずる流動損失を抑制することによ
り、タービン性能を向上させることが可能である。
【0004】さらに、タービンノズルおよび動翼間で発
生する作動流体の混合による摩擦損失および作動流体
が、動翼に流入する際に発生する非定常損失を低減する
ことにより、大幅にタービン性能を向上させることが可
能である。
【0005】一般的な軸流タービンの構成を図7および
図8に示す。図7に示すように、ノズルダイアフラム外
輪1とノズルダイアフラム内輪2とに固設された複数枚
のタービンノズル(以下、単にノズルとも称する)3
と、回転軸4に固設された複数枚の動翼5とにより段落
が形成される。この段落を軸方向に1段落または複数段
落組み合わせることにより、軸流タービンが構成され
る。
【0006】図8は図7のA−A矢視断面図である。こ
の図8に示すように、複数枚のノズル3と動翼5とは、
互いの間に有限な軸間距離Axを保って配設され、ノズ
ル3は静止し、動翼5は図中に示す矢印方向に回転する
構成となっている。
【0007】このように構成された比較的翼高さの低い
段落内で発生する損失は、上述したノズル3および動翼
5の列にて発生する二次流れ損失、及びノズル3と動翼
5との間で発生する混合損失および非定常損失が大部分
を占めている。
【0008】図9は、翼列内における二次流れの発生機
構を説明するためのものである。隣接し合うノズル3
a,3b間の翼間流路を作動流体が流れるとき、側壁6
の近傍において流入する低エネルギ流体である入口境界
層7a,7bは、ノズル3a,3bの前縁に衝突して背
側馬蹄形渦8a,8bと腹側馬蹄形渦9a,9bとに分
れる。
【0009】背側馬蹄形渦8a,8bは、ノズル背側1
0と側壁6の境界層の発達により次第に成長しながら、
下流側へ流出してゆく。一方、腹側馬蹄形渦9a,9b
は、腹側11と背側10の圧力差により、腹側11から
背側12に向かう流路渦12へと成長する。これらの背
側馬蹄形渦8a,8bと流路渦12とは二次流れ渦と称
され、これらの渦を形成するために作動流体の持つエネ
ルギは散逸され、タービン性能の低下を招いている。
【0010】さらに、図10および図11を参照して、
ノズル3と動翼5との間で発生する損失を説明する。す
なわち、図10に示すように、ノズル3から流出した作
動流体は、有限の厚みをもつノズル後縁部13で速度の
遅い低エネルギ流体となる。この低エネルギ流体部分は
通常ウエーク部14と呼ばれている。このウエーク部1
4は作動流体が下流側に流れるに従い、速度の高い作動
流体と混合し速度欠損のない均一な流れとなって行く。
【0011】速度の高い作動流体と低い作動流体とが混
合し、均一な流れになる過程において、作動流体間では
混合摩擦損失ζmが発生し、流体の保有するエネルギは
低下することとなる。加えて、このウエーク部14は動
翼5に流入する際に非定常損失を生じる原因となる。
【0012】図11に示すように、動翼5はノズル3か
ら流出した作動流体内を横切る形で回転しているため、
速度の遅いウエーク部14と速度の速い主流部15とが
交互に動翼5内に流入することになる。これは、動翼5
に作動流体が流入する相対角度βが、時間とともに変化
することを意味している。
【0013】一般的に動翼5の入口角度γは、作動流体
速度が高く大部分を占める主流部15に合わせて設計さ
れているため、動翼5がウエーク部14を通過する時点
では、作動流体の相対流入角βと動翼入口角γとは大き
く相違し、非定常損失ζsを生じる結果となる。作動流
体のウエーク部14に起因する混合摩擦損失ζmと非定
常損失ζsとは、互いに作動流体の移動距離と密接な関
係があり、混合摩擦損失ζmと非定常損失ζsとの和ζ
smが最小となる最適な作動流体の移動距離が存在す
る。
【0014】図12は、作動流体の移動距離と各損失と
の関係を示している。この図12では縦軸に損失を示
し、横軸に作動流体の移動距離を示している。混合摩擦
損失ζmは作動流体の移動距離に比例して増加し、移動
距離が長くなるに従ってその損失量が飽和する。また、
非定常損失ζsは、作動流体が移動するに従いウエーク
部10が緩和されるため減少していく。
【0015】ノズル3および動翼間に発生する損失ζs
mは、混合摩擦損失ζmと非定常損失ζsとの和である
ため、損失が最小となる最適な移動距離loptが存在
することとなる。この最適な作動流体の移動距離を確保
するために必要な、ノズル3と動翼5との軸間距離Ax
は、ノズル出口における作動流体の流出角αと移動距離
loptとにより決定され、作動流体の流出角αをパラ
メータとして最適軸間距離Axoptが変化する。
【0016】図13は、作動流体流出角αをパラメータ
とした最適軸間距離Axoptの変化を示している。こ
の図13では縦軸に損失を示し、横軸にノズルおよび動
翼軸間距離Axを示している。この図13に示すよう
に、流出角αが増大するに従い、混合摩擦損失ζmが軸
間距離Axに対して緩やかに増加し、流出角αが減少す
るに従い、混合摩擦損失ζmが軸間距離Axに対して急
激に増加する。そのため、ノズルおよび動翼間の損失が
最小となる最適軸間距離Axoptは、作動流体流出角
αが大きくなるに従って同様に大きくなる。
【0017】また、二次流れ損失低減を目的とした従来
技術として、特開平1−106903号に記載のタービ
ンノズルが知られている。この従来例の構成を図14を
用いて説明する。このノズル3は、軸方向から見て後縁
13が円周方向へ湾曲する形状を有しており、ノズル腹
面11が内壁16側および外壁17側へ傾いている。
【0018】図15は、上述したノズル翼断面の積み重
ね図を示している。ノズル腹面11を内壁16、外壁1
7側へ傾けるよう翼断面を形成すると、内壁16部、外
壁17部にて形成される翼間の最小長さ部(スロート部
RR,STT)は、翼中央部に形成されるスロート部SP
よりも上流側にて形成される。
【0019】このように形成されたスロート部を翼高さ
方向に積み重ねて形成されるスロート面18は、図16
に示すように、内壁16部では内壁16側へ向き、外壁
17部では外壁17側へ向くよう形成されることにな
る。このように形成されたスロート面18を通過する作
動流体は、スロート面18に対して垂直に流出しようと
するため、作動流体は内壁16および外壁17側へ押圧
され、二次流れ渦を抑制することができる。しかしなが
ら、さらにタービンの性能向上を達成するには、ノズル
および動翼間に発生する損失を減少させる事が必要であ
る。
【0020】また、図17は、特開平5−222901
号記載のタービンノズルを示している。この従来例は翼
中央部翼弦長を最大とし、中央部から翼先端及び根元に
向かって漸次縮小したものである。この構造のノズルに
おいても、内壁16および外壁17近傍におけるノズル
3と動翼5との間に発生する損失を軽減することはでき
ない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】図14に示す構成を有
するノズルの特性として、ノズル出口における作動流体
の流出角の変化がある。ASME論文集(Design, Repa
ir, and Refurbishmentof Steam Tubine PWR-Vol,13 19
91 刊行)に記載の論文名「The Effect ofNozzle Lean
on Turbine Efficiency 」内に示されている翼高さ比と
作動流体流出角との関係(実験結果)を図18に示して
いる。
【0022】これによれば、ノズル後縁形状を湾曲する
ことによりノズルの幾何学的流出角に対し、作動流体流
出角αは翼高さ方向にU字型の分布を有する。翼中央部
において、流体流出角αは幾何学的流出角よりも小さ
く、内壁および外壁近傍では大きくなっている。あわせ
て、タービン翼列においては、二次流れ渦に起因する内
壁および外壁近傍の流出角αの変化も見られる。図9に
示したように、壁面近傍で発生する二次流れ渦は、流路
渦12と背側馬蹄形渦8a,8bとによって構成されて
おり、この流路渦12と背側馬蹄形渦8a,8bとは、
それぞれ逆向きの回転成分を有している。
【0023】そのため、流路渦12部における作動流体
の流出角αは、主流15部分と比較して小さな流出角α
となり、反対に背側馬蹄形渦8a,8b部における作動
流体の流出角αは、主流15部分と比較して大きくな
る。この現象は、二次流れを抑制した従来技術例におい
ても、二次流れを完全に消滅することはできないため同
等に発生する。
【0024】図19に壁面近傍を含めた従来技術例にお
ける作動流体の流出角αを翼高さ比との分布で示す。翼
中央部においては幾何学的流出角と比較して小さく、翼
中央部より内壁16、外壁17側へ向かうに従って増大
し、さらに両壁面近傍では、流路渦12による流出角α
の減少、背側馬蹄形渦8a,8bによる流出角αの増加
が見られる。
【0025】このように、二次流れを抑制した従来の軸
流回転機械におけるノズルは、翼高さ方向に流出角αが
増大、減少を繰り返すため、翼高さ方向におけるノズル
および動翼間に発生する損失を最小とする、ノズルおよ
び動翼軸間距離Axoptの増減を繰り返すこととな
り、最適な軸間距離を確保できず、ノズルおよび動翼間
に発生する損失を最小にできない問題点があった。
【0026】また、特開平5−222901号記載のタ
ービンノズルにおいても、翼弦長を翼中央部より漸次縮
小するため、内壁16および外壁17近傍に発生してい
る作動流体の流出角の偏向による最適軸間距離の変化に
対応できない問題があった。
【0027】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、ノズル内における二次流れ損失を低減できると
ともに、ノズルおよび動翼間に発生する損失を軽減でき
る軸流回転機械を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、タービンノズルを、子午面から観
察されるノズル後縁線が、翼中央部から内壁および外壁
へ向かって漸次上流側に位置するように湾曲形状とし、
さらに、内壁面および外壁面近傍から壁面に至るまでは
漸次下流側へ位置するように湾曲形状としたことを特徴
とする。
【0029】請求項2の発明は、タービンノズルを、子
午面から観察されるノズル後縁線が、翼中央部から内壁
および外壁へ向かって漸次上流側へ位置するように湾曲
形状とし、さらに、内壁面および外壁面近傍より壁面に
至るまでは同位置となるように直線形状としたことを特
徴とする。
【0030】請求項3の発明は、タービンノズルを、軸
方向から観察されるノズル後縁線が、回転軸中心を通る
径方向に沿う直線に対し、翼中央部で翼腹側方向に突出
した湾曲形状を有することを特徴とする。
【0031】請求項4の発明は、タービンノズルを、軸
方向から観察されるノズル後縁線が、回転軸中心を通る
径方向に沿う直線に対し、翼中央部で翼腹側方向に突出
した湾曲形状を有することを特徴とする。
【0032】上述したように、ノズル翼列内に発生する
二次流れを抑制するためには、ノズル翼間に形成される
スロート面を内壁部および外壁部に向けるように構成す
ることが重要である。本発明においては、ノズルを、軸
方向からみてノズル後縁線が回転軸中心を通る直線に対
し、翼中央部で翼腹側方向に突出する湾曲形状に形成し
たため、ノズル翼間内に形成されるスロート面は内壁部
および外壁部でそれぞれ内壁側および外壁側を向く。そ
の結果、ノズル翼間を通過する作動流体は、形成された
スロート面に対して垂直に流出しようとするため、内壁
部および外壁部を発生する二次流れ渦を押圧し、抑制す
る。
【0033】また、ノズル後縁線を子午面からみて、翼
中央部より内壁および外壁に向かって漸次上流側へ位置
する湾曲形状とし、さらに内壁および外壁面近傍から壁
面に至るまでは漸次下流側へ位置する湾曲形状、または
同位置となる直線形状としたため、作動流体の流出角の
偏向に伴う翼高さ方向のノズルおよび動翼最適軸間距離
の変化に対応可能となり、ノズルおよび動翼間に発生す
る損失を軽減させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図1
〜図6を参照して説明する。
【0035】図1は第1実施形態による軸流回転機械の
タービン段落を子午面から見た図であり、図2は前記タ
ービン段落をノズル下流側で軸方向から見た図である。
図3は図1および図2に示すタービンノズルの翼断面を
翼高さ方向に積み重ねた状態で示す図である。
【0036】図1に示すように、本実施形態において
は、ノズル3が、翼高さ方向に連続して形成されるノズ
ル後縁線13を翼中央部より内壁16および外壁17へ
向って漸次上流側へ位置するように湾曲した形状とされ
ている。
【0037】また、内壁16および外壁17の近傍から
壁面に至るまでは、漸次下流側へ位置するように湾曲し
た形状とされている。さらに、図2に示すように、ノズ
ル下流側の軸方向からみると、ノズル後縁線13は回転
軸中心と直交する径方向に沿う直線に対して、翼中央部
にて翼腹側11方向に突出する湾曲形状に形成されてい
る。
【0038】図3では、図1に示すノズル3の内壁部断
面(a−a断面)、内壁近傍の断面(b−b断面)、翼
中央部の断面(c−c断面)、外壁近傍の断面(d−d
断面)および外壁部断面(e−e断面)を積み重ね状態
で示している。この図3に示すように、本実施形態によ
るノズル3の各翼断面に形成されるスロート部SRR,S
R ,SP ,ST ,STTは、翼後縁線13を翼中央部にて
翼腹側11方向に突出する湾曲形状に形成するため、翼
中央部より内壁16および外壁17の上流側へ形成され
ている。
【0039】また、図4は第2実施形態におけるノズル
3を示し、図5は図4に示すノズル3の翼断面を翼高さ
方向に積み重ねた状態で示す図である。
【0040】この第2実施形態のノズル3は、翼高さ方
向に連続して形成されるノズル後縁線13が翼中央部か
ら内壁16および外壁17へ向かって漸次上流側へ位置
するように湾曲した形状とされているが、内壁16およ
び外壁17近傍から壁面に至るまでは同位置となるよう
に直線的に形成され、この点が第1実施形態と異ってい
る。
【0041】なお、ノズル下流側の軸方向からみた形状
では第1実施形態と同様に、ノズル後縁線13が回転軸
中心を通る直線に対して、翼中央部にて翼腹側11方向
に突出する湾曲形状に形成されている。
【0042】図5では、図4に示すノズル3の内壁部断
面(f−f断面)、内壁近傍の断面(g−g断面)、翼
中央部の断面(h−h断面)、外壁近傍の断面(i−i
断面)および外壁部断面(j−j断面)を積み重ね状態
で示している。
【0043】この図5に示すように、本実施形態による
ノズルの各翼断面に形成されるスロート部S′RR,S′
R ,S′P ,S′T ,S′TTは、第1実施形態と同様
に、翼中央部から内壁16、外壁17の上流側へ形成さ
れている。
【0044】以上のように構成された第1、2実施形態
のノズル3は、翼中央部におけるスロート部から内壁1
6および外壁17部に向かうに従い、スロート部が上流
側に存在するために、そのスロート部を翼高さ方向に接
続して形成されるスロート面は、内壁16および外壁1
7に向かう状態となる。そして、作動流体は上述したよ
うにスロート面に対して垂直方向へ流出しようとするた
め、内壁16の近傍および外壁17の近傍で発生する二
次流れ渦を押圧し、二次流れ損失を抑制することにな
る。
【0045】また、第1、第2実施形態によるノズル3
は、ノズル後縁線13を翼中央部で翼腹11側方向に突
出する湾曲形状としたことから、作動流体の流出角は、
図19に示した従来例と同様に、翼中央部で小さく、翼
中央部から内壁16および外壁17部に向かうに従って
漸次増大し、さらに壁面近傍では、二次流れ渦による流
出角の減少および増大を伴う。故に、作動流体の流出角
の偏向によりノズルおよび動翼最適軸間距離Axopt
も流出角と同様の分布をもつことになる。
【0046】図6は、本発明における翼高さ方向のノズ
ルおよび動翼の軸間距離分布を示したもので、最適軸間
距離分布を破線で、第1実施形態のタービン段落におけ
るノズルおよび動翼間距離を太字実線で、また第2実施
形態のノズルおよび動翼間距離を実線でそれぞれ示して
いる。
【0047】さらに、特開平1−106903号に記載
のタービンノズルと、特開平5−222901号記載の
タービンノズルとにおけるノズルおよび動翼間距離をそ
れぞれ1点鎖線、2点鎖線で示している。
【0048】両従来例とも、軸方向にノズル下流側から
みて、ノズル後縁線が回転軸中心を通る直線に対し、翼
中央部で翼腹側方向に突出する湾曲形状に形成されてい
るため、作動流体の流出角は本発明における流出角と同
様な分布をもち、ノズルおよび動翼最適軸間距離分布も
同様である。
【0049】また、図6から明らかなように、特開平1
−106903号記載のノズルでは、局所的にはノズル
および動翼最適軸間距離と、ノズルおよび動翼軸間距離
を同一に設定することは可能であるが、翼高さ方向全般
においては不可能であり、ノズルおよび動翼間に発生す
る損失が増大する。
【0050】また、特開平5−222901号記載のタ
ービンノズルでは、翼中央部から壁面近傍までは、ノズ
ルおよび動翼最適軸間距離と、ノズルおよび動翼軸間距
離を同一に設定することは可能であるが、二次流れ渦に
起因するノズルおよび動翼最適軸間距離の変化に対応で
きないため、壁面近傍での損失が増大してしまう。
【0051】これに対し、本発明におけるタービンノズ
ルの構造によれば、子午面からみてノズル後縁線を、翼
中央部より内壁および外壁へ向かって漸次上流側へ位置
する形状とし、さらに、内壁および外壁面近傍からは漸
次下流側へ位置する形状、または同位置とする形状にす
ることにより、ノズルおよび動翼間距離Axを各翼高さ
毎に、ノズルおよび動翼最適軸間距離Axoptを合わ
せることが可能となる。
【0052】したがって、図6に示すように、本発明に
よる第1、第2のノズル構成をもつことにより、翼中央
部より壁面近傍に至るまで、ノズルおよび動翼最適軸間
距離Axoptと、ノズルおよび動翼軸間距離Axとが
一致し、ノズルおよび動翼間に発生する損失を従来例と
比較して軽減することができる。
【0053】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、軸方向からみてノズル後縁線を、回転軸中心を通る
直線に対し、翼中央部で翼腹側方向に突出する湾曲形状
に形成することにより、ノズル翼間に形成されるスロー
ト面を翼中央部から内壁および外壁部に向かって形成
し、作動流体を両壁面に押しつけることにより二次流れ
損失を低減することができる。さらに、ノズルおよび動
翼軸間距離が最適になるように、子午面からみたノズル
後縁線を形成することにより、ノズルおよび動翼間で発
生する損失を軽減でき、高性能の軸流回転機械を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるノズルを適用した
タービン段落の側断面図。
【図2】本発明の第1実施形態によるノズルを軸方向よ
り見た図。
【図3】本発明の第1実施形態によるノズルの翼断面積
み重ね図。
【図4】本発明の第2実施形態によるノズルを適用した
タービン段落の側断面図。
【図5】本発明の第2実施形態によるノズルの翼断面積
み重ね図。
【図6】本発明のノズルを適用したタービン段落の翼高
さ方向軸間距離分布を示す図。
【図7】一般的な従来のタービン段落を示す側断面図。
【図8】ノズルおよび動翼の断面を示す図。
【図9】タービン翼列の二次流れの説明図。
【図10】ノズルおよび動翼間のウエーク部の説明図。
【図11】動翼に入る作動流体の構成説明図。
【図12】作動流体移動距離と損失との関係説明図。
【図13】ノズルおよび動翼軸間距離と損失との関係説
明図。
【図14】従来例によるノズルを軸方向からみた図。
【図15】従来例によるノズルの翼断面積み重ね図。
【図16】従来例によるノズルの斜視図。
【図17】従来例によるノズルの側断面図。
【図18】従来例によるノズルの翼高さ方向の流出角分
布図。
【図19】従来例によるノズルの翼高さ方向の流出角分
布図。
【符号の説明】
1 ノズルダイアフラム外輪 2 ノズルダイアフラム内輪 3 タービンノズル(ノズル) 3a,3b ノズル 4 回転軸 5 動翼 6 側壁 7a,7b 入口境界層 8a,8b 背側馬蹄形渦 9a,9b 腹側馬蹄形渦 10 ノズル背側 11 腹側 12 流路渦 13 ノズル後縁部 14 ウエーク部 15 主流部 16 内壁 17 外壁 18 スロート面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービンノズルを有する蒸気タービン、
    ガスタービンその他の軸流回転機械において、前記ター
    ビンノズルを、子午面から観察されるノズル後縁線が、
    翼中央部から内壁および外壁へ向かって漸次上流側に位
    置するように湾曲形状とし、さらに、内壁面および外壁
    面近傍から壁面に至るまでは漸次下流側へ位置するよう
    に湾曲形状としたことを特徴とする軸流回転機械。
  2. 【請求項2】 タービンノズルを有する蒸気タービン、
    ガスタービンその他の軸流回転機械において、前記ター
    ビンノズルを子午面から観察されるノズル後縁線が、翼
    中央部から内壁および外壁へ向かって漸次上流側へ位置
    するように湾曲形状とし、さらに、内壁面および外壁面
    近傍より壁面に至るまでは同位置となるように直線形状
    としたことを特徴とする軸流回転機械。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軸流回転機械において、
    タービンノズルを、軸方向から観察されるノズル後縁線
    が、回転軸中心を通る径方向に沿う直線に対し、翼中央
    部で翼腹側方向に突出した湾曲形状を有することを特徴
    とする軸流回転機械。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の軸流回転機械において、
    タービンノズルを、軸方向から観察されるノズル後縁線
    が、回転軸中心を通る径方向に沿う直線に対し、翼中央
    部で翼腹側方向に突出した湾曲形状を有することを特徴
    とする軸流回転機械。
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