JPH09144162A - エネルギー吸収機能を有するボルト接合構造およびそのエネルギー吸収材 - Google Patents

エネルギー吸収機能を有するボルト接合構造およびそのエネルギー吸収材

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JPH09144162A
JPH09144162A JP29982595A JP29982595A JPH09144162A JP H09144162 A JPH09144162 A JP H09144162A JP 29982595 A JP29982595 A JP 29982595A JP 29982595 A JP29982595 A JP 29982595A JP H09144162 A JPH09144162 A JP H09144162A
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JP
Japan
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bolt
energy absorbing
joining
hole
absorbing material
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JP29982595A
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English (en)
Inventor
Genichi Takahashi
元一 高橋
Naomiki Niwa
直幹 丹羽
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Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボルト接合部にボルト剪断方向の大きな減衰性
能を付与でき、コンパクトで、製品化・量産化し易く、
安価で施工性に優れた減衰機能付きのボルト接合部が得
られるようにする。 【解決手段】接合材1と接合材2を重ね合わせてボルト
3で接合するボルト接合構造において、一方の接合材1
にボルト3が挿通して取付けられるボルト孔5を形成
し、他方の接合材2にボルト3がその剪断方向に相対移
動可能なエネルギー吸収孔6を形成し、この孔にエネル
ギー吸収材7を充填し、この吸収材7の変形によりボル
ト剪断方向の大きな減衰性能が得られるようにする。エ
ネルギー吸収材7はカバープレート8で覆い、ナット4
を介して接合材2に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築・土木・機
械などの技術分野においてボルト接合する部材の地震・
風・その他の振動源による振動の低減を目的としたエネ
ルギー吸収機能を有するボルト接合構造およびそのエネ
ルギー吸収材に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来のボ
ルト接合は、ボルト自身の剪断、引張もしくは摩擦接合
を基本としている。これらはボルトによって部材相互を
緊結して剛接合することが基本であり、各種の荷重に対
してボルトが損傷すること無く応力を伝達させようとす
るもので、ボルト接合部の減衰性能は非常に少ないこと
が知られている。
【0003】このようなボルト接合部は、建築をはじめ
としてあらゆる分野において数多くあり、このボルト接
合部分に適切なエネルギー吸収機構を工業化した形でコ
ンパクトにかつ施工し易く供給できれば、耐震技術をは
じめとして振動防止技術の観点から非常に有効なものと
なる。
【0004】なお、ボルト接合部の振動減衰装置として
は、互いに重ね合わせた接合材の間にゴム等を介在さ
せ、ボルト・ナットで緊結する構造が考えられるが、こ
のような構造では、ボルト剪断方向に対して減衰性能が
低く、また接合材間に介在させたゴム等の分だけボルト
接合部の厚さが大きくなるなどの欠点がある。
【0005】この発明は、前述のような問題点を解消す
べくなされたもので、その目的は、ボルト接合部にボル
ト剪断方向の大きな減衰性能を付与することができると
共に、減衰部分を重ね合わせた接合材間に納めることが
でき、しかも製品化・量産化し易く、安価で施工性に優
れたエネルギー吸収機能を有するボルト接合構造および
エネルギー吸収材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、接合材と接合材を重ね合わせてボルト
で接合するボルト接合構造において、一方の接合材にボ
ルトが挿通して取付けられるボルト孔を形成し、他方の
接合材にボルトがその剪断方向に相対移動可能なエネル
ギー吸収孔を形成し、このエネルギー吸収孔にエネルギ
ー吸収材を充填し、このエネルギー吸収材を覆うカバー
プレートをナットを介して接合材に固定する。
【0007】前記エネルギー吸収材は、互いに重ね合わ
せた接合材を貫通してボルト接合するボルトが貫通する
貫通孔を中央部に有し、接合材の一方にボルトが剪断方
向に相対移動可能に形成されたエネルギー吸収孔に充填
可能な形状を有し、前記ボルトの移動により変形可能な
材質(鉛合金やゴムなど)の部材とする。
【0008】地震・風などによる荷重が作用して接合材
どうしが相互にボルト剪断方向に移動すると、エネルギ
ー吸収材に対してボルトが相対移動し、エネルギー吸収
材が変形してエネルギーを吸収し、ボルト剪断方向に延
在するエネルギー吸収材の比較的大きな減衰性能により
接合材すなわち建物の振動が大幅に抑制される。
【0009】エネルギー吸収材はエネルギー吸収孔に収
納され、接合材とカバープレート間に内封されるため、
通常のボルト接合部と同じ厚さとすることができると共
に、エネルギー吸収材が変形しても外部へ漏出するのを
防止することができる。また、エネルギー吸収材は比較
的簡単な形状で製品化・量産化が可能であり、またエネ
ルギー吸収孔に嵌め込むだけなので施工も容易となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示する実施例
に基づいて説明する。図1,図2にこの発明に係るボル
ト接合構造の例を示し、図5〜図8にこのボルト接合構
造を建築・土木分野に適用した種々の例を示す。
【0011】図1は接合材が比較的幅広の場合、あるい
は載荷方向が材軸方向と異なる場合に適用した例であ
り、重ね合わせて接合する接合材のうち一方の接合材1
にボルト3が挿通して取付けられるボルト孔5を穿設
し、他方の接合材2のボルト挿通位置にボルト3がボル
ト剪断方向(接合材長手方向)に相対移動可能な大径で
円形のエネルギー吸収孔6を穿設する。
【0012】この円形のエネルギー吸収孔6内に、ボル
ト3の軸部が貫通する貫通孔7aを中央部に有し、この
吸収孔6内に充満し得る円板リング状のエネルギー吸収
材7を装填する。このエネルギー吸収材7は、例えば鉛
合金のようにエネルギー吸収能の高い金属、あるいはゴ
ムなどの高分子化合物のように粘性・弾性に富む粘弾性
材料などを使用する。
【0013】また、このエネルギー吸収材7は接合材2
の板厚と同じ厚さのものを用意しておけばよい。あるい
は、5mm,10mm,15mm,…と何種類かのもの
を用意しておき、これらを接合材2の板厚に応じて適宜
選択し、重ねて用いるようにしてもよい。
【0014】接合材2に設けられるエネルギー吸収材7
は、装填したままでは変形すると外部に露出するため、
エネルギー吸収材7よりも充分大きいカバープレート8
により覆う。このカバープレート8は、その中央部を貫
通するボルト3の先端部に螺着したナット4を介して接
合材2に固定される。
【0015】接合材が比較的幅狭の場合、あるいは載荷
方向が材軸方向に一致する場合には、図2に示すよう
に、エネルギー吸収孔6の平面形状を接合材長手方向に
長い長円形とすればよい。エネルギー吸収材7も同一平
面形状の長円形とする。カバープレート8の平面形状
は、長円形,長方形などとする。なお、これらエネルギ
ー吸収孔6・エネルギー吸収材7の平面形状は、以上に
限定されることなく、種々の形状を採用できることはい
うまでもない。
【0016】以上のような構成において、接合材1,2
どうしが何らかの荷重の作用により相互に移動すると、
図3に示すように、エネルギー吸収材7に対してボルト
3が移動し、エネルギー吸収材7が変形してエネルギー
を吸収し、接合材1,2の変形を抑制するように作用し
て振動を低減する。
【0017】図4に示すのは、このようなボルト接合構
造を採用した接合部の履歴特性であり、鉄骨部材の接合
部においてボルト剪断方向の大きなエネルギー吸収能が
生じる。このような接合部を例えば建物全体に適切な数
だけ配置すれば、建物としての減衰性能は飛躍的に向上
し、大地震や強風に対して揺れを低減し、構造安全性を
高め、建物としての機能維持性能を向上させることがで
きる。
【0018】エネルギー吸収材7は、接合材1,2間に
収納されるため、通常のボルト接合部と同じ厚さとな
り、一般のボルト接合部分に容易に適用することができ
る。また、エネルギー吸収材7は、接合材1とカバープ
レート8間に完全に内封されるため、材料が変形しても
外部に漏れ出ることがなく、安定したエネルギー吸収機
構を構成できる。ここで、ボルト3の導入張力(締付
力)はカバープレート8がエネルギー吸収材7を内封で
きるだけの力でよく、高力ボルト接合のようにボルトの
導入張力による接合材相互の摩擦力を期待するものでは
ない。
【0019】また、エネルギー吸収材7は板状の部材の
中央に孔を明けた部材で、製品化・量産化し易く、安価
であり、施工に際してもエネルギー吸収孔6に嵌め込む
だけでよいので、極めて容易に取付けを行うことができ
る。
【0020】図5は地震や風による建築・土木構造物の
揺れを低減することを目的に多用される筋交いに本ボル
ト接合構造を適用した例である。筋交い1aとガセット
プレート2aとの間に本ボルト接合構造Aを設ける。図
6は同様に壁に適用した例であり、梁と壁にそれぞれ取
付けられた接続プレート1bと接続プレート2bとの間
に本ボルト接合構造Aを設ける。
【0021】図7は鉄骨の梁接合部に採用した例であ
り、ウェブ部分は通常のボルト接合Bで接続して荷重を
支え、例えば床振動に対してはフランジ1cとスプライ
スプレート2c間に本ボルト接合構造Aを設けて振動を
防止するなどが考えられる。
【0022】図8は、外壁のカーテンウォールの取付部
位に採用した例である。通常、カーテンウォール等の建
築仕上げ材には振動レベルの低い範囲でかなりの減衰性
能があることが知られているが、このような仕上げ材の
取付部材1dと支持部材2dとの間に本ボルト接合構造
Aを設けることによって建物全体の減衰性能を向上でき
る。
【0023】なお、以上は建築・土木分野について説明
したが、これに限定されることなく、自動車,鉄道,そ
の他の機械工業分野において振動防止が課題となってい
る対象物でボルト接合がなされる構造物にも適用するこ
とができる。
【0024】
【発明の効果】前述の通り、この発明は、重ね合わせた
接合材の一方にボルトを挿通取付けし、他方の接合材に
大きめのエネルギー吸収孔を形成し、このエネルギー吸
収孔にエネルギー吸収材を充填し、カバープレートで覆
うように構成したため、次のような効果を奏する。
【0025】(1) ボルト接合部にボルト剪断方向の大き
な減衰性能を付与することができ、建物等の減衰性能を
飛躍的に向上させることができる。
【0026】(2) エネルギー吸収材を重ね合わせた接合
材間に納めることができ、通常のボルト接合部と同じ厚
さとすることができ、一般のボルト接合部に容易に適用
できる。また、エネルギー吸収材はカバープレートと接
合材との間に完全に内封されるため、変形しても外部に
漏出することがなく、安定したエネルギー吸収機構が得
られる。
【0027】(3) エネルギー吸収材は、比較的簡単な構
成で製品化・量産化し易く、安価なものとすることがで
き、またエネルギー吸収孔に嵌め込むだけでよいので施
工も極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るボルト接合構造の1例であり、
(a)は接合部の平面図、(b)はエネルギー吸収材の
水平断面図、(c)は接合部の縦断面図である。
【図2】この発明に係るボルト接合構造の他の例であ
り、(a)は接合部の平面図、(b)はエネルギー吸収
材の水平断面図、(c)は接合部の縦断面図である。
【図3】図2のボルト接合構造において引張りによりエ
ネルギー吸収材が変形した状態を示す(a)は平面図、
(b)は縦断面図である。
【図4】この発明に係るボルト接合構造の履歴特性を示
すグラフである。
【図5】この発明に係るボルト接合構造を筋交い構造物
に適用した例を示す正面図である。
【図6】この発明に係るボルト接合構造を壁と柱・梁骨
組構造物に適用した例を示す正面図である。
【図7】この発明に係るボルト接合構造を梁接合部に適
用した例を示す(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。
【図8】この発明に係るボルト接合構造をカーテンウォ
ール固定部に適用した例を示す(a)はカーテンウォー
ルの裏面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1,2…接合材、3…ボルト、4…ナット、5…ボルト
孔、6…エネルギー吸収孔、7…エネルギー吸収材、7
a…貫通孔、8…カバープレート、A…本ボルト接合構
造。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合材と接合材を重ね合わせてボルトで
    接合するボルト接合構造において、一方の接合材にボル
    トが挿通して取付けられるボルト孔を形成し、他方の接
    合材にボルトがその剪断方向に相対移動可能なエネルギ
    ー吸収孔を形成し、このエネルギー吸収孔にエネルギー
    吸収材を充填し、このエネルギー吸収材を覆うカバープ
    レートをナットを介して接合材に固定してなることを特
    徴とするエネルギー吸収機能を有するボルト接合構造。
  2. 【請求項2】 互いに重ね合わせた接合材を貫通してボ
    ルト接合するボルトが貫通する貫通孔を中央部に有し、
    接合材の一方にボルトが剪断方向に相対移動可能に形成
    されたエネルギー吸収孔に充填可能な形状を有し、前記
    ボルトの移動により変形可能な材質からなることを特徴
    とするエネルギー吸収材。
JP29982595A 1995-11-17 1995-11-17 エネルギー吸収機能を有するボルト接合構造およびそのエネルギー吸収材 Pending JPH09144162A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348550A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Bando Chem Ind Ltd 減衰プラグ及びそれを用いた外装材
JP2010216611A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Nippon Steel Corp 制震用金属板
US8875452B2 (en) 2010-06-16 2014-11-04 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Energy dissipating metal plate and building structure

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006348550A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Bando Chem Ind Ltd 減衰プラグ及びそれを用いた外装材
JP2010216611A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Nippon Steel Corp 制震用金属板
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Effective date: 20000328