JP3314019B2 - 振動音低減装置および水冷式内燃機関の振動音低減装置 - Google Patents
振動音低減装置および水冷式内燃機関の振動音低減装置Info
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- JP3314019B2 JP3314019B2 JP31313997A JP31313997A JP3314019B2 JP 3314019 B2 JP3314019 B2 JP 3314019B2 JP 31313997 A JP31313997 A JP 31313997A JP 31313997 A JP31313997 A JP 31313997A JP 3314019 B2 JP3314019 B2 JP 3314019B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,振動発生部の少な
くとも一部を臨ませた液体通路を形成する通路形成体
に,前記振動発生部から液体通路中の液体を介して伝達
される振動を吸収する振動吸収手段が設けられる振動音
低減装置,特に,振動発生部としてのシリンダ部を囲繞
する水路部を含む冷却水路が機関本体に設けられる水冷
式内燃機関に好適に適用される振動音低減装置に関す
る。
くとも一部を臨ませた液体通路を形成する通路形成体
に,前記振動発生部から液体通路中の液体を介して伝達
される振動を吸収する振動吸収手段が設けられる振動音
低減装置,特に,振動発生部としてのシリンダ部を囲繞
する水路部を含む冷却水路が機関本体に設けられる水冷
式内燃機関に好適に適用される振動音低減装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水冷式内燃機関において,ピストンがシ
リンダ部の内面に衝突することに伴なうピストンスラッ
プ音を低減するにあたっては,シリンダ部の肉厚を厚
くして振動振幅を小さく抑える手法,シリンダブロッ
クの外壁部の肉厚を厚くして振動振幅を抑える手法が従
来から用いられている。
リンダ部の内面に衝突することに伴なうピストンスラッ
プ音を低減するにあたっては,シリンダ部の肉厚を厚
くして振動振幅を小さく抑える手法,シリンダブロッ
クの外壁部の肉厚を厚くして振動振幅を抑える手法が従
来から用いられている。
【0003】また冷却水路中に存在する非圧縮性の冷却
水の振動を抑える構造として,実開昭53−6881
4号公報で開示されるようにシリンダブロック内で冷却
水路の外方に隔壁を介して遮音層が設けられる構造等が
知られている。
水の振動を抑える構造として,実開昭53−6881
4号公報で開示されるようにシリンダブロック内で冷却
水路の外方に隔壁を介して遮音層が設けられる構造等が
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが,上記およ
びの手法では,シリンダ部およびシリンダブロックの
肉厚増大により機関本体の重量が増大してしまう。また
上記の構造では,隔壁を介して冷却水路および遮音層
が配置される二重構造となって構造が複雑であり,製造
が困難であって製造コストが増大するとともに機関本体
の重量増大を招くことにもなる。
びの手法では,シリンダ部およびシリンダブロックの
肉厚増大により機関本体の重量が増大してしまう。また
上記の構造では,隔壁を介して冷却水路および遮音層
が配置される二重構造となって構造が複雑であり,製造
が困難であって製造コストが増大するとともに機関本体
の重量増大を招くことにもなる。
【0005】そこで,本出願人は,冷却水路に臨んで機
関本体の外壁部に貫通孔が設けられ,一面を冷却水路に
臨ませるとともに他面を空間部に臨ませた弾性膜を備え
る振動吸収手段が,前記貫通孔を塞ぐようにして機関本
体の外壁面側に取付けられるようにした水冷式内燃機関
の振動音低減装置を,特願平8−351288号で既に
提案している。
関本体の外壁部に貫通孔が設けられ,一面を冷却水路に
臨ませるとともに他面を空間部に臨ませた弾性膜を備え
る振動吸収手段が,前記貫通孔を塞ぐようにして機関本
体の外壁面側に取付けられるようにした水冷式内燃機関
の振動音低減装置を,特願平8−351288号で既に
提案している。
【0006】この提案技術によれば,一面を冷却水路に
臨ませた弾性膜の撓みによって冷却水の圧力変動が吸収
されることになり,冷却水から機関本体の外壁部に作用
する加振力が効果的に低減され,機関本体の重量増加を
招くことなく,機関本体から放射されるピストンスラッ
プ音が低減されることになる。
臨ませた弾性膜の撓みによって冷却水の圧力変動が吸収
されることになり,冷却水から機関本体の外壁部に作用
する加振力が効果的に低減され,機関本体の重量増加を
招くことなく,機関本体から放射されるピストンスラッ
プ音が低減されることになる。
【0007】ところが,上記提案技術では,貫通孔を塞
ぐようにして機関本体に取付けられる部材に,弾性膜の
周縁部が焼付け等により固着されており,そのような弾
性膜の固定構造では,冷却水路の水圧や弾性膜の劣化に
伴なって,冷却水路および空間部間のシールを充分に確
保することが困難である。また機関本体に取付けられる
部材に,弾性膜の周縁部を接着することも考えられる
が,その場合にも充分なシール性の確保が困難である。
ぐようにして機関本体に取付けられる部材に,弾性膜の
周縁部が焼付け等により固着されており,そのような弾
性膜の固定構造では,冷却水路の水圧や弾性膜の劣化に
伴なって,冷却水路および空間部間のシールを充分に確
保することが困難である。また機関本体に取付けられる
部材に,弾性膜の周縁部を接着することも考えられる
が,その場合にも充分なシール性の確保が困難である。
【0008】本発明は,かかる事情に鑑みてなされたも
のであり,通路形成体の重量増加を招かない簡単な構造
でピストンスラップ音等の振動音を効果的に低減し得る
ようにした上で,充分なシール性を確保し得るようにし
た振動音低減装置を提供することを目的とする。
のであり,通路形成体の重量増加を招かない簡単な構造
でピストンスラップ音等の振動音を効果的に低減し得る
ようにした上で,充分なシール性を確保し得るようにし
た振動音低減装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1記載の発明は,振動発生部の少なくとも一
部を臨ませた液体通路を形成する通路形成体に,前記振
動発生部から液体通路中の液体を介して伝達される振動
を吸収する振動吸収手段が設けられる振動音低減装置に
おいて,前記液体通路に内端を開口せしめた貫通孔が通
路形成体の外壁部に設けられ,該貫通孔を塞いで前記外
壁部に取付けられると共に内端に円筒状の取付け部が突
設された閉塞部材と,一面を液体通路に臨ませるととも
に前記閉塞部材との間に形成した空間部に他面を臨ませ
る弾性膜とで振動吸収手段が構成され,その弾性膜は,
前記取付け部の外周に圧入される円筒状のシール部を備
えており,そのシール部の取付け部外周への前記圧入に
より該弾性膜が前記閉塞部材に固定されることを特徴と
している。
に,請求項1記載の発明は,振動発生部の少なくとも一
部を臨ませた液体通路を形成する通路形成体に,前記振
動発生部から液体通路中の液体を介して伝達される振動
を吸収する振動吸収手段が設けられる振動音低減装置に
おいて,前記液体通路に内端を開口せしめた貫通孔が通
路形成体の外壁部に設けられ,該貫通孔を塞いで前記外
壁部に取付けられると共に内端に円筒状の取付け部が突
設された閉塞部材と,一面を液体通路に臨ませるととも
に前記閉塞部材との間に形成した空間部に他面を臨ませ
る弾性膜とで振動吸収手段が構成され,その弾性膜は,
前記取付け部の外周に圧入される円筒状のシール部を備
えており,そのシール部の取付け部外周への前記圧入に
より該弾性膜が前記閉塞部材に固定されることを特徴と
している。
【0010】このような請求項1記載の発明の構成によ
れば,振動発生部で生じた振動は,液体通路中の液体の
振動を誘起することになるが,一面を液体通路に臨ませ
た弾性膜の撓みによって液体の圧力変動が吸収されるこ
とになり,液体から通路形成体に作用する加振力が効果
的に低減され,通路形成体から放射される振動音が低減
されることになる。しかも通路形成体の外壁側の一部に
振動吸収手段が取付けられるものであるので,振動吸収
手段の取付けによる通路形成体の重量増大を極力小さく
抑えることが可能である。また弾性膜は,通路形成体外
壁部の貫通孔を塞ぐ閉塞部材内端に突設した円筒状取付
け部の外周に圧入される円筒状のシール部を備えてお
り,そのシール部の取付け部外周への前記圧入により該
弾性膜が閉塞部材に固定されるため,液体通路の液体圧
や弾性膜の劣化によってシール性が低下することを回避
して弾性膜の閉塞部材への固定状態を確実に維持するこ
とができ,弾性膜が焼付けや接着により閉塞部材に固着
されるものに比べると,充分なシール性確保が可能とな
る。
れば,振動発生部で生じた振動は,液体通路中の液体の
振動を誘起することになるが,一面を液体通路に臨ませ
た弾性膜の撓みによって液体の圧力変動が吸収されるこ
とになり,液体から通路形成体に作用する加振力が効果
的に低減され,通路形成体から放射される振動音が低減
されることになる。しかも通路形成体の外壁側の一部に
振動吸収手段が取付けられるものであるので,振動吸収
手段の取付けによる通路形成体の重量増大を極力小さく
抑えることが可能である。また弾性膜は,通路形成体外
壁部の貫通孔を塞ぐ閉塞部材内端に突設した円筒状取付
け部の外周に圧入される円筒状のシール部を備えてお
り,そのシール部の取付け部外周への前記圧入により該
弾性膜が閉塞部材に固定されるため,液体通路の液体圧
や弾性膜の劣化によってシール性が低下することを回避
して弾性膜の閉塞部材への固定状態を確実に維持するこ
とができ,弾性膜が焼付けや接着により閉塞部材に固着
されるものに比べると,充分なシール性確保が可能とな
る。
【0011】また請求項2記載の発明は,ピストンを摺
動自在に嵌合させるシリンダ部が設けられるシリンダブ
ロックを含む機関本体に,前記シリンダ部を囲繞する水
路部を含む冷却水路が形成されるとともに,前記シリン
ダ部から冷却水路中の冷却水を介して伝達される振動を
吸収する振動吸収手段が設けられる水冷式内燃機関の振
動音低減装置において,前記冷却水路に内端を開口せし
めた貫通孔が機関本体の外壁部に設けられ,該貫通孔を
塞いで貫通孔にねじ込まれると共に内端に円筒状の取付
け部が突設された閉塞部材と,一面を冷却水路に臨ませ
るとともに前記閉塞部材との間に形成した空間部に他面
を臨ませる弾性膜とで振動吸収手段が構成され,その弾
性膜は,前記取付け部の外周に圧入される円筒状のシー
ル部を備えており,そのシール部の取付け部外周への前
記圧入により該弾性膜が前記閉塞部材に固定されること
を特徴とする。
動自在に嵌合させるシリンダ部が設けられるシリンダブ
ロックを含む機関本体に,前記シリンダ部を囲繞する水
路部を含む冷却水路が形成されるとともに,前記シリン
ダ部から冷却水路中の冷却水を介して伝達される振動を
吸収する振動吸収手段が設けられる水冷式内燃機関の振
動音低減装置において,前記冷却水路に内端を開口せし
めた貫通孔が機関本体の外壁部に設けられ,該貫通孔を
塞いで貫通孔にねじ込まれると共に内端に円筒状の取付
け部が突設された閉塞部材と,一面を冷却水路に臨ませ
るとともに前記閉塞部材との間に形成した空間部に他面
を臨ませる弾性膜とで振動吸収手段が構成され,その弾
性膜は,前記取付け部の外周に圧入される円筒状のシー
ル部を備えており,そのシール部の取付け部外周への前
記圧入により該弾性膜が前記閉塞部材に固定されること
を特徴とする。
【0012】このような請求項2記載の発明の構成によ
れば,ピストンがシリンダ部の内面に衝突することに伴
なうシリンダ部の振動は,冷却水路中の冷却水の振動を
誘起することになるが,一面を冷却水路に臨ませた弾性
膜の撓みによって冷却水の圧力変動が吸収されることに
なり,冷却水から機関本体の外壁部に作用する加振力が
効果的に低減され,機関本体から放射されるピストンス
ラップ音が低減されることになる。しかも機関本体の外
壁側の一部に振動吸収手段が取付けられるものであるの
で,振動吸収手段の取付けによる機関本体の重量増大を
極力小さく抑えることが可能である。また弾性膜は,機
関本体外壁部の貫通孔を塞ぐ閉塞部材内端に突設した円
筒状取付け部の外周に圧入される円筒状のシール部を備
えており,そのシール部の取付け部外周への前記圧入に
より該弾性膜が閉塞部材に固定されるため,冷却水路の
水圧や弾性膜の劣化によってシール性が低下することを
回避して弾性膜の閉塞部材への固定状態を確実に維持す
ることができ,閉塞部材が焼付けや接着により閉塞部材
に固着されるものに比べると,充分なシール性確保が可
能となる。さらに閉塞部材は,貫通孔にねじ込まれるも
のであり,振動吸収手段の機関本体に対する着脱操作が
容易である。
れば,ピストンがシリンダ部の内面に衝突することに伴
なうシリンダ部の振動は,冷却水路中の冷却水の振動を
誘起することになるが,一面を冷却水路に臨ませた弾性
膜の撓みによって冷却水の圧力変動が吸収されることに
なり,冷却水から機関本体の外壁部に作用する加振力が
効果的に低減され,機関本体から放射されるピストンス
ラップ音が低減されることになる。しかも機関本体の外
壁側の一部に振動吸収手段が取付けられるものであるの
で,振動吸収手段の取付けによる機関本体の重量増大を
極力小さく抑えることが可能である。また弾性膜は,機
関本体外壁部の貫通孔を塞ぐ閉塞部材内端に突設した円
筒状取付け部の外周に圧入される円筒状のシール部を備
えており,そのシール部の取付け部外周への前記圧入に
より該弾性膜が閉塞部材に固定されるため,冷却水路の
水圧や弾性膜の劣化によってシール性が低下することを
回避して弾性膜の閉塞部材への固定状態を確実に維持す
ることができ,閉塞部材が焼付けや接着により閉塞部材
に固着されるものに比べると,充分なシール性確保が可
能となる。さらに閉塞部材は,貫通孔にねじ込まれるも
のであり,振動吸収手段の機関本体に対する着脱操作が
容易である。
【0013】また請求項3記載の発明は,請求項1又は
2記載の発明の構成に加えて,前記弾性膜が,前記閉塞
部材との間に空間部を形成して前記シール部の端部に連
なる膜部を備え,前記シール部にはリング状の補強部材
が設けられていて,その補強部材により前記弾性膜の閉
塞部材への圧入部分が補強されることを特徴とし,この
ような構成によれば,弾性膜におけるシール部,すなわ
ち閉塞部材への圧入部分を補強部材で補強することによ
り,弾性膜の圧入操作時にシール部の円筒形状を保持す
るようにして圧入操作を容易とすることができるととも
に,取付け部外周へのシール部の密接状態を確実に維持
してシール性を向上することができる。
2記載の発明の構成に加えて,前記弾性膜が,前記閉塞
部材との間に空間部を形成して前記シール部の端部に連
なる膜部を備え,前記シール部にはリング状の補強部材
が設けられていて,その補強部材により前記弾性膜の閉
塞部材への圧入部分が補強されることを特徴とし,この
ような構成によれば,弾性膜におけるシール部,すなわ
ち閉塞部材への圧入部分を補強部材で補強することによ
り,弾性膜の圧入操作時にシール部の円筒形状を保持す
るようにして圧入操作を容易とすることができるととも
に,取付け部外周へのシール部の密接状態を確実に維持
してシール性を向上することができる。
【0014】請求項4記載の発明は,上記請求項3記載
の発明の構成に加えて,前記補強部材が,その全体をシ
ール部でくるまれるようにして該シール部内に設けられ
ることを特徴とし,かかる構成によれば,補強部材が弾
性膜から脱落することを確実に防止することができる。
の発明の構成に加えて,前記補強部材が,その全体をシ
ール部でくるまれるようにして該シール部内に設けられ
ることを特徴とし,かかる構成によれば,補強部材が弾
性膜から脱落することを確実に防止することができる。
【0015】請求項5記載の発明は,上記請求項3また
は4記載の発明の構成に加えて,前記弾性膜のシール部
に,前記閉塞部材の取付け部に弾発係合して該弾性膜の
取付け部からの脱落を阻止する抜止め部が,前記補強部
材の内方に位置するようにして設けられることにより,
抜止め部の取付け部への係合状態を補強部材で強固に維
持することができる。
は4記載の発明の構成に加えて,前記弾性膜のシール部
に,前記閉塞部材の取付け部に弾発係合して該弾性膜の
取付け部からの脱落を阻止する抜止め部が,前記補強部
材の内方に位置するようにして設けられることにより,
抜止め部の取付け部への係合状態を補強部材で強固に維
持することができる。
【0016】請求項6記載の発明は,上記請求項1また
は2記載の発明の構成に加えて,前記弾性膜が,閉塞部
材との間に空間部を形成して前記シール部の端部に連な
る膜部を備え,前記シール部の肉厚が前記膜部の肉厚よ
りも大きく設定されることを特徴とし,比較的厚肉に形
成されることによってシール部の剛性を比較的高くし,
シール部の取付け部への圧入状態を強固に維持すること
ができる。
は2記載の発明の構成に加えて,前記弾性膜が,閉塞部
材との間に空間部を形成して前記シール部の端部に連な
る膜部を備え,前記シール部の肉厚が前記膜部の肉厚よ
りも大きく設定されることを特徴とし,比較的厚肉に形
成されることによってシール部の剛性を比較的高くし,
シール部の取付け部への圧入状態を強固に維持すること
ができる。
【0017】さらに請求項7記載の発明は,前記閉塞部
材には,前記シール部の圧入方向への移動端を規制する
規制部が設けられることを特徴とし,この特徴によれ
ば,弾性膜のシール部を取付け部外周に圧入するにあた
って,前記規制部でシール部の圧入が規制されるまでシ
ール部を圧入すればよいので,圧入作業の作業性を向上
しつつ弾性膜のシール性を充分に確保することができ
る。
材には,前記シール部の圧入方向への移動端を規制する
規制部が設けられることを特徴とし,この特徴によれ
ば,弾性膜のシール部を取付け部外周に圧入するにあた
って,前記規制部でシール部の圧入が規制されるまでシ
ール部を圧入すればよいので,圧入作業の作業性を向上
しつつ弾性膜のシール性を充分に確保することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を,添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0019】図1ないし図6は本発明の第1実施例を示
すものであり,図1は4気筒水冷式内燃機関のシリンダ
ブロックの斜視図,図2は図1の2−2線拡大断面図,
図3は図2の要部拡大図,図4は弾性膜の閉塞部材への
圧入前の状態を示す断面図,図5は各シリンダ部の配列
方向に沿うシリンダブロック外壁面の振動モードを示す
図,図6は周波数に対する振動加速度特性を従来と対比
して示す図である。
すものであり,図1は4気筒水冷式内燃機関のシリンダ
ブロックの斜視図,図2は図1の2−2線拡大断面図,
図3は図2の要部拡大図,図4は弾性膜の閉塞部材への
圧入前の状態を示す断面図,図5は各シリンダ部の配列
方向に沿うシリンダブロック外壁面の振動モードを示す
図,図6は周波数に対する振動加速度特性を従来と対比
して示す図である。
【0020】先ず図1および図2において,水冷式4気
筒内燃機関のシリンダブロック11は,図示しないシリ
ンダヘッドおよびオイルパン等とともに通路形成体とし
ての機関本体Eを構成するものであり,このシリンダブ
ロック11には,振動発生部である第1ないし第4シリ
ンダ部131 〜134 が並列して設けられ,各シリンダ
部131 〜134 にピストン12…がそれぞれ摺動自在
に嵌合される。これらのシリンダ部131 〜134 は,
この実施例ではシリンダブロック11が備える内壁部1
1aにシリンダライナ15…が鋳込まれて成るものであ
るが,内壁部11aの内面が研削加工されて成るもので
あってもよい。また機関本体Eには,冷却水を流通させ
る液体通路としての冷却水路14が形成され,該冷却水
路14は,各シリンダ部131 〜134 を共通に囲繞す
るようにしてシリンダブロック11に形成された水路部
14aを含むものである。
筒内燃機関のシリンダブロック11は,図示しないシリ
ンダヘッドおよびオイルパン等とともに通路形成体とし
ての機関本体Eを構成するものであり,このシリンダブ
ロック11には,振動発生部である第1ないし第4シリ
ンダ部131 〜134 が並列して設けられ,各シリンダ
部131 〜134 にピストン12…がそれぞれ摺動自在
に嵌合される。これらのシリンダ部131 〜134 は,
この実施例ではシリンダブロック11が備える内壁部1
1aにシリンダライナ15…が鋳込まれて成るものであ
るが,内壁部11aの内面が研削加工されて成るもので
あってもよい。また機関本体Eには,冷却水を流通させ
る液体通路としての冷却水路14が形成され,該冷却水
路14は,各シリンダ部131 〜134 を共通に囲繞す
るようにしてシリンダブロック11に形成された水路部
14aを含むものである。
【0021】ところで,ピストン12…の外面および各
シリンダ部131 〜134 の内面間には微少な間隙が存
在しており,各シリンダ部131 〜134 内でのピスト
ン12…の上下運動時にピストン12…がシリンダ部1
31 〜134 の内面に衝突してシリンダ部131 〜13
4 を振動させ,その振動が冷却水路14内の冷却水に伝
達される。而して冷却水は非圧縮性のものであるため,
わずかな振動によっても圧力変化を生じ,冷却水路14
に臨むシリンダブロック11の外壁部11bに冷却水の
圧力変化による加振力が加わることにより,前記外壁部
11bが振動してピストンスラップ音の外部への放射が
生じることになる。
シリンダ部131 〜134 の内面間には微少な間隙が存
在しており,各シリンダ部131 〜134 内でのピスト
ン12…の上下運動時にピストン12…がシリンダ部1
31 〜134 の内面に衝突してシリンダ部131 〜13
4 を振動させ,その振動が冷却水路14内の冷却水に伝
達される。而して冷却水は非圧縮性のものであるため,
わずかな振動によっても圧力変化を生じ,冷却水路14
に臨むシリンダブロック11の外壁部11bに冷却水の
圧力変化による加振力が加わることにより,前記外壁部
11bが振動してピストンスラップ音の外部への放射が
生じることになる。
【0022】そこで,冷却水路14内の冷却水の振動を
吸収し,シリンダブロック11の外壁部11bに加振力
が加わることを極力抑制してピストンスラップ音の低減
を図る振動吸収手段161 …が,各シリンダ部131 〜
134 の配列方向に沿う中間位置に在る第2および第3
シリンダ部132 ,133 のスリーブボアセンターにそ
れぞれ対応する位置で,シリンダブロック11の外壁部
11bに取付けられるものであり,シリンダブロック1
1の外壁部11bには,各振動吸収手段161…に対応
して貫通孔17…が設けられる。
吸収し,シリンダブロック11の外壁部11bに加振力
が加わることを極力抑制してピストンスラップ音の低減
を図る振動吸収手段161 …が,各シリンダ部131 〜
134 の配列方向に沿う中間位置に在る第2および第3
シリンダ部132 ,133 のスリーブボアセンターにそ
れぞれ対応する位置で,シリンダブロック11の外壁部
11bに取付けられるものであり,シリンダブロック1
1の外壁部11bには,各振動吸収手段161…に対応
して貫通孔17…が設けられる。
【0023】振動吸収手段161 は,貫通孔17を塞ぐ
閉塞部材181 と,一面を冷却水路14の水路部14a
に臨ませるとともに閉塞部材181 との間に形成した空
間部20に他面を臨ませるようにして閉塞部材181 に
圧入,固定される弾性膜191 とを備える。
閉塞部材181 と,一面を冷却水路14の水路部14a
に臨ませるとともに閉塞部材181 との間に形成した空
間部20に他面を臨ませるようにして閉塞部材181 に
圧入,固定される弾性膜191 とを備える。
【0024】図3を併せて参照して,シリンダブロック
11の外壁部11bには,円筒状のボス部22が一体に
突設されており,内端を水路部14aに開口させた貫通
孔17が,その外端をボス部22の外端に開口するよう
にして前記外壁部11bに設けられ,該貫通孔17の内
面には,少なくとも外端から中間部までの間にわたって
雌ねじ23が刻設される。
11の外壁部11bには,円筒状のボス部22が一体に
突設されており,内端を水路部14aに開口させた貫通
孔17が,その外端をボス部22の外端に開口するよう
にして前記外壁部11bに設けられ,該貫通孔17の内
面には,少なくとも外端から中間部までの間にわたって
雌ねじ23が刻設される。
【0025】閉塞部材181 は,雌ねじ23に螺合され
る雄ねじ部241 と,該雄ねじ部241 の外端から半径
方向外方に張出す張出し鍔部251 と,雄ねじ部241
との間に環状の段差面である規制部271 を形成して該
雄ねじ部241 の内端から同軸に突出する円筒状の取付
け部261 とを一体に有して,剛性を有する金属材料た
とえばアルミニウム合金で形成される。この閉塞部材1
81 の外端には,閉塞部材181 を回転操作するための
工具を差し込む係合凹部28が,たとえば六角形の横断
面形状を有するようにして設けられており,張出し鍔部
251 とボス部22との間に環状のガスケット29を挟
むようにして,貫通孔17の雌ねじ23に雄ねじ部24
1 がねじ込まれる。
る雄ねじ部241 と,該雄ねじ部241 の外端から半径
方向外方に張出す張出し鍔部251 と,雄ねじ部241
との間に環状の段差面である規制部271 を形成して該
雄ねじ部241 の内端から同軸に突出する円筒状の取付
け部261 とを一体に有して,剛性を有する金属材料た
とえばアルミニウム合金で形成される。この閉塞部材1
81 の外端には,閉塞部材181 を回転操作するための
工具を差し込む係合凹部28が,たとえば六角形の横断
面形状を有するようにして設けられており,張出し鍔部
251 とボス部22との間に環状のガスケット29を挟
むようにして,貫通孔17の雌ねじ23に雄ねじ部24
1 がねじ込まれる。
【0026】弾性膜191 は,たとえばエチレンプロピ
レン系のゴムから成るものであり,前記閉塞部材181
における取付け部261 の外周に一端を規制部271 に
当接させるようにして圧入される円筒状のシール部30
1 と,閉塞部材181 との間に空間部20を形成するよ
うにして前記シール部301 の他端に連なる膜部311
とから成る有底円筒状に形成される。
レン系のゴムから成るものであり,前記閉塞部材181
における取付け部261 の外周に一端を規制部271 に
当接させるようにして圧入される円筒状のシール部30
1 と,閉塞部材181 との間に空間部20を形成するよ
うにして前記シール部301 の他端に連なる膜部311
とから成る有底円筒状に形成される。
【0027】しかも弾性膜191 のシール部301 に
は,金属から成るリング状の補強部材32が設けられて
おり,該補強部材32は,その全体をシール部301 で
くるまれるようにして焼付け等によりシール部301 内
に設けられている。
は,金属から成るリング状の補強部材32が設けられて
おり,該補強部材32は,その全体をシール部301 で
くるまれるようにして焼付け等によりシール部301 内
に設けられている。
【0028】このような振動吸収手段161 では,弾性
膜191 が圧入,固定された閉塞部材181 を貫通孔1
7の雌ねじ23にねじ込むようにして,振動吸収手段1
61が機関本体Eに取付けられた状態で,弾性膜191
が,シリンダブロック11における外壁部11bの内面
から冷却水路14内に突出しないように設定されてい
る。
膜191 が圧入,固定された閉塞部材181 を貫通孔1
7の雌ねじ23にねじ込むようにして,振動吸収手段1
61が機関本体Eに取付けられた状態で,弾性膜191
が,シリンダブロック11における外壁部11bの内面
から冷却水路14内に突出しないように設定されてい
る。
【0029】而して弾性膜191 のシール部301 が閉
塞部材181 における取付け部261 の外周に圧入され
るときに,弾性膜191 の膜部311 および取付け部2
61間に形成される空間部20の圧力が増大して膜部3
11 が冷却水路14側に膨らんでしまうことを避けるた
めに,図4で示すように,弾性膜191 の膜部311は
外力を加えない自然な状態では,閉塞部材181 側に膨
らんだ形状に形成されている。これによりシール部30
1 が取付け部261 の外周に圧入されるのに応じた空間
部20の圧力増加に応じて,図3で示すように膜部31
1 が平坦な円板状に変形することになる。
塞部材181 における取付け部261 の外周に圧入され
るときに,弾性膜191 の膜部311 および取付け部2
61間に形成される空間部20の圧力が増大して膜部3
11 が冷却水路14側に膨らんでしまうことを避けるた
めに,図4で示すように,弾性膜191 の膜部311は
外力を加えない自然な状態では,閉塞部材181 側に膨
らんだ形状に形成されている。これによりシール部30
1 が取付け部261 の外周に圧入されるのに応じた空間
部20の圧力増加に応じて,図3で示すように膜部31
1 が平坦な円板状に変形することになる。
【0030】また弾性膜191 におけるシール部301
の内周面には,環状に突出した抜け止め部33が,前記
補強部材32の内方に位置するようにして一体に設けら
れており,閉塞部材181 における取付け部261 の外
面には,前記抜け止め部33を弾発的に係合せしめる環
状凹部33が設けられる。
の内周面には,環状に突出した抜け止め部33が,前記
補強部材32の内方に位置するようにして一体に設けら
れており,閉塞部材181 における取付け部261 の外
面には,前記抜け止め部33を弾発的に係合せしめる環
状凹部33が設けられる。
【0031】なお,閉塞部材181 およびボス部22間
にガスケット29が介在されているが,振動吸収手段1
61 の機関本体Eへの取付け状態で,弾性膜191 にお
けるシール部301 の外面が貫通孔17の内面に密接す
るように設定すれば,ガスケット29を省略することも
可能である。
にガスケット29が介在されているが,振動吸収手段1
61 の機関本体Eへの取付け状態で,弾性膜191 にお
けるシール部301 の外面が貫通孔17の内面に密接す
るように設定すれば,ガスケット29を省略することも
可能である。
【0032】ところで,上記貫通孔17および振動吸収
手段161 の配設位置は,ピストン12が第2および第
3シリンダ部132 ,133 の内面に打撃を与える位置
に近いことが望ましく,クランク角に対するスラップ振
動の発生タイミングがピストン12の上死点前後25度
以内であることがわかっているので,前記上死点前後2
5度でのピストン変位量とピストン12の軸方向長さと
の和をAとしたときに,シリンダブロック11の上面か
らAの範囲に貫通孔17および振動吸収手段161 が配
設されることが望ましい。
手段161 の配設位置は,ピストン12が第2および第
3シリンダ部132 ,133 の内面に打撃を与える位置
に近いことが望ましく,クランク角に対するスラップ振
動の発生タイミングがピストン12の上死点前後25度
以内であることがわかっているので,前記上死点前後2
5度でのピストン変位量とピストン12の軸方向長さと
の和をAとしたときに,シリンダブロック11の上面か
らAの範囲に貫通孔17および振動吸収手段161 が配
設されることが望ましい。
【0033】また本発明者の実験によれば,各シリンダ
部131 〜134 のピストン12からの打撃に伴なう振
動の速度振幅は,各シリンダ部131 〜134 の配列方
向に沿って図5で示すように変化するものであり,各シ
リンダ部131 〜134 の配列方向に沿う中間部である
第2および第3シリンダ部132 ,133 のスリーブボ
アセンターに対応する部分で速度振幅が大きくなる。し
たがって,貫通孔17および振動吸収手段161 は,各
シリンダ部131 〜134 の配列方向に直交する側方か
らシリンダブロック11を見た状態で,第2および第3
シリンダ部132 ,133 のスリーブボアセンターに対
応する部分で,シリンダブロック11の外壁部11bに
それぞれ配設されることが望ましい。
部131 〜134 のピストン12からの打撃に伴なう振
動の速度振幅は,各シリンダ部131 〜134 の配列方
向に沿って図5で示すように変化するものであり,各シ
リンダ部131 〜134 の配列方向に沿う中間部である
第2および第3シリンダ部132 ,133 のスリーブボ
アセンターに対応する部分で速度振幅が大きくなる。し
たがって,貫通孔17および振動吸収手段161 は,各
シリンダ部131 〜134 の配列方向に直交する側方か
らシリンダブロック11を見た状態で,第2および第3
シリンダ部132 ,133 のスリーブボアセンターに対
応する部分で,シリンダブロック11の外壁部11bに
それぞれ配設されることが望ましい。
【0034】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると,各ピストン12…の外面および各シリンダ部13
1 〜134 の内面間に微少間隙が存在することにより,
各シリンダ部131 〜134 の内面にピストン12…が
衝突して各シリンダ部131〜134 を振動させると,
その振動は冷却水路14内の非圧縮性である冷却水に伝
達され,冷却水の圧力変化を誘起することになる。しか
るに,冷却水路14の水路部14aに臨む部分でシリン
ダブロック11の外壁部11bには,貫通孔17が設け
られるとともに,該貫通孔17を塞ぐようにして振動吸
収手段161 が取付けられており,該振動吸収手段16
1 は,貫通孔17を塞ぐ閉塞部材181と,一面を液体
通路14の水路部14aに臨ませるとともに閉塞部材1
81 との間に形成した空間部20に他面を臨ませるよう
にして閉塞部材181 に固定される弾性膜191 とを備
えるものである。したがって,冷却水の圧力変動は弾性
膜191 における膜部311 の撓みによって吸収される
ことになり,冷却水からシリンダブロック11の外壁部
11bに作用する加振力が効果的に低減される。しかも
弾性膜191 の他面が臨む空間部20は閉塞部材181
で覆われるので,弾性膜191 の振動による音が閉塞部
材181 から外部に放射されることもなく,シリンダブ
ロック11から放射されるピストンスラップ音を効果的
に低減することができる。
ると,各ピストン12…の外面および各シリンダ部13
1 〜134 の内面間に微少間隙が存在することにより,
各シリンダ部131 〜134 の内面にピストン12…が
衝突して各シリンダ部131〜134 を振動させると,
その振動は冷却水路14内の非圧縮性である冷却水に伝
達され,冷却水の圧力変化を誘起することになる。しか
るに,冷却水路14の水路部14aに臨む部分でシリン
ダブロック11の外壁部11bには,貫通孔17が設け
られるとともに,該貫通孔17を塞ぐようにして振動吸
収手段161 が取付けられており,該振動吸収手段16
1 は,貫通孔17を塞ぐ閉塞部材181と,一面を液体
通路14の水路部14aに臨ませるとともに閉塞部材1
81 との間に形成した空間部20に他面を臨ませるよう
にして閉塞部材181 に固定される弾性膜191 とを備
えるものである。したがって,冷却水の圧力変動は弾性
膜191 における膜部311 の撓みによって吸収される
ことになり,冷却水からシリンダブロック11の外壁部
11bに作用する加振力が効果的に低減される。しかも
弾性膜191 の他面が臨む空間部20は閉塞部材181
で覆われるので,弾性膜191 の振動による音が閉塞部
材181 から外部に放射されることもなく,シリンダブ
ロック11から放射されるピストンスラップ音を効果的
に低減することができる。
【0035】さらにシリンダブロック11の外壁面の一
部に振動吸収手段161 が取付けられるものであるの
で,振動吸収手段161 の取付けによるシリンダブロッ
ク11すなわち機関本体Eの重量増大を極力小さく抑え
ることができる。しかも閉塞部材181 は,機関本体E
にねじ込まれるものであり,振動吸収手段161 の機関
本体Eに対する着脱操作が極めて容易であり,弾性膜1
91 の交換およびメンテナンスを容易に行なうことがで
きる。
部に振動吸収手段161 が取付けられるものであるの
で,振動吸収手段161 の取付けによるシリンダブロッ
ク11すなわち機関本体Eの重量増大を極力小さく抑え
ることができる。しかも閉塞部材181 は,機関本体E
にねじ込まれるものであり,振動吸収手段161 の機関
本体Eに対する着脱操作が極めて容易であり,弾性膜1
91 の交換およびメンテナンスを容易に行なうことがで
きる。
【0036】また弾性膜191 は,閉塞部材181 に圧
入,固定されるものであり,弾性膜が焼付けや接着によ
り閉塞部材に固着されるものに比べると,冷却水路14
の水圧や弾性膜191 の劣化によってシール性が低下す
ることを回避して,弾性膜191 の閉塞部材181 への
固定状態を確実に維持することができる。しかも弾性膜
191 のシール部301 には,リング状の補強部材32
が設けられているので,弾性膜191 のシール部3
01 ,すなわち閉塞部材181 への圧入部分が補強部材
32で補強される。したがって弾性膜191 の圧入操作
時にシール部301の円筒形状を保持するようにして圧
入操作を容易とすることができるとともに,取付け部2
61 の外周へのシール部301 の密接状態を確実に維持
してシール性を向上することができる。それに加えて,
補強部材32は,その全体をシール部301 でくるまれ
るようにして該シール部301 内に設けられるものであ
るので,補強部材32が弾性膜191 から脱落すること
を確実に防止することができる。
入,固定されるものであり,弾性膜が焼付けや接着によ
り閉塞部材に固着されるものに比べると,冷却水路14
の水圧や弾性膜191 の劣化によってシール性が低下す
ることを回避して,弾性膜191 の閉塞部材181 への
固定状態を確実に維持することができる。しかも弾性膜
191 のシール部301 には,リング状の補強部材32
が設けられているので,弾性膜191 のシール部3
01 ,すなわち閉塞部材181 への圧入部分が補強部材
32で補強される。したがって弾性膜191 の圧入操作
時にシール部301の円筒形状を保持するようにして圧
入操作を容易とすることができるとともに,取付け部2
61 の外周へのシール部301 の密接状態を確実に維持
してシール性を向上することができる。それに加えて,
補強部材32は,その全体をシール部301 でくるまれ
るようにして該シール部301 内に設けられるものであ
るので,補強部材32が弾性膜191 から脱落すること
を確実に防止することができる。
【0037】またシール部301 の内面には,補強部材
32の内方に位置するようにして抜け止め部33が設け
られており,この抜け止め部33が,取付け部261 の
環状凹部34に弾発係合するので,弾性膜191 の閉塞
部材181 からの脱落を阻止して閉塞部材181 への弾
性膜191 の圧入,固定状態を確実に維持することがで
き,抜け止め部33の環状凹部34への係合状態を補強
部材32で強固に維持することができる。
32の内方に位置するようにして抜け止め部33が設け
られており,この抜け止め部33が,取付け部261 の
環状凹部34に弾発係合するので,弾性膜191 の閉塞
部材181 からの脱落を阻止して閉塞部材181 への弾
性膜191 の圧入,固定状態を確実に維持することがで
き,抜け止め部33の環状凹部34への係合状態を補強
部材32で強固に維持することができる。
【0038】しかも弾性膜191 のシール部301 を取
付け部261 の外周に圧入するにあたって,閉塞部材1
81 には,シール部301 の圧入方向への移動端を規制
する規制部271 が設けられており,規制部271 でシ
ール部301 の圧入が規制されるまでシール部301 を
圧入すればよいので,圧入作業の作業性を向上しつつ弾
性膜191 のシール性を充分に確保することができる。
付け部261 の外周に圧入するにあたって,閉塞部材1
81 には,シール部301 の圧入方向への移動端を規制
する規制部271 が設けられており,規制部271 でシ
ール部301 の圧入が規制されるまでシール部301 を
圧入すればよいので,圧入作業の作業性を向上しつつ弾
性膜191 のシール性を充分に確保することができる。
【0039】さらに弾性膜191 が,シリンダブロック
11における外壁部11bの内面から冷却水路14内に
突出しないので,弾性膜191 により冷却水路14中で
の冷却水の流通が阻害されることを極力回避することが
でき,冷却水路14中での冷却水の流通を円滑にするこ
とができ,振動吸収手段161 が装備されていない従来
の水冷式内燃機関と同程度に冷却性能を維持することが
できる。
11における外壁部11bの内面から冷却水路14内に
突出しないので,弾性膜191 により冷却水路14中で
の冷却水の流通が阻害されることを極力回避することが
でき,冷却水路14中での冷却水の流通を円滑にするこ
とができ,振動吸収手段161 が装備されていない従来
の水冷式内燃機関と同程度に冷却性能を維持することが
できる。
【0040】ここで,第3シリンダ部133 に対応する
部分でのシリンダブロック11の外壁部11bの振動加
速度について検証した結果を示すと,図6のようになる
ものであり,振動吸収手段161 を有しない従来のもの
が破線で示すように比較的高くなっているのに対し,本
発明に従うものは,実線で示すように加速度が効果的に
低減されており,本発明に従う振動吸収手段161 によ
りピストンスラップ音を効果的に低減し得ることが明ら
かである。
部分でのシリンダブロック11の外壁部11bの振動加
速度について検証した結果を示すと,図6のようになる
ものであり,振動吸収手段161 を有しない従来のもの
が破線で示すように比較的高くなっているのに対し,本
発明に従うものは,実線で示すように加速度が効果的に
低減されており,本発明に従う振動吸収手段161 によ
りピストンスラップ音を効果的に低減し得ることが明ら
かである。
【0041】図7は本発明の第2実施例を示すものであ
り,上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号
を付す。
り,上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号
を付す。
【0042】シリンダブロック11の外壁部11bに設
けられた貫通孔17を塞ぐようにして,振動吸収手段1
62 が,シリンダブロック11の外壁部11bに取付け
られ,該振動吸収手段162 は,前記貫通孔17を塞ぐ
閉塞部材182 と,一面を液体通路14の水路部14a
に臨ませるとともに閉塞部材182 との間に形成した空
間部20に他面を臨ませるようにして閉塞部材182 に
圧入,固定される弾性膜192 とを備える。
けられた貫通孔17を塞ぐようにして,振動吸収手段1
62 が,シリンダブロック11の外壁部11bに取付け
られ,該振動吸収手段162 は,前記貫通孔17を塞ぐ
閉塞部材182 と,一面を液体通路14の水路部14a
に臨ませるとともに閉塞部材182 との間に形成した空
間部20に他面を臨ませるようにして閉塞部材182 に
圧入,固定される弾性膜192 とを備える。
【0043】閉塞部材182 は,貫通孔17の雌ねじ2
3に螺合される雄ねじ部242 と,該雄ねじ部242 の
外端から半径方向外方に張出す張出し鍔部252 と,雄
ねじ部242 との間に環状の段差面である規制部272
を形成して該雄ねじ部242の内端から同軸に突出する
円筒状の取付け部262 とを一体に有して,剛性を有す
る金属材料により形成されるものであり,取付け部26
2 の基端外周には環状凹部36が設けられる。
3に螺合される雄ねじ部242 と,該雄ねじ部242 の
外端から半径方向外方に張出す張出し鍔部252 と,雄
ねじ部242 との間に環状の段差面である規制部272
を形成して該雄ねじ部242の内端から同軸に突出する
円筒状の取付け部262 とを一体に有して,剛性を有す
る金属材料により形成されるものであり,取付け部26
2 の基端外周には環状凹部36が設けられる。
【0044】一方,弾性膜192 は,たとえばエチレン
プロピレン系のゴムから成るものであり,前記閉塞部材
182 における取付け部262 の外周に一端を規制部2
72に当接させるようにして圧入される円筒状のシール
部302 と,閉塞部材182との間に空間部20を形成
するようにして前記シール部302 の他端に連なる膜部
312 と,取付け部262 の環状凹部36に弾発的に係
合すべく前記シール部302 の一端から半径方向内方に
張出す鍔状の抜け止め部35とを備える。
プロピレン系のゴムから成るものであり,前記閉塞部材
182 における取付け部262 の外周に一端を規制部2
72に当接させるようにして圧入される円筒状のシール
部302 と,閉塞部材182との間に空間部20を形成
するようにして前記シール部302 の他端に連なる膜部
312 と,取付け部262 の環状凹部36に弾発的に係
合すべく前記シール部302 の一端から半径方向内方に
張出す鍔状の抜け止め部35とを備える。
【0045】しかも弾性膜192 において,シール部3
02 および抜け止め部35の肉厚は,膜部312 の肉厚
よりも大きく設定されており,これによりシール部30
2 および抜け止め部35の剛性が比較的高くなる。
02 および抜け止め部35の肉厚は,膜部312 の肉厚
よりも大きく設定されており,これによりシール部30
2 および抜け止め部35の剛性が比較的高くなる。
【0046】この第2実施例によれば,上記第1実施例
で用いた補強部材32を用いることなく,弾性膜192
におけるシール部302 および抜け止め部35の剛性を
比較的高くし,シール部302 の取付け部262 への圧
入状態を強固に維持することができ,また抜け止め部3
5が,取付け部262 の環状凹部36に弾発係合するの
で,弾性膜192 の閉塞部材182 からの脱落を阻止し
て閉塞部材182 への弾性膜192 の圧入,固定状態を
確実に維持することができる。
で用いた補強部材32を用いることなく,弾性膜192
におけるシール部302 および抜け止め部35の剛性を
比較的高くし,シール部302 の取付け部262 への圧
入状態を強固に維持することができ,また抜け止め部3
5が,取付け部262 の環状凹部36に弾発係合するの
で,弾性膜192 の閉塞部材182 からの脱落を阻止し
て閉塞部材182 への弾性膜192 の圧入,固定状態を
確実に維持することができる。
【0047】図8は本発明の第3実施例を示すものであ
り,上記各実施例に対応する部分には同一の参照符号を
付す。
り,上記各実施例に対応する部分には同一の参照符号を
付す。
【0048】シリンダブロック11の外壁部11bに設
けられた貫通孔17を塞ぐようにして,振動吸収手段1
63 が,シリンダブロック11の外壁部11bに取付け
られ,該振動吸収手段163 は,前記貫通孔17を塞ぐ
閉塞部材183 と,一面を液体通路14の水路部14a
に臨ませるとともに閉塞部材183 との間に形成した空
間部20に他面を臨ませるようにして閉塞部材183 に
圧入,固定される弾性膜192 とを備える。
けられた貫通孔17を塞ぐようにして,振動吸収手段1
63 が,シリンダブロック11の外壁部11bに取付け
られ,該振動吸収手段163 は,前記貫通孔17を塞ぐ
閉塞部材183 と,一面を液体通路14の水路部14a
に臨ませるとともに閉塞部材183 との間に形成した空
間部20に他面を臨ませるようにして閉塞部材183 に
圧入,固定される弾性膜192 とを備える。
【0049】閉塞部材183 は,JIS SP等の金属
板をプレス成形して成るものであり,貫通孔17の雌ね
じ23に螺合される雄ねじ部243 と,該雄ねじ部24
3 の外端から半径方向外方に張出すとともに外端面には
係合凹部28が形成される張出し鍔部253 と,雄ねじ
部243 との間に環状の段差面である規制部273 を形
成して該雄ねじ部243 の内端から同軸に突出する円筒
状の取付け部263 とを一体に有して,剛性を有する金
属材料により形成されるものであり,取付け部263 の
基端外周には環状凹部36が設けられる。
板をプレス成形して成るものであり,貫通孔17の雌ね
じ23に螺合される雄ねじ部243 と,該雄ねじ部24
3 の外端から半径方向外方に張出すとともに外端面には
係合凹部28が形成される張出し鍔部253 と,雄ねじ
部243 との間に環状の段差面である規制部273 を形
成して該雄ねじ部243 の内端から同軸に突出する円筒
状の取付け部263 とを一体に有して,剛性を有する金
属材料により形成されるものであり,取付け部263 の
基端外周には環状凹部36が設けられる。
【0050】弾性膜192 のシール部302 は,前記閉
塞部材183 における取付け部263 の外周に一端を規
制部273 に当接させるようにして圧入され,取付け部
262 の環状凹部36に抜け止め部35が弾発的に係合
される。
塞部材183 における取付け部263 の外周に一端を規
制部273 に当接させるようにして圧入され,取付け部
262 の環状凹部36に抜け止め部35が弾発的に係合
される。
【0051】この第3実施例によれば,閉塞部材183
が金属板のプレス成形により形成されるものであるの
で,閉塞部材183 の軽量化すなわち振動吸収手段16
3 の軽量化を図ることができる。これにより,振動吸収
手段163 の取付けによるシリンダブロック11の表面
での振動モード変化を回避し,充分なピストンスラップ
音低減効果を得ることができる。
が金属板のプレス成形により形成されるものであるの
で,閉塞部材183 の軽量化すなわち振動吸収手段16
3 の軽量化を図ることができる。これにより,振動吸収
手段163 の取付けによるシリンダブロック11の表面
での振動モード変化を回避し,充分なピストンスラップ
音低減効果を得ることができる。
【0052】以上,本発明の実施例を詳述したが,本発
明は上記実施例に限定されるものではなく,特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
明は上記実施例に限定されるものではなく,特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0053】たとえば上記実施例では,水冷式内燃機関
に本発明を適用したときについて説明したが,本発明
は,振動発生部の少なくとも一部を臨ませた液体通路を
形成する通路形成体から放射される振動音を低減する装
置として広く実施することができる。
に本発明を適用したときについて説明したが,本発明
は,振動発生部の少なくとも一部を臨ませた液体通路を
形成する通路形成体から放射される振動音を低減する装
置として広く実施することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば,一面を液体通路に臨ませた弾性膜の撓みによって液
体の圧力変動が吸収されることになり,液体から通路形
成体に作用する加振力を効果的に低減し,通路形成体か
ら放射される振動音を低減することができ,しかも振動
吸収手段の取付けによる通路形成体の重量増大を極力小
さく抑えることが可能である。また弾性膜は,通路形成
体外壁部の貫通孔を塞ぐ閉塞部材内端に突設した円筒状
取付け部の外周に圧入される円筒状のシール部を備えて
おり,そのシール部の取付け部外周への前記圧入により
該弾性膜が閉塞部材に固定されるため,液体通路の液体
圧や弾性膜の劣化によってシール性が低下することを回
避して弾性膜の閉塞部材への固定状態を確実に維持する
ことができ,弾性膜が焼付けや接着により閉塞部材に固
着されるものに比べて優れたシール性を得ることが可能
となる。
ば,一面を液体通路に臨ませた弾性膜の撓みによって液
体の圧力変動が吸収されることになり,液体から通路形
成体に作用する加振力を効果的に低減し,通路形成体か
ら放射される振動音を低減することができ,しかも振動
吸収手段の取付けによる通路形成体の重量増大を極力小
さく抑えることが可能である。また弾性膜は,通路形成
体外壁部の貫通孔を塞ぐ閉塞部材内端に突設した円筒状
取付け部の外周に圧入される円筒状のシール部を備えて
おり,そのシール部の取付け部外周への前記圧入により
該弾性膜が閉塞部材に固定されるため,液体通路の液体
圧や弾性膜の劣化によってシール性が低下することを回
避して弾性膜の閉塞部材への固定状態を確実に維持する
ことができ,弾性膜が焼付けや接着により閉塞部材に固
着されるものに比べて優れたシール性を得ることが可能
となる。
【0055】また請求項2記載の発明によれば,一面を
冷却水路に臨ませた弾性膜の撓みによって冷却水の圧力
変動が吸収されることになり,冷却水から機関本体の外
壁部に作用する加振力を効果的に低減し,機関本体から
放射されるピストンスラップ音を低減することができ,
しかも振動吸収手段の取付けによる機関本体の重量増大
を極力小さく抑えることが可能である。また弾性膜は,
機関本体外壁部の貫通孔を塞ぐ閉塞部材内端に突設した
円筒状取付け部の外周に圧入される円筒状のシール部を
備えており,そのシール部の取付け部外周への前記圧入
により該弾性膜 が閉塞部材に固定されるため,冷却水路
の水圧や弾性膜の劣化によってシール性が低下すること
を回避して弾性膜の閉塞部材への固定状態を確実に維持
することができ,弾性膜が焼付けや接着により閉塞部材
に固着されるものに比べて優れたシール性を得ることが
可能であり,さらに振動吸収手段の機関本体に対する着
脱操作が容易である。
冷却水路に臨ませた弾性膜の撓みによって冷却水の圧力
変動が吸収されることになり,冷却水から機関本体の外
壁部に作用する加振力を効果的に低減し,機関本体から
放射されるピストンスラップ音を低減することができ,
しかも振動吸収手段の取付けによる機関本体の重量増大
を極力小さく抑えることが可能である。また弾性膜は,
機関本体外壁部の貫通孔を塞ぐ閉塞部材内端に突設した
円筒状取付け部の外周に圧入される円筒状のシール部を
備えており,そのシール部の取付け部外周への前記圧入
により該弾性膜 が閉塞部材に固定されるため,冷却水路
の水圧や弾性膜の劣化によってシール性が低下すること
を回避して弾性膜の閉塞部材への固定状態を確実に維持
することができ,弾性膜が焼付けや接着により閉塞部材
に固着されるものに比べて優れたシール性を得ることが
可能であり,さらに振動吸収手段の機関本体に対する着
脱操作が容易である。
【0056】また請求項3記載の発明によれば,弾性膜
におけるシール部を補強部材で補強することにより,弾
性膜の圧入操作時にシール部の円筒形状を保持するよう
にして圧入操作を容易とすることができるとともに,取
付け部の外周へのシール部の密接状態を確実に維持して
シール性を向上することができる。
におけるシール部を補強部材で補強することにより,弾
性膜の圧入操作時にシール部の円筒形状を保持するよう
にして圧入操作を容易とすることができるとともに,取
付け部の外周へのシール部の密接状態を確実に維持して
シール性を向上することができる。
【0057】請求項4記載の発明によれば,補強部材が
弾性膜から脱落することを確実に防止することができ
る。
弾性膜から脱落することを確実に防止することができ
る。
【0058】請求項5記載の発明によれば,抜止め部の
取付け部への係合状態を補強部材で強固に維持すること
ができる。
取付け部への係合状態を補強部材で強固に維持すること
ができる。
【0059】請求項6記載の発明によれば,比較的厚肉
に形成されることによってシール部の剛性を比較的高く
し,シール部の取付け部への圧入状態を強固に維持する
ことができる。
に形成されることによってシール部の剛性を比較的高く
し,シール部の取付け部への圧入状態を強固に維持する
ことができる。
【0060】さらに請求項7記載の発明によれば,前記
閉塞部材には,シール部の圧入方向への移動端を規制す
る規制部が設けられるので,弾性膜のシール部を取付け
部外周に圧入するにあたって,前記規制部でシール部の
圧入が規制されるまでシール部を圧入すればよく,従っ
て,圧入作業の作業性を向上しつつ弾性膜のシール性を
充分に確保することができる。
閉塞部材には,シール部の圧入方向への移動端を規制す
る規制部が設けられるので,弾性膜のシール部を取付け
部外周に圧入するにあたって,前記規制部でシール部の
圧入が規制されるまでシール部を圧入すればよく,従っ
て,圧入作業の作業性を向上しつつ弾性膜のシール性を
充分に確保することができる。
【図1】第1実施例の4気筒水冷式内燃機関のシリンダ
ブロックの斜視図である。
ブロックの斜視図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】弾性膜の閉塞部材への圧入前の状態を示す断面
図である。
図である。
【図5】各シリンダ部の配列方向に沿うシリンダブロッ
ク外壁面の振動モードを示す図である。
ク外壁面の振動モードを示す図である。
【図6】周波数に対する振動加速度特性を従来と対比し
て示す図である。
て示す図である。
【図7】第2実施例の図3に対応した断面図である。
【図8】第3実施例の図3に対応した断面図である。
11・・・シリンダブロック 11b・・・外壁部 131 〜13 3 ・・・振動発生部としてのシリンダ部 14・・・液体通路としての冷却水路 14a・・・水路部 161 〜16 3 ・・・振動吸収手段 17・・・貫通孔 181 〜18 3 ・・・閉塞部材 191 ,19 2 ・・・弾性膜 20・・・空間部 261 〜263 ・・・取付け部 301 ,302 ・・・シール部 311 ,312 ・・・膜部 32・・・補強部材 33,35・・・抜止め部 E・・・通路形成体としての機関本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16F 15/08 F16F 15/08 N (72)発明者 砂岡 基之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 坂下 正雄 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 河合 範明 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平9−166217(JP,A) 実開 昭57−101345(JP,U) 実開 平2−83496(JP,U) 実開 昭62−137362(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02F 1/00 - 7/00 F16F 5/00 F16F 7/00 F16F 15/08
Claims (7)
- 【請求項1】 振動発生部(131 〜133 )の少なく
とも一部を臨ませた液体通路(14)を形成する通路形
成体(E)に,前記振動発生部(131 〜133 )から
液体通路(14)中の液体を介して伝達される振動を吸
収する振動吸収手段(161 〜163 )が設けられる振
動音低減装置において, 前記液体通路(14)に内端を開口せしめた貫通孔(1
7)が通路形成体(E)の外壁部(11b)に設けら
れ, 該貫通孔(17)を塞いで前記外壁部(11b)に取付
けられると共に内端に円筒状の取付け部(26 1 〜26
3 )が突設された閉塞部材(181 〜183 )と,一面
を液体通路(14)に臨ませるとともに前記閉塞部材
(181 〜183)との間に形成した空間部(20)に
他面を臨ませる弾性膜(191 ,19 2 )とで振動吸収
手段(161 〜163 )が構成され, その弾性膜(19 1 ,19 2 )は,前記取付け部(26
1 〜26 3 )の外周に圧入される円筒状のシール部(3
0 1 ,30 2 )を備えており,そのシール部(30 1 ,
30 2 )の取付け部(26 1 〜26 3 )外周への前記圧
入により該弾性膜(19 1 ,19 2 )が前記閉塞部材
(18 1 〜18 3 )に固定される ことを特徴とする振動
音低減装置。 - 【請求項2】 ピストン(12)を摺動自在に嵌合させ
るシリンダ部(13 1 〜13 3 )が設けられるシリンダ
ブロック(11)を含む機関本体(E)に,前記シリン
ダ部(13 1 〜13 3 )を囲繞する水路部(14a)を
含む冷却水路(14)が形成されるとともに,前記シリ
ンダ部(13 1 〜13 3 )から冷却水路(14)中の冷
却水を介して伝達される振動を吸収する振動吸収手段
(16 1 〜16 3 )が設けられる水冷式内燃機関の振動
音低減装置において, 前記冷却水路(14)に内端を開口せしめた貫通孔(1
7)が機関本体(E)の外壁部(11b)に設けられ, 該貫通孔(17)を塞いで貫通孔(17)にねじ込まれ
ると共に内端に円筒状の取付け部(26 1 〜26 3 )が
突設された閉塞部材(18 1 〜18 3 )と,一 面を冷却
水路(14)に臨ませるとともに前記閉塞部材(18 1
〜18 3 )との間に形成した空間部(20)に他面を臨
ませる弾性膜(19 1 ,19 2 )とで振動吸収手段(1
6 1 〜16 3 )が構成され, その弾性膜(19 1 ,19 2 )は,前記取付け部(26
1 〜26 3 )の外周に圧入される円筒状のシール部(3
0 1 ,30 2 )を備えており,そのシール部(30 1 ,
30 2 )の取付け部(26 1 〜26 3 )外周への前記圧
入により該弾性膜(19 1 ,19 2 )が前記閉塞部材
(18 1 〜18 3 )に固定されることを特徴とする,水
冷式内燃機関の振動音低減装置。 - 【請求項3】 前記弾性膜(191 )は,前記閉塞部材
(181 )との間に空間部(20)を形成して前記シー
ル部(301 )の端部に連なる膜部(311)を備え,
前記シール部(301 )にはリング状の補強部材(3
2)が設けられていて,その補強部材(32)により前
記弾性膜(19 1 )の閉塞部材(18 1 )への圧入部分
が補強されることを特徴とする,請求項1又は2に記載
の振動音低減装置。 - 【請求項4】 前記補強部材(32)が,その全体をシ
ール部(301 )でくるまれるようにして該シール部
(301 )内に設けられることを特徴とする請求項3記
載の振動音低減装置。 - 【請求項5】 前記弾性膜(191 )のシール部(30
1 )に,前記閉塞部材(181 )の取付け部(261 )
に弾発係合して該弾性膜(191 )の取付け部(2
61 )からの脱落を阻止する抜止め部(33)が,前記
補強部材(32)の内方に位置するようにして設けられ
ることを特徴とする請求項3または4記載の振動音低減
装置。 - 【請求項6】 前記弾性膜(192 )は,前記閉塞部材
(182 ,183 )との間に空間部(20)を形成して
前記シール部(302 )の端部に連なる膜部(312 )
を備え,前記シール部(302 )の肉厚が前記膜部(3
12 )の肉厚よりも大きく設定されることを特徴とする
請求項1または2記載の振動音低減装置。 - 【請求項7】 前記閉塞部材(18 1 〜18 3 )には,
前記シール部(30 1 〜18 3 )の圧入方向への移動端
を規制する規制部(27 1 〜27 3 )が設け られること
を特徴とする,請求項1〜6の何れかに記載の振動音低
減装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31313997A JP3314019B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 振動音低減装置および水冷式内燃機関の振動音低減装置 |
US09/190,235 US6763794B1 (en) | 1997-11-14 | 1998-11-13 | Vibration sound reducing device, and process for assembling elastic membrane in vibration sound reducing device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31313997A JP3314019B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 振動音低減装置および水冷式内燃機関の振動音低減装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11148427A JPH11148427A (ja) | 1999-06-02 |
JP3314019B2 true JP3314019B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=18037575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31313997A Expired - Fee Related JP3314019B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 振動音低減装置および水冷式内燃機関の振動音低減装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3314019B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7087857B2 (ja) * | 2018-09-10 | 2022-06-21 | 日産自動車株式会社 | カバー部材およびこれを備える内燃機関 |
-
1997
- 1997-11-14 JP JP31313997A patent/JP3314019B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11148427A (ja) | 1999-06-02 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |