JPH08140304A - モータ及びその製造方法 - Google Patents
モータ及びその製造方法Info
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- JPH08140304A JPH08140304A JP30314694A JP30314694A JPH08140304A JP H08140304 A JPH08140304 A JP H08140304A JP 30314694 A JP30314694 A JP 30314694A JP 30314694 A JP30314694 A JP 30314694A JP H08140304 A JPH08140304 A JP H08140304A
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Abstract
流体潤滑剤を用いても、トルク損失が少なくモータ効率
が図れ、容易に製造できること。 【構成】 静止部材1と、前記静止部材1に対して相対
回転支持される回転部材3と、前記静止部材1と前記回
転部材3との間に介在された流体潤滑剤による動圧軸受
手段C,Dと、を具備したモータである。前記動圧軸受
手段C,Dには、相対する前記静止部材1と前記回転部
材3とのいずれかに動圧発生溝部が設けられ、前記動圧
発生溝部の動圧発生端部側には、前記動圧発生溝部にお
ける前記静止部材1と前記回転部材3とによる半径方向
間隙よりも、該間隙が前記動圧発生端部外側へ向けて順
次大きくなるテーパ状間隙部が設けられている。そして
前記回転部材3と前記静止部材1とが対向する軸受支持
部位のうち、実質上前記動圧発生溝部及び前記テーパ状
間隙部を除く部位に、前記流体潤滑剤を撥油する撥油剤
が塗布された。
Description
用いたモータに関する。
まれるブラシレスモータは、駆動負荷の性質上、回転部
材を高精度に支持すると共に、振れやガタツキを極力抑
えた精度良い回転支持が要求される。こうした要求に応
えるため、軸受部分には従来のボールベアリングから、
オイルや空気等の流体潤滑剤を用いた動圧軸受手段へ置
き換えられ、それに伴う構成が種々提案されている。こ
れにより、回転ムラや振動等が低減され、高精度な軸受
支持が実現される。特に流体潤滑剤としてオイルやグリ
ース等を用いた動圧軸受手段では、これらの持つ粘性に
よって軸受剛性が高くなり、大きな回転負荷に対して良
好な軸受支持を得ることができる。
ば、軸受剛性を高くすることができる反面、介在される
オイルやグリース自体の粘性がモータの発生トルクに対
し損失として作用する。このため、同一構成のモータで
あればトルクの低下または実装電流の増加は避けられ
ず、モータの効率を低下せしめる。こうした問題に対処
するため、例えば特公昭62ー4565号公報に記載さ
れているように、動圧発生部位に応じて潤滑剤の粘度を
使い分け、損失トルクを可及的に低減させるよう提案さ
れている。しかしながら、近時におけるモータの小型化
・軽量化の傾向において、上記方策はその構造或いは製
造工程上、煩雑となり、必ずしも好適であるとはいい難
く、何等かの対策が望まれていた。また加えて、扱う潤
滑剤に対応して、潤滑剤の軸受部あるいはモータ外部へ
の漏出を防止する方策も望まれていた。
問題点に鑑み行われたものであって、その課題とすると
ころは、動圧流体軸受にオイル等の比較的粘度の高い流
体潤滑剤を用いても、トルク損失が少なくモータの効率
が図れ、しかも製造の容易なモータ並びにその製造方法
を提供することにある。また併せて流体潤滑剤の漏出が
防止できるモータ及びその製造方法を提供することにあ
る。
に、本発明に係るモータは、静止部材と、前記静止部材
に対して相対回転支持される回転部材と、前記静止部材
と前記回転部材との間に介在された流体潤滑剤による動
圧軸受手段と、を具備したモータにおいて;前記動圧軸
受手段には、相対する前記静止部材と前記回転部材との
いずれかに動圧発生溝部が設けられ、前記動圧発生溝部
の動圧発生端部側には、前記動圧発生溝部における前記
静止部材と前記回転部材とによる半径方向間隙よりも、
該間隙が前記動圧発生端部外側へ向けて順次大きくなる
テーパ状間隙部が設けられ;前記回転部材と前記静止部
材とが対向する軸受支持部位のうち、実質上前記動圧発
生溝部及び前記テーパ状間隙部を除く部位に、前記流体
潤滑剤を撥油する撥油剤が塗布されてなるものである。
と、前記静止部材に対して相対回転支持される回転部材
と、前記静止部材と前記回転部材との間に介在された流
体潤滑剤による動圧軸受手段と、を具備したモータにお
いて;前記動圧軸受手段には、相対する前記静止部材と
前記回転部材とのいずれかに動圧発生パターン部が設け
られ、該動圧発生パターン部は、前記流体潤滑剤を撥油
する撥油剤により所定動圧発生模様が形成され;前記動
圧発生パターン部の動圧発生端部側には、前記動圧発生
パターン部における前記静止部材と前記回転部材とによ
る半径方向間隙よりも、該間隙が前記動圧発生端部外側
へ向けて順次大きくなるテーパ状間隙部が設けられ;前
記回転部材と前記静止部材とが対向する軸受支持部位の
うち、実質上前記動圧発生溝部及び前記テーパ状間隙部
を除く部位に、前記流体潤滑剤を撥油する撥油剤が塗布
されてなるものである。
造方法としては、前記回転部材と前記静止部材とが対向
する軸受支持部位には、予め前記撥油剤が塗布され、次
に前記動圧発生溝部及び前記テーパ状間隙部が加工され
ることにより、実質上前記両加工部位には前記撥油剤が
除去されるモータの製造方法が提供される。
製造方法としては、前記回転部材と前記静止部材とが対
向する軸受支持部位には、予め前記撥油剤が塗布され、
次に前記動圧発生パターン部の動圧発生模様及び前記テ
ーパ状間隙部が加工されることにより、実質上前記両加
工部位には前記撥油剤が除去されるモータの製造方法が
提供される。
とが対向する軸受支持部位のうち、実質上前記動圧発生
溝部及びテーパ状間隙部を除く部位に、流体潤滑剤を撥
油する撥油剤が塗布されている。このため、流体潤滑剤
は撥油剤が塗布されている部位では、撥油されるため、
軸受支持部位のうち動圧発生に伴う動圧軸受手段の部位
及テーパ状間隙部のみに流体潤滑剤が保持され、滞留す
る。そしてテーパ状間隙部は、流体潤滑剤が移動するよ
う作用を受けても、その作用力に対応して平衡する表面
張力及び毛細管現象により所定の間隙部分で保持される
シール手段をなす。従って回転部材と静止部材とが対向
する、それ以外の支持部位では、実質上、流体潤滑剤が
存在せず、流体潤滑剤は動圧発生に有効な動圧軸受手段
の部位と漏出防止のシール手段(テーパ状間隙部)の部
位のみに保持される。このため、回転部材が支持される
負荷トルクは低減され、粘度の高い流体潤滑剤用いたと
しても、モータのトルク損失を効果的に抑えることが可
能となる。
め撥油剤を軸受支持部位に塗布しておき、次に動圧軸受
手段を加工することで、その際に動圧発生溝部及びテー
パ状間隙部の部位の塗布が除去される。このため、撥油
剤の塗布を部分的に施さなくても、容易に実施できるた
め製造が簡単となる。これにより、モータの小型化に伴
って部品が小さくなったり、複雑な形状となっても容易
に塗布することができ、製造コストを低減することがで
きる。
圧軸受手段には、撥油剤により動圧発生模様が形成され
た動圧発生パターン部が設けられている。従って、上記
作用に加え、動圧発生溝を設けることなく、動圧発生部
が設けられるため、より製造コストを低減することがで
きる。これに加え流体潤滑剤の負荷トルクが低減されト
ルク損失を抑えることができると共に、流体潤滑剤の漏
出防止も図れる。
に予め撥油剤の塗布を軸受支持部位に施しておき、動圧
軸受手段を加工する際に動圧発生パターン部、そしてテ
ーパ状間隙部の加工する際にその間隙部、のそれぞれ撥
油剤が除去される。このため、撥油剤の塗布を部分的に
施さなくてもよく、また複雑な形状に対しても容易に塗
布することができ、製造コストの低減をはかることがで
きる。
の図面を参照しながら説明する。図1は、例えば記録デ
ィスクを回転駆動するためのモータであり、その全体を
示す断面図である。図2は図1の一部を拡大して示した
要部拡大断面図である。そして図3及び図4は、図2を
拡大して示した部分断面図である。さらに図5及び図6
は、図1に示した部材の断面または側面図である。
ミ合金から形成され、その中心部には上方(モータ内部
側)に隆起して形成されたボス部16が設けられてい
る。ボス部16には、その中央部において孔部15が設
けられ、シャフト2の下端部が嵌め込まれて固定されて
いる。シャフト2はハウジング1の取付面に対して、実
質上、垂直に取り付けられている。シャフト2は、例え
ば鉄基合金材等から形成されており、上端部側には円板
状をなすスラストプレート5が一体に設けられている。
スラストプレート5は、シャフト2の長手(軸心)方向
に対して、実質上、直角に形成されると共に、その上下
端部33,34の面が実質上平行となるよう形成されて
いる。なお、ハウジング1及びシャフト2により、本モ
ータの静止部材となす。
に、上下端部33,34において、環状に形成されたヘ
リングボーン状の動圧発生用溝45,46が設けられて
いる。そして上下端部33,34のそれぞれ外周端に
は、周方向に均一の肉厚を有した、先細り状のテーパ3
8,39が形成されている。一方、シャフト2の外周部
19における略中央部には、外周部19の外径寸法より
僅かに縮径して形成された縮径部35が設けられてい
る。そしてその上下方向の両側には、所定の外径寸法で
形成された外周面を有する外周部47,48が設けられ
ている。外周部47,48は、これらと半径方向に外嵌
して対面するスリーブ4とにより、ラジアル動圧軸受部
A,Bが構成される。スリーブ4の内周部31の対応部
には、図5に示すように周方向に形成されたヘリングボ
ーン状の動圧発生用溝50,51が設けられている。
部材)3は、略円筒状をなすスリーブ4と、スリーブ4
の外周側に固定されたハブ10とを有している。ハブ1
0は、例えばアルミ合金から形成され、その外周部49
に例えば回転負荷としての記録ディスク(図示省略)が
外嵌して装着される。ハブ10の鍔41は記録ディスク
が受け止めるためであり、孔部20はクランプ部材を取
り付るためのネジ孔、そして孔部21は記録ディスクを
固定する際の回り止めのためのケレ孔である。
筒状の周壁24と、その上部に一体に設けられた拡径部
25とからなり、これらはシャフト2に対して同軸状に
形成されている。スリーブ4は鉛青銅等の銅合金材料か
ら形成されている。スリーブ4の拡径部25には、内周
側に段部26,27が形成されており、段部26には、
軸線方向に貫通した貫通孔30,30が回転対称状に2
箇所設けられている。スリーブ4における周壁24の上
端部44は、スラストプレート5の下端部34と上下
(軸)方向へ対向し、動圧発生用溝46とにより、スラ
ストプレート下側のスラスト動圧軸受部Dが構成され
る。
バー6が設けられている。スラストかバー6はスリーブ
上端部32の溝部が加締められて固定されている。そし
てスラストカバー6の下端部52とスラストプレート5
の上端部33とが上下(軸)方向へ対向し、動圧発生用
溝45によりスラストプレート下側のスラスト動圧軸受
部Cが構成される。これら動圧軸受A,B,C,Dには
いずれも流体潤滑剤であるオイルが介在するよう充填さ
れ、もってロータ3はシャフト2に対して回転自在に支
持される。
上部に段部17が形成され、段部17にステータ7が固
定されている。ステータ7は、所定の磁極歯を有するス
テータコア12に、ステータコイル11が巻回されてな
る。ステータコイル11から引き出されたコイルリード
線13は、ハウジング上に貼着されたフレキシブル回路
基板14に接続され、さらに図示省略する接続線は絶縁
ブッシュ23を介してモータ外部へ導出される。ステー
タ7と半径方向へ対向したハブ10側には、磁性ヨーク
9を介してロータマグネット8が装着されている。
B,C,Dには、いずれもオイルが介在して設けられて
いるが、そのオイルの保持状態について図3及び図4を
中心に以下、更に説明する。スラスト動圧軸受部C,D
における間隙、即ちスラストカバー6の下端部52とス
ラストプレート5の上端部33との間隙、そしてスラス
トプレート5の下端部34とスリーブ4の端部44との
間隙、のそれぞれには、オイルが毛細管現象により保持
されている。スラストプレート5の外周側には上下のテ
ーパ部38,39が形成されているため、それぞれの間
隙(テーパ状間隙部)に保持されたオイルは、モータの
回転・停止等によるオイルの移動や変動が発生しても、
テーパ部38,39の間における間隙で、表面張力及び
毛細管現象の作用により、それに見合う平衡した所定の
位置で保持される。従ってこれらの部位において、オイ
ルの変動を実質的に吸収するシール手段となす。そして
これらの対応するそれぞれの面には、撥油剤等は塗布さ
れていない。
ーブ4の端部44から段部27へ連設する環状壁55
と、スラストカバー6の下端部52と、により閉塞され
る環状の空間53が生成されている。もし、モータへの
衝撃等が加えられた場合、動圧軸受部C,Dに介在され
たオイルが空間53へ飛散しても、空間53内の環状壁
55や(スリーブ4の)端部44等にて捕捉されて保持
され、しかるべく元の動圧軸受部C,Dへ回収される。
空間53を規定する表面には、オイルを撥油する撥油剤
が塗布され、オイルの滑性を高めるよう図られている。
なお、段部26に設けられた貫通孔30により、モータ
外部と空間53とが連通しており、モータ内外部の気圧
差が解消される。このため、モータの温度上昇でオイル
等に含有する空気が膨張しても、モータ外部へオイルが
押し出されることはない。貫通孔30の開口54が段部
26の上端に設けられているのは、端部44上などに飛
散して滞留したオイルが容易に貫通孔30から漏れ出な
いようにするためである。
端部80は、テーパ状に形成されている(テーパ部8
0)。これにより、テーパ部80とスラストプレート5
(及びシャフト外周部19)との間でテーパ状間隙部が
形成され、スラスト動圧軸受部Cのオイルがモータ外部
方向(図の上方)へ移動するよう作用力を受けても、こ
の間隙部で保持され、実質上シール効果が得られる。こ
れら対応する部分の面には、撥油剤が塗布されていな
い。さらに、スラストカバー6(の内周部57)と半径
方向に対向して、シャフト2の外周部には環状溝36が
形成されている。これにより空隙56が生成され、動圧
軸受部Cに介在されるオイルは、表面張力の作用によ
り、モータ外部(図の上方)へ漏出することが防止され
る。空隙56を規定する、シャフト外周部19及びその
環状溝36、そしてスラストカバー内周部57には、そ
れぞれ撥油剤が塗布されており、オイルの漏出をより高
めるよう図られている。
受部Bにおいても、スリーブ内周部31には、その下端
側にテーパ部40が設けられ(これによりテーパ状間隙
部が生成される)ており、前述テーパ部38,39と同
様の作用により、動圧軸受部Bに介在されるオイルのシ
ール手段としている。そしてシャフト2の外周部19に
設けられた環状溝37と、これと半径方向に対向して
(スリーブ4に設けられた)環状溝43と、により空隙
58が生成され、オイルのモータ外部(図の下方)への
漏出が防止される。これらのオイル漏出防止を高めるた
め、空隙58を規定する、シャフト2の環状溝37及び
スリーブ4の環状溝43には、撥油剤が塗布されてい
る。なお、テーパ部40とこれに対応するシャフト2の
外径部48には、撥油剤は塗布されていない。
リーブ内周部31とシャフト縮径部35との間のは、半
径方向の隙間寸法が動圧軸受部A,Bとの間隙寸法より
大きく設定されており、空隙59が形成されている。空
隙59により、動圧軸受部A,Bに保持されたオイル
は、互いに隔絶される。空隙59に対応するスリーブ内
周部31には、オイルを撥油する撥油剤が塗布されてい
る。なお、スリーブ内周部31における動圧発生用溝5
0,51には、撥油剤は塗布されていない。また、シャ
フト2側には、外周部19において外径部47と縮径部
35との全面にわたり塗布されている。なお、動圧発生
溝部が設けられた(本実施例ではスリーブ内周部31
側)部位に対応して、その相対する側には、撥油剤の塗
布を加工や形状に応じて種々選択することができること
はいうまでもない。
剤により撥油され、塗布面においてオイルの滑性が高め
られる。このためオイルは動圧軸受部A,B以外には
(ただしテーパ状間隙部を除き)滞留することがなく、
従ってオイルは実質上、動圧軸受部A,Bにおいて動圧
発生に寄与する部分のみ保持・滞留されることになる。
そしてオイルは空隙59において実質上介在されないた
め、オイルは動圧による軸受支持部分(動圧軸受A,
B)のみに作用し、オイルの持つ粘性による負荷トルク
を必要最小限に抑えることができる。すなわち空隙59
の部位にオイルが充填されていた従来に比べ、本モータ
によればオイルによるトルク損失を効果的に低減するこ
とができ、効率の高いモータを得ることができる。特に
軸受剛性を高めるために高粘度のオイルやグリース等を
用いる際に、モータ効率の向上を図ることができる。同
時に、動圧軸受部Bのモータ外側(図の下側)において
は、撥油剤の作用により、オイルのシール効果を高めて
いる。
なす動圧軸受部C,Dにおいても、動圧発生部(及びテ
ーパ状間隙部)以外において撥油剤が塗布されており、
同様の効果をなす。軸受支持を行なうための動圧発生部
以外の部位へ撥油剤を塗布することにより、トルク損失
を低減することができ、さらに撥油剤の表面張力による
オイルの外部漏出を防止することができる。撥油剤とし
ては、例えば、旭硝子社の商品名サイトップ等のフッソ
系樹脂材料が用いられている。
て、動圧発生用溝50,51がスリーブ4側に設けられ
ているが、これに代えてシャフト2側に設けることがで
き、或いはこれら両者の組み合わせでも構わない。いず
れの場合においても、動圧発生用溝が設けられた部位に
は、撥油剤が塗布されておらず、それ以外の部位には撥
油剤が塗布されることが望ましい。同様に動圧軸受部
C,Dにおいても、スラストプレート5に設けられた動
圧発生溝45,46に代えて、それぞれ対向するスラス
トカバー6側及びスリーブ4側に設けることができ、こ
れらの組み合わせでも可能である。そして撥油剤の塗布
は、動圧発生用溝が設けられた部位以外に行なうことが
できる。
撥油剤を所定の部位や特定の箇所のみに行なうことは、
モータの小型化に伴い或いは複雑な外形になる程、困難
となるが、以下の製造手順により容易に行なうことがで
きる。即ち図示の構成のブラシレスモータの場合、まず
シャフト2においては、図6に示すシャフト単体におい
て、予め全体を撥油剤に含浸させて塗布し、その後、動
圧発生用溝45,46を、プレスによる塑性加工、或い
は切削加工等にて形成する。これにより、加工面である
スラストプレート5の上下端部33,34には、動圧発
生用溝45,46が形成されると共に、撥油剤が除去さ
れる。また、テーパ部38,39もその際撥油剤が除去
される。
単体において、予め全体を撥油剤に含浸させて塗布す
る。そしてその後、スリーブ内周部31の動圧発生用溝
50,51を上記と同様に塑性加工や切削加工等の加工
により形成する。これにより、スリーブ内周部31の加
工部位は撥油剤が除去される。またスリーブ4のテーパ
状部40もその際撥油剤が除去される。
ておき、その後から不要な部位を除去し、除去の工程を
動圧発生溝の加工、またこれと併せてテーパ状間隙部を
形成加工を併せて行なうものである。このため、部品の
大きさや形状を問わず容易に塗布することができ、塗布
の手間を大幅に削減することができる。部品全体の塗布
処理としては、上記撥油剤の入った容器に含浸する方法
の他、撥油剤を噴射するなど種々の方法を用いることが
できる。また、上記実施例の他、動圧発生用溝が動圧軸
受部を構成する相手部材側に設けられる場合でも同様の
手順で処理することはいうまでもない。
ついて説明する。既に説明したモータにおける動圧軸受
部A,B,C,Dは、図5及び図6に示す動圧発生溝5
0,51(いずれもラジアル動圧)及び45,46(い
ずれもスラスト動圧)によっているが、これらはそれぞ
れ動圧発生溝が設けられた部分が全域にわたり撥油剤が
除去されていた。しかし本実施例では、図7に示す構成
が設けられている。図7において、スラストプレート7
0の上端部79側において動圧発生部が設けられた例を
示している。(a)は上から下に向かって見た平面図で
あり、(b)はX−Xにおける断面図である。図におい
て凹設された部分が動圧発生溝部71であり、凸設され
た部分が撥油剤塗布部である。
うに、(b)とは逆に凹設された部分を撥油剤塗布部7
3とし、凸設された部分を動圧発生溝部74としてもよ
い。これら撥油剤が塗布されることにより、撥油剤が塗
布されていない部分との相互関係により、撥油剤による
動圧発生パターンが生成され、これにより動圧軸受部が
構成されるものである。これらは、いずれも予め撥油剤
を全面に塗布しておき、動圧発生溝を形成するときに対
応部分が除去されるものである。図の(b)では、概略
形成された凹凸を有するスラストプレート面に、撥油剤
を全面塗布しておき、溝部71に対応した加工を行なう
ことができ、その際溝部71の撥油剤が除去され、凸部
に撥油剤が残るものである。また(c)の場合では、予
め撥油剤が全面塗布されており、凸設した動圧発生部7
4が加工されて撥油剤が除去され、凹部に撥油剤が残る
ものである。
圧発生用プレートに、撥油剤の塗布を動圧発生パターン
に従い、例えばヘリングボーン状の動圧発生模様を設け
ることができる。この場合もオイルが塗布されている部
分とそうでない部分との相互配置により、オイルである
流体潤滑剤による動圧軸受部を構成することができる。
上述の構成は、既に説明して用いた図1乃至図6に対応
して適用でき、重複するため、その作用説明を省略す
る。なおいずれも場合においても、動圧発生パターンに
撥油剤を塗布してあるため、動圧発生溝を設けなくと
も、あるいはそれ程深く設けなくても動圧発生溝を容易
に得ることができる。そして、既に実施例で説明した動
圧軸受部及びテーパ状間隙部であるシール部を除いた部
分に撥油剤が塗布されることにより、オイルによる負荷
トルクの低減を図ることができる。
明したが、本発明の主旨を逸脱しない範囲で設計変更乃
至修正等自由である。即ち本実施例で示した種々の部分
的な構成を組み合わせて用いることができる他、動圧軸
受の動圧発生用溝の形態や数量等、自由に選定すること
ができる。なお、本実施例では、回転部材としてのロー
タ3は、ハブ10とスリーブ4とから構成されている
が、これらが一体に形成されたものでも対応できる。さ
らに動圧発生溝の形状は配置等自由である。
いるので、次の効果を奏する。本発明の請求項1に対応
するモータによれば、回転部材と静止部材とが対向する
軸受支持部位のうち、実質上前記動圧発生溝部及びテー
パ状間隙部を除く部位に、流体潤滑剤を撥油する撥油剤
が塗布されている。このため、流体潤滑剤は撥油剤が塗
布されている部位では、撥油されるため、軸受支持部位
のうち動圧発生に伴う動圧軸受手段の部位及テーパ状間
隙部のみに流体潤滑剤が保持され、滞留する。そしてテ
ーパ状間隙部は、流体潤滑剤が移動するよう作用を受け
ても、その作用力に対応して平衡する表面張力及び毛細
管現象により所定の間隙部分で保持されるシール手段を
なす。従って回転部材と静止部材とが対向する、それ以
外の支持部位では、実質上、流体潤滑剤が存在せず、流
体潤滑剤は動圧発生に有効な動圧軸受手段の部位と漏出
防止のシール手段(テーパ状間隙部)の部位のみに保持
される。このため、回転部材が支持される負荷トルクは
低減され、粘度の高い流体潤滑剤用いたとしても、モー
タのトルク損失を効果的に抑えることが可能となる。
め撥油剤を軸受支持部位に塗布しておき、次に動圧軸受
手段を加工することで、その際に動圧発生溝部及びテー
パ状間隙部の部位の塗布が除去される。このため、撥油
剤の塗布を部分的に施さなくても、容易に実施できるた
め製造が簡単となる。これにより、モータの小型化に伴
って部品が小さくなったり、複雑な形状となっても容易
に塗布することができ、製造コストを低減することがで
きる。
ば、動圧軸受手段には、撥油剤により動圧発生模様が形
成された動圧発生パターン部が設けられている。従っ
て、上記作用に加え、動圧発生溝を設けることなく、ま
たそれ程深く動圧発生溝を設けることなく、動圧発生部
が設けられるため、より製造コストを低減することがで
きる。これに加え流体潤滑剤の負荷トルクが低減されト
ルク損失を抑えることができると共に、流体潤滑剤の漏
出防止も図れる。
に予め撥油剤の塗布を軸受支持部位に施しておき、動圧
軸受手段を加工する際に動圧発生パターン部、そしてテ
ーパ状間隙部の加工する際にその間隙部、のそれぞれ撥
油剤が除去される。このため、撥油剤の塗布を部分的に
施さなくてもよく、また複雑な形状に対しても容易に塗
布することができ、製造コストの低減をはかることがで
きる。
面図である。
部拡大断面図である。
部拡大断面図である。
部拡大断面図である。
である。
る。
(a)は平面図、(b)及び(c)はその断面図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 静止部材と、 前記静止部材に対して相対回転支持される回転部材と、 前記静止部材と前記回転部材との間に介在された流体潤
滑剤による動圧軸受手段と、を具備したモータにおい
て、 前記動圧軸受手段には、相対する前記静止部材と前記回
転部材とのいずれかに動圧発生溝部が設けられ、 前記動圧発生溝部の動圧発生端部側には、前記動圧発生
溝部における前記静止部材と前記回転部材とによる半径
方向間隙よりも、該間隙が前記動圧発生端部外側へ向け
て順次大きくなるテーパ状間隙部が設けられ、 前記回転部材と前記静止部材とが対向する軸受支持部位
のうち、実質上前記動圧発生溝部及び前記テーパ状間隙
部を除く部位に、前記流体潤滑剤を撥油する撥油剤が塗
布された、ことを特徴とするモータ。 - 【請求項2】 静止部材と、 前記静止部材に対して相対回転支持される回転部材と、 前記静止部材と前記回転部材との間に介在された流体潤
滑剤による動圧軸受手段と、を具備したモータにおい
て、 前記動圧軸受手段には、相対する前記静止部材と前記回
転部材とのいずれかに動圧発生パターン部が設けられ、 該動圧発生パターン部は、前記流体潤滑剤を撥油する撥
油剤により所定動圧発生模様が形成され、 前記動圧発生パターン部の動圧発生端部側には、前記動
圧発生パターン部における前記静止部材と前記回転部材
とによる半径方向間隙よりも、該間隙が前記動圧発生端
部外側へ向けて順次大きくなるテーパ状間隙部が設けら
れ、 前記回転部材と前記静止部材とが対向する軸受支持部位
のうち、実質上前記動圧発生溝部及び前記テーパ状間隙
部を除く部位に、前記流体潤滑剤を撥油する撥油剤が塗
布された、ことを特徴とするモータ。 - 【請求項3】 請求項1記載のモータを製造する製造方
法であって、 前記回転部材と前記静止部材とが対向する軸受支持部位
には、予め前記撥油剤が塗布され、 次に前記動圧発生溝部及び前記テーパ状間隙部が加工さ
れることにより、実質上前記両加工部位には前記撥油剤
が除去される、ことを特徴とするモータの製造方法。 - 【請求項4】 請求項2記載のモータを製造する製造方
法であって、 前記回転部材と前記静止部材とが対向する軸受支持部位
には、予め前記撥油剤が塗布され、 次に前記動圧発生パターン部の動圧発生模様及び前記テ
ーパ状間隙部が加工されることにより、実質上前記両加
工部位には前記撥油剤が除去される、ことを特徴とする
モータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30314694A JP3593370B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | モータ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30314694A JP3593370B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | モータ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08140304A true JPH08140304A (ja) | 1996-05-31 |
JP3593370B2 JP3593370B2 (ja) | 2004-11-24 |
Family
ID=17917443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30314694A Expired - Fee Related JP3593370B2 (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | モータ及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3593370B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002349553A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 流体軸受装置 |
JP2006329252A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Toyota Motor Corp | 軸受及び軸の間の回転摺動構造及びその製造方法 |
US7547466B2 (en) | 2003-03-24 | 2009-06-16 | Nidec Corporation | Method of manufacturing spindle motor |
US7650697B2 (en) | 2004-06-01 | 2010-01-26 | Nidec Corporation | Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing |
-
1994
- 1994-11-11 JP JP30314694A patent/JP3593370B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2002349553A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 流体軸受装置 |
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US8087156B2 (en) | 2004-06-01 | 2012-01-03 | Nidec Corporation | Methods of manufacturing fluid-dynamic-pressure bearing and spindle motor incorporating the bearing, and spindle motor and recording-disk drive incorporating the bearing |
JP2006329252A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Toyota Motor Corp | 軸受及び軸の間の回転摺動構造及びその製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3593370B2 (ja) | 2004-11-24 |
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