JP5917758B1 - 既存建物の外付け補強架構とそのユニット構体及び施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存建物の外付け補強架構の軽量化、施工期間の短縮、施工コストの低減。【解決手段】ベランダスラブを有する既存建物の外壁に沿って組み上げることで外付け鉄骨造補強架構を構成するための鉄骨造ユニット構体10である。このユニット構体10は、上下方向に接合して組み上げ垂直力を基礎に伝達する柱部材10aと、柱部材10aからベランダスラブ40の下側を通って建物側に張り出し建物Aの躯体と接合する梁部材10cを有する。【選択図】図6A

Description

本発明は、建物から張り出したベランダスラブを有する鉄筋コンクリート造架構の既存建物を耐震補強する外付け補強架構とそのユニット構体及び施工方法に係り、特に建物躯体と補強架構との間を重量のある接合スラブではなく軽量な鋼製梁部材で接合するようにした補強架構に関する。
耐震補強のために鉄筋コンクリート造架構の既存建物をその外側から補強する補強架構は、建物躯体に対する補強架構の取付け位置によって、柱内付け・梁外付け型と、完全外付け型の二つに大別される(非特許文献1参照)。また、補強架構としては特許文献1〜3に記載のように矩形の鉄骨フレームの内側に補強ブレースや補強リブを設けたものが知られている。
実公平7−26520号公報 特開平9−67939号公報 特開平9−317198号公報
「既存鉄筋コンクリート造建築物の『外側耐震改修マニュアル』−枠付鉄骨ブレースによる補強−」、財団法人日本建築防災協会、平成14年9月、第44−46頁
柱内付け・梁外付け型は、補強架構が建物外側に大きく張り出さないという利点がある反面、柱や梁の大きさや形状等によって施工不能な場合がある。これに対して完全外付け型は、柱や梁の大きさや形状等に関わらず自由に施工可能という利点がある反面、補強架構と建物躯体との接合が難しく、一般的に施工期間が長くて施工コストも高くなる傾向がある。
従来、図10に示す完全外付け型の補強架構100は接合スラブ120によって建物Aの躯体と接合するのが一般的であった(「接合スラブ」は例えば特開2005−155139号公報を参照)。この接合スラブ120は、建物Aから張り出したベランダの片持スラブ110の下側に型枠を施工してコンクリートを後打設することで構成する。
接合スラブ120を後打設するため、ベランダスラブ110の下側に型枠を構築し、当該型枠の上のベランダスラブ110にドリルで開けた貫通穴に注入ホースを差し込んで型枠内に固化材としてのモルタル(無収縮モルタル)を充填する。しかしながら、スラブ接合は以下の課題がある。
(1)接合スラブの重量が大きいために建築躯体重量の大幅増となる。
(2)接合スラブの重さで補強架構全体が大重量となるため、この大重量に耐える杭基礎を既存の杭基礎とは別に増設する必要がある。杭基礎の増設が不可能な場合は耐震補強自体を断念することを余儀なくされる。
(3)杭基礎の増設や接合スラブの施工のため施工期間が長くなり、在宅施工が難しく施工コストも増大する。
そこで本発明の目的は、外付け補強架構の軽量化、杭基礎増設の不要化、施工期間の短縮、施工コストの低減、及び在宅施工の容易化を図ることにある。
前記課題を解決するため、本発明の鉄骨造ユニット構体は、建物から張り出したベランダスラブを有する鉄筋コンクリート造架構の既存建物の外壁に沿って組み上げることで外付け鉄骨造補強架構を構成するための鉄骨造ユニット構体であって、当該ユニット構体は、前記ベランダスラブの外側において上下方向に接合して組み上げて垂直力を基礎に伝達する柱部材と、当該柱部材から前記ベランダスラブの下側を通って既存建物側に張り出して先端部が既存建物の躯体と接合可能な梁部材と、を有することを特徴とする。
また、本発明の鉄骨造補強架構は、前記鉄骨造ユニット構体を既存建物の柱間スパンに合わせて間欠配置し建物のベランダスラブの外側において建物外壁に沿って上方に組み上げ、柱間スパンを挟んで隣り合うユニット構体間をユニット間連結部材で水平方向に連結し、かつ、ユニット構体の柱部材から張り出した梁部材を前記ベランダスラブの下側を通して建物の躯体と接合したことを特徴とする。
また、本発明の鉄骨造補強架構の施工方法は、前記鉄骨造ユニット構体を既存建物の柱間スパンに合わせて間欠配置し建物のベランダスラブの外側において建物外壁に沿って上方に組み上げる工程、柱間スパンを挟んで隣り合うユニット構体間をユニット間連結部材で水平方向に連結する工程、ユニット構体の柱部材から張り出した梁部材を前記ベランダスラブの下側を通して建物の躯体と接合する工程、及び前記ユニット間連結部材を建物の躯体に接合する工程を有することを特徴とする。
本発明の鉄骨造ユニット構体は鉄骨製であって、ユニット構体の柱部材から建物側に向かって張り出した梁部材の先端部を建物躯体と接合するので、従来のように接合スラブを使用した場合に比べて大幅な軽量化が可能であり、この軽量化により補強架構全体の重量軽減が可能となり、補強架構を支える杭基礎の増設を低減又は不要化して施工期間の短縮と施工コストの低減、在宅施工の容易化を図ることができる。
本発明の実施形態に係るユニット構体の斜視図である。 本発明の実施形態に係るユニット構体の3面図であって、(a)は立面図、(b)は右側面図、(c)は平面図である。 ユニット構体の組み上げ工程の第1段階を示す立面図である。 ユニット構体の組み上げ工程の第2段階を示す立面図である。 ユニット構体の組み上げ工程の第3段階を示す立面図である。 ユニット構体の組み上げ工程の第4段階を示す立面図である。 ユニット構体の組み上げ工程の第5段階を示す立面図である。 ユニット構体を最終段まで組み上げた状態の側面図である。 クレーンを使用してユニット構体を組み上げる状態を示す立面図である。 クレーンを使用してユニット構体を建物側に吊り込む状態を示す平面図である。 クレーンを使用してユニット構体を建物側に吊り込む状態を示す側面図である。 図6Aの梁部材周辺の拡大図である。 ユニット構体と建物躯体の接合部を示す平面図である。 (a)は図7のVIII−VIII線矢視断面図、(b)は(a)の平面図である。 図7のIX−IX線矢視断面図である。 従来の接合スラブによる補強架構を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態に係る鉄骨造ユニット構体及び当該ユニット構体を使用した鉄骨造補強架構とその施工方法について説明する。
(鉄骨造ユニット構体)
図1及び図2は本発明の実施形態に係る鉄骨造ユニット構体10を略図で示したもので、このユニット構体10は工場で複数本のH形鋼を溶接することで一体形に構成される。ユニット構体10は左右一対の柱部材10aと、これら一対の柱部材10aの高さ方向中間部を水平方向に互いに連結する第1連結部材10bと、一対の柱部材10aの高さ方向中間部からそれぞれ水平方向片側(建物側)に張り出した一対の梁部材10cと、当該一対の梁部材10cの先端部を水平方向に互いに連結する第2連結部材10dとを有する。
ユニット構体10は、正面視では図2の(a)のようにH形状、側面視では図2の(b)のようにT形状である。またユニット構体10は平面視では図2の(c)のように横長の矩形枠状である。
第1連結部材10bと第2連結部材10dの両端部は、図2(c)のように左右方向に所定長で突出し、この突出部分に後述のユニット間連結部材31、32の端部をボルト結合可能に構成されている。なお、第2連結部材10dと第2ユニット間連結部材32のH形鋼のウェブの外側面には、後述する図7〜図9に示すように、水平方向に突出した複数のスタッド51が等間隔で固定されている。
一対の柱部材10aの上端部に、梁部材10cの張り出し方向(建物側)に突出した吊り金具20が溶接付けされている。この吊り金具20は、図3A〜図3Eに示すように、吊りビームBに吊り下げるワイヤーロープR3を玉掛けするためのもので、ユニット構体10を吊り金具20を使って吊りビームBに吊り下げ、この吊り下げ状態でクレーンCを操作してユニット構体10を目的階の所定高さまで移動させる。
第1連結部材10bの中間部上面には垂直な第1ガセットプレート11が溶接付けされている。柱部材10aと第1連結部材10bが交叉する角部に、垂直な第2ガセットプレート12が溶接付けされている。柱部材10aと梁部材10cが交叉する角部に、水平な第3ガセットプレート13が溶接付けされている。第2連結部材10dの中間部の内側面に、水平な第4ガセットプレート14が溶接付けされている。
第3ガセットプレート13と第4ガセットプレート14との間に傾斜ブレース15が配設されている。また第4ガセットプレート14と第1連結部材10bの中央部との間に垂直ブレース16が配設されている。なお、これら傾斜ブレース15と垂直ブレース16は、ユニット構体10を組み上げた後の後施工でボルト連結又は溶接付けすることも可能である。
傾斜ブレース15と垂直ブレース16を後施工にすることで、ユニット構体10のクレーン吊り上げ時の重量を軽減すると共に、吊り姿勢でのユニット構体10の重心位置を可及的に柱部材10a寄りにすることができる。これにより、吊り金具20から上方に延びたワイヤーロープR1〜R3とベランダスラブ40との干渉を回避しつつ、梁部材10cの張り出し長さを最短化することができる。梁部材10cの最短化は補強架構の重量軽減と部材コストの低減に有効であり、さらに補強架構の強度向上にもつながる。
(鉄骨造補強架構とその施工方法)
ユニット構体10は以上のように構成され、工場で仕上げられたユニット構体10は工事現場にトラックで搬送される。そしてユニット構体10を1つずつクレーンCで吊り上げて図3A〜図3Eのように鉄筋コンクリート造架構の既存建物Aの外壁に沿って段階的に組み上げることで鉄骨造補強架構Sを構築する。
補強架構Sは補強を必要とする躯体壁面に部分的に構築され、その架構重量が従来のスラブ接合による補強架構よりも大幅に軽量化される。これにより、補強架構Sの支持ための杭基礎を地盤Gに増設することなく、図4のように既存建物Aの杭基礎PFによって補強架構Sの垂直力を支持することができる。以下、鉄骨造補強架構Sの施工方法を順番に説明する。
まず、補強架構Sの最下段として第1段補強架構S1を構築する。第1段補強架構S1は1階部分の階高に対応した高さを有し、杭基礎PFの上に直接構築する。そしてこの第1段補強架構S1の上に第2段補強架構S2のユニット構体10を組み上げる。
ユニット構体10は1つずつクレーンCによって吊り上げて第1段補強架構S1の上に配置する。クレーンCによる作業のため、クレーンCのワイヤーロープR1の下端に取り付けられたフックFに、ワイヤーロープR2を介して吊りビームBを水平に吊り下げる。そしてこの吊りビームBの両端部から平行に降ろされたワイヤーロープR3の下端部を、ユニット構体10の吊り金具20に玉掛けする。
補強架構Sの組み上げ高さに合わせて、当該補強架構Sの外側、すなわち図3A〜図3Eの補強架構Sの紙面手前側に、ユニット構体10間の連結作業を行うための足場FLを組み上げる。この足場FLは転倒防止のため複数の壁つなぎ材で建物Aの躯体又はベランダスラブ40と連結する。
第2段補強架構S2を組み上げた後、図3Bに示すように、第1段補強架構S1と第2段補強架構S2との間に傾斜ブレース33を配設する。この傾斜ブレース33の下端部は第1段補強架構S1のスパン間中央部上面にボルト連結し、傾斜ブレース33の上端部は第2段補強架構S2のユニット構体10の第2ガセットプレート12にボルト連結する。
当該第2段補強架構S2から上は、同じ構造のユニット構体10を順次組み上げて補強架構Sを上方に伸ばしていく。なお、図4に示すように最上段の第8段補強架構S8は半階高となるため、ユニット構体10の柱部材10aの上半分を切除したものを使用する。
ユニット構体10を組み上げる際、後述する図6A、図6Bのように、ユニット構体10をベランダスラブ40の先端に近接させ、かつ、建物外壁のスパン間に合わせて間欠配置する。そして柱間スパンを挟んで左右に隣り合うユニット構体10相互間を、図3Bのように第1ユニット間連結部材31と第2ユニット間連結部材32でボルト連結する。
これらユニット間連結部材31、32もクレーンCで吊ってユニット構体10間に配置し、吊り治具に受渡してユニット構体10との位置合わせを行う。ユニット間連結部材31、32はユニット構体10相互を連結すると共に、ボルト連結の位置を修正することでユニット構体10相互間の寸法誤差を吸収することができる。
また、上下に隣り合うユニット構体10相互間は傾斜ブレース33で連結する。また上下に隣り合う第1ユニット間連結部材31相互間も同一の傾斜ブレース33で連結する。これら傾斜ブレース33もクレーンCで吊って所定位置に配置し、吊り治具に受渡してユニット構体10との位置合わせを行う。傾斜ブレース33はボルト連結であり、ボルト連結の位置を修正することでユニット構体10相互間の寸法誤差を吸収することができる。
図3Cは、第1段補強架構S1の上に第2段補強架構S2を組み上げた状態を示している。以後、図4に示す最終第8段補強架構S8まで、同じ手順でユニット構体10を組み上げていく。図3Dは第3段補強架構S3のユニット構体10の配置を示し、図3Eは第4段補強架構S4のユニット構体10の配置を示す。これら補強架構S3、S4においても、ユニット構体10をクレーンによって同様に吊り上げて1スパン置きに配置する。
(ユニット構体の水平吊り込み)
図5A〜図6Bは、ユニット構体10の梁部材10cから先をベランダスラブ40の下側に水平に吊り込む際の状態を示している。図5Aのように吊りビームBで水平に吊ったユニット構体10を、図6Aのようにベランダスラブ40と干渉しないように目的階の所定高さまで移動させる。その後、クレーンCを操作してユニット構体10を建物側に向けて矢印方向に水平移動させ、梁部材10cから先を図6Bのようにベランダスラブ40の下側に挿入する。
一方、ベランダスラブ40上には予めピティ枠41を設置しておき、このピティ枠41の上にレベル調整ジャッキ42を低位置に調節して左右一対で設置する。またベランダスラブ40の先端部下側に、一対のレベル調整ジャッキ42に対応する位置で出入調整用の定規アングル43をアンカーで固定しておく。
そして、水平に吊り込んだユニット構体10の梁部材10cの先端部を低位置に調節したレベル調整ジャッキ42の上まで移動させ、定規アングル43の先端にユニット構体10の柱部材10aのフランジ部を当接させる。この状態で梁部材10cの先端部をレベル調整ジャッキ42の上に静かに仮置きする。
その後、左右のレベル調整ジャッキ42をそれぞれ上昇調整して、梁部材10cとベランダスラブ40との間の垂直隙間Hを例えば150mmに調整する。これで、建物Aに対するユニット構体10の水平方向と垂直方向が位置決めされる。この位置決め作業の間、必要に応じてクレーンCを操作してユニット構体10の高さ位置を微調節する。
このようにしてユニット構体10を位置決めした状態で、左右一対の柱部材10aの下端部を、下側のユニット構体10の左右一対の柱部材10aの上端部にそれぞれボルト連結する。また、上下に隣り合うユニット構体10相互間を傾斜ブレース33で連結する。また上下に隣り合う第1ユニット間連結部材31相互間も、同一の傾斜ブレース33で連結する。作業者Wが乗る足場FLは、この連結作業が可能な高さまで組み上げる。
(補強架構と建物躯体との接合)
前述した方法で2段より上の各段補強架構S2…を組み上げる毎に、図7〜図9のように、ユニット構体10の第2連結部材10dと第2ユニット間連結部材32を、建物躯体の梁部材45と接合する。この接合のために、建物躯体の梁部材45にあと施工アンカー50を左右方向等間隔で水平に設置する。当該あと施工アンカー50を設置する前工程として、まず梁部材45に所定径・所定深さの孔を削孔ドリルで形成する。そして当該孔の中に、あと施工アンカー固定用接着剤を挿入・充填する。その後、当該孔の中にあと施工アンカー50を回転・挿入することで、あと施工アンカー50が接着剤によって梁部材45に固定される。当該あと施工アンカー50は、第2連結部材10dと第2ユニット間連結部材32のH形鋼のウェブに取り付けたスタッド51を、あと施工アンカー50相互間に挟み込むように配置する。
そして第2連結部材10dと第2ユニット間連結部材32の上下に型枠52、53を施工し、型枠52、53の内側にスパイラル筋54を挿入する。この状態で型枠52、53内に固化材としての無収縮モルタル55を注入する。
このモルタル注入は、上側型枠52の上方又は下側型枠53の下方から行うことが可能である。上側型枠の上方から充填する場合は、ベランダスラブ40にモルタル充填用の穴56をドリルで形成するか、梁部材10cとベランダスラブ40との間の垂直隙間Hを利用してモルタル充填用のホース57を導入する。
下側型枠53の下方からモルタル注入を行う場合は、型枠53に穴を開けて当該穴にモルタル充填用の注入ホース57を連結する。この場合は、型枠内でモルタル液面が静かに上昇するのでモルタル充填効率を高めることができる。なお、第2連結部材10dのH形鋼の下側の片側フランジは、第2ユニット間連結部材32の連結作業に使用するボルト回転用治具を挿入するために、部分的に切り欠いておく。
以上のようにして複数のユニット構体10により構築した補強架構Sを建物躯体に接合する。補強架構Sは接合スラブを使用しないので従来よりも大幅軽量化が可能である。このため、補強架構Sを支える杭基礎の新規打設を低減又は不要化し、既存建物の杭基礎PFによって補強架構Sの垂直力を支持することも可能である。
(まとめ)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば前記実施形態ではユニット構体10を既存建物の柱間スパンに合わせて間欠配置したが、補強する建物の状態によっては、ユニット構体10を間欠配置ではなく連続配置とすることも可能である。また、前記ユニット構体10は基本的に柱部材10aと梁部材10cとを有するものであればよく、前述の実施形態で示した構造に限られるものではない。
10:鉄骨造ユニット構体 10a:柱部材
10b:第1連結部材 10c:梁部材
10d:第2連結部材 11:第1ガセットプレート
12:第2ガセットプレート 13:第3ガセットプレート
14:第4ガセットプレート 15:傾斜ブレース
16:垂直ブレース 20:吊り金具
31:第1ユニット間連結部材 32:第2ユニット間連結部材
33:傾斜ブレース 40:ベランダスラブ
41:ピティ枠 42:レベル調整ジャッキ
43:定規アングル 45:建物躯体の梁部材
50:あと施工アンカー 51:スタッド
52:上側型枠 53:下側型枠
54:スパイラル筋 55:無収縮モルタル
56:穴 57:注入ホース
100:補強架構 110:片持スラブ
110:ベランダスラブ 120:接合スラブ
A:建物 B:吊りビーム
C:クレーン F:フック
FL:足場 H:垂直隙間
PF:杭基礎 R1-R3:ワイヤーロープ
S:鉄骨造補強架構 S1:第1段補強架構
S2:第2段補強架構 S3:第3段補強架構
S4:第4段補強架構 S5:第4段補強架構
S6:第4段補強架構 S7:第4段補強架構
S8:第8段補強架構 W:作業者

Claims (7)

  1. 建物から張り出したベランダスラブを有する鉄筋コンクリート造架構の既存建物の外壁に沿って鉄骨造ユニット構体を組み上げて構成する外付け鉄骨造補強架構であって、前記鉄骨造ユニット構体は、
    前記ベランダスラブの外側において上下方向に接合して組み上げて垂直力を基礎に伝達する左右一対の柱部材と、
    当該一対の柱部材の相互間を水平方向に連結する第1連結部材と、
    当該一対の柱部材の高さ方向中間部から前記ベランダスラブの下側を通って既存建物側に向かって張り出してその先端部が既存建物と接合可能な一対の梁部材と、
    前記一対の梁部材の先端部相互間を水平方向に連結する第2連結部材と、
    ワイヤーロープを掛けるために前記一対の柱部材の上端部の前記梁部材の張り出し方向に突設された吊り金具とを有し、
    前記鉄骨造ユニット構体が、既存建物の柱間スパンに合わせて間欠配置された状態で建物のベランダスラブの外側において建物外壁に沿って上方に組み上げられ、前記柱間スパンを挟んで隣り合う前記鉄骨造ユニット構体間が、ユニット間連結部材で水平方向に連結され、かつ、前記鉄骨造ユニット構体の前記柱部材から張り出した前記梁部材が、前記ベランダスラブの下側を通して建物の躯体と接合されたことを特徴とする鉄骨造補強架構
  2. 建物の杭基礎に前記鉄骨造ユニット構体の柱部材が連結されたことを特徴とする請求項の鉄骨造補強架構。
  3. 前記ユニット間連結部材は、
    前記第1連結部材の端部相互間を水平方向に連結する第1ユニット間連結部材と、
    前記第2連結部材の端部相互間を水平方向に連結する第2ユニット間連結部材と、
    を有することを特徴とする請求項の鉄骨造補強架構。
  4. 前記第2連結部材と前記第2ユニット間連結部材を、既存建物の躯体にそれぞれ接合したことを特徴とする請求項の鉄骨造補強架構。
  5. 前記第2連結部材と前記第2ユニット間連結部材がフランジを水平にしたH形鋼で構成され、建物の躯体に前記H形鋼のウェブに向けてアンカーが設置される一方、前記H形鋼のウェブにスタッドが固定され、前記アンカーとスタッドの周囲にスパイラル筋モルタルが配置されることにより前記第2連結部材と前記第2ユニット間連結部材が建物躯体と接合されていることを特徴とする請求項の鉄骨造補強架構。
  6. 建物から張り出したベランダスラブを有する鉄筋コンクリート造架構の既存建物の外壁に沿って鉄骨造ユニット構体を組み上げる鉄骨造補強架構の施工方法において、
    前記鉄骨造ユニット構体として、前記ベランダスラブの外側において上下方向に接合して組み上げて垂直力を基礎に伝達する柱部材と、当該柱部材から前記ベランダスラブの下側を通って既存建物側に張り出して先端部が既存建物の躯体と接合可能な梁部材とを有するものを複数使用して、
    当該鉄骨造ユニット構体を既存建物の柱間スパンに合わせて間欠配置し建物のベランダスラブの外側において建物外壁に沿って上方に組み上げる工程、
    柱間スパンを挟んで隣り合うユニット構体間をユニット間連結部材で水平方向に連結する工程、
    ユニット構体の柱部材から張り出した梁部材を前記ベランダスラブの下側を通して建物の躯体と接合する工程、及び
    前記ユニット間連結部材を建物の躯体に接合する工程を有することを特徴とする鉄骨造補強架構の施工方法。
  7. 前記ベランダスラブの先端部に定規アングルを固定する工程、
    前記ベランダスラブの上に枠組足場を設置し、当該枠組足場上にレベル調整ジャッキを配置する工程、
    請求項6に記載の鉄骨造ユニット構体をクレーンのワイヤーロープで吊り下げた状態で当該ユニット構体の梁部材を前記ベランダの下側に吊り込む工程、
    ワイヤーロープで吊り下げた状態のユニット構体の柱部材を前記定規アングルに当接させる工程、
    ワイヤーロープで吊り込んだ前記梁部材の先端部を前記レベル調整ジャッキに載せる工程、
    前記レベル調整ジャッキを調整して前記梁部材と前記ベランダスラブとの間に所定の垂直隙間を形成する工程、
    を有することを特徴とする請求項の鉄骨造補強架構の施工方法。
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