JPH09144076A - 消波型貯水タンク - Google Patents

消波型貯水タンク

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JPH09144076A
JPH09144076A JP7325217A JP32521795A JPH09144076A JP H09144076 A JPH09144076 A JP H09144076A JP 7325217 A JP7325217 A JP 7325217A JP 32521795 A JP32521795 A JP 32521795A JP H09144076 A JPH09144076 A JP H09144076A
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JP
Japan
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wave
storage tank
water
water storage
dissipating
Prior art date
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Application number
JP7325217A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Koshiyama
浩次 越山
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Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
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Publication date
Application filed by Fujita Corp filed Critical Fujita Corp
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Publication of JPH09144076A publication Critical patent/JPH09144076A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震の際に発生する貯水タンク内の水の波動
を抑制することによって貯水タンクの耐震性を向上させ
る。 【解決手段】 集合住宅等の建築物に設置される上水用
の貯水タンク本体1が、FRPからなる複数のパネルを
直方体状に組み立てたものであって、底壁11、天板1
2及び側方四面の側壁13からなる。この貯水タンク本
体1内の所定の高さには、前記FRP等からなる多数の
帯状板21を縦横に組み合わせて格子状に形成した消波
板2が略水平に配置され、その外縁部22が前記貯水タ
ンク本体1の側壁13に図示されていない適当な金具を
介して固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物に設置され
る上水用等の貯水タンクにおいて、特に、耐震性を向上
させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】集合住宅等の建築物には、上水用の貯水
タンクが設置されるが、建築物の大型化に伴って、この
種の貯水タンクの容量も必然的に大型化する。従来、大
型の貯水タンクは、ガラス繊維等による強化プラスチッ
ク(FRP)からなる複数のパネルを直方体状に組み立
てたものが多く採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の貯水タンク
は、通常の状態では十分な強度を有し、しかも運搬や施
工性も良く、優れた製品である。しかし、最近の大地震
においては、大きな震動によって貯水タンク内の水が大
きく波動し、その波動エネルギによる破壊力で貯水タン
クが破壊された例が多く見られた。地震によって建築物
自体は被害を受けなかったとしても、このような貯水タ
ンクの破壊が生じると、水系統が断絶されることは勿
論、貯水タンクから流出した大量の水によって電力系統
も断絶されてしまう可能性も考えられ、結局は建築物の
使用が不可能になるといった問題がある。したがって、
貯水タンクの耐震性の向上を図ることが要求されてい
る。
【0004】本発明は、上記のような事情のもとになさ
れたもので、その技術的課題とするところは、地震の際
に発生する貯水タンク内の水の波動を抑制することによ
って貯水タンクの耐震性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を有
効に解決するための手段として、本発明に係る消波型貯
水タンクは、貯水タンク本体内の適当な高さ位置に上下
方向の水の流通を許容する消波板が略水平に配置され、
この消波板の外縁部が前記貯水タンク本体の側壁に固定
された構造を備えるものである。
【0006】この構成によれば、貯水タンク本体内に設
けられた消波板は、地震による貯水タンク本体内の水の
波動に伴う水の運動エネルギを、この消波板に水が干渉
することによって、あるいはこの消波板を水が通過する
際に減衰させて、波動の振幅及び速度の増大を抑制し、
水の巨大波動による貯水タンク本体の破壊を有効に防止
するものである。
【0007】また、上述した技術的課題を有効に解決す
るための他の手段として、本発明に係る消波型貯水タン
クは、水よりも比重が小さく上下方向の水の流通を許容
する消波板が貯水タンク本体内の水面に浮上状態に配置
され、この消波板はガイド部材によって水位変化に伴う
上下移動が許容されているものである。
【0008】この構成によれば、消波板は貯水タンク本
体内の水面に浮上状態にあって、常に水面に接触してい
るので、波動の発生自体を抑制する。また、消波板はガ
イド部材によって水位の変動に応じた上下移動が許容さ
れているが、波動に伴う水の移動は水の流通部を通じて
行われ、その際の減衰力によって波動の振幅及び速度の
増大を抑制し、水の巨大波動による貯水タンク本体の破
壊を有効に防止するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る消波型貯水
タンクの一実施形態を示すものである。すなわちこの図
において、参照符号1は、集合住宅等の建築物に設置さ
れる上水用の貯水タンク本体であって、繊維強化プラス
チック(FRP)からなる複数のパネルが直方体状に組
み立てられており、底壁11、天板12及び側方四面の
側壁13からなる。この貯水タンク本体1内の所定の高
さには、前記FRP等からなる多数の帯状板21を縦横
に組み合わせて格子状に形成した消波板2が略水平に配
置されており、その外縁部22が前記貯水タンク本体1
の側壁13に図示されていない適当な金具を介して固定
されている。また、消波板2は一体の樹脂成形体とする
ことも可能である。
【0010】この実施形態による波動抑制作用を、図2
を参照しながら説明すると、例えば貯水タンク本体1内
の水位が、図中一点鎖線で示すように消波板2より下の
レベルWL1 にある場合は、貯水タンク本体1内の水W
に地震による波動WL1'を生じても、水量が少なく、す
なわち貯留された水の質量が小さいので、貯水タンク本
体1の破壊に至るような大きな波動エネルギは生じな
い。また、もし大きな震動によって波動WL1'の振幅及
び速度が大きくなっても、この場合はその波頭が格子状
の消波板2に接触することによって減衰されるので、波
の振幅及び速度の過大化が有効に抑制される。また、水
位が図中破線で示すように消波板2より上のレベルWL
2 にある場合は、貯水タンク本体1内の全水量のうち、
波動に伴って消波板2より下の部分に生じる運動は消波
板2によって抑制されるので、波動WL2'は消波板2よ
りも上側に限定され、したがって波動エネルギが小さく
抑えられる。
【0011】なお、過去の地震に対する応答動液圧解析
例等を考慮すると、貯水タンク本体1の互いに対向する
側壁13,13間の水平距離をx、側壁13の高さ(貯
水タンク本体1の高さ)をyとした場合、消波板2の上
下幅(帯状板21の上下幅)を略y/8、各帯状板21
による格子のピッチを略x/8、消波板2の中心の設置
高さを底壁11から略2y/3とした場合に最も顕著な
波動抑制効果が得られるものと推定される。
【0012】図3及び図4は、本発明に係る消波型貯水
タンクの他の実施形態を示すものである。すなわちこの
実施形態において、貯水タンク本体1の内部に配置され
た消波板3は、水に浮く素材、例えば繊維強化された発
泡プラスチックからなるもので、上下方向の水の流通を
許容するための多数の円形孔31が開設されており、そ
の四隅には、ガイド手段として円筒状のガイドスリーブ
32が上下両側に突出した状態で固定されている。な
お、図4における参照符号bは消波板3の内部に形成さ
れた気泡を示す。
【0013】一方、繊維強化プラスチック(FRP)か
らなる複数のパネルが直方体状に組み立てられた貯水タ
ンク1内の平面方向四隅には、ガイド手段としてそれぞ
れ下端が底壁11に固定されると共に上端が天板12に
固定されたガイドロッド14が略鉛直に立設されてい
る。前記消波板3は、その四隅のガイドスリーブ32が
各ガイドロッド14に僅かな隙間を介して遊嵌状態に貫
通され、これによって貯水タンク本体1内を上下移動可
能となっている。
【0014】この実施形態によると、水面に浮上した状
態にある消波板3は、水位の増減に対応して貯水タンク
本体1内を上下移動し、その移動はガイドロッド14と
これに遊嵌されたガイドスリーブ32によって案内され
ているため、常に略水平な姿勢に維持され着水状態にあ
る。したがって、貯水タンク本体1内の水Wに地震等に
よる波動を生じ、この波動に伴う部分的な水位WLの上
昇によって消波板3の一部に浮力による上向きの力f1
が作用しても、他部には波動に伴う水位WLの低下によ
って下向きの力f2 が作用し、しかも、消波板3が前記
波動によって傾斜しようとすると、ガイドロッド14に
対してガイドスリーブ32が干渉してブレーキとなるた
め、消波板3の上下移動が抑制され、波動による水の上
下移動が消波板3の円形孔31を通じて行われるので、
その際の流動抵抗によって水の運動エネルギが有効に減
衰される。
【0015】なお、本発明は、図示の実施形態によって
限定的に解釈されるものではない。例えば、当然なが
ら、FRPからなる複数のパネルを直方体状に組み立て
たもの以外の構造の貯水タンクにも適用可能である。ま
た、図1及び図2の実施形態における消波板2は、貯水
タンク本体1の容積によっては、上下に適当な間隔で2
枚以上設けても良い。図3及び図4の実施形態における
消波板3としては、水に浮くものであってかつ適当な強
度を有するものであれば、木製のものや中空構造とした
もの等も考えられる。またこの消波板3は、例えば図5
に示すように、それぞれガイドスリーブ32を介してガ
イドロッド14に上下移動可能に案内させた複数のパネ
ル3aで構成し、各パネル3aを孔のない形状として、
適当な連結手段33を介して互いに略水平に連結させた
構造とすることによって、前記各パネル3a間の隙間等
を介して水Wが上下に流通可能とすることも有効であ
る。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る消波型貯水タンクによれ
ば、地震の際に発生する貯水タンク本体内の水の波動
が、貯水タンク本体内に配置された消波板の減衰力によ
って抑制されるので、地震発生時の貯水の波動エネルギ
による貯水タンクの破壊を有効に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消波型貯水タンクの一実施形態を
一部破断して内部構造を表した斜視図である。
【図2】上記実施形態による波動抑制作用を示す説明図
である。
【図3】本発明に係る消波型貯水タンクの他の実施形態
及びその波動抑制作用を示す説明図である。
【図4】上記実施形態における消波板部分を示す部分的
な斜視図である。
【図5】上記実施形態における消波板の変更例を示す部
分的な説明図である。
【符号の説明】
1 貯水タンク本体 13 側壁 14 ガイドロッド(ガイド手段) 2,3 消波板 32 ガイドスリーブ(ガイド手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯水タンク本体内の適当な高さ位置に上
    下方向の水の流通を許容する消波板が略水平に配置さ
    れ、この消波板の外縁部が前記貯水タンク本体の側壁に
    固定されたことを特徴とする消波型貯水タンク。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、 消波板は貯水タンク本体の側壁の高さに対して下端から
    略2/3の高さにあることを特徴とする消波型貯水タン
    ク。
  3. 【請求項3】 請求項1の記載において、 消波板が格子状であってその格子のピッチが貯水タンク
    本体の水平幅の略1/8であり、消波板の上下幅が前記
    貯水タンク本体の深さの略1/8であることを特徴とす
    る消波型貯水タンク。
  4. 【請求項4】 水よりも比重が小さく上下方向の水の流
    通を許容する消波板が、貯水タンク本体内の水面に浮上
    状態に配置され、この消波板はガイド部材によって水位
    変化に伴う上下移動が許容されていることを特徴とする
    消波型貯水タンク。
JP7325217A 1995-11-21 1995-11-21 消波型貯水タンク Pending JPH09144076A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007236571A (ja) * 2006-03-08 2007-09-20 Kao Corp 湿式電気掃除機
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CN110626653A (zh) * 2019-10-24 2019-12-31 连云港中远海运特种装备制造有限公司 移动式绝热容器堤板缓冲装置
JP6999867B1 (ja) * 2021-02-04 2022-01-19 三菱電機株式会社 静止誘導器

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050316