JPH09147792A - オメガ型エネルギーフィルター - Google Patents

オメガ型エネルギーフィルター

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JPH09147792A
JPH09147792A JP7309049A JP30904995A JPH09147792A JP H09147792 A JPH09147792 A JP H09147792A JP 7309049 A JP7309049 A JP 7309049A JP 30904995 A JP30904995 A JP 30904995A JP H09147792 A JPH09147792 A JP H09147792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
face
type energy
energy filter
omega
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7309049A
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English (en)
Inventor
Katsushige Tsuno
勝重 津野
Munroo Eritsuku
ムンロー エリック
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Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09147792A publication Critical patent/JPH09147792A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有効端面の考えを取り入れてなお生じる軌道
のずれを簡便に補正できるようにする。 【解決手段】 電子顕微鏡の電子光学系に組み込まれた
オメガ型エネルギーフィルターにおいて、各磁石MA
B 、MC 、MD の端面1〜4を対称面に向かう方向
に、有効端面に加えて移動させることによって、電子ビ
ームの軌道のずれを補正する。さらに、磁石とクランプ
との間の距離をDとした時、端面シフト量SはD2 に比
例して増大させ、端面シフト量は、磁石の回転半径に逆
比例し回転半径が大きくなるほどシフト量は小さくなる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡の電子
光学系に組み込まれたオメガ型エネルギーフィルターに
関する。
【0002】
【従来の技術】図4はオメガ型エネルギーフィルターの
概要を示す図、図5はオメガ型エネルギーフィルターを
組み込んだ電子顕微鏡の電子光学系の構成例を示す図、
図6はフリンジ磁界分布及び磁石端面とクランプ端面の
関係を示す図である。
【0003】オメガ型エネルギーフィルターは、図4に
示すように4個のセクター型電磁石MA 〜MD によって
入射絞り面からスリット面までの電子ビームの軌道を連
続的にΩ字状に偏向し、電子線のエネルギーの違いによ
ってその軌道を分離するエネルギーフィルターである。
このオメガ型エネルギーフィルターは、特に収差を低減
し易いことから、電子顕微鏡と組合わせてイメージング
フィルターとして利用される。この電子顕微鏡では、図
5に示すように電子銃11で発生した電子ビームをコン
デンサレンズ12、対物レンズ13を通して試料14に
照射し、中間レンズ15、入力絞り16、オメガ型エネ
ルギーフィルター17、スリット18、投影レンズ19
を通して蛍光板20に試料の観察像を投影させている。
【0004】ところで、セクター型磁石を用いる分析装
置に共通して言えることであるが、オメガ型エネルギー
フィルターの設計に当たっては、磁石の縁端部から外部
に洩れ出るフリンジ場をどのように扱うかが大きな問題
である。良く知られた方法は、磁石ークランプ間が図6
(A)の上面図に示したようなフリンジ磁界分布になる
ので、このフリンジ磁界分布の積分値が等しくなるよう
に、磁石の有効端面を決めることである。磁石の磁極と
クランプとが対称な形をなしている場合、その有効端面
は、断面図の図6(B) に示すように磁場最大値の半分
となる位置にほぼ一致する。オメガ型エネルギーフィル
ターの形状及びこの内部での電子の軌道は、歪収差等の
2次収差をキャンセルするため、図4に示すように対称
面に対して左右対称をなすように選ばれる。なお、図4
に示す磁石の磁界は紙面に垂直である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7は対称面からスリ
ット面までの電子軌道を示す図である。いま、上記有効
端面を考慮せずに磁石端面で磁界が突然消失すると仮定
(SCOFF;Sharp Cut Off Fringing Field approxi
mationと言う) した場合には、図7(A)に示すような
対称面からスリット面までの軌道になる。この場合に
は、フリンジ場が余分の磁界を作るので、電子ビーム
は、図示のように磁石の中心を結ぶ中心軸(光軸) に対
して余分に曲げられる。もちろん余分に曲がった軌道
は、曲率半径に対応した励磁の強さより励磁を弱めれば
修正することができるが、収差の増大を招き有効な方法
ではない。
【0006】これに対し、図7(B)は図6に示した有
効端面の考えを取り入れて磁石の境界を設定した場合で
ある。図7(A)に比べて軸道が光軸に非常に近づいて
いることがわかる。これまで、セクター磁石を利用した
分析装置の多くは、この有効端面の考えを取り入れて設
計がなされてきた。
【0007】しかし、ここでも問題となるのは、この有
効端面を用いた時になお残る軌道のずれである。図7
(B)では、このずれが必ずしも良くみえないが、磁石
D の円弧部分において、曲線が2重になって若干のず
れがあることがわかる。このようなずれは、設計通りに
有効端面の考えを取り入れても現実には端面の傾斜の影
響や製造上の僅かな誤差等のため完全になくすことは難
しい。
【0008】そのため、例えば設計に基づく観察条件を
設定して標準試料を観察しても、軌道のずれにより設計
通りの像が蛍光板では得られず、像が観察できなかった
り、像がぼけてしまうという問題が生じる。従ってこの
ような場合に、標準試料の所望の像を蛍光板に結像させ
るためには、上記のように励磁電流等の観察条件を変更
しなければならない。このような調整は、従来より熟練
と勘に頼り面倒であった。しかも、このような修正は、
正しいやり方ではなく、この修正によってどのような収
差が余分に発生するかも不明である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであって、有効端面の考えを取り入れてな
お生じる軌道のずれを簡便に補正できるようにするもの
である。そのために本発明は、電子顕微鏡の電子光学系
に組み込まれたオメガ型エネルギーフィルターにおい
て、各磁石の端面を対称面に向かう方向に、有効端面に
加えて移動させることによって、電子ビームの軌道のず
れを補正することを特徴とするものである。
【0010】さらに、磁石とクランプとの間の距離をD
とした時、端面シフト量SはD2 に比例して増大させ、
端面シフト量は、磁石の回転半径に逆比例し回転半径が
大きくなるほどシフト量は小さくなるようにしたことを
特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は対称面からスリット面ま
での中心軸と電子軌道、端面を示す図、図2は磁石ーク
ランプ間距離に対する端面シフト量を示す図、図3は端
面シフト量と磁石の回転半径を示す図である。
【0012】図1において、磁石MC 、MD は、電子顕
微鏡の電子光学系に組み込まれたオメガ型エネルギーフ
ィルターにおいて、図4に示すように電子ビームの入射
方向からの配置で磁石MA 、MB 、MC 、MD としたと
き、対称面7からスリット面8の間に配置されるもので
あり、対称面側が磁石MC 、スリット面側が磁石MD
ある。端面1は磁石MC の電子ビームの入射側、つまり
対称面側の端面、端面2は磁石MC の電子ビームの出射
側、つまりスリット面側の端面、端面3は磁石MD の電
子ビームの入射側、つまり対称面側の端面、端面4は磁
石MD の電子ビームの出射側、つまりスリット面側の端
面である。これらの端面1〜4に対して有効端面が1′
〜4′であり、それぞれの矢印の方向、つまり磁石の内
側の方向を正の方向とする。移動機構5、6は、軌道の
ずれを補正するために磁石MC 、MD を移動させるもの
であり、移動機構5は、磁石MC を端面1で負、端面2
で正の方向に移動させ、移動機構6は、磁石MD を端面
3で負、端面4で正の方向に移動させる機構である。
【0013】次に、有効端面の考えを取り入れて設計し
た後の移動機構5、6を用いて磁石MC 、MD を移動さ
せて行うずれの補正ついて説明する。まず、上記のよう
な軌道のずれを補正するためには、磁石の4つの端面の
それぞれについてこれを前後に移動し、軸道が光軸と一
致する条件を探せばよい。なお、この場合、磁石MA
B については、MC 、MD との対称条件で同一とな
る。いま、軌道を光軸に一致させるに必要な端面のシフ
ト量(先に説明した有効端面からのずれ)をS1、S
2、S3、S4とする。このシフト量は、もちろん磁石
の磁極間距離G、磁石とクランプの距離D等によって変
化する。磁石ークランプ間の距離Dに対して各シフト量
S1、S2、S3、S4をとると図2に示す関係が得ら
れる。シフト量S1、S2、S3、S4は、図2に示す
ように磁石とクランプとの間の距離Dの二乗に比例して
大きくなり、逆にD→0に近づくと零に近づいてSCO
FF条件に収束する。
【0014】しかもここで注目すべきことは、端面のシ
フト量S1とS2、S3とS4という1つの磁石におけ
る両端面での符号の違いである。符号については、図1
に示した端面の矢印方向を正としている。よって、磁石
C については、端面1は左側に移動し、端面2は下側
に移動する。磁石MD については、端面3は下側に移動
し、端面4は左側に移動する。すなわち、各磁石の端面
を対称面に向かう方向に、有効端面に加えて移動させれ
ばよい。
【0015】実際のオメガ型エネルギーフィルターで
は、非点なし結像条件を満たすため、端面は光軸の法線
方向に対して角度を有しており、その傾斜は、例えば端
面1から順に20°、−20°、37°、33°とな
る。しかし、今問題としている付加的な端面シフト量
は、図2に示すように±0.4mm以内程度と小さいの
で、この端面傾斜の影響は以下の議論で重要ではないの
で省略して考えることにする。
【0016】形状の異なる200個以上のオメガ型エネ
ルギーフィルターについて、この付加的シフト量がどの
ような符号を持つかを調べたところ、例外なく図2に示
したと同様にS1、S3、<0、S2、S4>0であっ
た。従って、図2に基づき、設計段階で有効端面に加え
て付加的シフトを考えておくことによって、有効端面の
みを考慮した場合よりもさらに厳密に中心軸道を磁石中
心軸に一致させることができる。また、端面シフト量と
磁石の回転半径との関係を調べると、図3に示すように
磁石MC の端面シフト量S1、S2は、回転半径RC
逆比例し、回転半径RC が大きくなるほど小さくなるこ
とがわかる。
【0017】電子ビームの中心軸道を磁石中心軸に一致
させることはまた、設計時のみでなく、移動機構5、6
を設けることによってオメガ型エネルギーフィルター完
成後に実際に装置に組み込んだ後において、移動機構
5、6の移動、調整により補正することもできる。とい
うのは、例えば磁石MC について、端面1は左、端面2
は下方であるので、全体として左斜め下にシフトさせれ
ばよい。磁石MD についても同様である。
【0018】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上
記実施の形態では、対称面からスリット面の間に配置さ
れる磁石について説明したが、入射絞り面から対称面の
間に配置される磁石についても同様に適用することはい
うまでもない。また、移動機構をそれぞれの磁石に設け
るようにしたが、各磁石を別々に移動させる機構をもつ
ことが装置を複雑にすると考えられる場合には、例えば
磁石MA とMB 、磁石MC とMD を一体にして移動させ
てもよい。ただし、フィルター全体を同一方向に移動さ
せることは無意味である。全体として1個の調整機構を
設ける場合には、上下動に関しては同一量だけ動かせば
よいが、左右動に関しては、対称面に対して対称な方向
に移動させなければならないからである。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、各磁石の端面を対称面に向かう方向にシフト
してずれを補正できることを見い出したので、有効端面
に加えて付加的シフトを各磁石に与えるようにしてずれ
を補正することができる。しかも、各磁石の端面を対称
面に向かう方向に移動させるので、調整が簡単であり、
磁石の励磁電流等、観察条件を変えることなく設計に基
づき試料観察が可能になる。従って、観察調整作業の負
担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 対称面からスリット面までの中心軸と電子軌
道、端面を示す図である。
【図2】 磁石ークランプ間距離に対する端面シフト量
を示す図である。
【図3】 端面シフト量と磁石の回転半径を示す図であ
る。
【図4】 オメガ型エネルギーフィルターの概要を示す
図である。
【図5】 オメガ型エネルギーフィルターを組み込んだ
電子顕微鏡の電子光学系の構成例を示す図である。
【図6】 フリンジ磁界分布及び磁石端面とクランプ端
面の関係を示す図である。
【図7】 対称面からスリット面までの電子軌道を示す
図である。
【符号の説明】
A 、MB 、MC 、MD …磁石、1〜4…端面、5、6
…移動機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子顕微鏡の電子光学系に組み込まれた
    オメガ型エネルギーフィルターにおいて、各磁石の端面
    を対称面に向かう方向に、有効端面に加えて移動させる
    ことによって、電子ビームの軌道のずれを補正すること
    を特徴とするオメガ型エネルギーフィルター。
  2. 【請求項2】 磁石とクランプとの間の距離をDとした
    時、端面シフト量SはD2 に比例して増大させることを
    特徴とする請求項1記載のオメガ型エネルギーフィルタ
    ー。
  3. 【請求項3】 端面シフト量は、磁石の回転半径に逆比
    例し回転半径が大きくなるほどシフト量は小さくなるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載のオメガ型エネ
    ルギーフィルター。
  4. 【請求項4】 電子顕微鏡の電子光学系に組み込まれた
    オメガ型エネルギーフィルターにおいて、各磁石の端面
    を対称面に向かう方向に、有効端面に加えて移動させる
    磁石の移動機構を設けたことを特徴とするオメガ型エネ
    ルギーフィルター。
JP7309049A 1995-11-28 1995-11-28 オメガ型エネルギーフィルター Withdrawn JPH09147792A (ja)

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JP7309049A JPH09147792A (ja) 1995-11-28 1995-11-28 オメガ型エネルギーフィルター

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JP7309049A JPH09147792A (ja) 1995-11-28 1995-11-28 オメガ型エネルギーフィルター

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JPH09147792A true JPH09147792A (ja) 1997-06-06

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JP7309049A Withdrawn JPH09147792A (ja) 1995-11-28 1995-11-28 オメガ型エネルギーフィルター

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JP (1) JPH09147792A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001052644A (ja) * 1999-06-01 2001-02-23 Jeol Ltd 磁界型エネルギーフィルタ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001052644A (ja) * 1999-06-01 2001-02-23 Jeol Ltd 磁界型エネルギーフィルタ

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Effective date: 20030204