JP2858761B2 - 中低層建築用一体型振動抑制装置 - Google Patents

中低層建築用一体型振動抑制装置

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JP2858761B2 JP63272263A JP27226388A JP2858761B2 JP 2858761 B2 JP2858761 B2 JP 2858761B2 JP 63272263 A JP63272263 A JP 63272263A JP 27226388 A JP27226388 A JP 27226388A JP 2858761 B2 JP2858761 B2 JP 2858761B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は容器に入った液体のスロッシング現象を利用
して建物の振動を抑制する振動抑制装置に関するもの
で、住宅その他、比較的低層の建築物を対象としてい
る。
〔従来の技術〕
動制振器(ダイナミックダンパー)の一種として、い
わゆるスロッシングダンパーがある。スロッシングとは
タンク内の液体が地震などにより振動したときに見られ
る現象で、内部の液体が共振状態となると、容器の側壁
に大きな力がかかり、構造設計上の問題となっている。
スロッシングダンパーはこの現象を逆に有効利用するも
ので、前述の動制振器として液体容器を用いたものであ
る。
特開昭62−101764号公報にはスロッシングダンパーの
基本原理とともに、構造物の所定位置に構造物の固有周
期と同一の周期で、位相差を伴って振動する液体を貯留
する貯留タンクを設け、この液体の振動によって構造物
の振動を抑制する振動抑制装置が開示されている。
この改良装置としては特開昭63−40064号公報に貯留
タンクの内面に液体の振動減衰を調整する複数の調整部
材を突出させたものが開示され、特開昭63−181866号公
報には構造物の壁内に複数の貯留室を設け、並列する貯
留室間に連通路を形成した制振壁構造が開示されてい
る。また、特開昭63−181866号公報には上記貯留タンク
として、垂直方向および水平方向に連設可能な複数個の
箱状タンクを用いて振動抑制装置が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した従来の振動抑制装置は主として高層ビルある
いは塔状構造物など固有周期の長い建物に対する風ある
いは地震による建物の揺れを対象としたもので、振動を
早期に減衰させる効果が大きい。そして、通常、数十cm
〜数mの貯留タンクが1個または複数個設置される。
しかし、中低層の建物では固有周期が短いため、建物
の固有周期と容器内の液体の固有周期を合わせるために
は、容器の寸法を小さくせざるを得ない。一方、制振効
果を挙げるためには通常、建物の有効質量に対する液体
の有効質量が0.5〜3%程度必要であることから、非常
に多くの容器を設置することになる。そのため、建物へ
の固定方法、維持管理、コストなどに関し多くの問題が
生ずる。
本発明は上述のような問題点の解決を図ったものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の中低層建築用一体型振動抑制装置は、内部に
貯留した液体3の固有振動数が振動抑制の対象となる中
低層建物の固有振動数とほぼ等しくなるよう調整した容
器2を該建物の所定の位置に設け、前記液体3のスロッ
シング現象のみを利用した該建物の振動を抑制する装置
であって、多数個の容器2を一体的に成形してパネル状
集合体が形成され、該各容器2の底部に傾斜面4、凹凸
面5、突起、または仕切りなどの液体3の振動を減衰す
る部分が設けられ、前記パネル状集合体は共通の蓋7に
より密閉されていることを特徴とするものである。
容器1つの寸法は数cm〜10数cm程度の内径と数cm程度
の深さを有するもので、形状は円筒、多角筒などが考え
られる。無駄な間隙が生じず、最もスペース効率の高い
ものは6角形または矩形の平断面を持つ容器である。材
料は加工あるいは水密性などの面からはプラスチックが
適し、モノコックにより数十個を一度に作成することが
できる。その他、金属あるいはガラスなどを材料とする
ことも可能である。内部に貯留する液体としては水が一
般的であるが、粘性の高い液体や比重の異なる液体、凍
結防止のための不凍液などを利用することも考えられ
る。また、装置の中低層建物への設置位置としては、屋
根あるいは屋上といった建物頂部が適し、一次モードに
おける振動を効果的に抑えることができる。
〔作用〕 多数個の容器を一体成形することにより、リブで補強
したパネル状の集合体が形成され、運搬、据付けを一体
として行えるだけでなく、変形あるいは転倒に対しても
一体として抵抗する。
個々の容器は比較的小さい寸法であるため、貯留した
液体も中低層建築の短い固有周期とほぼ一致する短い固
有周期で振動し、建物の振動を吸収することができる。
このとき、スロッシングダンパーとしての液体の有効質
量は、個々の容器の液体の有効質量の総和として与えら
れる。また、容器をパネル状集合体として一体成形した
ことにより、振動で溢れ出ようとする液体は隣接する容
器に溢れ込む。したがって、一体の容器の外周で密閉す
ることにより、液体の散逸を防止することができる。
〔実施例〕
次に、図示した実施例について説明する。
第1図は本発明の一実施例を示したもので、本体はプ
ラスチック製の6角形の窪みを有するパネル状集合体と
して一体成形され、各窪みが個々の容器2を構成してい
る。個々の容器2内には水などの液体3が入っており、
容器2の寸法および液体3の深さを調整することによ
り、容器2内の液体3の振動の固有周期が中低層建物の
固有周期とほぼ一致するようにする。中低層建物の場
合、この値は前述のように数cm〜10数cm程度の内径と数
cm程度の深さとなる。本実施例のように各容器2の平断
面を6角形とした場合、最も空隙の少ない配列で、方向
による差を吸収することができる。また、方向によって
建物の固有周期が異なる場合も多いため、第2図に示す
ようにX,Y2方向の直径D1,D2を変えることにより、より
制振効率を高めることができる。また、第3図および第
4図に示すように容器2の底面を傾斜面4または凹凸面
5としたり、あるいは突起、仕切りなどを設けること
で、液体3の振動の減衰を促すことができる。また、液
体3として粘性の高いものを使用することも考えられ
る。
液体3の有効質量を建物の有効質量の1%前後にする
ためには、容器2を数百あるいは数千個以上設ける必要
がある。したがって、パネル状集合体として一体化した
1つの振動抑制装置1が例えば100個の容器2を有する
とすれば、これを数十あるいは数百並列させたり、積み
重ねるなどして設置することになる。
第5図は個々の容器2の平断面を矩形とした場合の例
を示したものである。第6図はその鉛直断面を示したも
のであるが、図に示すように、隣接する容器2間に連通
管6を設けることにより、液体3の水位を簡単に一定に
保つことができ、また液体3を均一に注入することがで
きる。
第7図は個々の容器の平断面を円形とした場合の例を
示したものである。なお、円筒状容器を用い、4階建て
の比較的低層の建物(固有振動数2.9Hz)を想定した場
合の個々の容器の寸法および個数などの一例を挙げる
と、内径85mm、水深25mm(水量約140cc)で6000個の容
器を用い、水量は全体で約840kgとなる。
また、本振動抑制装置1の耐久性上、容器2を密閉す
ることが必要となるが、第9図に示すように、本発明で
は多数個の容器2をパネル状集合体として一体的に成形
してあるため、第8図のように各容器2′に個別に蓋
7′を設ける手間が省け、まとめて外周部で密閉するこ
とができる。
〔発明の効果〕 内部に液体を貯留する多数個の容器をパネル状集合体
として一体的に成形してあるため、運搬、据え付けを一
体として行えるだけでなく、変形や転倒に対して一体的
に抵抗させることができる。
各容器の底部に液体の振動を減衰する部分が設けられ
ているので、振動減衰のための有効面積を確保しやす
く、さらに底部に設けるので一体成形が容易である。
各容器は共通の蓋により密封されるので、パネル状集
合体において数百個の容器が集合されたとしても、製作
および取付けが簡単で、保守点検も容易である。
スロッシング現象のみを利用した装置であり、地震な
どにおいて建物に加わる水平方向の振動を効果的に抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明において個々の容器の平断面を6角形と
して一体成形した容器の一部を概略的に示した斜視図、
第2図は平断面の一例を示す平面図、第3図および第4
図は容器の底面形状の変形例を示す鉛直断面図、第5図
は個々の容器の平断面を矩形とした実施例の斜視図、第
6図はその鉛直断面図、第7図は個々の容器の平断面を
円形とした実施例の斜視図、第8図および第9図は個々
の容器が分離されている場合と一体化されている場合に
ついての密閉方法の違いを説明するための鉛直断面図で
ある。 1……振動抑制装置、2……容器、3……液体、4……
傾斜面、5……凹凸面、6……連通管、7……蓋

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に貯留した液体3の固有振動数が振動
    抑制の対象となる中低層建物の固有振動数とほぼ等しく
    なるよう調整した容器2を該建物の所定の位置に設け、
    前記液体3のスロッシング現像のみを利用した該建物の
    振動を抑制する装置であって、多数個の容器2を一体的
    に成形してパネル状集合体が形成され、該各容器2の底
    部に傾斜面4、凹凸面5、突起、または仕切りなどの液
    体3の振動を減衰する部分が設けられ、前記パネル状集
    合体は共通の蓋7により密閉されていることを特徴とす
    る中低層建築用一体型振動抑制装置。
JP63272263A 1988-10-28 1988-10-28 中低層建築用一体型振動抑制装置 Expired - Fee Related JP2858761B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101824318B1 (ko) * 2016-04-12 2018-02-01 한양대학교 산학협력단 광대역 건물의 진동제어를 위한 동조액체감쇠기 삽입형 중공슬래브 및 이에 포함되는 중공부재

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0756192B2 (ja) * 1987-01-23 1995-06-14 清水建設株式会社 構造物の制振壁構造

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