JPH0914825A - 冷却貯蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 断熱扉の自然開放を防止しつつ、開閉時の騒
音の発生などの不都合を解消することができる冷却貯蔵
庫を提供する。 【構成】 冷却貯蔵庫１１は、前面に開口９を備えた断
熱箱体１と、この断熱箱体１に回動自在に枢支され、開
口９を開閉自在に閉塞する断熱扉２Ａ、２Ｂと、この断
熱扉２Ａに設けられた磁石４と、断熱箱体１の開口部に
設けられた受け部材５と、この受け部材５に設けられた
金具６とを備え、断熱扉２Ａが開口９を閉じた状態で、
磁石４と金具６は近接し、且つ、離間した状態で相互に
吸引し合う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁力によって断熱扉を
保持する受け部材を開口部に備えた冷却貯蔵庫に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりこの種冷却貯蔵庫は、例えば実
公昭６１−７４９９号公報（Ｆ２５Ｄ２３／００）に示
される如く前面に開口を備えた断熱箱体の前記開口を観
音開き式の断熱扉にて開閉自在に閉塞している。また、
上記公報では断熱箱体の開口に縦仕切部材が取り付けら
れているが、開口からの商品納出を円滑化するものとし
て、縦仕切部材を断熱扉側に取り付けた所謂センターピ
ラーレスの冷却貯蔵庫も開発されている。係る冷却貯蔵
庫では断熱扉が内部の空気圧力の変化や外部からの振動
などによって自然に開放してしまう危険性があり、その
ため、断熱箱体には受け部材を取り付け、磁力によって
断熱扉を閉塞状態に保持する構造とされていた。

【０００３】以下、図５を用いて係る従来の冷却貯蔵庫
１００の構造を説明する。１は前面に矩形状の開口９を
備えた断熱箱体であり、この断熱箱体１内に貯蔵室８が
構成されている。２は断熱箱体１の開口９両側に回動自
在に枢支された断熱扉であり、一方の断熱扉２に設けら
れた縦仕切部材（ピラー）３には、磁石１０１が取り付
けられている。一方、前記断熱箱体１の開口９の上下中
央部内側には受け部材（キャッチャー）５がビス７にて
取り付けられており、この受け部材５の前面には、鉄板
などの磁性体から成る金具１０２が取り付けられてい
る。

【０００４】そして、断熱扉２が閉じられた場合、磁石
１０１と金具１０２は、磁石１０１の磁力によって直接
当接して吸着し、これによって、断熱扉２が貯蔵室８内
の圧力変化や外部からの振動によって自然に開くことを
防止していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、係る従来の構
成では縦仕切部材３の磁石１０１と受け部材５の金具１
０２が直接当接するため、断熱扉２の開閉時に両者が接
触するカチカチという騒音が発生する。また、磁石１０
１が強力な磁石の場合には、前記断熱扉２が開け難くな
る問題もあった。

【０００６】更に、両者は常に接触しているのでサビが
発生し易く、長期間、断熱扉２を開閉すると、衝撃によ
って受け部材５の取り付けビス７等の螺合が緩み、外れ
てしまう危険性もある。また、製造時には磁石１０１の
後面と金具１０２の前面とが丁度接触する位置となるよ
う受け部材５の位置合わせを正確に行わなければならな
くなり、組立作業が煩雑となる問題もあった。

【０００７】本発明は、係る従来の技術課題を解決する
ために成されたものであり、断熱扉の自然開放を防止し
つつ、開閉時の騒音の発生などの不都合を解消すること
ができる冷却貯蔵庫を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の冷却貯蔵庫は、
前面に開口を備えた断熱箱体と、この断熱箱体に回動自
在に枢支され、前記開口を開閉自在に閉塞する断熱扉
と、この断熱扉に設けられた扉側磁性部材と、断熱箱体
の開口部に設けられた受け部材と、この受け部材に設け
られた本体側磁性部材とを備えており、断熱扉が前記開
口を閉じた状態で、両磁性部材は近接し、且つ、離間し
た状態で磁力により相互に吸引し合うよう構成したもの
である。

【０００９】請求項２の発明の冷却貯蔵庫は、上記にお
いて断熱箱体は前後に開口を備えると共に、それぞれ扉
側磁性部材を備えて両開口を開閉自在に閉塞する断熱扉
を備え、且つ、両開口縁には前後の各断熱扉に対応した
受け部材がそれぞれ設けられているものである。

【００１０】

【作用】本発明の冷却貯蔵庫によれば、断熱扉が閉じた
状態で、扉側磁性部材と本体側磁性部材は近接し、且
つ、離間した状態で磁力により相互に吸引し合う構造と
したので、断熱扉の閉塞状態を安定的に維持できるのに
加え、扉側自在部材と本体側自在部材とが直接当接する
ことがないため、断熱扉を開閉するときに発生する騒音
を解消し、断熱扉を開けるときの力も低減することが可
能となる。

【００１１】また、従来の如く両磁性部材の接合部分に
カビが発生することも無くなると共に、扉側磁性部材か
ら受け部材に直接衝撃が加わることが無くなるので、受
け部材のガタ付きや破損の発生も防止することができる
ようになる。更に、扉側磁性部材と本体側磁性部材との
間隔は或る程度変化しても磁力の及ぶ範囲で許容される
ので、従来の如く両者の位置関係を正確に調整する必要
が無くなり、組立作業性も向上する。

【００１２】請求項２の発明の冷却貯蔵庫によれば、断
熱箱体が前後に開口を有している場合にも、それぞれ扉
側磁性部材を備えて両開口を開閉自在に閉塞する断熱扉
を設け、且つ、両開口部には前後の各断熱扉に対応した
受け部材をそれぞれ設けたので、前後の開口において上
記と同様の作用を期待することができる。

【００１３】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳述す
る。図１は断熱扉２Ａ、２Ｂを開いた状態の本発明の冷
却貯蔵庫１１の斜視図、図２は冷却貯蔵庫１１の縦断側
面図、図３は開口９下部の冷却貯蔵庫１１の拡大縦断側
面図、尚、各図において図５と同一符号は同一のものと
する。

【００１４】図１において、実施例の冷却貯蔵庫１は、
前面に開口９を備えて内部に貯蔵室８を構成する断熱箱
体１と、この断熱箱体１に回動自在に枢支され、前記開
口９を開閉自在に閉塞する観音開き式の二枚の断熱扉２
Ａ、２Ｂとから成る所謂センターピラーレスの冷却貯蔵
庫である。断熱箱体１の上面向かって右側には窓孔２
１、２２が前後に穿設されており、各窓孔２１、２２を
塞ぐかたちで上から内部中空の上部断熱壁２３が取り付
けられる。この上部断熱壁２３内は窓孔２１、２２にて
下方の貯蔵室８内に連通すると共に、その内部には冷却
装置に含まれる冷却器２４が取り付けられ、窓孔２１に
は送風機２６が取り付けられている。

【００１５】また、上部断熱壁２３側方の断熱箱体１上
面には前記冷却装置に含まれる圧縮機２７、凝縮器２８
等が設置される。そして、圧縮機２７及び送風機２６が
運転されると、冷却器２４が冷却作用を発揮し、それと
熱交換した冷気は送風機２６によって窓孔２２から貯蔵
室８内に吐出される。貯蔵室８内を循環した冷気は窓孔
２１から再び冷却器２４に帰還し、係る冷気循環によっ
て貯蔵室８内は所定の冷凍若しくは冷蔵温度に維持され
る。

【００１６】一方の断熱扉２Ａ（図１の場合、向かって
左の断熱扉）には二枚の断熱扉２Ａ、２ｂ突き合わせ部
分を閉塞する縦仕切部材（ピラー）３が上下に渡って取
り付けられており、この縦仕切部材３の後面には、上下
端部に扉側磁性部材としての磁石４（上下何れか一方だ
けでも良い。但し、後述する金具６が設けられた位置に
対応して取り付ける必要がある。）が取り付けられてい
る。

【００１７】断熱扉２Ａ及び２Ｂを閉じる場合、縦仕切
部材３が取り付けられた断熱扉２Ａが先に閉じられ、断
熱扉２Ｂはその後閉じられて縦仕切部材３の前面に重複
するかたちとなる。そして、断熱扉２Ｂはラッチ３１に
て断熱扉２Ａに着脱自在に連結される。また、断熱箱体
１の開口９の上下中央部内側には受け部材（キャッチャ
ー）５がビス７にて取り付けられており、この受け部材
５の前面には、鉄板などの磁性体から成る本体側磁性部
材としての金具６が取り付けられている。

【００１８】ここで、断熱扉２Ａが閉じられた状態で、
縦仕切部材３の磁石４は受け部材５の金具６に近接する
が、両者は離間し、それらの間には３ｍｍ程の隙間Ａが
形成されるよう設定される。尚、係る隙間Ａが存在して
も磁石４と金具６間には相互に吸引し合う磁力Ｂが働
く。従って、断熱扉２Ａは、断熱扉２Ｂを開放した際な
どにおける貯蔵室８内の空気圧力変化や、その他外部か
らの振動等によって、自然に開放することが無くなる。

【００１９】また、係る隙間Ａを設けることによって、
断熱扉２Ａの開閉時に磁石４と金具６が接触する時に生
じるカチカチ音が発生せず、低騒音化が図られる。更
に、磁石４が強力な磁石の場合であっても、断熱扉２Ａ
の開閉が円滑に行なえるようになると共に、両者が接触
していることによって問題となるサビの発生や、受け部
材５のビス７のガタ付き破損なども未然に解消すること
が可能となる。

【００２０】また、隙間Ａは磁力Ｂが及ぶ範囲で許容さ
れるので、寸法が或る程度ばらついても支障は生じな
い。従って、製造時に縦仕切部材３と受け部材５の正確
な位置調整が必要であった従来に比べ、その必要性が無
くなり、生産性の向上も図られる。

【００２１】次に、図４は断熱箱体１は前後に開口９、
９を備えると共に、両開口９、９にはそれらを開閉自在
に閉塞する同様の観音開き式の断熱扉２Ａ、２Ｂがそれ
ぞれ取り付けられた所謂パススルー式の冷却貯蔵庫１１
を示している。この場合にも、両開口部には前後の各断
熱扉２Ａ、２Ｂに対応した受け部材５、５がそれぞれ設
けられ、前後の断熱扉２Ａの縦仕切部材３にも磁石４が
それぞれ取り付けられている。

【００２２】そして、前後の開口９、９において前述同
様に磁石４と金具６との間には隙間Ａが構成されてお
り、それによって、両開口において上述同様の効果を期
待できる。

【００２３】尚、上記各実施例では開口９の上下に受け
部材５を取り付けたが、上下の何れか一方であっても差
し支えない。また、実施例では縦仕切部材３に磁石４を
取り付け、受け部材５に金具６を取り付けたが、その逆
であっても良く、或いは、双方に相互に極性の異なる磁
石を取り付けても良い。更に、実施例では二枚の観音開
き式断熱扉にて開口を閉塞する冷却貯蔵庫に本発明を適
用したが、それに限らず、一枚若しくは三枚以上の断熱
扉にて開口を閉塞する冷却貯蔵庫にも本発明は有効であ
る。

【００２４】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、断熱
扉が閉じた状態で、扉側磁性部材と本体側磁性部材は近
接し、且つ、離間した状態で磁力により相互に吸引し合
う構造としたので、断熱扉の閉塞状態を安定的に維持で
きるのに加え、扉側自在部材と本体側自在部材とが直接
当接することがないため、断熱扉を開閉するときに発生
する騒音を解消し、断熱扉を開けるときの力も低減する
ことが可能となる。

【００２５】また、従来の如く両磁性部材の接合部分に
サビが発生することも無くなると共に、扉側磁性部材か
ら受け部材に直接衝撃が加わることが無くなるので、受
け部材のガタ付きや破損の発生も防止することができる
ようになる。更に、扉側磁性部材と本体側磁性部材との
間隔は或る程度変化しても磁力の及ぶ範囲で許容される
ので、従来の如く両者の位置関係を正確に調整する必要
が無くなり、組立作業性も向上する。

【００２６】請求項２の発明によれば、断熱箱体が前後
に開口を有している場合にも、それぞれ扉側磁性部材を
備えて両開口を開閉自在に閉塞する断熱扉を設け、且
つ、両開口部には前後の各断熱扉に対応した受け部材を
それぞれ設けたので、前後の開口において上記と同様の
効果を期待することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の冷却貯蔵庫の断熱扉を開いた状態の斜
視図である。

【図２】本発明の冷却貯蔵庫の縦断側面図である。

【図３】本発明の冷却貯蔵庫の開口下部の拡大縦断側面
図である。

【図４】本発明の他の実施例の冷却貯蔵庫の縦断側面図
である。

【図５】従来の冷却貯蔵庫の開口下部の拡大縦断側面図
である。

【符号の説明】

１ 断熱箱体 ２ 断熱扉 ３ 縦仕切部材 ４ 磁石（扉側磁性部材） ５ 受け部材 ６ 金具（本体側磁性部材） ８ 貯蔵室 ９ 開口 １１ 冷却貯蔵庫 Ａ 隙間

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面に開口を備えた断熱箱体と、この断
   熱箱体に回動自在に枢支され、前記開口を開閉自在に閉
   塞する断熱扉と、この断熱扉に設けられた扉側磁性部材
   と、前記断熱箱体の開口部に設けられた受け部材と、こ
   の受け部材に設けられた本体側磁性部材とを備えた冷却
   貯蔵庫において、 前記断熱扉が前記開口を閉じた状態で、前記両磁性部材
   は近接し、且つ、離間した状態で磁力にて相互に吸引し
   合うことを特徴とする冷却貯蔵庫。
2. 【請求項２】 断熱箱体は前後に開口を備えると共に、
   それぞれ扉側磁性部材を備えて両開口を開閉自在に閉塞
   する断熱扉を前後に備え、且つ、両開口部には前後の各
   断熱扉に対応した受け部材がそれぞれ設けられているこ
   とを特徴とする請求項１の冷却貯蔵庫。