JP2021143468A - 建物の施工方法、建物の補強構造及び柱脚体 - Google Patents

建物の施工方法、建物の補強構造及び柱脚体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、現場における作業を簡素化して工数を低減させると共に、取付治具の強度を低下させることのない建物の施工方法、建物の補強構造及び柱脚体を提供する。【解決手段】建物1の補強構造10は、柱梁接合部8と、第1柱体2と、ダンパーブレース6と、を備える。第1柱体2は、柱脚体20と上部柱体30とを備える。柱脚体20は、柱巻きプレート22と、ガセットプレート24と、プレキャストコンクリート造のコンクリート部26と、複数の第1貫通孔264及び第2貫通孔266と、を備える。上部柱体は、柱脚体20の下方にある柱梁接合部8から第1貫通孔264を貫通して上面260から突出した複数本の鉄筋80を内在させて柱脚体20と一体化したプレキャストコンクリート造である。ダンパーブレース6は、ガセットプレート24に一端が接合する。充填剤によって柱脚体20と柱梁接合部8とが一体化される。【選択図】図3

Description

本発明は、プレキャストコンクリート造の柱体を用いた建物の施工方法及び建物補強構造並びにプレキャストコンクリート造を用いた柱脚体に関する。
制震用部材であるダンパーブレースなどを取り付けるガセットプレートを備えた取付治具を柱の上端部と他の柱の下端部とに設置して、これらの取付治具にわたってダンパーブレースを取り付ける建物の補強構造がある(特許文献1)。
特開2003−34988号公報
しかしながら、ガセットプレートを備える取付治具の内側にはスタッドボルトや定着筋が多数突出しており、これを現場で主筋、フープ筋等の配筋及び型枠を施工することは作業が複雑となり工数が多くなる。
そこで、本発明は、現場における作業を簡素化して工数を低減させることのできる建物の施工方法、建物の補強構造及び柱脚体を提供することを目的とする。
[1]本発明に係る建物の施工方法の一態様は、
柱と梁を接合する柱梁接合部と、前記柱梁接合部上に接合される第1柱体と、前記第1柱体と隣り合う第2柱体との間に斜めにかけ渡されたダンパーブレースと、を備える建物の施工方法であって、
柱脚体の外周面を構成する金属製の柱巻きプレートと、前記柱巻きプレートの外面から突出する金属製のガセットプレートと、前記柱巻きプレートの内側にコンクリートが打設されたプレキャストコンクリート造のコンクリート部と、前記コンクリート部の上面から下面へ貫通する複数の第1貫通孔及び第2貫通孔と、を備える前記柱脚体を準備し、
前記複数の第1貫通孔に対応する位置に開口する複数の連結用穴を有するプレキャストコンクリート造の上部柱体を準備し、
前記柱梁接合部から上方へ延びる複数本の鉄筋のそれぞれを前記複数の第1貫通孔にそれぞれ挿通させて前記柱梁接合部の上方に前記柱脚体を設置し、
前記第2貫通孔の上端から充填剤を注入して、前記柱脚体と前記柱梁接合部との隙間及び前記鉄筋と前記第1貫通孔との隙間に前記充填剤を充填して前記柱脚体と前記柱梁接合部とを一体化し、
前記複数本の鉄筋の上端を前記複数の連結用穴内にそれぞれ挿入して前記柱脚体の上方に前記上部柱体を設置し、
前記鉄筋と前記連結用穴との隙間及び前記上部柱体と前記柱脚体との隙間に充填剤を充填して前記上部柱体と前記柱脚体とを一体化して前記第1柱体を形成し、
前記ガセットプレートに前記ダンパーブレースの一端を取り付けて前記第1柱体と前記ダンパーブレースとを接合することを特徴とする。
[2]本発明に係る建物の補強構造の一態様は、
柱と梁を接合する柱梁接合部と、前記柱梁接合部上に接合される第1柱体と、前記第1
柱体と隣り合う第2柱体との間に斜めにかけ渡されたダンパーブレースと、を備える建物の補強構造であって、
前記第1柱体は、
柱脚体の外周面を構成する金属製の柱巻きプレートと、前記柱巻きプレートの外面から突出する金属製のガセットプレートと、前記柱巻きプレートの内側にコンクリートが打設されたプレキャストコンクリート造のコンクリート部と、前記コンクリート部の上面から下面へ貫通する複数の第1貫通孔及び第2貫通孔と、を備える前記柱脚体と、
前記柱脚体の下方にある柱梁接合部から前記第1貫通孔を貫通して前記上面から突出した複数本の鉄筋を内在させて前記柱脚体と一体化したプレキャストコンクリート造の上部柱体と、
を備え、
ダンパーブレースは、前記ガセットプレートに一端が接合し、
前記柱脚体と前記柱梁接合部との間、前記第1貫通孔と前記鉄筋との間、及び第2貫通孔に充填された充填剤によって前記柱脚体と前記柱梁接合部とが一体化されたことを特徴とする。
[3]本発明に係る柱脚体の一態様は、
ダンパーブレースの一端が接合可能なガセットプレートが固定された金属製の柱巻きプレートと、
前記柱巻きプレートの内側に打設されたプレキャストコンクリート造のコンクリート部と、
前記コンクリート部の上面から下面に貫通する複数の第1貫通孔及び第2貫通孔と、
を備え、
前記複数の第1貫通孔は、前記柱巻きプレートに沿って配置され、
前記第2貫通孔は、前記上面及び前記下面の中心付近に配置されることを特徴とする。
[4]上記柱脚体の一態様において、
前記第1貫通孔は、前記コンクリート部に埋設されたシース管によって形成され、
前記シース管は、側面に開口を有しないものを用いることができる。
本発明によれば、プレキャストコンクリート造の柱脚体を用いることにより、建築現場における作業を簡素化して工数を低減させることができる。さらに、本発明によれば、柱脚体と鉄筋とを接合するための充填剤を柱脚体の上面から注入可能な第2貫通孔を備えることで柱巻きプレートに貫通孔を設置する必要がないため、当該柱巻きプレートの強度を低下させることがない。さらに、本発明によれば、柱巻きプレートのコンファインド効果により、プレキャストコンクリート造の柱脚体の構造耐力の向上にも寄与する。
本発明の一実施形態に係る補強構造を備える建物の軸組図である。 本発明の一実施形態に係る補強構造の側面図である。 本発明の一実施形態に係る補強構造の一部を拡大して示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る柱脚体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る柱脚体の平面図である。 本発明の一実施形態に係る上部柱体の断面図である。 本発明の一実施形態に係る建物の施工方法のフローチャートである。 柱脚体を設置する工程を説明する模式図である。 柱脚体の上方に上部柱体を設置する工程を説明する模式図である。 第1柱体を形成する工程を説明する模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.建物の補強構造
図1〜図3を用いて本発明の一実施形態に係る建物1の補強構造10について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る補強構造10を備える建物1の軸組図であり、図2は本発明の一実施形態に係る補強構造10の側面図であり、図3は本発明の一実施形態に係る補強構造10の一部を拡大して示す断面図である。図3では、充填剤が充填された部分を網掛け処理で示す。
図1に示すように、本実施形態に係る建物1の補強構造10は、柱(第1柱体2,第2柱体4)と梁7を接合する柱梁接合部8と、柱梁接合部8上に接合される第1柱体2と、第1柱体2と隣り合う第2柱体4との間に斜めにかけ渡されたダンパーブレース6と、を備える。補強構造10は、建物1における複数個所に設けることができる。
図2及び図3に示すように、第1柱体2は、柱梁接合部8の上方に配置された柱脚体20と、柱脚体20の上方に配置された上部柱体30と、を備える。柱梁接合部8と柱脚体20が接合し、柱脚体20と上部柱体30が接合して、柱梁接合部8上に固定された1本の第1柱体2として形成される。
柱脚体20は、柱巻きプレート22と、ガセットプレート24と、柱巻きプレート22の内側にコンクリートが打設されたプレキャストコンクリート造のコンクリート部26と、コンクリート部26の上面260から下面262へ貫通する複数の第1貫通孔264及び第2貫通孔266と、を備える。柱巻きプレート22は、柱脚体20の外周面を構成する。柱脚体20の詳細については後述する。
上部柱体30は、プレキャストコンクリート造である。上部柱体30は、柱脚体20の下方にある柱梁接合部8から第1貫通孔264を貫通して上面260から突出した複数本の鉄筋80を内在させて柱脚体20と一体化される。上部柱体30は、上部柱体30の下面32に開口する複数の連結用穴34内に柱脚体20の上面260から延びる鉄筋80がそれぞれ挿入される。連結用穴34には、その上端から他の鉄筋81の下端が垂下され、連結用穴34内に充填剤が充填されることで下方から延びる鉄筋80と上方から延びる鉄筋81とを固定する。連結用穴34内に下端が垂下された鉄筋81の上端は、上部柱体30の上面31から突出して柱梁接合部8を貫通し、柱梁接合部8の上に設置された柱脚体20の内部まで延在する。上部柱体30の詳細については後述する。
第2柱体4は、第1柱体2と隣り合う位置にあって、隣接する他の柱梁接合部8上に固定される。第2柱体4は、第2柱体4の上端付近にある金属製の柱巻きプレート22と、柱巻きプレート22の外面から突出する金属製のガセットプレート24と、を備えるプレキャストコンクリート造である。第2柱体4は、第2柱体4の上面から上方へ延びる図示しない複数の鉄筋を備え、当該鉄筋が第2柱体4の上に設置される柱梁接合部8を貫通して当該柱梁接合部8のさらに上に設置される他の第2柱体4の内部まで延びて充填剤により柱梁接合部8を挟んで2本の第2柱体4を一体化される。
柱梁接合部8は、柱梁接合部8の上下に延びる第1柱体2または第2柱体4と、柱梁接合部8から水平方向に延びる複数の梁7とを一体に接合する部分である。柱梁接合部8は、梁7の少なくとも一部と一体化したプレキャストコンクリート造であってもよい。プレ
キャストコンクリート造の柱梁接合部8を採用することで、現場打ち作業が削減され、現場における作業効率が向上する。
充填剤は、硬化することでコンクリート同士またはコンクリートと鉄筋とを接合するための公知の充填剤を用いる。
ダンパーブレース6は、第1柱体2のガセットプレート24に一端が接合し、第2柱体4のガセットプレート24に他端が接合する。ダンパーブレース6は、隣り合う柱間に筋交い状に配置されて地震等による水平方向の揺れに対して制震効果を発揮する。ダンパーブレース6としては、鋼材ダンパー、粘弾性ダンパー、オイルダンパー、摩擦ダンパー等の公知のダンパーブレースを採用できる。
図3において、充填剤が充填された箇所は網掛け処理で示される。柱脚体20と柱梁接合部8との間、第1貫通孔264と鉄筋80との間、及び第2貫通孔266に充填された充填剤の硬化により前記柱脚体と前記柱梁接合部とが一体化される。また、柱脚体20と上部柱体30との間及び連結用穴34と鉄筋80,81との間に充填された充填剤の硬化によって柱脚体20と上部柱体30とが接合し一体化して第1柱体2と成る。
ガセットプレート24は、柱巻きプレート22の外面から突出する。ガセットプレート24は、金属製である。
建物1は、ダンパーブレース6を備える補強構造10により、地震による建物1の揺れを抑制することができる。建物1の補強構造10によれば、プレキャストコンクリート造の柱脚体20を用いることにより、現場における作業を簡素化して工数を低減させることができる。
1−1.柱脚体
図4及び図5を用いて、柱脚体20の詳細について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る柱脚体20の断面図(図5におけるIV−IV断面図)であり、図5は、本発明の一実施形態に係る柱脚体20の平面図である。
図4及び図5に示すように、柱脚体20は、外形が略四角柱形状である。柱脚体20は、ダンパーブレース6(図3)の一端が接合可能なガセットプレート24が固定された金属製の柱巻きプレート22と、柱巻きプレート22の内側に打設されたプレキャストコンクリート造のコンクリート部26と、コンクリート部26の上面260から下面262に貫通する複数の第1貫通孔264及び第2貫通孔266と、を備える。
柱巻きプレート22は、上面260及び下面262を除くコンクリート部26に巻き付くような形状であり、略四角柱形状の柱脚体20の外周面を構成する。このように構成することで、柱巻きプレート22のコンファインド効果により、プレキャストコンクリート造の柱脚体20の構造耐力の向上にも寄与する。柱巻きプレート22は、金属製であり、例えば4枚の鋼板の端部同士を溶接して製造することができる。柱巻きプレート22は、コンクリート部26のコンクリートを打設するための型枠であってもよい。柱巻きプレート22の内周面には特許文献1に開示されるようなスタッドボルトや定着筋が設けられる。スタッドボルトや定着筋は、図5に破線で示される。スタッドボルトは、ダンパーブレースからのせん断力を柱脚体20(第1柱体2)に伝達させるものであり、定着筋は、ダンパーブレースからの引張力を柱脚体20(第1柱体2)に伝達させるものである。
ガセットプレート24は、ダンパーブレース6を柱巻きプレート22に接合するための金具であり、柱巻きプレート22に対して溶接等で一体に固定される。ガセットプレート
24にはダンパーブレースの一端を取り付けるための例えば貫通孔が設けられる。ガセットプレート24の形態は、ダンパーブレースの形態に合わせて設定できる。
コンクリート部26は、柱巻きプレート22の内側の部分である。コンクリート部26は、予め工場等で製造されるプレキャストコンクリート造であり、コンクリート部26の外周面を構成する柱巻きプレート22と一体に製造される。コンクリート部26の上面260及び下面262には、複数の第1貫通孔264及び1つの第2貫通孔266が開口する。コンクリート部26の内部には、フープ筋が配筋される。下面262は、柱梁接合部8と対向する平面であり、上面260は、上部柱体30の下面32と対向する平面である。上面260及び下面262は、対向する面との接合強度を高めるために小さな凹凸が形成されてもよく、例えばチェッカープレート等でコンクリート表面に凹凸跡を付けてもよい。
複数の第1貫通孔264は、柱巻きプレート22に沿ってコンクリート部26の外周付近に配置される。第1貫通孔264は、コンクリート部26の主筋となる鉄筋80(図3)を挿通させることが可能でかつ鉄筋80との間に充填剤を注入可能な直径を有する。第1貫通孔264は、コンクリート部26に埋設されたシース管28によって形成される。本実施形態に用いられるシース管28(36)は、例えば、公知の金属製または合成樹脂製の管体を用いることができる。シース管28は、当該シース管28の側面に開口を有しないことが好ましい。シース管28の側方には柱巻きプレート22があり、柱巻きプレート22に貫通孔を設けると柱巻きプレート22の強度低下を招くからである。
第2貫通孔266は、上面260及び下面262の中心付近に配置されることが好ましい。第2貫通孔266は、図4に示す矢印のように上面260の開口から充填剤を注入するためのものであり、注入された充填剤はコンクリート部26の下面262に沿って外周方向へ放射状に広がって各第1貫通孔264内へと充填される。そのため、第2貫通孔266が上面260及び下面262の中心付近に配置されることにより、外周面を構成する柱巻きプレート22に沿って配置された第1貫通孔264の全てにほぼ均等に充填剤が充填される。第2貫通孔266は、第1貫通孔264と同様に、コンクリート部26に埋設されたシース管28によって形成することができる。第1貫通孔264及び第2貫通孔266は、横断面円形の外形を有する。柱脚体20によれば、柱脚体20と鉄筋80とを接合するための充填剤を柱脚体20の上面260から注入可能な第2貫通孔266を備えることで柱巻きプレート22の側面に開口が不要なため、柱巻きプレート22の強度を低下させることがない。
1−2.上部柱体
図6を用いて上部柱体30の詳細について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る上部柱体30の断面図である。
図6に示すように、上部柱体30は、外形が略四角柱形状のプレキャストコンクリート造のコンクリートブロックである。上部柱体30の外周は、柱脚体20の外周と略等しい。上部柱体30は、上部柱体30の上面31から上方へ延びると共に上部柱体30の内部に延びる複数の鉄筋81と、上部柱体30の下面32に開口する複数の連結用穴34と、を備える。複数の連結用穴34は、複数の第1貫通孔264に対応する位置にそれぞれ開口する。
連結用穴34は、下端が下面32に開口し上端が閉じており、鉄筋80の直径より大きな内径の円筒形状である。連結用穴34の上端からは鉄筋80の下端が連結用穴34内に突出し、連結用穴34の中ほどまで延びる。各連結用穴34は、その上端付近と下端付近とにおいて上部柱体30の側面の開口に連通する。連結用穴34は、上部柱体30に埋設
された継手36によって形成される。継手36は、公知のプレキャスト用モルタル充填式継手を採用できる。継手36は、管状であって、両端から鉄筋80,81を受け入れることができ、鉄筋80,81との隙間にモルタルを充填することで鉄筋同士を接合できる。
上部柱体30をプレキャストコンクリート造とすることにより、現場における工数を削減でき、工期の短縮化につながる。
2.建物の施工方法
図4〜図10を用いて、本実施形態に係る建物の施工方法について説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る建物1の施工方法のフローチャートであり、図8は、柱脚体20を設置する工程(S12)を説明する模式図であり、図9は、柱脚体20の上方に上部柱体30を設置する工程(S16)を説明する模式図であり、図10は、第1柱体2を形成する工程(S18)を説明する模式図である。
本実施形態に係る建物1の施工方法は、図1を用いて説明したように、柱(第1柱体2,第2柱体4)と梁7を接合する柱梁接合部8と、柱梁接合部8上に接合される第1柱体2と、第1柱体2と隣り合う第2柱体4との間に斜めにかけ渡されたダンパーブレース6と、を備える建物1の施工方法である。
図7に示すように、建物1の施工方法は、柱脚体を準備する工程(S10)と、上部柱体を準備する工程(S11)と、柱脚体を設置する工程(S12)と、柱脚体と柱梁接合部とを一体化する工程(S14)と、柱脚体の上方に上部柱体を設置する工程(S16)と、第1柱体を形成する工程(S18)と、ダンパーブレースを接合する工程(S20)と、を含む。以下、各工程について順次説明する。
S10:柱脚体20を準備する工程は、建物1の現場作業であるS12に先立って図4及び図5に示す柱脚体20を準備する。柱脚体20を準備する工程(S10)は、鉄工所等で製造されたガセットプレート24付きの柱巻きプレート22にフープ筋を配筋しシース管28を固定した後、柱巻きプレート22の内側にコンクリートを打設する。プレキャストされた柱脚体20は、建物1の建築現場へ輸送される。
S11:上部柱体30を準備する工程は、S16に先立って予め図6に示す上部柱体30を準備する。上部柱体30を準備する工程(S11)は、図示しない型枠内に主筋である鉄筋81及びフープ筋を配筋し継手36を固定した後、型枠の内側にコンクリートを打設する。上部柱体30の側面には継手36に連通する開口が形成される。プレキャストされた上部柱体30は、建物1の建築現場へ輸送される。
S12:図8に示すように、柱脚体20を設置する工程は、建築現場において、ワイヤー等に吊り下げられた柱脚体20を、柱梁接合部8から上方へ延びる複数本の鉄筋80のそれぞれを複数の第1貫通孔264にそれぞれ挿通させて柱梁接合部8の上方に設置する。柱脚体20と柱梁接合部8との間には、図示しないスペーサを介して所定の隙間が形成され、隙間の周囲には充填剤の漏れを防ぐ図示しない枠が設置される。
S14:図8に示すように、柱脚体20と柱梁接合部8とを一体化する工程は、S12の後、第2貫通孔266の上端から図の矢印の向きに充填剤を注入して、柱脚体20と柱梁接合部8との隙間及び鉄筋80と第1貫通孔264との隙間に充填剤を充填する。充填剤が硬化したら、隙間の周囲に設置した枠を取り外し、S16を実行する。
S16:図9に示すように、柱脚体20の上方に上部柱体30を設置する工程は、S14の後、ワイヤー等に吊り下げられた上部柱体30を、複数本の鉄筋80の上端を複数の
連結用穴34内にそれぞれ挿入して柱脚体20の上方に設置する。図9では硬化した充填剤を網掛け処理で示す。上部柱体30と柱脚体20との間には、図示しないスペーサを介して所定の隙間が形成され、隙間の周囲には充填剤の漏れを防ぐ図示しない枠が設置される。
S18:図10に示すように、第1柱体2を形成する工程は、S16の後、鉄筋80,81と連結用穴34との隙間及び上部柱体30と柱脚体20との隙間に充填剤を充填して上部柱体30と柱脚体20とを一体化して第1柱体2を形成する。充填剤は、上部柱体30の下端付近の側面の開口から図の矢印の向きに連結用穴34の下端付近に向かって注入する。図10では硬化した充填剤を網掛け処理で示す。
S20:図10に示すように、ガセットプレート24にダンパーブレース6の一端を取り付けて第1柱体2とダンパーブレース6とを接合する。ダンパーブレース6は、図示しない第2柱体4との間にかけ渡される。なお、S20に先立って、柱巻きプレート22と一体にプレキャストされた第2柱体4が、建築現場へ輸送されて、第1柱体2と隣接する柱梁接合部8上に固定される。
上述した本実施形態に係る建物1の施工方法、建物1の補強構造10及び柱脚体20によれば、プレキャストコンクリート造の柱脚体20を用いることにより、現場における作業を簡素化して工数を低減させることができる。さらに、本実施形態に係る建物1の施工方法、建物1の補強構造10及び柱脚体20によれば、柱脚体20と鉄筋80とを接合するための充填剤を柱脚体20の上面260から注入可能な第2貫通孔266を備えることで柱巻きプレート22の強度を低下させることがない。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…建物、2…第1柱体、4…第2柱体、6…ダンパーブレース、7…梁、8…柱梁接合部、10…補強構造、20…柱脚体、22…柱巻きプレート、24…ガセットプレート、26…コンクリート部、260…上面、262…下面、264…第1貫通孔、266…第2貫通孔、28…シース管、30…上部柱体、31…上面、32…下面、34…連結用穴、36…継手、80,81…鉄筋

Claims (4)

  1. 柱と梁を接合する柱梁接合部と、前記柱梁接合部上に接合される第1柱体と、前記第1柱体と隣り合う第2柱体との間に斜めにかけ渡されたダンパーブレースと、を備える建物の施工方法であって、
    柱脚体の外周面を構成する金属製の柱巻きプレートと、前記柱巻きプレートの外面から突出する金属製のガセットプレートと、前記柱巻きプレートの内側にコンクリートが打設されたプレキャストコンクリート造のコンクリート部と、前記コンクリート部の上面から下面へ貫通する複数の第1貫通孔及び第2貫通孔と、を備える前記柱脚体を準備し、
    前記複数の第1貫通孔に対応する位置に開口する複数の連結用穴を有するプレキャストコンクリート造の上部柱体を準備し、
    前記柱梁接合部から上方へ延びる複数本の鉄筋のそれぞれを前記複数の第1貫通孔にそれぞれ挿通させて前記柱梁接合部の上方に前記柱脚体を設置し、
    前記第2貫通孔の上端から充填剤を注入して、前記柱脚体と前記柱梁接合部との隙間及び前記鉄筋と前記第1貫通孔との隙間に前記充填剤を充填して前記柱脚体と前記柱梁接合部とを一体化し、
    前記複数本の鉄筋の上端を前記複数の連結用穴内にそれぞれ挿入して前記柱脚体の上方に前記上部柱体を設置し、
    前記鉄筋と前記連結用穴との隙間及び前記上部柱体と前記柱脚体との隙間に充填剤を充填して前記上部柱体と前記柱脚体とを一体化して前記第1柱体を形成し、
    前記ガセットプレートに前記ダンパーブレースの一端を取り付けて前記第1柱体と前記ダンパーブレースとを接合する、建物の施工方法。
  2. 柱と梁を接合する柱梁接合部と、前記柱梁接合部上に接合される第1柱体と、前記第1柱体と隣り合う第2柱体との間に斜めにかけ渡されたダンパーブレースと、を備える建物の補強構造であって、
    前記第1柱体は、
    柱脚体の外周面を構成する金属製の柱巻きプレートと、前記柱巻きプレートの外面から突出する金属製のガセットプレートと、前記柱巻きプレートの内側にコンクリートが打設されたプレキャストコンクリート造のコンクリート部と、前記コンクリート部の上面から下面へ貫通する複数の第1貫通孔及び第2貫通孔と、を備える前記柱脚体と、
    前記柱脚体の下方にある前記柱梁接合部から前記第1貫通孔を貫通して前記上面から突出した複数本の鉄筋を内在させて前記柱脚体と一体化したプレキャストコンクリート造の上部柱体と、
    を備え、
    前記ダンパーブレースは、前記ガセットプレートに一端が接合し、
    前記柱脚体と前記柱梁接合部との間、前記第1貫通孔と前記鉄筋との間、及び第2貫通孔に充填された充填剤によって前記柱脚体と前記柱梁接合部とが一体化された、建物の補強構造。
  3. ダンパーブレースの一端が接合可能なガセットプレートが固定された金属製の柱巻きプレートと、
    前記柱巻きプレートの内側に打設されたプレキャストコンクリート造のコンクリート部と、
    前記コンクリート部の上面から下面に貫通する複数の第1貫通孔及び第2貫通孔と、
    を備え、
    前記複数の第1貫通孔は、前記柱巻きプレートに沿って配置され、
    前記第2貫通孔は、前記上面及び前記下面の中心付近に配置される、柱脚体。
  4. 請求項3において、
    前記第1貫通孔は、前記コンクリート部に埋設されたシース管によって形成され、
    前記シース管は、側面に開口を有しない、柱脚体。
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