JPH09146028A - ポリゴンミラー駆動装置 - Google Patents

ポリゴンミラー駆動装置

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Publication number
JPH09146028A
JPH09146028A JP7307292A JP30729295A JPH09146028A JP H09146028 A JPH09146028 A JP H09146028A JP 7307292 A JP7307292 A JP 7307292A JP 30729295 A JP30729295 A JP 30729295A JP H09146028 A JPH09146028 A JP H09146028A
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JP
Japan
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rotor
polygon mirror
bracket
fixed
shaft
Prior art date
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Pending
Application number
JP7307292A
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English (en)
Inventor
Michiharu Yamamoto
三千治 山本
Yasuo Saeki
康雄 佐伯
Hironobu Nishida
博信 西田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャフトの両端に動圧流体軸受を備えたポリ
ゴンミラー駆動装置において、潤滑油のミラーへの飛散
を防止し、組立を容易に行なうとともに軸受の損傷を防
止し、異常振動を抑えるとともに軸ロスを低減する。 【解決手段】 ラビリンス部にスパイラル溝20a、2
0bを設けるとともに通気穴31、32と33を設け、
発生する風で潤滑油を押し戻すようにした。また、上側
軸受部にロータ挿入後ステータを組み込む構成とし、磁
気スラストによる軸受の損傷を防止した。また、シャフ
ト3を全長にわたって小径の一様径とし、ロータボス2
とロータヨーク9にわたってマグネット8を嵌合固定
し、シャフト3のたわみによる異常振動を防止し、軸ロ
スを低減した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリゴンミラー駆
動装置に関し、より詳細には20000rpmを越える
ような高速回転で運転される安価で耐久性に優れたポリ
ゴンミラー駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザービームプリンタ等でポリ
ゴンミラーを回転駆動するポリゴンミラー駆動装置は、
印字スピードの高速化と高精度印字という点から200
00rpm以上の回転速度でしかも低振動や低騒音や低
発熱や低消費電流の要求が強くなっている。その軸受と
して、一般的にボールベアリングを使用するが、200
00rpmまでが限界であり、動圧空気軸受は性能的に
優れているが、非常に高価という問題があった。また、
潤滑油による動圧流体軸受を採用した例は、特開平2−
308119号公報や特開平3−37411号公報等に
開示されているが、その回転数は10000rpm程度
の回転速度である。そのため、動圧流体軸受に軸受部の
軸径が細くできて軸ロスの低減が可能な方式である軸の
両端に軸受を配置した所謂軸両端支持構造の方式が考え
出されている。軸両端支持方式を採用したポリゴンミラ
ー駆動装置の例は特開昭60−22115号公報に開示
されている。
【0003】以下に、従来のホリゴンミラー駆動装置に
ついて図2を参照して説明する。
【0004】図2において、ポリゴンミラー41はロー
タボス42に固定され、さらにシャフト43が嵌入固定
されている。シャフト43は上端部と下端部に設けた一
対のボールベアリング44a、44bにて回転自在に支
持されている。ボールベアリング44aは上ケース45
とシャフト43の間に、ボールベアリング44bはブラ
ケット47とシャフト43の間にそれぞれ介装されてい
る。上ケース45とブラケット47とは下ケース46を
間に挟み込んで互いに固定されている。シャフト43の
下部外周には下ロータプレート48が直交するようにバ
ランサ49とともに固定され、下ロータプレート48の
上面には下マグネット50bが固定されている。ロータ
ボス42の下方には上ロータプレート51が装着され、
その下面には上マグネット50aが固定されている。上
下のマグネット50a、50bの中間位置にはコイル群
52が配設されたステータ基板53が設けられ、下ケー
ス46に固定されている。
【0005】また、ポリゴンミラー41の上面にはリン
グ状の凸部群55を備えた波板54が固定され、上ケー
ス45の内側に凸部群55が嵌入されるリング状の凹部
群57を備えた波板56が垂下固定され、2枚の波板5
4、55を嵌め合わせることで潤滑油流動防止装置(以
下、ラビリンスと称する)が構成されている。
【0006】以上のように構成されたポリゴンミラー駆
動装置について、以下その動作について説明する。ま
ず、コイル群52に電流が流れると上マグネット50a
及び下マグネット50bとの間で駆動力が発生し、シャ
フト43とともにポリゴンミラー41が回転をはじめ、
スキャニングを行なう。このとき、ボールベアリング4
4aより飛散した潤滑油のポリゴンミラー41の鏡面へ
の付着をラビリンスにより防止している。
【0007】また、シャフト43をボールベアリング4
4aに挿入後、コイル群52及びステータ基板53が取
付けられた下ケース46を上ケース45に固定し、次に
下マグネット50b及び下ロータプレート48が配置さ
れたバランサ49をシャフト43に固定し、最後にブラ
ケット47に装着されたボールベアリング44bにシャ
フト43を嵌入させるとともにブラケット47を下ケー
ス46に固定することにより、組み込み時に発生する磁
気吸引力による衝撃が軸受部に働かないようにしてい
る。さらに、シャフト43をその中央部を両端の軸径よ
り太くするいわゆる段付き構造のシャフト形状とするこ
とにより、軸受部と接する軸両端部の軸径のみを細くし
て軸周速を減らすとともに、高速回転における軸のたわ
みの影響を排除している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、次のような問題点がある。
【0009】(1)たとえラビリンスで潤滑油のポリゴ
ンミラー41への飛散を初期的に防止できても、長期的
には潤滑油はラビリンスを越えてポリゴンミラー41の
鏡面まで達してしまい、特に動圧流体軸受のように粘度
及び稠度が低い潤滑油を20000rpmを越えるよう
な高速回転で使用する場合、大きな遠心力のため余剰油
が即座に鏡面を汚し、光学性能を著しく劣化させる。
【0010】(2)また、ポリゴンミラー駆動装置組立
時のロータのマグネットとステータとの間で働く磁気吸
引力による衝撃を避け、軸受部に損傷を与えないように
するため、上ケース、下ケース、ブラケットの3部品で
ロータを包み込むような構造としているが、3部品の嵌
合公差が累積すると軸受部にカジリやコジレが発生して
しまい、そのためそれぞれの部品単品の加工精度を大幅
に向上させる必要が生じ、コスト高となる。特に、動圧
流体軸受のように軸受部に高精度が要求された場合に
は、さらに高加工精度が要求されることは言うまでもな
い。
【0011】(3)また、いわゆる段付き構造のシャフ
トでは、当然のことながらシャフト両端にわたる軸径公
差や同軸度や表面粗さ等の精度が出しにくく、そのため
上ケース、下ケース、ブラケット等の部品にさらに厳し
い寸法精度が要求され、コスト高となる。さらに、動圧
流体軸受のように軸受部に高精度が要求される場合、軸
受性能の悪化の要因となってしまう。また、ロータボス
の全長を長くしてシャフト両端の軸受に挿入される箇所
以外をロータボスで嵌合固定し、等価的に段付き構造の
シャフトにすることが考えられるが、軸スパンが長くな
るほどロータボスの内径加工部分は小径で加工距離が長
くなってしまい、内径加工は困難を極め、必然的にロー
タボスを2体以上に分割しても、高速回転時の様々な振
動成分は分割箇所でのシャフトに集中するために、シャ
フトが撓んで異常振動を引き起こしてしまう。
【0012】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、20
000rpmを越えるような超高速回転で運転されて
も、低振動で低騒音、そして安価で信頼性に優れたポリ
ゴンミラー駆動装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のポリゴンミラー
駆動装置は、ポリゴンミラーを有するロータを固定した
シャフトの両端を、ロータの上部と下部をそれぞれ取り
囲むカバーとブラケットに設けた動圧流体軸受を構成す
る第1と第2の軸受スリーブにて支持したポリゴンミラ
ー駆動装置において、ロータ天面と第1の軸受スリーブ
若しくはカバーとの間、又はロータ底面と第2の軸受ス
リーブ若しくはブラケットとの間にラビリンス部を形成
するとともに、ラビリンス部にスパイラル状の溝を設
け、ラビリンス部と軸受スリーブの動圧発生部間に形成
される空間と外部とを連通する第1の通気穴を設け、さ
らにカバー及びブラケットとラビリンス部との間に形成
される空間と外部とを連通する第2の通気穴を設けるこ
とにより、スパイラル状の溝により発生する動圧により
遠心力と逆に中心方向に風の流れを生じ、軸受より飛散
した潤滑油を押し戻し、ポリゴンミラーを汚染するよう
なことはない。
【0014】スパイラル状の溝を有するラビリンス部又
はリング状の凹部若しくは凸部に撥油性剤を塗布する
と、潤滑油が付着せず、効果的に戻すことができて、さ
らに効果を発揮する。
【0015】また、第1の通気穴又は第2の通気穴の内
少なくとも一方にエアフィルタを装着すると、粉塵等が
ポリゴンミラー駆動装置内に入り込むのを防止できる。
【0016】また、マグネットと対向した位置に配置す
るステータをホルダーを介してカバーに固定するととも
に、ステータ又はホルダーの上方とロータとの間のスラ
スト方向の最小隙間長を第1の軸受スリーブのヘリング
ボーン溝形成部分の長さより短くすると、組立時にマグ
ネットとステータとの間で働く磁気吸引力による衝撃が
働かず、軸受に損傷を与えるようなことがない。また、
ブラケットカバーのブラケットとの嵌合部とホルダーと
の嵌合部を同時加工することができるため、従来の3部
品での嵌合公差の累積が2部品となり、軸受部にカジリ
やコジレの発生を抑え、かつそれぞれの部品単品の加工
精度をゆるめることができ、コスト低減が可能となる。
さらに、ステータまたはホルダーの上方とロータ間と構
成されるスラスト方向の最小隙間をブラケットカバー側
の軸受スリーブ内周面のヘリングボーン溝の長さより短
くすることにより、たとえロータがマグネットとステー
タとの間で働く磁気吸引力で引っ張られても、最小隙間
を越えて移動することはないので、シャフト先端部が第
1のスリーブから抜け落ちることはない。
【0017】また、ロータボスの下方のシャフトに同軸
に円筒状ロータヨークを固定するとともに、ロータボス
の下部にはロータヨークと同じ外径を持つ円筒状部を設
け、ロータボスの円筒状部外周と円筒状ロータヨーク外
周にわたって円筒型マグネットを嵌合固定すると、ロー
タボスのシャフトとの嵌合長さを短くすることができ、
小径のロータボス内径加工精度を向上でき、ポリゴンミ
ラー取付部分の精度を向上を図れ、ポリゴンミラー鏡面
の面倒れ精度が向上するとともに、軸径を細くして軸周
速を減らせるので、軸ロスの低減が可能となり、高速回
転に適応できる。また、ロータボスとロータヨークを共
にマグネットに嵌合させるため、ロータボスとロータヨ
ークとの接点での小径シャフトの高速回転時のたわみを
抑え、異常振動を防止することができる。
【0018】さらに、ロータボスの下部に円筒型マグネ
ットと同じ外径を持つ第2の円筒状部を設け、第2の円
筒状部外周と円筒型マグネット外周にわたって円筒状の
非磁性材から成るマグネットカバーを嵌合固定すると、
比較的軟らかい材質のマグネットでも、マグネットの磁
気特性を失わずにシャフトのたわみを抑えるだけの十分
な強度を確保することが可能であり、さらには遠心力に
よるマグネットからの磁性粉の発生やマグネットの部分
的な脱落の心配もない。当然ながらシャフトはいわゆる
段付き構造をとる必要はなく、全長にわたり一様径のシ
ャフトでよいため、全長にわたる軸径公差や同軸度や表
面粗さ等の精度が出し易くなり、精度向上が図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリゴンミラー駆
動装置の一実施形態について、図1を参照して説明す
る。
【0020】図1において、シャフト3は、軸受スリー
ブ4及び軸受スリーブ5の内径孔に対して回転可能に嵌
合されている。軸受スリーブ5はブラケット17に固定
されるとともに、その下端にはスラスト板16が配置さ
れている。シャフト3にはロータボス2が固定され、ロ
ータボス2の上部にはポリゴンミラー1が押え板11を
用いてねじ等(図示せず)で固定されている。シャフト
3のロータボス2の下方位置にはロータヨーク9が固定
され、さらにロータボス2の下部にはロータヨーク9と
同一外径を有する部分が設けられており、ロータヨーク
9とともにマグネット8が同時嵌合固定されている。ま
たマグネット8の下方にはバランスリング12が取付け
られている。さらにロータボス2の下部にはマグネット
8と同一外径を有する部分も設けられており、マグネッ
ト8及びバランスリング12とともにマグネットカバー
10で同時嵌合固定されている。
【0021】また、マグネット8と対向する位置にはス
テータコア6が設置されており、回転時の位置検出素子
(図示せず)が設置されているステータ基板7とともに
ホルダー13に固定され、そしてホルダー13はブラケ
ットカバー15に取付けられている。また、軸受スリー
ブ4はブラケットカバー15に固定されるとともに、そ
の上端には天板14が配置されている。さらにブラケッ
トカバー15のポリゴンミラー1の外周に対向する適所
に形成された開口にはガラス21が配置されている。
【0022】ロータボス2の上方にはリング状の凸部2
2aが設けられており、さらに凸部22aが嵌入するよ
うに軸受スリーブ4にはリング状の凹部23aが配置さ
れ、凸部22aとでラビリンスが形成されている。さら
に、軸受スリーブ4には通気穴31が設けられていると
ともに、凹部23aの外周側の内周面にはスパイラル溝
20aが刻設されている。同様に軸受スリーブ5の上方
にはリング状の凸部22bが設けられており、さらに凸
部22bが嵌入するように、ロータヨーク9にはリング
状の凹部23bが配置され、凸部22bとでラビリンス
が形成されている。さらに、同様に軸受スリーブ5には
通気穴32が設けられているとともに、凹部23bの内
周面にはスパイラル溝20bが刻設されている。さら
に、ブラケット17の底部には通気穴33が設けられる
とともに、通気穴33にはエアフィルタ34が配置され
ている。
【0023】また、スラスト板16には、シャフト3の
端部と対向する面にスパイラル溝18が刻設されて動圧
スラスト軸受が形成されている。また、軸受スリーブ4
の内周面には、シャフト3の外周面と対向する位置にヘ
リングボーン溝19aが刻設され、同様に軸受スリーブ
5の内周面にヘリングボーン溝19bが刻設され、動圧
ラジアル軸受が形成されている。このように構成された
回転体は潤滑油の動圧により非接触で回転する。
【0024】なお、ステータ基板7とロータボス2とで
構成されるスラスト方向の最小の隙間35は軸受スリー
ブ4の内周面のヘリングボーン溝19aの長さよりも短
い構成としている。
【0025】以上の構成によれば、ロータボス2の上方
のラビリンス部では通気穴33及びスパイラル溝20a
及び通気穴31により、ラビリンス部より中心方向へ遠
心力と逆に風の流れが発生し、軸受より飛散した潤滑油
をラビリンス部から押し戻し、ポリゴンミラーを汚染し
たりするようなことはない。同様にロータヨーク9の下
方のラビリンス部でも、通気穴33及びスパイラル溝2
0b及び通気穴32により、中心方向へ遠心力と逆の風
の流れが発生することにより、潤滑油を押し戻し、ポリ
ゴンミラーの汚染を防止する。なお、ラビリンス部に揮
油性剤を併用塗布すると、さらに効果がある。さらに、
通気穴33にエアフィルタ34を配置することにより、
粉塵等がポリゴンミラー駆動装置内部に入り込むことは
ない。
【0026】また、シャフト3を軸受スリーブ4に挿入
し組み立てた後、ステータコア6を取付けたホルダー1
3でブラケットカバー15に取付けるため、マグネット
とステータとの間で働く磁気吸引力による衝撃が働か
ず、軸受に損傷を与えるようなことがない。また、ブラ
ケットカバー15のブラケット17との嵌合部とホルダ
ー13との嵌合部を同時加工することができるため、従
来の3部品での嵌合公差の累積が2部品となるため、軸
受部にカジリやコジレの発生を抑え、かつそれぞれの部
品単品の加工精度をゆるめることができてコスト低減が
可能となる。
【0027】さらには、隙間35を軸受スリーブ4の内
周面のヘリングボーン溝19aの長さよりも短くするこ
とにより、たとえロータがマグネットとステータとの間
で働く磁気吸引力で引っ張られても、隙間35の長さを
越えて移動することはないので、シャフト先端部が軸受
スリーブ4から抜け落ちることはない。
【0028】また、ロータボス2のシャフト3との嵌合
部の長さを短くすることにより、小径のロータボス内径
加工精度が向上でき、ポリゴンミラー1の取付部分の精
度アップが図れ、ポリゴンミラー鏡面の面倒れ精度が向
上するとともに、軸径を細くして軸周速を減らせるの
で、軸ロスの低減が可能となり、高速回転に適応でき
る。また、ロータボス2とロータヨーク9をマグネット
8にて同時嵌合させるため、ロータボス2とロータヨー
ク9との接点での小径のシャフト3の高速回転時のたわ
みを抑え、異常振動を防止することができる。
【0029】さらには、ロータボス2とマグネット8を
マグネットカバー10で同時嵌合させると、比較的軟ら
かい材質のマグネットでも、マグネットの磁気特性を失
わずにシャフト3のたわみを抑えるだけの十分な強度を
確保することが可能であり、さらには遠心力によるマグ
ネット8からの磁性粉の発生やマグネット8の部分的な
脱落の心配もない。当然ながらシャフト3はいわゆる段
付き構造をとる必要はなく、全長にわたって一様径のシ
ャフトでよいため、全長にわたる軸径公差や同軸度や表
面粗さ等の精度が出しやすくなり、精度向上が図れる。
【0030】なお、上記実施形態において砲金等で作ら
れる2個の軸受スリーブ4、5はアルミダイカストで作
られるブラケット17とブラケットカバー15にビスに
て取付けてもよいし、軸受スリーブ4、5の素材を鋳込
み、切削加工にて孔加工を行い、その後ヘリングボーン
溝の加工を施してもよい。
【0031】また、インナーロータ型の実施形態を示し
たが、アウターロータ型や平面対向型でもよい。
【0032】また、スラスト受けには、動圧によるロー
タ浮上方式の例を示したが、シャフト3の先端部を球状
にするとともにスラスト板16に摺動剤を用いた、いわ
ゆるピボット型のスラスト受け方式でもよい。
【0033】なお、上側ラビリンスはロータボス2や軸
受スリーブ4だけでなく、ブラケットカバー15や押え
板11やポリゴンミラー1に設けてもよく、下側のラビ
リンスはロータヨーク9や軸受スリーブ5だけでなく、
ブラケット17やバランスリング12に設けてもよい。
【0034】さらには、ラビリンス部に刻設されるスパ
イラル溝20a、20bは、凹部23a、23bの外周
側の内周面だけでなく、外周面や内底面に設けてもよい
し、同様に凸部22a、22b側に設けてもよい。
【0035】また、エアフィルタ34は通気穴33だけ
でなく、すべての通気穴31、32、34に設けてもよ
い。
【0036】
【発明の効果】本発明のポリゴンミラー駆動装置によれ
ば、以上の説明から明らかなように、ポリゴンミラーを
有するロータを固定したシャフトの両端を動圧流体軸受
を構成する軸受スリーブにて支持したポリゴンミラー駆
動装置において、ロータ天面又は底面とこれに対向する
軸受スリーブ若しくは固定側部材との間に形成したラビ
リンス部に、スパイラル状の溝を設けるとともに、ラビ
リンス部と軸受スリーブの動圧発生部間に形成される空
間と外部とを連通する第1の通気穴と、ラビリンス部の
周囲の空間と外部とを連通する第2の通気穴とを設ける
ことにより、スパイラル状の溝により発生する動圧によ
り遠心力と逆に中心方向に向かう風の流れを生じさせて
軸受より飛散した潤滑油を押し戻すことができ、ポリゴ
ンミラーの汚染を確実に防止することができる。
【0037】スパイラル状の溝を有するラビリンス部に
撥油性剤を塗布すると、潤滑油が付着せず、効果的に戻
すことができて、さらに効果を発揮する。
【0038】また、第1の通気穴又は第2の通気穴の内
少なくとも一方にエアフィルタを装着すると、粉塵等が
ポリゴンミラー駆動装置内に入り込むのを防止できる。
【0039】また、マグネットと対向した位置に配置す
るステータをホルダーを介してカバーに固定するととも
に、ステータ又はホルダーの上方とロータとの間のスラ
スト方向の最小隙間長を第1の軸受スリーブのヘリング
ボーン溝形成部分の長さより短くすると、組立時にマグ
ネットとステータとの間で働く磁気吸引力による衝撃が
働かず、軸受に損傷を与えるようなことがなく、またブ
ラケットカバーのブラケットとの嵌合部とホルダーとの
嵌合部を同時加工することができるため、従来の3部品
での嵌合公差の累積が2部品となり、軸受部にカジリや
コジレの発生を抑え、かつそれぞれの部品単品の加工精
度をゆるめることができ、コスト低減が可能となる。さ
らに、ステータまたはホルダーの上方とロータ間と構成
されるスラスト方向の最小隙間をブラケットカバー側の
軸受スリーブ内周面のヘリングボーン溝の長さより短く
することにより、たとえロータがマグネットとステータ
との間で働く磁気吸引力で引っ張られても、最小隙間を
越えて移動することはないので、シャフト先端部が第1
のスリーブから抜け落ちることはない。
【0040】また、ロータボスの下方のシャフトに同軸
に円筒状ロータヨークを固定するとともに、ロータボス
の下部にロータヨークと同じ外径を持つ円筒状部を設
け、ロータボスの円筒状部外周と円筒状ロータヨーク外
周にわたって円筒型マグネットを嵌合固定すると、ロー
タボスのシャフトとの嵌合長さを短くすることができ、
小径のロータボス内径加工精度を向上できてポリゴンミ
ラー鏡面の面倒れ精度が向上するとともに、軸径を細く
して軸周速を減らせるので、軸ロスの低減が可能とな
り、高速回転に適応できる。また、ロータボスとロータ
ヨークを共にマグネットに嵌合させるため、ロータボス
とロータヨークとの接点での小径シャフトの高速回転時
のたわみを抑え、異常振動を防止することができ、また
シャフトはいわゆる段付き構造をとる必要はないので、
全長にわたる軸径公差や同軸度や表面粗さ等の精度が出
し易くなり、精度向上が図れる。
【0041】さらに、ロータボスの下部に円筒型マグネ
ットと同じ外径を持つ第2の円筒状部を設け、第2の円
筒状部外周と円筒型マグネット外周にわたって円筒状の
非磁性材から成るマグネットカバーを嵌合固定すると、
比較的軟らかい材質のマグネットでも、マグネットの磁
気特性を失わずにシャフトのたわみを抑えるだけの十分
な強度を確保することができ、さらに遠心力によるマグ
ネットからの磁性粉の発生やマグネットの部分的な脱落
の心配もなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のポリゴンミラー駆動装置
を示し、(a)は全体構成を示す断面図、(b)はスラ
スト板の上面図、(c)はラビリンス部の部分断面図で
ある。
【図2】従来例のポリゴンミラー駆動装置の全体構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 ポリゴンミラー 2 ロータボス 3 シャフト 4 軸受スリーブ 5 軸受スリーブ 6 ステータコア 8 マグネット 9 ロータヨーク 10 マグネットカバー 13 ホルダー 15 ブラケットカバー 17 ブラケット 20a スパイライル溝 20b スパイライル溝 22a 凸部 22b 凸部 23a 凹部 23b 凹部 31 通気穴 32 通気穴 33 通気穴 34 エアフィルタ 35 隙間

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリゴンミラーを有するロータを固定し
    たシャフトの両端を、ロータの上部と下部をそれぞれ取
    り囲むカバーとブラケットに設けた動圧流体軸受を構成
    する第1と第2の軸受スリーブにて支持したポリゴンミ
    ラー駆動装置において、ロータ天面と第1の軸受スリー
    ブ若しくはカバーとの間、又はロータ底面と第2の軸受
    スリーブ若しくはブラケットとの間にラビリンス部を形
    成するとともに、ラビリンス部にスパイラル状の溝を設
    け、ラビリンス部と軸受スリーブの動圧発生部間に形成
    される空間と外部とを連通する第1の通気穴を設け、さ
    らにカバー及びブラケットとラビリンス部との間に形成
    される空間と外部とを連通する第2の通気穴を設けたこ
    とを特徴とするポリゴンミラー駆動装置。
  2. 【請求項2】 回転自在に軸架したシャフトの外周にこ
    れと直角に取付けた断面L字状筒状体のロータボスに固
    定したポリゴンミラーを有するロータと、ロータを下方
    から取り囲むカップ状ブラケットと、ロータを上方から
    包み込むようにブラケットの開放端に取付けられたカバ
    ーとを備え、カバー中央にヘリングボーン溝を形成した
    第1の軸受スリーブを固定するとともに、ブラケットの
    中央にヘリングボーン溝を形成した第2の軸受スリーブ
    を固定してシャフトの両端部によって動圧流体軸受を構
    成したポリゴンミラー駆動装置において、ロータ天面に
    少なくとも1つ以上のリング状の凹部又は凸部を設け、
    またリング状の凹部又は凸部が嵌入するリング状の凸部
    又は凹部を対向するカバー側又は第1の軸受スリーブ側
    に設け、リング状の凹部又は凸部のロータ天面側又は対
    向するカバー側若しくは第1のスリーブ側の少なくとも
    一方にスパイラル状の溝を設け、リング状の凹部又は凸
    部と第1の軸受スリーブの動圧発生部との間に形成され
    る空間と外部とを連通する第1の通気穴をカバーまたは
    第1の軸受スリーブに設け、さらにカバー及びブラケッ
    ト及びリング状の凹部又は凸部との間に形成される空間
    と外部とを貫通する第2の通気穴をカバー若しくはブラ
    ケットに設けたことを特徴とするポリゴンミラー駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 回転自在に軸架したシャフトの外周にこ
    れと直角に取付けた断面L字状筒状体のロータボスに固
    定したポリゴンミラーを有するロータと、ロータを下方
    から取り囲むカップ状ブラケットと、ロータを上方から
    包み込むようにブラケットの開放端に取付けられたカバ
    ーとを備え、カバー中央にヘリングボーン溝を形成した
    第1の軸受スリーブを固定するとともに、ブラケットの
    中央にヘリングボーン溝を形成した第2の軸受スリーブ
    を固定してシャフトの両端部によって動圧流体軸受を構
    成したポリゴンミラー駆動装置において、ロータ底面に
    少なくとも1つ以上のリング状の凹部又は凸部を設け、
    またリング状の凹部又は凸部が嵌入するリング状の凸部
    又は凹部を対向するブラケット側又は第2の軸受スリー
    ブ側に設け、リング状の凹部又は凸部のロータ底面側又
    は対向するブラケット側若しくは第2のスリーブ側の少
    なくとも一方にスパイラル状の溝を設け、リング状の凹
    部又は凸部と第2の軸受スリーブの動圧発生部との間に
    形成される空間と外部とを連通する第1の通気穴をブラ
    ケットまたは第2の軸受スリーブに設け、さらにカバー
    及びブラケット及びリング状の凹部又は凸部との間に形
    成される空間と外部とを貫通する第2の通気穴をカバー
    若しくはブラケットに設けたことを特徴とするポリゴン
    ミラー駆動装置。
  4. 【請求項4】 スパイラル状の溝を有するラビリンス部
    又はリング状の凹部若しくは凸部に揮油性剤を塗布した
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のポリゴンミ
    ラー駆動装置。
  5. 【請求項5】 第1の通気穴又は第2の通気穴の内少な
    くとも一方にエアフィルタを装着したことを特徴とする
    請求項1、2、3又は4記載のポリゴンミラー駆動装
    置。
  6. 【請求項6】 回転自在に軸架したシャフトの外周にこ
    れと直角に取付けた断面L字状筒状体のロータボスに固
    定したポリゴンミラーを有するロータと、ロータに固定
    されたマグネットと、ロータを下方から取り囲むカップ
    状ブラケットと、ロータを上方から包み込むようにブラ
    ケットの開放端に取付けられたカバーとを備え、カバー
    中央にヘリングボーン溝を形成した第1の軸受スリーブ
    を固定するとともに、ブラケットの中央にヘリングボー
    ン溝を形成した第2の軸受スリーブを固定してシャフト
    の両端部によって動圧流体軸受を構成したポリゴンミラ
    ー駆動装置において、マグネットと対向した位置に配置
    するステータをホルダーを介してカバーに固定するとと
    もに、ステータ又はホルダーの上方とロータとの間のス
    ラスト方向の最小隙間長を第1の軸受スリーブのヘリン
    グボーン溝形成部分の長さより短くしたことを特徴とす
    るポリゴンミラー駆動装置。
  7. 【請求項7】 回転自在に軸架したシャフトの外周にこ
    れと直角に取付けた断面L字状筒状体のロータボスに固
    定したポリゴンミラーを有するロータと、ロータに固定
    されたマグネットと、ロータを下方から取り囲むカップ
    状ブラケットと、ロータを上方から包み込むようにブラ
    ケットの開放端に取付けられたカバーとを備え、カバー
    中央にヘリングボーン溝を形成した第1の軸受スリーブ
    を固定するとともに、ブラケットの中央にヘリングボー
    ン溝を形成した第2の軸受スリーブを固定してシャフト
    の両端部によって動圧流体軸受を構成したポリゴンミラ
    ー駆動装置において、ロータボスの下方のシャフトに同
    軸に円筒状ロータヨークを固定するとともに、ロータボ
    スの下部にロータヨークと同じ外径を持つ円筒状部を設
    け、ロータボスの円筒状部外周と円筒状ロータヨーク外
    周にわたって円筒型マグネットを嵌合固定したことを特
    徴とするポリゴンミラー駆動装置。
  8. 【請求項8】 ロータボスの下部に円筒型マグネットと
    同じ外径を持つ第2の円筒状部を設け、第2の円筒状部
    外周と円筒型マグネット外周にわたって円筒状の非磁性
    材から成るマグネットカバーを嵌合固定したことを特徴
    とする請求項7記載のポリゴンミラー駆動装置。
JP7307292A 1995-11-27 1995-11-27 ポリゴンミラー駆動装置 Pending JPH09146028A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005352059A (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Ricoh Co Ltd 光偏向器、光偏向器の製造方法、光走査装置及び画像形成装置
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