JPH09145404A - 設備劣化診断システムにおける情報検出方法 - Google Patents

設備劣化診断システムにおける情報検出方法

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JPH09145404A
JPH09145404A JP30415895A JP30415895A JPH09145404A JP H09145404 A JPH09145404 A JP H09145404A JP 30415895 A JP30415895 A JP 30415895A JP 30415895 A JP30415895 A JP 30415895A JP H09145404 A JPH09145404 A JP H09145404A
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deterioration
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JP30415895A
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English (en)
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Yoshio Arita
芳夫 有田
Hisataka Hayashi
久高 林
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Mitsubishi Chemical Corp
Azbil Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Azbil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備の劣化診断を行うシステムにおいて、診
断対象の設備から検出される経時的データのサンプリン
グ周期を適切なものに自動的に変更する方法を提供す
る。 【解決手段】 対象とする設備に関する情報を、予め所
定の場所に配置されたセンサにより経時的に検出し、そ
の検出情報を、予め記録されている情報と組み合わせて
設備の劣化診断を行う設備劣化診断システムにおける情
報検出方法であって、予め設定した複数の周期のうちか
ら選択した周期で、設備に関する情報を検出し、それら
の検出情報から当該設備の劣化傾向を示す変数を特定
し、その変数の値の経時的な変化に応じて情報を検知す
る周期を切り替えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学工場などにお
ける機器、計装、計器等の設備の劣化、不調、異常等を
検出して診断し或いは管理するための設備管理診断シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】化学プラント等の設備では、日常業務の
一環として、オペレータが設備を巡回しながら点検して
異常か否かの診断を行っているのが一般的である。しか
し、従来の異常診断では、設備の異常が顕在化するまで
気づかないことが多く、また、一般の異常診断システム
のアルゴリズムは、異常信号のパターンやプロセス変量
の異常の組合せから経験的に異常原因を推定するという
間接的な方法に基づいている。この点、設備の劣化を個
別かつ直接的に管理診断するシステムが好ましいが、か
かるシステムの開発は未だ十分とはいえない。
【0003】ところで、設備の劣化診断その他管理のた
めには、設備を構成するポンプ、圧縮機等の動機器、反
応器、蒸留塔等の静機器、更にはこれらをつなぐ配管や
計装、計器等についての管理情報の収集が不可欠である
が、それらの管理情報は、その多様性から、主に現場で
オペレータやメンテナンス員により、定期的もしくは非
定期的に収集されている。
【0004】このように現場で情報を収集することに関
しては、プラントの運転状況等を管理する計器室と現場
の計測器とを有線(ワイヤリング)で接続し、設備の管
理診断に必要な情報を計器室に集中して収集することが
一部で行われている。しかし、この方法では、現場の設
備と計器室との間に膨大な量のワイヤリングが必要とな
るため経費が嵩み、しかもそのメンテナンスも煩雑で労
力を要する。また、システムを構築した後でも、測定部
位や計測器の変更は必要となることが多いが、その度に
ワイヤリングをやり直すことが必要で、その作業は煩雑
であるという問題もあった。
【0005】そこで、上記の問題を解決し、設備の管理
診断に要求される情報の特性を適切に反映できる管理診
断システムとして、次のような分散型設備管理診断シス
テムが提案されている(特開平6−288796号)。
それは、予め配置されているセンサにより、対象とする
設備に関する情報を経時的に検知し、この情報を記録媒
体に自動的に記録しておく過程と、その記録媒体に記録
されている情報を積極的にパトロールを活用して情報処
理システムに移し、この情報処理システムに予め記録さ
れている情報と組み合わせて設備の診断を行う過程とか
ら成る。
【0006】この設備管理診断システムは、ポンプ,モ
ータ,送風機,圧縮機等の動機器、熱交換器,反応塔,
蒸留塔,槽等の静機器、更にはこれらをつなぐ配管、計
装等の各種設備機器を対象とすることができる。それら
の設備機器の診断管理に必要な情報としては、設備機器
の種類に応じて振動,音,滞熱,肉厚,腐蝕状況等、種
々のものがあるが、上記システムでは、これらの情報を
予め配置されているセンサを介して検出する。センサと
しては、例えば振動計,温度計,肉厚計等が用いられ
る。通常、センサは設備機器に内蔵されているが、外部
に設置されるものでもよい。
【0007】センサで検出された情報は、ディジタル化
された電気信号として記録媒体に送られ、これに自動的
に記録される。この記録媒体は、通常は対象とする設備
機器内又はその近傍に配置されている。従って、多数の
設備機器が広い範囲にわたって配置されているプラント
では、記録媒体はプラントの各所に分散して配置され
る。そして、上記のセンサで検出された情報は、これを
オンラインで計器室に集めて記録する代わりに、分散配
置された記録媒体に分散して記録される。
【0008】記録媒体としてはIC記録媒体,磁気記録
媒体,光ディスク等が用いられるが、好ましくはICカ
ードや磁気カードが用いられる。これらの記録媒体に
は、センサで検知した情報と共に、設備機器の名称、情
報の測定部位、情報の種類、検知時刻等、センサで検知
した情報を情報処理システムで処理する際に必要とする
情報も、マイクロコンピュータにより適宜記録し得るよ
うに設定される。また、設備機器は使用に伴って劣化し
ていくが、その履歴等に応じて、測定部位、測定情報の
種類、測定の時間間隔等を各設備機器毎に容易に再設定
できる。
【0009】この設備管理診断システムでは、上記のよ
うに各設備機器からの情報は、分散配置された記録媒体
に記録されるので、それぞれの設備機器に応じた標準的
な設備管理手法や設備機器の個体差、或いはプロセスの
特徴等を加味して、測定部位、測定情報の種類、測定の
時間間隔等を自由に設定できると共に、これらを設定し
た後でも、記録媒体の取り替えや記録装置のマイクロコ
ンピュータの管理ソフトの変更により、これらを容易に
変更できるという柔軟性がある。
【0010】また、各設備機器の測定値が管理値の許容
範囲を外れたときや異常が発生した場合には、通常、必
要な情報は変化するが、上記システムでは、記録装置の
マイクロコンピュータの管理ソフトウェアによってこの
変化に対応し得る。つまり、管理ソフトウェアに予め許
容範囲の逸脱や異常ケースを想定したプログラムを組み
込んでおき、このプログラムにより測定部位,測定情報
の種類,測定の時間間隔等を適宜自動的に変更するよう
な自己判断機能、即ち自律性を持たせることができる。
【0011】記録媒体に記録されている情報は、読み取
り装置を介して情報処理システムに移す。通常はオペレ
ータが記録媒体を定期的ないしは非定期的に回収し、情
報処理システムの読み取り装置から読み込ませるが、所
望ならば、記録媒体に記録されている情報を定期的かつ
自動的に情報処理システムに一括して移すことも可能で
ある。情報処理システムは、読取り装置のほか、例え
ば、測定部位や測定情報の種類等に応じてそれぞれ標準
値となる情報や過去の情報等が入力されているコンピュ
ータ、運転を管理するための運転情報が入力されている
プロセスコンピュータ、DCS等から成り、記録媒体か
らの情報を、この情報処理システムに予め入力されてい
る情報と組み合わせ、比較処理等を行うことにより、設
備機器類の状態を判断する。従って、設備機器類の状態
を経時的に把握することができ、異常や故障に至る前に
対応することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6−288
796号の発明によると、設備管理診断システムの自律
性の現れとして、管理プログラムにより測定部位,測定
情報の種類,測定の時間間隔等を適宜自動的に変更する
ことが提案されているが、それを実現する手段は具体的
に開示されていない。すなわち、上記の設備管理診断シ
ステムにおいて自律性を実現するための具体的構成は、
考えられていなかった。また、上記の提案は分散型の設
備管理診断システムを対象としているが、特に設備の劣
化に関しては、設備が分散配置されていない場合でも劣
化は経時的に進行していくので、分散型に限らず、設備
の劣化診断を的確に実行し得るシステムもしくは方法が
要望されていた。
【0013】そのような劣化診断システムにおける設備
情報の検出は、プロセス制御のように高速で行う必要は
ない。その理由は、一般に設備の劣化は長期間使用され
るのに伴って徐々に進行するからである。そこで、比較
的長いサンプリング周期で情報検出すなわちデータ収集
を行うようにすると、短期間ではデータ量が不足して解
析に役立たず、劣化を早期に検知することが困難であ
る。一方、比較的短いサンプリング周期でデータ収集を
行うようにすると、処理すべきデータ量が膨大となり、
データ処理のために大容量のメモリが必要で、データ解
析にも時間がかかる。或いは、周期を任意に変更するこ
とも考えられるが、その場合には、時系列データのタイ
ミングがランダムになり、データ解析が更に複雑化して
しまう。
【0014】従って、本発明の目的は、上記のような分
散型に限らず、設備診断を行うシステムの自律性を実現
するため、劣化診断を実行するシステムにおいて特にセ
ンサで検出される情報(経時的に変化するデータ)のサ
ンプリング周期を適切なものに自動的に変更し、或いは
測定を停止する情報検出方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、対象とする設
備に関する情報を、予め所定の場所に配置されたセンサ
により経時的に検出し、その検出情報を、予め記録され
ている情報と組み合わせて設備の劣化診断を行う設備劣
化診断システムにおける情報検出方法であって、予め設
定した複数の周期のうちから選択した周期で、前記設備
に関する情報を検出し、それらの検出情報から当該設備
の劣化傾向を示す変数を特定し、その変数の値の経時的
な変化に応じて前記情報を検知する周期を切り替えるこ
とを特徴とする。
【0016】本発明の1つの実施態様では、前記変数の
或る時点での検出値が、その一時点前の検出値より小さ
く、且つ当該変数の初期値よりも小さいとき、前記情報
を検知する周期をこれより短い周期に切り替えることを
特徴とする。
【0017】より具体的な態様では、診断対象の設備は
ガス圧縮機であり、その劣化傾向を示す変数は、当該ガ
ス圧縮機に関する情報として検出されるシリンダ圧力
(P)とシリンダ容量(V)とで表わされるP−V曲線
(指圧線図)で囲まれる面積の値である。
【0018】
【作用及び効果】設備診断システムにおいて、特に劣化
診断を実行するためにデータを収集する場合、設備が比
較的新しい期間中は、データ収集を短い周期(サンプリ
ング周期)で行う必要はないが、時間の経過と共に劣化
が進行すると、それをできるかぎり早期に検出すること
が要求される。
【0019】本発明は、その要求に応える方法である。
詳しくは、管理すべき設備に対し、当初は、予め設定し
た複数の周期のうちから選択した周期で当該設備に関す
る情報を検出し、それらの検出情報から当該設備の劣化
傾向を示す変数を特定する。そして、その変数の値の経
時的な変化に応じて前記情報を検知する周期を切り替え
る。すなわち、劣化傾向が或る程度現れるまでは、比較
的長いサンプリング周期で情報が検出されるので、デー
タが必要以上に膨大となるのを防止できると共に、劣化
傾向が現れた後は、比較的短いサンプリング周期でデー
タ収集を行うので、早期の劣化診断が可能となる。
【0020】本発明の方法は以上の手順によるので、コ
ンピュータで処理するためのプログラムが簡潔に構成さ
れる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明による劣化診断の対象とな
る設備は種々あるが、例えばプラントにおいては、運転
に重大な影響を与えるものとして回転機械のような動的
設備があり、その一つに、ガス体の移送に用いられてい
る圧縮機がある。
【0022】特に、往復動式単段圧縮機はコンパクトで
経済的であるため、各分野で使用されており、劣化診断
の必要性が高い。往復動式圧縮機は、その構成要素の弁
板及び弁バネの寿命が6000〜7000時間といわれ
ている。
【0023】図1及び図2は、そのような往復動式圧縮
機の外観及び内部を概略的に示す。図1において左側に
示された圧縮機1は、その上部シリンダ2aにガス吸込
口とガス吐出口とを有し、ガス吸込口に連通した供給管
3からガスを吸い込み、ガス吐出口に連通した冷却管4
へガスを送り込むように構成されている。なお、冷却管
4の出口側端部は、容器5を介して蓄圧器6に接続され
ている。
【0024】圧縮機1の下部2bの外側には、内部に連
通した回転軸7を支点とする回転体8と、駆動源のモー
タ9とが設けられ、モータ9は、その出力軸と回転体8
に巻き掛けたベルト10を介して回転体8を回転駆動
し、その回転により、シリンダ内部のピストンを上下方
向に往復動させるようになっている。
【0025】図2に示すように、圧縮機1の上部シリン
ダ2aには、左側に上下2つの吸込弁11a,11bが
設けられ、右側に上下2つの吐出弁12a,12bが設
けられている。これらの弁は、シリンダ内部に連通した
間隙(キャビティ)13A,13B内に左右移動可能な
弁板とこれを付勢する弁バネとを配置して構成され、シ
リンダ内のピストン14の上下移動に応じて各弁の開閉
が制御され、ガスの吸込み及び吐出しが制御される。
【0026】上記の圧縮機1においては、対象設備(こ
の場合、圧縮機)に関する情報として、後述のように吸
入圧力、シリンダ上部圧力、吐出圧力、回転パルス及び
駆動電力を検出するため、吸入圧力センサ21、シリン
ダ圧力センサ22、吐出圧力センサ23、回転パルス発
生器(ロータリーエンコーダ)24及び駆動電力センサ
25が、それぞれ所定の場所に設置されている。
【0027】上記のような往復動式圧縮機においては、
弁板もしくは弁バネの劣化のため、定期的な改修(例え
ば2年毎に1回)の間の期間内に数回の部品交換が必要
である。
【0028】次に、図3は、上記圧縮機のような対象設
備に関する情報を検出し、その検出情報に基づいて当該
設備の劣化診断を行うシステムの構成を示す図である。
このシステムは、現場の所定場所に配置される情報検出
部31と、現場から離れた場所(計器室)に設置される
情報解析部41とで構成される。両者の構成及び機能
は、以下のとおりである。
【0029】まず、情報検出部31は、前述のように図
2の圧縮機1に対して設けられた各センサ21〜25か
らの検出信号を、各々の増幅器からA/D変換器32を
介して受信するCPUを含む本体33と、これに付帯し
たCRT34及びキーボード35とを備えている。ここ
で、各センサからの検出信号の受信時間幅(データ収集
時間。例えば、1〜10秒間)は初めに決定されるが、
受信周期(サンプリング周期)は、後述のように自律的
に設定される。
【0030】なお、A/D変換器32は、必要数のチャ
ンネル(例えば16ch)を有する1枚のカード(回路
盤)で構成される。
【0031】本体33内のCPUは、受信したデータに
対し次の処理を行い、それらの結果を内部メモリにファ
イル形式で格納する。
【0032】a.ロード・アンロードの判断、 b.一定時間検出信号収録、 c.収録データの書込み、 d.周期の変更及び次回サンプリング時刻の表示 これらの格納されたデータは、ICカード読取器36か
らICカード40を介して情報処理部41へ、オペレー
タのパトロールで回収され、供給される。ここで、収録
されるデータは、吸入圧力、シリンダ上部圧力、吐出圧
力、回転パルス及び駆動電力である。
【0033】一方、情報解析部41はパーソナルコンピ
ュータから成る。このパーソナルコンピュータは、上記
のように情報検出部31からICカード40を介してフ
ァイル形式で供給されるデータを記憶すると共に、次の
ような機能を有する。
【0034】a.劣化モデルに基づく演算処理 b.吐出圧力及び駆動電力のトレンド表示 c.劣化傾向の表示 d.高周波解析の表示 e.その他各種表示 f.画面呼出しメニュー機能 g.各種設定(例えば閾値) なお、図示は省略したが、パーソナルコンピュータに
は、ICカード用ディスケットとプリンタが接続されて
いる。
【0035】次に、図4は、後述のようにデータを収集
(サンプリング)し、得られたデータから設備の劣化傾
向を示す変数の変化に応じてサンプリング周期を切り換
えるシステムの機能的ブロック図である。このシステム
は、機能的には次のように構成されているが、その機能
を実現する手段としては、図3の情報検出部31のCP
Uが使用される。
【0036】まず、劣化診断の対象設備である往復動式
圧縮機に関する検出情報として、シリンダ圧力(P)
と、後述のようにシリンダ容積(V)を求めるために前
記回転パルス発生器24から送られる回転パルス(N)
とを入力とする。これらの検出信号は、A/D変換部5
1でディジタル信号に変換され、フィルタ部52にてフ
ィルタリング後、サンプリング部53により、後述のよ
うに設定されたサンプリング周期で所定時間(例えば1
〜10秒間)データとして抽出され、測定平均値演算部
54で各サンプリング毎のP及びNの平均値が計算され
る。
【0037】なお、往復動圧縮機でもアンローダ付きの
場合は、アンローダ状態では、前述の駆動電力データと
設定値との差を演算する差演算部67の出力によってサ
ンプリングの可否を決定するサンプリング決定部68
が、サンプリング否の信号をサンプリング部53に送
り、サンプリングは停止される。
【0038】上記データのうち、シリンダ圧力(P)
は、後で詳細に説明するP−V曲線を得るために、その
ままP−V曲線生成部57に送られる一方、回転パルス
(N)はストローク演算部55に送られて、後述のよう
にストローク(s)に変換される。このストローク
(s)は、計算部56にて容積(V)を求めるために使
用され、得られた容積(V)がP−V曲線生成部57に
送られる。
【0039】このP−V曲線生成部57で生成されたP
−V曲線から、次のP−V面積演算部58において、後
述のようにP−V曲線で囲まれた面積(S)が演算さ
れ、各サンプリング毎の面積の値(Kn')として出力さ
れる。この値は、バリディティ・チェックのため、可変
リミッタ60に送られ、突発的に変化した値が除去され
る。これをパスした値(Kn )は、データ収録部60に
格納され、以下のサンプリング周期切換え処理に使用さ
れる。
【0040】上記のようにデータ収録部60に格納され
たデータ(Kn )は、まず、データプロット部61に供
給され、各サンプリング時毎の面積の値としてプロット
される。更に、差演算部62にて初期値(K0 )と各サ
ンプリング時毎の値(Kn )との差が求められ、得られ
た差の値に応じたサンプリング周期が、サンプリング周
期設定部66にて設定される。
【0041】すなわち、ここでは、劣化値の変化が下が
る場合で説明するが、図3の情報検出部31のCPU3
1は、図4の判断ブロック63において、P−V曲線で
囲まれた面積の初期値(K0 )と各サンプリング時毎の
値(Kn )との差が0以下か否かをチェックし、“Ye
s”(K0 ≦Kn )であれば、後述のように予め設定し
た4種類のサンプリング周期Tw ,Td ,Ts ,Th
うち、当初からのサンプリング周期Tw を設定(つまり
継続)する。
【0042】一方、K0 >Kn であれば、次の判断ブロ
ック64において、データ収録部60に格納されている
前回サンプリング時の値(Kn-1 )と今回サンプリング
時の値(Kn )との差が0より大きいか否かをチェック
し、“No”(Kn-1 ≦Kn)であれば、当初からのサ
ンプリング周期Tw を設定する。
【0043】一方、Kn-1 >Kn であれば、次の判断ブ
ロック65において、今回サンプリング時の値(Kn
とデータ収録部60に格納された次回サンプリング時の
値(Kn+1 )との差が0より大きいか否かをチェック
し、“No”(Kn ≦Kn+1 )であれば、当初からのサ
ンプリング周期Tw を設定する。
【0044】一方、Kn >Kn+1 であれば、当初からの
サンプリング周期Tw をこれより短い次の周期Td に変
更設定する。
【0045】以後、変更したサンプリング周期Td で、
同様にサンプリングを実行する。そして、上記判断ブロ
ック63〜65でのチェックにより、サンプリング時の
面積の値に上記のような変化が生じた場合、サンプリン
グ周期Td をこれより短い次の周期Ts に変更設定す
る。更に、同様の処理手順で、サンプリング周期Ts
最短の周期Th に変更設定する。
【0046】かくして、上記システムでは、劣化傾向が
或る程度現れるまでは、比較的長いサンプリング周期で
情報が検出されるので、データが必要以上に膨大となる
のを防止できると共に、劣化傾向が現れた後は、その変
化の程度に応じて、より短いサンプリング周期でデータ
収集を行うので、早期の劣化診断が可能となる。
【0047】
【実施例】以下、実施例のシステムにおけるデータ収集
と解析の方法を説明する。
【0048】まず、データ収集の時間は1秒間とする。
【0049】駆動電力の信号は、図3の情報検出部31
でデータ収集時に最初に測定され、アンロード検出に使
用される。アンロード時にはデータの収集を行わず、一
定時間後に再度データの収集を試行する。
【0050】情報検出部31では、次の機能を実行する
ためのメニュー画面がCRT34に表示される。
【0051】a.アンロード/ロードの判断 b.周期間隔の表示と次回のデータ収集の時刻の表示 c.変化程度の設定(4.2 に示す判定) d.周期間隔の設定及び変更 データ収集の周期(サンプリング周期)は、本実施例で
は、劣化寿命から次のように定められる経過時間と劣化
傾向の判定によって決まる。
【0052】スタートアップ後6月経過するまでは、T
w (1週間に1回)。
【0053】スタートアップ後6月経過した時点で、T
d (1日に1回)。
【0054】スタートアップ後9月経過した時点で、T
s (1シフト=8時間に1回)。スタートアップ後12
月経過した時点で、Th (1時間に1回)。
【0055】上記劣化診断システムの自律性は、次の3
点で実現される。
【0056】a.データを取り込むタイミングを効果的
な値に設定する。
【0057】b.異常が識別された場合、他の信号の測
定を増やし、関係を検討する。
【0058】c.劣化モデルによる劣化の進展情報に基
づいて、サンプリング周期を選択する。
【0059】上記a及びcの自律性を達成するため、劣
化の閾値が明確でない段階では、劣化傾向を示すと思わ
れるデータを変数とする。前述した往復動式圧縮機で
は、後述のようにP−V曲線の面積値を変数とする。
【0060】初めの基準となるサンプリング周期(初期
周期)を予め設定しておく。例えば、初期周期は1回/
週とし、メモリをクリアした時、この初期値に戻るよう
にする。原則として、異常時(例えば電源断、機器故障
等)以外は、周期を戻すことができない。
【0061】上記変数の変化に応じて自動的に選択され
るサンプリング周期(基準周期)を、次の4段階に予め
設定しておく。
【0062】 Tw :1回/週(604,800秒) Td :1回/日(86,400秒) Ts :1回/シフト(28,800秒) Th :1回/時間(3,600秒) サンプリング周期は、最初は最長の基準周期でスター
トし、特定の変数の値(P−V曲線の面積)が所定の変
化を示したとき、自動的に1段階短い周期へ切替えられ
るようにする。
【0063】前述の例のように対象設備が往復動式圧縮
機の場合、劣化診断に必要なデータとしてシリンダ上部
圧力(P)とシリンダ容積(V)を使用する。シリンダ
上部圧力(P)は高/低の変化を伴うので、補正(バイ
アスのカット等)を要する。容積(V)は、後述のクラ
ンクシャフトの長さ(r)やストローク(s)等によっ
て求められるが、本システムでは、設備の設計データ
と、前述のように検出した回転パルスから得られる回転
角(ω)及びストローク(s)とにより、容積(V)が
計算される。
【0064】回転パルスは、ロータリーエンコーダ24
から1回転毎に60パルスずつ出力されるが、実際に
は、適当な回転数(例えば13回転分)に対応するパル
ス数の平均をとって使用する。1サイクルのPとVの関
係は、図5のグラフのように表わされるので、オペレー
タは、点1−2間を監視する。或いは、図6(A)に示
すようにP−V曲線を表示させて監視する。
【0065】図6(B)に示すように、P−V曲線で囲
まれた部分の面積は馬力に相当する。そして、各サンプ
リング毎の1秒間の平均データから計算された面積が、
図7のようにプロットされる。図7において、サンプリ
ングデータは等時間間隔で並んで表示される。これらの
データ(面積)の経時的変化から、往復動式圧縮機の弁
板の劣化傾向がわかる。
【0066】以下、本発明の基礎となった診断対象設備
に関する情報の取り方について説明する。
【0067】まず、圧縮機の熱力学的な関係は、移送す
る気体の状態式 PV=GRT …(1) ただし、P:シリンダ内圧力(kg/m2 ),V:シリンダ
容積(m3),G:気体の重量(kg),R:ガス定数(kg
m/kg°K )T:ガス体の絶対温度(°K)に依存してい
る。
【0068】実施例の場合、PとVを検出してP−V曲
線を求め、これによって囲まれた面積Sから馬力を求め
る。すなわち、 S=∫P・V=HP …(2) ただし、P:シリンダ圧力,V:容積,HP :馬力。
【0069】上記のような圧縮機の場合、その弁板及び
弁バネの劣化は、馬力の低下で識別できる。
【0070】以上の原理に基づき、診断対象設備に関す
る情報として、図1の往復動式圧縮機のシリンダ上部圧
力(P)と、その圧力下での回転パルスで表わされる回
転角(ω)とを、初期サンプリング周期で収集する。回
転角(ω)は、シリンダ容積(V)に変換される。
【0071】これらのデータから、図8に示すようなP
−V曲線が得られ、台形近似により、サンプリング毎の
P−V曲線の面積Si が求められる。なお、正常運転時
にはオペレータの指令でP−V曲線の面積の基準値(S
o )が求められる。
【0072】P−V曲線による面積の具体的な計算は、
以下のとおりである。
【0073】まず、図9に示すように、1パルス欠落し
ている部分の最後のデータ(点A及び点A’)を下死点
とし、下死点Aから次の下死点A’の1データ前まで
(点AからB)を1周期分のデータとする。
【0074】次に、抽出した1周期分データを回転角ω
へ変換するため、図10に示すように、往復動式圧縮機
のシリンダ内でクランク(長さr)は等速円運動を行っ
ているものとし、次式を用いて各データに対応する回転
角ωを求める。
【0075】
【数1】 但し、nは1周期内のデータ番号(序数)、Nは1周期
のデータ数(基数)である。
【0076】上記のようにして得られた回転角ωからス
トロークsへの変換は、次のように行われる。
【0077】コンロッドの長さをL、クランク半径を
r、上死点からのピストン位置(ストローク)をs、鉛
直線に対するロッド及びクランクの傾きをそれぞれφ,
θとすると、次式が成立する。
【0078】 s=r+L−(r cosθ+L cosφ) …(4) r sinθ=L sinφ …(5) 上式から、ストロークsとθは、次の近似式で表現でき
る。
【0079】 s≒r[(1− cosθ)+(λ/4)(1− cos2θ)] …(6) ただし、λ=r/L また、 ω=π−θ …(7) であるから、 s≒2r−r[(1− cosω)+(λ/4)(1− cos2ω)] …(8) が導かれる。
【0080】上記(3) 及び(8) 式により、エンコーダ2
5で検出したデータをストロークに変換できる。
【0081】上式においてL=31.7[cm]、クランク半径
r= 6.5 [cm] として、ストロークsを計算し、これに
シリンダの断面積F=15[cm2] を掛け合わせた値を容
積V[cm3] として横軸にとり、シリンダ内圧P[kg/cm2]
を縦軸として、同時刻データをプロットすることによ
り、前述のP−V曲線が得られる。このようなP−V曲
線において、台形近似により各サンプリング毎の面積S
i が求められる。図11は、実際に測定した日のデータ
から得られた面積の値を示すグラフである。
【0082】上記システムを構成する情報検出部31で
は、前述の方法で得られた今回サンプリング時の面積S
i と前回のSi-1 及び基準値So を用いて、劣化傾向の
判定を行う。すなわち、So −Si ≦0であれば、サン
プリング周期はそのままとする。
【0083】So −Si >0であれば、次の比較に移
る。
【0084】So −Si >0,Si-1 −Si <0,且つ
n+1 −Sn <0であれば、サンプリング周期はその
ままとする。
【0085】So −Si >0,Si-1 −Si >0,且つ
n+1 −Sn >0であれば、サンプリング周期を次の
基準周期に切り換える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の診断対象設備の一例の往復動式圧縮機
の概略構成を示す図。
【図2】図1の往復動式圧縮機の構造を示す部分断面
図。
【図3】上記圧縮機を対象設備とする劣化診断システム
の構成を示す図。
【図4】設備の劣化傾向を示す変数の変化に応じてサン
プリング周期を切り換えるシステムの機能的ブロック
図。
【図5】上記圧縮機から検出されるシリンダ圧力Pと容
量Vとの関係を示すグラフ。
【図6】(A)は上記シリンダ圧力Pと容量Vとをプロ
ットして得られるP−V曲線を示し、(B)はP−V曲
線によって囲まれる部分の面積を示す図。
【図7】サンプリング毎のP−V曲線による面積の値を
プロットした例を示す図。
【図8】P−V曲線によって囲まれる部分の面積を求め
る原理を示す図。
【図9】診断対象設備から検出される1サンプリング周
期分のデータパルスを示す図。
【図10】上記圧縮機の回転角をストロークに変換する
原理を示す図。
【図11】上記P−V曲線の実測例を示すグラフ。
【符号の説明】
1…往復動式圧縮機、2a…上部シリンダ、2b…下部
シリンダ、3…ガス供給管、4…冷却管、5…容器、6
…蓄圧器、7…回転軸、8…回転体、9…モータ、10
…ベルト、11a,11b…吸込弁、12a,12b…
吐出弁、13A,13B…間隙、14…ピストン、21
…吸入圧力センサ、22…シリンダ圧力センサ、23…
吐出圧力センサ、24…回転パルス発生器、25…駆動
電力センサ、31…情報検出部、32…A/D変換部、
33…CPU、34…CRT、35…キーボード、36
…ICカード読取部、40…ICカード、41…情報解
析部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対象とする設備に関する情報を、予め所定
    の場所に配置されたセンサにより経時的に検出し、その
    検出情報を、予め記録されている情報と組み合わせて設
    備の劣化診断を行う設備劣化診断システムにおける情報
    検出方法であって、 予め設定した複数の周期のうちから選択した周期で、前
    記設備に関する情報を検出し、それらの検出情報から当
    該設備の劣化傾向を示す変数を特定し、その変数の値の
    経時的な変化に応じて前記情報を検知する周期を切り替
    えることを特徴とする情報検出方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の情報検出方法において、前
    記変数の或る時点での検出値が、その一時点前の検出値
    より小さく、且つ当該変数の初期値よりも小さいとき、
    前記情報を検知する周期をこれより短い周期に切り替え
    ることを特徴とする情報検出方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の情報検出方法におい
    て、前記設備はガス圧縮機であり、前記変数は、当該ガ
    ス圧縮機に関する情報として検出されるシリンダ圧力
    (P)とシリンダ容量(V)とで表わされるP−V曲線
    で囲まれる面積の値であることを特徴とする情報検出方
    法。
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