JPH09147644A - ワイヤハーネス組立図板用布線治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ｕ字状の布線部１２を有する電線受けタイプ
の布線治具１Ｂの中間に立設配設して、布線治具１Ｂ間
に渡して布線した電線群１３の盛り上がり不良を防止す
る電線押えタイプの布線治具１Ａにおいて、布線治具１
Ａへの電線の入出作業性の向上と、その取り出しの際の
電線群１３の布線姿勢の乱れの防止を図り、併せて、電
線量の多少に関係なく共用可能にする。 【解決手段】 ワイヤハーネス組立図板６に立設取着す
る支柱脚２の上端に、略Ｕ字形状の電線収納部３を設
け、この電線収納部３は、上方の開口部１０を開閉する
電線押え用回動レバー４を備え、電線収納部３に入れた
電線１３を、回動レバー４で押え込む。そして、この回
動レバー４は電線収納部３の枠部に段状に設けた係止ピ
ン７Ａ・７Ｂ・７Ｃを択一することによって、電線量の
多少に対応した閉鎖押え込み姿勢を係止する構造が特徴
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、組立すべきワイヤ
ハーネスの形態に整合させて、ワイヤハーネス組立図板
に立設配設し、電線を入線布線して、ワイヤハーネスを
組立るのに使用するワイヤハーネス組立図板用布線治具
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ワイヤハーネス組立図板用布線治具は、
ワイヤハーネス組立図板に適宜の間隔で立設固定する支
柱脚の上端にＵ字形状の布線部を有し、その布線部に電
線を順次入線布線してワイヤハーネスを配線成形するの
に使用する電線受けタイプのものと、その電線受けタイ
プの布線治具の中間において、電線が弛緩して盛り上が
って布線姿勢が崩れるのを防止したり、幹線と分岐線の
分岐部分等で、布線した電線が前記布線部から溢れ出し
て布線姿勢が崩れるのを防止するために使用する電線押
えタイプのものがある。

【０００３】そして、その電線押えタイプのものは、特
開平６ー２３６７１４号公報に示される公知例があり
（図３参照）、ワイヤハーネス組立図板６に立設固定す
る支柱脚２の上端に、略Ｃ字形状剛質の電線押え環１５
を備え、その電線押え環１５の一端を支柱脚２の上端に
回動自在に連結し、電線押え環１５の開口部１０を下向
き姿勢と上向き姿勢にセットできる構造を有している。

【０００４】そして、その電線押えタイプの布線治具１
Ａは、Ｕ字状の布線部を有する電線受けタイプの布線治
具（図示しない）の中間に立設配線され、両隣の電線受
けタイプの布線治具に渡して布線する電線の中間を、下
向き姿勢の開口部１０から受け入れて押え込むと共に、
その布線が終了すると、電線押え環１５を回動して開口
部１０を上向き姿勢になし、その開口部１０から電線群
を取り出すようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】以上の公知例の電線押
えタイプの布線治具１Ａは、下向き姿勢の開口部１０へ
の電線挿入がしづらく、その上、電線押え環１５に挿入
した電線束を抜き出そうとして電線押え環１５を回動さ
せると、切欠円環体の電線押え環１５が支柱脚２との連
結点１１を回動中心とする図示矢印Ｃ方向の軌跡を描く
公転回転運動するので、環内に収納された電線群も、そ
の公転回転に追従移動せざるを得なく、布線治具１Ａの
両側に存在する電線受けタイプの布線部間に橋設されて
いる電線群を無理引きして、その公転回転に追従させ、
しかるのち、その公転回転最終位置になった上向き姿勢
の開口部１０から布線状態の電線群を取り出すことにな
る。

【０００６】以上から、その電線取り出しの手作業は、
かなりの熟練と操作力を要する難渋な作業になると共
に、電線押え環１５の回動に伴う電線の無理引きによっ
て、電線の布線形状の乱れを生ずることがあり、さら
に、その難渋な作業は、ワイヤハーネスの量産組立ライ
ンの一工程として行なわれるので、そのラインタクトを
遅速化させて当該生産性を阻害する一要因となってい
る。

【０００７】さらに、前記従来の電線押え環１５を要部
とするものは、環内へ挿入した電線群を有効に押え作用
するために、収納電線量に対する過大な環径が設定でき
ないので、組立るべきワイヤハーネスの配線形態が共通
にして電線量のみが異なる場合でも、例えば電線量の大
量・中量・少量用のキヤパシティー別のものを別体に準
備して、それ等を交換設定する段取り替えが必要とな
り、ワイヤハーネスの組立生産性の低下をもたらす不具
合がある。

【０００８】本発明は、以上の従来技術の難点を解消す
る電線押えタイプのワイヤハーネス組立図板用布線治具
を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】以上の技術課題を解決す
る本発明の布線治具は「ワイヤハーネス組立図板に立設
する支柱脚の上端に、上方開口溝形状の電線収納部を有
し、前記電線収納部は、開口部を開閉し、かつ、収納電
線を押え込む電線押え用回動レバーを備えた構造」にな
っている。

【００１０】即ち、本発明の電線押えタイプの布線治具
は、電線受けタイプの布線治具に入線布線した電線を、
上方開口の電線収納部に受け入れ、その電線収納部に備
えた電線押え用回動レバーによって、収納電線を押え込
んで、布線電線の盛り上がり異常を防止することを意図
するもので、その電線収納部は、ワイヤハーネスを構成
する大量・中量・少量等のいずれの電線群も収納できる
キヤパシティーに設定したり、収納する電線量に対応し
て回動レバーの押え位置の係止機構を設け、回動レバー
による押え過ぎを防止したり、或は、付勢ばねによる押
え付勢力を回動レバーに付与し、電線を弾性押えする態
様等が採択される。

【００１１】以上の構成の本発明の電線押えタイプの布
線治具は、布線電線を電線収納部に受けて回動レバーで
押え込むので、電線受けタイプの布線治具間に渡して布
線されて、その治具間で盛り上がり易い電線が有効に押
え込まれ、布線治具の電線受け部から電線が溢れ出すの
を防止できる。

【００１２】そして、その電線収納部への電線挿入と、
布線後の電線群の取り出しは、上方開口部を利用するの
で、その入出作業が極めてやり易くなると共に、その取
り出しのとき電線群に外力を与えることがないので、取
り出しに伴う布線姿勢の乱れがなく、布線品質が安定す
る。さらに、電線収納部内の電線量が多量・中量・少量
と変化しても、回動レバーの押え機能の影響はなく、電
線収納部の収納キヤパシティーを大中小に適宜設定し
て、多様な電線量の場合に共用できる。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明のワイヤハーネス組立図板
用布線治具は、下記のように実施される。

【００１４】まず、本発明第一の実施形態の布線治具１
Ａを図１を参照して説明する。即ち、布線治具１Ａはワ
イヤハーネス組立図板６に立設取着するストレートバー
形状の支柱脚２の上端に、バー材を曲成した略Ｕ字形状
を有し、かつ、上方を開口部１０とする電線収納部３を
有し、この電線収納部３には、支点１１によって端部を
回動自在に支承されて、開口部１０を開閉する電線押え
用回動レバー４が設けられている。

【００１５】詳しくは、この実施形態の電線収納部３
は、Ｕ字状をなす第一収納部５の上に、第二収納部６を
連設して連通した形状を有し、この第二収納部６は、第
一収納部５を構成するＵ字片の一方を上方に伸長した固
定片９と前記Ｕ字片の他方の上端に連結した電線押え用
回動レバー４が立ち上がった姿勢で枠囲いする形状から
なり、第二収納部６は第一収納部５よりＵ字幅が広くな
る構造を有し、この第一収納部５と第二収納部６が開口
部１０から受け入れた電線１３が少量の場合は第一収納
部５のみに、中量・多量の場合は第一収納部５と第二収
納部６に収納して保持する。

【００１６】そして、回動レバー４は、指先で容易に回
動して開口部１０に開閉できると共に、固定片９の上下
方向三段に配設した係止ピン７Ａ・７Ｂ・７Ｃのいずれ
かに係合する係止溝８を有し、この係止ピン７Ａ・７Ｂ
・７Ｃを択一して係止溝８を係合させることによって、
開口部１０を回動レバー４で閉じた電線収納部３の電線
収納キヤパシティーが大量・中量・少量に対応できる。
なお、係止ピン７と係止溝８のかみ合い係合は、回動レ
バー４の不必要な移動を係止し、かつ、指先で極めて容
易に係合解離ができる係止機構をなしている。

【００１７】そして、以上の布線治具１Ａは（図１の
（Ｃ）参照）、支柱脚２の上端にＵ字状の布線部１２を
有する電線受けタイプの布線治具１Ｂの中間に立設さ
れ、両隣の布線治具１Ｂに入線布線して渡す電線群１３
を、１本〜２本または数本づつに別けて行う入線布線作
業のつど、回動レバー４を開放姿勢にして、電線収納部
３に受け入れて保持し、そのつど回動レバー４を閉じて
係止ピン７Ａ・７Ｂ・７Ｃを択一した閉鎖姿勢にして押
え込む。そして、電線１３の全量が入線布線された後
に、その電線群１３が開口部１０から取り出される。

【００１８】以上の図１の電線押えタイプの布線治具１
Ａは、電線１３の入出が極めて容易にできると共に、回
動レバー４によって電線１３の中間盛り上がりによる布
線姿勢崩れが有効に防止され、布線治具１Ｂの電線受け
部から電線が溢れ出すのを防止できる。そして、係止ピ
ン７Ａ・７Ｂ・７Ｃの択一によって電線量に対応した
「回動レバー４による有効な押え」ができるので、電線
量の多少に関係なく共用できる。

【００１９】なお、本発明の布線治具１Ａは、前記の実
施形態に限定されず、図２例示のように電線収納部３を
通常のＵ字溝形状にしたり、回動レバー４の下死点閉鎖
姿勢を規制するストッパーピン１４を設けて、前記の係
止溝８と係止ピン７を省略したり、さらに、図示しない
が、支点ピン１１を、ばね装着の付勢ピンにして回動レ
バー４が収納電線に弾接する構造にすることがある。こ
の回動レバーの３単接構造のものは収納電線の押え込み
作用が一段と有効になる。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明のワイヤハ
ーネス組立図板用布線治具は、布線電線群の布線姿勢の
乱れを防止する電線押えタイプのものにおいて、電線群
の入出操作がし易く、かつ、布線姿勢の電線群に外力を
与えないで自由状態に解放できるので、布線治具から外
す際の布線姿勢の崩れがなく、布線品質が向上する。そ
して、その入出作業性の向上によって、ワイヤハーネス
量産組立ラインのラインタクトの遅速化を防止すると共
に、電線量の多少に関係なく共用できるので、布線治具
の点数少数化と、無駄な段取り替え作業の省略によっ
て、ワイヤハーネスの組立生産性を向上する。以上の諸
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施形態のワイヤハーネス組立図
板用布線治具を示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）はそ
の布線治具の係止機構を示す拡大側面図、（Ｃ）はその
作用状態を示す斜視図

【図２】本発明の他の実施形態のワイヤハーネス組立図
板用布線治具の正面図

【図３】従来のワイヤハーネス組立図板用布線治具の正
面図

【符号の説明】

１Ａ 電線押えタイプの布線治具 １Ｂ 電線受けタイプの布線治具 ２ 支柱脚 ３ 電線収納部 ４ 電線押え用回動レバー ５ 第一収納部 ６ 第二収納部 ７ 係止ピン ８ 係止溝 ９ 固定片 １０ 開口部 １１ 支点ピン １２ 布線部 １３ 電線

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイヤハーネス組立図板に立設する支柱
   脚の上端に、上方開口溝形状の電線収納部を有し、前記
   電線収納部は、開口部を開閉し、かつ、収納電線を押え
   込む電線押え用回動レバーを備えた構造を特徴とするワ
   イヤハーネス組立図板用布線治具。
2. 【請求項２】 収納する電線の容量別に、電線押え用回
   動レバーの押え位置の係止機構を設けた請求項１のワイ
   ヤハーネス組立図板用布線治具。
3. 【請求項３】 電線押え用回動レバーに、電線押え方向
   に付勢する付勢ばねを装着した請求項１または請求項２
   のワイヤハーネス組立図板用布線治具。