JPH09144994A - 内燃機関のヘッドカバー構造 - Google Patents
内燃機関のヘッドカバー構造Info
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- JPH09144994A JPH09144994A JP29826095A JP29826095A JPH09144994A JP H09144994 A JPH09144994 A JP H09144994A JP 29826095 A JP29826095 A JP 29826095A JP 29826095 A JP29826095 A JP 29826095A JP H09144994 A JPH09144994 A JP H09144994A
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- Japan
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- head cover
- oil
- cover
- internal combustion
- combustion engine
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- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 エンジン本体の剛性確保とヘッドカバー表面
からの放射騒音の低減を両立させる内燃機関のヘッドカ
バー構造を提供する。 【構成】 ヘッドカバー内壁にヘッドカバーと略相似形
のインナーカバーを配設し、ヘッドカバーとインナーカ
バーとで挟まれる空間にオイルを供給するための開口部
とオイル戻り用の開口部をインナーカバーに配設し、ま
たヘッドカバー内壁に湾曲部を配設し、さらにインナー
カバーをヘッドカバーとは別体とし、弾性部材を介して
当接させ、またヘッドカバー本体にオイルギャラリを設
けることにより、配管の簡素化とエンジンの高剛性化を
図り、油膜の制振効果を最大に発揮して放射騒音低減を
実現した。
からの放射騒音の低減を両立させる内燃機関のヘッドカ
バー構造を提供する。 【構成】 ヘッドカバー内壁にヘッドカバーと略相似形
のインナーカバーを配設し、ヘッドカバーとインナーカ
バーとで挟まれる空間にオイルを供給するための開口部
とオイル戻り用の開口部をインナーカバーに配設し、ま
たヘッドカバー内壁に湾曲部を配設し、さらにインナー
カバーをヘッドカバーとは別体とし、弾性部材を介して
当接させ、またヘッドカバー本体にオイルギャラリを設
けることにより、配管の簡素化とエンジンの高剛性化を
図り、油膜の制振効果を最大に発揮して放射騒音低減を
実現した。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のヘッドカバー
構造、動弁機構の保護機能とブローバイガス還元機能を
兼ね備えた内燃機関における、ヘッドカバー構造の放射
音低減技術に関する。
構造、動弁機構の保護機能とブローバイガス還元機能を
兼ね備えた内燃機関における、ヘッドカバー構造の放射
音低減技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】内燃機関のシリンダヘッドカバーは、軽
量でかつ内燃機関の放射騒音の吸収性能の高いものが望
ましい。たとえば特開昭６０−２２２６９２号公報や実
開平４−２５０９７号公報には、このような軽量化、低
騒音化を実現するため、内燃機関のシリンダヘッドカバ
ーを樹脂製とした従来技術が開示されている。すなわ
ち、これらの従来技術では、固体伝播騒音低減のため、
内部損失の高い樹脂材で成型したヘッドカバー構造が記
載されている。
量でかつ内燃機関の放射騒音の吸収性能の高いものが望
ましい。たとえば特開昭６０−２２２６９２号公報や実
開平４−２５０９７号公報には、このような軽量化、低
騒音化を実現するため、内燃機関のシリンダヘッドカバ
ーを樹脂製とした従来技術が開示されている。すなわ
ち、これらの従来技術では、固体伝播騒音低減のため、
内部損失の高い樹脂材で成型したヘッドカバー構造が記
載されている。
【０００３】図７〜図９は、特開昭６０−２２２６９２
号公報に記載されたシリンダヘッドカバーの断面図およ
び斜視図である。この従来技術では、ヘッドカバー本体
が繊維強化ポリアミド樹脂のブロー成型によって一体的
に成型された内壁と外壁とから成る中空構造である。ま
た、内壁には外壁方向に向かう突出部が形成され、その
先端部が外壁と接合されて成り、中空部がオイルセパレ
ータ部を形成している。
号公報に記載されたシリンダヘッドカバーの断面図およ
び斜視図である。この従来技術では、ヘッドカバー本体
が繊維強化ポリアミド樹脂のブロー成型によって一体的
に成型された内壁と外壁とから成る中空構造である。ま
た、内壁には外壁方向に向かう突出部が形成され、その
先端部が外壁と接合されて成り、中空部がオイルセパレ
ータ部を形成している。
【０００４】また、図１０、図１１は、実開平４−２５
０９７号公報に記載された内燃機関用ヘッドカバーの斜
視図、断面図である。これには、樹脂製ヘッドカバー本
体を中空構造にせずに、これに水分を含ませた従来技術
が記載されている。この従来技術では、ヘッドカバー本
体をこのような構造にすることにより、内部損失の増加
を図り、共振発生の防止と他から伝達される振動との吸
収性を向上させている。
０９７号公報に記載された内燃機関用ヘッドカバーの斜
視図、断面図である。これには、樹脂製ヘッドカバー本
体を中空構造にせずに、これに水分を含ませた従来技術
が記載されている。この従来技術では、ヘッドカバー本
体をこのような構造にすることにより、内部損失の増加
を図り、共振発生の防止と他から伝達される振動との吸
収性を向上させている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例のヘッドカバーは、オイルフィラーキャップの脱着性
やフランジの油密性を確保するためには高剛性化が必要
であり、その結果ヘッドカバーの減衰性能が低下し、重
量も増加する。また、これらを軽量で実現しようとする
と、ＦＲＰ（繊維強化プラスチック）等の使用で成型工
程が複雑となりコスト高を招く。一方アルミ製ヘッドカ
バーは、油密性等の性能には優れるものの減衰特性は比
較的小さいためエンジン放射騒音を悪化させるという問
題が発生する。
例のヘッドカバーは、オイルフィラーキャップの脱着性
やフランジの油密性を確保するためには高剛性化が必要
であり、その結果ヘッドカバーの減衰性能が低下し、重
量も増加する。また、これらを軽量で実現しようとする
と、ＦＲＰ（繊維強化プラスチック）等の使用で成型工
程が複雑となりコスト高を招く。一方アルミ製ヘッドカ
バーは、油密性等の性能には優れるものの減衰特性は比
較的小さいためエンジン放射騒音を悪化させるという問
題が発生する。
【０００６】さらに、近年ＤＯＨＣ化や可変動弁化によ
って動弁入力が増大する一方、軽量化のための薄肉化に
よってエンジン放射騒音悪化傾向が一層助長されてい
る。図５および図６はそれぞれ、薄肉化によって生じる
ヘッドカバー表面の１次の膜振動モードを説明する断面
図と平面図である。本発明はこのような従来の技術が有
する未解決の課題に着目してなされたものであって、エ
ンジン本体の剛性確保とヘッドカバー表面からの放射騒
音の低減を両立させる自動車用ヘッドカバー構造を提供
することを目的とする。
って動弁入力が増大する一方、軽量化のための薄肉化に
よってエンジン放射騒音悪化傾向が一層助長されてい
る。図５および図６はそれぞれ、薄肉化によって生じる
ヘッドカバー表面の１次の膜振動モードを説明する断面
図と平面図である。本発明はこのような従来の技術が有
する未解決の課題に着目してなされたものであって、エ
ンジン本体の剛性確保とヘッドカバー表面からの放射騒
音の低減を両立させる自動車用ヘッドカバー構造を提供
することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、請求項１に記載の発明は、動弁機構の保
護機能とブローバイガス還元機能を兼ね備えた内燃機関
のヘッドカバーにおいて、前記ヘッドカバー内壁にこの
ヘッドカバーと略相似形のインナーカバーを配設し、こ
のヘッドカバーと前記インナーカバーとで挟まれる空間
にオイルを供給して油層を保持した。また請求項２に記
載の発明は、請求項１に記載の発明において、前記イン
ナーカバーにこのインナーカバーと前記ヘッドカバーと
で挟まれた空間へオイルを供給するための開口部とオイ
ル戻り用の開口部をインナーカバーに配設した。
決するために、請求項１に記載の発明は、動弁機構の保
護機能とブローバイガス還元機能を兼ね備えた内燃機関
のヘッドカバーにおいて、前記ヘッドカバー内壁にこの
ヘッドカバーと略相似形のインナーカバーを配設し、こ
のヘッドカバーと前記インナーカバーとで挟まれる空間
にオイルを供給して油層を保持した。また請求項２に記
載の発明は、請求項１に記載の発明において、前記イン
ナーカバーにこのインナーカバーと前記ヘッドカバーと
で挟まれた空間へオイルを供給するための開口部とオイ
ル戻り用の開口部をインナーカバーに配設した。
【０００８】また請求項３に記載の発明は、請求項１，
２に記載の発明において、前記オイル供給口に対向する
前記ヘッドカバー内壁にオイル溜りとオイルガイドを目
的とした湾曲部を配設した。さらに請求項４に記載の発
明は、請求項１〜３に記載の発明において、前記インナ
ーカバーをヘッドカバーとは別体とし、ヘッドカバーに
対しては弾性部材を介して当接させた。さらにまた請求
項５に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、
ヘッドカバー本体にオイル供給ギャラリを設けた。
２に記載の発明において、前記オイル供給口に対向する
前記ヘッドカバー内壁にオイル溜りとオイルガイドを目
的とした湾曲部を配設した。さらに請求項４に記載の発
明は、請求項１〜３に記載の発明において、前記インナ
ーカバーをヘッドカバーとは別体とし、ヘッドカバーに
対しては弾性部材を介して当接させた。さらにまた請求
項５に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、
ヘッドカバー本体にオイル供給ギャラリを設けた。
【０００９】
【作用】請求項１に記載の発明にあっては、動弁機構の
保護機能とブローバイガス還元機能を兼ね備えた内燃機
関のヘッドカバーにおいて、前記ヘッドカバー内壁にヘ
ッドカバーと略相似形のインナーカバーを配設し、ヘッ
ドカバーとインナーカバーとで挟まれる空間にオイルを
供給して油層を保持することにより、油膜の制振効果に
よりヘッドカバー振動を抑制し、放射騒音を低減する。
保護機能とブローバイガス還元機能を兼ね備えた内燃機
関のヘッドカバーにおいて、前記ヘッドカバー内壁にヘ
ッドカバーと略相似形のインナーカバーを配設し、ヘッ
ドカバーとインナーカバーとで挟まれる空間にオイルを
供給して油層を保持することにより、油膜の制振効果に
よりヘッドカバー振動を抑制し、放射騒音を低減する。
【００１０】請求項２に記載の発明にあっては、請求項
１に記載の発明において、インナーカバーとヘッドカバ
ーとで挟まれた空間へオイルを供給するための開口部と
オイル戻り用の開口部をインナーカバーに配設して、油
層へのオイル供給をスムーズにした。請求項３に記載の
発明にあっては、請求項１，２に記載の発明において、
前記オイル供給口に対向するヘッドカバー内壁にオイル
溜りとオイルガイドを目的とした湾曲部を配設して、油
層のオイル切れを防止した。
１に記載の発明において、インナーカバーとヘッドカバ
ーとで挟まれた空間へオイルを供給するための開口部と
オイル戻り用の開口部をインナーカバーに配設して、油
層へのオイル供給をスムーズにした。請求項３に記載の
発明にあっては、請求項１，２に記載の発明において、
前記オイル供給口に対向するヘッドカバー内壁にオイル
溜りとオイルガイドを目的とした湾曲部を配設して、油
層のオイル切れを防止した。
【００１１】請求項４に記載の発明にあっては、請求項
１〜３に記載の発明において、前記インナーカバーをヘ
ッドカバーとは別体とし、ヘッドカバーに対しては弾性
部材を介して当接させることによって、シリンダヘッド
振動を直接的にヘッドカバーに入力しない様にした。請
求項５に記載の発明にあっては、請求項１において、ヘ
ッドカバー本体にオイル供給ギャラリを設けることによ
り、配管の簡素化とエンジンの高剛性化を図った。
１〜３に記載の発明において、前記インナーカバーをヘ
ッドカバーとは別体とし、ヘッドカバーに対しては弾性
部材を介して当接させることによって、シリンダヘッド
振動を直接的にヘッドカバーに入力しない様にした。請
求項５に記載の発明にあっては、請求項１において、ヘ
ッドカバー本体にオイル供給ギャラリを設けることによ
り、配管の簡素化とエンジンの高剛性化を図った。
【００１２】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。 〔実施例１〕まず本発明の実施例１を図１，２について
説明する。図１は本発明によるヘッドカバー構造の断面
図を表わしたもので、アルミダイキャスト等の高剛性部
材で構成されるヘッドカバー１が、シリンダーヘッド１
１の上端にあって、カムシャフト１３ａやカムキャップ
１３ｂより構成される動弁系１３（全ては図示せず）を
収接する様に、略逆Ｔ字断面のヘッドカバーガスケット
６を介して、図外の複数のボルトによって装着されてい
る。ヘッドカバー１の内側にはヘッドカバー１に相似形
である例えば板金製のインナーカバー２が、シリンダヘ
ッド１１とヘッドカバー１とによって挟持されている
が、インナーカバー２とシリンダヘッド１１とは弾性部
材４によって振動遮断されている。インナーカバー２の
形状は、ヘッドカバー１の天面１ａとヘッドカバー１の
長手方向の側壁部１ｂとに対向し、ヘッドカバー１前後
方向の側壁部には対向しない略台形状断面となってい
る。
詳細に説明する。 〔実施例１〕まず本発明の実施例１を図１，２について
説明する。図１は本発明によるヘッドカバー構造の断面
図を表わしたもので、アルミダイキャスト等の高剛性部
材で構成されるヘッドカバー１が、シリンダーヘッド１
１の上端にあって、カムシャフト１３ａやカムキャップ
１３ｂより構成される動弁系１３（全ては図示せず）を
収接する様に、略逆Ｔ字断面のヘッドカバーガスケット
６を介して、図外の複数のボルトによって装着されてい
る。ヘッドカバー１の内側にはヘッドカバー１に相似形
である例えば板金製のインナーカバー２が、シリンダヘ
ッド１１とヘッドカバー１とによって挟持されている
が、インナーカバー２とシリンダヘッド１１とは弾性部
材４によって振動遮断されている。インナーカバー２の
形状は、ヘッドカバー１の天面１ａとヘッドカバー１の
長手方向の側壁部１ｂとに対向し、ヘッドカバー１前後
方向の側壁部には対向しない略台形状断面となってい
る。
【００１３】インナーカバー２内には、シリンダヘッド
１１の長手方向に配置された、オイルギャラリー１２よ
り導かれたオイル配管１６の噴射口１６ａが気筒毎適宜
に配置され、これに対応するインナーカバー２の位置に
オイル供給口３が配設されている。噴射口１６ａから
は、毎分１リッター程度のオイルが、オイル供給口３に
吹き付けられる。オイル供給口３には、これに対応する
ヘッドカバー１の内側に凹設されたオイル溜り８に一旦
は停留され、順次ヘッドカバー１とインナーカバー２で
構成される、略１〜２ｍｍのクリアランスに強制的にオ
イルが供給される。
１１の長手方向に配置された、オイルギャラリー１２よ
り導かれたオイル配管１６の噴射口１６ａが気筒毎適宜
に配置され、これに対応するインナーカバー２の位置に
オイル供給口３が配設されている。噴射口１６ａから
は、毎分１リッター程度のオイルが、オイル供給口３に
吹き付けられる。オイル供給口３には、これに対応する
ヘッドカバー１の内側に凹設されたオイル溜り８に一旦
は停留され、順次ヘッドカバー１とインナーカバー２で
構成される、略１〜２ｍｍのクリアランスに強制的にオ
イルが供給される。
【００１４】圧送されたオイルは、傾斜したインナーカ
バー２の表面を重力とエンジン振動とによって、図２に
示すオイル戻り用開口部９より、シリンダヘッド１１内
に流れ込む。このことにより、オイルは常に循環するこ
とになり、スラッジが貯まりにくい。一方、ヘッドカバ
ー１の上面部が動弁入力等によって図６の様に膜振動を
始めると、インナーカバー２とで挟まれたオイルがイン
ナーカバー２に平行方向に流速Ｕで移動するので、オイ
ルの剪断が発生し、これとオイルの粘性に比例した減衰
力が作用する。減衰力Ｆを示す計算式を下記式（１）
に、またこの計算式の説明図を図１２に示す。 Ｆ∝μ×（δｕ／δｘ）×Ｓ （１）
バー２の表面を重力とエンジン振動とによって、図２に
示すオイル戻り用開口部９より、シリンダヘッド１１内
に流れ込む。このことにより、オイルは常に循環するこ
とになり、スラッジが貯まりにくい。一方、ヘッドカバ
ー１の上面部が動弁入力等によって図６の様に膜振動を
始めると、インナーカバー２とで挟まれたオイルがイン
ナーカバー２に平行方向に流速Ｕで移動するので、オイ
ルの剪断が発生し、これとオイルの粘性に比例した減衰
力が作用する。減衰力Ｆを示す計算式を下記式（１）
に、またこの計算式の説明図を図１２に示す。 Ｆ∝μ×（δｕ／δｘ）×Ｓ （１）
【００１５】一般的に膜振動の振動速度振幅は、減衰量
に支配されているため、油層の減衰特性増大によって、
発音効率の高い低次の膜モード振幅を大幅に低減可能で
あり、結果としてヘッドカバーからの放射音低減を実現
する。なお、減衰力を最大に引き出すためには、ヘッド
カバー１とインナーカバー２のクリアランスは小さいほ
どよいが、完全に当設させているとオイル圧送抵抗が大
きくなるため、１〜２ｍｍ程度が望ましい。
に支配されているため、油層の減衰特性増大によって、
発音効率の高い低次の膜モード振幅を大幅に低減可能で
あり、結果としてヘッドカバーからの放射音低減を実現
する。なお、減衰力を最大に引き出すためには、ヘッド
カバー１とインナーカバー２のクリアランスは小さいほ
どよいが、完全に当設させているとオイル圧送抵抗が大
きくなるため、１〜２ｍｍ程度が望ましい。
【００１６】〔実施例２〕次に本発明の実施例２を図３
について説明する。図３は図１と同様にヘッドカバー構
造の断面図を示すものである。実施例２の構成は実施例
１とほぼ同一であるが、ヘッドカバー２０にオイル供給
通路２４を形成し、このオイル供給路２４の終端に組み
込まれたオイルジェット２５からクリアランスへオイル
が供給される。オイルジェットは、基本的には各気筒毎
に配設されている。また、オイルの供給圧を上げるた
め、ヘッドカバー２０はシリンダヘッドにリジッド固定
である。このため、シリンダヘッドの上端部が閉断面化
されるため、エンジン本体の捩じり剛性が向上する。一
方、オイル供給圧を高めたためスラッジ排出性が向上す
ると共に、クリアランスを更に縮小可能となるため高周
波の膜モードの減衰力を高められる。これによって、ヘ
ッドカバーからの放射騒音を低減可能となる。
について説明する。図３は図１と同様にヘッドカバー構
造の断面図を示すものである。実施例２の構成は実施例
１とほぼ同一であるが、ヘッドカバー２０にオイル供給
通路２４を形成し、このオイル供給路２４の終端に組み
込まれたオイルジェット２５からクリアランスへオイル
が供給される。オイルジェットは、基本的には各気筒毎
に配設されている。また、オイルの供給圧を上げるた
め、ヘッドカバー２０はシリンダヘッドにリジッド固定
である。このため、シリンダヘッドの上端部が閉断面化
されるため、エンジン本体の捩じり剛性が向上する。一
方、オイル供給圧を高めたためスラッジ排出性が向上す
ると共に、クリアランスを更に縮小可能となるため高周
波の膜モードの減衰力を高められる。これによって、ヘ
ッドカバーからの放射騒音を低減可能となる。
【００１７】〔実施例３〕次に本発明の実施例３を図４
について説明する。図４は図１と同様にヘッドカバー構
造の断面図を示すものである。インナーカバー３１の略
中央部のクリアランスを縮小するため、天面を波うち形
状にしている。すなわち本構成は、問題となる膜モード
の腹に対応する部位のクリアランスを縮小した例であ
る。全面のクリアランスを縮小するとスラッジが貯まり
やすくなるが、部分的に縮小しているため低供給圧でも
オイルの流れを確保できる。
について説明する。図４は図１と同様にヘッドカバー構
造の断面図を示すものである。インナーカバー３１の略
中央部のクリアランスを縮小するため、天面を波うち形
状にしている。すなわち本構成は、問題となる膜モード
の腹に対応する部位のクリアランスを縮小した例であ
る。全面のクリアランスを縮小するとスラッジが貯まり
やすくなるが、部分的に縮小しているため低供給圧でも
オイルの流れを確保できる。
【００１８】
【発明の効果】以上説明したように、請求項１に関わる
ヘッドカバー構造によれば、動弁機構の保護機能とブロ
ーバイガス還元機能を兼ね備えた内燃機関のヘッドカバ
ーにおいて、前記ヘッドカバー内壁にヘッドカバーと略
相似形のインナーカバーを配設し、ヘッドカバーとイン
ナーカバーとで挟まれる空間にオイルを供給して油層を
保持することにより、油膜の制振効果によりヘッドカバ
ー振動を抑制し、著しく放射騒音を低減した。
ヘッドカバー構造によれば、動弁機構の保護機能とブロ
ーバイガス還元機能を兼ね備えた内燃機関のヘッドカバ
ーにおいて、前記ヘッドカバー内壁にヘッドカバーと略
相似形のインナーカバーを配設し、ヘッドカバーとイン
ナーカバーとで挟まれる空間にオイルを供給して油層を
保持することにより、油膜の制振効果によりヘッドカバ
ー振動を抑制し、著しく放射騒音を低減した。
【００１９】請求項２に記載の発明にあっては、請求項
１に記載の発明において、インナーカバーとヘッドカバ
ーとで挟まれた空間へオイルを供給するための開口部と
オイル戻り用の開口部をヘッドカバー天面に配設して、
油層へのオイル供給をスムーズにしたため、スラッジの
蓄積がなく油膜の制振効果を発揮して放射音を低減し
た。請求項３に記載の発明にあっては、請求項１，２に
記載の発明において、前記オイル供給口に対抗するヘッ
ドカバー内壁にオイル溜りとオイルガイドを目的とした
湾曲部を配設して、油層のオイル切れを防止して、油膜
の制振効果を最大に発揮して放射音を低減した。
１に記載の発明において、インナーカバーとヘッドカバ
ーとで挟まれた空間へオイルを供給するための開口部と
オイル戻り用の開口部をヘッドカバー天面に配設して、
油層へのオイル供給をスムーズにしたため、スラッジの
蓄積がなく油膜の制振効果を発揮して放射音を低減し
た。請求項３に記載の発明にあっては、請求項１，２に
記載の発明において、前記オイル供給口に対抗するヘッ
ドカバー内壁にオイル溜りとオイルガイドを目的とした
湾曲部を配設して、油層のオイル切れを防止して、油膜
の制振効果を最大に発揮して放射音を低減した。
【００２０】請求項４に記載の発明にあっては、請求項
１〜３に記載の発明において、前記インナーカバーをヘ
ッドカバーとは別体とし、ヘッドカバーに対しては弾性
部材を介して当接させることによって、シリンダヘッド
振動を直接的にヘッドカバーに入力しない様にしたた
め、振動増大を招くことなく油膜の制振効果を最大に発
揮して放射音を低減した。請求項５に記載の発明にあっ
ては、請求項１において、ヘッドカバー本体にオイル供
給ギャラリを設けることにより、配管の簡素化とエンジ
ンの高剛性化を図ったため、放射騒音低減とマウント振
動低減の両者を実現した。
１〜３に記載の発明において、前記インナーカバーをヘ
ッドカバーとは別体とし、ヘッドカバーに対しては弾性
部材を介して当接させることによって、シリンダヘッド
振動を直接的にヘッドカバーに入力しない様にしたた
め、振動増大を招くことなく油膜の制振効果を最大に発
揮して放射音を低減した。請求項５に記載の発明にあっ
ては、請求項１において、ヘッドカバー本体にオイル供
給ギャラリを設けることにより、配管の簡素化とエンジ
ンの高剛性化を図ったため、放射騒音低減とマウント振
動低減の両者を実現した。
【図１】本発明の実施例１におけるヘッドカバー構造の
断面図である。
断面図である。
【図２】本発明の実施例１におけるインナーカバー構造
の平面図である。
の平面図である。
【図３】本発明の実施例２におけるヘッドカバー構造の
断面図である。
断面図である。
【図４】本発明の実施例３におけるヘッドカバー構造の
断面図である。
断面図である。
【図５】従来のヘッドカバー表面の１次の膜振動モード
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図６】従来のヘッドカバー表面の１次の膜振動モード
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図７】従来技術を示す構成図である。
【図８】従来技術を示す構成図である。
【図９】従来技術を示す構成図である。
【図１０】従来技術を示す構成図である。
【図１１】従来技術を示す構成図である。
【図１２】減衰力Ｆを示す計算式の説明図である。
１ ヘッドカバー １ａ 天面 １ｂ 側壁部 ２ インナーカバー ３ オイル供給口 ４ 弾性部材 ６ ヘッドカバーガスケット ８ オイル溜り ９ オイル戻り用開口部 １１ シリンダーヘッド １２ オイルギャラリー １３ 動弁系 １３ａ カムシャフト １３ｂ カムキャップ １６ オイル配管 １６ａ 噴射口
Claims (5)
- 【請求項１】 動弁機構の保護機能とブローバイガス還
元機能を兼ね備えた内燃機関のヘッドカバーにおいて、
前記ヘッドカバー内壁にこのヘッドカバーと略相似形の
インナーカバーを配設し、このヘッドカバーと前記イン
ナーカバーとで挟まれる空間にオイルを供給して油層を
保持したことを特徴とする内燃機関のヘッドカバー構
造。 - 【請求項２】 前記インナーカバーにこのインナーカバ
ーと前記ヘッドカバーとで挟まれた空間へオイルを供給
するための開口部とオイル戻り用の開口部を少なくとも
一対以上前記インナーカバーに配設したことを特徴とす
る請求項１に記載の内燃機関のヘッドカバー構造。 - 【請求項３】 前記オイル供給口に対向する前記ヘッド
カバー内壁にオイル溜りとオイルガイドを目的とした湾
曲部を配設したことを特徴とする請求項１，２に記載の
内燃機関のヘッドカバー構造。 - 【請求項４】 前記インナーカバーを前記ヘッドカバー
とは別体とし、前記インナーカバーを前記ヘッドカバー
に対しては弾性部材を介して当接することを特徴とする
請求項１〜３に記載の内燃機関のヘッドカバー構造。 - 【請求項５】 前記ヘッドカバー本体にオイル供給ギャ
ラリを設けたことを特徴とする請求項１に記載の内燃機
関のヘッドカバー構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29826095A JPH09144994A (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 内燃機関のヘッドカバー構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29826095A JPH09144994A (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 内燃機関のヘッドカバー構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09144994A true JPH09144994A (ja) | 1997-06-03 |
Family
ID=17857328
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29826095A Pending JPH09144994A (ja) | 1995-11-16 | 1995-11-16 | 内燃機関のヘッドカバー構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09144994A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2017057505A1 (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | ヤマハ発動機株式会社 | 鞍乗型車両用のエンジン |
| CN108625982A (zh) * | 2018-06-28 | 2018-10-09 | 江苏科彤车业科技有限公司 | 一种具有减震功能的发动机盖罩 |
-
1995
- 1995-11-16 JP JP29826095A patent/JPH09144994A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2017057505A1 (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | ヤマハ発動機株式会社 | 鞍乗型車両用のエンジン |
| TWI624588B (zh) * | 2015-09-29 | 2018-05-21 | Yamaha Motor Co Ltd | 跨坐型車輛用之引擎 |
| CN108625982A (zh) * | 2018-06-28 | 2018-10-09 | 江苏科彤车业科技有限公司 | 一种具有减震功能的发动机盖罩 |
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