JPH09150485A - 蛍光表示管用カラーフィルター - Google Patents

蛍光表示管用カラーフィルター

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JPH09150485A
JPH09150485A JP33279395A JP33279395A JPH09150485A JP H09150485 A JPH09150485 A JP H09150485A JP 33279395 A JP33279395 A JP 33279395A JP 33279395 A JP33279395 A JP 33279395A JP H09150485 A JPH09150485 A JP H09150485A
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宏治 立木
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修二 甲田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蛍光表示管内で高温にさらされたときであっ
てもフィルム表面へのオリゴマー析出量が極めて少な
く、フィルムの透明性を害することがない蛍光表示管用
カラーフィルターを提供すること。 【解決手段】 ポリエステルフィルム上に少なくともシ
リコーン樹脂及び着色剤を含むJIS−K5400にお
ける鉛筆硬度がHB以上の着色層を有し、透明ポリエス
テルフィルムの着色層とは他方の面に、透明粘着剤層及
び剥離シートをこの順に有する蛍光表示管用カラーフィ
ルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温にさらされた
場合であってもオリゴマーが析出しにくい蛍光表示管用
カラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光表示管表示部のガラス表面
に、コントラストの改善と表示パターンを鮮明にする目
的で2〜5mm程度の着色アクリル板を配置していた
が、当該アクリル板を配置する際に固定するためのシャ
ーシが必要であったため、近年の軽量コンパクト化の要
求に応えることができなかった。
【0003】そこで、製造時の洗浄工程で使用されるト
リクロロエタン等の有機溶剤に侵されないようにすべ
く、蛍光表示管表示部のガラス表面に直接、熱硬化型エ
ポキシ樹脂等の耐有機溶剤性のある樹脂と着色剤からな
る着色インキをシルクスクリーン印刷等により印刷し
て、印刷フィルターを形成することが行われていた。
【0004】しかし、表示管表示部に直接印刷する方法
では印刷後にフィルターの色調や濃度を変える必要が生
じた場合、蛍光表示管ごと不良品とするか、あるいは着
色インキを除去して再度印刷し直さなければならなかっ
た。再度印刷し直す場合は、着色インキに耐有機溶剤性
のある樹脂を使用しているために、もはや有機溶剤によ
る着色インキの除去ができず、カッター等で物理的に着
色インキを削り落とさなければならず、作業性に難点が
あった。蛍光表示管ごと不良品とする場合にあっては、
歩留まりが低下しコスト高になる。
【0005】かかる欠点を解決すべく、既に本発明者等
により2枚のポリエステルフィルム間に着色層を有し、
一方のポリエステルフィルム上に透明粘着層、剥離フィ
ルムを順次有する蛍光表示管用カラーフィルターが開示
されている(特開平7−104121号公報)。
【0006】しかしながら、このような構成のものはポ
リエステルフィルムが最表面に露出しているために、蛍
光表示管内で100℃以上の高温にさらされた状態が続
くと、ポリエステルフィルムの表面からオリゴマーが析
出し、その結果、フィルムの透明性を損ねてしまう。か
かるフィルターを実用に供する為には、洗浄、拭き取り
等の方法でオリゴマーを除去する必要があるという欠点
を生じた。
【0007】一方、オリゴマー析出防止の他の手段とし
て、ポリマーの前処理、加工条件の調整、フィルムの有
機溶剤処理等が考えられるが、生産技術としては難点が
多く、実用的ではなかった。例えば、オリゴマーの析出
を減少するために、予めポリマーまたはフィルム中のオ
リゴマーを抽出しておくのは多大の有機溶剤と時間を必
要とするし、加工条件、即ちポリマーの加熱温度を低く
するとフィルムの成形性が悪く、高品質のフィルムが得
られなくなるが如きである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の欠点に鑑みなされたものであり、表示管内で高温
にさらされたときであってもフィルム表面へのオリゴマ
ー析出量が極めて少なく、フィルムの透明性を害するこ
とがない蛍光表示管用カラーフィルターを提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の蛍光表示管用カ
ラーフィルターは、プラスチックフィルム上にJIS−
K5400における鉛筆硬度がHB以上の着色層を有す
ることを特徴とする。即ち、プラスチックフィルム上に
特定の鉛筆硬度以上の着色層を形成することにより、プ
ラスチックフィルムと着色層との界面におけるオリゴマ
ーの析出を防止できる。なお、当該着色層は少なくとも
硬化型樹脂及び着色剤とから構成される。
【0010】従って、当該着色層をプラスチックフィル
ムの両面に形成することにより、特に硬化型樹脂がシリ
コーン樹脂である場合には、基材であるプラスチックフ
ィルムとの接着性を低下させずに着色剤を多量に含有で
き色彩調整の自由度が拡がる点、硬化させるための照射
装置を必要とする紫外線又は電離放射線硬化樹脂と比べ
て熱をかけるだけで硬化でき作業性がよい点、耐有機溶
剤性の点で好ましい。
【0011】また、蛍光表示管表面への貼着作業性を考
慮して、前記プラスチックフィルムの着色層とは反対面
に透明粘着剤層及び剥離シートをこの順に積層したもの
がより好適である。
【0012】なお、前記特定の着色層は、プラスチック
フィルムの中でも特にポリエステルフィルムに対して上
述の効果を有するため、ポリエステルフィルムとの組合
せが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の蛍光表示管用カ
ラーフィルターについて詳述する。
【0014】プラスチックフィルムとしては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート等の芳香族ポリエステル、芳香族共重合ポリエス
テル等から形成されるポリエステルフィルムが好ましく
使用でき、特に強度、耐熱性等の点で一軸又は二軸延伸
であることが好ましい。また、ポリエステルフィルムに
は帯電防止剤等を混合しても良く、別に帯電防止剤層を
設けても良い。さらには、接着性を上げるためにポリエ
ステルフィルム上に下引き処理を行なっても良い。な
お、ポリエステルフィルムは透明性を有していなければ
ならない。この場合の透明性は、ヘーズ値で10%以下
であることが好ましい。10%を超えると表示部が鮮明
に見えなくなってしまうからであり、このような透明性
を有していさえすれば、表面が粗面化されていてもよ
い。
【0015】着色層は、プラスチックフィルム、特にポ
リエステルフィルム表面へのオリゴマーの析出を防止す
るとともに蛍光表示管の発光色の色度調整を行なう役割
をも有するものである。具体的には、少なくとも熱硬化
型あるいは電離放射線硬化型樹脂と着色剤とから構成さ
れる。硬化型樹脂の中でもフィルム表面へのオリゴマー
析出防止、色彩調整の自由度、作業性、耐有機溶剤性の
観点から、シリコーン樹脂が好ましく使用される。
【0016】また、本発明の着色層は、JIS−K54
00における鉛筆硬度が少なくともHB以上は必要であ
る。即ち、硬度が鉛筆硬度でHB以上となるような塗膜
をプラスチックフィルム上に設けることにより、高温時
におけるオリゴマーの発生を抑制でき、フィルム表面の
白化現象を防止できる。一方、着色層の硬度が3Hを越
えると塗膜の柔軟性が低下し、クラック等が入りやすく
なるので、当該着色層の鉛筆硬度は3H以下であること
が望ましい。
【0017】着色剤としては、C.I.ソルベントイエロ
ー14、16、19、21、25、32、33、56、
151、C.I.ソルベントオレンジ5、6、40、4
5、C.I.ソルベントレッド3、8、18、24、2
7、35、49、82、83、84、100、109、
122、132、218、C.I.ソルベントブルー2
5、35、48、70、94、117、C.I.ソルベン
トブラック3、7、22、27、42、43、123、
C.I.ソルベントブラウン37等の油溶性染料、C.I.
ディスパーズブルー7、60、C.I.ディスパーズレッ
ド60、C.I.ディスパーズイエロー64等の分散染
料、C.I.ダイレクトブラック17、C.I.ダイレクト
イエロー44等の直接染料、C.I.ピグメントイエロー
42、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメン
トブルー27、C.I.ピグメントブラック7等の無機系
有色顔料、C.I.ピグメントイエロー12、83、13
8、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメント
レッド2、3、5、17、22、23、48、237、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントグリー
ン36等の有機系有色顔料の1種または2種以上が好適
に使用される。
【0018】着色剤の添加量は、その種類により一概に
はいえないが、硬化型樹脂100重量部に対して0.0
1〜200重量部の範囲が好ましく、0.5〜100重
量部の範囲がさらに好ましい。0.01重量部以上とす
るのは着色層を調色しやすくするためであり、200重
量部以下とするのは着色層のポリエステルフィルムに対
する接着性を保持するためである。
【0019】本発明の着色層を構成する必須成分は以上
の通りであるが、その他に塗工性や塗膜性能を更に高め
るための補助成分として、アルキッド樹脂、アクリル樹
脂、ニトロセルロース等の他の樹脂、分散剤、界面活性
剤、沈降防止剤、湿潤剤、たれ止め剤、レベリング剤、
消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の種
々の添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。
【0020】着色層の厚さは、使用される樹脂の種類等
により一概にはいえないが、通常は0.5〜20μm
が、好ましくは1〜10μmである。0.5μm以上と
するのは充分な着色性を得るためであり、20μm以下
とするのは塗工時の濃度むらを出さないためである。
【0021】更に、本発明における好ましい態様として
は、ポリエステルフィルムの着色層とは反対面に、アク
リル系、ウレタン系、ポリエステル系、シリコン系等の
合成樹脂からなる透明粘着層を介して、紙、フィルム等
からなる剥離シートをこの順に形成した構造を有するも
のが好ましい。このように粘着層を有することで、蛍光
表示管表示部のガラス表面に直接貼り合わせることがで
き、固定のためのシャーシを設ける必要がない。
【0022】本発明の好ましい態様における蛍光表示管
用カラーフィルターの総厚みは、10〜250μmの範
囲が好ましく、さらに25〜188μmの範囲がより好
ましい。10μm以上するのはある程度の腰を保持し作
業性を保持するためであり、250μm以下とするのは
蛍光表示管表示部にラミネーター等で貼着しやすくする
ためである。
【0023】このような本発明に係るカラーフィルター
は、例えば、ポリエステルフィルム上に、硬化型樹脂、
着色剤及び必要な添加剤を有機溶剤に溶解又は分散させ
た着色層用塗工液を通常の塗布方法、例えば、バー、ブ
レード、グラビア、スピン、スプレー等のコーティング
法により塗布し、硬化形成することにより製造できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】[実施例1]厚さ50μmの透明ポリエス
テルフィルム上に、以下の塗布液をロールコーターにて
塗布し、130℃、2分で熱処理して乾燥膜厚5μmの
着色層を形成した。
【0026】 ・熱硬化型シリコーン樹脂 10重量部 (Siコート900:大八化学工業社) ・油溶性染料 0.5重量部 (スピロンブルー2BNH:保土ヶ谷化学工業社) ・酢酸ブチル 10重量部 ・アノン 10重量部
【0027】次に、着色層とは反対面にアクリル樹脂系
粘着層(リキダインAR−2110:リキダイン社)と
離型フィルム(セラピール:東洋メタライジング社)を
この順に設けて、蛍光表示管用カラーフィルターを得
た。製造歩留まりは98%であった。
【0028】[比較例1]厚さ25μmの透明ポリエス
テルフィルムA上に、以下の塗布液をロールコーターに
て塗布し乾燥膜厚5μmの着色層を形成した。
【0029】 ・ポリエステル樹脂 10重量部 (バイロン#300:東洋紡績社) ・油溶性染料 0.5重量部 (スピロンブルー2BNH:保土ヶ谷化学工業社) ・酢酸ブチル 10重量部 ・アノン 10重量部
【0030】また、当該着色層上に以下の塗布液をロー
ルコーターにて塗布し、乾燥膜厚2μmの接着層を形成
した。
【0031】 ・ポリエステル樹脂 10重量部 (バイロン#300:東洋紡績社) ・イソシアネートプレポリマー 1重量部 (コロネートL:日本ポリウレタン工業社) ・酢酸エチル 20重量部
【0032】さらに、当該接着層上を厚さ25μmの透
明ポリエステルフィルムBでラミネートし、実施例1と
同様のアクリル樹脂系粘着層と離型フィルムを透明ポリ
エステルフィルムA上の着色層側とは反対面に順次設け
て、蛍光表示管用カラーフィルターを得た。しかし、実
施例1に比べてラミネート工程が2回あったため、製造
歩留まりは90%であった。
【0033】[比較例2]厚さ50μmの透明ポリエス
テルフィルム上に、以下の塗布液をロールコーターにて
塗布し乾燥膜厚5μmの着色層を形成した。
【0034】 ・ポリエステル樹脂 10重量部 (バイロン#300:東洋紡績社) ・油溶性染料 0.5重量部 (スピロンブルー2BNH:保土ヶ谷化学工業社) ・酢酸ブチル 10重量部 ・アノン 10重量部
【0035】次に、当該着色層が形成された透明ポリエ
ステルフィルムの着色層と反対面に、実施例1と同様の
アクリル樹脂系粘着層と離型フィルムをこの順に設け
て、蛍光表示管用カラーフィルターを得た。製造歩留ま
りは98%であった。
【0036】実施例1、比較例1、2で得られた蛍光表
示管用カラーフィルターについて、変色・退色(以下、
変色等という)の有無、オリゴマー発生の有無、耐有機
溶剤性、表面硬度について評価した。結果を表1に示
す。
【0037】なお、変色等の有無は、キセノンフェード
メーター(WEL-6XS-DC・B・EC:スガ試験機社)を使用
し、200時間後の色変化を照射前と比較した。オリゴ
マー発生の有無については、高温(120℃)の環境に
500時間放置した後に透過率を測定し、放置前のもの
との全光線透過率の変化を見た。耐有機溶剤性について
は、トリクロロエタンを染み込ませた布で着色層表面を
100回擦り、色の状態を目視により確認した。表面硬
度については、JIS−K5400に準ずる方法で測定
した。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、実施例1では変
色等やオリゴマー発生ともになく、耐有機溶剤性もよ
く、表面硬度もHBと十分であった。
【0040】一方、比較例1では変色等の有無及び耐有
機溶剤性については良好であったが、表面硬度がBと十
分ではなかったため、フィルム表面に白色オリゴマーが
析出し、放置前の透過率に比べて約20%低下した。
【0041】また、比較例2も表面硬度が3Bと十分で
なかったため、フィルムと着色層との界面に白色オリゴ
マーが析出し、放置前の透過率に比べて約5%低下し、
変色等及び耐有機溶剤性も十分ではなかった。
【0042】
【発明の効果】本発明の蛍光表示管用カラーフィルター
は、プラスチックフィルム表面に特定の着色層を形成す
ることにより、高温にさらされたときにプラスチックフ
ィルム、特にポリエステルフィルム表面から発生するオ
リゴマーの析出を効果的に抑えることができる効果を有
する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム上にJIS−K54
    00における鉛筆硬度がHB以上の着色層を有すること
    を特徴とする蛍光表示管用カラーフィルター。
  2. 【請求項2】前記着色層が、プラスチックフィルムの両
    面に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の蛍
    光表示管用カラーフィルター。
  3. 【請求項3】前記着色層が、少なくとも硬化型樹脂及び
    着色剤からなることを特徴とする請求項1記載の蛍光表
    示管用カラーフィルター。
  4. 【請求項4】硬化型樹脂がシリコーン樹脂であることを
    特徴とする請求項3記載の蛍光表示管用カラーフィルタ
    ー。
  5. 【請求項5】前記プラスチックフィルム上の着色層とは
    反対面に、透明粘着剤層及び剥離シートをこの順に有す
    ることを特徴とする請求項1記載の蛍光表示管用カラー
    フィルター。
  6. 【請求項6】前記プラスチックフィルムが実質的に透明
    であることを特徴とする請求項1記載の蛍光表示管用カ
    ラーフィルター。
  7. 【請求項7】前記プラスチックフィルムがポリエステル
    フィルムであることを特徴とする請求項1記載の蛍光表
    示管用カラーフィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012232493A (ja) * 2011-05-02 2012-11-29 Mitsubishi Plastics Inc 離型ポリエステルフィルム
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