JP2002339590A - ブレース型ダンパーの取付け構造 - Google Patents

ブレース型ダンパーの取付け構造

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JP2002339590A JP2002066423A JP2002066423A JP2002339590A JP 2002339590 A JP2002339590 A JP 2002339590A JP 2002066423 A JP2002066423 A JP 2002066423A JP 2002066423 A JP2002066423 A JP 2002066423A JP 2002339590 A JP2002339590 A JP 2002339590A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した信頼性の高い接合部により、地震や
風などの外乱に対してダンパー機能を十分に発揮させる
ことができ、かつ施工性に優れた合理的なブレース型ダ
ンパーの取付け構造を提供する。 【解決手段】 鉄筋コンクリート造建物の柱1と梁2で
構成される柱梁架構内に、ブレース型ダンパー3を配置
する。そして、ブレース型ダンパー3の一端部は、梁2
を避け、柱1の外周部に一体化したバンド状の補強プレ
ート4に、ガセットプレート5を介してピン6によりピ
ン接合する。また、ブレース型ダンパー3の他端部は梁
2に埋め込んだ定着部材9から突出するガセットプレー
ト10に対し、ピン6によりピン接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、建築構造物や土
木構造物などの鉄筋コンクリート構造物において、地震
や風などの外乱に対し抵抗力や減衰力を発生させるため
のブレース型ダンパーの取付け構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】建築構造物や土木構造物などの鉄筋コン
クリート構造物において、ブレース型ダンパーを組み込
むための構造としては、従来、鉄骨部材を鉄筋コンクリ
ート造の柱梁接合部に内蔵させ、その鉄骨部材に溶接で
固定されたガセットプレートを介してブレース型ダンパ
ーを取付け、ダンパーから伝達された抵抗力あるいは減
衰力を本体柱梁架構に伝達する構造が知られている。
【0003】また、このようなブレース型ダンパーは構
面内にV字型あるいは逆V字型に組み込まれる場合が多
いが、その場合、ブレース型ダンパーの一方の端部が梁
中央部に取付けられることになる。そのような構造とし
ては、梁のコンクリートの打設に先立ってアンカーをセ
ットし、アンカーに取付けたガセットプレートにブレー
ス型ダンパーの端部を接合するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】まず、上述したブレー
ス型ダンパーの柱梁接合部位置での取付け構造について
は、以下のような問題点がある。
【0005】鉄筋コンクリート造柱梁接合部は柱の鉄
筋並びに梁の鉄筋が縦横無尽に配置される箇所であり、
上述したガセットプレート等をセットすることが非常に
困難な上、そのガセットプレートには数多くの鉄筋を通
すための穴をあけざるを得なくなる。つまり、鉄骨鉄筋
コンクリート造の接合部よりもさらに過酷な状況とな
る。
【0006】ブレースを取り合わせるためだけに柱お
よび梁に鉄骨を配置することは工期の短縮に逆行し、施
工日数が増加する。
【0007】柱梁接合部内に鉄骨部材やガセットプレ
ートが埋め込まれていることで、鉄筋を組み立てた後の
コンクリートの充填性にも問題がある。
【0008】また、柱と梁の両方に跨がって、ガセット
プレートを取付けるような例も知られているが、建物を
設計する際には、梁端(柱との付け根)にヒンジ(塑性
域)を生じさせることで地震等の外乱のエネルギーを吸
収させるように設計を行っており、地震等による損傷が
梁端に発生することから、ブレース型ダンパーを安定的
に取付ける構造としては合理的でない。
【0009】一方、ブレース型ダンパーの梁中央部での
取付け構造については、取付け作業に手間がかかる他、
ブレース型ダンパーから梁中央部に作用する力に対し、
通常のアンカーでは十分な応力の伝達が期待できないと
いう課題がある。
【0010】本願発明は、上述のような従来技術におけ
る課題の解決を図ったものであり、安定した信頼性の高
い接合部により、地震や風などの外乱に対してダンパー
機能を十分に発揮させることができ、かつ施工性に優れ
た合理的なブレース型ダンパーの取付け構造を提供する
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る発
明は、鉄筋コンクリート構造物の柱梁架構内に、ブレー
スにダンパーを組み込んだブレース型ダンパーを取付け
るための構造であり、前記柱梁架構を構成する柱の外周
部に梁と切り離して補強プレートを一体化し、前記補強
プレートに前記ブレース型ダンパーの端部を接合してあ
ることを特徴とするものである。
【0012】ブレース型ダンパーのダンパーとしては、
オイルダンパー、摩擦ダンパーその他、従来の制震用に
開発されている種々のダンパーが利用可能である。な
お、本願発明で言うブレースにダンパーを組み込んだブ
レース型ダンパーというのは、ブレースの中間にダンパ
ーを取付けたものだけでなく、ダンパー全体がブレース
となるものを含むことを意味している。
【0013】補強プレートは、柱の外周部に一体化され
ることで、柱の配筋に影響を及ぼさない構造としてい
る。この補強プレートを梁と切り離しているのは、地震
時に塑性化する可能性のある梁端にブレース型ダンパー
からのせん断力あるいは軸力が直接作用しないようにす
るためである。従って、例えば、表面仕上げなどとの関
係で一部梁に当接するような部分があっても、力の直接
的な伝達が実質的になされないものであればよい。
【0014】補強プレートとブレース型ダンパーの端部
との接合は、例えば、補強プレートにガセットプレート
を溶接して、ガセットプレートにブレース型ダンパーの
端部をボルトあるいはピンなどで接合する方法等が一般
的であるが、特に限定されない。
【0015】ブレース型ダンパーの少なくとも一端が柱
側だけに取付くことにより、柱への付加せん断力、ある
いは付加軸力が大きくならないかという点については、
オイルダンパー等の減衰装置を建物に組み込んだ場合、
建物の応答とダンパーの応答には位相差が生じ、建物の
応答が最大になる時点では、ダンパーの力は必ずしも最
大にはならないため、一般的にはその付加される応力も
小さい。
【0016】また、例えばオイルダンパー等の場合、弁
の操作等によりリリーフさせることも可能であり、最大
減衰力に制限を加えることができるため、それによって
付加応力を抑えることも可能である。
【0017】なお、この補強プレートは、請求項2に記
載したように、柱の上端部または下端部において柱と一
体化させることが考えられる。
【0018】一般的なV字型あるいは逆V字型に配置さ
れるブレース型ダンパーの場合、柱に接合される端部に
ついてはV字型の場合には柱の上端部、逆V字型の場合
には柱の下端部に補強プレートを配置し、これにブレー
ス型ダンパーを接合するのが効率的な配置となる。
【0019】また、この補強プレートの構成としては、
請求項3または請求項4に記載したものが考えられる。
【0020】請求項3は、請求項1に係るブレース型ダ
ンパーの取付け構造において、前記補強プレートが、前
記柱の外周面を覆うバンド状の補強プレートである場合
に限定したものである。
【0021】バンド状の補強プレートを柱の外周面を覆
うように配置することで、リング状に閉じた断面が形成
され、柱と一体化した状態において、それ自体で高い剛
性が得られる。
【0022】請求項4は、請求項1に係るブレース型ダ
ンパーの取付け構造において、前記補強プレートが、前
記柱の外周部である柱の断面内外周部に配設したバンド
状の補強プレートである場合に限定したものである。
【0023】これは、例えば、意匠的に、補強プレート
を外周面に露出させたくない場合を想定したものであ
る。
【0024】請求項5は、請求項3、4に係るブレース
型ダンパーの取付け構造において、前記バンド状の補強
プレートの内側に、前記柱の断面内に位置する中仕切り
プレートが設けられている場合を限定したものである。
【0025】請求項3、4のようにリング状に閉じた構
造とすることで、補強プレートの変形を抑制することが
できるが、さらに中仕切りプレートで内側をつなぐこと
で、ブレース型ダンパーの取付け位置などでの局部的な
変形を最小限に抑えることができる。
【0026】本願の請求項6に係る発明は、鉄筋コンク
リート構造物の柱梁架構内に、ブレースにダンパーを組
み込んだブレース型ダンパーを取付けるための構造であ
り、前記柱梁架構を構成する梁に定着部材を埋め込み、
前記定着部材より前記梁の上面または下面に突出させた
接合部材に前記ブレース型ダンパーの端部を接合してあ
ることを特徴とするものである。
【0027】例えば、この定着部材を梁の軸方向中央部
に埋め込んだ場合は、ブレース型ダンパーの一端が梁の
軸方向中央部に取付けられることになり、前述した一般
的な配置形態として、ブレース型ダンパーを構面内にV
字型あるいは逆V字型に納めることができる。
【0028】また、この定着部材を梁の柱近傍部に埋め
込んだ場合は、ブレース型ダンパーの端部が梁の柱近傍
部に取付けられることになり、一本のブレース型ダンパ
ーを柱の近傍部に取付けるような形態にすることができ
る。
【0029】定着部材としては、請求項7のように、形
鋼で構成することが考えられる。短尺のH形鋼などが適
するが、その他、溝形鋼やT形鋼などでもよい。この形
鋼とした定着部材は、コンクリート中に埋め込まれた状
態での周囲のコンクリートとの付着により、ブレース型
ダンパーからの力を梁にスムーズに伝達できる。
【0030】また、この請求項7のように、形鋼とした
定着部材は、その形鋼のフランジを梁における前記ブレ
ース型ダンパーの接合面に平行となるようにしている。
この形鋼のフランジは、定着部材を梁の軸線と直交する
方向へ移動させる力に対して抵抗することになる。
【0031】ブレース型ダンパーは、この定着部材の上
面または下面に突出させたガセットプレートなどの接合
部材にボルトあるいはピンなどで取り付けることができ
る。なお、定着部材と接合部材が一体のものであっても
よい。
【0032】請求項8は、請求項6に係るブレース型ダ
ンパーの取付け構造において、前記定着部材に、その軸
方向への移動を阻止するためのフランジを取付けてある
場合を限定したものである。
【0033】梁の軸方向に延びる定着部材のみの場合、
基本的にはコンクリートとの付着によって抵抗する形だ
が、定着部材にフランジを設けることで、フランジから
コンクリートに圧縮力が作用する形で、定着部材を梁断
面内により確実に定着させ、ブレース型ダンパーのダン
パー機能を確実に発揮させることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本願発明に係るブレース
型ダンパーの取付け構造全体の概要を示したもので、鉄
筋コンクリート造建物の柱1と梁2で構成される柱梁架
構内に、それぞれ2本のブレース型ダンパー3をV字型
に配置している。
【0035】1つの構面についてみると、V字型に配置
に配置された2本のブレース型ダンパー3の上端部を、
柱梁接合部(パネルゾーン)の直下である柱1の上端部
外周面に一体化したバンド状の補強プレート4に接合し
ている。
【0036】なお、本実施形態においては、補強プレー
ト4にガセットプレート5を溶接し、このガセットプレ
ート5にピン6でブレース型ダンパー3の端部をピン接
合している。また、本実施形態では補強プレート4を柱
1の上端部において一体化しているが、柱1の下端部に
おいて一体化する形態も考えられる。
【0037】図2はこのような補強プレート4のより具
体的な一実施形態を示したもので、本願の請求項1、
2、3、5に対応するものである。図2(a) 中、1aは
柱1の主筋、1bはフープ筋であり、柱1のコンクリー
トは省略している。
【0038】本実施形態において、柱1の上端部外周面
にバンド状の補強プレート4に設けたガセットプレート
5に、ブレース型ダンパー3をピン6によりピン接合し
ている点は図1と同様であるが、柱1の外周面を一周し
て角筒状となる補強プレート4の内側にさらに中仕切り
プレート7を設け、補強プレート4の内面および中仕切
りプレート7にシアコネクターとしてのスタッド8を溶
植し、柱1のコンクリートとより一体性を高め、補強プ
レート4の変形を防止している。
【0039】また、図2(b) に示されるように、本実施
形態において梁2はハーフプレキャスト梁部材2aを用
い、現場打ちコンクリート(図示せず)と一体化するこ
とで梁2が形成されるようになっている。この梁2を構
成するハーフプレキャスト梁部材2aの下面と補強プレ
ート4は接しておらず、ブレース型ダンパー3からのせ
ん断力あるいは軸力が直接、梁2には作用しない構造と
なっている。
【0040】なお、補強プレート4を設けた部分におい
ては、補強プレート4ならびに中仕切りプレート7によ
って補強されるので、柱1のフープ筋1bはそのまま設
けてもよいが、省略することもできる。このフープ筋1
bの省略は、中仕切りプレート7を含む補強プレート4
の設置が容易になる。
【0041】また、図3において、補強プレート4の内
側に設ける中仕切りプレート7の別形態を示している。
前述した図2(a) の形態では各中仕切りプレート7を平
行に設けているのに対し、この図3の形態では各中仕切
りプレート7を十字状に交差するようにして設けてい
る。
【0042】詳述すると、図2(a) の実施形態では、補
強プレート4(角筒幅方向)の中央位置に設けたガセッ
トプレート5に連続するようにして、中央に設けた中仕
切りプレート7と、この中央の中仕切りプレート7の両
側に設けた両中仕切りプレート7とが、それぞれ平行と
なるようにして設けられている。
【0043】これに対し、図3(a) の実施形態では、補
強プレート4(角筒幅方向)の中央位置に設けたガセッ
トプレート5に連続するようにして、中央に設けた中仕
切りプレート7と、この中央の中仕切りプレート7に交
差するようにして、中央に設けた中仕切りプレート7と
が、十字状に交差するようにして設けられている。
【0044】図4は、補強プレート4の他の実施形態を
示したもので、本願の請求項4に対応したものである。
本実施形態での補強プレート4は、バンド状に形成して
柱1の外周部である柱1の断面内外周部に配設し一体化
している。
【0045】これは、例えば、意匠的に、補強プレート
4を外周面に露出させたくない場合を想定したものであ
る。
【0046】この外周面に露出させたくない場合として
は、「前述した柱1の外周面を覆い一体化した構成が、
柱1および梁2を現場打ちで構築することを想定してい
るのに対し、プレキャスト部材である柱および梁を組立
てて構築する場合は、柱1の外周面を覆うように設ける
必要がない。」ということが考えられる。
【0047】そして、この場合、バンド状の補強プレー
ト4を柱1の断面内外周部に配設(柱1内に埋設)する
ことで、本願発明の補強プレート4の効果を発揮させつ
つ、プレキャスト部材としての体裁を整えることができ
る。
【0048】一方、図1の実施形態において、ブレース
型ダンパー3の下端部は梁2の中央部に埋め込んだ短尺
のH形鋼からなる定着部材9の上面に突出する接合部材
(ガセットプレート10)に対し、ピン6によりピン接
合している。
【0049】本実施形態において、接合部材であるガセ
ットプレート10は定着部材9の上面に突出している
が、2本のブレース型ダンパー3をV字型の頂部が上に
なるように配置する場合、当然、ガセットプレート10
は定着部材9の下面に突出する形態になる。
【0050】また、この2本のブレース型ダンパー3を
V字型の頂部が上になるように配置する場合には、当
然、ブレース型ダンパー3の下端部を、柱梁接合部の直
上である柱1の下端部外周面に一体化した補強プレート
4に接合することになる。
【0051】なお、図1の実施形態では定着部材9を梁
2の中央部分に埋め込んでいるが、図5に示すように、
柱1の近傍部分に埋め込んで、定着部材9(ガセットプ
レート10)に1本のブレース型ダンパー3をピン接合
する形態も考えられる。
【0052】図6は定着部材9のより具体的な一実施形
態を示したもので、本願の請求項6、7、8に対応する
ものである。図中、2aは梁2の上端筋1bであり、梁
2のコンクリートは省略している。
【0053】本実施形態において、定着部材9として短
尺のH形鋼を用い、その上フランジの上面にガセットプ
レート10を一体化し、ブレース型ダンパー3の下端部
をピン6によりピン接合している点は図1と同様であ
る。
【0054】定着部材9を構成するH形鋼のウェブには
シアコネクターとしてのスタッド11が溶植されてお
り、梁2のコンクリートとの付着性をより高めている。
また、定着部材9を構成するH形鋼のフランジは、梁2
におけるブレース型ダンパー3の接合面に平行となるよ
うにしており、定着部材9を梁2の軸線と直交する方向
へ移動させる力に対して抵抗する。
【0055】さらに、定着部材9の両端部には、円盤状
のフランジ12を取付けてある。このフランジ12は、
梁2のコンクリート内で定着部材9を軸方向に移動させ
ようとする力に対し、軸方向のいずれの方向についても
コンクリートに圧縮力を与える形で面で抵抗して、定着
部材9の安定性をより高めている。
【0056】この他、定着部材9の形態としては、上記
スタッド11を省略したもの、あるいはスタッド11を
設ける代わりに定着部材9の端部以外の中間部にも軸方
向の力に抵抗するフランジ12を設けたものなど種々の
形態が考えられる。
【0057】例えば、図7に示すような実施形態の定着
部材9が考えられる。なお、図7中、10aは、定着部
材9のフランジと平行にして、ガセットプレート10に
設けた補強リブである。
【0058】本実施形態での定着部材9は、その両端部
以外の中間部にも、スタッド11の代わりとして前述し
たフランジ12を設けていると共に、両端部および中間
部の各フランジ12を上方へ延ばして、梁2から突出す
る部分を含めたガセットプレート10の補強材としてい
る。
【0059】詳述すると、定着部材9の両端部のフラン
ジ12は、ガセットプレート10の梁2から突出する部
分まで延びて、ガセットプレート10の両側端面および
補強リブ10aの両側端面に一体化している。また、定
着部材9の中間部のフランジ12は、ガセットプレート
10の梁2から突出した部分まで延びて、ガセットプレ
ート10の中間部分および補強リブ10aの中間部分に
一体化している。
【0060】このような本実施形態にすると、各フラン
ジ12によって、定着部材9の強度と共に、梁2から突
出する部分を含めたガセットプレート10の強度を向上
させることができる。
【0061】
【発明の効果】本願の請求項1〜5に係る発明は、柱梁
架構内へのブレース型ダンパーの取付けについて、地震
等の外乱により損傷を受けることが想定される梁端部で
の取付けを避け、梁に比べて耐力が大きく、耐久性も高
い柱部材の柱頭あるいは柱脚に取付けることにより、合
理的かつシンプルな構造となっている。
【0062】また、ブレース型ダンパーを柱の外周部に
位置する補強プレートに取付けるため、柱梁接合部に配
される鉄筋群に悪影響を与えることがなく、また施工時
のコンクリートの充填の妨げとならないため、施工性も
よい。
【0063】ダンパーを組み込んだブレースの取付け構
造であり、通常のダンパーのないブレースのように、せ
ん断力や軸力が直接伝達される構造と異なり、柱端部の
負担が大きくならないため、ブレース型ダンパーの機能
との組み合わせにおいて、合理的な取付け構造となる。
【0064】本願の請求項6に係る発明は、柱梁架構内
へのブレース型ダンパーの取付けについて、その一端を
梁の断面内構成する断面内に設けた定着部材を利用して
取付けるものであり、単にブレース型ダンパーからの力
が作用する部分を補強するだけでなく、コンクリート断
面内に定着された定着部材とコンクリートとの間でスム
ーズな力の伝達が図れる。
【0065】また、請求項8に係る発明は、さらに定着
部材にアンカー機能を有するフランジを取付けることで
定着部材の軸方向への移動を阻止するものであるが、フ
ランジは常にコンクリートに圧縮力を作用させる方向に
機能するため、ブレース型ダンパーから梁への軸力がコ
ンクリートの圧縮強度と定着部材とコンクリートとの付
着によってスムーズに伝達される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係るブレース型ダンパーの取付け
構造全体の概要を示す斜視図である。
【図2】 本願発明に係るブレース型ダンパーの取付け
構造の一実施形態を示したもので、(a) は水平断面図
で、(b) は鉛直断面図である。
【図3】 本願発明に係るブレース型ダンパーの取付け
構造の一実施形態を示したもので、(a) は水平断面図
で、(b) は鉛直断面図である。
【図4】 本願発明に係るブレース型ダンパーの取付け
構造の一実施形態を示したもので、(a) は水平断面図
で、(b) は鉛直断面図である。
【図5】 本願発明に係るブレース型ダンパーの取付け
構造の一実施形態を示す概略図である。
【図6】 本願発明に係るブレース型ダンパーの取付け
構造における定着部材の一実施形態を示す斜視図であ
る。
【図7】 本願発明に係るブレース型ダンパーの取付け
構造における定着部材の一実施形態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…柱、2…梁、3…ブレース型ダンパー、4…補強プ
レート、5…ガセットプレート、6…ピン、7…中仕切
りプレート、8…スタッド、9…定着部材、10…ガセ
ットプレート、11…スタッド、12…フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AA33 AB12 AC07 AG41 AG45 AG57 BB02 BB03 BB22 BB35 BD01 BE03 BE08 BF04 BF08 CA79 CA90

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート構造物の柱梁架構内
    に、ブレースにダンパーを組み込んだブレース型ダンパ
    ーを取付けるための構造であり、前記柱梁架構を構成す
    る柱の外周部に梁と切り離して補強プレートを一体化
    し、前記補強プレートに前記ブレース型ダンパーの端部
    を接合してあることを特徴とするブレース型ダンパーの
    取付け構造。
  2. 【請求項2】 前記補強プレートは、前記柱の上端部ま
    たは下端部において前記柱に一体化している請求項1記
    載のブレース型ダンパーの取付け構造。
  3. 【請求項3】 前記補強プレートは、バンド状に形成し
    て前記柱の外周部である柱の外周面を覆い一体化してい
    る請求項1記載のブレース型ダンパーの取付け構造。
  4. 【請求項4】 前記補強プレートは、バンド状に形成し
    て前記柱の外周部である柱断面内の外周部に配設し一体
    化している請求項1記載のブレース型ダンパーの取付け
    構造。
  5. 【請求項5】 前記バンド状の補強プレートの内側に
    は、前記柱の断面内に位置する中仕切りプレートを設け
    ている請求項3または4記載のブレース型ダンパーの取
    付け構造。
  6. 【請求項6】 鉄筋コンクリート構造物の柱梁架構内
    に、ブレースにダンパーを組み込んだブレース型ダンパ
    ーを取付けるための構造であり、前記柱梁架構を構成す
    る梁に定着部材を埋め込み、前記定着部材より前記梁の
    上面または下面に突出させた接合部材に前記ブレース型
    ダンパーの端部を接合してあることを特徴とするブレー
    ス型ダンパーの取付け構造。
  7. 【請求項7】 前記定着部材は、形鋼で構成していると
    共に、その形鋼のフランジを前記梁における前記ブレー
    ス型ダンパーの接合面に平行となるようにしている請求
    項6記載のブレース型ダンパーの取付け構造。
  8. 【請求項8】 前記定着部材には、その軸線方向への移
    動を阻止するためのフランジを取付けてある請求項6ま
    たは7記載のブレース型ダンパーの取付け構造。
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