JP3739681B2 - 振動監視方法及びその装置 - Google Patents

振動監視方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3739681B2
JP3739681B2 JP2001250747A JP2001250747A JP3739681B2 JP 3739681 B2 JP3739681 B2 JP 3739681B2 JP 2001250747 A JP2001250747 A JP 2001250747A JP 2001250747 A JP2001250747 A JP 2001250747A JP 3739681 B2 JP3739681 B2 JP 3739681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
level
acceleration
vibration
speed
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001250747A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003065839A (ja
Inventor
信一郎 浜崎
卓司 佐藤
啓一 前島
Original Assignee
特許機器株式会社
株式会社三菱地所設計
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 特許機器株式会社, 株式会社三菱地所設計 filed Critical 特許機器株式会社
Priority to JP2001250747A priority Critical patent/JP3739681B2/ja
Publication of JP2003065839A publication Critical patent/JP2003065839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3739681B2 publication Critical patent/JP3739681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転部分の振動をセンシングして回転部分の状況を常時把握しておき、回転部分のベアリングがダメージに対して余り早過ぎもせず、逆に遅過ぎもしない時点で当該ベアリングを交換することが出来るようにした監視方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファンやポンプ、冷凍機、クーリングタワーなどの空調機器やそのモータを始めとし、あらゆる工業製品の回転部分に使用されているベアリングは時間と共に次第に劣化して破損に至る。古くは、作業者が日常点検において、回転中のベアリングが発する音を聴き、経験的に当該ベアリングの劣化度合いを判定し、必要に応じて交換するようにしていた。この方法では、個人差や熟練度に大きく依存しており、客観的な設備診断を行うことができなかった。
【0003】
そこで、従来の方法では前記設備機器の回転部分が発する振動の1次成分或いは2次成分など低周波領域(一般的に100Hz以下の領域)の振動状態に注目し、これを周波数分析して当該部分の状況予測をしようとしていた。しかしながら、前記低周波領域で検出できる故障は、回転体のアンバランスやジョイント部分のミスアライメントなど大きな振動を伴うような故障の検出は可能であったが、ベアリングの損傷のような微細な故障の検出は振動加速度のセンシングによる低周波領域の周波数分析では到底検出することができなかった。
【0004】
加えて、最近の工業製品の多数は使用状態に合わせてその回転数を変化させるインバーター制御が採用されている。前記インバーター制御が行われると、回転数の変化に合わせ、低周波領域のスペクトルが大きく変化し、コンピュータによる自動判断では標準スペクトルに対するセンシングデータの周波数分析や尤度計算では正常運転の場合でも異常と判定されるケースが多く、事実上インバーター制御の振動監視は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来例の問題点に鑑みてなされたもので、ベアリングの損傷の検出とその対応、特にベアリングの適切な交換時期の客観的な決定など従来の方法では出来なかった装置の回転部分の客観的診断を可能とすることができる振動監視方法とその装置を開発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
「請求項1」に記載の振動監視方法は「速度レベル」を用いた簡易方法(図1)で「回転部分(1)から発生する振動を加速度信号として取り出した後、400Hz〜1kHzの加速度信号のみを選択し、この選択された400Hz〜1kHzの加速度信号を速度信号に変換し、該速度信号に基づいて演算された振動速度レベルが所定の注意報レベルを越えた時点で回転部分(1)に対する所定の処置を施すように警報を出す」ことを特徴とする。
【0007】
「請求項2」に記載の振動監視方法は「請求項1」の改良(図2)に関し、「回転部分(1)から発生する振動を加速度信号として取り出した後、400Hz〜1kHzの加速度信号のみを選択し、この選択された400Hz〜1kHzの加速度信号を速度信号に変換すると共に前記全領域の加速度信号から1kHz以上の高周波領域の加速度信号のみを選択し、選択された1kHz以上の加速度信号に基づいて演算された振動加速度レベルが注意報レベルを越えた後、前記400Hz〜1kHzの速度信号に基づいて演算された振動速度レベルが所定の注意報レベルを越えた時点で回転部分(1)に対する所定の処置を施すように警報を出す」ことを特徴とする。
【0008】
一般的に、回転部分(1)に装着されたベアリング(1a)に損傷が発生すると、高周波領域の振動加速度レベルの上昇となって現れる(図5の(1)の段階で、図6の振動加速度・振動速度レベルのグラフ参照)。この時点ではベアリング(1a)の損傷は軽微でグリスを注入するだけで抑えることができる。しかしながら次第にこれが成長してくると、中・高域(400Hz〜1kHz)の振動速度成分の速度の上昇となって現れる(図5の(2)の段階で、図7(b)〜(i)参照)。一方、前述のように回転体のアンバランスやジョイント部分のミスアライメントなどの大きな振動を伴うような故障やインバーター制御は振動速度レベルの1次成分或いは2〜4次成分など低周波領域に現れて来るが、中・高周波領域には現れて来ない(図示せず)。また、ベアリング(1a)が完全に破損した場合もミスアライメント等と同様の現象が生じる(図5の(3)の段階で、図12参照)。従って、予め低周波領域をカットしておき、例えば400Hz〜1kHzという中・高周波領域における振動速度レベルの上昇が予め設定されている注意報レベルを越えた時点で回転部分(1)に対する所定の処置を施すように警報を出すことで、極めて簡単に回転部分(1)のベアリング(1a)の交換時期を客観的に検出することができる。
【0009】
また、ベアリング(1a)の損傷は前述のようにまず高周波領域における振動加速度レベルの上昇となって現れる。そこで、この振動加速度レベルの上昇が現れた後、中・高周波領域における振動速度レベルの上昇が見られた場合には高い確率でベアリング(1a)の損傷であると判定でき、しかも中・高周波領域における振動速度レベルが予め設定されている注意報レベルを越えた場合、より確実にベアリング(1a)の交換時期を客観的に検出することができる。
【0022】
「請求項」は(図1)に示す振動監視装置(A1)で「回転部分(1)に設置された加速度センサー(2)にてセンシングされた加速度信号から400Hz〜1kHzの加速度信号のみを通過させるバンドパスフィルタ(3)と、選択された加速度信号を積分して速度信号に変換する積分器(4)と、速度信号に基づいて振動速度レベルを演算し、前記振動速度レベルが注意報レベルを越えた時点で回転部分(1)に対する所定の処置を施すように警報を出す制御部(9)とで構成されている」ことを特徴とする。
【0023】
「請求項」は(図2)に示す振動監視装置(A2)で「回転部分(1)に設置された加速度センサー(2)にてセンシングされた加速度信号から400Hz〜1kHzの加速度信号のみを通過させるバンドパスフィルタ(3)と、選択された400Hz〜1kHzの加速度信号を積分して速度信号に変換する積分器(4)と、加速度センサー(2)にてセンシングされた加速度信号から1kHz以上の加速度信号のみを通過させるバンドパスフィルタ(6)と、選択された1kHz以上の加速度信号に基づいて振動加速度レベルを演算し、前記振動加速度レベルが注意報レベルを越えた後、該速度信号に基づいて演算した振動速度レベルが注意報レベルを越えた時点で回転部分(1)に対する所定の処置を施すように警報を出す制御部(9)とで構成されている」事を特徴とする。
【0030】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を図示実施例に従って説明する。本発明の対象はあらゆる機械設備における回転部分(1)に装着されたベアリング(1a)である。本発明装置(A1)〜(A4)には単純な構造のものから複雑な構造まで幾つかのパターンがある。本発明装置(A1)〜(A4)はデジタル制御を基本としているので、デジタル回路その代表例とする。その概略を示すと、図1に示す第1実施例(A1)は、「請求項1」に記載したように「速度レベル」を用いた簡易方法で、機械装置のベアリング(1a)が装備された回転部分(1)には加速度センサー(2)がそれぞれ設置されているが、この加速度センサー(2)にてセンシングされた加速度信号から例えば400〜1kHzの中・高周波領域の加速度信号のみを通過させるバンドパスフィルタ(3)と、当該加速度信号を積分して速度信号に変換する積分器(4)と、前記積分器(4)の出力をデジタル変換するA−D変換器(5)と、選択され且つデジタル変換された速度信号に基づいて演算した振動速度レベルが注意報レベルを越えた時点で回転部分(1)のベアリング(1a)を交換するように警報を出す制御部(9)とで構成されている。
【0031】
前述のようにベアリング(1a)が破損直前になると、400〜1kHzの中・高周波領域における振動速度レベルが次第に大きくなってくる。従って、この領域の振動速度レベルを監視しておればベアリング(1a)が受けたダメージに対して余り遅くもなく逆に早くもない丁度よい時期に検知することができる。なお、ベアリング(1a)が設置されている回転部分(1)は機械装置のいたるところに存在する。全てのベアリング(1a)の状態を監視しようとすると全てのベアリング(1a)が装備されている回転部分(1)に加速度センサー(2)を取り付け、そのすべての速度データを取り込み観測する必要がある。常時観測を行う場合には、加速度センサー(2)1個に対して前述の速度検出回路(ES)が1式必要になるが、周期的に観測するのであれば、加速度センサー(2)と速度検出回路(ES)とをスイッチ装置(SW)で接続し、制御部(9)でスイッチ装置(SW)を次々と切り替えて回転部分(1)の加速度データを間欠的に取り込むようにしてもよい。図1(a)はスイッチ装置(SW)を利用した例である。これに対して図1(b)は加速度センサー(2)とA−D変換器(5)以外は制御部(9)内で処理する場合である。この場合、内蔵スイッチ装置(SW)を使用せず、全加速度センサー(2)からデータを同時並行的に連続処理するようにしてもよい。この点は図3、4の場合、図示していないが、本発明全般を通じて共通する。
【0032】
図2(a)に示す振動監視装置(A2)は、図1に「振動加速度レベルの検出回路(EK)」を付加した場合で、回転部分(1)に設置された加速度センサー(2)から分岐した加速度信号からたとえば1kHz以上の高周波領域の加速度信号のみを通過させるバンドパスフィルタ(6)と、バンドパスフィルタ(6)の出力を包絡線処理する包絡線処理回路(7)と、包絡線処理回路(7)の出力をA−D変換するA−D変換器(8)と速度データおよび加速度データを演算処理する制御部(9)とで構成されている。そしてこの速度データおよび加速度データは制御部(9)によって、高周波領域の振動加速度レベルが注意報レベルを越えた後、振動速度レベルが注意報レベルを越えた時点で回転部分(1)に対する所定の処置を施すように警報を出すようになっている。
【0033】
既に述べたようにベアリング(1a)の極く軽微な損傷はまず高周波領域の振動加速度レベルが大きくなることによって発見することができる。しかしこの時点では図6のようにグリス注入によって一時的に振動加速度レベルが下がり、応急的に対応することができるが、損傷が次第に大きくなってくるとグリス注入で対処しきれなくなりこれと同時に振動速度レベルが増大してくる。従って、振動加速度レベルが注意報レベルを越えた後、振動速度レベルが注意報レベルを越えたとき、これは明らかにベアリング(1a)が破損する直前の交換時期のサインであり、ベアリング(1a)の交換時期が客観的に分かる。従って、この注意報が出た時点でベアリング(1a)の交換が行われる。図2(b)も前記同様加速度センサー(2)とA−D変換器(5)以外は制御部(9)内で処理する場合で、内蔵スイッチ装置(SW)を使用せず、全加速度センサー(2)からにデータを同時並行的に連続処理するようにしてもよい。
【0034】
図3に示す振動監視装置(A3)は、(a)低周波領域から高周波領域(10Hz〜1kHz)に至る全域においてその速度尤度を演算し、その変化を見る場合、(b)中周波領域から高周波領域に至る中・高域(400 Hz 〜1k Hz においてその速度尤度を演算し、その変化を見る場合、(c)低周波領域から高周波領域に至る全域(10 Hz 〜1k Hz において、正常運転時の標準速度周波数スペクトルに対するセンシングされた日常運転時の速度周波数スペクトルの3分の1オクターブバンドの各バンド(B1)(B2)…における速度レベルの変化量(H)又は/及び速度レベルの変化が生じたバンド数を算出する場合、(d)中周波領域から高周波領域(400Hz〜1kHz)に至る全域において、正常運転時の標準速度周波数スペクトルに対するセンシングされた日常運転時の速度周波数スペクトルの3分の1オクターブバンドの各バンド(B1)(B2)…における速度レベルの変化量(H)又は/及び速度レベルの変化が生じたバンド数を算出する場合がある。いずれの場合も回路的には同じである。
【0035】
図3の場合を説明すると、回転部分(1)に設置された加速度センサー(2)、所定バンドの加速度信号だけを通過させるバンドパスフィルタ(3)、バンドパスフィルタ(3)の出力を積分して速度信号に変換する積分器(S)、積分器(S)の出力をデジタル変換するA−D変換器(5)並びに制御部(COMP)とで構成されている。前記制御部(COMP)内にはA−D変換器(5)にてデジタル変換され、制御部(COMP)内に取り込まれたデジタル速度データにフーリエ級数をかけてスペクトル分析を行うFFT回路(10)、正常運転時の回転部分(1)のデータを取り込み、これをスペクトル分析しその標準スペクトルの逆数を記憶している逆フィルタ(11)、前記逆フィルタ(11)に予め蓄積されている標準スペクトルの逆数をスペクトル分析された実測速度スペクトル(JS)に加算する演算回路(12)、演算回路(12)の出力に基づいて「速度尤度」を演算する速度尤度演算回路(13)、或いは演算回路(12)、逆フィルタ(11)等の出力に基づいて「3分の1オクターブバンド」の各バンドにおける実測速度レベルの標準速度レベルからの乖離を演算し、当該乖離が警報レベルに達しているかどうかを演算する3分の1オクターブバンド乖離演算回路(14)並びに「3分の1オクターブバンド」の各バンドにおいて標準速度レベルから実速度レベルは乖離しているバンド数を演算し、当該バンド数が警報レベルに達しているかどうかを演算する3分の1オクターブバンド乖離バンド数演算回路(15)及び必要に応じて設けられるバンド選択回路(16)とで構成されている。なお、(17)はモニター、(18)はプリンタである。
【0036】
バンド選択回路(16)は3分の1オクターブバンド乖離演算回路(14)または3分の1オクターブバンド乖離バンド数演算回路(15)において、全領域の中から400〜1kHzの中・高周波領域に属するバンドを選択する機能を有しており、バンドフィルタ(3)が全域値を通過させるフィルターである場合に有効である。
【0037】
上記の場合において、加速度センサー(2)は、常時、回転部分(1)に装着されたベアリング(1a)の回転振動を加速度のアナログデータとしてセンシングし、これをバンドフィルタ(3)で所定の帯域の加速度データのみを選択通過させる。バンドフィルタ(3)が10〜1000Hzの周波数の加速度を通過させる全域バンドパスフィルタの場合、この範囲の加速度データのみがバンドフィルタ(3)を通過し、これが積分器(S)で積分されて速度のアナログデータに変換される。そしてこれに続くA−D変換器(5)にてデジタル変換され、制御部(9)に取り込まれる。制御部(9)ではFFT回路(19)にて周波数分析され、前述同様、演算回路(12)において10〜1000Hzの周波数帯域における標準スペクトルの逆フィルタ(11)の出力を加算する。
【0038】
ベアリング(1a)に異常がなく、加えて機器に異常がなくて正常に回転している場合は、前記10〜1000Hzの周波数帯域における実測の速度の周波数スペクトルに対して予め前記逆フィルタ(11)に記憶させた標準周波数スペクトルはほぼその逆数であるから、演算回路(12)の出力はほぼ0となる。従って、制御部(COMP)は「速度尤度」「3分の1オクターブバンドのいずれかのバンドにおける乖離状態の観測」または「前記乖離を発生しているバンド数の観測」のいずれの場合においても異常なしと判断することになる。ここでは、「速度尤度」「3分の1オクターブバンドのいずれかのバンドにおける乖離状態の観測」および「前記乖離を発生しているバンド数の観測」を一度に記載しているがいずれかの機能だけを具備し、当該機能に基づいて測定するようにしてもよいことはいうまでもない。また、図7、9のように周波数分析された実測の速度周波数スペクトル、正常状態の速度周波数スペクトルを重ね合わせて1つのモニタ画面に出力する事も可能であり、これをプリンタ(18)にて打ち出す事も可能であるし、3分の1オクターブバンドの各バンド(B1)(B2)…におけるこれらの速度レベルをモニタ(17)やプリンタ(18)に出力する事も可能である。
【0039】
これに対してベアリング(1a)に異常が発生した場合、その異常が極く微細なものである時(図5(1)の状態)は、既に述べたように高周波領域における高次の周波数帯域における波形異常となって現れてくるが、この時点では「速度尤度」「3分の1オクターブバンドのいずれかのバンドにおける乖離状態」または「前記乖離を発生しているバンド数」の変化となって現れて来ない。(ただし、既に述べたように振動加速度レベルの変化となって現れる「図6の振動レベルの加速度変化をプロットしたグラフを参照の事」。)
【0040】
時間が経ってベアリング(1a)の損傷が拡大してくると、高周波領域における高次の波形異常は次第に中周波領域に拡大してくる(図5(2)の状態)。そしてこの拡大した波形異常は「速度尤度」、「3分の1オクターブバンドのいずれかのバンドにおける乖離状態」または「前記乖離を発生しているバンド数」の変化となって現れてくる「図8の速度尤度傾向データ、図9の速度周波数分析結果のグラフ、図10、11の3分の1オクターブバンドの速度周波数分析結果のグラフを参照のこと」。
【0041】
速度尤度の場合、一般的に、速度尤度の変化が現れてから、設定レベル(例えば20dB)に達するまでの時間(対数目盛)はケースによって相当異なるが、実際にベアリング(1a)の損傷が大きい場合には注意報レベルに達するまでの時間が非常に短い。従って、注意報レベルに達したときには既にベアリング(1a)は破損しているケースがあるので、速度尤度の変化量(α)が注意報レベル(たとえば、2時間当たりに3dBの増加)を越えた場合、ベアリング(1a)の経済的且つ現実的な交換時期が来たと判定し、警報を発令することになる。作業者はこの警報に従って、当該問題となっているベアリング(1a)を交換することになる。
【0042】
同様に「3分の1オクターブバンドのいずれかのバンドにおける乖離状態」が注意報レベルに達した場合、あるいは「前記乖離を発生しているバンド数」が注意報レベルに達した場合、警報を発令することになる。作業者はこの警報に従って、当該問題となっているベアリング(1a)を交換することになる。
【0043】
なお、この場合、低周波領域〜高周波領域の全域を速度尤度や3分の1オクターブバンドに関する演算の対象としているため、インバーター制御のように回転数が大幅に変わる場合、標準スペクトルに対して低周波領域の波形が大幅に変化し、これが速度尤度の変化或いは低周波領域におけるバンドの変化となって現れるので、その結果ベアリング(1a)は正常であるにもかかわらず制御部(COMP)は異常と判断するため、インバーター制御の場合には適用することができない。
【0044】
なお、全域値をサンプリングした場合、バンド選択回路(16)を適用し、図11に示すようにチェックする領域(中・高周波領域)を選択することによってバンドフィルター(3)を中・高周波領域用のものを使用した場合と同様の効果を3分の1オクターブバンドの観測の場合に実現することができる。
【0045】
これに対してバンドパスフィルタ(3)が中周波領域から高周波領域の周波数帯(400〜1kHz)だけを通過させるものを採用し、正常回転時の回転部分(1)の中周波領域から高周波領域の周波数帯の速度標準スペクトルの逆数を逆フィルタ(11)に予め記憶させておいた場合、全域値をサンプリングした場合と異なり、インバーター制御や回転体のアンバランスやジョイント部分のミスアライメントによる影響を受けにくいので、演算される速度尤度の変化度(α)や3分の1オクターブバンドにおける前記変化はベアリング(1a)の障害に起因するものであると特定されることになる。従って、速度尤度の変化度(α)が前述の度合いを越えた場合、あるいは3分の1オクターブバンドのあるバンドにおける速度レベルが注意報レベルに達したときまたは速度標準スペクトルに対して乖離を生じたバンド数が注意をレベルに達したとき、直ちにベアリング(1a)の状態が破損直前であると判断されることになる。
【0046】
図4の場合は、ベアリング(1a)の異常を更に精密に検出する場合で、前述の振動監視装置(A3)に振動レベルの加速度の変化を監視する加速度監視回路(EK)を加えた場合である。前述のようにベアリング(1a)の極く初期の欠陥は速度尤度や3分の1オクターブバンドの高次のバンドにおける波形異常となって現れて来ないが、振動加速度レベルの変化として現れてくる。その振動加速度レベルが予め設定されている注意報レベル(例えば120dB;図6参照)に達していない場合には、当該ベアリング(1a)の傷は運転に支障が生じない程度であるとしてグリス注入が繰り返されるだけで放置される。次第にその傷が成長し、振動加速度レベルが大きくなり、注意報設定レベル(例えば120dB)に達したとき、グリス補給の時期であるとパソコンが判断し警報を発する。この警報により作業者が当該部位にグリス補給を行う。勿論、自動的にグリス補給を行うようにしてもよい。
【0047】
これによりベアリングの軌道面に十分なグリス補給がなされるため、高周波異常振動は軽減され、高周波領域の振動加速度レベルは注意報レベル以下となる。ただこの時点でベアリング(1a)の損傷は直ちに交換しなければならないというようなものでなく、グリス注入によってある程度使用することができる。しかしながらこのようなグリス補給を繰り返すと、次第にベアリング(1a)の傷が成長しグリス補給間隔が短くなり且つその異常振動も大きくなり、次第に中周波数帯域に拡大し且つその乖離も拡大してくる。そこで、この振動レベルにおける加速度変化を検出した後、すでに述べたように、全域あるいは中・高周波領域における速度尤度の変化量(α)あるいは3分の1オクターブバンドにおける高次の帯域における速度レベルの波形異常を検出することで、問題個所がベアリング(1a)であると確定することができるようになる。そして前述のような兆候が現れたときは、コンピュータがベアリング(1a)の交換時期と判断し警報を発する。作業者はこの警報に従って当該部位のベアリング(1a)を交換する。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、特に中・高周波領域における正常運転時の標準速度周波数スペクトルに対してセンシングされた日常運転時の速度周波数スペクトルの速度尤度を演算し、速度尤度の変化量が注意報レベルを越えた場合、或いは、正常運転時の標準速度周波数スペクトルに対するセンシングされた日常運転時の速度周波数スペクトルの3分の1オクターブバンドの各バンドにおける速度レベルの変化量又は/及び速度レベルの変化が生じたバンド数を算出し、速度レベルの変化量又は/及び速度レベルの変化が生じたバンド数が注意報レベルを越えた場合、回転部分の異常、即ち、ベアリングが破損直前の状態であると判断することが、これにより最も適切な時期にベアリングの交換ができるようになる。加えて、異常検出の対象を中・高周波領域に限定しているので、インバーター制御などの影響もほとんど受けにくくなり、従来、コンピュータの自動判断のみでは不可能であったインバーター制御下におけるベアリング故障の検出が可能となった。更に、振動レベルの加速度信号を加味することで、数ある設備機器の故障個所の内でベアリングの故障を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1実施例のブロック回路図
【図2】本発明装置の第2実施例のブロック回路図
【図3】本発明装置の第3実施例のブロック回路図
【図4】本発明装置の第4実施例のブロック回路図
【図5】ベアリングの傷害の進行と検出される周波数帯域、加速度及び変位の関係を示す対数グラフ
【図6】ベアリングの初期損傷時の振動レベルと加速度・速度尤度の傾向グラフ
【図7】本発明によってサンプリングされた注意報発令までの速度スペクトルの時間変化グラフ。
【図8】図7のデータを処理して作成した速度尤度傾向グラフ
【図9】標準スペクトルと実測スペクトルとを重ね合わせて表示したモニター画面の図面
【図10】標準スペクトルと実測スペクトルとを重ね合わせた3オクターブバンドグラフ
【図11】標準スペクトルと実測スペクトルとを重ね合わせた3オクターブバンドグラフを表示したモニター画面の図面
【図12】ベアリング破損時の振動速度レベルと速度尤度及び加速度尤度との関係を示すグラフ
【符号の説明】
(1) 回転部分

Claims (4)

  1. 回転部分から発生する振動を加速度信号として取り出した後、400Hz〜1kHzの加速度信号のみを選択し、
    この選択された400Hz〜1kHzの加速度信号を速度信号に変換し、
    該速度信号に基づいて演算された振動速度レベルが注意報レベルを越えた時点で回転部分に対する所定の処置を施すように警報を出すことを特徴とする振動監視方法。
  2. 回転部分から発生する振動を加速度信号として取り出した後、400Hz〜1kHzの加速度信号のみを選択し、この選択された400Hz〜1kHzの加速度信号を速度信号に変換すると共に前記全領域の加速度信号から1kHz以上の加速度信号のみを選択し、選択された1kHz以上の加速度信号に基づいて演算された振動加速度レベルが注意報レベルを越えた後、前記400Hz〜1kHzの速度信号に基づいて演算された振動速度レベルが注意報レベルを越えた時点で回転部分に対する所定の処置を施すように警報を出すことを特徴とする振動監視方法。
  3. 回転部分に設置された加速度センサーにてセンシングされた加速度信号から400Hz〜1kHzの加速度信号のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    選択された加速度信号を積分して速度信号に変換する積分器と、
    速度信号に基づいて振動速度レベルを演算し、前記振動速度レベルが注意報レベルを越えた時点で回転部分に対する所定の処置を施すように警報を出す制御部とで構成されたことを特徴とする振動監視装置。
  4. 回転部分に設置された加速度センサーにてセンシングされた加速度信号から400Hz〜1kHzの加速度信号のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    選択された400Hz〜1kHzの加速度信号を積分して速度信号に変換する積分器と、
    前記加速度センサーにてセンシングされた加速度信号から1kHz以上の加速度信号のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    選択された1kHz以上の加速度信号に基づいて振動加速度レベルを演算し、前記振動加速度レベルが注意報レベルを越えた後、前記速度信号に基づいて演算した振動速度レベルが注意報レベルを越えた時点で回転部分に対する所定の処置を施すように警報を出す制御部とで構成されている事を特徴とする振動監視装置。
JP2001250747A 2001-08-21 2001-08-21 振動監視方法及びその装置 Expired - Lifetime JP3739681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001250747A JP3739681B2 (ja) 2001-08-21 2001-08-21 振動監視方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001250747A JP3739681B2 (ja) 2001-08-21 2001-08-21 振動監視方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003065839A JP2003065839A (ja) 2003-03-05
JP3739681B2 true JP3739681B2 (ja) 2006-01-25

Family

ID=19079505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001250747A Expired - Lifetime JP3739681B2 (ja) 2001-08-21 2001-08-21 振動監視方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3739681B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009115537A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Fuji Electric Systems Co Ltd 振動測定方法
CN102564566B (zh) * 2012-01-17 2013-06-19 株洲联诚集团有限责任公司 机车冷却塔振动测试系统
JP2015210110A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 株式会社小野測器 Fftアナライザ
JP6637369B2 (ja) * 2016-04-08 2020-01-29 Kyb株式会社 ブーム制振装置及びブームスプレーヤ
KR101928423B1 (ko) 2017-12-29 2018-12-12 주식회사 비스텔 회전 설비의 윤활유 부족의 감지 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003065839A (ja) 2003-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4874406B2 (ja) 軸受の診断システム
JP2001304954A (ja) 故障診断方法及びその装置
EP0693176B1 (en) Method and apparatus for analyzing and detecting faults in bearings and other rotating components that slip
EP0982579B1 (en) Device for inspecting bearings of main motors of rolling stock
US7444265B2 (en) Machine and/or monitoring
WO2002073150A9 (en) System and method for analyzing vibration signals
JP5740208B2 (ja) 軸受診断方法及びシステム
JP2011027452A (ja) データ収集装置及び該データ収集装置を備えた設備機器の診断装置
JP3411841B2 (ja) 故障診断方法および故障診断器
JPH05142033A (ja) プラント機器の監視装置
JP2018155494A (ja) 軸受異常診断システム及び軸受異常診断方法
JP3739681B2 (ja) 振動監視方法及びその装置
JPH11271181A (ja) ころがり軸受の異常診断方法および装置
JP2004020484A (ja) 異常監視装置および異常監視プログラム
JP6508017B2 (ja) 機械設備の評価方法
JP2004020424A (ja) 振動信号の処理方法
Nienhaus et al. Development of acoustic emission (AE) based defect parameters for slow rotating roller bearings
DD255588A1 (de) Verfahren zur schwingungsueberwachung rotierender maschinen
JP2004361286A (ja) 回転機械の劣化診断方法
JP6897064B2 (ja) 軸受異常診断方法および診断システム
WO2004012155A1 (en) Method and device for determination of the condition of a turbine blade, and utilizing the collected information for estimation of the lifetime of the blade
JP3544251B2 (ja) 回転機器の軸受部の診断方法、回転機器の軸受部の余寿命推定方法及び回転機器の軸受部の診断システム
JP2695366B2 (ja) 低速回転機械の異常診断方法
JPH068774B2 (ja) ベアリングの余寿命推定方法
JP2019086349A (ja) 軸受の状態監視装置及び異常診断方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050323

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050801

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051011

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3739681

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091111

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101111

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111111

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121111

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131111

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250