JP4948008B2 - スロッシング抑制材 - Google Patents

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本発明は、浮屋根を備える容器において、スロッシングを抑制するために浮屋根に取り付けられるスロッシング抑制材に関する。
水、石油、重油、ガソリン、化学薬品等の液体を貯蔵するためのタンクとして、固定屋根式タンク、浮屋根式タンク等が使用されている。これら液体のうち、石油、重油、ガソリン等の揮発性を有する液体を貯蔵するタンクには、浮屋根式タンクが多く採用されている。これは、液面に浮かべて使用される浮屋根によって液面を覆うため、液体が揮発することがなく、液ロスを抑制することができるからである。
ここで、浮屋根式タンクの構造について説明する。一般に、円形の底板と、液体を貯留するために中空円筒形に構築される側板と、液面を覆い、液面に浮かべて使用される浮屋根とから構成される。中空円筒形に側板を構築するのは、内部に貯蔵される液体によって側板に加えられる圧力をほぼ均等にし、タンクを破損しにくくするためである。浮屋根は、液面の中央部を覆うデッキ板と、そのデッキ板の周囲に設けられる中空の箱形構造物で、液面に浮くポンツーンとから構成される。ポンツーンとタンクの側板との間には、わずかな隙間が存在するが、ポンツーンの周囲にシール材を設け、シール材によってこの隙間を埋めることで、液体の揮発を抑制することができる。なお、浮屋根は、液面に浮かべて使用されるため、液体の供給により液面レベルが上昇するにつれて上昇し、液体の取り出しにより液面レベルが低下するにつれて降下する。
地震が発生した場合、震源を中心とする地震動が発生し、この浮屋根式タンクにもこの地震動が伝えられる。この地震動によってタンクは揺動し、タンク内の液体にもこの揺動が伝えられる。地震動による周期とタンクの固有周期とが一致することにより、共振が発生すると、この共振によって液面が大きく波立つスロッシングと呼ばれる現象が発生する。
このスロッシングは、地震が停止しても続き、浮屋根に揺動運動のみならず、回転運動を生じさせ、波高を増大させる。この波高の増大は、タンク内容物をオーバーフローさせ、また、浮屋根と液面との間に負圧と正圧とを生じさせて浮屋根を破壊させる場合がある。スロッシングの振動は、内容物の減衰率が小さいため長時間継続する。これは、タンク内容物が石油等の可燃性液体である場合には、可燃性液体をオーバーフローさせ続け、着火源の存在により大火災を引き起こす可能性がある。このため、浮屋根式タンクには、地震時のタンク内部の液体の運動に抵抗を与えたり、浮屋根を固定したりして、スロッシングによる浮屋根の揺動を抑制するための装置が設けられている。
例えば、タンク内容物の流動により遊動する抵抗板と、タンク内容物中を沈んでタンクの底面に移動可能に設置され、浮力により浮かぼうとする抵抗板をタンク内容物中で支持する支持体と、抵抗板と支持体とを接続するワイヤとを有する装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置は、抵抗板によってタンク内容物の流動に抵抗を与えることで、液面が大きく波立つのを抑制するものである。
また、浮屋根の下面に線状体を垂下させ、一対の板状体を傾斜自在に連結してなる抵抗板を、各板状体が略水平に展開した状態から上方に閉じる方向にのみ傾斜し得るよう線状体に吊り下げ支持するものが提案されている(特許文献2参照)。これは、浮屋根が上方に向かって揺動する際に抵抗板の各板状体が略水平に展開して液体から抵抗力を受け、浮屋根の揺動を抑制するものである。
上記抵抗板は、タンク内容物中におけるタンク内容物の流動に対して抵抗を与えるものであり、液面付近の流動を直接減衰させることはできない。このため、液面は大きくなくとも波立つ。また、これら抵抗板は、地面またはタンクの底面に平行である水平方向への流動が生じ、その後、タンク側壁に衝突する等して生じた鉛直方向への流動に対し、タンク内容物を衝突させて抵抗を与えるものである。このため、その流動が抵抗板に衝突するまでの間に加速される場合、抵抗板は強い力を受けて破損するといった問題がある。また、この力は抵抗板に限らず、浮屋根にもかかるため、浮屋根が破損するといった問題もある。破損に至らない場合であっても、液面の波立ちを大きくするため、スロッシングを発生させるといった問題がある。
特開2005−280738号公報 特開平9−142575号公報
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、液面付近の液体の流動および容器内部の液体の流動をともに減衰させ、スロッシングを抑制することができるスロッシング抑制材を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、浮屋根の中央部を覆うデッキ板の下面に山部および谷部が容器の内側面に向くように波形抵抗板を取り付け、液面付近を流動する液体に抵抗を与えるとともに、その流動を多方向へ分岐させることにより、液面付近の液体の流動を減衰させることができ、これにより、スロッシングを抑制することができることを見出した。上記課題は、本発明のスロッシング抑制材を提供することにより達成される。
すなわち、本発明のスロッシング抑制材は、山部と谷部とが交互に連続してなる波形抵抗板からなり、液面に隣接する浮屋根の中央部の下面に、山部および谷部が容器の内側面に向くように取り付けられることを特徴とするものである。
このスロッシング抑制材は、複数の波形抵抗板から構成されていてもよく、浮屋根の下面に、並行に配列するように、また、放射状に延びるように取り付けることができる。
上記波形抵抗板は、複数の山部および谷部を形成する複数の第1平板部と複数の第2平板部とを備え、第1平板部と第2平板部とが交互に配列しており、第1平板部および第2平板部のいずれか一方、または、その両方に開口部が設けられていてもよい。
また、開口部には、複数の小孔が形成された多孔板、網目を有する網状物、または、一部が重なり合うように配置される複数の小板からなり、液体の流動方向に応じて開閉されるブラインド部材のいずれかを取り付けることができる。
本発明のスロッシング抑制材を提供することにより、液面付近の液体の流動を減衰させ、スロッシングを抑制することができる。このようにスロッシングが抑制されることから、浮屋根の揺動を抑制することができ、浮屋根が損傷することもなくなる。
本発明のスロッシング抑制材を、図面を参照して詳細に説明する。液面に浮き、その液面を覆う浮屋根を備える容器としては、石油、重油、ガソリン等を貯蔵するために使用される浮屋根式タンクを挙げることができる。図1は、浮屋根式タンクの浮屋根にスロッシング抑制材を取り付けたところを示した図である。浮屋根式タンクは、鋼材からなる円形の底板10aと、その底板10aに連続し、円筒状に形成される側板10bとから構成される本体と、鋼材からなり、液面の中央部を覆うデッキ板11aと、そのデッキ板11aの周囲に連結されるポンツーン11bとから構成される浮屋根11とから構成される。図1には示していないが、側板10bには、タンク内部に液体を供給するための供給ノズルと、タンク内部の液体を排出するための排出ノズルとが設けられ、浮屋根11には、ポンツーン11bと側板10bとの隙間を埋めるシール材が設けられている。
ポンツーン11bは、浮屋根11が液面に浮くように、中空とされており、主として鋼材、他にもポリ塩化ビニルや繊維強化プラスチック(FRP)等のプラスチック材料などから製造される。上記のように側板10bは、内部に貯蔵される液体から受ける圧力が均等にかかるように、円筒状に形成される。このため、浮屋根11は、円形のデッキ板11a、その円形のデッキ板11aに、複数のポンツーンまたはリング状のポンツーン11bが周設され、全体として円形とされる。内部に貯蔵される液体は、石油、重油、ガソリン等の可燃性液体のほか、水や液状の化学薬品等とすることもできる。
可燃性液体は、着火源の存在により火災を発生させ、大気を汚染する。液状の化学薬品等は、タンクから流出し、土壌や河川に浸透すると、物質によってはその土壌や河川を汚染する。これらの液体は、地震のない通常時において、タンクに損傷がない限り、タンクから流出することはない。しかしながら、地震が発生すると、液面が大きく波立つスロッシングが発生し、浮屋根を持ち上げ、これらの液体が流出するおそれがある。このため、地震時においてもスロッシングを抑制して浮屋根が持ち上がらないようにするために、本発明のスロッシング抑制材が浮屋根に取り付けられる。
スロッシング抑制材は、山部12aと谷部12bとが交互に連続してなる波形抵抗板12からなるものである。このスロッシング抑制材は、浮屋根11の中央部の下面、具体的にはデッキ板11aの液面に隣接する下面に波形抵抗板12の山部12aがタンクの内側面に向くように取り付けられる。
スロッシング抑制材は、液面付近の水平方向の流動に抵抗を与えるとともに、その流動を多方向に分岐させるものである。したがって、デッキ板11aの下面からタンクの内底面に向けて延びるものの、その長さは短くされている。この長さは、任意に設定可能であるが、タンクの仕様、すなわちタンクの内径、高さ等によって、これまで知られたいかなる予測式、縮尺模型実験を実施してスロッシング高さを決定し、その高さを考慮して決定することができる。タンクの内径や高さにもよるが、内径が約20m〜約80mで、高さが約10m〜約40mのものの場合、例えば、その長さを約2m〜約10mとすることができる。
このスロッシング抑制材は、アルミニウム板、鋼板等の金属板を、交互に反対方向に折り曲げ、波形に成形することにより作製することができる。また、表面が波形に成型された金型を使用し、上記金属板をその金型に押し当てることにより成形することもできる。山部12aおよび谷部12bを形成するために折り曲げられる角度は、約30°〜約120°とすることができる。この金属板は、貯蔵される液体にもよるが、石油等であれば、耐油性を持たせるため、薬品であれば、耐腐食性を持たせるため、めっきを施すことができる。また、金属板は、液体の流動によって折れ曲がったり、切断されたりしない強度および厚さとされる。スロッシング抑制材は、デッキ板11aの下面に、溶接して、または、ボルトおよびナット等の締結手段を使用して取り付けることができる。
ここで、このスロッシング抑制材による液体流動の減衰について以下に説明する。地震が発生すると、その震源地を中心として地震波が同心円状に広がる。浮屋根式タンクが設置されている場所では、地震波による横波を受け、地盤が揺動し、その揺動が浮屋根式タンクにも伝播する。浮屋根式タンクの揺動に伴い、内部の液体にも揺動が伝播する。液体は、タンクの揺動方向に力を受け、その方向に流動を開始する。スロッシング抑制材が取り付けられていない場合、液体は、その揺動方向にのみ流動し、次第に増幅され、スロッシングが発生する。しかしながら、本発明では、浮屋根11にスロッシング抑制材が取り付けられているため、このスロッシング抑制材に衝突し、液体の流動が減衰される。
スロッシング抑制材は、波形抵抗板12からなるため、衝突した液体は、揺動方向とは異なる方向に分岐する。例えば、波形抵抗板12の正面に衝突した場合、山部12aによって少なくとも2つの方向に分岐する。山部12aは、複数存在しており、液体は波形抵抗板に衝突し、分岐した後の液体同士が互いに衝突し合い、多方向に流動することになる。波形抵抗板12は、デッキ板11aの下面にのみ取り付けられているが、揺動方向に流動する液体は、この多方向に流動する液体と衝突して抵抗が与えられ、波形抵抗板12が存在しないポンツーン11bの下側の液体の流動も減衰される。
タンクの内底面側の液体は、タンクの揺動に伴い、流動を開始するが、衝突するべき波形抵抗板12が存在しないため減衰されない。タンクの内底面側の液体は、タンクの内側面に衝突し、液面方向への流動を生じさせる。しかしながら、液面方向に流動する液体は、多方向に分岐して流動する液体と衝突して抵抗が与えられるとともに、流動方向が変えられ、液面を上昇させる力が減衰される。
本発明のスロッシング抑制材は、液面付近の液体の流動に抵抗を与えるほか、浮屋根11が持ち上がらないようにするための錘としても機能する。これは、浮屋根11の総質量を増加させるもので、スロッシングをさらに効果的に抑制することができる。
通常運転においては、液面レベルに応じて浮屋根11が昇降する。液面レベルが低い場合には、スロッシング抑制材がタンクの内底面に到達し、浮屋根11はそれ以下には降下しなくなる。しかしながら、このスロッシング抑制材には液体を貯留する構成要素や吸収する構成要素がないため、液ロスを生じる場合があるものの、液体をすべて回収することができる。
また、タンク内から液体をすべて回収した後に再度、液体を供給し、貯蔵する場合、タンクの内底面と浮屋根11との間に空気で満たされた空間を生じており、そのまま液体を供給すると、その空間を有した状態で液体が満たされ、貯蔵されることになる。この場合、その空間に液体が揮発し、液ロスが生じる。したがって、この空間をなくすため、デッキ板11aに空気を抜くための空気弁を備えることができる。
図2および図3に、スロッシング抑制材の実施形態を例示する。図2および図3は、タンクの内底面側から浮屋根を見たところを示した図である。図2に示す実施形態では、円形のデッキ板11aにリング状のポンツーン11bが周設されていて、複数の波形抵抗板12が、デッキ板11aの下面に並行して配列するように取り付けられている。波形抵抗板12の山部12aおよび谷部12bが連続する方向のそれぞれの長さは、円形のデッキ板11aへの取り付け位置に応じた長さとされている。すなわち、円形のデッキ板11aの中心を通るように取り付けられる波形抵抗板12の長さは、デッキ板11aの径とほぼ同じとされ、その中心を通うように取り付けられる波形抵抗板12から離間するにつれて短くされている。
図3に示す実施形態では、複数の波形抵抗板12が、デッキ板11aの下面に放射状に配列するように取り付けられている。図3では、デッキ板11aの中心部に、デッキ板11aの径に比較して小さい径(径は任意)を有する円筒部材12cが取り付けられ、その円筒部材12cからデッキ板11aの縁部に向けて放射状に延びるように複数の波形抵抗板12が取り付けられている。図3では、8つの波形抵抗板12が取り付けられており、隣り合う2つの波形抵抗板12により形成される中心角が略45°とされている。
このように複数の波形抵抗板12を取り付けることにより、波形抵抗板12に衝突し、抵抗が与られえて減衰する液体量を増加させることができる。すなわち、液面付近の液体の流動をより効果的に減衰させることができる。また、図3に示すように波形抵抗板12の山部12aが、それぞれ異なる方向に向くように配置することで、液体の流動を多方向に分岐させることができ、さらに効果的にスロッシングを抑制することができる。
図4に、波形抵抗板12の実施形態を例示する。図4(a)は、図1に示す波形抵抗板を拡大して示した図であり、図4(b)は、開口部を備える波形抵抗板を示した図である。図4(a)に示す波形抵抗板12は、上述したように金属板を成形することにより作製することができる。このようにして作製した波形抵抗板12は、複数の山部12aおよび谷部12bを形成する複数の第1平板部13aと複数の第2平板部13bとを備え、その第1平板部13aと第2平板部13bとが交互に配列した構造となる。上記の折り曲げられる角度が、第1平板部13aと第2平板部13bとにより形成される角度である。例えば、複数の第1平板部13aが、互いに平行に配列し、複数の第2平板部13bも、互いに平行に配列するように作製することができる。
図4(b)に示す波形抵抗板12は、金属板の所定箇所を矩形に打ち抜く等して開口部14を形成した後、上述したように成形することにより作製することができる。図4(b)に示す実施形態では、第1平板部13a、第2平板部13bの中央部に開口部14が設けられている。この開口部14は、流動する液体を通過させることができ、通過の際、液体に抵抗を与え、その流動を減衰させることができる。図4(a)に示す開口部14が設けられていない波形抵抗板12は、流動する液体を衝突させるのみであるが、図4(b)に示す開口部14が設けられた波形抵抗板12は、流動する液体を衝突させるとともに、その一部を通過させ、より効果的に液体の流動を減衰させることができる。
例えば、第1平板部13aに設けられた開口部14には、揺動方向に流動する液体の一部のほか、隣り合う第2平板部13bに衝突した液体の一部も通過する。開口部14の開口面積は限定されていることから、それら通過する液体には抵抗が与えられる。また、それぞれの液体が衝突し、減衰するとともに、流動方向が変わる。通過した液体は、上述したタンクの内底面側の液体がタンクの内側面に衝突し、流動方向を変え、液面方向に流動する液体と衝突し、その液面方向に流動する液体の流動を減衰させる。このように開口部14を設けることで、開口部14がないものに比較し、効果的にスロッシングを抑制することができる。図4(b)では、第1平板部13aおよび第2平板部13bのすべてに開口部14が設けられているが、第1平板部13aおよび第2平板部13bのいずれか一方に設けられていてもよい。また、複数の第1平板部13aの一部にのみ、あるいは複数の第2平板部13bの一部にのみ設けられていてもよい。
揺動方向に流動する液体の通過量が多い場合、流動方向が変えられず、与えられる抵抗も充分ではないため、上記のタンクの内底面側の液体の液面方向への流動とあいまって波立ちを生じさせ、その波立ちを増幅させる場合がある。このため、開口部14には、通過する液体に対し、充分に抵抗を与えるため、抵抗部材を取り付けることができる。これら抵抗部材は、液体の通過量を制限し、抵抗を与えるものである。図5(a)〜(d)に、開口部14に取り付けることができる抵抗部材を例示する。これら抵抗部材は、開口部14に溶着、接着、ボルトおよびナット等の締結手段、紐等の緊結手段を用いて取り付けることができる。これら抵抗部材は、液体の流動によって破損しないように剛性を有する材料で作製される。
図5(a)は、複数の小孔50が設けられた多孔板51である。多孔板51の大きさは、開口部14の大きさとほぼ同じ大きさである。多孔板51は、波形抵抗板12と同じ材質とすることができる。小孔50は、円形、楕円形、矩形等、いかなる形状であってもよく、いかなる数であってもよい。この多孔板51としては、パンチングプレート、エキスパンドメタルを挙げることができる。
図5(b)は、開口部14の大きさとほぼ同じ大きさに切断された網目を有する網状物52である。網状物52は、糸や針金等を編んで枡形の目(網目)を形成したものである。網目の大きさであるメッシュサイズはいかなるサイズであってもよい。図5(c)、(d)は、一部が重なり合うように配置される複数の小板53、55からなり、液体の流動方向に応じて開閉されるブラインド部材54、56である。図5(c)に示すブラインド部材54は、開口部14の長手方向である縦方向の長さとほぼ同じ長さで、開口部14の横方向の長さより短い複数の小板53からなり、図5(d)に示すブラインド部材56は、開口部14の縦方向の長さより短く、横方向の長さとほぼ同じ長さとされた複数の小板55からなるものである。この小板53、55は、波形抵抗板12と同じ材質とすることができる。
これらブラインド部材54、56は、小板53、55の一部が互いに重なり合うように配置され、各小板53、55はその長手方向の両端が回転可能に支持するための突起53a、53b、55a、55bが設けられている。これに対応して、開口部14には、これら突起53a、53b、55a、55bを嵌合させるための溝が設けられている。このため、例えば小板53は、横方向の縁部への液体の衝突によって回転され、開口部14を開放し、その液体を通過させることができる。この場合、液体は、衝突、小板53の回転および通過の際に抵抗が与えられ、その流動が充分に減衰される。なお、本発明ではこれら複数の小板53が回転しないように固定した状態であってもよく、この場合でも液体の流動を充分に減衰することができる。
これまで本発明のスロッシング抑制材を、図面を参照して詳細に説明してきたが、本発明のスロッシング抑制材は図面に示された実施形態に限定されるものではない。図面では、山部が先鋭とされているが、角丸めされていてもよいし、テーパが形成されていれば略台形であってもよい。本発明のスロッシング抑制材を提供することにより、スロッシングを抑制することができる、このスロッシング抑制材が取り付けられた浮屋根や、その浮屋根を備える浮屋根式タンクを提供することができる。
浮屋根式タンクの浮屋根にスロッシング抑制材を取り付けたところを示した図。 スロッシング抑制材の第1実施形態を示した図。 スロッシング抑制材の第2実施形態を示した図。 スロッシング抑制材に用いられる波形抵抗板を例示した図。 波形抵抗板に設けられた開口部に取り付けられる抵抗部材を例示した図。
符号の説明
10a…底板
10b…側板
11…浮屋根
11a…デッキ板
11b…ポンツーン
12…波形抵抗板
12a…山部
12b…谷部
12c…円筒部材
13a…第1平板部
13b…第2平板部
14…開口部
50…小孔
51…多孔板
52…網状物
53、55…小板
53a、53b、55a、55b…突起
54、56…ブラインド部材







Claims (3)

  1. 液面に浮き、かつ該液面を覆う浮屋根を備える容器において、スロッシングを抑制するために前記浮屋根に取り付けられるスロッシング抑制材であって、
    複数の山部および谷部を形成する複数の第1平板部と複数の第2平板部とを備え、前記第1平板部と前記第2平板部とが交互に配列しており、前記第1平板部および前記第2平板部のいずれか一方、または、その両方に流動する液体を通過させるための矩形の開口部が設けられ、前記開口部を通過する前記液体に抵抗を与えるために、該開口部に、一部が重なり合うように配置される複数の小板からなり、液体の流動方向に応じて開閉されるブラインド部材が取り付けられていることを特徴とする波形抵抗板からなり、前記液面に隣接する前記浮屋根の中央部の下面に、前記山部および前記谷部が前記容器の内側面に向くように取り付けられることを特徴とする、スロッシング抑制材。
  2. 前記スロッシング抑制材は、並行に配列するように取り付けられる複数の前記波形抵抗板からなる、請求項1に記載のスロッシング抑制材。
  3. 前記スロッシング抑制材は、放射状に延びるように取り付けられる複数の前記波形抵抗板からなる、請求項1に記載のスロッシング抑制材。
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